P「仕事行きたくねえ…」 (28)
P「……うぁ…?まぶしい…んん…朝か…」
P「………朝かよぉ~…もー」
P「…………」
P「…なんか楽しい夢見てた気がする…」
P「………あぁ~…、仕事、行きたくない…」
P「毎晩、もう朝が来なきゃいいのにって思って眠るのになあ…」
P「なんで朝は来るんだろう…」
代行ありがとうございます!
P「…………」ゴロゴロ
P「本当はさっき見てた夢が現実で、こっちが夢なんじゃないかなあ…」
P「…そうだったらいいのに」
P「…………」グデー
P「セミうるせえ…」
P「…子供のころは夏ってだけで、意味なく楽しかったよなあ」
P「……暑い…」
響「おはよう!プロデューサー!!今日もいい天気だぞ!」ジャッ
P「あ゛ー眩しい~。カーテン開けるなよー」モゾモゾ
響「ほらほら起きて。いつまでもゴロゴロしてないの!」
P「嫌だ~。溶けるー」
響「溶けないから。ホラ早く。ごはんできてるぞ」
P「響、今まで秘密にしていたが、実は俺、日光を浴びると溶けてしまうバンパイアおっさんだったのだ」
響「はいはい。それじゃあ、パッと起きて~♪」
P「うう…。ガッとやって!」ガバッ
P「チュッと吸っ」ガシャン
P「………」
P「haaaaaan!」
響「あーあ。だから寝るときはゲーム機片付けなさいって言ってるのにー」
P「うう…。なんでPSPは落下するとUMDが飛んでってしまうん?」
P「……あ、大丈夫。液晶割れてないし、電源も入る」テロレレーン
響「良かったなー。すっかり目が覚めたみたいで」
P「残念ながらすっきりではないがなー」ガチャ
\ワンワン ニャー ヂュイ ギャーギャー/
P「はいはいおはよう。お前たちはいつも元気だな」
響「すぐごはんよそうから、お茶よろしくな」
P「んー」
響「はいお待たせ」
P「んー、ありがと」
響「それじゃあ、手を合わせてください」
P「はい」
\いただきます!/
P「………ん、うまい」
響「ふふ」
P「ところでさ、響」
響「なに?」
P「俺のメガネ知らない?」
響「冷蔵庫の中」
P「なんで!?」
響「毎日暑いから、メガネが冷たいと仕事が捗るかも!って言って、自分で入れたんでしょー!」
P「ああそうだったそうだった」ガチャリ
P「……ん!」
響「どう?」
P「ひゃっこい」
響「あはは」
P「あと結露で何も見えない」
響「あはははははは!バカがいるぞー。ねこ吉」
P「あー、仕事行きたくないなー」
P「…よし!決めた!」
響「なになに?」
P「俺、今日から猫になる!」ゴローン
響「あ、じゃあ自分もー!」ゴローン
P「ニャー」
響「にゃー」
P「ニャニャー」
響「にゃにゃにゃー」
P「にぁ…」
響「…………」
P「…………」
響「…………」
P「……ヤベっ、二度寝するとこだった!」
P「ああー嫌だ。今日は嫌いなディレクターと打ち合わせがあるんだよなー」
P「あの人絶対俺のこと嫌ってるよ。いちいち言うこと嫌味だもん」
響「そうかなー」
P「今日持ってく企画書だって、どうせ見通しがアマいとか予算がかかりすぎとか、難癖つけてくるに決まってるんだ」
P「自分は具体策何も出してこないくせにさー」
響「んー」
P「もう昨日から、あの人が嫌そうな顔で企画書と俺の顔を交互に見ながらため息ついてる想像がずっと頭ん中から離れないんだよ」
P「あああ、行きたくねえええ……」
響「…なあプロデューサー」
P「…んん?」
P「知ってると思うけど、自分、ダンスレッスン好きなんだ」
P「うぇ?…うん」
響「新曲のときとかさ、ゼロから何回も何回も繰り返し練習するじゃない?」
P「そうだな」
響「それから1曲通しで踊れるようになったときなんか、すっごく嬉しいんだよね」
響「でもな、もし最初にどこか間違って覚えちゃってて、それを繰り返し練習してたとしたら…」
響「それじゃあ何日、何ヶ月練習しても、絶対完璧にはならないよね」
響「それどころか、後で間違いに気づいて修正しようとしても」
響「逆にこれまで繰り返した分だけ間違った形が染みついてるから、修正するのが難しくなるでしょ?」
P「まあ、そうだろうなぁ」
響「プロデューサー。想像の中で何度も失敗するイメージを繰り返すのって、間違ったステップを何度も練習するのと同じだぞ」
P「!」
響「自分、プロデューサーのやってる仕事のこと、ちゃんとは知らないけど」
響「それじゃあ上手くいくものもいかなくなるんじゃないか?」
P「……そうだな。…うん、響の言う通りだ」
響「えへへ、でしょ?」
P「悪いな。なんか、情けないこと言っちゃって」
響「あはは、全然かまわないぞ」
響「…あのさ、いまの例え話で言うと、実際は間違ったステップを何回も練習して覚えちゃうなんてありえないんだ」
響「だって、間違ってたらダンスの先生がすぐに指摘してくれるもん。そうでしょ?」
P「そりゃそうだ」
響「だからー、プロデューサーには自分が先生の代わりになってあげるね」
響「またネガティブな考えが離れなくなったら、いつでも自分が励ましてあげる」
響「いつでも、ずーっと!ね!」
P「…ありがとう、響」
P「そうだよな。うん。大丈夫。ディレクターがなんぼのもんじゃい!」
響「そうそう。なんくるないなんくるない」ナデナデ
P「よし、元気出た!じゃあ仕事がんばってくる!」
響「うん。いってらっしゃい」ギュッ
P「おう!いってきまー」ガチャ
P「うおっまぶし」
響「んー、夏真っ盛りって感じだな!」
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