軍人「さあ、死んでもらうぞ学生よ」ﾁｬｷ

ルル「……」


軍人「恐怖のあまり声も出んか。安心しろ、痛みを感じる間もなくあの世に送ってやる。そこの女と同じようにな」


ルル「……分かっているのか？」

軍人「何？」


ルル「撃っていいのは、撃たれる覚悟のあるやつだけだ」ﾀﾞｯ

軍人「ッ！……馬鹿め！」


ﾊﾟﾝｯ!


ルル「ふん」ｻｯ


軍人「な…！？」

軍人「くっ、撃て！撃ち殺せえ！！」

兵隊「「イエス、ユアハイネス！！」」ﾄﾞｶﾞｶﾞｶﾞｶﾞｯ


ルル「数の問題じゃないんだよ」ｻｯ ｻｯ


軍人「弾道を読んだだと！？何なんだこいつは！？」

ルル「貴様が知る必要はない」


ｶﾞｯ!!

軍人「う……が…ッ」

軍人「」


ルル「辛うじて生きている……」

ルル「打撃位置が微妙にズレたか……？いや、これは単純な腕力不足だろう」



ﾄﾞﾄﾞﾄﾞﾄﾞﾄﾞｯ!!

ルル「ちっ」ｻｯ


ルル「まあいい……さあ、次はおまえ達だ」

ルル「さて、こんなものか」ﾊﾟﾝﾊﾟﾝ



軍人「」ﾁｰﾝ

兵隊「」ﾌﾞｸﾌﾞｸ



ルル「全員まだ息があるな。少なくとも数日は目が覚めないだろうが」


ルル「おい女。そろそろ死んだふりはやめにしないか？」

C.C.「……バレていたか」ﾑｸｯ


ルル「ああ。不老不死なんだろう？この能力といいデタラメな女だな」

C.C.「お前の能力も十分デタラメだよ。まったく、とんでもない能力が発現したものだ」

C.C.「それと痛覚が無いわけではないんだぞ。少しは手を貸せ」

ルル「ち、仕方ない……」

C.C.「……バレていたか」ﾑｸｯ


ルル「ああ。不老不死なんだろう？デタラメな女だな」

C.C.「お前の能力も十分デタラメだよ。まったく、とんでもない能力が発現したものだ」

C.C.「それと痛覚が無いわけではないんだぞ。少しは手を貸せ」

ルル「ち、仕方ない……」

ルル「確か"ギアス"とか言ったな、この能力は」

C.C.「ああ。あくまで総称だが」


ルル「ならば差し詰め『答えを出す者(ｱﾝｻｰﾄｰｶｰ)』のギアスといったところか」

C.C.「全ての問いに答えを出せる能力か。戦闘への応用も効くようだ。さっきの動きは能力の産物だろう？」

ルル「銃弾を避ける動体視力が無くとも、安全なルートを検索すれば済む話だ」

ルル「だが万能という訳ではないようだ。例えば答えの存在しない問いなどには意味を為さない」


C.C.「ところでその能力、私にも効くのか？」

ルル「ああ。何故だ？」


C.C.「本来であれば私にギアスは効かない筈。だが、おまえのそれは直接私に作用する類の物ではないからな」

C.C.「乱用には気を付けることだ。自身に作用するギアスは精神を滅ぼすぞ」

ルル「……覚えておこう」


C.C.「それから。私の過去は絶対に覗くなよ」

ルル「ちっ……」

一先ずここまで

ルル「ならば自分で語ってくれるんだろうな。おまえが何者なのか……」

C.C.「いつかな。一先ず―――、『共犯者』ということでどうだ？」

ルル「ふざけているのか」

C.C.「女は秘密が多い方が良いだろう」


ルル「……おまえのことは何と呼べばいい」

C.C.「C.C.だ。これからよろしく、ルルーシュ」

ルル「ええい、どこまでもふざけた女だ――――…

ｷﾞｭｲｲｲﾝ…


ルル「ッ！何か来る……ブリタニアのサザーランドか」

C.C.「つくづく便利な能力だな」

ルル「それより早く姿を隠せ。学生と拘束服の少女など怪しいにも程がある」

C.C.「どうにかしろ。無理矢理起こしたのはおまえだ」

ルル「面倒な魔女め……」

ヴィレッタ「親衛隊が……！？ここで一体何があったんだ」

ヴィレッタ（一先ず、生存者の確認を―――）ｳｨｨﾝ


ルル「ほわぁッ！！」ｺﾞｷｯ

ヴィレッタ「！？」ﾊﾞﾀｯ



ヴィレッタ「」ﾁｰﾝ

ルル「ふう、常に相手の死角に入れるというのは便利だな……」ﾊｧﾊｧ

C.C.「大分息が上がっているな。なるほど余程の不健康体らしい」

ルル「そもそも俺のジャンルじゃないんだよ……ええい、いいからサザーランド肩に乗れ。物資補給車両を奪いに行くぞ」ｳｨｨﾝ

C.C.「戦場の真っ只中で外に出しておくつもりか。私もコックピットに乗せろ」ｶﾞｼｯ

ルル「どうせおまえは不老不死だろうが……」

C.C.「うるさい」

-コックピット内-


C.C.「狭いな。おっと、劣情に駆られて変なところを触るなよボウヤ」

ルル「黙れ」

ルル「パスワードもこの能力の前では何の意味も為さないな」ﾋﾟｯﾋﾟｯ


C.C.「ところでこれからどうするつもりだ？物資を奪ったところで、それを使う人員がいないだろう」

ルル「ああ。如何にクロヴィスの軍と言えど、流石にナイトメア一騎で戦況を覆すのは不可能だ」

ルル「だから生き残っているテロリストを利用する。―――…ここからはギアスを使うまでも無い」


ルル「何しろ兄上には負けた試しが無いからな」

翌日

-アシュフォード学園-


ルル（―――昨日は白兜というイレギュラーすらあったものの、敵軍に打撃を与えクロヴィスの抹殺を果たすことが出来た）

ルル（当面の目標は白兜の撃破と―――）


ルル（俺の軍を作ること）


ルル「チェックだ」ｶｯ

リヴァル「うあー、また負けた！つーかそもそもルルーシュに勝てるワケないだろ！」

ルル「やろうって言ったのはリヴァルじゃないか」

リヴァル「少しは手加減しろよ！何この惨状！？昨日コテンパンにした貴族の百倍ひどくない！？会長ー！ルルーシュ君が虐めてきますー！」

ミレイ「はいはい。ほどほどにしておきなさいよールルーシュ。リヴァルが騒いでうるさいから」

リヴァル「か、会長……」


シャーリー「ねえ！それより貴族ってどういうこと！？まさかルルたち、また賭けチェスを……」

ルル「リヴァル……」

リヴァル「あ、いけね。口が滑った」

シャーリー「もうっ！」

リヴァル「ま、まあもう過ぎた事なんだし！あ、そうだシャーリー次やる？」

シャーリー「え？でも私チェスなんて―――」

ルル「良いだろ？たまには。ほら、座って」

シャーリー「…う、うん。ルルがそう言うならやってみる…けど…」

ルル「大丈夫。分からないところは教えるから」


ミレイ「相変わらずちょろいわねーシャーリーは」

シャーリー「ちょ、ちょろくないですうー！」

ミレイ「あ。ところでみんな、新宿の事件知ってる？学園中その話題で持ちきりだけど」

シャーリー「怖いですよね……テロなんて」

リヴァル「報道見て面白がるような奴もいるけどなー」

ルル「……」


ルル（やはりクロヴィスの件は噂にすらなっていない……ブリタニアが意図的に隠蔽しているのか）

-教室-


ルル（しかし気になるのはギアスのことだ……）

ルル（『母さんを殺した犯人』の答えが出なかったのは一体―――）


ルル「―――ん？あいつは…」



女生徒「カレン、久しぶり！体の方はもう良いの？」

カレン「うん。あんまり無理は出来ないけどね……」

カレン「あんまり休むと、みんなについて行けなくなっちゃうし」

ルル（そうか……新宿のテロリストがこんなところに）ｷｨｨﾝ


『紅月カレン。シュタットフェルト家令嬢。成績抜群。病弱設定』


ルル「設定って……」

ルル「なるほど。お嬢様のブリタニア人とテロリストの日本人、二つの顔を持っているというわけか」

カレン「こんにちは。どうしたの？こっちをじっと見てたけれど」

ルル（！）


ルル「ああいや、始業式以来見てなかったから。珍しいなと思って」

ルル「体の方はもう良いのかい？」

カレン「ええ、最近は割と。ありがとうルルーシュ君」

ルル「ああ。それじゃ」


ルル（奴の操縦技術は俺の軍に欲しいところだ……交友関係を築いておいて損はないか）

ここまで