千川ちひろ「パパと名前」 (27)
アイドルマスターシンデレラガールズです。
千川ちひろ「パパとお弁当」
千川ちひろ「パパとお弁当」 - SSまとめ速報
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奈緒「前回のあらすじ!」
未央「ちひろさんのお母さん候補は誰だ!? 以上!」
◆
事務所!
モバP(以下P)「おーい、佐藤ー、三船ー。そろそろ行くぞー」
美優「はい。今行きますね」
心「おい☆ しゅがーはぁとって呼べよ☆」
P「はいはい。わかったわかった」
ちひろ「パパ、今日は遅いの?」
P「んー、撮影に送り届けたら俺はそのまま営業行くからな。正直いつ帰れるかわからん」
美優「えっ……。では、撮影を見てはもらえないのですか……?」
P「すまんな。でも、三船なら安心して任せられるんだよ」
美優「そ、そうですか……?」
P「うむ。だから、くれぐれも佐藤を頼むな」
美優「はいっ!」
心「おうコラ☆ はぁとを頼むってどういうことだ☆」
P「心当たりがないとは言わせんぞ」
心「なんのことやら……」
菜々「通行人の役だったのに、主役を食いかねない勢いでやっちゃった事とかありましたよねー」
心「ちょ、菜々先輩! そんな前の事持ち出さないでくださいよ!」
P「イベントのMCでも会場を凍り付かせたりとかな」
心「好きにやって良いって言ったのプロデューサーだろ☆」
P「あぁ、そうだ。思いっきり後悔した」
P「だから、今回は三船にお目付け役を頼んだんだ」
P「俺が見れない代わりに三船が厳しく見てくれるぞ、佐藤」
心「くっ……!」
ちひろ「心さん、パパだってなにも『しゅがーはぁと』が駄目って言ってるわけじゃないんですし」
心「それはわかってるけどさ☆」
心「でも、プロデューサーが居ないと暴走しても楽しくないじゃん?」
美優「……プロデューサーさんが見ているから暴走をするんですか?」
心「あ、ヤベ」
ちひろ「ふーん……心さんは相変わらずパパに甘えてるんだ。へー……」
心「な、菜々先輩! へるぷ! へるぷみー!」
菜々「……ごめんなさい」
心「ちょ、目を逸らすなオイィィ!」
P「ほら、アホやってないで行くぞ」
心「はーい☆」
美優「はい」
P「じゃあ、行ってくるよ、ちひろ」
ちひろ「はい♪ 行ってらっしゃい」
菜々「行ってらっしゃーい!」
◆
会議室!
まゆ「へぇ……はぁとさんもプロデューサーさんの事を……ふぅん……」
未央「(か、かみやーん! 怖い! 怖いよ!)」
奈緒「(馬鹿! 耐えろ! 未央! あたしらまで死ぬぞ!)」
まゆ「何をひそひそとしてるんですかぁ……?」
未央、奈緒「「なんでもないです!」」
未央「と、ところでままゆ、私達はどうして集められたんだい?」
まゆ「あ、そうでした」
まゆ「ねぇ、未央ちゃん、奈緒ちゃん」
未央「なんだい?」
奈緒「んー?」
まゆ「どうやったらプロデューサーさんと結婚出来ると思いますか?」
奈緒「えっ!?」
未央「まだ諦めてなかったの!?」
まゆ「うふふ。諦めたりなんてしませんよぉ」
奈緒「でも、プロデューサーさんちひろさんより年下は駄目だーって言ってただろ?」
まゆ「言ってましたねぇ」
未央「……それじゃあままゆは無理じゃない?」
まゆ「……」
未央「あ、やばい」
奈緒「(み、未央ー! お前なんて事を!)」
未央「(ご、ごめん! 思わず口から……)」
まゆ「やっぱり……まゆよりも美優さんの方が良いんでしょうか……」
奈緒「え? いや、それはどうだろ」
未央「たしか美優さんもちひろさんと大差ないから駄目って言ってたよね」
まゆ「それじゃあまゆも美優さんも見込みなしって事ですか……?」
未央「え……っと、その……うん……」
まゆ「……」
奈緒「い、いや!? もしかしたらって事もあるんじゃないか!?」
まゆ「ですよね!?」
未央「(かみやーん? 君は何を言ってるんだ)」
奈緒「(仕方ないだろ! あんな悲しそうなまゆの顔見てられないだろ!)」
まゆ「じゃあ……」
未央、奈緒「「はい!?」」
まゆ「お二人にはどうやったらまゆがプロデューサーさんと結婚出来るか考えてほしいんですけど……ダメですか?」
奈緒「それくらいはいいけど」
未央「私達で力になれるのかなぁ?」
まゆ「大丈夫です。三人寄れば文殊の知恵って言うじゃないですか」
奈緒(烏合の衆のってのもあるんだよな……)
未央(船頭多くして船山にのぼる……)
まゆ「と言うわけで、どうすればプロデューサーさんにアピールできるか考えてください」
まゆ「お弁当はあんまり効果なかったみたいですし……」
未央「そういやお弁当は日替わりになったんだね」
奈緒「そうなのか?」
まゆ「はい……。ちひろさんからお弁当の話を聞いた次の日に美優さんだけじゃなくて心さんも作ってきてしまったので……」
奈緒「あー、あのちひろさんが三つお弁当抱えてた日か」
未央「プロデューサーも食べきれそうにないって困ってたね」
奈緒「あたしも分けてもらったけど、まゆのも美優さんのもめっちゃ美味しかった」
未央「わかる。お店出せるんじゃってレベルだった」
まゆ「うふっ♪ そんなことないですよぉ」
奈緒「あたしだったらこんなお弁当作れる人、絶対にお嫁さんにするけどなぁ」
未央「私も」
まゆ「そうですよね。そうですよね!」
まゆ「でも……プロデューサーさんはそうでもないみたいなんです……」
奈緒、未央((あ、みすった))
奈緒「えっと……。あ、そうだ! 未央!」
未央「なんだい、かみやん!」
奈緒「未央はあの日一緒にお弁当食べてたんだろ? プロデューサーさんは誰のお弁当が一番気に入ってたんだ?」
未央「えっ!?」
まゆ「まゆも気になります」
未央「えっと……ウサミン?」
まゆ、奈緒「「え?」」
まゆ「菜々さん、ですか? 菜々さんもお弁当作ってきてたんですか?」
未央「いや、そうじゃないんだけど」
奈緒「じゃあどういう事だよ」
未央「えっと、あの日お弁当たくさんあるからみんなで食べようってなって」
未央「それで、私とウサミンとプロデューサーさんで食べると一人一個になるから、それじゃあ足りないかもってプロデューサーが言って」
未央「『なら、ナナのもどうぞ!』ってウサミンが自分用にって作ってたお弁当も一緒に食べたんだよ」
奈緒「なるほどなー。確かにプロデューサーさんって結構食べる方だもんな」
まゆ「……もしかしてですけど」
未央「ん?」
まゆ「最大のライバルって、美優さんじゃなくて菜々さん、ですか?」
奈緒「あー……」
未央「ウサミンがプロデューサーの事、どう思ってるかわかんないけど……」
奈緒「現状一番距離が近いのって菜々さん、か?」
未央「たぶん。ウサミンだけ名前で呼んでるし」
まゆ「名前……」
奈緒「そう言えばそうだよな。プロデューサーさんってあたしらは名字なのに菜々さんだけ名前呼びなんだよな」
未央「昔にプロデューサーとなんかあったりして」
未央「なーんて……」
まゆ「……」
奈緒「(おい! なんて事言うんだ未央!)」
未央「(つ、つい……)」
まゆ「うふ……うふふふふふふ……」
奈緒「ま、まゆ……?」
まゆ「へぇ……菜々さんとプロデューサーさんが……へぇ」
未央「い、いや!? 私の勝手な妄想だからさ! 違うかもしれないし!」
まゆ「なら、菜々さんご本人に聞いてみましょうか」
まゆ「行きますよぉ」
未央、奈緒「「は、はい!」」
◆
事務所!
ちひろ「で、次は多分こんな感じになります」
菜々「なるほどなるほど……」
まゆ「菜々さぁん……」
菜々「はい? どうしました?」
まゆ「菜々さんって、プロデューサーさんの事、どう思ってるんですか?」
菜々「? プロデューサーさん?」
ちひろ「どうしたんですか? 急に」
未央「それがその……」
奈緒「かくかくしかじかで……」
まゆ「どうなんですかぁ?」
菜々「うーん? うーん……考えた事も無かったですねぇ」
未央「そうなの?」
菜々「うーん。だってずっと一緒に働いてますし、居て当たり前と言うか」
菜々「強いて言うなら……」
奈緒「強いて言うなら?」
菜々「家族……ですかね?」
まゆ「家族、ですか」
菜々「はい! プロデューサーさんもちひろちゃんも、まゆちゃんもみんなみーんな、菜々にとっては家族です!」
未央「ウサミン……!」
奈緒「菜々さん……!」
ちひろ「家族かぁ……」
まゆ「でも、それは菜々さんが思っているだけなんですよね?」
菜々「そうですかね……?」
まゆ「プロデューサーさんも家族って思ってくれているなら、まゆ達の事を名前で呼んでくれても良いと思うんです」
菜々「そう言えばそうですね……」
未央「というか、どうしてプロデューサーはウサミンだけ名前呼びなの?」
奈緒「確かにな。ちひろさん、そこんとこ知ってる?」
ちひろ「えー……? うーん……?」
まゆ「その様子だと知らないみたいですねぇ」
菜々「うーん? でも、昔ははぁとちゃんの事を『心』って呼んでましたよね」
ちひろ「あー……。そうだったかも」
まゆ「でも今は『佐藤』って呼んでますよぉ?」
未央「どこかで呼び方変えたのかな?」
菜々「あれですかね」
ちひろ「あれかもですね」
奈緒「あれって?」
ちひろ「心さんって昔からパパにも『しゅがーはぁとって呼べよ☆』って言ってたんです」
菜々「多分、それがめんどくさかったんじゃないかなぁって」
未央、奈緒「「あー」」
まゆ「という事は……プロデューサーさんがまゆ達の事を名字で呼ぶのははぁとさんが原因って事ですか」
ちひろ「かも……?」
菜々「本当のところは聞いてみないと分かりませんけど……」
まゆ「じゃあ、プロデューサーさんが戻ってきたら聞いてみましょう」
奈緒「だなー」
ちひろ「あ、でも今日はパパいつ帰れるかわからないって」
まゆ「そうなんですか?」
ちひろ「はい。そのまま営業に行くって言ってたので」
未央「営業ならすぐ帰ってくるんじゃない?」
菜々「プロデューサーさんの言う営業はお得意様とのお付き合いも含まれるはずなんで、今日は早くても深夜になると思います」
奈緒「深夜……プロデューサーさんも大変なんだな」
ちひろ「お酒飲めるからそこまで気にしてはないと思いますけどね」
菜々「プロデューサーさんお酒好きですからねぇ」
ちひろ「それに最近は家でお酒飲ませてないから内心楽しんでそうです」
まゆ「じゃあ今日はもうプロデューサーさんに会えない……?」
ちひろ「そうなりますね」
まゆ「そんな……」
未央「まぁ、また日を改めて聞いてみようよ」
奈緒「そうそう。どうせ明日も会えるんだしな」
まゆ「そう、ですね……」
◆
翌日!
P「……」
菜々「大丈夫ですか? はい、お水です」
P「すまんな、菜々……」
菜々「あんまり飲み過ぎるとちひろちゃんに怒られちゃいますよ」
P「……その心配はもう遅い」
ちひろ「あっ! やっぱりもう事務所に居る!」
P「おはよう、ちひろ」
菜々「おはようございます、ちひろちゃん」
ちひろ「おはようございます、菜々さん」
ちひろ「それよりもパパ! 帰ってこないと思ったら、どうせ朝まで飲んでたんでしょ!?」
P「あはは……付き合いだからな、すまんすまん」
ちひろ「健康診断の数値がまた悪くなるでしょ!」
P「耳が痛いし、頭も痛いからやめてくれ……」
心「ちょっと! プロデューサー! 居る!?」
まゆ「逃がしませんよぉ。お話聞かせてください」
美優「まぁまぁ、まゆちゃん……」
P「一気にやかましい連中が来やがった……」
P「なんだよ、佐藤。俺に用事か?」
心「はぁとって呼べって言ってんだろ☆」
心「って、そうじゃなくて!」
心「まゆちゃんに何吹き込んだ! お陰で朝から付きまとわれてるんだぞ」
まゆ「プロデューサーさんは何もしてませんよぉ。ただまゆがはぁとさんに質問したいだけです」
P「あー?」
菜々「はぁとちゃんもまゆちゃんも落ち着いて。ね?」
美優「菜々ちゃんの言う通りですよ」
P「で? どうして佐藤に付きまとってんだ、佐久間」
まゆ「まゆですよぉ」
まゆ「プロデューサーさんがどうしてはぁとさんの事を名字で呼ぶようになったか聞いてるんです」
ちひろ「あ、昨日のですか」
P「昨日?」
菜々「昨日、まゆちゃんに聞かれたんですよ。どうしてプロデューサーさんはまゆちゃん達の事を名字で呼ぶのかって」
P「なんだそんな事か」
まゆ「そんな事じゃないです!」
美優「私もその……気になります」
心「はぁとは昔からずーっと『しゅがーはぁと』って呼べって言ってんだろ☆」
ちひろ「その心さんの『しゅがーはぁと』が面倒くさいからじゃないんですか?」
心「んだとコラ☆」
P「あー。うん。確かにそれもある」
心「てめぇ☆」
P「でも、名字で呼ぶようにしたのはちひろのせいだぞ」
ちひろ「え? 私?」
美優「へぇ……どういう事か」
まゆ「詳しく聞かせてもらえますか?」
菜々「あぁ……ちひろちゃん……」
未央「おっはようございまーす……って、朝から嫌な物見た……」
奈緒「はぁ? 嫌な物って……あー……」
ちひろ「なんかここ最近、私が簀巻きにされる頻度高くないですかね」
心「気のせいだろ☆」
ちひろ「手も足も出ないからって!」
美優「ごめんなさい、ちひろさん……でも、ゆっくりお話するにはこれしか……」
まゆ「そうですよぉ。まゆ達とゆーっくりお話しましょ? ね?」
菜々「この光景にちょっと慣れつつあるナナが嫌です」
奈緒「まぁ、気持ちは分かる」
未央「んで? どういう事なの?」
P「俺がお前らを名字で呼ぶ理由はちひろにあるって言ったらこうなった」
奈緒「あぁ、昨日の話か」
未央「ちひろさんが原因なの?」
P「まぁ、そうなるな」
美優「詳しく聞いても良いんでしょうか?」
P「詳しくも何も、ちひろが嫌がったんだよ。佐藤を名前で呼ぶの」
心、ちひろ「「は?」」
P「なんだ。覚えとらんのか」
ちひろ「え、いやまったく心当たりないんだけど……」
P「菜々は覚えてるだろ? 佐藤が入った頃は『心』って呼んでたの」
菜々「え? そうですね。確かにはぁとちゃんの事を名前で呼んでましたね」
P「あの頃はちひろもまだうちの社員じゃなくて事務のバイトだったかな。で、事務所に居る時にちひろの前で佐藤の事を『心』って呼ぶと機嫌が悪くなってな」
心「そうだっけ?」
ちひろ「いや、まったく覚えがないですね」
P「嘘つけ。俺が家に帰ったらぶすーっとした顔で『娘の私よりも心さんとの方が仲が良いんだねー。名前で呼び合ってー。ふーん』なんて言ってただろ」
ちひろ「あ、待って! やめて! 思い出したくない!」
まゆ「うふ♪ 静かにしましょうね?」
ちひろ「……はい」
P「だから、ちひろが居る前では佐藤の事を『心』って呼ぶの止めたんだよ」
美優「そんな理由が……」
未央「へー、ちひろさんのためなんだ」
P「あと佐藤の『しゅがーはぁとって呼べ☆』がウザかったのも原因だ」
心「おいコラ☆」
奈緒「なるほどなー」
P「で、なんかそのまま佐藤って呼んでるうちに三船達が入ってきたがなんとなくそのまま名字呼び」
まゆ「……あれ? じゃあ菜々さんはどうして『菜々』って呼んでるんですか?」
菜々「……はっ! そう言えばナナだけ名前呼びですね!」
P「え? そうだっけ?」
未央「そうだっけってあーた……」
美優「普段から菜々ちゃんの事は『菜々』って呼び捨てにしてますよ?」
P「んー? なんでだろ」
心「いや、そこははぁとに聞くなよ☆」
P「まぁ、多分ちひろが嫌がらなかったからじゃないか?」
菜々「そうなんですかね?」
まゆ「そうなんですかぁ?」
ちひろ「……菜々さんは昔から知ってたし可愛がってもらってたから、気になりませんでした」
奈緒「と言う事は、心さん辺りからちひろさんが名前呼びを嫌がったって事か」
P「そうなるのか」
美優「なら……」
P「んー?」
美優「ちひろさんが嫌がらなければ、名前で呼んでくれるという事ですか?」
まゆ「!」
P「えぇー……今更呼び方変えるのか?」
心「いい機会だし、ほら☆ はぁとって呼んで♪」
P「却下だ却下。佐藤は佐藤。めんどくせぇ」
心「めんどくせぇってなんだ、めんどくせぇって☆」
P「文字通りだ」
P「呼び方変えると佐藤が調子づくからこのままだこのまま」
美優「心さん……」
まゆ「はぁとさん……」
心「え? あ、これ、もしかしてはぁともやばい?」
ちひろ「一緒に簀巻きになりましょう」
心「ちょ! 待って! タンマ!」
心「ぎゃー!」
菜々「相変わらず仲良しですねぇ」
P「だなぁ」
未央(うーむ。なんていうかこの二人……)
奈緒(おとんとおかんって感じがする)
End
以上です。
プロデューサーのPはパパのP……。
もう一本分くらいはネタがあるんで、多分それで最後にしたい。うん……。
さて、話変わって。
第6回シンデレラガール総選挙が行われています。現在後半戦です。
大方の大局は決してしまったかもしれせん。ですが、可能性は0ではないと私は信じています。
なので、是非私の担当アイドルである『佐藤心』、『神谷奈緒』をよろしくお願いします!
では、お読み頂ければ幸いです。依頼出してきます。
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