―黒森峰女学園・食堂―
まほ「思うのだが」
エリカ「いえ、けっこうです」モグモグ
まほ「何も言っていないだろう。聞いてくれ」
エリカ「隊長、最近ご自分が周囲からどう見られているかご存じですか?」
まほ「西住流後継者、黒森峰の鬼隊長、泥まみれの虎、みほのお姉ちゃん」
エリカ「ポンコツまぽりんとあざ笑われているのですよ。威厳のある格好いい隊長のイメージが崩れているのです」
まほ「ふふん」
エリカ「なんで得意げなんですか!もっとシャンとしてください!」
まほ「・・・」シュン
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エリカ「そんな風に言われている隊長のことですから、またすっとんきょうなことを言いだしてポンコツ度を増長させるのは目に見えています。ですからヘタなことはせずに戦車道に勤しんでください」モグモグ
まほ「・・・」ショボーン
エリカ「・・・」モグモグ
まほ「・・・」ショボボーン
エリカ「・・・・・・わかりました。なんですか?」
まほ「!」パア
エリカ(なにもしなくても隊長のイメージ崩れるんだもの・・・)
まほ「我々はもっと見聞を広めるべきだと思うのだ」
エリカ「はあ」
まほ「特に私は幼いころからやれ西住流だ、やれ後継者だと、西住流以外のものは眼中に置かず、がむしゃらに西住の戦車道を走ってきた」
エリカ「へえ」
まほ「そこが私の弱点なのではないかという結論に至ったのだ。みほが大洗に行き、大きく成長したように、私も外の世界を学べばより強くなれると思う」
エリカ「なるほど」
まほ「というわけで転校しようと思う」
エリカ「!!?!!?!!?」ガターン
まほ「エリカ、食堂で騒ぐな」
エリカ「いやです!行かないでください!副隊長に続いて隊長まで黒森峰から去ってしまったら・・・わ、私は・・・私はっ!」
まほ「落ちつけ。転校と言っても短期転校だ。留学のようなもので、すぐに戻ってくる」
エリカ「っ・・・ほ、本当ですか?」
まほ「まほ嘘つかない」
エリカ「・・・コホン、なるほど。それはいい考えかもしれませんね」
まほ「それでだが、どこへ転校しようか考えている。何かオススメの学校はないか?」
エリカ「そんな飯屋みたいに聞かれても・・・大洗はダメなのですか?」
まほ「気が引けるだろう。みほにも迷惑かもしれない」
エリカ(あの子なら飛び跳ねて喜びそうだけど)
まほ「有力な学校をリストアップした。この中からどこに行こうか選ぼうと思う」ズラ
エリカ「失礼ですが、ここはやめておいたほうがいいという所が二つほどあるので除外してよろしいでしょうか?」
まほ「ム・・・そうか。ペンで消してくれ」
エリカ「まず知波単」キュ
まほ「迷いのない筆さばきだな」
エリカ「当然です。帰ってきたら突撃脳になっていたーなど冗談になりませんから」
まほ「もう一つは?」
エリカ「サンダースです」キュ
まほ「なぜだ?戦車道の強豪校だぞ。大いに学ぶものがあると思うが」
エリカ「ここは共学です。男子生徒もいるんですよ」
まほ「?・・・それが?」
エリカ「男と同じ屋根の下に隊長を置くなんてとんでもない!隊長ほどの美人さんならモテモテすぎて大変なことになります!」
まほ「照れる」
エリカ「隊長は戦車道以外では少しトボけてるところがあるから気をつけないとダメです!男なんて皆パンジャンドラムです!突っ込むことしか考えてないんですよ!」
まほ「?」
エリカ「とにかく、選ぶなら知波単とサンダース以外のところにしてください」フンス
まほ「よくわからんがわかった。それじゃあこの中から選ぶぞ」
まほ「どーれーにーしーよーおーかーなー、オットー・カーリーウースーどーろーまーみーれー」スッスッスッノッス
ピタッ
まほ「よし、ここに決めたぞ」
―アンツィオ高校―
まほ「来た」
アンチョビ「ようこそアンツィオへ!我々は君を歓迎するぞ!」
\ワー!ワー!/ \ヨウコソー!/ \ヒューヒュー!/
まほ「出迎えは感謝するが、すごい歓迎だな」
アンチョビ「当然だ!なんせ黒森峰の・・・それも西住流の西住まほがウチに転校してくれるというのだからな!数ある学校の中からアンツィオを選んでくれて感謝する!見る目があるナア!」ハッハッハ
まほ「黒森峰とは正反対の学校だからな。私の知らぬ世界を見せてくれ」
アンチョビ「お安い御用だ!よーし!みんなきけー!西住まほの歓迎会を開催するぞー!」
\オオー!/
カルパッチョ「どうぞ、西住さん」トクトクトク・・・
まほ「すまんな。これは?」
カルパッチョ「食前酒のスプマンテです。あ、スプマンテ風のジュースです」
ペパロニ「はーいはーい。ボンゴレおまちー!アサリの入ったパスタッス!美味いッスよセンパイ!」コト
まほ「どれ・・・」ス
まほ「!・・・おいしい」
ペパロニ「だろぉ~!」
アンチョビ「イタリア語で『おいしい』はボーノ!と言うんだ」
まほ「実にボーノだ」
アンチョビ「あー、まだまだだな」
まほ「?」
アンチョビ「イタリア語は口と手で話すんだ。手をグーにして口に当て、言葉と一緒に手を開いてパーっとやるのが正解だぞ」
まほ「ボーノ」パァー
まほ「こうか?」
\オオ~~~!/
アンチョビ「上手いぞ!美味い表現が上手いぞ!これなら間違いなくアンツィオでもやっていける!」
カルパッチョ「西住さん、アンツィオの制服を用意しました。これに着替えてください」
まほ「かわいい制服だな」
ペパロニ「いやぁ~それほどでもないッス~」テレテレ
アンチョビ「よーし!このお着替えBOXでお着替えタイムだー!」
まほ「ちょっと待ってろ」シャ
アンチョビ「さあみんな!手拍子てびょうしー!」
\パン♪パン♪パン♪パン♪パン♪パン♪/
まほ「終わったぞ」
アンチョビ「あーちょっと待ってちょっと待って!まだ出てくるなー。ドラムロール!」
<ドンドコドコドコドコドコドコ・・・・・・
<ジャン!
アンチョビ「オープン!」
シャ!
まほ「こんな感じだ」シャランラ~
\オオオオオオ~~~!/
カルパッチョ「すごくお似合いです!どこからどう見てもアンツィオの生徒です!」
まほ「照れる」
キ~ンコ~ンカ~ンコ~ン
まほ「あ」
アンツィオ生徒「わー!おひるだー!」ダダダ
アンツィオ生徒「食堂にいそげー!」ダダダ
アンチョビ「西住まほ、私達も行くぞ。今日の日替わりメニューはなでしょね~♪」ルンルン
まほ「え、さっき食べたじゃないか」
ペパロニ「いやッスよまほの姉貴。さっきのは姉貴の歓迎パーティーだったじゃないッスか。今度のはお昼ご飯ッスよ」
まほ「え」
カルパッチョ「早く行きましょうまほさん。人気メニューはすぐに売り切れちゃいますよ」グイ
まほ「あ、ああ」
―アンツィオ高校食堂
\ワイワイガヤガヤ/
まほ「・・・食べすぎた」ゲフ
アンチョビ「今日の昼食もボーノだったな」パァー
まほ「いつもこれくらい食べているのか?」
ペパロニ「まほの姉貴はまだ2食しか食べてないじゃないッスか。ウチらは朝食と朝のおやつも食べてるッスよ」
まほ「えっ」
アンチョビ「ところで!西住まほのアンツィオネームを考えたんだが、発表します!」
まほ「えっ」
ペパロニ「ドラムロール!」
<ドンドコドコドコドコドコドコ・・・
<ドン!
アンチョビ「まほのマからとってマルゲリータだ!」
\オオオーーー!/
カルパッチョ「マルゲリータはイタリアの王妃から名前をとっているのですよ。まほさんにはピッタリですね」
ペパロニ「さすがドゥーチェ!なにやらせても右に出るものはいないぜ!」
アンチョビ「フフーン、そうだろそうだろ。よーし、みんなこれからは西住まほをマルゲリータと呼べー!」
\ハーイ!/ \マルゲリータノアネキー!/ \ヒューヒュー!/
まほ「みんな本当に元気だな」
アンチョビ「さあ、午後の授業だぞマルゲリータ。午後の最初の授業は歴史だ!」
まほ「ほう」
アンチョビ「察しがついてるようだな。その通り!もちろんイタリアの歴史を学ぶのだ!」
まほ「なるほど」
アンチョビ「だがアンタの想像するほど単純なものじゃないぞ。今考えていることの逆が正解だ。しかしそれは大きなミステイク!」
まほ「?」
ペパロニ「そいじゃあ姐さん、姉貴、また戦車道の時間に会いましょ~」フリフリ
カルパッチョ「アリーヴェデルチ~」フリフリ
まほ「3年は私とお前だけか」
アンチョビ「まあな。来年は私抜きのアンツィオになるわけだが、少し心配だな・・・あいつらはいい子だがすこーしだけおっちょこちょいなトコがあって・・・」
まほ「ドゥーチェという立場も大変だな」
アンチョビ「マッ、そういう難しいことはおいおい考えるとして、今この時を謳歌しようじゃないか!早く教室に行かないとな!」グイ
アンチョビ「歴史の授業だ!」
まほ「元気だな本当に」
アンチョビ「イタリアの歴史は面白いぞー。第一次大戦で戦勝国になったものの、戦費がかさみすぎて経済はボロボロ。領土拡大もぜ~んぜんできなくて『栄光なき勝利』と言われるほどのガタガタ具合だったんだ」
まほ「ほう」
アンチョビ「そこで労働者の味方とも言える社会党がイタリアの第一党に選ばれたんだが、ストライキをうまく指導できずに権力を失っちゃって、代わりにファシスト党のムッソリーニが現れるというわけだ」
まほ「うむ」
アンチョビ「1992年にローマで政権を立てて、1927年にファシスト党の完全独裁を完成させた。札束が紙同然の価値しかない恐慌時代に独裁支配・・・キビシー時代だったんだな」
まほ「アンチョビ、まるで教師だな」
アンチョビ「え?そうかな。これくらいフツーだけど。あっ、先生が来たぞ」
教師「はい、それでは今日は1920年台前後のイタリアの歴史をビデオで学んでいこうと思います。はい窓際の席の人はカーテンしめてー」
まほ「なにがはじまるんだ?」
アンチョビ「ワクワク」
教師「イタリアの歴史を学ぶにはコレが一番!これから『紅の豚』をみまーす!」
アンチョビ「ワーイ!やったー!」
まほ「アニメか」
アンチョビ「いや~、面白かったな!」
まほ「ああ」
アンチョビ「何度見てもイイものはイイものだな!毎回歴史の授業で見てるけど、見る度に発見があるよ」
まほ「えっ、毎回」
ペパロニ「姐さ~ん!」タッタッタッ
アンチョビ「コラ!廊下を走るなっていつも言ってるだろうペパロニ!転んだりぶつかったりしたら大変だぞ!」
ペパロニ「それどころじゃないッスよ姐さん!大変ッス!」
アンチョビ「な、なにごとだ!まさか聖グロリアーナが道場破りにでも来たのか!」
ペパロニ「3丁目のチーズ店でモッツァレラチーズの特売やってるって1年の生徒から情報が入ったッス!早く仕入れないとすぐに売り切れちゃいますよ~!」
アンチョビ「な”ん”だっでぇ”!?すぐに買い出しに向かってくれ!タンケッテ使っていいから!次の授業が始まるまでに間に合うように!だが急いでも慌てるな!信号は黄色になれば止まれ!交差点には特に気をつけて!」
ペパロニ「了解ッス!」タタタ
アンチョビ「あ、コラー!廊下は走るなと言っとるだろうがー!」
まほ「・・・アンツィオは賑やかだな・・・黒森峰とはまるで違う」
アンチョビ「次の授業は道徳だ!」
まほ「道徳・・・高校の授業なのにか」
教師「はいはーい、今日は道徳の心を育てるビデオをみまーす。窓際の席の人はカーテンしめてー」
まほ「小学校でもこんなにビデオばかりの授業はないぞ」
教師「今日の題材はイタリアが舞台の映画『ニューシネマパラダイス』でーす!」
アンチョビ「わーい!やったー!」
まほ「見たことないな」
教師「いいですかーみなさん、『ニューシネマパラダイスを好きという奴は通ぶってるだけ』という意見も世の中にはありますが騙されてはいけません」
教師「何かを良い、と思う心は人それぞれです。この映画を好きではないという人も、この映画が好きだという人も、なに一つ間違ってはいません。好きなものは好きとハッキリ言いましょう」
教師「我がアンツィオ高校の生徒の皆さんには、自分の心に正直にいてほしいのです。そのためのビデオ授業です!」
まほ「なるほど。いいことを言うな」
アンチョビ「そうだろそうだろー。アンツィオは自由な校風だからな。みんな自分の意見をハッキリと持っているんだぞ!」
まほ「・・・うぅ・・・いい映画だった・・・」グスン
アンチョビ「/////」カァ~ッ
まほ「うっ・・・ぐすっ・・・?・・・アンチョビ、なぜ顔を赤らめているんだ?」
アンチョビ「ぁぇっ!?///い、いや・・・だって最後の・・・///」カァ~ッ
まほ「全私が泣いた」ポロポロ
アンチョビ「う~///・・・私達にはまだあーいうのは早いぞ///」
まほ「ともあれこれで授業は全部終わったな。一時間授業で二時間の映画を見るというのもどういう仕組みかわからんが」
アンチョビ「気にするな!所詮SSだからな!」
まほ「この後は?」
アンチョビ「フフフ・・・お待ちかねの戦車道だ!今日もがんばって練習するぞー!もうみんな集まってる頃だから我々もいくぞマルゲリータ!」
まほ「了解、ドゥーチェ」
アンチョビ「おお・・・西住まほにドゥーチェと呼ばれるなんて!でへへ、なんだか照れるなァ~」
まほ「ドゥーチェ、ドゥーチェ」
アンチョビ「ハッハッハ!よせよせ!そんなにヨイショするんじゃない!」
まほ「ドゥーチェッ、ドゥーチェッ、ドゥーチェッ」ドンドコドンドコ♪
アンチョビ「ぅわーっはっはっは!今日は機嫌がいいからドゥーチェがんばっちゃうぞー!」
アンチョビ「みんな揃ってるなー!」バッ
\ハーイ!/
アンチョビ「これからマルゲリータが転校してきて初の戦車道の練習だー!」
\イエーイ!/
アンチョビ「アンツィオのノリと勢いの戦車道を十分に堪能してもらおうじゃないかー!」
\オオー!/
まほ「士気は非常に高いな。戦車さえ揃えば黒森峰の強敵になるのは間違いない」
アンチョビ「ぃよーし!まずは練習の前の食事だー!窯に火を入れろ、手に器材をー!」
まほ「えっ」
\ヒャッホーウ!/
ペパロニ「今日は特売のモッツァレラチーズを使ったマルゲリータピザを作るぞー!」
\ウッシャアアーーー!/
まほ「・・・また食べるのか?」
ペパロニ「じょうずに焼けました~」ゴド
\オオ~~~!/
まほ「美味しそうだな」
カルパッチョ「トマト、バジリコ、そしてモッツァレラチーズの三種類しか使ってないけど、と~っても美味しいんですよ。世界一のピザに選ばれたこともあるんですから」
アンチョビ「見事にイタリア国旗の色だ!これは何枚でもイケるな!」
カルパッチョ「はい、マルゲリータさん。あ~んしてください」
まほ「えっ、そ、それは少し恥ずかしい・・・」
カルパッチョ「あ~~~ん」ズイィ
まほ「っ・・・・・・あ、あー」パクン
まほ「!・・・美味しい。ボーノだ」パァー
\オオオオオ~~~!/
アンチョビ「そうかそうか!そりゃよかった!ぃよーし皆も食べろ食べろー!ボリボリ食べてビシバシ練習するぞー!」
\ワーーーイ!/
まほ「本当に美味しいな。シンプルだがそれ故の美味だ」ングング
ペパロニ「アンツィオの料理を堪能してもらえてるようでなによりッス!」
今回はここまでで
別のSS書いててまほとアンチョビの可能性を感じ、つい衝動的に書き始めてしまった。内容は全く考えていない。オチもないかもしれない。アンツィオが楽しそうだということを描きたいです
あ、アンツィオってどんな学校かOVAのアンツィオ戦以外で描かれてないですよね?だからある程度想像になると思いますご了承を
ドラマCD聞かなきゃいかんのう
とりあえず進めます。内容全くの未定なのでいつ唐突に終わるかしれません。たぶん短い
まほ「・・・(結局たくさん食べてしまった・・・)」
アンチョビ「さあ者ども!腹もいっぱいになったところで戦車の練習だー!各員戦車に乗りこめー!」
\オオーーー!/
\ワーーー/ \ドタバタドタバタ/
まほ「満腹になったから練習やめよう、とは言わないのだな。いい士気だ」
アンチョビ「マルゲリータの乗る戦車はまだ割り当ててないから、とりあえず今日は私と一緒にP-40に乗ってウチの戦車道の雰囲気を感じとってくれ。まだ初日だからな」
まほ「わかった」
アンチョビ「ぃよーーーし!今日も張り切っていくぞー!目指せ来年こそベスト4・・・じゃなかった優勝だぁーーー!」
\ウオオオオオーーー!/
アンチョビ「ぃよーーーし!今日の練習はここまでーーー!」
\オツカレサンッシタァーーー!/
ペパロニ「いやぁ~今日もやり切ったッスねェ~」
カルパッチョ「どうでしたマルゲリータさん。アンツィオの戦車道は」
まほ「ああ、良かった。正直に言うと、もう少し生ぬるい練習かと思っていたが、想像以上に良かった。すまん」
カルパッチョ「いえいえ、謝らないでください」
アンチョビ「ふっふっふーん!そうだろそうだろ。アンツィオは弱くない・・・じゃなかった強いんだからな!天下の黒森峰の隊長でも舌を巻くのは当然だ!」
アンツィオ生徒「アレ?今日の練習っていつもよりハードだったよね?」
アンツィオ生徒「うんうん。試合前のフルメニューよりも多かった」
アンチョビ「コラ!ナイショ話するならボリュームを下げろ!」
ペパロニ「そうだぞ!ドゥーチェがカッコつけて見栄張ったのが台無しじゃないか!」
アンチョビ「補足するな!」
まほ「フフ・・・いや、練習内容は本当に良かったぞ」
アンチョビ「チェッ・・・カッコつかないなぁ・・・まあいい!それじゃあ皆!一日の〆といくか!」
\オオーーー!/
まほ「!・・・まさかまた食べるんじゃ・・・」
カルパッチョ「いいえ、残念ながら違います。これからみんなで――」
カポ~ン
アンチョビ「風呂だ!テルマエだ!大浴場だ!」
ペパロニ「あああぁぁぁ~~~・・・きくぅぅ~~~」ノボー
まほ「大きな浴場だな。アンツィオにこんな立派な風呂場があるとは」
アンチョビ「ふふーん。イタリアといえば古代ローマ。古代ローマといえばテルマエ!テルマエと言えば風呂だからな!古代ローマ人は風呂好きだったというぞ」
カルパッチョ「私達バリバリ日本人ですけどね」
まほ「戦車道をやっている者が皆一度に入れるほど大きな浴場はうらやましいな。ウチは大体シャワーだけだし・・・」
ペパロニ「えっ、じゃあこうやって身体を伸ばしたり」ノビー
ペパロニ「こうやって泳いだり」バシャバシャ
ペパロニ「こうやって友達とふざけたりできないんスか?」コショコショ
アンチョビ「どぅおあっ!やめろペパロニ!こしょばすな!」バシャア
まほ「ああ。そういうのは・・・ないな」
ペパロニ「はぇ~・・・なんだかもったいないッスね」
まほ「・・・」シュン
アンチョビ「まあまあ。ヨソはヨソ、ウチはウチだ」
アンツィオ生徒「ペパロニ姉さん!マルゲリータの姉貴にアレやんないんスか?アレ!」
ペパロニ「おっ!久々にやるかー!」
まほ「なんだなんだ」
アンチョビ「ふっふっふー、アンツィオにはたくさんの名物がある。その中でも戦車道の新入りに行われる歓迎の儀式・・・それは!」
まほ「それは・・・」
アンチョビ「真実のペパロニだー!」バーン!
まほ「しんじつのペパロニ」バーン
カルパッチョ「ドゥ、ドゥーチェ!あれをやるのはちょっと・・・」
アンチョビ「心配するなカルパッチョ!ここはテルマエ!風呂だ!衛生面は問題ない!」
まほ「その真実のペパロニとは一体どういうものなんだ」
アンチョビ「アンツィオの生徒に求められるスキル・・・それは料理の腕前!これを見てみろ!」バッ
ペパロニ「あー」アンガー
まほ「!?」
アンチョビ「この大口上げたペパロニの口に手をいれるのだ!料理の上手なものはなんともないが、料理の下手な者はペパロニに噛まれるのだ!」バーン
まほ「!?!?」
カルパッチョ「料理の下手な人は手に食材や調味料を余分についちゃってるから、そのわずかな味気に反応してペパロニの口が閉じるんです」
アンチョビ「料理が上手い者は手に余計な味が着いていないからな。わかったかな?」
まほ「わからん」
アンチョビ「お手本を見せてやろう。まずはドゥーチェが真実のペパロニに挑むぞー!」
\オオー!/ \イケー!ドゥーチェー!/
ペパロニ「あー」アンガー
アンチョビ「ふふ・・・いくら料理上手なドゥーチェとはいえ、久々の真実のペパロニは少しキンチョーするな・・・」ドキドキ
カルパッチョ「ドゥーチェ、がんばってください!」
アンチョビ「ああ!いくぞ!」グッ
アンチョビ「うおおおおーーー!」グアー
アンチョビ「めっちゃんこおそぎゃー!(とてもおそろしいー)」バッ!
カルパッチョ「いった!」
ペパロニ「ガブリンチョ!」ハムゥー
アンチョビ「ぎにゅわあああああああ!」アムアム
まほ「おお・・・」
カルパッチョ「うわー!噛まれてますよドゥーチェ!」
アンチョビ「か、噛まれてない!ドゥーチェは料理お上手なんだ!噛まれるわけが・・・」
ペパロニ「あんぐあんぐ」ハムハム
アンチョビ「あががががががが」
まほ「いってるいってるぅー」
アンチョビ「は、離せペパロニ!なぜだ!なぜ噛んだんだ!?わ、私は料理上手じゃないのか?・・・」グスン
ペパロニ「いやぁ~、姐さんっていっつも料理してるから、すっかり手に味がついちゃってて・・・つい」
アンチョビ「ついじゃない!どっちにしろ噛まれるんじゃないか!」
カルパッチョ「ペパロニのさじ加減ですね」
まほ「歯を立てていたらケガをしていたかもしれん」
アンチョビ「ぐすんっ!そいじゃあ次はマルゲリータの番だ!」
まほ「えっ、今のやりとりを見てもやれと」
ペパロニ「あーん」アンガー
アンチョビ「さあ!ペパロニへの一歩を踏み出すんだ!」
カルパッチョ「心配ないですよ。甘噛みですから」
まほ「いや・・・」
アンツィオ生徒「そーれっ!姉貴!姉貴!」 アンツィオ生徒「アネキ!アネキ!アネキ!」
\アネキ!アネキ!アネキ!アネキ!アネキ!/
まほ「むむ・・・」
まほ「よし、わかった」
アンチョビ「おおっ!マルゲリータがいくぞ!」
\オオ~!/
まほ「いくぞ・・・」グッ
まほ「えいやー」バッ
ペパロニ「ガブリンチョ!」ハムゥー
まほ「うおあー」
アンチョビ「いってるいってるぅー!」
ペパロニ「っ!?・・・っぷえっ!えほッ!えほッ!」
カルパッチョ「どうしたのペパロニ。むせた?」
ペパロニ「うぇぇ~・・・まっずぅ~・・・」ベー
まほ「!」ガーン
アンチョビ「お、おい!それはいくらなんでも失礼だぞ!」
ペパロニ「いや・・・だって鉄の味とオイルの味がまざっててすっげーマズいんスよ。激マズッス。食えたもんじゃないッス」
まほ「!」ガガーン
アンチョビ「いいすぎだぞ!マルゲリータ、気にするな。戦車女子はそれが普通だからな」ポンポン
まほ「・・・」ショボン
ガチャ
アンチョビ「さあどうぞ!ここが私のウチだ!」
まほ「すまんな。学生寮に泊めてもらうことになるとは」
アンチョビ「気にしない気にしない!私も久々に一緒に寝る相手がきてくれてうれしいぞ!・・・あ、先週もお泊まり会やったっけな」
まほ「仲が良いんだな、アンツィオの生徒達は」
アンチョビ「まーな!戦車道はみんなでやるものだ。仲がいいほど連携も上手くいくに決まってる!」
まほ「そこが弱点にならなければいいがな」
アンチョビ「さあさあ!せっかくウチに来てくれたんだ。やることは決まっているよな!」
まほ「ウィッグの手入れか」
アンチョビ「これは地毛だ!私達がやるべきことは一つ!お料理講座だ!」バーン
まほ「えっ」
アンチョビ「真実のペパロニが言っていた・・・マルゲリータ!お前の手は戦車に染まっている!アンツィオの生徒たるもの、お料理上手でなければ!お嫁さんに行く時のためにも!」
まほ「・・・実は、私は料理のほうは・・・」
アンチョビ「からっきしか!」
まほ「実家にいたころに家族にカレーを振る舞おうと思ったんだが、その日は結局乾パンが版ご飯になった」
アンチョビ「それはいかんな!ぃよーし!今日は私が手取り足取り指導してやる!ささっ!エプロン着て!手ェー洗って!」
まほ「・・・一つ聞きたい。作った料理はどうするんだ?」
アンチョビ「食べるに決まってるだろ。そのための料理だ」
まほ「・・・」
今回はここまでで
長くならんように早めに切り上げるつもりではあるけど、案外書けそう
アンチョビ「おおっ!似合う似合う!エプロン姿がサマになってるなー!」
まほ「ハートのエプロンとは・・・」
アンチョビ「うんうん!これならいつお嫁に行っても大丈夫だな!だがそのためには料理ができんとな!それじゃあ今日はカレーを作ろう!」
まほ「カレー」
アンチョビ「簡単だぞ。具材を切ってお湯温めてルーと具材を入れるだけだからな!」
まほ「省略しすぎていないか」
アンチョビ「まあまあ、なせばなるさ!やるならやらねば!手も洗ったし、まずはジャガイモの皮をむいていこっか」ス
まほ「それくらいならできそうだ」
アンチョビ「指を切らないように気をつけるんだぞ」
まほ「いざ」ズェアァッ
アンチョビ「まてぇーーーい!」
まほ「え」
アンチョビ「なぜ包丁を両手で持つんだ!構える必要があるか!」
まほ「あっ・・・言われるまで気づかなかった」
アンチョビ「・・・ヘヘッ・・・こいつぁ期待できそうだぜ・・・」
まほ「ゆくぞ」グググググ・・・
アンチョビ「ちょっと待て!なぜ皮むきで包丁を逆手に持つんだ!見てらんないからピューラー使え!」
~~~
まほ「とやー」ズダァァァン!
アンチョビ「おぉい!具材を切るのに包丁を頭の上まで振り上げるんじゃない!抑える手は猫さんの手だろ!」
~~~
ボォォォォォ!
アンチョビ「だー!鍋の火が燃えすぎだ!強火どころか最大火力でそのまま放置するんじゃない!」
まほ「西住流は手抜きはしないッ!!!」クワ!
アンチョビ「うーんこのポンコツまぽりん!」
まほ「少しエキサイトしてしまった。すまん」フー
アンチョビ「不器用なのかなんなのか・・・しかしまあなんとか完成したな!」ジャーン
まほ「・・・焦げているな」
アンチョビ「具材も大きさがバラバラだな」
まほ「・・・」ショボン
アンチョビ「なにを落ち込んでるんだ」
まほ「・・・やはり私には料理など・・・」
アンチョビ「パクッ
まほ「エリカが言っていたように、私はポンコツまぽりんと笑われるのがお似合いだな・・・」
アンチョビ「ン!案外イケるぞこれ」
まほ「!・・・フ・・・気を使わなくていい。まずいのに無理しておいしいと言ってごまかすのが相場・・・」
アンチョビ「いや、本当だぞ。まあめちゃくちゃうまいという訳ではないが、マズくはないぞ」
まほ「・・・本当に?」
アンチョビ「ドゥーチェ嘘つかない」
まほ「・・・どれ」パク
まほ「・・・・・・本当だ。まずくない」
アンチョビ「だろー!よかったな!ノビシロがあるぞ!これからどんどん上達していける!ハッハッハ!」
まほ「結局二人でたいらげてしまった・・・」
アンチョビ「さあ!お布団を敷いたぞ!一日の疲れをゆっくりぐっすり取るんだ!」
まほ「本当に元気だな。今日一日でどれだけ『!』を付けてるんだ」
アンチョビ「あ、寝る前に少しだけいいか?」
まほ「なんだ?」
アンチョビ「戦車道の作戦と練習メニューを一緒に考案してくれないかな。せっかくだからさ」
まほ「ああ、いいぞ。私で役に立てるのならな」
アンチョビ「やった!よーしそれじゃ布団に入って枕元で電気着けて作戦会議だー!そっちにもっと寄って寄って」モゾモゾ
まほ「二人で布団に入るのは少しきついぞ」グイグイ
アンチョビ「かたいこと言うなよマルゲリーター。アンツィオの仲間なんだからさー」グイグイ
まほ「こうしていると子供の頃にみほと一緒に寝ていたのを思い出すよ」
アンチョビ「おー、私も昔は弟と一緒に寝てたんだが、小学校高学年くらいから弟が嫌がってな~」
まほ「みほも自然とフェードアウトしていったな。なぜなんだろう」
アンチョビ「なぜなんだろうな~」
まほ「地元は愛知だったか?」
アンチョビ「おっ、知っているのかマルゲリータ」
まほ「スカウトされてアンツィオに来たという話は聞いたことがある」
アンチョビ「その通り!アンツィオの戦車道を立て直したドゥーチェとは私のことだー!」バーン
まほ「アンツィオに来た当初は名古屋弁でぶいぶい言わせていたんだろうな」
アンチョビ「あのなぁ、私は名古屋出身じゃないぞ。愛知と言えば名古屋と思われがちだが」
まほ「真実のペパロニに手を入れる時、めっちゃんこおそぎゃーと言っていたが」
アンチョビ「あ、あれはノリと言うか勢いというか・・・名古屋出じゃないのに名古屋弁って使っていいのかな」
まほ「聞いてみたい」
アンチョビ「・・・う~・・・」
まほ「ワクワク」
アンチョビ「・・・・・・そ、そろそろ寝るだぎゃー」
まほ「かわいい」
アンチョビ「う、うるさい!」
まほ「もっともっと」
アンチョビ「い、いや・・・名古屋弁といっても種類がたくさんあって・・・」
まほ「一般的にイメージする名古屋弁でいいから」
アンチョビ「・・・もうこんな時間だがや。ちゃっちゃと寝るきゃー」
まほ「うーむ、いいおもちゃを見つけたぞ」
アンチョビ「ドゥーチェで遊ぶなー!」
まほ「よし、ジャンケンしようジャンケン」
アンチョビ「唐突!」
まほ「負けた方が明日、一日方言で喋るというのはどうだ」
アンチョビ「な、なんだとぉー!?」
まほ「アンツィオのドゥーチェたるもの敵前逃亡などしないな?」
アンチョビ「ぬ・・・ぬぬぬ!いいだろう!ドゥーチェ負けない!」
まほ「ジャ~ンケ~ン――」
―朝
アンチョビ「今日も朝ご飯がうみゃーな」モグモグ
まほ「プッ・・・フフ」
アンチョビ「笑うな!おみゃーが言ったんだで。いんじゃんで勝負しよーがって」
まほ「いや・・・本場の人が聞いたら『全然違う』と言いそうなくらいステレオな名古屋弁だな」
アンチョビ「チェッ!ほんじゃちゃっと学校行こみゃぁー。けったましんに乗ってくんだがや」
まほ「自転車のことか。マントを着けたまま自転車に乗るのか?」
アンチョビ「当然だぎゃ!ドゥーチェだもんね!」
まほ「マントひらひらさせて自転車乗っている姿はなかなか面白いな」
アンチョビ「ほなら行こみゃー。2ケツだで2ケツ!」
チリンチリ~ン
\ワイワイガヤガヤ・・・/
まほ「朝登校して一番に戦車道の朝連だな」
カルパッチョ「ぜんい~ん、きをつけっ」
\ビシッ/
ペパロニ「ドゥーチェの登場だー!」
ムチ ビッシィ!
アンチョビ「みんなそろっとるけ!」
\!?/
アンチョビ「おみゃーら今日も今日とて朝はようから御苦労だぎゃ」
\ドヨドヨ・・・/ \ザワザワ・・・/
カルパッチョ「ドゥ、ドゥーチェ、どうしたんですか?お腹いたいんですか?」
ペパロニ「やっべー・・・ドゥーチェがすごすぎて何言ってっか全然わかんねー・・・」
まほ「フフ・・・フフフ」クスクスプー
アンチョビ「笑わないでちょ!」
今回はここまでで。名古屋弁使う方ごめんなさい。名古屋弁使えないのに名古屋弁ネタしてしまった。ドゥーチェ愛知出身って聞いて思わずやってもーたがや。俺は悪魔博士だよ。
短く終わるはずが予想以上に話が転がって長くなっていっている。少しあせっとる
終わらせたいけど終わらせるのがもったいないくらいネタが出てくるわい
アンチョビの出身地豊田らしいけど豊田が名古屋弁使うかわかんないのでご了承ください。所詮SS
まほ「皆、動揺することはない。ドゥーチェは異国語も話すことができる。アンツィオの統帥たるもの当然のスキルだ」
\オオ~~~/
ペパロニ「いこくご!?ってコトは外国の言葉じゃないッスか!」
アンチョビ「愛知は日本の都市だがや!」
カルパッチョ「難しい言葉も話せるなんてさすがドゥーチェです」
\スッゲー!/ \サスガー!/
アンチョビ「そ、そうきゃ?でら照れるがや」デヘヘ
アンチョビ「ぃよーしおみゃーら!ちゃっと朝連をおっぱじめるきゃー!」
\オオオオオーーー!/
カルパッチョ「プリントくばりまーす。後ろの子までちゃんといった~?」
<ハーイ
<1枚余りましたー
こっちの列1枚足りませーん>
カルパッチョ「余ったところはそっちの列にあげてあげてー」
<ハーイ
ペパロニ「これなんの紙ッスか?」
アンチョビ「聞いておどろけ!きんのうマルゲリータと一緒にかんげーた新しい練習メニューだがや!」
\オオ~!/
まほ(いつまで方言を続けるんだろう。そろそろ戻す許可を出すべきか)
アンチョビ「朝練は基礎体力の向上が目的だがや。筋トレと運動を中心的にするきゃー」
ペパロニ「マルゲリータのアネキ!見てて見てて!とうっ!」クルリンパ!
まほ「バク宙か。すごいな」
ペパロニ「へっへーん!カルロヴェローチェに乗ってるとひっくり返されることが多いんで、これくらいできるようになったッス!」
アンツィオ生徒「私らもできますよ!とりゃー!」クルリンパ! アンツィオ生徒「えいやー!」クルリンパ!
まほ「アンツィオの者達はアクティブだな」
カルパッチョ「私も見ててください。えいっ」ゴワ! バキバキバキ・・・
まほ「・・・素手のパンチで木をへし折った・・・」
カルパッチョ「いえーい。ぴーすぴーす」ニッコリ
ペパロニ「つぎ、ドゥーチェの番ッスよ!」
アンチョビ「え”っ、ドゥーチェそういうの得意じゃない・・・」
\ドゥーチェ!ドゥーチェ!ドゥーチェ!/
アンチョビ「ぃよーし!やってやるみゃー!この階段の上から見事に空中連続回転ジャンプするきゃー!」
\オオーーー!/
アンチョビ「にゃんぱらり!」クルクルクルー! チャクチ!
アンチョビ「お、おおーーー!うまくできたぞ!やったー!」
\ワーーー!/
まほ(あれ?アンツィオってどうして強くない学校と思われてるんだろう)
アンチョビ「さあ!朝練も終わったし朝食だぎゃー!」
まほ「これは?」
カルパッチョ「今日の朝ご飯はフォカッチャのサンドイッチです」
まほ「ふぉかっちゃ」
ペパロニ「チーズと肉を挟んだだけッスけどウマイッスよ!」
まほ「ふぉかっちゃおいしい」ングング
アンツィオ生徒「マルゲリータの姉貴、姉貴は黒森峰の隊長なんですよね?」
まほ「ああ。もうすぐ引退だがな」
アンツィオ生徒「やっぱ黒森峰っておいしいドイツ料理とか食べるんですか!?ビールとかソーセージとか!」
まほ「ノンアルコールだがな」
ペパロニ「いいな~、絶品ドイツ料理食べたいな~」
まほ「アンツィオのイタリアンも絶品だぞ。クオリティならこちらの方だと思う。それに黒森峰では食事は昼食の一度だけだ」
ペパロニ「マジッスか!?」
\ウッソー・・・/ \オヒルダケ?・・・/ \ザワザワ・・・/
カルパッチョ「じゃあお腹がすいたら校内に出てる屋台で食べ物を買うんですね?」
まほ「いや、文化祭などでもない限り食べ物を売る店は露店していない」
\エエ~~~!?/ \マジデ!?/ \シンジラレヘン・・・アタイ、シンジラレヘン!/
カルパッチョ「ドゥーチェ、聞きました?黒森峰では食事は一度だけなんですって」
アンチョビ「めっちゃんこおそぎゃー・・・」
カルパッチョ「ウチも食事を一度に制限したら黒森峰のように強くなれるとしたらどうします?」
アンチョビ「!?それはいかん!アンツィオのおいしい食事が食べられなくなるくらいなら、強くなる必要なんかない!ウチはウチだ!余所のマネごとなんかしない!」
ペパロニ「さすがッスドゥーチェ!」
\ドゥーチェ!ドゥーチェ!ドゥーチェ!/
まほ「ふふ・・・それでいい。自分の戦車道を進むのが一番だ。ドゥーチェ、もう名古屋弁はいい。十分堪能させてもらった。普通に話しやすいようにしてくれていい」
アンチョビ「そうきゃ?いんじゃんで負けたのは私だから一日これで通そうかと思っちょったが」
まほ「お前はお前らしくいてくれ。その方がいい」
アンチョビ「そうか!よーしみんな!朝食もそこそこにして授業の準備をしろー!もう10分もすれば1時間目だぞー!」
\オオーーー!/
まほ「今日の授業は一体何の映画を見るんだろうな」
アンチョビ「おいおいマルゲリータ。アンツィオの授業はぜーんぶ映画見るだけだと思ってるのか?」
まほ「違うのか。どんな授業があるんだ?」
アンチョビ「今日は週に3日の調理実習の日だ!」
まほ「えっ」
ワイワイガヤガヤ コトコト グツグツ
アンチョビ「甘くて苦くて目が回りそうです~♪」トントントン
まほ「むむむ・・・」グググ・・・
アンチョビ「あー力むんじゃない。必要以上に力を入れることはないぞ。肩の力を抜いて、ゆっくり包丁を動かすんだ。ほら」スッ
まほ「すまん・・・自分の料理の準備もあるのに」
アンチョビ「気にしない気にしない。マルゲリータ、スジがいいぞ。将来はきっと料亭の女主人だな」
まほ「からかうな。ペペロンチーノを作るのにこれだけ時間をかける女だぞ」
アンチョビ「まあ今はそうかもしれんが、そのうち上手くなるさ。戦車だって最初から上手というわけじゃなかったんだろ?」
まほ「ああ。子供の頃から乗っていた分、人より触れている時間が長いだけだ」
アンチョビ「さすが西住流だな。幼い頃からがんばってたんだな」
まほ「全ては勝利のため。何においても勝つことを至上とした戦車道だ。毎日何時間も練習したよ」
アンチョビ「楽しかったか?」
まほ「わはは、と笑う意味での楽しいとは違う。練習は厳しかったし、上手くいかなくて涙したこともあった。だが・・・楽しかった、と言える。全力で毎日を走り抜けるような、そういう感覚だった」
まほ「つらく厳しい毎日だったが、生きている手ごたえがあった。今でこそ思えるが、私は西住の人間でよかったと声を大にして言えるよ」
アンチョビ「そうか!それはなによりだ!戦車道でもなんでもそうだが、楽しいのが一番だからな!」
まほ「ふふ・・・お前に言われると説得力があるな」
アンチョビ「パスタを茹でる時に使うお湯には塩をほんのチョビーっとだけ加えるんだ」
まほ「こうか」チョビー
アンチョビ「オリーブオイルはなるべく高い位置から落とすんだぞ。パフォーマンスも大事だ」
まほ「こうだな」モコミチィー
アンチョビ「お好みの量で胡椒を入れるんだ。アンチョビを入れるのもアリだ!」
まほ「こうするんだな」グイ
アンチョビ「わー!私を持ち上げようとするなー!」
まほ「冗談だ」
アンチョビ「アンタがやると冗談に聞こえないぞ!」
アンチョビ「完成だー!」ジャーン
まほ「昨日のカレーの完成度とはまるで違う。お前のおかげだ。ありがとうアンチョビ」
アンチョビ「いやいや、私は少しだけ手伝っただけだ。これはマルゲリータ自身が頑張ったからだぞ。さあ、冷めないうちに食べよう!」
アンチョビ「さあ!今日一日の授業も終わったぞ!」
まほ「午後の授業はローマの休日を見るだけとは。イタリア脳に洗脳されていくようだ」
アンチョビ「これから戦車道の練習だが、マルゲリータ、あの話をするんだな?」
まほ「ああ、今の内に話しておかないとな」
アンチョビ「そうか。それじゃあこれを着てくれ」
まほ「これは・・・真っ赤なマントか」
アンチョビ「きっと似合うぞ!ドゥーチェはこっちの黒マントで、マルゲリータは真紅のマントだ!かっこいいに決まってる!上級生らしくビシっとキマるぞー!」
まほ「どれ」バサァ
アンチョビ「オオッ・・・!かっこいい!強そうだ!まさにラスボスって感じ!よーし!皆の前でお披露目だー!」
カルパッチョ「ぜんいーん、きをつけっ」ビシッ
ザッ
アンチョビ「みんな揃ってるな!今日は皆に大事なおしらせがある!」バサァ
\ナンダロー?/ \マタテンコウセイカナ?/ \ドヨドヨ・・・/
ザッ
まほ「・・・」バサァ!
\オオ~~~!/ \カックイ~~~!/ \ツヨソ~~~!/
ペパロニ「最高ッスよ姉貴!カッコイイッス!ウルトラ兄弟みたいッス!」
アンチョビ「皆も知っての通り、マルゲリータは黒森峰からアンツィオに短期転校してきた。つまり、短い間しかアンツィオにはいられない。黒森峰に戻る日が近いそうだ」
\エエ~~~!?/
アンツィオ生徒「せっかく仲良くなれたのに~」 アンツィオ生徒「アタイ達、もっとマルゲリータの姉貴と一緒にいたいです!」
アンチョビ「気持はわかるが無茶を言うな。マルゲリータにはマルゲリータの人生があるんだからな。さ、自分の口から皆に話すといい」
まほ「みんな、余所者である私を温かく迎え入れてくれてありがとう。感謝している」
まほ「アンツィオに来て色んな事を学ばせてもらった。黒森峰には無いものがたくさんあって、本当に素晴らしい経験となった」
まほ「ここで学んだことを黒森峰に持ち帰り、少しでも黒森峰の仲間達にアンツィオの素晴らしさを伝えたいと思う」
カルパッチョ「・・・マルゲリータさん」
ペパロニ「・・・姉貴、いつまでこっちにいるんスか!?姉貴が帰っちゃうまでに盛大なお別れパーティを開催するッス!」
まほ「明日だ」
アンチョビ「な”ん”だっでぇ!?明日ァ!?」
まほ「!」ビクッ
アンチョビ「あ、明日帰るのか!?ら、来週くらいと思ってたのに・・・いくらなんでも早すぎないか!?」
まほ「言ってなかったか」
アンチョビ「う”わ”ぁー!そんなに急だなんて聞いてないー!まだ心の準備がー!」スガリスガリ
ペパロニ「姉貴~!行かないでください~!」ダキッ
カルパッチョ「もう一ヶ月、いや一週間、いや一年くらいアンツィオにいてください!」ダキッ
アンツィオ生徒「ウチらもっと姉貴といたいです~!」ワーン
アンツィオ生徒「さみしすぎます~!」ワーン
まほ「気持はありがたい・・・私もさみしい。だが、会えなくなるわけではない。またアンツィオに遊びに来させてもらうよ。今度は黒森峰の仲間も連れてな」
アンチョビ「グスン・・・本当か?また一緒にパスタ作れるか?」
まほ「マルゲリータ嘘つかない」
アンチョビ「・・・グスッ・・・・・・よーし!お前ら!めそめそするのはここまでだ!ほら、ハンケチで涙をぬぐえ!」
\グスン・・・/ \ウウ・・・/ \ビィー/
アンチョビ「今夜はマルゲリータの送別会だ!アンツィオの生徒らしく、最後は笑ってバイバイするぞ!」
\オオオオオーーー!/
アンチョビ「ありったけの食材を用意しろー!明日の分だろうと明後日の分だろうと構うもんかー!盛大にパーっとやるぞー!」
\ワイワイガヤガヤ/ \テンヤワンヤテンヤワンヤ/ \ドヤドヤザワザワ/
アンチョビ「それじゃあ皆、グラスとお皿を持ったなー?せーのっ!」
\イタダキマーーーッス!/
まほ「これはおいしそうだ」
カルパッチョ「ナポリタン、カルボナーラ、アラビアータ、ボロネーゼ、ペスカトーレと色々ありますよー」
ペパロニ「マルゲリータの姉貴のために本気出したッス!遠慮せずに食べてください!」
まほ「では・・・」ス
まほ「ボーノ」パァー
\オオオ~~~!/
アンチョビ「すっかりイタリア語がうまくなったな!忘れるな!イタリア語は口と手で話すんだぞ!」
まほ「アンツィオの者が黒森峰に来た時は、ドイツ語を指導できるようにがんばるよ」
ペパロニ「黒森峰に遊びに行っていいんスか!?」
アンチョビ「遊びじゃなく勉強に行くと言え!」
まほ「勿論だ。歓迎するぞ。ここにいる皆で来るといい。アンツィオほどの物は出せんだろうが、ドイツ料理でもてなすぞ」
\オオ~~~!/
アンチョビ「マルゲリータ、明日は何時ごろにここを発つんだ?」
まほ「正午には学園艦に迎えの船が来てくれる手筈になっている。それまでに荷物をまとめないとな」
カルパッチョ「あ、このカルボナーラはマルゲリータさんが作ったんですか?」
まほ「ああ。皆が準備してくれている間にドゥーチェに手伝ってもらってな」
ペパロニ「食べてもいいッスか!?食べてもいいッスか!?」
アンツィオ生徒「アタイもアタイも!」 アンツィオ生徒「私も食べたい!」
まほ「私の作ったものでよければ食べてみてくれ」
ペパロニ「うっしゃー!本気で食うぜー!」ズビズバー
まほ「どうだ?」
ペパロニ「うん!そこそこうまいッス!まずくないッス!」
アンツィオ生徒「ほんとだ!まずくない!」
アンツィオ生徒「それなりにおいしい!」
アンチョビ「お前ら自分の気持ちに正直すぎだ!」
まほ「ふふ・・・まだまだ勉強中だ。がんばるよ」
カルパッチョ「はい、どうぞ。大人のブドウ酒のおかわりです」
まほ「ありがとう。こんなに豪勢な食事ができるとは、ここに来る前は思いもしなかった」
アンチョビ「客人は盛大にもてなすのが流儀だからな。どうだ?短期転校と言わずに正式にアンツィオに転校するというテもあるぞ?」ホッペスリスリ
カルパッチョ「ドゥーチェ、無茶なこと言うとマルゲリータさんが困っちゃいますよ」
まほ「うーん、どうしようかなー」
アンチョビ「おっ!?おおっ!?脈アリか!?みんなー!押せばイケるぞこれー!」
\オオーーー!/
アンチョビ「もっと盛り上げてアンツィオの楽しさを堪能してもらうぞー!」
\オオオーーー!/
カルパッチョ「音楽のボリュームあげますねー」
<♪~♪~ ♪~
アンチョビ「みんなで飲んで食べて騒げー!」
ペパロニ「姉貴!姉貴!真実のペパロニに再挑戦してくださいッス!」アンガー
まほ「うむ、上達したから大丈夫のはずだ。いくぞ。とりゃー」バッ
ペパロニ「ガブリンチョ!」ハムゥー
まほ「おわー」
アンチョビ「いってるいってるぅー!」
<~♪ ♪~ ♪~
アンチョビ「あ~のころの~♪ぼく~らは~まだ~♪」
カルパッチョ「あすのちず~♪さえ~もた~ずに~♪」
ペパロニ「フフーフフーフー♪フフー↑フー↑フー↑フー↑フーフフー♪」
アンチョビ「踊れおどれー!歌を唄いながら踊ろー!」
<♪~♪~♪
まほ「そのーひとーつひとつがー ほらー ぼくらのいーまをつーくってるー」
アンチョビ「マルゲリータあんまりお歌が上手じゃないな!」
まほ「!」ガーン
ペパロニ「ドゥーチェも自分に正直すぎッス!」
カルパッチョ「今度は歌の練習もしないといけませんね」
まほ「ふふ・・・ははははは」
アンチョビ「わははははは!夜はまだ長い!一晩中唄って踊って騒ぐぞー!」
\オオオオオーーー!/
・
・
・
アンチョビ「すぅ・・・すぅ・・・」
カルパッチョ「んぅ・・・」
ペパロニ「くかー・・・」
アンツィオ生徒『Zzz・・・Zzz・・・』
まほ「・・・むにゃ・・・」
まほ「・・・・・・ん・・・!」
ガバッ!
まほ「しまった!寝過ごした!」
~FINE~
~おまけ~
エリカ「隊長がアンツィオから戻って一週間」
エリカ「アンツィオで学んだことを実践すると張りきっている隊長は、隊員達と一緒に歌ったり踊ったり、料理を作ったり、学園艦の大浴場に連なって行ったり、以前とは変わった」
エリカ「皆との距離感が近くなって士気は高まっているし、隊長も楽しそうだからいいんだけど・・・練習の前に食事、練習の後に食事、何か良いことがあると食事・・・」
エリカ「アンツィオ流を取り入れたことで食べる量が劇的に増加した結果」
カシン・・・
エリカ「体重8キロも増えたじゃない!」バシーン
エリカ「戦車道はカロリー消費するのに8キロも!」バシーン
エリカ「しかも隊長は0,5キロしか増えてないらしいし!」バシーン
エリカ「冗談じゃないわよ!どうなってんのよ!なにやってんのよ!」バシーン
みほ「あはは・・・それでサンドバッグ叩いて汗出してるんだ。黒森峰も大変みたいだね」
エリカ「笑ってんじゃないわよ!アンタのとこのポンコツお姉ちゃんのせいよ!あの頃のカッコイイ隊長を返しなさいよ!」バシーン
みほ「はい、小学生の頃のお姉ちゃんの写真」ス
エリカ「ありがとうございます!!!」
~おわり~
これにておしまいです。アンツィオもまほも好きなので書いてて楽しかったです
『まほ「泥まみれの虎」』ってSSでアンまほに気付いたんだぎゃー。宣伝すんじゃねーって思われるかもしれんけど貼られてる支援イラストだけでも見てほしいんスよ・・・紅の豚とアンツィオのコラボイラストですげえいいんスよ・・・絵は俺が描いたんじゃないでよ
それではここまで見てくださった方、ありがとうございました
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