双葉杏「誤植病」 (40)
コメディです
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~事務所~
双葉杏「お疲れ~、あーづーい~……」ガチャ
杏「……ってあれ、誰もいない」
杏「ちぇっ、誰かが冷房つけておいてくれれば涼めたのに……」ピッ
杏「……」
杏「なんだろ、最近、事務所で1人になると、漠然とした不安が……」
杏「……考えすぎかな」
ガチャ
「杏ちゃん……逃げて……ください……」
杏「うわぁっ!? う、卯月ちゃん!? ど、どうしたの!?」ビクッ
「早く……手遅れに……なります……!」ヨロッ
杏「そ、そんなこと言われても! 大丈夫!?」
島村疼き「私の……この疼く右腕が……暴走する前に……!」クワッ
杏「うづ……誰!?!?!?」
島村疼き「うぅ……右腕が疼きます……」
杏(えぇ……)
島村疼き「手遅れになる前に……逃げて……! この左腕は人を喰らう腕……!」
杏「部位変わってるじゃん」
島村疼き「ああっ……、左脚の古傷が疼きます……!」
杏「疼く以外に自己表現の方法がないのか」
島村疼き「このままだと……」
杏「このままだと?」
島村疼き「最悪の……災厄が……あの……こう……ぐわーって……」
杏「肝心な設定が全く詰まってないな!?」
杏「えっと……今日はお仕事? 大丈夫?」
島村疼き「はい……凛ちゃんと未央ちゃんとお仕事なのに……私ってば魔力が抑えられなくて……」
杏「卯月ちゃん、今ウチの事務所で最も普通から遠くなりそうだからね?」
島村疼き「右脚も心なしか震えてま……疼いてます」
杏「言い直してまで?」
島村疼き「うう……2人に迷惑をかけると思うと、左の脇腹あたりが疼きます……」
杏「両手両脚で選択肢がなくなったのはわかるけどなんで脇腹!? 攣ってるだけじゃないの!?」
島村疼き「うっ……右の肩から首筋にかけても疼いてきました……!」
杏「医者に症状を相談するおばあちゃんかよ」
杏「と、とにかく、早く2人に来てもらうしかないね」
シャーン
島村疼き「はい……、犠牲者が出る前に……!」
杏「杏はもう犠牲者にカウントしてくれていいと思うんだけど」
シャーン
島村疼き「スマホが疼く……」
杏「それ着信してるんだよ」
シャーンシャーン
島村疼き「昨日買った音楽プレーヤーが疼く……」
杏「それ故障してるんだよ返品してきなよ」
シャーンシャーンシャーン
杏「……ってかさっきからこの音は何!?」
ガチャ
渋谷鈴「あ、もう来てたんだ卯月。杏も、お疲れ」シャンシャンシャンシャンシャン
杏「うるさいな!!!」
渋谷鈴「……杏、機嫌悪い?」シャンシャンシャンシャンシャン
杏「凛ちゃんは耳が悪いの?」
島村疼き「杏ちゃんは、私の魔力によって心が不安定になってしまっているのかも……」
杏「卯月ちゃんは頭が悪いの?」
渋谷鈴「杏、そんな言い方はないんじゃないかな」シャンシャンシャンシャンシャン
杏「いつも思うけどなんで杏が責められるの!?」
島村疼き「そうですよ! ちなみに今はお腹が疼いてます!」グゥゥゥゥ
杏「それは単なる空腹だろ!!!」
ガチャ
本田三尾「ちょっ、ちょっと!!! だ、誰かいる!? なんか尻尾生えちゃったんだけど!!!」ピョコピョコ
島村疼き「うぅ……全身が疼きます……」ブルブル
杏「それはもう寒がりなだけじゃない!?」
渋谷鈴「鈴の音って、なんだか涼しく感じるよね」シャンシャンシャンシャンシャン
杏「凛ちゃんはしゃべらないでもらえる!?」
本田三尾「うわあなんだこれ」
本田三尾「ね、ねえ杏ちゃん!」
杏「あ! 未央ちゃん! この2人を早く引き取ってよ!」
本田三尾「いやいや! 見てよこの尻尾! しかも3本!」ピョコピョコ
杏「うるさいな! 全身の疼きとか動くたびに騒音とか起きないならどうでもいいよ!」
本田三尾「ひどくない!? 私にとっては尻尾も一大事だよ!?」
島村疼き「かわいい尻尾ですね! ゾクゾクします!」ビクンビクン
本田三尾「しまむーが変な性癖持ちの人みたいになってるんだけど!」
渋谷鈴「さ、触ってもいい?」シャンシャンシャンシャンシャンシャンシャンシャンシャンシャン
本田三尾「さっきよりうるさいんだけど何なの!? 興奮してるの!?」
杏「いってらっしゃ~い」パタパタ
本田三尾「送り出す姿勢に入んないでよ!」
島村疼き「じゃあ、行きましょう! 2人とも!」ブルブルブルブル
本田三尾「しまむー大丈夫!? 疼くってか痙攣のレベルだよ!?」
渋谷鈴「仕事はこなさなきゃね」ブシモ!! シャンシャンシャンシャン
本田三尾「今ブシモって聴こえたんだけどそれス○フェスの音だったの!?」
杏「……ちなみに今日ってどんなお仕事なの?」
本田三尾「食レポだよ!!!」バンッ!!!!!
杏「確かに絶望的な状況だけど杏に逆ギレはやめてくれないかな!?」
~ニュージェネ、離脱~
杏「大丈夫かな……」
杏「いや、大丈夫じゃないよねどう見ても」
杏「……」
杏「……」
杏「あっ未央ちゃん引き止めとけばよかった! 楽できたのに!」
杏「まあいいや……、もう杏は覚悟を決めたよ……」
ガチャ
杏「誰っ!」
森久保NONO「お仕事なんてむーりぃ……」トボトボ
杏「変わってねぇ!!!!!」
森久保NONO「ど、どうしたんですか大きな声出して……、いぢめですか……」
杏「あっ、ご、ごめん……」
森久保NONO「もりくぼは……さんくちゅありに逃げますので……」
杏(まあ乃々は静かにしててくれるだろうし、気にしなくていいかな……)
森久保NONO「よいしょ、よいし……ひうっ!!! し、ししし輝子ちゃん!?」
杏「え!? 輝子いたの!?」
干し輝子「フ……フヒ……暑い……」チーン
杏「誤植というか単なる体調不良なんじゃない!?」
干し輝子「き、キノコは……干すと……栄養価がすごく上がるんだ……」
杏「豆知識を披露してる場合か!」
森久保NONO「疲労はしてますけど」
杏「うるさいな! はい水!」
干し輝子「あ、ありがとう……」ゴクゴク
森久保NONO「もりくぼも芸能界から干されたいです……」
杏「そういう話じゃないから!」
杏「2人とも、そんな状態でお仕事できるの?」
森久保NONO「み、美玲ちゃんが頑張ってくれるはずです……」
干し輝子「リーダー……だからな……」
杏「かわいそうだな……」
ガチャ
早坂美鈴「うーっす、ってノノ、ショーコ、元気ないぞ?」シャンシャンシャンシャンシャン
杏「お前もか!!!!!」
~インシャンディシャンシャンヴィ、離シャン脱シャンシャン~
杏「耳に残ってるんだけど」
ガチャ
杏「誰……?」
松永漁「お! ちょうどよかった! 杏、漁にでも行かないか?」
杏「喫茶店に誘う感覚で海に駆り出さないでくれるかな!?」
松永漁「小耳に挟んだんだけど、今、世の中でイカが流行ってるらしいんだ」
杏「それたぶん違うイカだよ。2のやつ」
松永漁「で、イカ漁ってどうやってやるんだ?」
杏「いや知らないけど……。なんか夜に船を光らせて集めるんじゃなかったっけ?」
松永漁「船を燃やす……!?!?!?」
杏「言ってないだろ!? いちいち漁の度に船1隻を犠牲にするのか!?」
松永漁「誰か、船を燃やすのが上手そうなアイドルはいないもんかな……」
杏「燃やす方向で進めないでよ! そんなやついるわけないだろ!」
ガチャ
白坂孔明「火計なら……おまかせ……」
杏「なんかめっちゃ船を燃やすのが上手そうな人来た!!!!!」
松永漁「おお! 小梅! じゃ、協力してくれ!」
白坂孔明「……」
杏「……?」
松永漁「……小梅?」
白坂孔明「……あと2回」
杏(三顧の礼!?)
松永漁「あ、ああ」
松永漁「お願いだ小梅!」
白坂孔明「……あと1回」
松永漁「頼む! 力を貸してくれ小梅!」
白坂孔明「しかたないなぁ……」ニッコリ
松永漁「小梅!」ダキッ
杏「なんだこの茶番は!」
~りょううめ、離脱~
杏「あれをりょううめって言い張る?」
ガチャ
杏「ホント休ませてくれないよね」
大ツキ唯「杏ちゃーん! 聞いて聞いて! ゆいね! 今日チョーついてるの!!」
杏「運勢を名前で操るな」
大ツキ唯「自販機で飲み物買ったら当たって~、信号で1回も止まんなくて~、撮影のカメラマンさん超いい人で~、もちろん占いは全部1位!」
杏「やりたい放題だね……」
大ツキ唯「あ、そういえば宝くじも1等当たったよ」
杏「すげぇ!!! それ最初に自慢しなよ!!! 自販機とかどうでもいいよ!!!」
大ツキ唯「そんなに~?」ケラケラ
杏「そんなにだよ!?」
大ツキ唯「なにに使おっかな~? ちなったんに何かプレゼントしよっかな!」
杏「あんまり使いすぎないほうがいいと思うけどね?」
ガチャ
詐欺沢文香「……そんな唯さんに良いお話があるのです」ニュッ
杏「なんか危なそうな人来ちゃったんだけど!?」
大ツキ唯「わ! なになにー?」
杏「ゆ、唯! どんな良い話に聞こえてもたぶん詐欺だから!」
詐欺沢文香「私にお金をくだされば100倍にして返します」
杏「下手!!! 美味い話にすら聞こえない!!!」
大ツキ唯「ひ、ひゃくばい!!!」
杏「そんなわけないだろ!!!」
詐欺沢文香「私を信じていただけますか……?」
杏「名前でもうオチがついてるんだって」
詐欺沢文香「お金の稼ぎ方が書いてある本を見つけたのです……」
杏「胡散臭さが増していく」
大ツキ唯「うーん……」
杏「悩むとこじゃないよ?」
大ツキ唯「じゃ! こうしよう! 次にこの部屋に来た人に決めてもらおっと!」
杏「ええ!? い、いいの!?」
大ツキ唯「だいじょーぶ! 今日のゆいはついてるんだもん! きっと良い結果になるって!」
杏「本人がいいならいいけど……」
ガチャ
大ツキ唯「きたー☆」
橘アリす「文香さんを信じるべきです! アリです!」
瀬ナシ織「さすがに怪しいんじゃないかしら……? ナシ、と言わせてもらいましょう」
杏「また増えた!!!」
大ツキ唯「あれ!? 2人同時に来ちゃった!?」
杏「だから他人に意見を聞くまでもないって!」
大ツキ唯「うーん……ま、そうだね! ごめん文香ちゃん! 今回はナシで!」
詐欺沢文香「本当に……?」
杏「食い下がるな」
詐欺沢文香「いいんですね……?」
杏「見苦しい」
再答洋子「もう一回答えてもいいんだよ!」
杏「お前いつ来た!?」
五十嵐強固「いえ! 自分の意志を曲げちゃダメです!!!」
杏「ああもう次から次へと!!!!!」
~大ツキ、詐欺沢、その他諸々、離脱~
杏「ねぇこれ何の話???」
ガチャ
杏「もう勘弁して……」
緒方智絵理「こんにちはっ」
杏「ああ、智絵里ちゃ……違う!!」
智絵理「例えば発表する直前に、ちょっと漢字を調べてみる……。これって、そんなに手間なのかなぁ……?」ユラッ
杏「い、いきなりどうしたの!? あ、杏にそんなこと言われても」
智絵理「ねえ、そう思うよね?」
杏「へ?」
智絵利「うんうん……」
知枝里「少しの時間なのにね……」
千絵李「ね……?」
杏「わぁぁぁ!?」
智枝理「どうしたの?」
知江里「どうしたの?」
杏「ち、智絵里ちゃんがいっぱい!!!」
智得里「うれしい……」
血獲裏「杏ちゃんは、わたしの漢字を覚えてくれてるんだね……!」
杏「さすがにその誤植は見たことないぞ!?」
智絵利「でも、杏ちゃんはずるいなぁ……」
杏「え……?」
知枝里「誤植なんて起きないないもんね……」
千絵李「そうだ! 杏ちゃんも、漢字を変えればいいんじゃないかなっ」
杏「え、ええ!?」
智枝理「いつもみんなのことを考えてるから、"案ず"ちゃんとか!」
知江里「いつもお仕事の前は暗ーい顔してるから、"暗ず"ちゃんとか!」
智得里「いつも安心させてくれるから、"安ず"ちゃんとか!」
智絵理「ねえ」
智絵理「どれがいい?」
ちえりーず「「「あんずちゃん……?」」」
ふたばあんず「うわああああああああああああああ!!!!!!」
杏「うわああああああああああああああ!!!!!!」ガバッッ
智絵里「きゃっ! あ、杏ちゃん、うなされてたけど大丈夫……?」
杏「うわっ! ち、智絵里ちゃん……、ひ、ひとり?」
智絵里「う、うん、1人だけど……?」
杏「ってことは……」
杏「夢オチ……かよ……」ガクン
智絵里「杏ちゃん?」
杏「へ?」
智絵里「心配しないで大丈夫だよ?」
智絵里「"覚えてくれている人"には」
智絵里「何もしないからっ」ニコッ
杏「……え?」ゾクッ
おわり
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