みく「地元の後輩が押し掛けてきた。」 (49)

ガチャ

みく「あ゛ー、疲れたー、今日もライブ負けたし何があかんねやろ…」

みく「明日レッスン前にプロデューサーに聞こかなー」

みく「ま、明日にしてとりあえず晩御飯にしよかー」

ピンポーン

みく「誰やろ?宅急便かな?」

ピンポーン

みく「はいはーい」

ガチャ

法子「みくちゃーん!」

みく「は?法子?」

法子「今晩泊めて!」

みく「は?は!?」

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みく「要はアイドルなりたくて東京来たけど何したらええか分からんからウチ来たってこと?」

法子「うん!だってみくちゃんアイドルやろ?」

みく「いやまあそうやけどさぁ…」

法子「みくちゃんの事務所に入れへんの?」

みく「んなこと急に言われてもなぁ…」

法子「あかんの…?」

みく「まあ、とりあえず明日話はしてみるわ。」

翌日

みく「みたいな感じで、地元にいた後輩が押し掛けてきたんですけど…どうですか?」

社長「まあ、一度会ってからだな。明日連れてきなさい。そのまま前川のライブも見ていけばいいだろう。」

みく「分かりました。ありがとうございます。」

みく「せやから明日一緒に行くで。」

法子「さっすがみくちゃん!お礼にドーナツおごるで!」

みく「この辺ミスドないで?」

法子「ほんま?」

みく「ほんま。」

法子「…やっぱ帰ろかな。」

みく「なあ、あたしのライブ、ミスドに負けんの?」

法子「嘘やってば。」

翌日 liveバトル会場

司会者「今日のアイドルはー!前川みくちゃーん!」

ワァーー!

みく「いっくにゃー!!」

司会者「そしてー!三村かな子ちゃーん!」

ウオォォーー!

かな子「よ、よろしくお願いします!」

………

かな子「あ、あれ?勝っちゃいました…!」

ウオォォーーーー!!!

みく「うーん、また負けたわ…」

法子「また?」

みく「ここんところ勝った試しがないねん…」

法子「うーん…」

みく「何があかんのかなあ…?」

法子「うーん。」

みく「どうかした?」











法子「みくちゃん、アイドル楽しい?」

みく「は?そらそうやん

法子「なんかあんまり楽しそうやなかった気がする。」

みく「え…」

法子「相手の子の方が楽しそうやったよ?」

みく「え、で、でもあたしの方が

法子「みくちゃんの方が歌も上手かったしダンスも良かったんやけどさ。」

法子「なんやろ、無理して笑ってるような感じ?」

法子「一緒に公園でアイドルのコピーやってた頃の方がもっと楽しそうやったで?」

みく「………」

みく「しゃーないやん!どんだけやっても勝てへんし!戦う前からお客さんには馬鹿にされてるし!事務所に居場所はなくなるし!社長もプロデューサーも冷たいし!楽しないよ!!」

法子「………」

みく「ご、ごめん、こんなん法子に言うたらあかんよね…」

法子「ううん、あたしも素人のくせに言い過ぎやんな…ごめん。」

みく「…」

法子「…」

法子「あ、あたし今日はホテル取ったから!また明日な!」

翌日

prrrr…

『只今、電話に出ることができません。ピーの音の後に

法子「うーん、出てくれへんなあ。やっぱり言い過ぎたやんなあ…」

法子「とりあえずみくちゃんの事務所に行って話聞いてみよかな!」

事務所

社長「ああ、君が前川さんの言ってた後輩の子か。」

法子「はい!椎名法子って言います!」

社長「前川さんから聞いてたが、確かに明るくて元気がいいね。アイドルやっていく上で素質はありそうだ。」

法子「ありがとうございます!」

社長「しかし前川さんがいないのにうちに来るなんて、そんなにうちを気に入ってくれたのかい?」

法子「え?いないってどういうことですか?」

社長「いや、ついさっき、事務所に来てね、辞めたいって言ってね。」

法子「えっ…?」

社長「引き留めようとしたんだけど意思が固

法子「すいません!お邪魔しました!」

ピンポンピンポンピンポン

ドンドンドン

法子「みくちゃん!おるんやろ!みくちゃん!」

法子「みくちゃんってば!」

ドンドンドン

隣人「おい!うるせーぞ!」

法子「す、すいません。」

ピンポンピンポン

「………」

法子「出てくるまでここにおるから!」

みく「買い物行ったら意外といい時間になってもうたなあ。」

法子「zzz」

みく「え?」

みく「あんなとこにおったら風邪ひくやん。」

法子「でも他行くとこないし…」

みく「風邪引いて法子のおかんに怒られんのあたしやねんで?」

法子「大丈夫やって!元気元気!」

みく「そんならええけど…」

法子「あー!そうや!そんなことどうでもええねん!」

みく「?」

法子「アイドルやめるってなんなん!?」

みく「あー……そろそろ辞め時かなーって。練習しても上手くならへんし、最近楽しないし。」

みく「それに事務所で辞める言うた時も誰もなーんも言わんかってん。やっぱりいらん子やったみたい、あはは。」

法子「え?社長さんは引き留めたって…」

みく「ん?ああ、あの人?外面はええ人やしなー…引き留めもせん薄情もんには思われたないやろし。実際止めへんかったんやけど。」

法子「で、でもさ!じゃああたしどうしたらええの!みくちゃんやめたらアイドルできへんやん!」

みく「アイドル事務所なんか一杯あるで?法子やったらどこでもいけるんちゃう?」

みく「あ、もちろん事務所探しなら手伝ったるから」

法子「それじゃあかんの!!」

みく「…?!」

みく「どうしたん急に。」

法子「あたしはみくちゃんと一緒にやりたいねん!一緒に歌って、一緒に踊って、一緒にアイドルしたいの!」

みく「…」

法子「みくちゃん、公園行こ。」

みく「え、何しに行くん。」

法子「いいから行こ。」グイッ

みく「え、ちょ、行くから引っ張らんといて。」

公園

みく「なあ、何すんの?寒いしセブイレでおでんでも買わへん?」

法子「終わってからならええよ!」

みく「終わり?」

法子「うんっ!」

法子「…ごまえー!ごまえー!がんばーっていきましょー!」

みく「ちょ、そんな大声出したら迷惑やって!」

法子「文句言われたら逃げればええの!」

法子「ほら!みくちゃんもやるで!」

法子「ごまえー!ごまえー!がんばーっていきましょー!」

みく「……」

法子「いちばーんだいすきーなー」

みく「……」

法子「わたしになりーたーいー!」

みく「…ステップずれてるわ。あたしの見とき。」

法子「…!」

法子「うんっ!」

二時間後

法子「はぁ…はぁ…」

みく「はぁ…はぁ…」

法子「さすがに疲れたな?」

みく「ベンチ座っとき。ジュース買うてくるわ。」

法子「うん。ありがと。」

みく「はい。ポカリでいいやんな?」

法子「うん。」

みく「」ゴクゴク

法子「」ゴクゴク

法子「さっきのみくちゃんなら、昨日のライブ勝ってたよ。」

みく「やろうなあ。」

法子「…本当にアイドルやめんの?」

みく「…やろうなあ。」

法子「そっか…」

みく「……」

法子「明日な、気になってる事務所に行こうと思うねん。」

みく「うん。」

法子「みくちゃんがおるところと違うんやけど。ごめんな。」

みく「ええよ、もう関係ないんやし。」

法子「で、事務所行くの付いてきてくれへん?」

みく「あー、それくらいならええよ。」

翌日

みく「で、どこの事務所に行くん?」

法子「CGプロダクションってとこ。」

みく「え、そこって」

法子「うん。この前みくちゃんが負けた子の事務所。」

みく「えー……」

法子「みくちゃんの方が上手いのに勝つなんて何か秘密があると思うねん!」

みく「そんなもんかなあ…」

みく「で、何時に行けばええの?」

法子「え?」

みく「オーディションか面接か知らんけど、何時に着けばええの?」

法子「うーん、決めてない。」

みく「は?もしかして向こうに連絡とかしてないん?」

法子「え?うん?」

みく「忙しくて時間取ってもらえへんかもしれんやん。」

法子「あー…」

みく「今からでも電話しとき。」

法子「電話番号何番?」

みく「そんなん知らんよ…」

?「あのー…」

法子「スマホで調べて分かるかなあ?」

みく「まあホームページくらいあるとは思うけどさあ…」

?「あ、あのー?ちょっと、よろしいですか?」トントン

法子「え?あ、私たちですか?」

みく「あ、なんですか?」

卯月「CGプロダクション、お探しなんですか?」

法子「はい、そうですけど…?」

みく「もしかしてご存じですか?」

卯月「はい。一応所属してるんで…」

法子「え?じゃあアイドルなんですか?!」

卯月「あ、で、でもまだまだ駆け出しなんで全然ですけど…」

卯月「何かご用ですか?」

法子「わ、私、アイドルになりたいんですっ!」

みく「って言ってもアポも何も取ってないんで、行っても迷惑じゃないですか?」

卯月「いえいえ!そんなことないです!…まだできて新しい事務所なのでそんなに忙しくないみたいで。あはは…」

卯月「とりあえず電話だけしておきますねっ。」

卯月「もしもし…はい、島村です。おつかれさまです。あ、いえ、今から行くんですけど、ちょうどアイドル志望の子が事務所に行きたいって言ってて…はい、そうですね、…あ、二人で……だと思います。…はい、分かりました!失礼します。」

卯月「とりあえず今なら時間取れるからオッケーだそうです。」

法子「やった!」

みく「じゃあみくはこれで

法子「えー、行こうやー。」

卯月「あれ?二人ともじゃないんですか?」

みく「あ、私は別に…」

卯月「せっかくなのでお二人でぜひ。お菓子くらいならお出しできると思うので…」

法子「それに私一人で帰れるか不安やし…」

みく「…じゃあ着いていくだけやで?」

ガチャ

卯月「おはようございます!」

みく「失礼しますー…」

法子「失礼します…」

ちひろ「卯月ちゃんおはよう。…後ろのお二人がさっきの電話の?」

卯月「はい、そうです!」

法子「よ、よろしくお願いします!」

みく「急に押し掛けてすいません…」

ちひろ「気にしなくても大丈夫ですよ?まだまだ仕事も少ない事務所なので…」

卯月「プロデューサーさんはいらっしゃるんですか?」

ヨビマシター?

ちひろ「さっきの電話の子、いらっしゃいましたよー?」

ドウゾコチラヘー!

ちひろ「すいません、顔も出さない人で…あ、奥のソファに座ってますのでそちらへどうぞ。」

法子「はいっ。」

みく「ここで待ってるな?」

法子「う、うん。」

P「はじめまして。私がCGプロダクションのプロデューサーです。」つ名刺

法子「は、はじめまして!椎名法子って言いますっ!よ、よろしくお願いしますっ!」

P「あー、そんなに固くならなくてもいいよ。」

法子「は、はいっ。」

P「アイドルになりたいんだよね?」

法子「はい!」

P「じゃあ笑ってみて。」

法子「え?」

P「法子ちゃんができる、一番可愛い笑顔を見せてくれるかな?」

法子「は、はいっ。」に、にこー

P「うーん…まあ、緊張するよねー、ぎこちないよ。」ハハハ

法子「は、はい…」シュン

P「あ、じゃあ…話変えよう。法子ちゃんは趣味とか好きなものとかある?」

法子「新作ドーナツの試食ですっ!」

P「お、ドーナツ好きなのかな?」

法子「はいっ!大好きです!」

P「ドーナツ美味しいよねー。最近コンビニでも置いてたりするよね?」

法子「はい!」

P「たまに買ったりするんだけどさー、やっぱりドーナツのお店のに比べたらちょっと落ちるんだよなー。法子ちゃんの最近のオススメはどこ?」

法子「先月池袋にオープンしたお店のクルーラーが美味しかったです!」

P「ああ!あそこね!この前うちのアイドルが買ってきてたよ。食べそびれたんだよなあ。」

法子「それと渋谷の焼きドーナツのお店も美味しかったです!」

P「いいよね焼きドーナツ!デスクワークの人間にはカロリー的な話でも嬉しいしね。」

法子「それから、それから!」

P「あ、もう大丈夫だよ。」

法子「あ、す、すいません。話しすぎちゃいました…」

P「法子ちゃん。」

法子「は、はいっ。」

P「合格。」

法子「え?」

P「ぜひ我がCGプロダクションでアイドルとして頑張っていただけませんか?」

法子「え?ほ、本当ですか??!」

P「はい。」

法子「あ、ありがとうございます!……で、でも、こんなんで合格なんですか?」

P「だって、ドーナツの話してる時の法子ちゃん、すっごく楽しそうだったもん。あの笑顔なら自信を持って売り出せるよ。」

ちひろ「あのー?でも、歌とかダンスとか見なくてもいいんですか?」

P「街頭でスカウトする時だって歌もダンスも見ないですよ。」

ちひろ「それもそうですけど…」

P「それに最初見た時点で合格のつもりでしたし。」

ちひろ「え?」

P「直感ですよ直感。この子をプロデュースしたいと思えるかどうか。ティンと来る、なんて言ったりするそうですけど。」

法子「やったよみくちゃん!」ぎゅっ

みく「よかったなー」ナデナデ

P「…みくちゃん?」

みく「あ、私ですか?前川みくって言います。でも私はただの付き添い

P「もしかして…アイドルやってないかな?」

みく「あー、まあ一応…でも辞めようと思ってるので…」

P「は?辞める?なんで?」

みく「この前ここのかな子ちゃんに負けて自信なくなったし…最近アイドルしててもあんまり楽しくないし…」

P「ちょっと待っててもらえるかな?」

みく「え?あ、はあ…?」

prrrr

P「いつもお世話になっております。私、CGプロダクションのプロデューサーで…」

………

P「……はい!ありがとうございます!お願いします!いえ、では、失礼いたします!」

ピッ

P「前川さん。」

みく「はい。」

P「今日からCGプロダクションのアイドルとして頑張っていただきます。」

みく「…はい?」

みく「いやいやいやいや!聞いてました?私アイドル辞めたんですよ?」

P「うん。それを今電話で確認したんだ。」

みく「いや、アイドルやる気なくなったんですよ?移籍したいとかじゃなくて!」

P「『じゃあウチの所属でアイドル活動しても問題ないですか?』って聞いたら、向こうの社長さん『もううちのアイドルじゃないのでお好きなように。』とか言うんだぜ?薄情だよなー?」

みく「いや、だから

P「前川さん…いや、みくにゃん。」

みく「え、なんですか?」

P「この前見たときから思っていたんだが、間違いなく君は売れる。売る自信がある。もちろん、やってて楽しい仕事にしてあげよう。」

みく「まあ、そこまで言うなら…」

P「と言うか拒否権などない!」

みく「え?」

ちひろ「プロデューサーさーん?ファックスとメールが来ましたけどー?」

P「みくにゃんの活動歴やら事務用の資料やらをファックスとメールで送らせたのだ!」

みく「はああああ??!!」

P「まあ、もちろん拒否権がないっていうのは嘘だけど、アイドルとしてプロデュースしたいというのは本当だよ。」

みく「うーん…」

P「今すぐ決めてくれなんて言うつもりもないし、少し頑張ってみてそれでも楽しくなければすぐに辞めても構わない。」

みく「はあ…」

P「だから、アイドル辞めるってのは考え直してもらえないかな?」

卯月「どうですか?一緒にアイドル頑張りませんか?」

法子「一緒にアイドルしようよー!」

みく「もうしょうがないからアイドルやります…何言ってもだめそうだし。あんなことする人初めてだもん…か、代わりに責任取ってください!ちゃんと私をトップアイドルにしてくださいよ?」

P「もちろん!」

P「ところで普段はにゃんにゃん言わないんだ?」

みく「前の事務所ではうるさいって言われてたし…」

卯月「にゃんにゃん?」

P「うん。みくにゃんは猫アイドルとして頑張っててな。まあ、見た方が早いな。みくにゃん!さっきの台詞、ライブモードで!」

みく「あーもうやればいいんでしょ!」



みく「こ、こないだは全く歯が立たなかったぞぉ!あ…あんなことされたのっ、初めてにゃ…。ちゃぁ~んと責任、取ってよねっ☆さぁ、みくをトップアイドルに仕立て上げるのにゃ☆」

終わりです。
HTML化依頼出してきます。

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