女「急になに?」
男「ちょっとした隠し芸とか特技とかあるやつかっこいいなあって思った」
女(また何かに影響されたのか、こいつは)
女「それで何でそろばん?」
男「そろばんって今全く使えねえけど、逆にレトロ感あってよくね?」
女「まだ何かあるでしょ」
男「お前、昔そろばん習ってたじゃん」
女「都合のいい女ってことね」
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女「あんたすぐ飽きるでしょ、教えても続かないと教える方もね」
男「今回はまじ!ね?ね?」
女「・・・・・」
女「・・はぁ。あたしの独断で教わる気ないと思ったらやめるよ?」
男「流石、女」
男(これで来週の合コンで知的アピール出来るぜ)
女「分かった、ちょっと待って。どこにあったかな」ガサゴソ
男「何年やってたんだ?そろばん」
女「小学校三年から中学1年の初めころまで」
女「部活忙しくなってやめちゃった」
男「へえ、何段とか取ったの?」
女「一応、2段」
男「それってすげえの?」
女「さあ、上には上がいるしね、あたし的には十分だけど」
女「あ、あった」
女「はい、これそろばん」
男「おー、なっつかしい!」
男「これでよく地面転がして遊んだりしたなあ」
女「そんなことだろうと思った」
男「上にのってスケートとかやって先生に怒られてたわ」
女「木で出来てるからね、普通に割れるわよ」
男「おっしゃ、ばっちこいやあ」シャカシャカ
女「マラカスみたいにすんなっつうの」
男「いや、持ち方も知らねえし」
女「左手で枠を持つ。親指は下で上は人差し指と中指で持ってれば良いんじゃない?」
女「特に決まりもなかったように思えるし」
男「右手は?」
女「玉をはじく為に使うから人差し指と親指を使うよ」
男「玉をはじく?いやらしいですなあ」
女「今、あんたの玉はじかせてやろうか?」
男「まだ現役なんだやめろ!!」
女「活躍してんのかよ」
男「生涯現役!」
女「話し戻すよ」
男「Oh・・・You are Cool」
女「左手でそろばん全体を軽く下に下げる、玉が落ちるくらいで」
女「全部落ちたら、玉を動かさないようにそろばんを机に置く」
女「それで右手の人差し指で上の玉を上に上げながらスライドさせる」
男「」パチパチパチ
男「おー」パチパチパチ
女「これが0の状態」
男「」カチャ
男「」パチパチパチ
男「」カチャ
男「」パチパチパチパチパチパチ
男「」カチャ
男「」チューーーーーン
男「あっつ!!」
女「馬鹿じゃないの?」
男「どんだけ早くやれるかやりたくなるじゃん」
女「バカの発想ね」
女「適度なスピードでやらないと玉もぐちゃぐちゃになるし意味ないよ」
女「これ、そろばんの基本動作で電卓でいうクリアボタン押すようなものだから」
男「手間だなあ」
女「昔のものに手間とか言ったら全否定もんだよ」
女「次、役割を説明してくから」
男「うーす」
女「上の玉が5、下のたまが1」
女「以上」
男「え?そんだけ?」
女「これだけ」
男「他の玉も全部?」
女「そう」
男「こいつらに個性はねえのかよ」
女「ない」
男「無慈悲だなあ」
女「あんた何に対して慈悲抱いてんのよ」
男「慈悲は大切だぜ、先輩がいってた」
女「先輩の言葉は深いけど、今は関係ないでしょ?」
男「無慈悲なり」
女「あと上の玉と下の玉を分けてる枠があるでしょ?」
男「あい」
女「それに黒ちょぼのマークついてるでしょ?」
男「汚れだろ?不良品」
女「不良じゃない、むしろ正常」
女「ここが1の位になる目印よ」
男「でもこの黒子いっぱいあるんだけど」
女「好きなとこ選んでいいよ、そこから一個左にズレるごとに10の位、100の位ってなってくから」
男「じゃあ、俺一番右の黒子」
女「やりずらい場所を選ぶよね、あんた」
女「0の状態にして」
男「ほいほい」ジャラ‐
女「そこから目印の1の位の下の玉を親指で一個上にあげる」
男「ほい」
女「黒子の下まで上げてね、これが1」
男「じゃあ、2個あげたら2で、3、4と?」
女「そういうこと」
男「なんだ余裕じゃん」
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