【ラブライブSS】はらぺこにこむし (24)
日曜日の朝
おや?葉っぱの上に小さな卵が、
ピキッ、ピキッ、パリンッ
にこ「にこぉ?」
卵から孵ったのは、小さな小さな芋虫でした。
にこ「お腹すいたにこ…」グゥー
にこ「なにか食べ物探しにいくにこ」ニョキニョキ
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葉っぱの縁を見下ろすと、すぐ下には民家があり、窓からなにやら甘い匂いが漂ってきます。
にこ「…ん?甘い匂いがするにこ!きっと中に食べ物があるに違いないにこ!」
中に入ると、そこは厨房で、お饅頭が一つ置いてありました。
にこ「お饅頭にこ!食べるにこ!」
にこ「もぐもぐ」
にこ「お、おいしいにこ!おいしいにこ!」ガツガツ
にこはあっという間に、自分の身体より大きいお饅頭を平らげてしまいました。でも、
にこ「まだ足りないにこ!はらぺこにこ!」
まだ食べ足りず、次の食べ物を探しに行きます。
ほのパパ(…?試作品の饅頭が無くなってる。穂乃果がつまみ食いでもしたのか…?)
月曜日
にこが食べ物を求めて歩いていると、何とも可愛らしいらしい内装のお部屋に迷い込みました。
部屋には小さなテーブルがあり、色とりどりのマカロンが並んでいます。
にこ「カラフルで可愛いにこ!これぞにこの女子道にこ!」
にこ「カジッ…甘くておいしいにこぉ♡」
ガツガツバリバリモリモリムシャムシャ
女子道に火がついたにこはまさに怒涛の勢いで、全てのマカロンを食べ尽くしてしまいました。
にこ「ふぅ…おいしかったにこぉ」
でも、
にこ「でも、まだ足りないにこ。もっと食べるにこ!」
まだまだお腹は膨れないようです。
ことり「あれ!?ここに置いてあったマカロンがない…」
ことり「穂乃果ちゃんと海未ちゃんに食べてもらおうと思って、せっかく一生懸命作ったのに…」グスン
火曜日
凛「かーよちん!お弁当食ーべよ」
花陽「うん!机つなげよっか」
凛「かよちん、今日は何のお米にゃ?」
花陽「今日のお昼はぁ、南魚沼産高級コシヒカリさんです!」パカッ
空の弁当箱
花陽「…う、うそ!?消えてる…!」
花陽「なんで…?うっ…うぅ…」ポロポロ
凛「か、かよちん…!気をしっかりもつにゃ!」
にこ「噛めば噛むほど甘くておいしいにこぉ」モチモチ
まったく、にこったら、どこから侵入したのやら…
凛「凛のカップラーメン半分こしよっか!」
花陽「うん…ありがとう凛ちゃん」
凛「そろそろ3分たったかな~」ペリッ
汁だけ残った容器
りんぱな「」
にこ「フタが半開きにこ。にこが入るには十分にこ」
水曜日
この日の食事はトマトを2つ。
にこ「ガブ、ジュル、ジュブ」
にこ「パサパサしたものばかりで喉が渇いてたからちょうどよかったにこ~」
真姫「ふぅ…勉強で疲れたわね…。ちょっとトマトでも食べて休憩しましょ」
真姫「ってこのトマト…虫に喰われてるジャナイノヨ~!!!」
木曜日はチョコレートを
にこ「」モキュモキュ
絵里「チョッコレート♡チョッコレート♡」タリラリラーン
絵里「この間バレンタインで~♪学校の子からもらったチョコが~♪ここに残って~♪」ガサゴソ
絵里「…!アレ!?ない!どうして?」
絵里「ちょっと亜里沙ぁ…どうして私のチョコレート食べちゃったのよぉ…」グスッ
亜里沙「え、チョコレート~?亜里沙知らないよ~」
金曜日は焼肉を食べました。
にこ「脂肪の取りすぎは美貌の大敵にこ。お肉はほどほどに、野菜をたべるにこ」
ムシャムシャムシャムシャムシャシュギョウ
希「にっくだ~にっくだ~やっきにっくだ~」
希「…ありゃ?肉もキャベツもニンジンも、虫に喰われとるやん…」
土曜日
ことり「…でね、お部屋に戻ったらマカロンがなくなってたの…」
穂乃果「ほぇ~」
海未「不思議なこともあるものですね…」
クレープ屋
海未「」チラッ チラッ
穂乃果「海未ちゃんどうしたの?」
海未「え?い、いえ、なんでもありませんよ?」
ことり(あ、海未ちゃん、すごいクレープ食べたそう…)
ことり「…ねぇ海未ちゃん、穂乃果ちゃん、あそこでクレープ食べてかない?」
海未「!」パァァ
穂乃果「お、いいね~!そうしよう!ね、海未ちゃん?」
海未「…まぁ二人がそういうなら、わたしも」
ことり(本当は自分が食べたかったくせに、照れ隠しする海未ちゃん…かわいい♡)
オマタセシマシター
穂乃果「じゃあ食べよっか」
ことり「いただきまーす」
海未(ではわたしも頂きますかね)ワクワク
ヒュッ ベチャッ
海未「あ」ことほの「あ…」
穂乃果(おとしちゃったよ~!)ことり(あちゃ~、これは…)
海未「…う、うぅ…」ブワッ
穂乃果(まずい…!)
穂乃果「っ、海未ちゃん!穂乃果のクレープ半分こしよっか?」
ことり「あ、ことりも!ことりのも半分あげる~♡」
海未「ふぇ…?」
ことほの「」ニコニコ
海未「穂乃果ぁ、ことりぃ」ギューッ
ことほの「!?!!!?/////////」キュンキュンキュン
にこ「生クリームいっぱいでおいしいにこぉ♡」モッキュモッキュ
落ちたクレープを食べるにこ。
数分後
にこ「うぅ…食べ過ぎたにこ…」
にこ「お腹痛いにこ…」
にこ「あーんあんあん!」
可愛そうなにこ…。食べ過ぎてお腹を痛めてしまったようです。
にこ「…泣いてても誰も助けてくれないにこ」
にこ「横になって寝るしかないにこ…」
にこはそばの街路樹に登り、葉っぱの上で休憩することにしました。
(・8・)…チュンチュン
翌朝、再び日曜日
にこ「ふぅ…一晩寝たら少しマシになったにこ」
ふと傍らにあった青い葉っぱが目につきます。
にこ「青くて綺麗な葉っぱにこ」
にこ「これ食べたら元気になる気がするにこ」
にこ「もぐもぐ…」
にこ「…!」
にこ「治ったにこ!もうお腹痛くないにこ!」
にこはもはや、小さな芋虫ではなくなっていました。
まるまる太った大きな大きな芋虫です
にこ「ん…?なんかムズムズしてきたにこ」
にこ「…!?」
シュウゥゥゥ 糸を吐くにこ
にこ「はぇ~~~~」
にこの口から出た糸は、にこの身体をみるみる覆い尽くし、
やがて立派なサナギになりました。
にこ(サナギ)「」ポケー…
~~~
2週間以上が経った頃…
にこ(サナギ)「」ピクッ!
おや!?にこ(サナギ)のようすが…?
モゾッ モゾッ
にこは懸命に
グイッグイッ
身体を外に押し出そうとしています。
カサカサッ
これは…
ガサガサガサッ
もうひといき!
パァンッ!
にこ「にっこにっこに~!!」
おめでとう!にこは、美しい蝶になりました。
にこ「…こ、これがにこにこ?」
にこ「か、可愛いにこ!オシャレにこ!」
その後、にこは蝶々系スクールアイドルとしてアイドル活動を開始し、一世を風靡。
後にμ’sに参加、ラブライブ優勝を果たし、No.1スクールアイドルの地位を確立した。
プロのアイドルとしても成功をおさめ、伝説のアイドルとして後世語り継がれるのであった。
おわり
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