モバP「無意識の左手」 (27)


法子「はぁ~、どうしよ……」

法子「もういっそ諦めようかなぁ……」

法子「でもドーナツが……」

法子「ドーナツ……」

法子「うぅ……ドーナツ……」

法子「ドーナツが足りないよぉ……」

法子「ドーナツ足りなさ過ぎてプロデューサーが見えるよぉ……」


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法子「って、プロデューサー?」

法子「どうしたの? お仕事終わったの?」

法子「えへへ、そうなんだ。あたしも学校が終わったところ!」

法子「終わったところ……なんだけど」

法子「ほんとうはドーナツ食べようと思ってたのに……」

法子「テストが……うぅ」

法子「学校で復習のテストがあったんだけど……」

法子「……点数が」

法子「ドーナツだったの……」


法子「だって、見てほら! 赤丸でドーナツが書いてあるんだよ!」

法子「これはあたしにとっては満点なんだよ!」

法子「この〇がいいねとあたしが言ったから!」

法子「だから今日はドーナツ記念日!」

法子「ドーナツ点が取れたから!」

法子「ドーナツ店に行こう!」

法子「先生もそういってるんだよ!」

法子「むしろドーナツをもっと食べましょうっていう、お告げ!」

法子「今からプロデューサーもいっしょに食べにいこっ?」

法子「ねっ? ねっ?」


法子「……だめ?」

法子「わかってるんだよ……勉強しなきゃダメだって」

法子「でもドーナツが欲しくて」

法子「ドーナツ食べないとだめになっちゃう……」

法子「だけど勉強しなくちゃ……」

法子「どうしようプロデューサー……どうしたらいいと思う?」


法子「……えっ? 勉強してから食べたらいい?」

法子「そうだね……その通りだよプロデューサー」

法子「プロデューサーの言うとーりだよ」

法子「でもね」

法子「ドーナツが目の前にあるとね」

法子「食べちゃうの」

法子「ううん。勝手に左手がドーナツに伸びちゃうの」

法子「っていうか、ドーナツが口の中に入ってくるの」

法子「タベテー、タベテーって。オイシイヨーって言ってくるの」

法子「食べるしかないよね?」

法子「プロデューサーもそうなるよね」

法子「……あれ? そんなことない?」


法子「それにね、ドーナツ食べちゃうと勉強に集中できなくなっちゃう……」

法子「おいしいドーナツを食べるのに頭の中いっぱいになっちゃって……」

法子「勉強かドーナツのどちらを取るべきだと思う?」

法子「……どっちも?」

法子「プロデューサーが勉強見てくれるの?」

法子「それはうれしいけど……ドーナツは止められないよ?」

法子「……プロデューサーがドーナツも見ててくれるの?」


法子「……ほんと?」

法子「勉強終わったらドーナツしていいの?」

法子「いっぱい食べるよ?」

法子「ドーナツするよ?」

法子「いいの?」

法子「……いいの?」

法子「……なら、する!」

法子「あたし、勉強して、ドーナツ食べる!」

法子「プロデューサーが見ててくれたら、ちゃんとできるよね!」

法子「勉強をちゃんとして、ドーナツも我慢して……」

法子「そのあとは、いっぱいドーナツ!」

法子「これがあたしのドーナツ式勉強計画!」

法子「ドーナツみたいに完璧な計画だねっ!」


法子「じゃあ買ってきたドーナツは机の上に置いて、と」

法子「ペンとノートも出して……」

法子「さっそくドーナ……」

法子「じゃなくて」

法子「……べんきょう」

法子「よし、がんばるから!」

法子「プロデューサーちゃんと見てて!」

法子「あたしがんばるっ!」


法子「……」

法子「…………」スッ

ススス

法子「…………」

法子「…………!」グッ

法子「……」


法子「ここにドーナツを代入して……」

法子「作者の気持ちは……ドーナツ」

法子「光合成の材料……ドーナツ」

法子「ドーナツ化現象……」

法子「……」

法子「…………」スッ

ススス

法子「…………」

法子「…………!」グッ

法子「……」


法子「……やっぱりダメだよプロデューサー」

法子「どうしてもがまんできないよぉ……」

法子「体が勝手に動いちゃって……」

法子「どんなに別のこと考えてても欲しくなっちゃう……」

法子「どうしよプロデューサー……」


法子「……えっ? 左手が塞がってたらだいじょうぶ?」

法子「それは確かに……」

法子「でも何か持っててもすぐ離しちゃうかも……」

法子「……うーん」

法子「……あっ、プロデューサーが握っててくれたら平気かも?」

法子「プロデューサーが握っててくれたら、離そうとしてもだいじょうぶ!」

法子「うん! それがいいかも!」

法子「プロデューサー、こっちに座って!」


法子「えへへ、あたしがドーナツに手を伸ばそうとしたら、ちゃんと握ってね?」

法子「それならちゃんと勉強に集中できるから!」

法子「ドーナツも後でいっぱい食べられるし!」

法子「じゃあ、プロデューサー、はいっ!」

法子「……プロデューサーの手、おっきいね~」

法子「にぎにぎ……」

法子「なんかドーナツみたいで面白いかも!」

法子「……はっ、勉強勉強!」


法子「……」

法子「…………」スッ

ギュッ

法子「ひゃっ!?」

法子「あ、ううん! だいじょうぶ! びっくりしただけ!」

法子「えへへ……またドーナツ食べようとしちゃった」

法子「ありがとプロデューサー! この調子でお願いっ!」


法子「……」

法子「…………」スッ

ギュッ

法子「!」

法子「えっへへ……」

法子「またドーナツのこと考えちゃってた!」

法子「集中しないと、ね?」

法子「……」


法子「……」スッ

ギュッ

法子「えへへ……」

法子「……」スッ

ギュッ

法子「えへへー」


法子「……」スッ

ギュッ

法子「……」ギュッ

ギュッギュッ

法子「……♪」


法子「……えっ? さっきからドーナツ食べようとしてるって?」

法子「ちがうよー? ドーナツは食べたいけど……」

法子「だって、ドーナツ食べてるのと同じくらい幸せなんだもん」

法子「うんとね、プロデューサーが見ててくれるから安心なんだ」

法子「プロデューサーの手、温かくてすごくドキドキするし」

法子「きっと、あたしとセットでいないとだめなんだよっ!」

法子「だからまだもうちょっとドーナツはおあずけ。あと少しだよ!」

法子「それまで……」

法子「最後まで、離しちゃだめだよ、プロデューサー?」


法子「……お」

法子「終わったーっ! 終わったよプロデューサー!」

法子「これでテストもばっちりだよ!」

法子「やっとドーナツできるねっ!」

法子「ドーナツ、ドーナツ♪」

法子「……へ? 手は離さないのかって?」

法子「離さないよ?」

法子「プロデューサーと手を繋いでる方が幸せなんだもん」

法子「あたしとプロデューサーはドーナツみたいに輪っかなんだよ」

法子「あたしの気持ちでプロデューサーを幸せにしたいんだ」

法子「プロデューサーが幸せになってくれたら、あたしも幸せ」

法子「プロデューサーと一緒で、ドーナツも食べて幸せ」

法子「幸せ二倍で、とっても幸せになれるんだよ?」

法子「……プロデューサーはあたしとじゃだめ?」

法子「……だめ?」

法子「……えへへー」


法子「あのね、プロデューサー」

法子「プロデューサーが幸せなら、もっとあたしも幸せっ」

法子「すっごくぽかぽかな気持ちになれるもん!」

法子「今日はプロデューサーにいっぱい幸せにしてもらったから……」

法子「あたしから、幸せのおすそ分け!」

法子「ドーナツ、あーんしてあげる!」

法子「あたしの幸せとドーナツ、半分こしてあげるね♪」

法子「だからプロデューサーの幸せとこれからの未来、あたしと半分こしよっ!」


法子「二人で分け合ったら……もっと幸せになれるよね♪」

おしまい

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2017年12月26日 (火) 22:52:51   ID: HqWPllRP

法子可愛すぎ大問題

2 :  SS好きの774さん   2017年12月27日 (水) 07:16:23   ID: BxpB9Dbm

最後の方ヤンデレにみえるのはどうしてだろう

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