北条加蓮「お医者さんごっこ」 (23)
※デレマス
プロデューサーが加蓮にお医者さんごっごする話ではありません。シャレにならないので。
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加蓮「奈ぁ〜緒っ、どうしたの?難しい顔して、何読んでるの?」
奈緒「うーん、こんど受けるオーディションの資料なんだけどな」
加蓮「さっき、プロデューサーさんと話してたやつ?」
奈緒「ああドラマの仕事なんだけどな」
加蓮「どれどれ、天才的な頭脳を持つが病弱な少女が新米熱血刑事とコンビを組んで事件を解決していく刑事ドラマか。奈緒、こういうの好きそうじゃない」
奈緒「ああ、元は連載中の少女漫画なんだけどな、あたしが読んでるって言ったらプロデューサーさんがオーディション受けてみろって」
加蓮「いいじゃん、原作知ってるなら役作りしやすいでしょ」
奈緒「うーん、ただ実写化にあたってずいぶん設定変えられてるからなあ。下手に雰囲気壊すとファンにバッシングされそうだし」
加蓮「そんな事気にしてるの?」
奈緒「いやいや、漫画の実写化はハイリスクなんだよ。原作ファンの期待がある分完成度のハードルが上がるし、複雑な設定を簡単に説明しようとしたら世界観壊したとか言われるし、人気の役者キャスティングするためにキャラの性別変えられたりするし、ネットでは原作レ」
加蓮「れ?」
奈緒「…原作を汚したなんて叩かれるし」
加蓮「ふーん、じゃあ奈緒は実写化には反対なの?」
奈緒「あたしは漫画は漫画、ドラマはドラマで別物として,面白ければいいと思うぞ。知名度が上がれば原作に興味持つ人だって増えるからな」
加蓮「じゃあさ、奈緒たちがばっちり仕事していい作品にすればいいんじゃないの」
奈緒「他人事だと思って気楽に言いやがって」
加蓮「ふふっ」
奈緒「あとな、天才的な頭脳ってのは脚本次第だからどうにでもなるんだけど」
加蓮「だけど?」
奈緒「病弱な少女ってのがなあ。あたしのキャラと離れ過ぎじゃないか?」
加蓮「トライアドの中じゃライブの時に一番派手なパフォーマンスするのは奈緒だしね」
奈緒「そうなんだよ。あたしたち歌やグラビア活動ばかりで演技とかあまりした事ないだろう」
加蓮「そうだね、私たち黙ってても絵になる美少女ぞろいだものね」
奈緒「自分でいうなよ、そしてあたしを勝手に美少女に入れるな!」
加蓮「ふふっ、奈緒はかわいいよ」
奈緒「からかうなぁ」
加蓮「ねえ、奈緒。私が手伝ってあげようか」
奈緒「なにを?」
加蓮「病弱少女の役作り。ほら、私って元・病弱な美少女だし」
奈緒「だから自分で言うなよっ!」
加蓮「奈緒のオーディションに役立つアドバイスがしてあげられると思うんだけど」
奈緒「…加蓮はいいのか?」
加蓮「なにが?」
奈緒「身体が弱かったこととか、あまり触れてほしくないんじゃないか」
加蓮「それはね、知らない人に弄られたりするのは嫌だけど。奈緒の助けになるなら平気だよ」
奈緒「うーん、そうか。それなら参考になるかもしれないから聞かせてもらおうかな」
奈緒「なあ加蓮」
加蓮「なあに奈緒」
奈緒「どうしてあたしはベッドに寝てるんだ?」
加蓮「口で説明するより実際に病人の気持ちを体感した方が早いでしょ」
奈緒「なあ加蓮」
加蓮「なあに奈緒」
奈緒「どうしてあたしはパジャマを着てるんだ?」
加蓮「病人といったらパジャマでしょ、服のまま寝たらシワになるし」
奈緒「なあ加蓮」
加蓮「なあに奈緒」
奈緒「どうして事務所に加蓮のパジャマが用意してあるんだ?」
加蓮「私が気分悪くなった時の為にって、前に奈緒が持ってこさせてたでしょ」
奈緒「ああ、そうだった!結局使う機会がないから忘れてた!」
加蓮「ふふっ、役にたって良かったね」
奈緒「まさかこんな形で使うことになるとは」
奈緒「なあ、それで病人の気持ちになるって何をしたらいいんだ」
加蓮「何もしないよ」
奈緒「えっ!?」
加蓮「病気の時はね、何もできないの。ただおとなしくベッドに横たわって天井を見上げるの」
奈緒「なんだそれは、じゃああたしはこうやってただ寝てるだけか」
加蓮「活動的な病人なんておかしいでしょ」
奈緒「せっかくレッスンまでキャンセルして加蓮に付き合ったのに」
加蓮「今日は基礎レッスンだし、プロデューサーさんにOKもらったんだからいいでしょ」
奈緒「こんなことならレッスンしてた方が良かったよ」
加蓮「したいことができない、身体を動かすことも禁じられる。それが病気なの!」
奈緒「なんでちょっとドヤ顔なんだよ」
加蓮「どう病人の気持ち分かってきた?」
奈緒「なんだか加蓮に遊ばれているだけのような気がしてきた」
奈緒「うーん、退屈だな」
加蓮「まだ30分も経ってないよ、奈緒は辛抱が足りないね」
奈緒「ただ寝てるだけじゃ、って、加蓮はスマホいじって何してるんだ?」
加蓮「んー、奈緒が言ってた原作のコミック見てるの。今なら3巻まで無料で見られるんだって。けっこう面白いね、これ」
奈緒「そうだろ、主人公の女の子が素直じゃないんだけどそこがまた可愛いんだよ」
加蓮「素直じゃないのは奈緒にぴったりだね」
奈緒「うるさい!」
加蓮「ほらほら病人は静かにしてなさい」
奈緒「うう」
加蓮「あ、そうだ。ちょっと待っててね」
奈緒「ああっ、加蓮…行っちゃった、本当に自由なやつだな」
加蓮「お待たせー、じゃーん。プリン持ってきたよ。」
奈緒「おお、どうしたんだそれ」
加蓮「ちひろさんがくれたんだよ。お客さんに貰ったんだって。はい、奈緒の分」
奈緒「サンキューって、あれ、それあたしのだろ」
加蓮「そうだよ」
パカ
奈緒「なんで加蓮がふたを開けてるんだよ」
加蓮「奈緒は病人だから私が食べさせてあげるね、はい口開いて」
奈緒「いいってば、それくらい自分でできるから」
加蓮「だめだよ、普段は簡単にできていても力が抜けてスプーンを持つのですらままならない、それが病気なの!」
奈緒「だからなんで決め台詞っぽく言うんだよ!」
加蓮「ほらほら病人はおとなしく言うことを聞くの。はい、あーん」
奈緒「あ、あーん」
加蓮「はい、美味しいでしょ」
奈緒「恥ずかしくて味が分からないぞ、これ」
加蓮「えー、こんなに美味しいのに。やっぱり病気の時はプリンだよね」
パクッ
奈緒「おい加蓮、なんであたしのプリン食べてるんだよ」
加蓮「別々に開けるの面倒でしょ、後で私のも分けてあげるから。はい奈緒の、あーん」
奈緒「あ、あーん」
奈緒「はあ…、プリン食べるだけでだいぶ疲れたぞ」
加蓮「いつもなら何気なく食べているプリンだけで疲労してしまう、それが病気なの!」
奈緒「だからわかったって!」
加蓮「それにしてもさ」
奈緒「なんだ?」
加蓮「さっきの漫画で主人公の女の子はまあいいんだけどね、相手役の刑事」
奈緒「ああ、新米の熱血刑事な」
加蓮「私は、ちょっと苦手なタイプだな。なんだか暑苦しくて」
奈緒「そうか、誰も相手にしてなかった主人公の事を心配するいい人だと思うけどな」
加蓮「ふーん、奈緒はああいう男が好みなんだ」
奈緒「それとこれとは違うだろ!漫画の話だよ!」
加蓮「でもさ急に病室に花束持って現れたり、来ないでって言われたら今度は窓の下から大声で思いを叫んだり。ちょっとウザいよね」
奈緒「まあ、少女漫画だし」
加蓮「それに主人公と結ばれる、みたいな展開になってまんざらでもなさそうだし。相手は中学生の女の子だよ。気持ち悪くない?」
奈緒「加蓮、主人公と刑事の年の差はあたしたちとプロデューサーさんより近いんだぞ」
加蓮「奈緒、この話は無かった事にしよう」
奈緒「…そうだな」
加蓮「それにしても漫画だからってちょっとやりすぎじゃない?」
奈緒「でも病気で入院してる時は寂しいんだろ。誰か来てもらえたら嬉しいんじゃないのか?」
加蓮「甘い、甘いよ奈緒。まだ病人の気持ちが全然分かってない!」
奈緒「そうなのか?」
加蓮「入院中は心が弱っているの、お風呂だって毎日入れるわけじゃないしお化粧もろくにできない。そんなところを人に見られたくないの」
奈緒「うーん、そういうものか」
加蓮「病院なんてすぐに噂が拡がっちゃうんだから、何度も押し掛けて来られたら迷惑だよ」
奈緒「そんなものかなあ」
加蓮「分かった、過剰なお見舞がどんなに嫌か奈緒にも教えてあげるよ」
ガチャ
「やあ寂しくさせてごめんね、この花を見て笑顔を取り戻してよ」
奈緒「うわあ!ドアが開いて花の群れがなだれ込んで来た!っていうか喋った!」
凛「ねえ加蓮、これで良かったの?連絡で言われた通りにしたんだけど」
奈緒「なんだ凛か、驚かせるなよ」
加蓮「うふっ、あははっ、あははははははっ、あははははははははははは、アハハハハハハハハハハハハハ」
奈緒「加蓮笑いすぎっ」
加蓮「だ、だって奈緒のびっくりした顔見たら、あははははははっ、」
奈緒「っていうか、どうしたんだその花束。凛の身体が見えないくらい山盛りにして」
凛「売れ残って処分しようとしていたのを集めて花束にしたんだ。ちょっと多かったかな」
奈緒「多すぎだよ!渋谷生花店の経営大丈夫か?」
みりあ「わぁー、お花だ。ねえねえ凛ちゃん、奈緒ちゃんにプレゼント?プロポーズするの?」
比奈「見事な花束ッスねぇ〜。今度描く原稿の参考にさせてもらうッス」
夕美「お花?お花だよね!こっちからお花の香りがしたから駆け付けてきたんだっ!」
奈緒「わぁ!なんかいっぱい現れた!いいからこれは演技の練習だから、なんでもないから出ていってくれ!」
バタン
加蓮「どう奈緒、いきなり花束持って来られたら迷惑でしょ」
奈緒「迷惑っていうかびっくりしたよ!」
凛「お見舞の時はバラやシクラメンは縁起が悪いからNGだよ。あと鉢植えは根付が寝付くを連想させるから避けた方がいいよ」
奈緒「ダジャレかよ!」
加蓮「奈緒、入院中は心が弱っているからちょっとした言葉使いにも傷つくんだよ。それが、病気なの!」
奈緒「それはもういいから!」
夕美「お見舞にお花を贈るときはプリザーブドフラワーがいいよ。お手入れの必要がないし、いつまでもお花が綺麗なままで楽しめるんだ」
奈緒「わあ、夕美さんまだ居たのか!分かったから!」
奈緒「はぁ、なんか一気に疲れたぞ。主にツッコミで」
加蓮「そう、親切心からお見舞に来てもかえって患者を疲れさせてしまうことがある。それが、」
奈緒「もういいからっ!」
加蓮「むぅ」
凛「ねぇ、私はどうしたらいいの?花束持ってきただけで終わり?」
加蓮「そうだね、せっかく凛も来たんだから奈緒で遊んでばかりいないで演技の練習しようか」
奈緒「おいっ!今あたしで遊んでるって言ったな!?」
加蓮「奈緒がこの漫画のドラマに出る事になったんだよ」
奈緒「話を聞けよ!あと決まってないから、今度オーディション受けるんだからっ!」
凛「ああ、この漫画なら私も見たことあるよ」
奈緒「へぇ、凛もこういう少女漫画読むんだな」
凛「ちょっ、私だって漫画くらい読むよ。っていうか卯月の部屋に置いてあったからたまたま読んだだけだってば」
加蓮「へー、凛は卯月の部屋に遊びに行くんだ」ニヤニヤ
奈緒「しかもたまたま読んだって事は、部屋に一人で待たされていたんだな」ニヤニヤ
加蓮「凛ちゃんちょっと待ってて下さいね、すぐに戻りますから。自分の部屋だと思って楽にしていてくださいね」
凛「なんでそこまで…って、卯月の真似するのやめて!」
加蓮「あはははっ、はいはい」
凛「もう」
凛「それで、奈緒オーディションの練習するんでしょ。私も手伝うよ」
加蓮「ごまかした」
奈緒「うーん、でも練習といってもなにをしたらいいんだ?」
加蓮「三人居るんだから漫画のセリフを読み合わせてみない?ドラマの台本とは違うけど練習にはなるでしょ」
凛「うん、そうだね」
奈緒「じゃあ、どの話にしようか」
加蓮「うーん、これなんかいいんじゃない?多分ドラマでもこのエピソードやるでしょ」
奈緒「ああ少女連続猟奇殺人事件か」
凛「たしか主人公の主治医が犯人なんだっけ?」
奈緒「そう、病院長の息子という立場を利用して証拠を隠滅していたんだ」
加蓮「酷い話だよね」
奈緒「人の命を救う医者なのにその地位を利用して悪事を働くなんて許せないよな」
加蓮「大病院なんて医者の権力争いが激しいんだから、そんな事したらすぐに密告されて父親と一緒に終わりなのに。リアリティの無い酷いシナリオだよね」
奈緒「そっちかよ!加蓮はどれだけ病院に悪い印象があるんだ!」
凛「でも犯人に襲われそうになった主人公が、助けてくれた刑事に心を許すようになった大事な転機だよね」
加蓮「たまたま読んだにしては詳しく覚えてるね」
凛「い、いいじゃない。ほら、じゃあ始めるよ。配役決めよう」
奈緒「あたしは主人公の役だろ」
加蓮「凛は花束持ってきたから刑事役で、私は犯人の医者役、かな」
凛「うん、それじゃあ始めようか」
奈緒「やっぱり貴方が犯人だったのね」
加蓮「くっくっくっ、まさか君が気付くとはね。まあたいして問題じゃない。君の病気が急に悪化して病死、死亡診断書にはそう書けばいいだけの話だ」
奈緒「くっ、そんな事してもいつか絶対にバレるわ」
奈緒「(うぅ、役とは言え女言葉は恥ずかしいな)」
加蓮「この部屋は完全に防音だ。せいぜい泣き叫んで私を楽しませてくれ」
奈緒「(加蓮は男言葉を自然に使ってるな、あたしより演技に向いてるんじゃないのか?)」
奈緒「だ、誰が貴方を楽しませるもんですか、殺すならサッサとしなさい。どうせ普段から長生き出来ないって覚悟はしてるんだから」
加蓮「いい心掛けだ、だがそれがいつまで続くかな。私は痛みの少ない治療をモットーにしてるがそれは仕事の時だ。趣味では好きなようにさせてもらうぞ」
奈緒「(たしかこの後犯人に襲われた主人公が、ぎりぎりまで悲鳴を我慢するんだけど耐えきれなくなって助けの声を上げた時に刑事が扉を開いて現れるんだよな)」
加蓮「それじゃあまずは」
ジャキ
奈緒「お、おい加蓮!ちょっと待て」
加蓮「もう、せっかくいい場面なのに。役に入りきってないよ」
奈緒「いやいやいや、その手に持ってるのはなんだよ」
加蓮「えっ、ハサミだよ。ほら、漫画だとメスだけどさすがに用意できないし」
奈緒「ああ、そうか。そこまで再現しようとしてたんだな」
加蓮「当然でしょ、ほら続きやるよ」
奈緒「お、おう」
加蓮「薬を使えば簡単なのだがね、私は女の子の悲鳴を聞くのが大好きなんだよ」
奈緒「くっ、最低なやつ」
加蓮「一気にはいかずじわじわと料理してやるからな」
ジョキ
奈緒「ちょっ、加蓮ストッープ!!」
加蓮「もう、集中できないじゃない。なに?」
奈緒「なに?じゃねーよ、本当にパジャマ切ろうとしてるじゃないか!しかもこれ加蓮のだろ」
加蓮「え、私はいいよ。奈緒の演技の為ならパジャマの一つや二つ」
奈緒「そういう問題か?」
加蓮「安心して、奈緒の体には傷つけないから」
奈緒「当たり前だよ!」
加蓮「あのねぇ、奈緒。オーディション受かってドラマ撮影するなら本当に襲われる場面やるんだよ。こんなことでビクビクしないの」
奈緒「ま、まあそうだな。いきなりなんでびっくりした。まあ加蓮がいいって言うなら」
加蓮「それじゃあ続きやるよ」
加蓮「さてその強情がいつまで続くかな、楽しませてもらおうか」
奈緒「(こんなセリフ漫画にあったかな?)」
ジョキ
奈緒「ひっ!」
奈緒「(芝居だと分かっていても服を切られるのって怖いな。なるほど加蓮はあたしにこの恐怖心を教えようとしたのか)」
加蓮「どうした、顔が強張っているぞ。さっきみたいに私を睨みつけてみろ。それとも助けを呼んでみるか、どうせ誰にも聞こえないけどな」
奈緒「くっ、くそ」
加蓮「女の子がくそなんて言ってはいけないな、そのふしだらな口を先に切り裂いてやろうか」
奈緒「きゃっ」
加蓮「そうだ、いい子にしてれば少しは長生きできるぞ」
奈緒「あんたを楽しませるくらいなら、ひっ」
加蓮「強がっていても所詮は小娘だな、刃物を向けられると身体が自然と怯んでしまう」
奈緒「くっ、」
奈緒「(ここで主人公は両手を後ろで縛られてしまうんだよな、加蓮ちゃんとそこまで再現するのか)」
加蓮「さあ、ゆっくり楽しませてもらうぞ」
奈緒「(なんて鋭い目付きなんだ、まるで獲物を狙う肉食獣みたいだな。加蓮のやつ本格的に役に入りきってるな。あたしも負けてられないぞ)」
ジャギ
奈緒「きゃっ」
奈緒「(だめだ、なにか気の利いた事言おうとしても手を縛られて刃物が近くにあるだけで怖くて口が開かない)」
奈緒「(漫画だとけっこう強気に言い返していたよな、なるほどあの主人公は芯はけっこう強いんだな。おっ、なんか演技のコツが掴めたかも。最初は加蓮に遊ばれてるだけのような気がしてたけど、やっぱりあたしの為にしてくれてるんだな。友達っていいよな)」
奈緒「くっ、覚えてなさい」
加蓮「その台詞をもうすぐ死ぬ人間に言われても怖くないな」
奈緒「じゃあ幽霊になって呪い殺してやるから」
加蓮「あいにくと迷信は信じないのでね」
奈緒「じゃあ病院に取り憑いてやるから。オカルト雑誌に紹介されてせいぜい経営不振で苦しみなさい」
奈緒「(あっ、主人公の気持ちに近づいたらなんか上手い減らず口が言えた、あたしもアドリブスキル上がってきたかも)」
加蓮「それは困ったな、それじゃあ今のうちに楽しい思い出を作っておくかな」
ジャキジャキ
奈緒「(この後服を引き裂かれて、ついに肌が切られるって直前に叫べばいいんだな。そうしたら刑事役の凛が早速と登場っと)」
加蓮「さて、そろそろ仕上げといくか」
ビリビリ
奈緒「(漫画だと主人公の服が引き裂かれて肌があらわになって、ちょっとサービスシーンぽくなるんだよな。女の子向けなはずなのにそういう場面必要なのか?)」
ビリビリビリビリビリビリ
奈緒「おっ、おい加蓮いくらなんでも引裂きすぎじゃないのか」
加蓮「…」
奈緒「(あっ、また役に入りきってないとか言われるのか、これ)」
加蓮「ごめん奈緒」
奈緒「えっ」
加蓮「怯えながら必死に抵抗する奈緒の顔見てたら、なんかゾクゾクして…止まらなくなっちゃった」
奈緒「ええっ!?」
加蓮「ごめんね、痛くは…しないと思うから」
ビリビリビリビリ
奈緒「おい、思うってなんだよ!おい凛、助けてくれ」
凛「私も二人のやりとり見てたらなんか興奮して来たよ!」
奈緒「凛もかよ!加蓮のあれは演技じゃなくて素だったのかよ!!」
加蓮「ねえ凛、実は刑事と医者がぐるだったっていうのはどうかな?それなら凛も参加できるよ」
凛「いいね、視聴者に衝撃を与えるよ」
奈緒「それ絶対炎上するやつだろ!」
加蓮「ねぇ凛、奈緒の身体押さえていて。あっ、もし私がやり過ぎるようだったら止めてね」
ビリビリ
凛「うん、私の分も残しておいてよ」
奈緒「おい、やめろって。ドラマはどうするんだ。ピンチの主人公は誰か助けるんだよ!」
凛「えっ、うーん。たまたま入院していた正義のプロレスラーが助けた、とかでいいんじゃないかな」
加蓮「あっ、じゃあその役は飯○幸太がいい」
凛「私は…棚○弘至が好きかな」
奈緒「なんで勝手に脚本変えてキャストの相談してるんだよ!あたしだけじゃなくて原作まで汚さないでくれぇぇ!」
以上で終わりです。
最後まで読んで頂きありがとうございました。
ピンチェ版も絶賛構想中なので近々投稿できらたいいと思います。
それでは依頼出してきます。
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