男の娘「半年以内に女の子と童貞を捨てないと死ぬだって!?」 (12)

天使「はい、本当です」

男の娘「し、信じると思うのかな?この僕が」ハハンッ

天使「現に〝一度自殺した貴方〟がこうして生きていて、尚且つ〝翼と天使の輪を携えた美少女〟が眼の前に立っているというのはこの非現実を受け容れるには充分な要素かと……」バサッバサッ

男の娘「どう見ても……本物だよねこれ」

天使「触ってみますか?良ければ差し上げますよ」ペカ-ッ

男の娘「貰えるの!?」

天使「天界では貴女のような」

男の娘「文字がおかしいからね!?」

天使「チッ……貴方のような美少年を殺すのは惜しいとの声があがっていました。その結果、ババア……もとい大天使様が独断で貴方の蘇生を決行致しました」

男の娘「ねぇ!?本当に天使なの!?口すっごく悪いよ!!」

天使「童貞を捨てたら自分に自信を持つようになり、自殺なんかしないだろうと」

男の娘「僕は男の人が好きなんですけど……」

天使「ご安心ください、蘇生の際に染色体とか脳をちょちょいと弄らせた頂きましたので貴方は立派なノーマルです」

男の娘「ふざけんなよ!!何してくれてんの!!」

天使「その証拠に私の胸をチラチラと見ているのも丸わかりです」

男の娘「あーーもう!!恥ずかしいな!!」

天使「お菊門もやわからバリカタに変えさせて貰いました。アレも程々に……」

男の娘「また1からやり直しじゃん!!」バンッ

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天使「でも、良かったですね」

男の娘「何がさ」

天使「もし貴方が同性との性交渉をしていたら蘇生など有り得なかったので」

男の娘「えっ」

天使「あっ、異性との性交渉も同様です」

男の娘「どうしてさ」

天使「あの世の掟って奴ですね、大天使様も安堵していました」ニコッ

男の娘「処女崇拝的な…?」

天使「大天使様の趣味です」

男の娘「趣味かよ!!」

天使「あっ、貴方の取っておきのシコ動画です。どうぞ」スッ

男の娘「今更……」

ンア-ッイクイクッ

男の娘「おえっ!!やめてよ気持ち悪い!!」シッシッ

天使「そしてこちらが私の生乳房」ブルンッ

男の娘「え?触っていいの」ムクムクッ

天使「とまぁ、本当に性的指向も変えさせて貰いました」

男の娘「あっ……本当に……そっか、僕は……」

男の娘「でも、それって本当に僕なの?僕という人間に当てはまるの?アナっ……あそこまで変えて」

天使「やわからバリカタに変わっただけですよ」

男の娘「麺の硬さみたいに言うのやめない?」

天使「時の将軍も男色から無類の女好きに変わったと言いますので……」

男の娘「使命が子作りの人と同じにしないでよ!!」

※決してそんな事はありません

天使「甦れただけ良いじゃないですか」ドウドウ

男の娘「もう!」フ-ッフ-ッ

天使「犯人を探す事も出来ますよ?」

男の娘「……」

天使「貴方も分かっていますよね?」

男の娘「……うん」

天使「貴方は自殺なんかしていない、屋上から落とされただけ、けれども貴方は誰に落とされたのかも分からない」ズビシッ

男の娘「やっぱりお見通しだったんだね」

天使「犯人も知っていますが、掟なので教えません」

男の娘「また殺されそうになったらどうするのさ」

天使「その時はその時、そこまでの人間だったという事です」

男の娘「はぁ……憂鬱だな」

天使「そんな事よりもさっさと童貞を捨ててください、早く休みたいので」

男の娘「休みたいのかよ!!」

天使「貴方のおかげで私の長期休暇がおじゃんですから」

天使「それと、疑問がございます」

天使「どうして自殺と言われた時点で否定をしなかったのか」

男の娘「……」ジロッ

男の娘「そうだね、一度自殺しようとしたのは本当なんだ」

天使「ほぅ」

男の娘「この世に僕のような美しい人間が居ない事を嘆いたのが自殺の原因」

天使「ナルシストもここまで来たら拍手喝采ですね、友達居ますか?」

男の娘「……居たような、居なかったような」

天使「そうですか」

男の娘「実を言うとね、記憶が曖昧なんだ、自分の名前と年齢、性別、両親、殺される直前、通っている学校しか分からない」

天使「割と覚えてますね」

男の娘「せめて犯人の顔を見る事が出来たら……そうだ!」

男の娘「記憶は戻せないの!?」

天使「キャンペーン対象外ですね」

男の娘「使えない天使だなぁ」

天使「私がその気になれば貴方の玉を潰すことも出来るので、発言には気をつけた方がよろしいかと」

男の娘「前は摘出してみたいと思ってたけど、今となっては凄く嫌だな……」

男の娘「はぁ……………僕が美少女桃源郷を作っても殺されてしまう可能性があるのか……」

天使「健全ですがやけに鞍替えが早いですね、どうなってるんですか性欲」

男の娘「君のおかげで今となってはやりたいが山ほどあるよ……張形であんな事やこんな事を……してもらったり」

天使「してもらう。なるほど」

パチンッ

男の娘「んっ?何かした?」

天使「何かした……大した事ではありません。青少年の健全な育成のお手伝いですね」

天使「おや、そろそろ貴方の幼馴染がやってきますよ」

男の娘「え?居たの?幼馴染なんて」

天使「では、私はこれにて失礼。また後程お会いしましょう」ススッ

天使「犯人は女性です」ボソッ

男の娘「!!」

男の娘(犯人は女性……)

男の娘(これから幼馴染が来る事を教えてからの発言)

男の娘(疑心暗鬼になっちゃうよ)

男の娘(何が天使だ……)

男の娘(まるで悪魔じゃないか……っ!悪魔……!)

ガチャッ

幼馴染「男の娘!!良かった……!」

幼馴染「生きてて……」ウルッ

ギュッ

男の娘「幼馴染、ありがとう」

男の娘(いい匂い……この人とエッチしても良いのかな?)

幼馴染「大学を抜け出して病院まで行ったんだから!!」

男の娘(年上の幼馴染か……)

幼馴染「私、スマホ変えたから……私のLIN〇、教えるね?」

男の娘「うん、よろしくって……」

男の娘「勝手に僕のスマホを弄らないでよ!!」ビクッ

幼馴染「あはは、ごめんね、嬉しくてつい」

男の娘「……」

男の娘「もしかして、僕のスマホに設定されたパスコードも知ってるの?」

幼馴染「勿論!!〇〇〇〇だよ!!」

男の娘「あはは……」

男の娘(パスコードを教えた昔の僕はどうかしてるけど……そのおかげで助かった)

幼馴染「私も幼馴染だから、何かあったら手助けになるから……ね?」ギュッ

男の娘「幼馴染……」

男の娘(僕は彼女の事を全くと言って良い程に覚えていない)

男の娘(でも安心してしまう、ふんわりとした彼女の雰囲気で)

幼馴染「じゃあ、私は大学に戻るからお見舞い品も置いとくよ」

男の娘「うん、ありがとう。幼馴染のおかげで元気でたよ」

幼馴染「〝またね〟」

バタンッ





ガチャッ

父「男の娘……!」

母「良かった!」ウルウルッ

ダキッ

男の娘「あはは、やめてよお母さん」









天使「あ、そうだ、言い忘れてました」









男の娘「すぐにでも退院できるってさ」

父「良かったな」

母「本当に良かった……」ナデナデ

男の娘「さっきも幼馴染が大学を抜け出して来てくれたんだ」

父「え?」

母「男の娘に大学生の幼馴染なんて居ないわよ?」

男の娘「……」ゾクゾクッ

男の娘「え?」











天使「あの女性は〝自称〟幼馴染って」

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