商品その1



卯月「最初の商品はこちら、入れ歯洗浄剤『頑張れおじいちゃん』です！」っ

武内P「入れ歯ですか……。私も島村さんもまだ入れ歯を使うような歳ではありませんが、確かに入れ歯の間に何か食べ物が挟まってしまうと掃除をするのが大変だとは思いますね」

卯月「そうなんです！」

武内P「島村さん、この『頑張れおじいちゃん』という商品ですが具体的にどのあたりが他の入れ歯洗浄剤と違うのでしょうか？」

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卯月「はい。この『頑張れおじいちゃん』なんですが、なんと水道代の節約になるんです！」

武内P「それはどういうことでしょうか？」

卯月「従来の入れ歯洗浄剤は入れ歯を洗った後のお水は汚いからそのまま捨てていたと思います」

武内P「そうですね。洗ったあとの水は汚れていますから普通は捨てるものですよね」

卯月「ですがこの『頑張れおじいちゃん』は洗浄剤の中にオレンジフレーバーと甘味料を加えて使用後のお水を甘くて美味しいオレンジジュースにしちゃったんです！」

武内P「そ、それは本当ですか？」

卯月「はい。だからお水をそのまま捨てるのんて勿体無いことがなるなるのでとってもエコロジーです。それに合成着色料は使ってませんからお子様にも安心ですよ」

武内P「確かに斬新ではありますが……しかし島村さん？」

卯月「なんですか、プロデューサーさん」

武内P「その水は汚くはないのでしょうか？」

卯月「……お支払い方法はとっても簡単です！」ﾆｺ

武内P「島村さん？」

卯月「月々8000円の15回払いです。今ならご購入くださった方全員に『上の方から三分の一くらいのところで曲がるストロー』をつけちゃいます！」

武内P「……あの、島村さんはそのジュースを飲んだことは？」

卯月「……みなさんからのお電話、お待ちしています♪」

商品その2



渋谷凛「えっと……次は私の番だね」

武内P「島村さんの次は渋谷さんですか。次はどのような商品なのでしょうか？」

凛「次の商品はこの『団地専用鉛筆削り くるくるくん』だよ」


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武内P「鉛筆削りですか。しかし、団地専用というのは？」

凛「使い方は簡単。普通の鉛筆削りと同じように鉛筆をセットして、あとは団地の窓から重りを落とすだけ。そうすることで電気を使わないで鉛筆が削れるから電気代の節約にもなるね」

武内P「確かに電気を使わないとなるとその分エコロジーではありますが、しかし渋谷さん？」

凛「何、プロデューサー？」

武内P「この鉛筆削りは高いところから重りを下げることで鉛筆を削るという商品なのですよね？」

凛「うん、そうだけど」

武内P「では、一階に住んでいる方はどうすればよいのでしょうか？」

凛「……支払い方法だけど、月々19800円の20回払いです」

武内P「あの、渋谷さん？」

凛「今なら購入者全員に『原始人の匂いがする香水』をプレゼントするらしいよ」

武内P「変わった香水ですね。ところで渋谷さん、この鉛筆削りは一階の方はどうすれば？」

凛「……お電話、お待ちしてます」

武内P「…………」

商品その3




本田未央「さあさあ、ここからは未央ちゃんが商品を紹介しちゃうよー☆」

武内P「今度は本田さんですか。本田さんはどのような商品を紹介するのですか？」

未央「私が紹介するのはリバーシブルタイプの喪服____その名も『地蜘蛛』だよ！」

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武内P「喪服ですか？ そのような商品まで取り上げるのですね。しかし喪服なのにリバーシブルというのは？」

未央「この商品を紹介する前にプロデューサーに質問です！ 去年お葬式の帰りに海に落ちちゃった人の数は果たして何人でしょうか？」

武内P「葬儀帰りに海に落ちる人がいるのでしょうか？ ……見当もつきませんね」

未央「もう、ちょっとは考えてよね！」

武内P「も、申し訳ありません」

未央「なんと、9.6人！ 去年だけで9.6人もいるんだよ！」
※346プロダクション調べ

武内P「9.6人ですか……。何故そのような数値になるのか不思議ですが」

未央「そこで便利なのがこの『地蜘蛛』なんだけど、一見普通の喪服なんだけどリバースするとライフジャケットになるんだよ！」

武内P「それは喪服と呼べるのでしょうか？」

未央「ライフジャケットにしたらあとは簡単、海に浮かんで助けを待つだけ！」

武内P「あの、本田さん？」

本田「お支払い方法はとったと簡単、月々25000円を15回払いだよ。今なら『身体に塗っただけで江戸時代にタイムスリップしたような気持ちになれるボディクリーム』をプレゼント！」

武内P「……あの」

本田「みんなからのお電話待ってるよーー！」

商品その4




卯月「番組をいよいよ終盤、残念ですが次の商品で最後です。最後は私だけじゃなくて凛ちゃんと未央ちゃんにも参加してもらいます！」

凛「よろしく」

未央「最後の商品も盛り上げて紹介するよ！」

武内P「…………」

卯月「そして、プロデューサーさんにも最後までお付き合いしていただきます！」

武内P「……どうも」ﾎﾞｿｯ

凛「プロデューサー、最後だからって気を抜かないでしっかりしなよ」

未央「そうだよ！ 最後だからこそビシッとしてお届けしなくちゃ！」

卯月「まあまあ二人とも、プロデューサーさんも他のお仕事で疲れてるんだよ」

武内P「も、申し訳ありません……」

武内P(この企画がよくわからないが、しかしこれで最後のようだ。ここは渋谷さんや本田さんの言う通り気を引き締めて臨むことにしましょう)

武内P「それでは島村さん、最後の商品は何ですか？」

卯月「はい。最後に紹介する商品はこちらです！」っ

凛「このプロデューサー専用のトイレカメラ」

未央「その名も『夢武内』だよ！」

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武内P「えっ！？」

卯月「ところでプロデューサーさん？」

武内P「プロデューサーさんはこんな経験はありませんか？」


城ヶ崎莉嘉『もう、こんな時にトイレに篭ってるとか一体誰なの！？』ﾄﾞﾝﾄﾞﾝﾄﾞﾝ

ｶﾞﾁｬ

城ヶ崎美嘉『もう莉嘉ってば、うるさいよ！』

莉嘉『あっ、お姉ちゃんだったの！？ もう～～、長く入ってたけどお腹でも壊したの？』

美嘉『そ、そんなことないけど……ふひひ★』

ﾋﾟﾗ

莉嘉『あれ、どうしてみりあちゃんの写真が……』

※友情出演 城ヶ崎姉妹

卯月「____みたいな経験、ありませんか？」

武内P「……いえ、ありません」

凛「でも、いつこんなことになってもおかしくはないよね」

未央「そうそう。相手が身内ならまだいいけど、これが自分の上司や大事な取引先なら大変だよね」

武内P「確かにそうかもしれませんが……」

卯月「そこでそんなプロデューサーさんのためにも私たちアイドルのためにも役に立つのがこのカメラなんです！」

凛「使い方は簡単、プロデューサーが使うトイレの個室に設置するだけ」

未央「そしてモニターに表示させてその様子をチェックするだけだよ！」

武内P「ッ！？」

卯月「あれ？ プロデューサーさん、どうかしましたか？」

武内P「いえ、その……それでは私が排便をしている最中を他の方に見られてしまうのでは」

凛「そこが重要なんだよッ！！」ﾊﾞｼｯ

武内P「ッ！？」ﾋﾞｸ

未央「その通りだよ！ アイドルは体調管理も仕事だけど、プロデューサーだってそれは同じだよ」

卯月「そうです。私たち以外にもたくさんのアイドルを担当するプロデューサーさんのことを思ってこの商品を思いついたんです！」

武内P「それはつまり、このカメラは皆さんが発案したということですか？」

凛「全てはプロデューサーのことを考えてのことだよ！ プロデューサーの体調が優れないと私たちアイドルにも影響するからね」

未央「そうそう！ それにこのモニターは映像だけじゃなくてちゃんと音声も聞けるから、これでプロデューサーの排便時の音も消えちゃうんだよ」

武内P「そ、それはさすがにやり過ぎでは！？」

凛「そんなことないよ！ 音の具合でお腹の調子が悪いかどうかすぐにわかるんだから、体調管理にはもってこいだよ！」

卯月「そういえば音声まで聞けるようにするアイディアは、確か凛ちゃんの意見でしたよね」

未央「さすがはしぶりん！」

凛「フッ」ﾄﾞﾔｧ

武内P「…………」

卯月「プロデューサーさん、どうですか？ とっても良い商品だと思うんですけど」

武内P「そうですね……」

武内P(私は、どうするべきなんだ……)

卯月「さて、気になるお支払い方法ですが、月々五万円の25回払いです」

凛「他の商品と比べると少し高めだけど、でもこれだけの商品をそんな値段で買えるんだからお得だよね」

未央「まさにお買い得だよね！」

武内P「…………」

卯月「さらにお買い求めの方全員に『便をかたくする謎の薬』をつけちゃいますよ」

武内P「それは、ちゃんとした薬なのですか？」

未央「さらにさらに、この商品に限ってなんと特典がもう一つつくんだよね！」

凛「今回は特別に意見が食い違うことが多い上司のための『美城常務専用トイレカメラ 夢城』もプレゼントします」

武内P「……なん……だとっ」

卯月「皆さんのたくさんのお電話を！」

凛、未央「「お待ちしています！！」」

武内P「…………」

そして収録後、

武内P「あの……聞いてもいいでしょうか？」

卯月「はい、何ですか？」

武内P「『夢武内』を買うと『夢城』も特典として手に入るのですよね？」

卯月「はい、そうですよ」

武内P「……その商品、買います！」

NG「えっ…………！？」




END