文香「させたいですねぇ…」
文香「させましょう…!」
奏「……(白目)」
※全国の奏P文香Pの皆様申し訳ありません。
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文香(きっかけはほんの些細なことでした)
あやめ『これは先祖代々伝わる激辛唐辛子ですぞ!』
珠美『なっなんと禍々しい赤色なのでしょうか…!』
あやめ『これをひとたび口に入れてしまえば三日三晩は味覚が失われ用を足すときには地獄を見るという恐ろしい代物ですぞ!』
珠美
文香『…なるほど』
文香『……なるほどなるほーど』
・ ・ ・
文香「という訳で奏さんこの近くに美味しいカレー屋さんがあるのですが一緒に行きませんか?」
奏「今の流れで行くというと思うの?」
文香「…一緒に来てくれないのですか?」ウワメ
奏「そんな可愛い顔しておねだりしてもダメよ」
文香「茜さんおすすめのお店なのですが」
奏「行く理由がまたひとつ減ったのだけど」
文香「来てくれないのなら私の44マグナムが火を噴きますよ」スッ…
奏「やめて五郎丸ポーズで背後に立たないで」ササッ
文香「お尻を庇う奏さんかわいいですね」
奏「ようやく復活してきたのよ治りかけが肝心なの」
文香「まあそれは置いておいて、そこのカレー屋さんはマイルドなミルクカレーが美味しいそうですよ」
奏「……まあミルクカレーなら良いかしら」
文香「では善は急げです。早速向かいましょう」
奏「はいはい」
・ ・ ・
カレー屋さんっ!
店員「イラッシャイイラッシャイナンタベル?」
文香「このミルクカレーをください」
奏「私も同じもので」
店員「ワカッタヨナンタベル?オカワリジユウヨ?」
文香「じゃあそれもお願いします」
店員「アリガトネースグツクルネー」
奏「……なんでインド料理屋ってナンを食べさせたがるのかしら?」
文香「ここはネパール人らしいですよ」
奏「ますますわからないわ」
店員「オマタセネーナンタベル?」ゴト…
奏「お待たせって…もう出来たの?」
文香「美味しそうですね」
奏(……見た目は普通のミルクカレーね。あんまり辛そうじゃないし)
文香「それでは頂きましょう」
奏「ええ」
奏(文香も同じカレーを頼んでいるのだから深く考えすぎたかしら)
文香「おっとその前に」ゴソゴソ
奏「!?」
文香「最近マイ調味料を持ち歩く事に凝っていまして…」スッ
奏「ちょっと待って何その禍々しい赤色の粉末は!?」
文香「このスパイス一振りでどんな料理もたちどころにスパイシー」ドバッ
奏「あらやだ優しい色をしていたミルクカレーが一瞬で地獄谷に」
文香「せっかくなので奏さんもどうぞ」ドバドバッ!
奏「ああぁああああああぁああぁ!?」
文香「ちょっとかけすぎましたかね」
奏「ちょっとノーカンよノーカン!?こんなにスパイス入れたら食べられるわけないでしょ!?」
文香「とはいっても入れてしまったものは戻せませんし…」
奏「じゃじゃじゃあせめて文香のカレーと交換よ!?明らかにそっちの方が量が少ないでしょ!?」
文香「……いいですよ」ニヤッ
奏「!?」
文香「ではお互いのカレーを交換しましょう」
奏(なっ何かしらさっきの不敵な笑みは…?まさか文香はあのスパイスを無効化することが出来る何らかの方法があるのかしら?)
文香「ふふふ…では頂きますね」
奏(きっとそうに違いないわッ!そうじゃなきゃあんなスパイスがかかったカレーを迷うことなく口に運ぶようなことはしないッ!ならその無効化する術を見破り私もこの真っ赤っ赤カレーから逃れて見せるッッッ!?)
――とても恐ろしい集団心理である
鷺沢文香という聡明で美しい彼女が、何の対策もせずに激辛カレーを食べるはずがない。
ましてや自ら用意した劇物である。何の対策をしていない方がおかしいのである。
しかし文香は、特に何もせずにカレーを口に運んだ……
もうお分かりだろう!!!
文香「ぶげはっ!?!?」
特に対策をしていなかったのである!!!
奏「ちょっとちょっと文香大丈夫!?」
文香「いや…ちょっとコレしゃれになら…ガハっ!?」
奏「えっとほら水飲みなさい水」
文香「あっありがとうござ…ぐふっ!?」
奏「えっ?ほんとに大丈夫…?」
文香「くっ口に残ってたスパイスに喉を焼かれるッ!!」
奏「事前に味見とかしてなかったの?」
文香「気合で行けるかなと」
奏「バカじゃないの!?」
奏(……おかしい、これは何かがおかしい…)
奏(カレー屋に一度も言ったことの無い文香がこんな劇物をかけたカレーを食べるはずがない)
奏(そうでなくとも何か対策はするはず…)
奏(これはもしかしてこの交換したカレーはそんなに辛くないのかも…!)
奏「……試しに食べてみようかしら」ぱくっ
――とても恐ろしい集団心理である
常に大人のような魅力を放っている速水奏が、何の対策もなくカレー屋にホイホイついてくるはずがないのだ。
特にここ最近お尻を執拗に狙っている文香が誘ってきたのだ。
当然何か対策をしているに違いないのだ……
もうお分かりだろう!!!
奏「うぎゃぴっ!?!?」
特に対策をしていなかったのである!!!
文香「かっ奏さん…?」
奏「なにこれぇ…すっごいからいよぉ……」
文香「あぁ…涙目の奏さんも素敵です…」
奏「そういう文香もぷるぷる震えて可愛いわ…」
文香「ありがとうございます…でもまずはこのカレーを何とかしないと…」
奏「ラッシーで流し込むしかないわね」
文香「もう目が痛くなってきたのですが…」
奏「ナンにつけて食べればあるいは…」ぱくっ
奏「おんぎゃーす!?」ぐはっ
文香「これはもう無理です…援軍を、茜さんを呼びましょう…!」
奏「そうね…あの子ならこの激辛カレーも食べきってくれるハズ…」
ドアバーン!!
茜「カレーと言われて我慢できずに駆けつけました!!日野茜です!!」
奏「あぁ女神様…」
文香「救世主様…」
茜「この燃えるような赤いカレーですね!頂きます!!」
もうお分かりだろう!!!
茜「ぺぱぷっ!?!?」
特に対策をしていなかったのである!!!
文香「あっ茜さーん!?」
・ ・ ・
奏「――ってことがあったのよ」
伊吹「あはは…災難だったね」
奏「全く。あの後カレーを食べきるの大変だったんだから」
伊吹「あっ、ちゃんと食べきったんだ」
奏「流石に残すのは悪いから…っとそろそろね」
伊吹「??どうしたの?」
奏「いい?これから貴女が聞いたことはすべて忘れなさい。じゃないともう一緒に映画行ってあげないから」
伊吹「なっなんだよ急に…あっお手洗いか?」
奏「……」
伊吹「……まさか」
奏「もう慣れたから」
伊吹「そんな…だって奏はッ!まだボラギノールが手放せないのに!」
奏「大きな声で言わないで欲しいのだけど」
伊吹「外にさっと塗っても中に注入してもいい使い勝手に感動してたくせにっ!」
奏「大丈夫だから」
伊吹「かなでぇ」ぐすっ
――奏は寂しそうな顔を見せて、ポーチに入れた黄色いパッケージを取り出し、乙女の花園へと向かったのだった。
その横顔からは、これから繰り広げられるであろう惨劇の予感を感じさせない、とても美しい顔だった。
そんな奏にアタシは何も言うことが出来なくて、そんな自分が情けなくって――
トイレ『……おんぎゃあああああああーす!!』
――トイレから聞こえる叫び声を、聞こえないふりするのが精いっぱいだった。
あとトイレの中でカムチャッカファイヤーしている様子はばっちりあやめ殿に盗撮されていて文香さんに高値で売却されたそうな…。
めでたしめでたし
いや違うんですよ。未央ちゃん主役のシリアスなお話を書いていたんですけれど全然終わらないので気分転換に奏と文香の純愛を描いたお話を書きたくなったんです。
これは誰が何と言おうと純愛です。あと今晩はカレーを食べたいです。
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