真姫「にこちゃんから滲み出る総受け感は異常」 (65)

キャラ崩壊
メタネタ
R15要素有り(多分)

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希「ほほぅ……総受け感、とな?」


真姫「最近考えたの……。にこまき、のぞにこ、ほのにこ……にこちゃんのカップリングのレパートリーは沢山あるし、どれもとても魅力的」


希「そうやね。ギャグからシリアスまでこなせるにこっちならではや」


真姫「でも……でもね?そのカップリングで色々妄想した時……」


希「妄想した時?」


真姫「最終的ににこちゃんが攻めになるパターンは皆無な事に気がついたのよ!」


希「な、なんやてー!そこに気がつくとは……やはり天才かー!」


にこ「…………」


にこ(本人がいる前で何話しんだこいつら)

あ、ありのまま今起こったことを話すわ!

部室でまったりしてたら真姫ちゃんが私のカップリングがどうとか受けがどうとか話し出した……!

何を言っているのか分からないと思うけど、私も何をされたのかわからなかった……頭がどうにかなりそうだった……催眠術だとか超スピードだとかそんなチャチなもんじゃあ断じてない。もっと恐ろしいものの片鱗を味わったわ……。

どうしようかしら……下手につっこんだら危ない気がするから様子見かしらね。


希「確かににこっちは受けって印象やね。普段強気なのに壁ドンしただけで顔赤くしてオロオロしそう」


しないっての。

真姫「デッショー?そう言えばこの間も穂乃果に顔近づけられて茹でダコになってたって聞いたわ」


ファッ!?


希「え。何それ知らない。詳しく詳しく」


真姫「ええと、一昨日だったかしら。朝、登校してる時にたまたま一緒になったらしいんだけど、そこで素晴らしいにこちゃんエピソードが生まれたらしいの」


あんたは一体何を言っているんだ。

◆◆◆◆◆



穂乃果「それでねー?……わわっ!?」


にこ「きゃっ!?……ったく、今日は風強いわね」


穂乃果「あはっ、にこちゃん髪に落ち葉くっ付いてる」


にこ「え、やだやだ。……取れた?」


穂乃果「ちっちゃいのがまだ。取ってあげる!」


にこ「悪いわね」


穂乃果「目ぇ瞑っててね。んー……」


にこ「どう?取れた?」


穂乃果「まだー。……わ、にこちゃん髪キレー……。ていうか睫毛長いなぁ……」


にこ「へ?……って、顔近っ!?な、何してんのよ!早く取りなさいよ!」


穂乃果「えへへ、ごめんごめん」


にこ「な、何してんのよもう……!」

◆◆◆◆◆



真姫「可愛い」


希「可愛い」


恥ずかしい!!ていうか、あの時穂乃果と2人だけだったのに何でバレてんの!?


真姫「ほのにこ……やっぱり良いわね」


希「穂乃果ちゃんの無自覚攻めと不意打ちに対する弱さの組み合わせは鉄板やね」


に、認識を間違えた……これは断じて『何気無いおしゃべり』じゃあないッ!

い、今!私は恐ろしい『何か』に巻き込まれているッ!!

希「でも真姫ちゃん。攻めになるパターンが無いって言うけど……普通ににこっちが攻めのパターンもあるやん?」


真姫「聞きましょうか」


なんでこんな偉そうなのこの子。


希「例えば……花陽ちゃんやね」


真姫「にこぱな……これもまた王道ね」


希「アイドル好きっていう共通点を持つ2人。にこっちと2人で語り合ったりはするけど、凛ちゃんや真姫ちゃんにはあまりその話をしようとしない」


真姫「うん、続けて」


だからどういうポジションなのよ真姫ちゃんは。

希「それについてにこっちが怒ると、『私は……にこちゃんと話せれば楽しいから』と遠慮がちに笑う花陽ちゃん。そんな花陽ちゃんの肩を掴んで、真剣な顔でにこっちは言うわけよ……」


◆◆◆◆◆


にこ「ダメよ。何遠慮してるのよ?」


花陽「だ、だって2人はそんなにアイドルファンって訳じゃないんだから迷惑だよ……」


にこ「……そうね。あの2人だと話について行けないし、ポカーンってしちゃうかも」


花陽「そう、だよね。だから……」


にこ「でも、あんたあの2人のこと大好きなんでしょ?」


花陽「そ、そうだけど……」


にこ「だったら大丈夫よ。あの子達だってあんたの事大好きなんだから。……大切な友達が、大好きな事を一生懸命話して嫌になる訳ないでしょうが」


花陽「……っ!」


にこ「私だって、花陽の話が楽しいからこうしているんだから。……自信持ちなさいよね」


花陽「に、にこちゃん……っ」


◆◆◆◆◆

希「…………」


真姫「…………」


は……は……は……


希「以上、東京都にお住いの小泉花陽さんからのリークでした」


花陽おおおおおおおおおおっ!?何バラしてんのよおおおおおおおっ!?


真姫「ハラショー……おお、ハラショー……」ポロポロ


泣くほど!?泣くほどなの!?

希「喜んでもらえたようで何よりや」


真姫「素晴らしかったわ、希……。厳しめに言ってからの、『私だって楽しいからこうしている』。きっととても柔和な、優しい笑みを浮かべてたんでしょうね……10ハラショーよ」


それあんたのコーナーじゃないでしょうが!何!?この……何なの!?言ったけど!確かに言ったけど!!


希「花陽ちゃん、録画してなかったことを死ぬほど後悔したって言ってたよ」


花陽も何言ってんの!?ていうかわかった!さっきのも穂乃果自身がリークしたのね!?

希「それで、どうやった?こん時のにこっちは攻め側って感じやけど」


真姫「そうね。確かに『イケにこ』という言葉があるくらい、にこちゃんは時と場合によっては攻め側に回るわ」


希「うちと絡む時もよくあるね。言いたい事言えない時にズバッと言ってくれてキュンってなるパターンは王道やん」


真姫「そうそう。それなのに一つ一つの仕草がなんか子供っぽくて……それがまた可愛いのよね」


希「ちっこいからなー。自然と上目遣いになって破壊力が高いのなんの」


か、痒い!何この空間むず痒い!褒めフェスでも始まったの!?

真姫「……で、ここらからが本題。普通にカップリングを考えると攻め側に回る場合もあるにこちゃんだけど……」


希「にこっちやけど?」


わ、私だけど?


真姫「ーーエッチの時は確実に受け側だと思わない?」


にこ「真姫ちゃんストップ」


希「あぁ、わかるわ」


にこ「あんたも黙りなさい」

真姫「あらにこちゃん、居たの?」


にこ「白々しいわ!むしろあんたのが後から来たでしょうが!何なのよ!好き勝手に私について語ったと思ったら……エ、エッチがどうとか言い出して!」


希「エッチで言い淀む!」


真姫「可愛い!」


にこ「うるさいうるさいうるさぁーい!とにかく!そのイミワカンナイ会話を今すぐ止めなさいよ!」


希「待って、にこっち!もう少しだけ……もう少しだけウチらの話を聞いて!」


真姫「そうよ!ここからが本番なの!」


にこ「何の本番!?」

真姫「ここまではまだ『μ’s にこちゃんを愛でる会』の定例報告の一部でしかないわ」


にこ「何それ怖い」


希「ちなみに会員は7人や」


にこ「ほぼ全員じゃーー逆に入ってないの誰よ!?怖いわ!」


真姫「あ。ちなみに私は名誉会長だから会員には含まれてないの」


にこ「わーい、全員揃ったにこー!ってアホか!もう、アホか!μ’sがただのにこファンクラブになってるじゃない!」


真姫「正しくは『にこちゃんをブチ犯したいと思ってる』ファンクラブよ」


にこ「えぇい黙らっしゃい」

にこ「ていうか、お、おかしいわよ!全員とか……ほら、海未なんて特に!あの子私に冷たいじゃない!」


真姫「ツンデレってヤツよ。ふふっ、面倒くさいわよね」


にこ「あ?」


希「それにしても海未にこに懐疑的やなんて……。にこっち、ちゃんとブルーレイ見たん?」


にこ「ブルーレイ?何の?」


希「1期の」


にこ「何の!?」

希「ええから、1期の海未ちゃんのセリフを思い出してみるんや……」


にこ「ええ……?私に対して何か言ってたかしら……?」


◆◆◆◆◆


海未『みんなのハート、撃ち抜くぞーっ♥ ばぁーん♥』


海未『ラブアローシューートッ!♥』


◆◆◆◆◆


真姫「ーー海未の最終的に目指すアイドル像に近いのがにこちゃんよ」


にこ「マジで!?」


え、えぇ……?初耳っていうか、こじつけっていうか……。ていうか、そこからどうやったら頭おかしいファンクラブ入会になるのよ……。

希「さて、さっきの花陽ちゃんの話……にこっちどう思った?その後どうなると思う?」


にこ「いやいや、当事者に聞いてどうすんのよ。あの日は花陽の家で遊んでたから、その後ライブBD見て語り合ってから帰ったけど?」


希「そう、普通ならそこで終わる。花陽ちゃんは理性が強いからそこで終わった。けど……もし花陽ちゃんのにこキチ度がもっと高かったら?」


にこ「ナチュラルににこキチとか言わないでくれる?」


真姫「確実に襲われてたわね。にこちゃんはそうなる宿命だもの」


にこ「宿命!?ま、待ちなさいよ!花陽よ!?襲わないし、襲われても返り討ちよ!」


希「ほほう。にこっちは不意にクレイジーサイコレズに襲われても対処出来ると」


にこ「クレイジーサイコレズて。と、とにかく
、花陽に遅れを取る私じゃないわ」

希「ーーでは実践してみますか」


にこ「は?実践?」


希「にこっち、ちょっとそこ立って?」


にこ「この辺?それで、一体何をーーえ?真姫ちゃんなんで羽交い締めにすんの?」


希「希パワーたーっぷり注入!」


にこ「希?何?何が始まるの?」


希「はぁーーーーーーーーーい……」


にこ「溜めが長い溜めが長ーー待ってその握った拳をどうす」


希「ぷしゅっ!」ドゴォッ!


にこ「に゛こ゛ォッ!?」ドサッ

◆◆◆◆◆



にこ「いきなり腹パン!?何すんの馬鹿じゃないの!?」


花陽「に、にこちゃん?」


にこ「えっ!?花陽!?」


ど、どういうこと?いつの間にか花陽が目の前に……ていうか、部室にいたはずなのにどうして花陽の家に!?


希(にこっち……にこっち……)


の、希の声!?一体どこから!?


希(ウチのスピリチュアルパワーで、にこっちの精神を仮想空間に飛ばしたんや……)


スピリチュアルって凄い。

希(ここは件の花陽ちゃんとの会話の場面を再現した世界や。ただし、花陽ちゃんのにこっちへの想いをちょちょいと増幅させてるから注意な)


注意な、じゃないわよ。……でも、


花陽「ど、どうしたの……?」


変わってるようには見えないけどねぇ……?で、どうすりゃいいのよ?


希(野獣と化した花陽ちゃんを退けて無事に帰れたら合格や)


ふんっ、なんの合格なのか知らないけど上等よ。余裕でこなしてやるわ!

花陽「えっと、わ、私何かしちゃったかな……?」


にこ「えっ?べ、別に何もしてないわよ。ちょっと考え事してただけ」


花陽「そっか、良かったぁ。えへへ」


可愛い。

……でもやっぱりクレイジーにもサイコにもレズにも見えないわね。それに、余裕とは言ったけど……ここからどうすればいいのかしら?

すぐに襲い掛かってくるようなら逃げて解決なんだけど、そんな感じでもないし……。

花陽「あ、あのね、にこちゃん……ありがとね? 私、もっと頑張ってみる。2人とももっと話せるように……」


なるほど、あの会話の直後くらいか。確かにこんな事言ってたわね。

じゃあこの後は……『そうね、頑張りなさい』って返して、BD見て家に帰っておしまいね。なんだ、楽勝じゃない。


にこ「そうね、頑張ーー」


花陽「でもね?」


にこ「ふぇ?」


予想と展開が違って間抜けな声を出す私の手を花陽が取った。キュッ、と。温かく柔らかい手が私の手を包み込む。

あ、あれ?知らない展開?ルート分岐した?

花陽「私が……にこちゃんと話せれば楽しいって言ったのは、嘘なんかじゃないんだよ?」


ずいっと立ち膝で距離を詰める花陽。こ、これは……危ないのかしら?でも、花陽だし、こんな真剣な顔してるし……距離を取ったとしてもし勘違いだったら、例え本物じゃないとしても傷つけちゃうわよね……。

よぅし、ここはまだ様子見ね。話も通じそうだし。大丈夫、私なら出来る!


にこ「そ、そうなの?嬉しーー」

花陽「にこちゃんが初めてだったの……好きな事について話しても理解して返してくれる。私の事分かってくれてる。ずっと一緒だった凛ちゃんとも違う感じで……。初めてだったの、凛ちゃん以外といて、こんなに楽しいって、安らげるって思えるの……」


あっ、これ駄目なヤツだ。

花陽「にこちゃんは他のみんなとも仲が良くて……凛ちゃんともよくらー食べに行ったり、真姫ちゃんや希ちゃんとも2人で遊びに行くよね……」


花陽「アイドルだけなの……私がにこちゃんを独占出来るのは。この時間くらいしか、私はにこちゃんと2人でいられない……」


にこ「お、落ち着きなさい花陽。私は別にアイドル関連じゃなくたってーー」


花陽「わかってるよ、わかってるけど……っ!」


にこ「わぷっ!?」


め、目の前に花陽のおっぱいが!く、くそ、柔らかい!この子もかなり大きい部類よね!

感情が昂ぶったからか、花陽は私の背に手を回しグイッと引き寄せて抱きしめた。倒れるように体勢が崩れた私はそのまま花陽の胸に顔を埋めるカタチになった。

ふわり、と。女の子らしい甘い香りが鼻腔をくすぐり胸いっぱいに広がる。

うわ……うわぁ……。何これ、何なのこれ。
女の子ってこんないい匂いするの?こんな柔らかいもんなの?

にこと違うじゃん。虎太郎抱き締めたら「肋骨が当たって痛い」って言われる私と違うじゃん。何でこんな気持ち良いの?てか、私なんでこうなってるんだっけ?


花陽「ごめん……ごめんね?にこちゃん。わかってるの。私は、にこちゃんの友達の中の1人でしかないって。でも、それでも私は……その中の特別になりたい。この話題でだけは、独占したいの……」


消え入りそうな声がどこか遠い世界の話のように感じていた。だって、押し付けられる胸で息苦しくて、その体温がとても熱くてーー破裂しそうな心音がとてもうるさかったから。


……いやいやいや。待って待って。これ、思ってたのと違う。襲ってこないばかりかガチの流れになってる。

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