安部菜々「菜々色変化」 (67)
事務所
P「ただいまー」
菜々「おかえりなさいプロデューサーさん!」
菜々「ご飯にしますか? お風呂にしますか?」
菜々「それとも……ナ・ナ?」
菜々「なんちゃって! キャハッ♪」
P「ご飯で」
菜々「なんでですかプロデューサーさん!」
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1384508763
P「なんでって……お風呂は帰ってからでいいし、じゃあ軽食でも食べようかなって」
菜々「ナナと言う選択肢は最初からないんですか?」
P「えー……だって菜々はまだ十七歳だろ? へんな事したら捕まっちゃうよ」
菜々「へ、へんな事ってプロデューサーさんは一体何をするつもりだったんですか!」
P「いや、つもりだったっていうかそもそもするつもりはないんだけど……」
菜々「むむむ……別に何かをされたかった訳じゃないですけど、そう言われるとなんだか釈然としませんね……」
菜々「このままではナナのアイドルとしての沽券に関わります!」
P「菜々は十分魅力的だからな?」
菜々「それでも……なんとなくダメなんです!」
P「困ったなぁ」
菜々「そこで……ナナのナナによるプロデューサーの為のシチュエーション演技を行いたいと思います!」
P「唐突だなぁ」
菜々「ルールは簡単です。今からナナが色々な衣装に着替えて様々なシチュエーションを演じます」
菜々「プロデューサーはナナの行動に対して少しでもキュンキュン!となった回数分、備え付けのBOXに1000マニーを入れて下さい!」
P「え、ちょっと待って。俺マニー出さないと行けないの?」
菜々「大丈夫です。気分の問題ですから後でお返しします」
P「戻って来るならよかった……菜々のそんな姿を見せられ続けるなんて財布が数分で空になっちゃうよ」
菜々「えっ……?」キュン
菜々「ってナナがさっそくなってどうするんですか! それじゃあ始めますからねー!」ダッ
P「おーい……行っちゃったよ。というか本気でやるのか」
数十分後
P「菜々遅いなぁ」
/
メルヘンチェーンジ!
\
P「うわっなんか聞こえたぞ!」
ガチャッ
菜々「キャハッ☆」
http://i.imgur.com/IdjlfIG.jpg
P(着替えてきただけなのに背景セットも付いてくるとかどうなってんだコレ……)
菜々「…………プ、プロデューサーさん! 来てたんですかー!?」
P「いや、来たのは菜々の方じゃ」
菜々「あ、そういう設定ということで。基本的にプロデューサーさんにも手伝ってもらうことになります」
P「そうか……というかこれだと二人して演劇練習やってるみたいだな」
菜々「じゃあ改めてやりなおしますね」
菜々「ゴホンっ……来てたんですかー!?」
P「ごめんな、急に訪ねちゃって」
菜々「は、はい。散らかっちゃってますけどどうぞ入ってください!」
P「お邪魔します」チラッ
P「ん……なんだ菜々、落花生食べてたのか?」
菜々「はいっ! とっても美味しいですからプロデューサーもどうですか?」
P「それじゃあ遠慮なくいただこうかな」
菜々「二人で一緒に食べましょうねっ♪」
P「……」パクパク
菜々「……」カリカリ
P「……」モグモグ
菜々「……」モキュモキュ
P「…………」
菜々「……」カリカリモキュモキュ
P「キュン」 +1000マニー!
P「卑怯だろうっ……! 落花生を両手で持ってハムスターみたいに食べる菜々は卑怯だろう……ッ!」
菜々「ほうひはんでふかふろひゅーはーひゃん?」
P「キュン」 +1000マニー!
P「頬袋をふくらませるのは更に卑怯だろうがッ……!」
P「とりあえず中々に大変そうだと言うのはわかった」
菜々「ささっ、どうぞ座布団に座ってください!」
P「どうもご丁寧に」
菜々「それじゃあナナも……ちょこんっ♪」
P「……」
菜々「あ、あれー? これはダメなんですか?」
P「いや……なんかそういうのは違うかなーって」
菜々「むむむ……難しいですねぇ」
P(あんまりわざとらしすぎるのは逆に大丈夫といったところかなぁ)
菜々「あっ、お客様が来たのに飲み物を出し忘れていました! 今持ってきますね」
P「そんなに気を使わなくていいよ」
菜々「そういう訳にもいきませんからー」タタタッ
P「演技中でも光る気配りの精神……さすがメイドさんだ」
数分後
菜々「……プロヂューサーひゃん、飲んでますかー? ヒック」
P「菜々……もしかして自分の方は酒出したんじゃないよな?」
菜々「だいじょぶです……これ、甘じゃけですからぁ」
P「甘酒なのにそこまで完全に泥酔ってするのか……?」
菜々「にゃにゃにもわかんないです……えへへー♪」
P「ぐっ……!」
菜々「? どうしたんですかー?」
P「……いや、なんでもない」
P(いかん、危ない危ない危ない……)
P(にゃにゃ、中々のパンチだった。不意打ちには気をつけないといけない)
菜々「うへへへ……」
P「しかしこれじゃあ続けようがないな。一旦休ませるか」
P「おーい菜々、起きろー。ちょっと休憩するぞ」
菜々「ナナはまだ大丈夫でーす……」
P「そんな様子で大丈夫なわけないだろ……ほら、立って」
菜々「うぅーん……」
P「全然動かねぇ! どうしたもんかなぁ」
菜々「プロデューサーひゃん……」
P「どうした?」
菜々「…………だっこー」
P「キュンキュン」 +1000マニー!
第一ラウンド 終
P「一ラウンド目からこれだと最後の俺の財布はボロボロだ……いや戻ってはくるけど」
P「えーっと3000マニー3000マニー……あれ、BOXになにか書いてある」
『このお金は愛の土屋亜子事業団に寄付されます』
P「ヒィッ」
菜々「あ、それも雰囲気造りの為ですから気にしないで大丈夫ですよ」
P「なんだビックリした……」
菜々「それより、早速迷惑をかけちゃってごめんなさいプロデューサー!」
P「気にしなくていいよ。プロデューサーはアイドルの為にいるんだから」
菜々「そう言ってもらえるとナナも少し気が楽になります」
P「多少大変な方がかえって挑み甲斐があるってもんだよ」
菜々「……けどナナ、へべれけになったのが少し嬉しかったりするんです」
菜々「だって、お姫様だっこって夢見る女の子の憧れですから……えへへ///」
P「キュンキュン」 +1000マニー!
P(ラウンドとラウンドの間にも取られるなんて聞いてなかった)
P「菜々はまだ準備中……この間に精神を集中させておく必要がある」
P「…………」
/
メルヘンチェーンジ
\
P「……来るか」
ガチャッ
菜々「キャハッ☆」
http://i.imgur.com/Y0zX4xk.jpg
P(さてどう来る……?)
菜々「……プロデューサーさん。ナナたち、とうとう結婚するんですね」
P(なるほど……その純白衣装をウェディングドレスに見立てているということだな!)
P「ついにこの時がきたんだな……長かったような短かったような、不思議な気持ちだよ」
菜々「思えばナナ達の出会いは、ウサミン星人と新ウサミン星人の戦争の最中でした」
P「うん……」
P「…………うん?」
菜々「お互い敵同士……それは本来報われるはずのなかった恋」
P(俺、いつの間にかウサミン星人にされてる……)
菜々「……しかし、恋の女神様は二人を見捨ててはいなかったんです!」
P「……」
P「……うん、そうだな!」
菜々「ところでプロデューサーさんは子どもはどれくらい欲しいですか?」
P「3人くらい……いや、ちょっと気が早すぎるかな?」
菜々「えへへ……実はナナ、もう子どもの名前も考えてきたんですよ!」
P「本当に気が早いよ」
菜々「それじゃあ、ここで言わせてもらいますね」
菜々「一人目の子は八!」
菜々「二人目の子は九!」
菜々「三人目の子は十です!」
菜々「どの子もきっと、ナナ達の自慢の子になりますよ!」
P「キュンキュンキュン」 +1000マニー!
P(どう考えてもふざけた名前なのに、あんなに幸せそうに笑われたらダメだった……)
P(……菜々の言葉ってだけで、もうアウトじゃないか!!)
菜々「どう思いますかプロデューサーさん?」
P「とっても良い名前だと……思う!」
菜々「本当ですか? そんなに褒められたら母親冥利に尽きちゃいますよぉ♪」
P「そうだな。菜々はきっと良い母親になると思うよ……」ナデナデ
菜々「ふわぁっ……急にどうしたんですかプロデューサーさん?」
P「いや、なんというかこう、娘の幸せを見守る父親の心境的な……」
菜々「?」
菜々「ところでプロデューサーさん。そろそろですね……」
P「どうしたんだ菜々?」
菜々「ほら、結婚式と言ったら……最後にあるじゃないですか、ね?」
P「…………あっ」
P「ちょ、ちょっと待て。もしかしてそんな所までやるのか?」
菜々「だってこれはプロデューサーさんをキュンキュンさせる演技なんですから!」
P「だからってそこまでしなくていいじゃないか」
菜々「でもこれは菜々の意地なんです!」
P「じゃあもう十分キュンキュンしたから終わり! なっ?」
菜々「……」
菜々「…………ナナとのチュー、いや?」
P「キュンキュンキュン」 +1000マニー!
P「上目遣いで幼児語とか反則やでぇ……」
菜々「プロデューサーさん……」
P「お、おい菜々……」
菜々「ナナは」
P(菜々がゆっくりとこっちに近付いて)
菜々「この気持ちをもう」
P(目を閉じて)
菜々「抑えられないんです。だから……」
菜々「――やさしくして、ください」
P「キュンキュンキュンキューン」 +1000マニー!
第二ラウンド 終
ちょっとimgurさんが息吹き返すまで一旦終わります
P(トキメキすぎて数分程気絶してたのは秘密だ)
P「そして俺は3000マニーを投入し、菜々は再び準備に……」
P「しかし聞こえてくる音といい最初の背景セットといい一体どうなってるんだ」
P「……気になるけど流石に着替え中はまずいか」
P「さて……」
/
メルヘンチェーゴッホゴホ!
\
P「あ、むせてる」
/
メ、メルヘンチェーンジ
\
ガチャッ
菜々「キャ、キャハッ☆」
http://i.imgur.com/Vh13Gkd.jpg
菜々「……さぁ次はプロデューサーさんの番ですよ! なに歌いますか?」
P「えっ、歌うって何を?」
菜々「もちろん曲に決まってるじゃないですか。だってナナたちはカラオケをしにきたんですから!」
P「カラオケ……?」
P(……あー、タンバリンとかビデオとかあるのはそういうことか)
P「そっかそっか。次は俺の番だったな」
菜々「ささっ、曲を選んでくださいプロデューサーさん!」
P「そうだな……せっかく菜々と来てるんだから、メルヘンデビューでも歌ってみるか!」
菜々「えぇっ!? ナナの歌をナナの前で歌うんですか?」
P「本人の前で歌うってのも挑み甲斐があって面白そうじゃないか」
菜々「うぅ……自分の歌をまじまじと聞かされるのもちょっと恥ずかしいです」
P「一回だけでいいからダメかな?」
菜々「……んもうっ、しょうがないですね! 一回だけですよぉ♪」
―――
――
―
P「ウサミンハートにー」
菜々「ウサミンハートに!」
P「キュンキュンきらめくー」
菜々「キュンキュンきらめく!」
P(最初は恥ずかしがってたけどノリノリでデュエットしてきたなぁ)
P(……やっぱりこの曲は歌っていて元気が出るから楽しいな!)
菜々「プロデューサーさん! 次の台詞の部分ナナが歌っていいですか?」
P「おうやったれ! 本家の実力見せてやれ!」
菜々「ナナ、行きますよぉ!」
カチャッ
P「あれ……なんで演奏停止したんだ?」
菜々「あの、プロデューサーさん」
P「お、おう。どうした急に真剣な表情になって」
菜々「プロデューサーさんは……」
P「どうしたんだ菜々……こっちを向いてくれ。俺何かしちゃったかな?」
菜々「プロデューサーさんは、ナナの本当の姿を知っても」
P「……」
菜々「好きでいてくれますか?」
P「菜々……」
クルッ
菜々「――なーんちゃって☆」
P(そういって振り返った彼女は溢れんばかりの笑顔で、俺は――)
「キュンキュン」 +1000マニー!
「キュンキュン」 +1000マニー!
「キュンキュン」 +1000マニー!
「キュンキュン」 +1000マニー!
――
―
菜々「どうですかプロデューサーさん。ナナの演技にびっくりしちゃいました?」
P「いつも元気いっぱいの菜々とのギャップにしてやられたよ」
菜々「ナナ、もしかしたら演技派女優もいけちゃいますか?」
P「菜々ならきっとできるだろうな!」
菜々「ウサミン、銀幕デビュー! の日も近いですね!」
P「あぁ……それと、菜々」
菜々「どうしたんですか?」
P「さっきのは例え話だろうけど、菜々の本当の姿がどうであろうと関係ないよ」
P「だって菜々は菜々だろ? 頑張り屋さんの、普通の女の子だよ」
菜々「プロデューサーさん……」
菜々「……えへへ! また、ナナの方がキュンってしちゃいました♪」
P「キュンキューン」 +1000マニー!
第三ラウンド 終
P「5000マニーよさらば」
P「何か少しずつマニー払うのが快感になってきたぞ」
P「次の菜々は……どう来る!」
/
メルヘンチェーンジ
\
ガチャッ
菜々「キャハッ☆」
http://i.imgur.com/saAR5cA.jpg
菜々「……さぁプロデューサーくん。準備出来たし食べよう!」
P「プロデューサーくん!?」
菜々「プロデューサーくんだよ?」
P「菜々って俺の事プロデューサーさんって呼んでたよな……?」
菜々「やだなぁ。プロデューサーくんはナナの幼なじみなんだから、ずっとプロデューサーくんだよ」
P「おさ菜々じみ?」
菜々「……ふふっ♪ プロデューサーくんってば相変わらずへんな事ばっかり言うんだから!」
P(急に変化球で来てびっくりしたけど、次はそういう方向性なのか)
P(今までと違って先が読みにくいな……というか俺も俺でいい加減慣れないと)
P(しかし……くだけた口調の菜々ってのも、なんかこう……良いな)
菜々「ねぇねぇプロデューサーくん! この料理やお団子やクッキー、ナナが全部作ったんだよ♪」
P「へぇ、凄いな菜々! しかし、こうまで綺麗に飾り付けてあると食べるのが少しもったいないくらいだな」
菜々「プロデューサーくんの為に作ったんだから遠慮しないで食べて!」
P「それはありがたい。それじゃあ遠慮なく一口……」
菜々「……あっ、やっぱりちょっと待って!」
P「あーん……ってどうした菜々。やっぱり崩すのがもったいないか?」
菜々「そうじゃなくて、せっかくだからナナがプロデューサーくんに食べさせてあげる!」
P「えぇっ!? それはさすがにいいよ!」
菜々「遠慮することないのに……」
P「でも、友達に噂とかされたら恥ずかしいし……」
菜々「プロデューサーくんってばどこかのヒロインじゃないんだから……」
P「とにかく、自分で食べるから菜々は気にしなくていいよ」
菜々「……」
菜々「えいっ」ポカッ
P「いたっ……くはない」
菜々「プロデューサーくん? ナナはプロデューサーくんより年上のお姉さんなんだよ?」
菜々「お姉さんの言うことは聞きなさいっ!」
P「キュンキュン」 +1000マニー!
P(お姉さんぶる菜々かわいい。天使はここにいたんだ)
菜々「さぁプロデューサーくん! あーん♪」
P(もう俺ウサミン星人でいいや)
P「あ、あーん……」
菜々「……っ! ……っ!」ピョンピョン
P「どうした菜々?」
菜々「ごめんね、プロデューサーくん……」
菜々「ナナ、うまく届かなくて……だからちょっとだけしゃがんでもらえるかな///」
P「キュンキュンキュンキュンキューン」 +1000マニー!
―――
――
―
P「……はっ!?」
菜々「あ、気がつきましたかプロデューサーさん?」
P「菜々……」
P「……ってあれ、なんで俺ソファーに寝転がっているんだ?」
菜々「プロデューサーさん、演技の途中で錐揉み回転で吹き飛びながら気絶しちゃって……」
P「……あと、なんで菜々に膝枕されているんだ?」
菜々「だってプロデューサーさんが倒れたのはナナのせいなんですから」
P「いや、それは俺自身のせいだと思うけど……」
P「しかし、ここまでダメージを負うともう続ける体力はないな……」
菜々「ナナとしてはもうちょっとプロデューサーさんをキュンキュンさせたかったですけど……でもこれで満足ですっ!」
P「そっか。菜々が満足できたなら俺も満足だよ」
菜々「プロデューサーくん、よく頑張ったね!」ワシャワシャ
P「おいおいそれはもう恥ずかしいって……」
P「さて、そろそろ起きるか……」
P「……って、うわっ! なんで押さえつけるんだ菜々」
菜々「まぁまぁ、もうちょっといいじゃないですか!」
菜々「プロデューサーさん、いつもナナ達のプロデュースで大変なんですから……」
菜々「たまには何も考えずに休むことも大切ですよ」
菜々「ねっ?」
菜々の膝に抱かれながら、そっと髪を撫でられる
天を仰ぐ俺の双眸に映るのは慈しむような微笑みを浮かべる菜々の顔
優しい声 暖かな手のひら
脳裏に蘇る幼き日の想い出
そう、これは――
P「……ッ! 母さん……ッ!」ポロポロ
菜々「ど、どうしたんですかプロデューサーさん!? 何で急に泣き出しちゃったんですか!」
P「ありがとう……ありがとう……!」
菜々「ナナ、なにかしちゃいましたか!? プロデューサーさーん!!」
―――
――
―
P「みっともない所を見せて申し訳ない」
菜々「びっくりしちゃいました……本当に大丈夫ですか?」
P「大丈夫、ちょっと懐かしい気持ちになっただけだから」
P「しかし菜々は強敵だった。恐れいった」
菜々「プロデューサーさん。ナナの魅力、改めてわかってもらえましたか?」
P「あぁ……菜々というアイドルはまだまだ奥が深いな……」
菜々「それじゃあもっともっとナナの深みを出せるように、これらかもプロデューサーお願いしますねっ♪」
P「あぁ!」
大天使の菜々ちゃんさんをかわいく書きたかったけどうまくいかず悔しいので
今以上に色々な菜々さんSS増えて、どうぞ
最後に、最初こっちをオチにしようと思ったけど
これもう(どうやってこのオチに繋げればいいか)わかんねぇなとなってやめたオチをおまけとして
菜々「プロデューサーさん! ナナ、ちょっと外の風にあたってきますね!」
P「いってらっしゃい。でも風邪ひかないように早めに戻った方がいいよ」
菜々「了解ですっ!」
タッタッタ
菜々「……ふぅ。夜の風は気持ちいいなぁ」
菜々「……」
??「お久しぶりです。安部菜々」
菜々「貴女は……はい、お久しぶりです! でもこんな夜に来るなんてどうしたんですか?」
??「いえ……この近くの屋台でらぁめんを食していて、ふと貴女を思い出したので」
菜々「そうだったんですか……相変わらずラーメンが好きなんですね♪」
??「はい、あれはとても良きものです」
菜々「今日は綺麗な満月ですねぇ……」
??「……あの月が恋しいですか?」
菜々「……未練は全くないと言ったら嘘になっちゃいます」
菜々「でも、今この星でこうしてアイドルをしていて、ナナはとっても幸せなんです」
??「かつて月界を二分した私たちが、今は共にアイドル業に励む……運命とは数奇な物ですね」
菜々「それでもこうしてやっていけたのは、お互いプロデューサーさんのおかげですね!」
??「ふふっ……そうですね。今の私が存在するのはひとえにあの方のプロデュースあってこそですから」
??「それでは、そろそろお暇を」
菜々「また、会えますよね?」
??「……アイドルを続ける限り、またいつでも」
菜々「……はいっ! それじゃあお休みなさい♪」
菜々「……よーし! ナナもプロデューサーさんの所に戻らないと!」
タッタッタ
「…………」
「お兄ちゃん、本当に伝えなくていいの?」
「いいんだ。あの方にとって――菜々にとっての俺は、地球で産まれたただのプロデューサーなんだから」
「……わかった。お兄ちゃんがそういうならわたしが口を出すことじゃないよね」
「ごめんな。お前にも無理強いさせてしまって」
「そんなこと気にしないで。だって、私たち家族でしょ」
「月を離れたこの地球で生活していけるのはお兄ちゃんのおかげなんだから……私もお兄ちゃんの役に立ちたい」
「……ありがとう、美羽」
「ほら、そろそろ行ってあげてよ」
「あぁ……!」
事務所
菜々「プロデューサーさんっ! ただいまナナが戻りましたよぉ♪」
菜々「……アレ? プロデューサーさんどこですかー?」
ガチャッ
P「すまん、ちょっと外に飲み物を買いに行ってたんだ」
菜々「もうっ。ナナを置いて帰っちゃったのかと思いました」
P「とんでもない。菜々みたいなかわいい娘を一人置き去りにできないよ」
菜々「かわいいだなんて……真正面から言われると照れちゃいます。えへへっ♪」
P「それじゃあそろそろ帰ろうか、ご主人様」
菜々「それはナナのセリフですよぉ! メイドさんの仕事を取っちゃ、めっ! ですよ!」
P「ごめんごめん。一回言ってみたかったんだ」
P「それじゃあ、今度こそ帰ろう」
菜々「はいっ!」
おわり
拙いSSでしたが見てくれた人ありがとうございました
次回
安部菜々「かぐや姫の物語」に続きません
http://i.imgur.com/6zt78aw.png
おつおつん
没オチ結構好きだなあ
どこかで見たかもしれないと思ったけどヘレンさんに囲まれてないから違うか
>>65
自ら言うのもなんだけど、おそらくそれも自分だと思う
ヘレンさんも好きだからもうそろそろネタにするのやめよっかなと思ったので
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