安部菜々「加蓮ちゃんがパンダのクッションに抱きついていた」 (26)

「ぱんだ」


――事務所の談話室――

<がちゃり

北条加蓮(レッスン終わったけどヒマだなー。何かしよっかなー)フラフラ

加蓮「……ん?」チラッ

加蓮「なんかいっぱい転がってる」


☆談話室に転がっているぬいぐるみ&動物クッション一覧☆
・ぱんだ
・うさぎ
・うさぎ
・ぱんだ
・ぱんだ
・ねこ
・ぱんだ
・ぱんだ
・ぱんだ
・ぱんだ



加蓮「パンダまみれ」

加蓮「んー……」ジー

ぱんだ<ジー

加蓮「んんーー…………」ジー

ぱんだ<ジー

加蓮「…………」

加蓮「可愛いーっ♪」ギュー


<がちゃり

安部菜々「ふいーっナナもうクタクタ――」

加蓮「ギャーーーーーーーーー!」(クッションをぶん投げる)

菜々「ミンっ!? ななな何ですか異星人の襲撃わぷっ!?」(クッションがぶち当たる)


※単発

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1506760167

「悲鳴を上げる系アイドル」


加蓮「あーびっくりしたぁ菜々ちゃんかぁ……。よかった」

菜々「よかった、じゃないですよ! クッションは投げるものじゃありません! メッ!」

加蓮「ごめんごめん。ホントにびっくりしたんだってば」

菜々「しかもこんなに散らかして!」ヒロイヒロイ

加蓮「散らかしたの私じゃないしっ。元々だし」

菜々「あと! 何ですか「ギャー!」って。アイドルの見せていいリアクションじゃありませんよ!」

加蓮「「ぎえー!」とか「ぎょわー!」とか「うぼぁー」とか言ってる菜々ちゃんには言われたくないっ」

菜々「そこでそれ言います!? あと最後のはネタですから! ネタ!」

「目撃者がほしかった」


菜々「一通り片付きましたかね」フイー

加蓮「端っこが動物園状態だね。……パンダばっかりだけど」

菜々「見てるだけで笹の匂いがしてきそうですね♪」

加蓮「なんかわかるー」

<がちゃり

高森藍子「あの~? 今、加蓮ちゃんの悲鳴が聞こえましたけれど、何か――」

菜々「あああ! しまったぁ!」

加蓮「ひゃ。何急にっ」
藍子「今度は菜々さんのっ」

菜々「藍子ちゃんを連れてくるんだったァ! そしたらパンダのクッションをぎゅーってしてる加蓮ちゃんを保存できてたのに!!」

加蓮「後悔するとこそこ!? っていうかやめてよ!」

藍子「パンダのクッションを抱きしめてる加蓮ちゃん!? どうして教えてくれないんですか菜々さん!!」

加蓮「藍子まで!」

「うさぎ(パンダ)」


藍子「最近、パンダブームがすごいですよね」

加蓮「だねー。パンダが産まれたり、名前の募集があったり」

菜々「ナナも実は名前の募集、送ってみたんですよ! 見事に落選してしまいましたケド……」

藍子「そうなんですか?」
加蓮「なんて名前にしたの?」

菜々「『ミンミン』」

加蓮「セミ?」

菜々「セミじゃないですー! ウサミンですー!」

藍子「ミンミン、のあとにウサミンをつけてみたらどうでしょうっ」

菜々「さすが藍子ちゃん! ナイスアイディア♪」

藍子「ミンミンウサミン♪」

菜々「ミンミンウサミン♪」

加蓮「……パンダの名前の話なんだよね?」

「ブーム」


菜々「パンダブームかぁ。ウサミンブームはいつ来ることやら」ヤレヤレ

加蓮「割といつも来てない? 菜々ちゃんがステージに上がる度にウサミンコールすごいじゃん」

菜々「ナナの野望はこんなところでは終わりませんよ!」

藍子「頑張ってくださいね、菜々さんっ」

菜々「キャハッ☆ そうだ、第二のウサミン星の命名権とかどうでしょう! パンダに名前をつけるのと同じ感じで!」

菜々「全国のご主人様お嬢様っ、メルヘンいっぱいな名前を期待して待ってますよ♪」

加蓮「どうしよう、どこからいじればいいのか分からない……」

「藍子ちゃんだってアイドルだもの」


藍子「…………」

加蓮「? 藍子?」
菜々「どうしました?」

藍子「…………………………えと、ゆ……ゆ……」

藍子「ゆるふわぶーむはこないかなぁ~……なんて……」

加蓮「おぉ」

藍子「あ、あはは、なんでもないですなんでもないですっ」ブンブン

菜々「藍子ちゃんが珍しく自己主張を!? パンダブーム恐るべし……」

「あべななじゅうななさい」


藍子「パンダの名前って、言葉を繰り返すのが特徴的ですよね」

菜々「昔から、某動物園のパンダの名前は漢字を重ねるようにしてるんですよ♪」

菜々「別にそういう決まりがあるワケではないんですケド、一番最初にそうしたからってことで!」

菜々「あとっ、分かりやすい名前で、その時の流行語ではなく通年使えるように、っていうルールもありますね~」

藍子「へぇ~。菜々さん、詳しいんですねっ」

菜々「ふっふっふ。あれはウン十年前のことでしたか。この国にパンダが初めて来た時の盛り上がりっぷり!」

菜々「パンダのこといっぱい調べてどきどきわくわくして、数時間待ったのにたった数十秒しか見られなかった時の悲しみと絶妙な喜びといったら! 今でも忘れられませんよ!」

藍子「あの……菜々さんって、何歳――」

菜々「ハッ! ああえっとテレビ! そうテレビの話ですテレビの話! パンダブームですからね! パンダヒストリーを放送してたんですよ!」

加蓮(スマフォで「パンダ 歴史」っと)ポチポチ

加蓮(……ん? ええと、2017ひく1972だから)

加蓮「え!? 菜々ちゃ――菜々さんって2×歳じゃないの!? もっと年上だったの!?」

菜々「17歳ッ!! 言い直さなくていいですから!!!」

「美化すれば何も無くても日頃の感謝を口に出せる子ってなるのかもしれない」


加蓮「シャンシャン、だっけ。パンダの名前」

菜々「ええ。香香と書いてシャンシャンですね」

加蓮「藍子がさー、パンダの名前、シャンシャンじゃなくて謝謝(シェイシェイ)だって思ってたみたいで」

藍子「わ~っ。加蓮ちゃん、そのお話はナシでっ」

加蓮「プロデューサーさんにドヤ顔で言っててさ……ぷくくっ。プロデューサーさん、『お、おう。こっちこそありがとな……?』ってすっごい困り顔でさっ」

藍子「わ~~~~っ!」

菜々「あー……。ドンマイですよ、藍子ちゃん」

藍子「うぅ。あれ、あとからすっごく恥ずかしかったんですよ……。加蓮ちゃんのばかっ」

加蓮「大丈夫大丈夫。私も最初勘違いしてたから。藍子が言うまで私もシェイシェイだって思ってたから」

藍子「加蓮ちゃんのばかっ」

「なな」


藍子「あれ?」

加蓮「ん、どしたの」

藍子「パンダの名前は、同じ言葉を繰り返すんですよね。っていうことは……菜々さんはパンダってことになるのではっ」

菜々「!?」

加蓮「ぷっ。ぷくっ、あはっ、あはははははっ……!! パンダ……! 菜々ちゃんパンダ……!」

菜々「そ、そんなに笑うことないじゃないですか。あとナナはウサミン! ウサミン星人! パンダじゃありませんから!」

加蓮「藍子、衣装室にパンダの衣装あったでしょ。あれ持ってきて!」

藍子「はいっ、今すぐ取ってきます!」ビュー

菜々「ああっ藍子ちゃんがいつにない素早さで! やはりパンダブーム恐るべし……!」

「ふるあーまー藍子ちゃん」


<がちゃり

藍子「ただいま戻りました」

菜々「おかえりなさいませお嬢様♪ なんちゃっ……て?」

加蓮「お帰りー藍子。遅かった……ね?」

藍子「えへへ……」

加蓮「……聞いていい? 菜々ちゃんに着せる用の衣装、なんで藍子が着てるの?」

藍子「衣裳部屋にあったのを見て、可愛いって眺めてたら……。つい着ちゃいたくなって」


☆今の藍子ちゃんの装備☆

あたま:E パンダのフード
からだ:E パンダのきぐるみ
 うで:E ささのは
 こし:E パンダのポシェット
 あし:E パンダのブーツ


菜々「藍子ちゃん、まるで絵本の世界みたいですよ! すっごく似合ってますね!」

藍子「ありがとうございます、菜々さんっ」

加蓮「可愛いけどさー、ちょっと子供っぽすぎない?」パシャ

加蓮「確かに藍子は16歳だけどさ、大人びたファッションの方が絶対似合うって」パシャ

加蓮「せっかく着てもらったとこ悪いけど、これはちょっとビミョーかなー」パシャ

菜々「とか言いつつシャッターを押しまくる加蓮ちゃん」

加蓮「あれっ」

「笹は食べたことないけど分かる」


菜々「じゃーん! 笹スティック!」

藍子「わ~」パチパチ

加蓮「お香? ……じゃなくてお菓子なんだ。わ、ホントに笹の形してる」

菜々「この前見つけたので買っちゃいました! ささっ、ナナ達もパンダチャレンジしてみましょう!」

加蓮「あむっ」モグモグ
菜々「とりゃー!」モグモグ

……。

加蓮「……笹の味しかしない」
菜々「まぁ笹スティックですし」

「パンダは世界を平和にする」


藍子「私も、いただきますね」

藍子「本当だっ、笹っぽい味がします」モグモグ

藍子「もぐもぐ、もぐもぐ……」

加蓮「……」チラ
菜々「……」チラ

藍子「もぐもぐ、もぐもぐ……」

菜々「……パンダのきぐるみ(フード付き)を着て、」
加蓮「……一心不乱に笹(のスティック)を食べる藍子」

藍子「もぐもぐ……」

菜々「……お持ち帰りしていいです?」
加蓮「やだ。私が持って帰る」
菜々「いくら加蓮ちゃんでもここは譲れませんよぉ!」
加蓮「私だって!」

藍子「もぐ……?」

藍子「もぐもぐ、ごくん」

藍子「おふたりとも、ケンカしちゃ駄目ですよ。みんなで笹を食べましょうっ」スッ

菜々「はい」
加蓮「はい」

「パンダは世界を平和にした」


――30分後――

菜々「――ハッ!? あ、あれ!? ナナ達いつの間にこんなに笹スティックを!?」

加蓮「え、え? ……うわ、気付いたら1個もない!」

藍子「もぐ?」

加蓮「いつの間にか藍子につられちゃってたね」

菜々「恐るべし、ゆるふわ×パンダの合わせ技……!」

藍子「……もぐ?」

「パンダは世界を平和にしすぎる」


菜々「藍子ちゃんは今すぐ普段着に戻るべきです!!」ガシ

藍子「ひゃっ。き、急に何ですか……?」

菜々「いいですか。藍子ちゃんがこのままパンダ姿でいると――世界が滅びる!」

藍子「ええええええ!?」

菜々「ナナ達の世界を守る為に! この惑星の平和の為にも! 藍子ちゃんは着替えるべきなんです!!」

藍子「わっ、分かりました。そこまで言うなら着替え……き、着替えますから菜々さんっ肩、肩いたいです……っ!」

加蓮「あーあー……」


菜々「……でもたまにでいいのでまた着てみません? 笹スティックも用意しますし」

藍子「は、はあ」

加蓮「あーあーあー」

「パンダまめちしき・その1」


(藍子は普段着に着替えました)

菜々「パンダって、生まれて来る時にすっごくちっこいんですよ! だいたい15cmくらいみたいですね♪」

加蓮「あ、それ見たことある! あんな小さいのに必死で生きてるのってすごいよね……」

菜々「そんでもって、生まれたての頃は全身ピンクなんですよ。人間の赤ちゃんに似てるかも?」

藍子「そうなんですか!? 私、最初から白黒なんだって思ってましたっ」

菜々「パンダの一生はスゴイんです。それにしても、最初は生きるのもギリギリな子を必死に育てるお母さんですか……」

菜々「不安もいっぱいあるでしょう。時にはイライラする時だってあるでしょう」

菜々「でも、そんな苦しみはすくすく育っていく我が子の前ではすべて無力!」

菜々「そして大きくなった子を見守りふと涙するお母さん!」

菜々「くぅ……! いい話ですね!」

菜々「ナナ決めた! 子供を産んだら絶対パンダみたいなお母さんになる!!」

藍子「菜々さん……!」

加蓮(17歳設定どこ行ったのよ。……っていうのはさすがに無粋かな? あ、私ももらい泣きしちゃいそう)ホロリ

「パンダのまめちしき・その2」


藍子「パンダって、1日の半分くらいは寝て過ごすみたいなんです」

加蓮「へ~。いつも木に登ってるんじゃないんだ」

菜々「確かエネルギーを消耗しない為でしたっけ?」

藍子「私たちが真似したら、夜に眠れなくなっちゃいそう」

加蓮「ふふっ。藍子の大好きなお散歩も行けなくなっちゃうね」

菜々「あぁ、あれはそれでだったんですか……」

藍子「? あれ、って?」

菜々「この前杏ちゃんがプロデューサーさんに詰め寄ってたんですよね。今度からパンダ系アイドルで行かせてくれって」

藍子「あー」
加蓮「あぁ」

菜々「結局、衣装がパンダになっただけで、相変わらず現場に引きずられていってましたね」

藍子「あー」
加蓮「だろうね……」

>>15 本当に大したことではありませんがタイトルを修正させてください。
誤:「パンダまめちしき」
正:「パンダのまめちしき」



「パンダのまめちしき・その3」


加蓮「パンダってさ、理想像が高いんだって。恋愛的なヤツ」

藍子「パンダにも、恋愛ってあるんですね」

加蓮「しかも好みがすごくうるさいんだって。性格とか見た目とか。あとほら……その、繁殖能力とか?」

菜々「それはナナも初耳ですね!」

藍子「なんだか、『かぐや姫』みたいです」

菜々「どっちにも竹が出てきますし、確かにそうですね!」

藍子「もしも、かぐや姫がパンダだったら……?」

菜々「一番の笹をもってこい! とかになっちゃうんですかねぇ」

藍子「ふふっ、それも面白そう♪」


加蓮「そう考えるとさー、この中で一番パンダっぽいのって私だよね?」

菜々「えっ」
藍子「え?」

加蓮「……え、何その反応」

菜々「(藍子ちゃん藍子ちゃん。ナナの記憶違いでなければ、加蓮ちゃんこの前プロデューサーさんに褒められて蕩けた顔してましたよね?)」ヒソヒソ
藍子「(あ、あははは……。ほ、ほら、アイドルとして、アイドルとしてのお話ですからきっとっ)」ヒソヒソ

加蓮「おーい」

菜々「(なっ。アイドルとしてならナナだって負けてませんよ!)」ヒソヒソ!
藍子「(落ち着いてください菜々さんっ! ちゃんと分かってますからっ)」ヒソヒソ...

加蓮「……」ムスー

「見に行こう!」


藍子「パンダのお話をしてたら、パンダを見に行きたくなっちゃいました」

菜々「いいですね行きましょう行きましょう! 思い立ったがウサミン、ですよ!」

加蓮「え、何その言葉」

菜々「藍子ちゃん、天気の確認!」

藍子「はいっ。今日はずっと快晴みたいです!」

菜々「カメラの準備!」

藍子「いつでもオッケーですっ」

菜々「加蓮ちゃんを引っ張る役!」

藍子「さ、加蓮ちゃん。一緒に行きましょう。……えいっ」グイ

加蓮「展開早すぎ! わっちょっ藍子引っ張らないで、わわっ」

菜々「ではパンダツアーの旅へ!」

藍子「しゅっぱ~つ♪」

加蓮「待っ、2人とも待ってってば~……!」


(5分も経たずアイドルバレしました)



おしまい。
読んでいただき、ありがとうございました。クリスマスメモリーズばんざーい!!

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