フレデリカ「不動産屋さんごっこ」 (19)
これはモバマスssです
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杏「あー、家事全部誰かがやってくれればいいのに」
杏「印税でウハウハになったらお手伝いさんとか雇ってさ」
杏「……だめかー」
杏「ワンルーム執事付きの物件とかあればいーのにね」
杏「あーでもどーせなら2LDKのそこそこ広い家で一部屋に引きこもってたいかな」
杏「それで月々1万くらいの家ないの?」
杏「……まー完全に訳ありだよね」
杏「そいじゃ、また後でねー」
ガチャ
肇「そこを何とか!私に譲って下さい……!」
文香「だめ、です……!どこの馬の骨かも分からないような女に私の大切なこの子を任せるなんて……!」
フレデリカ「文香ちゃん、塩持ってきて塩!砂糖でも可!」
肇「私、本気なんです!」
文香「……フレデリカさん……肇さんの覚悟は、本物かもしれません……」
フレデリカ「……仕方ねぇな……ただし、傷つけるような事したらタダじゃおかないからね?!」
肇「……!はい!」
杏「……すみません、部屋間違えました」
肇「……ま、待って下さい。今のは、ええと……」
杏「……は?不動産屋さんごっこ?」
フレデリカ「最近流行ってるんだってー」
杏「なわけないでしょ」
文香「なので……私たちも、最新の流行を取り入れようと……」
肇「気付けば先ほどの状況になっていた訳ですが……」
杏「完全に『娘さんを僕に下さい!』なノリだったけど」
フレデレカ「さぁて杏ちゃん!今日はどんな物件を握りやしょー?」
杏「寿司かよ」
文香「こちらの図書館の軒下がオススメですが……」
杏「文字通り本の虫になるわ」
肇「お家賃は月々300円までですよ」
杏「家なのに遠足かよ」
フレデレカ「杏ちゃんはどんな家に住みたいのー?」
文香「貴女の出す条件にぴったりの物件を紹介いたします……」
肇「もちろん窯付きですよね?」
杏「普通に2部屋くらいあるアパートかな」
フレデレカ「フレちゃんのお部屋はどこ?」
文香「私の書斎は……」
肇「あ、私の部屋はどこでも……陶芸さえ出来れば大丈夫です」
杏「えルームシェアなの?」
フレデレカ「杏ちゃんの家はアタシ達のもの的なとこあるもんねー?」
肇「……ね、ねー……?」
杏「恥ずかしいならやらなきゃいいのに。あとないから」
文香「他には……どのようなご希望が……?」
杏「んーあれかな、風呂とトイレ別。追い焚き機能があると良し」
肇「あ……すみません、そのご希望で家賃300円以下は……」
杏「どんな希望でも300円以下は無理でしょ」
文香「中古本でしたら、数冊は購入可能ですが……」
杏「住めるの?ねぇ中古本って住めるの?」
フレデレカ「あ、杏ちゃん杏ちゃん。お風呂とトイレ別で追い焚き機能付きだよねー?」
杏「うん、まぁ風呂とトイレは別の方がいーよね」
フレデレカ「お風呂とトイレが別はあるんだけどねー、代わりにお風呂とお家も別なんだー」
杏「銭湯じゃん!しかも何処に追い焚き機能付いてんの?!」
文香「お手洗いかと……」
杏「無駄機能過ぎるでしょ」
肇「他に、何かご要望は……?」
杏「あ、駅から近いと良いよね」
フレデレカ「徒歩30秒から86400秒まで選べるよー?」
杏「一日かけて終電終わるじゃん」
文香「前日からの行動が求められますね……」
肇「体力がつくと思います」
杏「普通に5分くらいで」
フレデレカ「パリとかどうかなー?」
杏「うんごめん東京で」
文香「近くに書店等は大丈夫なのですか?」
杏「いや別にいらな……あったらいいよね!うん、あるといいかな!!」
文香「ふふ……ですよね。日常生活において必要不可欠ですから」
肇「今の文香さんの目、確実に二人くらいは……」
フレデレカ「キッチンは何個くらい欲しー?」
杏「複数個のキッチンを求めるアイドルって何?」
肇「近くに山や川が流れていると落ち着きますよね」
杏「いや都会で」
フレデレカ「山って流れてるのー?」
文香「いつもの肇さんの戯言でしょう……」
肇「は?」
杏「この二人が居ないとこに住みたい」
フレデレカ「パリとかー?」
杏「日本各地にこいつら居るのかよ」
フレデレカ「このお部屋とかどうかなー?じゃん、手書き間取り図!」
杏「なんでクレヨンで書いた。小学生かな?」
文香「鮮やかな彩りの見取り図ですね……」
杏「クレヨンで書かれてるからね」
肇「見てください!お風呂が真っ赤です!」
杏「クレヨンだからね、なんで赤選んだのかは分からないけど。そういう曰く付きのお風呂かな?ってなるけど」
フレデレカ「こっちが3Dのモデル!」
杏「なんで紙粘土で作った。柱へにょへにょだし」
フレデレカ「杏ちゃんにプレゼント!」
杏「いらない……」
フレデレカ「これ見てフレちゃんの事思い出してね……」
杏「持ち帰るの面倒だし事務所に飾っとこ」
フレデレカ「あ、よさげなお部屋あったよー」
肇「事務所からの距離は」
フレデレカ「結構近いんじゃないかなー?」
文香「最寄り駅までの距離は……」
フレデレカ「なかなか近いと思うよー」
杏「でもお高いんでしょ?」
フレデレカ「多分安いんじゃないかなー?」
杏「なんも情報が伝わってこない」
フレデレカ「でもねー、一つ備考があるんだけど」
肇「曰く付き、等ですか?」
文香「近くにブックオン……」
杏「備考どころかそもそも何も分かってないんだけどね」
フレデレカ「入居者が過去から今まで全員……」
肇「え、本当にそういう……」
文香「きちんとお祓いを……」
フレデレカ「アイドルなんだってー」
杏「寮じゃん」
フレデレカ「あとはねー、この公園とかオススメだよー?」
杏「ついに物件じゃなくなった訳だけど」
肇「こちらの釣り堀は如何でしょうか?」
杏「杏は魚類なの?」
文香「図書館に就職すれば、いつでも本に囲まれた生活が……」
杏「もはや転職サイトじゃん」
フレデレカ「お菓子の家は?」
杏「腐らない?防腐剤そんな凄いの?」
肇「こちら、私が作った湯飲みになります」
杏「これに暮らすとか一寸法師でも無理でしょ」
文香「本の世界で暮らしてみませんか?」
杏「エニグマの少年かな?」
フレデレカ「焼肉屋さん!」
文香「毎日通いますよ?杏さん」
杏「自分で肉もってこい」
杏「……また虚無な時間を過ごした気がする」
杏「あ、部屋に変なの置いてあるけど捨てないでね」
杏「にしても、物件ねー」
杏「しばらくは今の部屋で一人暮らしするから引っ越す気はないかなー」
杏「……え?」
杏「いやいやいや、杏が誰かと生活とかお互いストレスしかないでしょ」
杏「プロデューサーが家事全部やってくれてもいーんだよ?」
杏「……はいはい、分かってるって」
杏「たまには帰って掃除でもしよっかな」
杏「あの3人は散らかして片さないからね、うん」
杏「……あ、扇風機4台あるんだけど1ついる?」
以上です
お付き合い、ありがとうございました
前作及びさっき書いたものです
よろしければ是非
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