双葉杏「分解病りたーんず」 (30)



前作
杏「分解病」
杏「分解病」 - SSまとめ速報
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―――――事務所―――――


双葉杏「うー……暑い……」ダラダラ

杏「頭がボーっとしてくるレベルだよこの暑さ……」

杏「誰か……、なんか冷たいもの持って来ないかな……」

ガチャ
「ボンバー!!!!!!」

杏「うわあ……」



茜「こんにちは! 杏ちゃん! 燃えてますか!!!」

杏「なんでこの暑さでこの熱さが来るんだ……」

茜「杏ちゃん!? 目を開けてください! 大丈夫ですか!?」

杏「いや、別に、声で茜だってわかるから、わざわざ見なくて……も……」

茜「どうしましたかっ!? 私の顔になにかついていたり!?」

杏「……いや、なにかデジャヴ気味な違和感が……」

茜「?」



杏「ごめん、ちょっと自己紹介してもらっていい?」

茜「はいっ! 8月4日生まれの17歳! 日里予茜です!」

杏「また!?」

茜「???」

杏「そしてなんで本人は何も感じてないんだよ!!!」



茜「杏ちゃん、大丈夫ですかっ!?」

杏「完全にこっちのセリフなのに……」

茜「私はこれから走りに行ってきます! 体調が悪いなら無理しないようにしましょうね!」

杏「はいはい、いってらっしゃい……」

茜「では!」ガチャ

杏「ああ、誰かが来るのが一気に怖くなった……」


ガチャ
「どーもー!」

杏「だ、誰!?」バッ

一ノ又糸己「お! 杏ちゃん! 元気ー?」

杏「本当に誰だよ!!!」



一ノ又糸己「ええ!? 誰なんてひっどいなー! 一ノ又糸己だよ!」

杏「一人称もそれになるのかよ!!!」

一ノ又糸己「もしかして杏ちゃん、ボケてる……!?」

杏「なんで杏が心配されてるんだ……! み、苗字を教えて!!!」

一ノ又糸己「へ? 姫川だけど?」

杏「……ああ~!」

一ノ又糸己「?」

杏「脳トレしてる気分だよこっちは……」



杏「な、何かさ? 今日、雰囲気違くない?」

一ノ又糸己「そうかな~?」

杏「いや、何もないならいいけど……」

一ノ又糸コL「うんうん! いつも通りだって!」

杏「進行形で違和感が増してるんだけど!?」



一ノ又糸コL「杏ちゃんこそ、今日は変じゃない?」

杏「もうなんでもいいよ……」

一ノ又糸コL「ふーん? じゃ、あたしはお仕事行ってくるから!」

杏「んー……」フリフリ



杏「ダメだ……、キリがない……」

杏「せめて一目で誰だかわかるレベルなら助かるんだけど…・・」

ガチャ
フーイフー「こんにちはでございますねー」

杏「いや誰だかわかるけども……!!! フーイフーて!!!」

フーイフー「どうかしましたですかー? フーイフーさん、なにかしてしまったでしょうかー?」

杏「漢字の時はなんて言ってるかわからなかったけどさ! もう普通に発音が『フーイフー
』って言ってるもん!」

フーイフー「?」



フーイフー「アンズさん、お疲れ気味でございますですか?」

杏「いつもの100倍くらいね……」

フーイフー「そんなアンズさんにアイスをおすそ分けですよー」

杏「え!? ほんと!? いや~、違和感があってもいいやつだねぇ、フーイフーは」

杏「……え?」

杏「……フーイフー」

杏(……ラ・イ・ラ)

杏「フーイフー」

杏「……」

杏「……言えない!!!!!」

フーイフー「???」



杏「もういいや……、なんていうアイス?」

フーイフー「『一人メメメメ』ですねー」

杏「な、なんて!?」

フーイフー「『一人メメメメ』ですよー? 知りませんですかー?」

杏(……わかった!!!『爽』だ!? 崩すと字面がひたすらキモい!!!)



フーイフー「それではフーイフーさんはお仕事に行ってきますですよー」

杏「うん……、がんばってね……」

フーイフー「それではー」ガチャ

杏(でもなんか『フーイフー』って感じはあるよね)

杏「……はっ! 慣れちゃだめだって!」ブンブン



杏「もう部屋に足音が近づくだけで怖くなってきたよ……」

ガヤガヤ
ガチャ

杏「!(複数人だ! せめて一人はまともなのが……)」

幸一了「フフーン! カワイイボクの参上ですよ!」
輝一了「こんにちは……」
響一了「あれ? 杏ちゃんだけですか?」

杏「一了一了うるさいな!!!!!」



杏「なんでそこだけ共通なんだよ! 統一してるんじゃないよ!!!」

幸一了「ど、どうしたんですか!? いきなり大きな声なんて」

杏「”どうしたんですか?” はこっちが言いたいよ!!!」

輝一了「ほ、本当に……どうしたんだ……?」

響一了「なにか困ったことがあったら言ってくださいね……?」

杏「杏の悩みのタネは増えてく一方だよ……」



幸一了「あ、そういえば杏さん」

杏「なに……?」

幸一了「いえ、日寺一了さんを見ませんでしたか? 今日、一緒のお仕事なんですけど……」

杏「見たことないよ!!! 一度もね!!!」

幸一了「じ、じゃあサカロ一了さんは?」

杏「そんなやついない!!!」

幸一了「シ土ム一了さんは?」

杏「一了一了うるさいな!!!!!」



杏「もう! お仕事なら早く行ってきな!」

幸一了「杏さん、機嫌があまりよくないのかも……?」コソコソ

輝一了「フヒ……、確かに……珍しい……」コソコソ

響一了「少し、1人にしてあげましょうかっ」コソコソ

杏「なんで気を遣われてるの!?」



イッテキマース
ガチャ

杏「もうホント勘弁して……」

杏「次こそ……次こそまともな人が来る……!」

ガチャ

杏(来た!)

月月「こんにちはー!」

日日日葉「ん? 杏だけか」

星サイヒ「そうみたいですわね?」

杏「とんだ天体観測だよ!!!!!」バシーン!!!!!

3人「!?!?!?」



月月「ど、どうしたの杏ちゃん!? いきなりウサギを叩きつけて!」

杏「うるさいよダブルムーン!」

月月「ダブルムーン!?」

日日日葉「つ、疲れてるのか? そんな叫んで……」

杏「トリプルサンリーフも黙ってて!!」

日日日葉「なんだその呼び方!?」

星サイヒ「わたくしはどのように呼んでいただけるのでしょうか♪」

杏「楽しんでるなよ! このスター……スター……スターサイヒ!!!」

日日日葉「サイヒってなんなんだ!?」

杏「こっちが! 聞きたいよ!! もう!!!!」



~天体観測3人娘はレッスンへ向かいました~

杏「もうダメ……、喉が……」

杏「もう誰も来ないで……」

フンフンフフーン♪

杏「……何も聴こえない聴こえない」

ガチャ
フレ〒”リカ「ぼんじゅーる♪」

杏「うわ! あ、でも、フレ〒”リカは普通……」

杏「いや違うコレ→『〒』記号だ!!!」

フレ〒”リカ「どうかしたのー?」

杏「もう分解じゃなくてギャル文字の範疇だもん……」

フレ〒”リカ「フレちゃんがどうかしたー?」

杏「一人称に特に影響がないのがムカつくな……!」



フレ〒”リカ「?」

杏「あー、ごめんごめん、なんでもないからさ」

フレ〒”リカ「あ、そっか!」

杏「?」

フレ〒”リカ「杏ちゃんは」

フレ〒”リカ「まだ」


フレ〒”リカ「―――“そっちの人” だったっけ?―――」


杏「――――!?」ゾクッ



杏「な、なに……?」

フレ〒”リカ「うんうん」

フレ〒”1ノカ「そっかそっか♪」トコトコ

杏「え? え……?」

フレ〒”1ノノフ「まあ、例外ってどこにでもあるもんねー?」トコトコ

杏「な、なんで近づいて……」



フレーT”1ノノフ「ね♪」





杏「うわああああああああああああああ!!!!!!」ガバッッ



フレデリカ「わ! 杏ちゃん、だいじょうぶ~?」

杏「ふ、フレデリカ……!?」ビクッ

フレデリカ「なんかうなされてたよ?」

杏「え……?」

フレデリカ「今日、ラジオのお仕事って聞いたよ! いそげー!」

杏「……」

杏「また……夢オチ……かよ……」ガクン



―――――ラジオ収録現場―――――


志希「やっほー♪ 『シキラジ!』の時間だよー♪」

志希「そして今日のゲストは~、杏ちゃん~♪」

杏「よろしく~(普通だ……よかった……)」

志希「もちろんパーソナリティはこのあたし!」

志希「ナ瀬志希ちゃんでお送りするねー♪」

杏「!!!???」



おわり





過去作

橘ありす「帰ってきた家電アイドルフレデリカ?」

渋谷凛「テストで赤点を」本田未央「回避したい?」

池袋晶葉「世のため人のため雪美のためライラのため」


などもよろしくお願いします



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