菜帆菜々奏「17歳談義」 (17)
こちら、アイドルマスターシンデレラガールズの二次創作、台本形式のSSとなります。
Twitter上で17日に行われていた安部菜々一斉投票企画に触発されて書いたはいいのですがこっちへの投稿が間に合いませんでした……orz
それでは、どうぞ!
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1523978205
とある日の夕方、事務所
海老原菜帆「お疲れ様です〜」ガチャ
安部菜々「あっ菜帆ちゃん、お疲れ様です!お茶、入ってますよ〜」
菜帆「ありがとうございます〜」
菜々「お仕事帰りですか?」
菜帆「はい〜。菜々ちゃんは?」
菜々「ナナはレッスンあけです。ちょっと休憩してから帰ろうかなーと。よければご一緒します?」
菜帆「ぜひぜひ〜」
速水奏「ふぅ、ただいま」ガチャ
菜々「奏ちゃん、お帰りなさい!」
菜帆「お疲れ様です〜」
奏「あら、菜々に菜帆じゃない」
菜々「お茶ありますけど、飲みますか?」
奏「うん、お願いするわ」
菜々「任せてください!湯のみとってきますね」
菜帆「奏ちゃんも、お仕事帰りですか〜?」
奏「そんなところよ。2人も?」
菜帆「菜々ちゃんはレッスン終わりですけどね。2人で休憩中です〜」
菜々「お待たせしました!どうぞ〜」
奏「ありがとう。ふぅ……」
奏「それにしても、珍しいメンツになったわね」
菜帆「言われてみれば、そうですね〜」
菜々「確かに、この3人でお話ししたことってないですねえ。あ!」
奏「?」
菜々「でもでも、共通点はありますよ!みんな17歳!」
奏「17歳代表、というにはちょっと偏った人選だけどね」
菜帆「そうですね〜。私なんか、この間未央ちゃんのラジオでプロフィールを紹介してもらった時、リスナーさんたちに17歳⁉︎って驚かれちゃいましたし〜」
奏「あら、そんなことがあったの」
菜帆「菜々ちゃんとは以前、17歳だと思ってもらえないってお話しましたよね〜」
菜々「ソ、ソウデシタネ」
奏「そういえば私も前菜々に言ったことがあったわね。制服着てたのにOLに間違われたって」
菜帆「あら、それはまた〜」
菜々「確かに聞きましたけど。あのぅ、なんでお二人ともその話をナナにしたんですか……?もしかして、何か意味があって……?」
奏「特にないわよ?菜々ならわかってくれるかなって思っただけで」
菜々「それはそれで納得いきませんね!?」
菜帆「それにほら、菜々ちゃんは聞き上手ですから〜。話しやすいんですよ、ね〜?」
奏「それもあるわね」
菜々「そ、そうですか?それなら嬉しいですねえ」
奏(あっさり誤魔化されたわね……まあ、嘘を言っているわけではないけれども)
奏「そういう意味では、年齢相応に見られないって言うのも、私たちの共通項とも言えるわね」
菜帆「はい〜」
菜々「そうですね……っていやいや!?ナナは正真正銘の17歳ですよ!?」
奏「わかってるわよ。でも、時々とてもそうは見えないじゃない」
菜々「ギクウッ!いやー、それはそのぉ……そういうことが全くないとは言いませんけど、ハイ」
奏「それに、時々言動がみんなの保護者みたいだし」
菜々「ほ、保護者ですか?」
菜帆「おばあちゃんみたいな優しさを感じます〜」
菜々「おば……!」ガガーン
奏「菜帆あなた、意外と容赦ないわね……」
菜帆「あ、あら〜?」
菜々「ううぅ〜……」ションボリ
菜帆「ごめんなさい〜。褒め言葉のつもりだったんですけど〜……」
菜々「いえ、いいんです……悪気がないのはわかってますから……。ただショックから立ち直れないだけなので……」
菜帆「これ食べて、元気だしてください〜」
菜々「ありがとうございます……」モグモグ
菜帆「甘いものは心の栄養になりますよ〜。奏ちゃんもどうぞ〜」
奏「あら、ありがとう。……うん、美味しいわね」
菜帆「他の味もありますよ〜」
菜々「もういっこください……」
菜帆「はい、どうぞ〜」
奏「これは、それぞれ中身が違うのかしら?」
菜帆「そうなんです〜。餡子をパイ生地で包んだものですから、抹茶味とかかぼちゃ味とか、色々あるんです〜」
奏「ふうん。八つ橋以外の和菓子って久しぶりに食べたから、新鮮だわ。ところで、菜々はそろそろ復活できそうかしら?」
菜々「むぐむぐ……ごくん。はい!ウサミン、華麗に復活ですよ!キャハッ☆」
菜帆「わあ~」パチパチ
菜々「そうです!17歳に見えないと言うのなら、もっとJKらしい振る舞いを、見て、盗んで、研究するまで!!」
菜帆「菜々ちゃん、その意気ですよ〜!」
奏「まあ、私たちはあんまり参考にならないかもだけどね。というか、研究って言っちゃったらダメじゃないかしら?」
菜々「あうっ!そうでした……」
菜々「そういえば、2人は大人っぽさの方向性がだいぶ違いますよね?」
奏「そうかもしれないわね」
菜帆「私はそんなに大人っぽいつもりはないんですけど〜」
奏「菜帆は大人っていうより、お母さんっぽいわよね」
菜帆「よく言われます〜」
菜々「その優しい母性はどこで学んだんですか!?ナナ、気になります!」
菜帆「う〜ん。と言われても、単にのんびりで鈍感なだけなんですよ〜?いつも普通にしているだけですし〜」
奏「普通に、ねえ」
菜々「恐るべし天然素材……」
菜帆「無添加ですよ〜。なんちゃって、うふふ♪あ、でも~」
菜々「でも、なんですか?」
菜帆「私がのんきにふんわりできているのは、毎日美味しいものを食べてるからかもしれないです~」
奏「さっきから手が止まってないものね……」
菜帆「お2人も、もっと食べていいんですよ~?」
菜々「そ、それじゃあお言葉に甘えて……」
菜帆「ごちそうさまでした~」
菜々「結局全部食べちゃいました……」
奏「これで私も柔らかい雰囲気になったりするのかしら」
菜帆「そうなったらお揃いですね~」
菜々「奏ちゃんはクールですからねえ。まさに大人っぽい!って感じですよね!」
菜帆「落ち着いてますし、カッコいいですよね〜」
奏「………」
菜々「奏ちゃん?どうかしたんですか?」
奏「……ねえ。大人っぽいって、本当にいいことなのかしら?」
菜帆「それは、どういう~?」
奏「私、本当に頻繁にいろんな人から大人っぽいねって言われるの。そりゃあ、例えば小さい子たちとかは、純粋に憧れとかから言ってくれてると思うのだけれど。全員が全員、素直に褒めてくれてるわけでもないんじゃないかって思うわ」
菜々「奏ちゃん……」
奏「大人は、大人っぽいなんて言われないじゃない?それをわざわざ言われるってことは、結局まだまだ私は子供扱いされてるってことなのよね」
菜帆「……」
菜々「…………」
奏「なんて。こんな話されても困っちゃうだけよね。ごめんなさい、今のは聞かなかったことに……」
菜々「ナナは。ナナは、そんなことないって思います!」
菜々「確かに、奏ちゃんの言うことはもっともです。大人っぽいっていうのは若い子に向ける言葉で、大人はそんなこと言われません。でも、それは、大人が大人っぽいのは当然で、大人らしくなっていないといけないからです。そう簡単にはいかないはずなのに、そういうことになってるんです!」
菜々「でも!今の奏ちゃんは17歳です。そんな奏ちゃんが大人っぽいことは、今だけしか得られない魅力なんです!大人っぽい17歳は、ただの大人らしい大人よりとっても、とっても素敵だとナナは思います!!」
奏「……そうね。確かに、菜々の言う通りだわ。ちょっと穿った捉え方だったみたい。ありがとう」
菜々「いえいえ、どういたしまして!」
奏「今の菜々みたいな、人生経験の豊かさに裏打ちされた言動こそが、真の大人っぽさかもしれないわね」
菜帆「なるほど~。確かに、とってもいい言葉でした~」
菜々「えへへ、まあ下積み時代は長かったですから……はっ!?菜々、説教臭かったですか!?」
奏「ううん、そんなことないわ」
菜々「それならよかったんですけど。でももしや、こういうのが原因でリアルじぇいけいに見えないんじゃ……」
菜帆「仮にそうだとしても、それが菜々ちゃんのいいところだと思いますよ〜」
菜々「そ、そうですか?」
菜帆「色んな積み重ねに支えられている、菜々さんの姿はとっても輝いてますから〜」
奏「そうね、それでいて全く押し付けがましくないもの。その辺の大人とは比べるべくもないわ」
菜々「2人とも……うぅ、ありがとうございます!」
奏「さて。2人とも、この後時間ある?よければ案内したいお店があるのだけれど」
菜々「菜々は大丈夫ですよ!」
菜帆「私も時間空いてます〜」
奏「そう。なら行きましょうか。ちょっとオシャレなところだから、期待しててね?」
菜帆「わあ〜、いいですね〜」
菜々「オシャレなところ……そのぅ、菜々がいっても大丈夫でしょうか?」
奏「大丈夫よ、私がエスコートしてあげるから、ふふっ♪」
菜々「おおー、頼もしいです!」
ガチャ バタン
以上です、読んでいただきありがとうございました!
よければ感想など置いて行ってもらえると嬉しいです。
ちなみに、作中に登場させた和菓子はうすあわせといって実在するものです、美味しいよ!
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