西住みほ「金色のねむりからさめて」 (236)




……ん?



え、何?もう始まっている?



……。



ああ、んん、ゴホン。



あー、あー。



失礼、この場を借りるのも久しぶりの事なので。





さて。






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ここは、太陽系第三惑星……地球。


漆黒の宇宙に、青い宝石を彷彿とさせながら浮かぶ星。


緑溢れる大地と、大いなる恵みが広がる海。


その極東に位置する一個の島。


いや。


艦(ふね)の上から、今回の物語は始まる。



『大洗女子学園』









「「「「―――"七不思議"?」」」」










沙織「うん!どの学校でも珍妙不可思議な話が大体一つか二つぐらいはあるものじゃない?」

沙織「なのに、あたし達の学校ってそういう噂は全く聞かないなーって思って」







優花里「なるほど。言われてみると、そういえば確かに…」


みほ「私は転校してきて間もないから、七不思議って言われても…」


華「わたしも、そのような噂の類は全く存じませ…(ぶつぶつ)…ん…?」








華「……?」クルッ

















麻子「…オバケナンテイナイ、アンナノウソッパチ。オバケナンテイナイ、アンナノウソッパチ。オバケナンテ…」ブツブツブツブツブツブツブツブツ














華「沙織さん、麻子さんが遠い世界に」


沙織「あ、ごめんねぇ~。別に怖がらせるつもりは無かったんだけどさ」

沙織「ほら、不思議話って言ってもホラーチックな物ばかりじゃなくて、もっとこう…」

沙織「そう!例えば"学校にある戦車がいつの間にか一両増えている"なんてどうかな?」



優花里「どちらかと言えば、その分類は"戦車道における七不思議"ではないかと…」


麻子「しかも元ネタ的にやっぱりホラーじゃん…」ブルブルブルブル


華「それに、"減っている"のではなく"増えている"のですか?」


沙織「"減る"のがホラーなら、その逆になっていればホラーじゃなくなるんじゃないかなーって、テヘ♪」


麻子「どっちみち不気味なのは変わらないだろ…」ブルブルブルブルブル






みほ「でも今のは沙織さんが創った話だから……」


優花里「となると、最早七不思議でも何でも無い気がします」


沙織「むぅ、やーっぱ駄目かぁ」


麻子「無理矢理七不思議を捏造しようとするなし」


華「どうして急にこのような話を?」


沙織「…この間読んだ結婚雑誌に、"ミステリアスな雰囲気を纏えば男は放っておかない"って書いてあったから」


麻子「やっぱりそっちの話か」


華「知識と雰囲気では趣が全く異なるのでは…」


優花里「でも、本当に"戦車が増えて"たら嬉しいですねえ」




優花里「ああ…どうせなら(その当時の)最新だったアレとかソレとかが大洗に配備されてくれれば…」ウットリ


みほ「確かに一両でも戦力が増えれば、数日後のエキシビジョンマッチの作戦も、もう少し楽になると思うけど」


華「知波単学園との合同作戦とはいえ、まだまだ大洗の車両数は少ないですからね」






優花里「武部殿!その七不思議はどのようにして行うのですか!!」


沙織「えっ?ええっとねぇ……」




華「…創作に対して手順とかあるのでしょうか?」


麻子「コックリさんとかと勘違いしてないか…ていうか、もう何でもアリだな」




沙織「た、例えばだけど、1両……2両……こうやって戦車をゆっくり数えて行けば……3両……4両……」

沙織「すると最後に、見た事も無い戦車がそこにある…っていうのは、どうかな?」



みほ「"どうかな?"って言われても…」


麻子「私達が七不思議を作る側に回ってどーすんだ」




優花里「1両……2両……3両……」





麻子「しかも真に受けてるし」








優花里「4両……5両……6両……」





沙織「まあ数えるだけなら無料(タダ)だし、麻子もやってみれば?」


麻子「阿呆らし、どう考えたって無駄骨だろうこんなの」




優花里「7両……8両……」




麻子「だいたい、数えるだけで戦車が増えるなら幾らでも――(あれ?)――?」




優花里「…………」







沙織「ゆかりん?どしたの固まっちゃて??」


華「何やら驚いている様子ですけど……」


麻子「…………?」


みほ「秋山さん……?」





優花里「……」






優花里「……あり、ます」







みほ「えっ……?」










―――戦車、増えてます。







秋山優花里が車庫で発見した新しい戦車。


この戦車の正体は、一体何なのか?





大洗が保持している戦車の数は、





―――あんこうチーム。


『ドイツ製:IV号戦車』





―――カメさんチーム。


『ドイツ製:ヘッツァー』





―――アヒルさんチーム。


『日本製:八九式甲型中戦車』





―――カバさんチーム。


『ドイツ製:III号突撃砲』









―――ウサギさんチーム。


『アメリカ製:M3中戦車リー』





―――カモさんチーム。


『フランス製:ルノーB1bis』





―――レオポンさんチーム。


『ドイツ製:ポルシェティーガー』





―――アリクイさんチーム。


『日本製:三式中戦車』





以上の、計8両。





沙織「……う~ん、何度数えても全部あるねぇ」


華「いつの間にここに運ばれたんでしょう?昨日までは空車でしたのに」




みほ&優花里「「…………、」」




沙織「……あれ?みぽりんゆかりん、二人ともどうしちゃったの?急に黙っちゃって」




みほ「う、うん……」

優花里「何と言えばいいのやら……」




華「まさか本当に沙織さんの言う通りになるなんて、驚きました」

沙織「へへーん♪……ってこれ喜んでいいのかな?」




優花里「それも、あるんですけど……」

みほ「それよりも、こう……」




沙織「……ほんとどうしたの二人とも、やけに歯切れ悪いじゃん」


華「そういえば、この戦車は何と言う戦車なんでしょう?」





優花里&みほ「「…………、」」






華「???」

沙織「……あれ?どうしたの??ゆかりんらしく無いじゃん」

沙織「いつもならここで、"お答えしましょう!この戦車はいついつどこで造られて~!!"って説明が入るのに」




優花里「そ、そうですねぇ……」


沙織「もしかして、解らないとか?」






優花里「失敬な!この不肖秋山優花里!!戦車の事で解らない事なんてありませんよ!!!」







優花里「いいでしょう、お答えします!私達の目の前にあるこの戦車は―――、」










―――当時アメリカからは「キング・タイガー」、イギリスからは「ロイヤル・タイガー」の異名を以って畏れられ。


―――その強大な装甲と、弾丸の超々射程は他の追随を許さなかったドイツ軍の重戦車。






―――通称、「ティーガーII」!!!    ババァーン!!




















―――の、ような"何か"です……。      ポクチーン









華「……"のような何か"?」


優花里「……"のような何か"、です……」





沙織「何だかすっごい歯切れ悪いんだけど…じゃ、これティーガーじゃないの?」


みほ「えっと、砲塔の形や全体的なフォルムはティーガーII…VI号戦車なんだけど」


華「そういえば、決勝で戦った黒森峰もVI号は使ってましたね」


沙織「ん~……ねぇ、ゆかりん」


優花里「何でしょう、武部殿」


沙織「このティーガーって、以前見た時とちょっと違って見えるんだけど……」



沙織「砲塔の左下に、"もう一つ砲身があるように見える"んだけど、これって何??」


優花里「…………砲身なんじゃないでしょうか?」


沙織「へ~、ティーガーってそんなタイプもあるんだ」


優花里「…………いえ、少なくともティーガーでそういった車両は、大戦中確認出来ては無いかと」




みほ「そもそも砲塔の傍ならともかく、"前面装甲にめり込むよう"に着けられてる意味あるのかな……」


華「主砲より長いように見えるのですけれど……ああすると射程が延びるのでしょうか?」




優花里「…………そんな仕様は聞いた事もありません」

みほ「一応、多砲塔仕様の"M15A"って戦車があるにはあったけど……」




沙織「じゃーさ、砲塔の件は一先ず置いといて……"あれ"何?」

沙織「あの、乗車口に付いてる"Uの字型"の機械(?)」



優花里「……………………、」

みほ「………………………、」



華「機関砲じゃないでしょうか?取っ手見たいな部分や取り回せるような回転具もあるようですし」


沙織「あっ、なーるほど!それで乗り込む人を援護するのか~。こう、ババババババババッ!って」

沙織「……あれ?でも砲身(?)が斜め上になってるんだけど」







華「それでは対空機銃でしょうか?」


沙織「な~る!戦車に航空機って天敵だもんね!これで空から攻められても安心だ!」

沙織「……あれ?でも機銃なのに弾を入れる所が無いみたいだけど?」




華「……なら、フェイクオプション……"そういったものがある"と見せかける為の偽装でしょうか?」


沙織「なるほど、なるほど!敵を欺くためには何とやらだね!」

沙織「……で、そんなもん着ける意味ってあんの?」


華「……さあ、わたくしからは何とも」


沙織「それもそっか……お~い、ゆかりん解説ヨロシク~!」



優花里「………………、」

みほ「…………………、」






沙織「???どしたのゆかりん、解説待ってるんだけど??」



優花里「………………、」



沙織「ささ、神様仏様優花里大明神様。この無知なる私等めにばばーんと知恵を授けてくだされ」ハハーッ


華「実はわたくしも、少し気になる点があるのですけれど」

華「あの、砲塔の上に何やら"カバーめいた部分"があるんですけど、あれは一体?」



優花里「…………アメリカの"M36"に似たような装甲があったと記憶してます」



沙織「へっ?でもこれティーガーなんだよね??ゆかりんそう言ったじゃん」



優花里「そうです」



沙織「じゃ、この戦車ってアメリカさんとの合いの子なワケ?」


華「当時はアメリカとドイツは敵同士の筈では?」


沙織「あ、そっかあ……」

沙織「じゃ、アメリカに奪われて改造されたティーガー?」


華「(そんな車両、記録に無かったと思うのですけれど…)」









優花里「………………………………………………、」





優花里「……………………う、」






優花里「ううう…………、」







優花里「うううううううう………………!」






沙織「?」


華「秋山さん……?」
















優花里「う、う、う、………………うわああああああああああああああん!!!!」













みほ「あ、秋山さん!?」

沙織「ど、どうしたのゆかりん???」

華「???」オロオロ








優花里「わ、わ、私にだって解らない事ぐらいありますううううううううう!」キバヤシー










優花里「何なんですかこの戦車わあああああ!」

優花里「どうしてティーガーIIの完成されたフォルムに余計なモノばかり引っ付いてるんですかあああああ!?」

優花里「というか前面装甲に出っ張ったリベットがあるのは何故!?"四式戦車"じゃあるまいしいいいいい!!」

優花里「砲塔だって何ですかこれ!物干し竿か何かですか!!こんなん絶対自重で折れるヤツじゃないですか!!??」







優花里「WWIIのロマン兵器は寛容というか、寧ろどんとこいな私でも、これは到底許容出来ません!」







優花里「悪趣味にも程があります!!!!というか何の為に設計されたのか全く以って皆目解りません!!!!解りたくもありません!!!!」









沙織「そ、そうなんだ……(汗)」


華「確かに、色々とバランスの悪さが目立つ戦車だとは感じておりましたが」


みほ「(お姉ちゃんやエリカさんが見たらどう思うんだろうなあ、この戦車)」






沙織「で、結局この戦車君がどこの何者であるのか全く解らないに等しいんだけど」

沙織「麻子はどう思う?―――ってあれ?」





麻子「―――――――――、」ポクチーン





みほ「ま、麻子さん!固まっちゃってる!?」

華「どうりで先程から静かだと……」

沙織「七不思議の話通りに戦車が出て来たとはいえ……驚きすぎじゃない?」




麻子「――――――、」

麻子「―――はっ!」ビクーン



沙織「あ、復活した」



麻子「ふぅ、あぶないあぶない。危うく気絶しかけたぞ」

麻子「しかしもう平気だ。この程度で私を驚かそうだなんて十年早いな」



沙織「(実際固まってたじゃん)」



麻子「―――"幽霊の、正体見たり枯れ尾花"―――」



華「有名な故事ですね」

沙織「いや、幽霊じゃなくて戦車なんだけど」





麻子「どうせ生徒会長辺りが優勝記念という事でどこからから引き払ってきたんだろう?」

麻子「どうだこの推理、所詮七不思議といってもわたしにかかればこの程度だ」フフーン


沙織「や、麻子じゃなくっても解るよそれ」

華「いかにもにぎやかし好きな生徒会長らしいですものね」


麻子「……なーんだ、ちぇっ」


みほ「でも、本当だとしたら生徒会長に後で御礼をしにいかないと」


優花里「えぐっ……えぐっ……そ、そうですね……ぐすっ」




沙織「(まだ泣いてるよ……)」

華「(よっぽど答えに詰まったのが悔しかったんでしょうね)」














杏「―――お~っす、諸君!干し芋食べてるか~い!!」モグモグ











みほ「あ、会長」

麻子「噂をすれば影」

華「では早速お礼を―――、」



優花里「―――かいちょおおおおおおおおおおおおっ!!!」ダッシュ




沙織「おおっ、ゆかりんが行った」



杏「―――えっ?なに、何???急にどうしたんだよ?怖いよ顔が」



優花里「なんだじゃないです!戦車です戦"車"ぁ!!あれは一体何なんですかあ!」



杏「へ?戦車??」



優花里「あんな悪趣味な車両、幾ら戦力になると言って―――モガガッ!?」

沙織「―――はーい、ゆかりんちょっと落ち着こうねぇ~」ガッシ




杏「???」ホシイモモグモグ






みほ「あの、車庫に戦車が一両増えてまして。それで私達会長にお礼をと―――」



杏「…………へー、戦車が増えてる…………?」

杏「それで?何で私にお礼になるのさ??」モグモゴ



みほ「―――えっ?」

華「あの、車庫の戦車は会長が持って来られたんじゃないんですか??」



杏「…………、んんー」ジーッ

杏「うっわ、何アレ?ごっつい戦車だねー」ケラケラ



沙織「会長、ご存知無いんですか?」


杏「知らなーい。少なくとも生徒会にはあんなのの譲渡書類は来て無いと思うけどなー」アーン



麻子「…………、」

華「何やら、雲行きが怪しくなってきましたけど……」


麻子「……ふん、怪しいのは他にも居る。例えば桃先輩や柚先輩……」








そう、冷泉麻子は判断を下した。





だが。






桃:―――何だこの戦車は?誰がこんなものを持ち込んだんだ!?






更に。






柚:―――幾らかいちょ……生徒会でも黙って戦車を運び込むメリットは無いと思うけど……






麻子の推理は悉く否定された。







杏「……っつーわけで、あたしらはノータッチ。残念(?)でした~」ヒラヒラ



麻子「……………………………………、」


沙織「名探偵殿、何か反論は?」


麻子「まだだ……!」

麻子「そう、ここ大洗は数十年前まで戦車道をやっていた」

麻子「ならばこの戦車は先達車両と同じように、廃棄されたスクラップを直して持ち込んだんだ……多分、きっと」


華「直したって、何方がでしょう?」


麻子「そんなん決まってるだろ……"奴等"だ」






だが。






















レオポンさんチーム一同「「「「 し ー ら な い (よ)(な)(ね)(ぞ) ! ! ! ! 」」」」

















ナカジマ「そりゃあ、車の修理といえば私達だろうけど」

スズキ「無断で車庫に車両を置き去りになんてしないよ?」

ホシノ「そんなのは車に対する愛が足りないね」

ツチヤ「少なくとも、西住隊長には見つけた時点で報告するよ?」





麻子「………………ごもっとも」






続いて。

















カバさんチーム一同「「「「 知 ら (んな)(ないな)(ないぞ)(ないぜよ)! ! ! ! 」」」」














カエサル「ふむ、"車庫に突然現れた戦車"か。大変興味深いが……」

エルヴィン「まるで大戦末期の"フーファイター"だな」

左衛門佐「いやいや、ここは豊臣秀吉の"一夜城"では?」

おりょう「桂小五郎の変装……は全く意味が違うぜよ」



カエサル「いやいやいやここは―――"トロヤの木馬"でどうだ?」





三人「「「―――そ れ だ ! ! !」」」





麻子「……………………、」

麻子「ども失礼しました……」スゴスゴ





その後も。








アヒルさんチーム「「「「知りませ~ん!!!!」」」」






ウサギさんチーム「「「「「「解りませ~ん!!!!!!」」」」」」






アリクイさんチーム「「「違いま~す(にゃー)(もも)(ぴよ)!!!」」」








麻子「うう……どこもかしこも空振りばかり……」

麻子「………………ん?」





そど子「……あら、冷泉さんどうしたの?今日はいつもより輪をかけて顔色が悪いじゃない」



麻子「……………………、」ジッ



そど子「な、何よ?気持ち悪いわね……」



麻子「………………、」

麻子「(そど子(こいつ)だけは絶対ないな)」キッパリ


麻子「なんでもない、仕事がんばれよそど子」ムフー


そど子「ちょっと!何で今鼻で笑ったのよ!?何、言いたい事があるならはっきり言いなさいよ!!」


麻子「"糠に釘"、"暖簾に腕押し"、"犬に論語"……」スタスタ


そど子「ムキー!!何だか物凄く腹が立つ!!ちょっと待ちなさいよ!!!」




―――ギャー!ギャー!ギャー!

―――ワー!ワー!ワー!

―――ガー!ガー!ガー!




…………。







麻子「…………結局、収穫らしい収穫はゼロだった」ガックシ


沙織「お疲れさん、名探偵殿」ナデナデ


華「でも、そうなると……」


みほ「結局……」






ティーガーII(?)「……………………………………、」デデーン






優花里「この正体不明のティーガーIIモドキの運用をどうするかでーすーねー」グダー




沙織「ゆかりん、いい加減立ち直ろうよ……」


優花里「へっ、いいんですよどうせ私なんて型に沿った解説しか出来ないエセ戦車フリークなんです」スネスネ


麻子「相当こじらせてる……」







エルヴィン「ううむ……これは中々……独特な……」

カエサル「形容する言葉が見つからんな……」

おりょう「左側の砲塔がまるで槍みたいぜよ……三吉慎蔵?」

左衛門佐「そっちよりも"槍"と言えば、蜻蛉切の本田忠勝じゃないか?」



三人「「「―――おお、それだ!!!」」」





あけび「あんなに長い"手"だとすぐオーバーネットになりそう……」

典子「でもブロック要員としてはとても重要な要素だと思う」

忍「となるとポジションはセンター?」

妙子「そもそも戦車はバレーをしないんじゃ……」








ねこにゃー「どう思うにゃー?」

ももがー「……一言で言うのなら」

ぴよたん「何ぴよ?」



ももがー「……ゲームの中ボスが乗って来そうな感じ?」


二人「「……おお!なるほど(にゃー)(ぴよ)!!」」




そど子「何あれ!?車両への不当な改造は校則違反よ!!」

ゴモヨ「でも戦車だから校則に当てはまるのかな……?」

パゾ美「……意外とイカすかも」


そど子「―――ッ!」ギロ

パゾ美「ナンデモナイデス……」





優季「おっきいねー」

桂利奈「ながーい」

あゆみ「でもちょっとケバくない?」

あや「だよねー、スマートじゃないって言うか」

梓「天下のティーガーもこれじゃあね」



梓「………………ん?」







紗希「…………………………、」




ティーガーII(?)「…………………………………………、」




紗希「………………………………、」





ティーガーII(?)「……………………………………、」


ティーガーII(?)「………………、」








ティーガーII(?)「………………――――――、」ガタッ








紗希「……………………!」






梓「紗希、どうしたの?」



紗希「………………、」







紗希「―――"うごいた"」






梓「―――え?」

梓「動いたって、何?」






紗希「―――、"せんしゃ"」





梓「戦車ぁ?」クルッ


















ティーガーII(?)「………………………………、」シーン














梓「ちょっと紗希、幾らなんでもエンジンも入れてない戦車が動くわけないじゃない。もう」


紗希「…………………………、」ボーッ


梓「……………………、」


梓「(まさか、よね?)」クルッ








ティーガーII(?)「………………………………、」









杏「おっし!これで大洗戦車道部一同揃ったね!そんじゃあ本日のミーティングを始めちゃうよ~!」

杏「河嶋、後宜しくぅ!」



桃「承知しました!……ゴホン。今日の議題は他でもない、我が校の倉庫に放置されたこの戦車についてだが……」


桃「協議(?)の結果、来たる聖グロリアーナ、プラウダ連合のエキシビジョンマッチに投入する事に決定した!」








―――おおおおおおおおおおーっ!


―――どよどよどよどよどよ……!








華「あ、あのぅ。決まった事について横槍を入れるつもりはないのですが……」オズオズ


桃「何だ、五十鈴?」


沙織「大丈夫なんですか?その……見るからに怪しいのに」


杏「別にだいじょうぶっしょ?見た目だって……多少目を瞑ればきれーなもんじゃん」モグモグ


桃「無論、自動車部を中心として入念なレストアとチェックは欠かさないつもりだ」




ナカジマ「って事はウチらの出番っ!」

スズキ「ティーガーはポルシェで慣れてるから大体のコツは掴んでるよ!」

ホシノ「まあ、何から何まで同じってわけじゃないだろうけど」

ツチヤ「そこは車に対する技術と愛情でカバー!」




杏「というワケ、折角の戦力なんだから精々使っちゃり使っちゃり」


麻子「……もし、落とし主(?)が出てきたら?」


杏「そん時ゃあたしが直々に出て行って交渉しちゃる!ってか返さん!!」


柚「会長、本音が出てます……」


杏「ほんじゃ自動車部、後ヨロシクねー」





ナカジマ「任されました!」

スズキ「まずはどっからいじろうか?」

ホシノ「エンジンがいいんじゃない?」

ツチヤ「じゃ、取り合えず車内に入ってみる?」





ティーガーII(?)「…………―――、」




ツチヤ「ええと、入り口はここか。……何か肌(?)触りがやけに新品っぽいな。どれどれ……」グイッ




――――――、
















―――  サ  ワ  ル  ナ  …  …  !















ツチヤ「―――!」ビクッ

ツチヤ「今、誰か何か言った?」


スズキ「ううん」フルフル


ホシノ「金属が擦れた音じゃない?」


ナカジマ「長くなりそうだし、早い所取り掛かろうよ」



ツチヤ「う、うん……?」



―――ガチャリ……!



ツチヤ「さてさて内装は……うわ、何これ?」


スズキ「どったのー??」


ツチヤ「戦車の中だから、もうちょっとゴツゴツしたのを想像してたんだけど……」

ツチヤ「何かやけに"サイケデリック"って言うか……」

ツチヤ「これ、何のパーツだろ?見た事ないなあ……」ガチャガチャ




ティーガーII(?)「……………………、」


ティーガーII(?)「…………………………ッ」ガタン




ホシノ「何かやけに車体揺れてない?」

スズキ「そんなに入りにくい構造なのかな??6人乗りの戦車なのに」

ナカジマ「取り合えず、エンジン掛かるかどうか試してみればー?」






ツチヤ「オッケー!ええっと……イグニッション、イグニッション……あ、これだな」


―――ガチッ!


ツチヤ「…………あれ?起動しない?」


―――ガチッ!ガチッ!!ガチン!!!




ティーガーII(?)「………………、、、、」


ティーガーII(?)「……ッ……ッ……ッッッ」ブルブルブル



―――ガチッ!ガチガチッ!!!



ツチヤ「だ~めだ、ウンともスンとも言わないや」ヒョコッ



ナカジマ「……となると、やっぱりエンジン周りかな?」

スズキ「そうみたい、じゃエンジン開けて取り合えず弄ってみよっか」

ホシノ「それじゃあ、工具持ってくるね」

ツチヤ「あたしも行くよ、何かあの中目がチカチカして……」




―――ワイワイ、ワイワイ……!










ティーガーII(?)「…………………………、」








――――――、










――― 冗 談 じ ゃ 無 え … … ! !











―――イィィィィィィィ……!




ホシノ「??何の音……?」


スズキ「後ろの方から聞こえて来るような……?」





桃「……ん?…………、」


桃「――――――! ! ! ? ? ?」ガタッ



桃「おい、お前達!!逃げろ!!!!」





ツチヤ&ナカジマ「「―――はい?」」




―――イィィィィィィィィィィィ……!!







ホシノ&スズキ「「…………!!!???」」
















桃「―――砲塔が  動  い  て  る  ぞ !!!!」















ツチヤ「はは、そんな馬鹿な」

ナカジマ「だって誰も乗って無いの……に?」クルッ





―――イィィィィィィィ………… ガ ゴ ン !!






ティーガーII(?)「………………………………、」キラン!






自動車部「「「「 ! ! ! ! ? ? ? ? 」」」」







桃「ッ―――伏せろおおおおおおおおおおおおおおおおッッ!!!!」

















―――ズ    ド  オ ォ ォ  ォ ォ  ォ ン  ン  ン … …  !!!! 



















無人の筈のティーガーから発射された砲弾。







果たして、大洗戦車道部一同の運命は!







どうも>>1です。
徹夜で書いて体力が残り少ないので今宵はここまでにいたしとうございます。

さて、このティーガーIIの正体とは一体何なのか!
いや、勿体つけるつもりは無いんですけど予想以上に長くなってしまったので。

ただ一言だけ付け加えるなら
「ティガーII自体は正体云々に"関係ありません"」というかこれで当てられたら凄いや尊敬します。
パンティあげちゃう!って程に。
ただ正体に関するヒントは随所にあるんで解る人には解ってしまう……かも。

それではこれにて、全車前進!!

少しばかり追記させて頂きます。
何か出て来たティーガーIIのフォルムが解り難かったと思うんでちょっと噛み砕かせて頂きますと、

1:基本的な「形」はティーガーII。
2:それに何故か主砲以外の「砲身(主砲より長い)が装甲前面の左下」に。
3:更に正体不明の「機関砲っぽい武装?(しかしカートリッジ無し)」が乗車口近くに。
4:ティーガーっぽくないリベット打ちっ放しの装甲版(日本製4式っぽい?)。
5:乗車口にM36っぽい追加装甲。

こいつぁステキだ、どんなキメラだ。
そら秋山殿も発狂しますわ。

それでは本当にオヤスミナサイ……夜勤まで寝ます。

>>1です。
ちょっと遅くなりまして、申し訳ありません。
続きです。




―――…………。



………………。






―――ゲホッ!



―――ゲホッ!ゲホッ!






―――ゲホゲホっゲホン!








沙織「ケホッ、痛たたたたたた!やだもー!お尻擦り剥いた~!!」



華「ゴホッ……み、皆さんご無事ですか?」



麻子「……なんとかな」グデー



優花里「に、西住殿は……?」



みほ「わ、私は平気。それよりも他の皆は……!?」








エルヴィン「……ぼ、帽子が吹き飛んでしまった……けほっ」

カエサル「嗚呼……マントか擦り切れてボロボロだ……」

左衛門佐「ろ、六文銭を危うく渡しかけたぞ……」

おりょう「中岡……わしゃあ脳をやられちゅう、もう駄目ぜよ……」




典子「ば、バレー部総員点呼ぉー!!」

忍「5!!」

あけび「6……ッ!」

妙子「3です……!けほっ」







杏「なんだぁ……目の前で干し芋が乱舞してるぞぉ~あはは~」

柚「会長、しっかりしてください!」


桃「し、死んだ……死んだぞ私……ガクッ」

柚「桃ちゃん!かすり傷だから平気だよぉ!!」




ねこにゃー「ぴよたん、ももがー……生きてますかにゃー……?」

ももがー「無事だと思いますもも……けほん……」

ぴよたん「コンティニューにはまだ早いぴよ……」



そど子「……もう!拾った車両なんか使おうとするからきっとバチが当たったんだわ!!!」ゲホゲホ

ゴモヨ「ちゃんと交番に届け出るべきだったのかも……」

パゾ美「モクモクモクモクモク……(口から煙を吐いている)」







梓「…………な、何が起こったの……?」キーン




優季「耳がー!」

あゆみ「お気に入りの携帯に皹がー!」

あや「新調した眼鏡がー!」

桂利奈「突き指したー!」ウワーン



紗希「……………………、」ケホッ







梓「さ、紗希……だいじょぶ……?」



紗希「…………――――――、」ボソッ


梓「え?何??ちょっと衝撃で耳が良く……」


紗希「―――"せんしゃ"」


梓「……"戦車"ぁ?戦車なんて今はどうだって……!」


紗希「―――"きえちゃった"」




梓「―――えっ?」


梓「―――!?」バッ






ティーガーから発射された砲弾は、幸いにも誰かに直撃はせず。


しかし。


地面に着弾した衝撃で巻き起こる煙が視界を塞ぎ、一寸先も見えぬ有様だった。


そして。


漸く煙が晴れた、そこには―――。





梓「あ、あ、あ、……」










―――ああああああああああああーっ!?







真っ先に叫び声を上げたのは、直ぐ傍に居た自動車部一同であった。






ナカジマ「―――"無い"」



ホシノ「―――"無くなってる"」



スズキ「―――"どうして"?」



ツチヤ「―――"何で"!?」




















―――  戦  車  が  無  い  !  !  !  !


















先ほどまで、車庫に鎮座していた正体不明のティーガーII。






その姿が、忽然と消え去ってしまっていたのである。








桃「……おい、これは一体どういう事だ!?何で戦車が消える!?」

桃「というかそもそも、どうして主砲が暴発したんだ!!」


ナカジマ「し、知りません!」

ツチヤ「確かに戦車は無人でした!」


桃「だったら砲塔は誰が動かしたんだ、ええ!?」


ホシノ「だから解りません!」

スズキ「でも、砲塔もそうだけど……」





―――戦車は誰が動かし……ううん、"どうやって隠した"の?







桃「?」



スズキ「見てくださいよ、床……もとい、ティーガーがあった"周辺の地面"を!」


桃「それがどうした!」


みほ「……"履帯跡"……」



桃「???」


沙織「ねえ、こんなとこで戦車動かしたら……」


華「確実に足跡……いえ、"履帯の跡"が残る筈です」


優花里「だのに、周辺には履帯跡どころか……」

優花里「ツチヤ殿の足跡以外、"一切の痕跡がありませんよ"!?」


桃「馬鹿を言え!それじゃ何か、戦車に羽が生えて飛んで行ったとでも言うのかお前は!!」


杏「……河嶋、考察としては面白いぞー」

杏「だけど戦車の砲弾が勝手に発射された答えになってない」

杏「しかもただの暴発じゃない、明確に砲身を動かしての"射撃"だ」


桃「……あ、それは、いや、でも」


柚「……それじゃあ、まるで」






紗希「―――"おばけ"」ボソッ









――――――、










「「「「「…………、………………、……………………」」」」」 シーン











桃「…………は、ははは……」

桃「何だと?"戦車のお化け"?今は8月(真夏)とはいえ戦車の幽霊が出るとは初耳だぞ私は、はははー……」


柚「桃ちゃん、顔が引きつってるよ……」


桃「やかましいっ!!!大体お化けだというなら前提がおかしいぞ!?」

桃「お化けが触れられるか!実弾を発射するか!!」


梓「でも実際、消えて―――」


桃「うるさいうるさい!!信じないぞ私は!!」



ナカジマ「そういえば整備中に戦車が不自然に動いてたような……」

ホシノ「やっぱりあの振動……機械によるものじゃなくってもっと別の……」



桃「うるさいと言っとるだろう!!??そうだ、きっとこれは集団幻覚!」

桃「何が何でもエキシビジョンマッチに勝たねばという妄念が創りだした幻影に過ぎないんだ!!」

桃「そうじゃなかったら―――」


杏「うーん……やっぱモノホンかもね……」ボソリ


桃「うぎゃあああああああああっ!!??」





麻子「―――、―――、」


沙織「な、なんか凄い事になってきちゃったんだけど……ねぇ麻子」

沙織「……?麻子??」



麻子「―――、―――、」



麻子「ふぅ――――――っ」グラ



華「ま、麻子さん!?」


沙織「うげっ!?白目向いちゃってるし!ちょっと、しっかりしてよ麻子!?」


優花里「と、とにかく医務室に運びましょう!衛生兵ー!!」


みほ「部活で使う湿布材があるから、兎に角それを頭に当てよう!」


優花里「持って来ます!」ダット





みほ「―――、」

みほ「―――?」クルッ




紗希「……………………、」ジッ



みほ「丸山、さん?」



紗希「……………………、」



―――スッ。



みほ「え、何?何かあるの??」



紗希「………………………、」





丸山紗希が指差した先に視線を向ける。



すると。






みほ「(何だろう?)」


みほ「(ティーガーIIがあった辺り…?)」



紗希「……………………、」



みほ「(最初は土埃で良く見えてなかったけど何か、ある…)」


みほ「(凹んだ様な"窪み"が一定の感覚で続いて……)」


みほ「(窪みを辿った先は……"車庫の入口"?)」


みほ「(でも、何だろうコレ?戦車の履帯じゃない、もっと別の……)」




紗希「―――"あしあと"」


みほ「―――えっ?」




みほ「("足跡"?今、丸山さんそう言ったの?)」



みほ「(足跡って何の?人間……じゃない、それよりももっとずっと……)」







梓「―――もう、紗希ったら!すみません西住隊長……ほら、私達も車庫の片付け手伝おうよ」グイッ


紗希「……………………、」コクリ


みほ「あ、うん。邪魔してごめんなさい……それじゃあ」


みほ「…………、」


みほ「(足跡?……戦車の、足跡??)」


みほ「まさか……」








―――まさか、ね。






『大洗学園艦・公道』






キュラキュラキュラキュラキュラ……!











ティーガーII(?)「……………………、」キュラキュラキュラ……









大洗学園生徒A「……あら?あれって戦車?」


大洗学園生徒B「でもあんなタイプ見た事無いよ?戦車道部が新しく持って来たのかな?」


大洗学園生徒C「たった一両で何処に行くんだろう?」


大洗学園生徒D「そりゃ、裏山で練習でもするんじゃない?」


大洗学園生徒C「一両だけで?」


大洗学園生徒D「誰かに見られたりするのが恥ずかしいんじゃない?」


大洗学園生徒A「…………、」


大洗学園生徒B「さ、戦車道部は戦車道部、私達は私達で頑張りましょう」

大洗学園生徒B「A~!何やってんの!?置いてくよ~?」


大洗学園生徒A「……あっ、待ってよ~!置いてかないで~!!」

大洗学園生徒A「(でも、一両で練習するにしたって……)」







大洗学園生徒A「(―――この先、艦の縁で行き止まりなのに?―――)」








……キュラキュラキュラ……!






ティーガーII(?)「…………、………………、」







―――ザ、ザザザ―――!―――ブツン―――!









―――"俺だ"。


―――ああ、偵察は失敗だ。これからそっちに合流する。


―――オイ……笑うんじゃねえ。どだいこの俺に偵察なんぞやらせる方が問題なんだろうが。


―――ああ、俺の面までは割れてねえ。"作戦"に支障は欠片も無い。


―――そういうてめえらはどうなんだ?


―――……あん?


―――"ぼるしち"?"こうちゃ"?の匂いがキツいだ?


―――知らねえよ。目的のブツを手に入れるまでだ、我慢しやがれ。


―――兎に角、作戦の遂行まではまだ時間がある。


―――精々気取られないよう注意するこったな。


―――我等が"戦術家様"にもそう伝えといてくれや。



―――じゃあな。









ザザザ……―――ザザ―――ブツン!






ティーガーII(?)「……………………、」





キュラキュラキュラ……!


キュラキュラキュラ……!


キュラキュラ…………、


…………!




そして。




学園艦の縁にまで到達したティーガーは。




身を投げるようにして。




海中に没した。










大洗を襲ったこの事件から数日後。







さあ。








いよいよエキシビジョンマッチの日が到来だ!








>>1です。今回はここまでにいたしとうございまする。

時系列的には「劇場版開始前~開始後」くらいの時間帯となってます。

しかし、戦車が勝手に動いて忽然と消えるってのは中々のホラーになりますな。

次回はいよいよグロリアーナ&プラウダVS知波端&大洗のエキシビジョンマッチから、物語は始まります。

それでは、全車前進!

色々指摘していただきありがとうございます。

>>戦車道「部」
恥ずかしいですばい…ロクに推古しないからこんな事になるとです…しかも2回。
脳内で「部」を外して下さると助かりますです、はい…。

>>テンポ悪い
余り開業が少ないと見辛いと思って思い切ってこうしましたんですが…
確かに仰る通りかもしれないです、スマセン!センセンシャル!!何でもはしないですが許して下さい…。

ただ、急に表現を変えるのもアレなので最後までおつきあい下さい。

次回の投稿は明日の夕方辺りを予定しております。それでは。

スイマセン、遅れた上思ったより短いのですが出来た分だけ投下させてイタダキマス。

「エキシビジョンマッチ会場」






ナレーター『(……ザザ……!)―――えー。本日は晴天なり、ただいまマイクのテスト中!本日は晴天なり、ただいまマイクのテスト中……』







ダージリン「……まさか、こんなに早く貴方がたと相対する事になるとは思いませんでしたわ」

ダージリン「今回は以前のように簡単にはいかなくてよ?」フフッ


カチューシャ「それはカチューシャ達だって同じよ!」

カチューシャ「今度こそ完膚無きまでにギッタンギッタンにしてプラウダの恐ろしさを骨身に刻んで貰うんだからね、ミホーシャ!」


ノンナ「……宜しくお願いします」



みほ「宜しくお願いします。ダージリンさん、カチューシャさん、ノンナさん」ペコリ

みほ「だけど、私達も黙ってこの日を待ってた訳じゃありません」

みほ「みんなで力を合わせて、絶対に勝ってみせます」


ダージリン「ふふ、それでこそね」

ダージリン「……。それにしても―――」















桃(御札&御守り装備)「南無大慈大悲観世音菩薩様ぁ~!!はんにゃーはらみーたー!!どーまんせーまん!!……」ブツブツブツブツブツ













ダージリン「……変わったおまじない(?)ね」


みほ「……は、はい。ちょっと、戦車が……」


ダージリン「戦車?」


みほ「いえ、何でもありません……」


ダージリン「???」


みほ「(流石に"戦車のお化けに悩んでるんです"なんて言えないなあ……)」





カチューシャ「(何かしら、まさかここに来て大洗に新型でも配備されたとか……?)」ヒソヒソ

ノンナ「(あの様子ではその可能性は薄いと思いますが……)」ゴニョゴニョ

カチューシャ「(ま、何が来よーと軒並みプラウダ式戦術で蹴散らしてやるんだから♪)」ヒソヒソ

ノンナ「(……"新型"と言えば、我々も一応一車種増えてはおりますが)」ゴニョゴニョ

カチューシャ「(…あんな数合わせの為に持って来た欠陥兵器なんて数に入れなくていいの)」ヒソヒソ


カチューシャ「(大体、区分は"軽戦車"の筈なのに何なのよあの大きさ。カーベーたんとタメ張ってるじゃない)」

ノンナ「(ならば何故持って来たんですか)」

カチューシャ「(数で攻めるのがプラウダの流儀よ。見せ戦※でも相手の意表を突ければ十二分に役に立つわ)」


※見せ付けるだけの戦車、の略称。





カチューシャ「(それに、あそこに乗って食べるボルシチやピロシキの味は格別なんだから♪)」

カチューシャ「(カーベーたん程じゃないけど、遠くまで良く見えるし)」


ノンナ「(……それならば、KV-2でも味わえるのでは?)」


カチューシャ「(嫌よ、そんな事したら折角のカーベーたんの装甲が汚れちゃうじゃない)」


ノンナ「………………、」



クラーラ『それにしても、我々の学園艦にあのようなものがあったとは驚きです』※ロシア語

ノンナ『そうですね、クラーラ』※ロシア語

ノンナ「(ただ、学園に譲渡された際の書類が一枚も無いのが妙ですが……)」


カチューシャ「貴方達!日本語で会話して貰えるかしら!?」


クラーラ『すみません、無作法お許しをカチューシャ様』※ロシア語



カチューシャ「………………、」






ローズヒップ「―――さあさあさあ!我が聖グロリアーナの精鋭たるセンチュリオン部隊の皆様、準備はよろしくて!?」





部隊員達「「「おおお~~~~~っっ!!!」」」





ローズヒップ「ふっふっふ、士気は十分のようですわね。結構、誠にもって結構ですことよ!」

ローズヒップ「速度を以って敵を制することこそわたくし達の本領」

ローズヒップ「例え相手がどんな高火力、重装甲を持っていようがセンチュリオンの高機動を以ってキリキリ舞させてあげますわ!」


ローズヒップ「わたくしこと聖グロ一の俊足、ローズヒップが駆る"1番機"に」

ローズヒップ「クランベリーの2番機、バニラの3番機、名無しの4番機を主軸として―――」メメタァ!

ローズヒップ「更にぃ!ダメ押しの 5 番 機 と来たら!もうこれは完璧という他表現がありませんわ!……、……」




ローズヒップ「……って、"5番機"?」クルッ







センチュリオンMK-III「…………………………、」ズーン





ローズヒップ「…………あらぁ???」

ローズヒップ「……センチュリオン隊の皆様?」



クランベリー「クランベリー、おりますわ」

バニラ「バニラもここに」

4番子「4番も全員いまーす」



ローズヒップ「そしてわたくしことローズヒップここに在り!」ビシッ

ローズヒップ「全員おりますわね?……はて??」




センチュリオンMK-III「…………………………、」








――――――、






―――――――……チッ。







"ピ   カ    ッッッ!!"




>>119->>121

>>119->>121
やりなおーし!!アホか俺は!何がセンチュリオンだ!!

>>119から修正。




ローズヒップ「―――さあさあさあ!我が聖グロリアーナの精鋭たるクルセイダー部隊の皆様、準備はよろしくて!?」




部隊員達「「「おおお~~~~~っっ!!!」」」




ローズヒップ「ふっふっふ、士気は十分のようですわね。結構、誠にもって結構ですことよ!」

ローズヒップ「速度を以って敵を制することこそわたくし達の本領」

ローズヒップ「例え相手がどんな高火力、重装甲を持っていようがクルセイダーの高機動を以ってキリキリ舞させてあげますわ!」


ローズヒップ「わたくしこと聖グロ一の俊足、ローズヒップが駆る"1番機"に」

ローズヒップ「クランベリーの2番機、バニラの3番機、名無しの4番機を主軸として―――」メメタァ!

ローズヒップ「更にぃ!ダメ押しの 5 番 機 と来たら!もうこれは完璧という他表現がありませんわ!……、……」




ローズヒップ「……って、"5番機"?」クルッ





クルセイダーMK-III「…………………………、」ズーン



ローズヒップ「…………あらぁ???」

ローズヒップ「……クルセイダー隊の皆様?」



クランベリー「クランベリー、おりますわ」

バニラ「バニラもここに」

4番子「4番も全員いまーす」



ローズヒップ「そしてわたくしことローズヒップここに在り!」ビシッ

ローズヒップ「全員おりますわね?……はて??」




クルセイダーMK-III「…………………………、」








――――――、






―――――――……チッ。








"ピ   カ    ッッッ!!"









ローズヒップ「ミッギャアアアアアアア!?目が!目があああああああ!?ですわあああああああ!!!」

ローズヒップ「な、何なんですの!?もう!!」

ローズヒップ「……あら?」



クルセイダーMK-III(が居た場所)「   」コツゼーン



ローズヒップ「…………、」

ローズヒップ「クルセイダー隊のry」



クランベリー「クランベリーry」

バニラ「バニラry」

4番子「4番ry」



ローズヒップ「そしてわたくしことローズry」ビシッ

ローズヒップ「…………、…………」


ローズヒップ「……気のせいですわね。さぁ、試合ですわ試合ですわ」






部員達「「「(えええええええええ~~~~~~~~~~~っっっ!!??)」」」








――――――、




――――――へっ。



―――("すぐ目の前"に居るってえのに気がつかねえたあな)



―――("この星"のレーダー技術もたかが知れてるってモンよ)



―――(まあいい、今は自重だ自重……)



―――……。



―――(しっかしこいつら……妙な匂いのする液体をあっちこっちで啜りやがってからに……)



―――(鼻がひん曲がりそうだぜ、まったく)





その後。



開会式が始まり、試合の運びは滞りなく進んで行く。



そして。







審判「―――それでは、これより聖グロリアーナ高校、プラウダ高校 対 知波端学園、大洗女子学園による親善試合を開始する!」

審判「両校代表、前へ!」




みほ「――――――、」

西「―――――――、」


ダージリン「―――、」

カチューシャ「――、」




審判「それでは―――一同、礼!!」





一同「「「「宜しくお願いします!!!!」」」」







さあ。




いよいよ戦いだ!



戦車の名前を間違えるという痛恨のミスをかました精神的ダメージが強すぎるので
今宵はここまでにいたしとうございまする。

何でクルセイダー→○ を センチュリオン→× と誤認してたんでしょう……。

すいませへぇぇん……カンベンしてくださぁぁぁい……。

あ、特に「」や―――が付かない台詞の声は大体CV政宗一成でお願いします。
別に隠していたわけではなかったんですが、いい加減モロバレしておりますので。

それではこれにて……。

ああ、センチュリオン……。

おっと クルセイダーをセンチュリオンと表記したアホがひとり登場~~~~どうも>>1です…。

相変わらず進んでおりませんが、本日分投下させてイタダキマス。

戦いは当初、大洗&知波端チームの優勢で進んでいたかに思えた。


だが。


知波端の無謀な突撃により、敵に付け入る隙を許してしまった上、敵フラッグ車にまんまと逃げられてしまう。


即座に撤退に移る大洗と知波端、対して追撃に打って出るグロリアーナとプラウダ。


決着は、容易には付かぬように思えた。


しかし。


グロリアーナと挟撃を行うべく、行進していたプラウダ戦車部隊の中で。


妙に突出する一個の戦車が居た。





カチューシャ「―――ちょっと!カチューシャより先行するなんてどういうつもり!?」





取り付けられた校章はプラウダ。


そしてその車種は。







クラーラ『前方で、何やら揉めているようですね』※ロシア語


ノンナ『アレは……』※ロシア語








T-60「……………………………………、」キュラキュラキュラ……!!








かつてのソ連が開発した軽戦車、T-60。


である筈なのだが。


驚くべきはその異様なまでの"大きさ"だった。


本来軽戦車であるこの戦車の全高は、精々4m弱。


しかしカチューシャの目の前をひた走るT-60の大きさは、





ニーナ「……あんれま、カチューシャ様アレ持って来てだんだべか?」

アリーナ「相変"わらずでっげー戦車だ、ウヂのKV-2とどっこいだべさ」

ニーナ「(T-60って軽戦車でねがっだっけが?)」



ニーナ「ま、大方"アレに乗ってボルシヂさ食べるつもりでいたんだべ」

アリーナ「まぁただか?……あんのちびっこ隊長にも困っだもんだべ」

ニーナ「この間なんがT-60(アレ)の上に盛大に溢しで……総出で掃除に借り出されだもんなぁ」

アリーナ「んだんだ、困"ったもんだべ」

ニーナ「だども…出"場車両登録はしてだみたいだけんど、試合で出すだなんで言ってたべが?」

アリーナ「……そ言えば聞いだごとねな」

ニーナ「なぁ、もいっこ疑問があんだけどさ」








―――T-60(アレ)、誰が動かしでんだ?









アリーナ「―――へ?」キョトン

ニーナ「プラウダは畑がら取れるぐれぇ人さ多いけんども試合さ出れる練度になっどるモンはそう多ぐね」

ニーナ「それに……」





T-60「………………………………、」ツーン


カチューシャ「―――!―――!!」ギャーギャー






ニーナ「―――あんな身勝手さやったら後で絶対に粛清だべ……」

アリーナ「うわあ……そったら想像したぐね……くわばらくわばら……」




そんな愚考、他では兎も角プラウダでは絶対に有り得ない。


有り得ないのだが。



同様の異変は聖グロリアーナでも起こっていた。





ダージリン「……あら?」




クルセイダーMk-III「……………………、」ブウォォォォォ!!




ダージリン「……ふぅ、通信機を貸して頂戴」


アッサム「どうぞ」サッ



―――ザザッ―――!



ダージリン「……ローズヒップ、こんな格言を知っているかしら?"焦りは過ちを増し、後悔は新しい後悔をつくる"」


オレンジペコ「ドイツの詩人、"ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ"ですね」

アッサム「(何故フルネーム?)」




ダージリン「急いては事を仕損じる。攻勢に出るのはもっと後、今すぐ隊を後方に下がらせなさい」






―――ザザッ―――!



ローズヒップ『あわわ……す、すみませんですわダージリン様……!』

ローズヒップ『……はら??』



ダージリン「……ローズヒップ、常日頃から言っているように返事一つ取っても聖グロリアーナの名を汚す事の無い様―――」


ローズヒップ『も、申し訳ありませんですわ!でも……』



ダージリン「???……ローズヒップ、報告はもう少し正確になさい」




ローズヒップ『は、はい!ええと……』


ローズヒップ『クルセイダー隊の皆様!』



クランベリー『ry』

バニラ『ry』

4番子『ry』



ローズヒップ『そしてわたくしことry』


ローズヒップ『ダージリン様、クルセイダー隊4両!確かに全車この場におりますですわ!』

ローズヒップ『繰り返します!クルセイダー隊全車確認、一人も欠けてはおりませんわ~!!』




ダージリン「――――――、」






―――なんですって……?



その頃。



T-60(?)「…………………………、」キュラキュラキュラ……!!



カチューシャ「ちょっと!そこのT-60!止まりなさい、止まりなさいっつってるでしょ!!!」

カチューシャ「止まらなかったら帰った後しゅくせーよ!!いつもの罰より倍以上なんだから!!」


カチューシャ「―――、―――、」フゥ、フゥ…




T-60(?)「………………………………、」ムシーン




カチューシャ「~~~~~~~~~~~ッッッッッ!!!」ワナワナワナ


カチューシャ「耳が氷柱で塞がってるの!?返事ぐらいしたらどう!?」


カチューシャ「この…………!!!








カチューシャ「――――――"で く の ぼ ー"!!!」







―――、―――、


―――ザ……ザザザ……!






T-60(?)『―――うるせえ!ぐだぐだ抜かすんじゃねえや、この―――』  











T-60(?)『――――――ク  ソ  チ  ビ   !  !  !』


 







―――ブツン―――!







―――ザザザ―――ザザー―――!






カチューシャ「――――――、」ポカーン


装填手「――――――、」ポカーン
通信手「――――――、」ポカーン
砲撃手「――――――、」ポカーン
操縦手「――――――、」ポカーン





カチューシャ「………………………………………………、」



カチューシャ「…………、………………、」



カチューシャ「…………、~~~~~~~~~~~~~~~~~ッッッッッッッッ―――!!!!!!」ギギギギギギギギギ!!


通信手「(あ、こらいげねな)」






カチューシャ「……砲手?」


砲撃手「は、はい"ぃぃぃっ!?」ビクゥ


カチューシャ「今すぐ、そこ、変わってちょうだい?」ニッコリ


砲撃手「が、変"われっで……なんばするとですかいね?」


カチューシャ「そーんなの、決まってるじゃない♪」ニッコニッコ







カチューシャ「―――今すぐあの○れ○○に砲弾ぶち込んで※#%&$@#%&$#$%(解読不能)!!!!!!」








操縦手「(う"っわあ……)」ドンビキ


通信手「か、カチューシャ様落ち着くべ!」ダキッ




カチューシャ「離せぇ!!離しなさいっての!!HA!NA!SE☆!!さもないと貴女からシベリア365日送りにしてやるわよ!!??」ジタバタ


通信手「そったらは嫌だけんどもここは堪えてつかんさいね!!」

砲撃手「んだ!そっただことしちまったら私"ら即退場だべさ!!」




カチューシャ「退場が怖くて隊長が務まるかあ!!いいから今すぐあの○○野郎を○○しちゃいなさい!!!!!」


通信手「カチューシャ様!年頃の乙女がそっただ下品な言葉遣いすたらいかんべさ!!」

砲撃手「おい、一回通信切"れ切"れ!審判団に聞かれたら事だべ!」







―――代わりなさい! ―――駄目だべ!

―――代われ! ―――嫌だべ!

―――ならこうしてやるわ! ―――ぎゃー!何するだー!!


―――おいノンナ副隊長を呼ぶんだべ早ぐ!!!





―――ギャー!ギャー!!ギャー!!!







操縦手「…………、…………、」

装填手「…………、…………、」





操縦手「……なあ」

装填手「……なんだべ?」


操縦手「……誰も突っ込まねえがら言うけんども」

装填手「……うん」


操縦手「明らがにあの通信おがしいっぺよ?」

装填手「"男の声"だったべさ……」


操縦手「どうするべ?誰かに言った方がいいんだべか?」

装填手「……、……」


装填手「ハッキリ言わせて貰うけんど」


装填手「意味不明な通信よりも、後ろでめっちゃ怒っでるカチューシャ様の方が遥かに恐ろしいべ……!」

操縦手「…………同感だべ」


装填手「ノンナ副隊長が来るまで私"ら無事で済むんだべか?」

操縦手「…………さぁ、わがんねな」







―――ああもう面倒くさああああああい!!貴女達全員シベリア送りにしてやるわああああああああああああ!!!










そんなやり取りも何処吹く風の二台の戦車。





正体不明のクルセイダーとT-60は、通常では有り得ないほどの速度で地面をひた走る。






そして。







玉田「おお、西殿!敵戦車が真っ直ぐこちらに突撃してくるであります!!」


西「……本当だ。しかし、凄いスピードだなぁ……」


池田「こうなったら我々も突撃して敵に先んじて攻撃するしかありますまい!」


西「……え"っ、し、しかしだな……」


玉田「先程は不名誉な撤退を選ばざるを得ませんでしたが、ここで再び突撃を慣行する事で知波端魂を取り戻す事こそ誉かと!!」


西「いや、でも、折角聖グロの反撃を掻い潜れたのにそれはどうなんだろうか……?」






玉田&池田「「うおおおおおーっ!!知波端の誇りにかけてええええーっ!!!」」


西「いや待て、話を……!?」





だが。




T-60「………………………………、」キュラキュラキュラ……!!


クルセイダーMk-III「……………、」キュラキュラキュラ……!!




―――スッ。




玉田「……あれ?」


池田「追い越してしまった……?」




と、思ったのも束の間!





―――ズド!ズドン!!!!





玉田「―――何ぃっ!?」―――パシュン!

池田「―――うわあああああああっ!?」―――パシュン!




擦れ違いざまの砲撃により、知波端の戦車二両は一撃で脱落する事に。


更に。




西「ああ、だから言わないこっちゃない……折角本編より出番が増えたのに……」メメタァ!!


西「―――って、こっちに向かってくる!?」





T-60「……………………………………、」キュラキュラキュラ……!!

クルセイダーMK-III「…………………、」キュラキュラキュラ……!!





西「こ、これはいけない……!」

西「操縦手!急いで突げ……じゃない!後た……じゃない!!」

西「後ろに向かって全速で前進!!敵を振り切るぞ!!」




だが。




T-60「……………………………………、」スチャ!

クルセイダーMk-III「…………………、」チャキッ!




―――ズドン!!




西「……へ?撃って来た?この距離で!?」

西「操縦手!右に避け……い、いや左……どっちだ!?」




二両の戦車から発射された弾丸は、空中で巧妙に交差すると。


ほぼ同時に九七式に襲い掛かった。






西「うおわあああああああああああああっ!?」


西「あ、あれ……ここで終わり?……本編ではもう少し活躍出来たのに……」


西「……む、無念……」―――パシュン!







T-60「……………………………………、」キュラキュラキュラ……!!

クルセイダーMK-III「…………………、」キュラキュラキュラ……!!









―――おい、今の見たかよ?




ああ、俺の弾が見事に敵にブッ刺さりやがったぜ―――。




―――あん?何言ってやがんだ俺の弾だよ。




なんだと―――?






福田「ああああ……!隊長達がやられてしまったのであります!!」


そど子「何よあれ!明らかにスピード違反じゃない!!校則違反よ!!!」


ナカジマ「凄いな。行進間射撃※にも関わらず、どれも一撃だ」


※戦車などにおいて、走行中に射撃をすること。
※移動中における砲撃の命中率はガクンと落ちます。
※その難易度は、ス○ロボにおいて精神無し攻撃をボスユニットに一回のチャンスで当てるモノだと思いねえ。




ナカジマ「しかしあのクルセイダーとT-60、いいスピードだぁ……ウチ(自動車部)に欲しいな……」


そど子「ちょっと!目の前で不穏当な発言は止めて貰えるかしら!?校則違は―――」


ホシノ「いや。校則違反だけじゃなくて、もっと突っ込み所あるでしょ」


ツチヤ「どー考えても軽戦車の速度と火力じゃないよね……チハとはいえ一撃だし」


そど子「……改造車両って事?」


パゾ美「……うぅ~ん、どうなのかしら」


ゴモヨ「余りおおっぴらにやりすぎると、校則違反所かレギュレーション違反で失格だし」


パゾ美「プラウダは兎も角として、聖グロがそれに気づいていないなんて事は……」







スズキ「……………………………………、」




ナカジマ「………ん?スズキ、どったの??」


スズキ「いや、"普通と違う戦車"って聞いてちょっと脳裏を過ぎったモノが……」


ホシノ「…………あー。"あの"ティーガーIIかー」ボソッ







レオポンさんチーム「「「「…………………………、」」」」シーン


カモさんチーム「「「……………………………………、」」」シーン




福田「????」





そど子「……ちょっと、嫌な事思い出させないでよ」


ホシノ「……………………ゴメン」


パゾ美「出場する前に盛り塩してきたんだけど、効果あるといいな……」


そど子「ちょっとパゾ美、幽霊だなんて非科学的なモノで怯えるのは冷泉さんだけで十分よ」


ゴモヨ「そういうそど子も、こっそり御守り持ってきてる癖に」


そど子「――――――ギロッ」


ゴモヨ「す、すんませんす……」




ナカジマ「ほーら、スズキの所為で変な空気になったー」


ホシノ「あはは……いや、ほんっとゴメン」


ナカジマ「大体、もう消えちゃった戦車でいつまでも思い悩んでたってしょうがないじゃん」



ナカジマ「寧ろ、そうやって噂してると本当に現れて―――」






―――!―――!!


―――!






ナカジマ「ん?……何だ??」


ツチヤ「どったのー?」


ナカジマ「解らない、通信機の向こうから声が……これは、カメさんチーム?」


スズキ「また桃さんなんじゃないの?大方敵と鉢合わせして……」


ホシノ「"もう駄目だよぅ、柚ちゃぁん!"って?」


スズキ「あはは!似てる似てる!」


ナカジマ「………………………………。」


ツチヤ「何て言ってるの?」


ナカジマ「いや、それがノイズが酷くて……おかしいなあ、整備は完璧の筈なのに」


ホシノ「電波が悪いんじゃないの?」

スズキ「それか敵さんが妨害してるとか」

ツチヤ「スパイ映画じゃあるまいし……大体通信妨害は規定違反だよ?」



ナカジマ「待って、断片的にだけど聞こえてくる。えっと……」





―――"前方"。

―――"車両"。

―――"突然"。




―――"ティーガー"……!?






ホシノ「――――――は?」
スズキ「――――――は?」
ツチヤ「――――――は?」





と。


その時だった!





ヒ ュ ウ ゥ ン ! ! !




空を切る音と同時に。 




何かが高速で大洗&知波端の車両と。



T-60&クルセイダーの間をすり抜けた。



そして。





プラウダ戦車長A「―――ずわあああああああああっ!!??」―――パシュン!!





それは、その遥か後方から迫っていたプラウダの戦車を一撃の下に葬った!








―――ズ ズ ウ ゥ ゥ ン !





カチューシャ「――――――!」

カチューシャ「な、何事よ!?……ぜぇぜぇ……報告!」


通信手「ぜぇぜぇ……ほ、"砲撃"ですべ!敵の砲撃でこっちゃの戦車が一両やられましたあ!」


カチューシャ「砲撃ぃ!!??馬鹿言わないで!大洗の本隊はまだ大分先なのよ!」

カチューシャ「カチューシャ達を有効射程に捕らえられるのは前方を走ってるポルシェティーガーだけ!」

カチューシャ「それにしたって砲塔が前を向いてるからこっちを撃てるワケ無いし、ルノーに至っては射程距離外、チハの火力なんて論外!」

カチューシャ「大体、そんな超射程の戦車、大洗には無い筈よ!!」


通信手「だども現に……」






――― ズ ズ ウ ゥ ゥ ン !




カチューシャ「―――!?」

通信手「――――――!?」


カチューシャ「今度は何!!??」

通信手「ちょっと待ってけろ!……、……」


通信手「ま、また一両撃破されちょります!」


カチューシャ「――――――、」パクパクパク





―――ど、どうなってるのよおおおおおおおおおおおおおおおっ!!!???



援軍(?)が到着したところで今宵はここまでにいたしとうございまする。

ギガントと同じ大きさとか……T-60(お前)の車両規格おかしいよ……。

プラウダ娘の東北"弁は結構適当にしちゃってます、センセンシャル!!

次回で集結だけでもさせたいですねえ、それではこれにて。

どうも大変遅くなりました。戦車の名前どころか学園の名前まで間違えてしまいましたが私は元気です。
それでは本日分。

カチューシャを狼狽させた砲撃の正体とは、一体何であるのか!?








柚「……………………、」

杏「…………………おー」



桃「~~~~~~~~~~~~~~~ッッッ」プルプルプル(※トラウマ併発中)





その正体は、前方を走っていた他の大洗チームがとくと見ていた。



優花里「あれは……!?」


みほ「どうして……!?」


華「まあ……!」


麻子「―――、―――、」クラッ(※トラウマ併発その2)


沙織「ちょっと麻子!?今試合中……っていうか運転中だから!気絶するのだけは止めて、ねっ!?」



彼女達が面食らったのも無理は無い。


そこに現れたのは。





ティーガーII「…………………………………………、」ズーン




数日前、大洗の車庫から忽然と姿を消した。



あのティーガーIIだった。




しかも、現れたのはそれだけでは無い。


ティーガーIIの背後より飛び出した一陣の……いや。


一両の影!




優花里「あ、あれは……!」



沙織「知ってるの!?ゆかりん!」


優花里「"スチュアート"……"M5"ですよ!アメリカで開発された!!」







M5(?)「…………………………、」ズーン





秋山優花里の言う通り。



それは紛れもなく、米国で開発された軽戦車―――M5であった。





沙織「アメリカ戦車!?何でここにそんな物が出てくるの!サンダースは居ないんだよ!?」


優花里「いえ、どちらかと言えばM5は主にイギリスで使用していて……」


沙織「じゃあ敵(聖グロ)って事じゃん!?まずいよ先頭の車両がやられちゃう!」


華「いえ……何か、様子がヘンです」








M5(?)「………………………………、」プイッ


ティーガーII(?)「…………………、」フイッ





突然の闖入"車"二両は、はち合わせた大洗戦車群には目も繰れず。


真っ直ぐ、彼女達が通ってきた道を逆走し始めた。


そして。



先頭車両と合流すべく動いていたレオポンチーム、カモチーム、知波単福田戦車長の車両らと。





T-60「………………………………、」キュラキュラキュラキュラ……!!

クルセイダーMK-III「……………、」キュラキュラキュラキュラ……!!





それを追って(?)いたT-60とクルセイダーをも通り過ぎ。



遥か後方の、追撃を行っていたプラウダ&聖グロリアーナ両陣営に。



襲い掛かった!




カチューシャ「……何アレ!?"M5"に……―――"ティーガー"!!!」

カチューシャ「……よね???」ナニアノヘンナノ


通信手「いや、そっただめんこく(可愛く)首かしげられでも私"にゃ見えないべよ」


操縦手「なぁんがけったいなカッコしとるけんども、どうしますべさカチューシャ様?」



カチューシャ「こっちに向かって来るんだから敵に決まってるでしょ!?他の連中に通達なさい!迎撃準備よ!!」

カチューシャ「……アイツ(T-60)の憂さ晴らしの相手に丁度良いわ……」ズゴゴゴゴ


装填手「うわあ……黒"いオーラが見えでるよぅ……」


カチューシャ「何考えてるのか知らないけど、折角の超射程も姿を見せたら御破産よ。カチューシャ式ドクトリンで踏み潰してやるわ!」



カチューシャ「全車通達!こちらに向かってくる敵戦車2両に集中砲火を浴びせなさい!!!」





プラウダ戦車長達「「「――――――了解(Уразуметно)!!!!!(だべ!!)」」」





カチューシャの下知により、プラウダ戦車のほぼ全ての砲塔が迫り来るM5とティーガーに向けられた。


そして!




"ズドドドドドドドドドドオォォォォォ……ン!!!"




轟音、着弾、炸裂音。


舞い上がる土ぼこりがたちまちに辺りを包み込む。



カチューシャ「……ふん、いつかの大洗じゃあるまいし。少数でカチューシャに挑むなんて馬鹿な事するからよ」ンフー

カチューシャ「全車に再度通達なさい、これより予定通りに聖グロと連携して大洗と知波単の残党どもを―――」



操縦手「――――――か、か、か、カチューシャ様ぁ!!!」



カチューシャ「……何よ、人が折角勝利の余韻に浸ってる所を……」



その時だった!



"ヒュウゥゥゥゥゥン!!!"



"ズゴオォォォォォン!!!"




轟音と。


炸裂音。




カチューシャ「何事よ!?」


通信手「……!!げ、撃破!こっちゃの車両がまた一台撃破されましただべ!!!!」


カチューシャ「……え?」



報告を受けるやいなや、乗車口より顔を出したカチューシャの目に。


飛び込んできた光景とは。





M5(?)「………………………………、」キュラキュラキュラ……!!


ティーガーII(?)「…………………、」キュラキュラキュラ……!!




土煙の向こうより。


無傷で出現したティーガーとM5であった。




カチューシャ「―――な」

カチューシャ「なんで……!?」


操縦手「ど、どうするっぺ……カチューシャ様ぁ!!??」


カチューシャ「……うるさい!情けない声を上げるな!!」

カチューシャ「砲撃、再砲撃よ!!まぐれなんて二度は続かないわ!!」

カチューシャ「ノンナとクラーラにも通達を出しなさい!次点の砲撃で動きが止まった所を仕留める!!」



混乱しかけた頭を踏みとどまらせて、尚も攻撃を選択するカチューシャ。


だが。



"ズドン!!"


"ズドズドズドズド――― ズ  ド  ン !!!!!"



プラウダからの砲撃の雨にも関わらず。

2大戦車の動きは聊かも鈍らない。

それ所か。





ティーガーII(?)「…………………、」ウィィィィィィィ……!!



"ズドオォォォン!!!"



砲撃の合間を縫い、発射。



プラウダ戦車長1「―――ひえええええええええっ!!??」―――パシュン!



更に砲撃の合間を縫い、発射。



プラウダ戦車長2「―――ぎええええええええっ!!だべー!!!」―――パシュン!



更に更に……!


ティーガーの攻撃は、尚も続いた!!

それは、さながら砂時計の砂粒の如く。


一刻一刻と過ぎるごとに撃破されてゆくプラウダ戦車。


不幸中の幸いは。


何故か、敵車両が有効範囲内であるにも関わらず指揮車のカチューシャ機を狙わなかった事であるが。


彼女の胸中からしてみれば、それは……。




カチューシャ「~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ッッッッッ!!!!」ギリギリギリギリギリ



屈辱以外の、何者でもない。




装填手「……あ、悪夢だべ……WWIIの悪夢の再来だべ……」ガタガタ

通信手「やっぱティーガーには手を出しぢゃならんかったんだべ……」ブルブル

砲撃手「"オットー"……いんやぁ、"ミハエル"の亡霊だべぇ……!」ナンマンダブナンマンダブ





また。


同様の事は、聖グロリアーナ陣営においても起こっていた。




M5(?)「……………………、」ギャルルルルルル……!!



狂ったように爆進するM5に対し。




聖グロ戦車長1「―――この、軽戦車の分際でえ!!」

聖グロ戦車長2「―――我々聖グロが誇るマチルダの重装甲を抜けるとでも!!」

聖グロ戦車長3「―――ここから先へは一歩も通さないわ!!」




3機のマチルダが前後左右から挟みこむようにして接近する。

例え1機が撃たれても、残る2機で敵を撃破する算段だった。


しかし。







M5(?)「……………………、」ギャルルルルルル……!!



M5(?)「………………――――――!」ギュウゥオォォォォォォォ!!!



構わずM5は前進。

勢いはそのままに、前方のマチルダと正面からぶつかった!


M5とマチルダの、力比べである!



聖グロ戦車長1「!!―――このっ、だったら望みどおりこの場で……!」



踏みとどまろうとしたマチルダだったが。


しかし。



聖グロ戦車長1「―――えっ?」



M5(?)「……………………、」ズゴゴゴゴゴゴゴゴ……!



少しずつ少しずつ。

マチルダの車体が後退して行く。





聖グロ戦車長1「な、何をしているの!?パワーだったらこちらの方が上なのよ!」


聖グロ操縦手1「そ、それが……何だか解らないんですけど、履帯が空回りしているような妙な感覚で……!」



事実。

M5を押さえつけている筈のマチルダの車体が、徐々に傾き始めていた。

このままではひっくり返される。

そう戦車長の脳裏に過ぎった、その時!



聖グロ戦車長2「今だ――――――!」

聖グロ戦車長3「挟み込め―――!!」



間一髪、左右より接近したマチルダ2両がM5を包囲せんと迫る。


だが。



聖グロ戦車長2「―――え?」

聖グロ戦車長3「―――何?」



剛!という微かな揺れと共に。

マチルダ2両の動きが止まった。

否。

止まったのではない。



聖グロ戦車長2「車体が……!」


聖グロ戦車長3「"動かない"……!?」


進めなかったのだ。

どんなにエンジンを噴かそうとも、M5まで後僅かという所で2機ともにそれ以上行く事が出来なかった。



聖グロ戦車長2「な、なら……!!」



原因が何であるのか考えている余裕などはない。

車両が進めなくとも敵は有効射程内、砲撃で十分に倒せる。



聖グロ戦車長2「友軍に通信を送りなさい!こちらの合図と共に敵車両に攻撃よ!!」


聖グロ通信手2「は、はい!!」



しかし。



聖グロ通信手2「こちらマチルダ2……マチルダ3、応答願います、こちら……!!」



―――ガリッ!!ザザザザザザザザ……!!!



通信を送ろうとしても、肝心の機材はノイズをかき鳴らす事しか出来なかった。




聖グロ通信手2「だ、ダメです―――通信不能!」


聖グロ戦車長2「こんな時に通信機の故障だなんて……!」

聖グロ戦車長2「……仕方ない、同士討ちの危険が無いわけじゃないけれどこのまま敵戦車を撃ちましょう!砲手!!」


聖グロ砲撃手2「はい!いつでも撃てます!!」


聖グロ戦車長2「車軸合わせ!目標、前方の敵車両―――」

聖グロ戦車長2「撃てえっ!!!!」




"ズドン!!!"




炸裂音と共に、飛んでいく弾丸。


だが。


M5を仕留めるべきその弾丸は。


空を切り。


あろう事か、対角線上に居た味方のマチルダを、穿った!





聖グロ戦車長3「―――きゃああああああああああああああっ!!!!」―――パシュン!!



聖グロ戦車長2「!?嘘でしょ、そんな……!」



先程まで居たM5が居ない。


"消えてしまった"。


一体、何処に行ったのだろうか。


その回答は。



聖グロ操縦手2「せ、戦車長!!!!!」



一部始終を見ていた、操縦手からだった。



聖グロ操縦手2「―――"上"です!!!!」


聖グロ戦車長2「―――"上"?」ガチャッ!



要領を得ない操縦手の言葉に、兎に角も肉眼で確認すべく外へ出る。


すると。





"ゴオオオオォォォォォォッ!!!!!"



聖グロ戦車長2「うっぷ……!!何よ、この"風"……!?」



目を開けていられないほどの強風。



聖グロ戦車長2「(ついさっきまでほぼ無風だったのに……!)」

聖グロ戦車長2「(まさか、この風で戦車が動かなくなっていたの……?)」

聖グロ戦車長2「(馬鹿な、どうかしているわ、私……!)」



そんな愚にもつかない妄想よりも、M5だ。

腕で顔面を保護し、どうにかこうにか視界を確保する。

そこには。


信じられない光景が広がっていた。





聖グロ戦車長2「……………………………………、」



M5が。


"空中で静止していた"。


いや、正しくは"飛び上がった車両が頂点へと達したので一時的に止まったように見えているだけ"なのであるが。


どちらにしても。


脳が理解を拒む光景である事には、変わりない。


"戦車が飛ぶ"。


そういう事象そのものは、WWIIにおいて全く確認されなかった訳ではない。

だが、これは。

眼前のあのM5は。

地面に対して、ほぼ垂直で……。


何故?

どうして??

どうやって???


考えられたのはそこまでだった。







M5(?)「……………………、」ヒュゴッ゙……!





空中のM5は、重力に任せ自由落下し。


その勢いで、相対していたマチルダの砲塔を押し潰した!



聖グロ戦車長1「きゃあああああああっ!!!」―――パシュン!

聖グロ戦車長1「こ、こちらを踏み台にしたの……!?」



そのまま、何事も無かったかのように地面へ降りると。

呆然としていた残りのマチルダに狙いを定め……撃つ!!


"ズドン!!!"


聖グロ戦車長2「そ、そんな―――!!」―――パシュン!



M5(?)「………………………………、」


M5(?)「――――――クルッ」キュラキュラキュラ……!



敵の沈黙を確認したM5は。

反転し、残りの獲物へと進む。

向かった先は、勿論。




『聖グロリアーナ本隊』



ダージリン「…………ペコ、お茶のおかわりをちょうだいな」スッ



オレンジペコ「……。あっ……は、はい!解りました……!」セカセカ


アッサム「いかが、致しましょう、ダージリン……」


ダージリン「落ち着きなさい、アッサム」

ダージリン「"いかなるときも、優雅であれ"が我が聖グロリアーナの戦車道」

ダージリン「……とは言った物の、流石にあれは想定外と言う他無いわね」ズズゥー


オレンジペコ「想定外の一言で片付けてしまって良い物かどうかは疑問ですけれど……」


アッサム「まさか大洗があのような戦法でくるとは、私の調査が不足でした」


ダージリン「…………………………、」ズズゥー


アッサム「……ダージリン?」


ダージリン「……あの戦車達、本当に"大洗の戦車なのかしら?"」


オレンジペコ「えっ?」


アッサム「どういう、意味でしょう?」


ダージリン「ペコ、アッサム。試合前に配られた戦車の出場登録表はあるかしら?」

ダージリン「但し、アッサムはPCのデータバンクから。ペコは関係者に配られた書類の方からお願いね」


オレンジペコ「……は、はい……?」ガサゴソ


アッサム「わ、解りました……?」ペチペチ





オレンジペコはナップザックから、アッサムはデータにアクセスし。

言われた通りの表を出した。

すると、そこには……。



オレンジペコ「…………!」

アッサム「これは………!」



ダージリン「………………………………、」




ダージリン「―――嫌な予想ほど、よく当たるモノね」ズズゥー




しかし解ったところで。


こちらに迫り来るM5を対処しなければならないのは、変わらない。



『プラウダ本隊』







プラウダ戦車長A『た、た、た、助けて欲しいっぺええええええ!!!』

プラウダ戦車長B『カチューシャ様ぁ~!!こっちにティーガーが来ますべ!後退させてけろー!!』

プラウダ戦車長C『もう動ける車両はロクに残ってないだべよ!!援軍はまだだべかああああ!?』







プラウダ陣営は、度重なる自軍の撃破によって完全に恐慌状態に陥っていた。

未だ闘志を燃やしているのは。






カチューシャ「―――退くな!媚びるな!省みるな!!一歩でも引いたヤツはカチューシャが引導を渡してやるんだからね!!」



ふがいない通信を送ってくる部下に激を飛ばすカチューシャと。



クラーラ『ノンナ副隊長、私が先行して囮に……!』※ロシア語


ノンナ『いいえ、同志クラーラ。戦力の逐次投入は下策です、ここは他の戦力と合流してから敵を迎え討ちましょう』※ロシア語


カチューシャ「―――貴女達!こういう時ぐらいロシア語はやめなさいっての!!!」



どうにかしてティーガーを有効射程に誘い込もうとしているノンナ、クラーラ。



ニーナ「……すげえな、ぜんっぜん弾が当たらないっぺよ」


アリーナ「あれ、ホントにティーガーの動きなんだべか?」


ニーナ「あれだべ?色々変なモンくっつけてっがらきっと機動力も3倍なんだべ?」


アリーナ「にしちゃあ、戦車の色が赤くないっぺよ?」


ニーナ「いんやー、赤さならプラウダの方が上だべ?」


アリーナ「どっぢみぢ、ウチらのギガントは起動戦向きでねえがら……」


ニーナ「んだ、ここはどっしり構えであのちびっ子隊長の指示を待った方がいいべ」


頭に浮かぶ疑問を感じながらも、己のすべきことをしようとしているニーナ、アリーナぐらいであった。





カチューシャ「~~~~~~~~~~~~ッッ!!!」ガリガリガリガリ!!

カチューシャ「たった1機のティーガーなんかに……カチューシャの戦車部隊がいいようにされるだなんて……!!」

カチューシャ「っていうか何なのあの戦車は!!」


通信手「(すっげえ今更の突っ込みだべ)」ヒソヒソ

装填手「(多分今までテンパっでたがら忘れだんだべさ……)」ゴニョゴニョ


カチューシャ「ミホーシャったら、あんなモノを用意していたのにおくびにも出さなかったなんて……すっかり騙されたわ!」

カチューシャ「"登録票にも載って無かった"し………………」

カチューシャ「…………ん?"登録票"?」ゴソゴソ


カチューシャ「…………………………、」



カチューシャ「―――――――――!!!!!」



カチューシャ「何よこれ…………!!!!」



カチューシャが懐から取り出した、出場戦車登録票のコピー。

そこには……。









カチューシャ「どこにもティーガーやM5なんて――― 載 っ て な い じ ゃ な い !!!」






カチューシャ「……通信手、今すぐ審判団に通信送ってちょうだい!!事の真偽を確かめてやるんだから!!」


通信手「は、はい!解りましただべ!!―――ザザ―――えー、こちらプラウダ高校、こちらプラウダ高校、審判団どうぞ」

通信手「あ、すみませんだべ至急調べて欲しい事が……かくかくしかじかで……ええ、はい、そうですべ……」


通信手「―――、」



通信手「――――――えっ?」



予想に反して。

プラウダ通信手に帰ってきた返答は。


意外なモノであった!


『親善試合応援席』





観客A「なあ、何かおかしくねえか?」

観客B「ああ、最初は見応えのある試合だと思ってたんだけどよ」

観客C「ありゃ、やり過ぎなんじゃねえのか?戦車を踏み潰したり追い回したり……」


観客D「そもそもあれってどこの所属の戦車なのかしら?」

観客E「そりゃあ、プラウダとグロリアーナを攻撃しているんだからよ……」

観客F「知波単と大洗の方でしょ?でも知波単って日本の戦車しか使ってないから……」

観客G「大洗の戦車って事になるよな」

観客H「あれ?でも事前に配られた試合用のパンフレットにはあんな車種書いてなかったぞ」

観客I「するってえと何だ?大洗が不正してるって事か?」

観客J「待て待て、優勝校が何でそんな事する必要があるんだよ?それに不正なんかすれば審判団が黙ってないだろうよ―――」




―――ガヤガヤ……ガヤガヤガヤガヤ……!!



会場の空気が異様な雰囲気に包まれようとした。

その時だった。






声『―――親善試合に、ご来場の、皆様……!』



それは、大会の様子を解説していたスピーカーから流れた。



声『審判団の方よりご説明させて頂きます』

声『この度は私共戦車道連盟の書類の不備の為、皆様を困惑させる形となってしまい誠に申し訳ございません』

声『只今の試合に出場中の車両につきましては、確かに大洗の方より事前の"出場登録がされております"……』

声『繰り返します、M5スチュアート及びティーガーIIに関しまして、両車両共に大洗女子学園の選手車両として登録が……』



説明と同時に、電光掲示板の登録車両枠が回転し。

新たに「ティーガーII」と「M5スチュアート」の名が刻まれる。






観客「「「「「……………………はあ???」」」」」





という気の抜けた声を漏らしたのは、観客達だけではない。



『プラウダ本隊』





通信手「―――という事らしいっぺ……」





カチューシャ「…………なにそれ」ボーゼン








プラウダも。




『グロリアーナ本隊』





オレンジペコ「こちらの紙の登録票には一切の記述が無いのに対して……」


アッサム「私のデータベースにはしっかりと記録されている……」




ダージリン「……………………、」ズズー

ダージリン「"茶柱が立つと素敵な出会いがある"」

ダージリン「では、"茶柱が途中で折れていた"としたらどうなるのかしらね?」





手の中で弄んでいたティーカップ。

その中心の茶柱が、何の因果か折れていた、グロリアーナも。



『試合会場郊外』




アキ「…………なんか、変な空気になってきたっぽいけど」

アキ「どう思う、ミカ?」



―――ポロロ~ン♪



ミカ「……風は、きまぐれに吹くものさ」ポロロン♪

ミカ「でもこれは……風というよりも……」




ミカ「――――――"雷"かな?」





試合の様子を、遠巻きに見ていた者達も。



『大洗学園本隊』






杏「―――だってさ、いや~"戦力が増えて"万々歳だねーあはは~!」


桃「"あはは~!"じゃあないですよ会長!!」



桃「何で!我々の!!与り知らない所で!!!」



桃「正体不明の!!!!戦車が!!!!!仲間になってるんですか!!!!!!」




桃「―――ぜえ~っ、ぜえ~っ……!」ゼェゼェ……

柚「も、桃ちゃん落ち着いて……!はいお水」


桃「んぐっんぐっんぐっんぐっ……!ぶはあっ!!!」


杏「河嶋、あたしに怒鳴ったって解らんものは解らんさ」フー


柚「でも会長、このままだと……」



柚がおずおずと出してきた。

通信機の向こうより聞こえるのは。





―――ぎゃあああああああああああ!!

―――嫌ああああああああああああ!!

―――お助けええええええええええ!!





阿鼻叫喚の声。




桃「この……惨状を……作り出したのは……我々という事に……」ゼエッゼエッ


杏「…………………………、」ウ~ム

杏「小山、審判団ともう一回連絡取れるか?」


柚「それが……会長、その……」

柚「こちらに報告を送ってきた後、一切の通信に反応が無くて……」


杏「……ど~なっとんのかねぇ……」ヤレヤレ


桃「もう嫌だぁ……これはきっと戦車の呪いだ……呪いなんだぁ……」メソメソ


杏「河嶋ぁ~、現実逃避するのは自由だけどさ」チョイチョイ


桃「……?」



杏が指差した方向を見てみれば。





ツチヤ「―――会長おおおおおおお!ごめんなさあああああい!!」

ナカジマ「なんかこう、必死で撒こうとしたんですけどー!!」

ホシノ「もうピッタリ張り付かれちゃって無理、無理!!」

スズキ「悔しいー!!自動車部の名折れだー!!」



そど子「―――そんな事言ってる場合じゃないでしょう!全速で逃げないと福田さんのようにやられるわよ!」

ゴモヨ「こ、怖い……!」ガタガタ

パゾ美「画面外でやられるとは……南無、福田さん……」



そしてその背後からは。







T-60「……………………………………、」キュラキュラキュラ……!!

クルセイダーMK-III「…………………、」キュラキュラキュラ……!!






迫り来る刺客、計2両。






桃「…………!!!!」パクパクパクパク……!!



杏「理解したかー?過去の呪いなんかより現実の脅威ってね」モグモグ

杏「解ったら反転、後急速ぜんしーん!西住ちゃん達と合流せんとどうしょうもなさそうだわ、あれ」



柚「は、はい。解りました……!」グッ!





桃「―――もう嫌だあああああ!!助けて神様あああああああああああ!!!」ビエーン!





渦中の大洗も。


そして。


『????』





―――なあ、外野が何か騒がしくねえか?


ああ、通信を傍受してみたらよ、"紙"とか"登録"がどうとか言ってんだがな。―――


―――この"戦闘演習"に潜り込む時の偽装工作は誰の担当だ?


……………………。―――


―――やっぱりお前か、この馬鹿野郎が!杜撰な改竄しやがってからに……!


い、いやその……シンパンとかいう連中を洗脳しときゃあそれで事足りると思ってよぅ―――


―――そんで他の工作に使う筈だった資材は丸々手前の懐の中ってか!お前ってヤツぁこんな時でも変わらねえな!!


……面倒くせえ、いっその事何もかも吹っ飛ばしてやろうか……!―――


―――待て、んな事は指示されて無いだろうが!俺達は作戦通りに事を運んでりゃあ……!


うるせえ!!潜入といい、これといい、こんなチマチマした作戦、端っから俺の性に合わなかったんだよ!!―――


―――おい、勝手な事を……!!



『プラウダ本隊』




"ウイィィィィィィィィィ……!"



操縦手「―――カチューシャ様ぁ!!」


カチューシャ「…………!」




ティーガーIIの砲塔が、今まで狙っていなかった指揮車……カチューシャ機に狙いを定め。






―――"捕獲"なんざ止めだ!終わりにしてやるぜ!!!




『グロリアーナ本隊』




―――あんのトリガーハッピーが!作戦を台無しにする気か!!




"……キキィッ!!!"


"ギュウルルルルルルルルル……!!!"




ダージリン「……あら?」


オレンジペコ「ど、どうしたんでしょう?」



ダージリン達の喉下にまで迫っていたM5が、突如向きを変え全力で撤退する。

すると。



アッサム「……!ダージリン、これを……!」



―――ザザ―――ザザザザザ……!




聖グロ戦車長4「―――様……?……ダー……ン様……」

聖グロ戦車長5「―――ダージリン様、応答願います、ダージリン様……!」



通信が途絶していた聖グロの面々の機能が回復して行った。



『大洗学園本隊』





―――で、どうすんだ?


どうするってそりゃお前……今の作戦遂行者代行はアイツだし……。―――


―――じゃあ止めるっきゃねえだろうな。離脱すんぞ。


へーい……。―――




柚「…………あれ?」


杏「お、何だ何だ敵さん逃げてくぞ?」


桃「…………た、たしゅかった…………?」プシュー





執拗に大洗の戦車に張り付いていたT-60とクルセイダーの2両も、また。


……そして。



『プラウダ本隊』





―――覚悟しな!!





カチューシャ「………………ッ!」



撤退するか、応戦するか、支援を要請するか。

ほんの一瞬。

少しばかりカチューシャの判断が鈍った。

だが。

ティーガーにとっては、その逡巡は十分過ぎるぐらいの隙であった。

危うし、カチューシャ!と思われた。



その時だった!






"キュキュキュキュキュキュキュキュキュウゥゥゥゥゥゥゥゥゥ……!!!!!"










ローズヒップ「―――おほほのほー!!聖グロリアーナ最速の異名を持つ、わたくしことローズヒップここに推参ですわ!!!」








射線に割って入ったのは。

1号クルセイダーを駆る、ローズヒップであった

彼女は通信不能の現状において、自己の判断の下。

高火力のティーガーに対する撃破支援を行なわんとの結論を下したのだ。





ローズヒップ「他校とは言え同盟を組んだ相手のピンチを見過ごすことは、わたくしのノブレス的に看過出来ませんwa―――」



だが。


颯爽と駆けつけては見たものの。


如何せん。




ローズヒップ「よよよよよよよよよよよよよー―――!!??」




速度の上げすぎである。

バランスを崩したクルセイダーは、半ばスピンするような形で。


ティーガーIIに、激突した!





ティーガーII「……………………!!!!」グラッ!



無論、そんな程度でやられるティーガーではなかったが。

崩れた姿勢で放った射撃は。



"ズ ド ン !!"



"ヒュウゥゥゥゥ……!"



カチューシャ機を通り過ぎ。



その背後の。



M5に、直撃した!






M5(?)「!!!!????」ズゴッシャア!



重戦車の攻撃をまともに受ければ。

如何にスペック以上の能力を持っていたM5であっても唯ではすまなかった。

"大破こそしなかったものの"、衝撃で車体は大きく浮き上がり。

錐揉み反転。

地面を巻き込みつつそのまま1回。


―――ゴヅン!!


2回。


―――ガシャン!!!


3回。



―――ドスン!!!!!



4回。



都合4回半ほど横転して。


漸く止まった。








M5(?)「――――――――――――――――――、」プシュー





各所から煙を上げ、心なしか力無く鎮座する軽戦車を見て。



クルセイダーMk-III「………………………………」

T-60「…………………………………………………」




ティーガーII「………………………………………」ステポチーン




ローズヒップ「よよよよよよ………………」ピヨピヨ(※気絶中)





プラウダ高校「「「「「………………………………、」」」」」




聖グロリアーナ「「「「………………………………、」」」」」




大洗学園「「「「「……………………………………、」」」」」






観客「「「「「「……………………………………、」」」」」」






時間が、止まった。

※なんか妙にスレ全体が重かった為一時中断しておりました。
続き。





―――シー……ン……。



真夏にも関わらず、蝉の声すら止んだほどの静寂が。

どのぐらい続いただろうか。

やがて。




M5(?)「…………………………、」ギュルン




どうにかエンジンが復活したらしいM5が。


ゆらりとした動作でティーガーに向き直り。


そして。






――――――。



――――――――――――。



――――――――――――――――――この。
















M5『――――――大馬鹿野郎がああああああああああああああああああああああああああああああッッッ!!!!!!!』
















地も揺れんばかりの怒声が、夏の空に響き渡った……。

そしてそれは、この親善試合に参加した。


全ての車両に。


オープン回線で繋がっていた。





優花里「………………、」

みほ「…………………、」


麻子「……何だこれ?」


沙織「今のって……」


華「……"男の人"の声、ですよね……?」





彼女達のもっともな疑問を置き去りにして。






M5『この野郎が……!作戦を無視するだけじゃ飽き足らず、今度はフレンドリィファイアか!!』


ティーガーII「…………………………、」



―――ザザザ……!


ティーガーII『いや、その……何だ…………"悪い"』


M5『なぁにが"悪い"だ!!見やがれ!この有様をよ!!隠密作戦が肝だとあれ程言っていたにも関わらずお前のポカミスで皆おじゃんだ!!』

M5『どうしてくれんだ、これ……なあ、どうしてくれんだよ、おい!?』


ティーガーII『―――、』ブチッ

ティーガーII『うるせえ!!俺は昔っから機密だ、隠密だ、繊細だとかは無縁だっただろうが!!んな命令を下す方が悪いんだよ!!!』


M5『おうおう、今度は逆ギレかい!いいご身分になったモンだなええおい!!』


ティーガーII『テメエこそ古参のお情けで代行に選ばれたからっつって偉そうに抜かすな!!』


M5『何だとお……!!』



T-60『―――おい、言い合いをしてる場合かよ!早えとここいつらを排除しねえと―――』



M5『――――――――――――うるせえ、手前は黙ってろ!!!』
ティーガーII『―――――――うるせえ、手前は黙ってろ!!!』



"ズドン!!"


T-60『うお危ねえ!……おい、お前からも何か言えよ……!!』



クルセイダーMk-III『……おっ、このパーツまだ使えんじゃ~ん♪』ゴソゴソ


T-60『テメエエエエエエエエは!!こんな時でもソレか!!!』


クルセイダーMk-III『じょ、冗談だよ……地獄の沙汰もなんとやら言うじゃねえか……!』







M5『今の今まで我慢してやってきたが、もう勘弁ならねえ!その脳回路のバグを直接矯正してやらあ!!』


ティーガーII『やってみやがれ!!こっちこそ傲慢ちきな鼻をへし折ってやる!!』




"バシュン!!!!"



かん高い音と共に。


2車の窓が開いた。

そこから乗員が降りてくるのかと思いきや。



"ズウゥゥゥン!"



続いて響いたのは地鳴り。

窓から飛び出したのは"人"ではなく、二柱の"柱"……否。

それは、"柱"でも無い。

地面に突き刺さった、その部分の先端に伺えたのは。





みほ「………………"指"?」




5つに分かれた、人の指。

つまりこれは。


巨大な一本の、"腕"。




T-60『マズいな……おい、俺達も止めるぞ!!』


クルセイダーMk-III『放っとけって気もするんだがなぁ……』


T-60『……事の発端はお前のミスにだって自覚あんのか』ギロッ




そして!

















M5「―――――――――――――――――"ボルター"―――――――――――――――――!」










ティーガーII「――――――――――――"ブロウル"―――――――――――――――――!」










T-60「―――――――――――――――"ブレストオフ"―――――――――――――――――!」











クルセイダーMk-III「―――――――――"スウィンドル"――――――――――――――!」






























――――――トランス・フォォォォォォォォォォォォォォォォォォォムッッ!!!!!











































戦車から足が。


胴体が。


そして更に。


頭部が。


有り得ない形に……言ったとおりの"変形"をして行く。


やがて、それらは"車両"から巨大な"ヒトガタ"を形成するまでに至った。









M5戦車改め、"ボルター"「―――――――――このピーカン野郎が!!覚悟は出来てるんだろうな!!」ボキボキ


ティーガーII戦車改め、"ブロウル"「――――やれるもんならやってみやがれ、ミニペリカンが!!!」ゴキゴキン


T-60戦車改め、"ブレストオフ"「―――おい、もういい加減にしておけ!!」


クルセイダー戦車改め、"スウィンドル"「―――あー、パーツ漁りしてぇな~」








―――さあ!




戦 い だ !!

エキサイティング!トランスフォーマーズ!!

漸く主役の9割を出すことが出来たので、今宵はここまでに致しとうございます。
ええ、はいSSの主軸を出すだけで1ヶ月も時間かけるなよっつー話で……スンマセン。

今回のお話はこの「5人」が主役となります。
足りない一人は、また次回に……それでは。

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