理樹「ハグ魔と化すおまじない?」 (68)
裏庭
理樹(僕は来ヶ谷さんからここのベンチに呼び出されていた)
来ヶ谷「そうだ。美魚君から興味本位で借りてみたんだがまさかこんなことまで書かれているとはな」
理樹(と、来ヶ谷さんは膝の上に乗せてある『おまじない100』をポンポンと叩いてみせた)
理樹「えーと…それで僕を呼び出した訳というのは?」
来ヶ谷「そのハグ魔と化すおまじないを実際に理樹君で試してみようと思ってな」
理樹「ごめん、ちょっとトイレ」
来ヶ谷「逃がさん」
理樹(強い力で手を掴まれた。もうダメだ、おしまいだ)
理樹「だ、誰かー!!助けてーー!!」
来ヶ谷「えっとなになに?掛けたい相手に『ハグガシタイオナズン』と唱える…か」
グワングワン
理樹「ぐあっ!」
理樹(その瞬間、全身に電流が走ったかのような衝撃を受けた。まさか、本当になってしまったのだろうか?そのハグ魔というやつに)
理樹「うっ………」
来ヶ谷「どうした理樹君?」
理樹(来ヶ谷さんがめちゃくちゃ嬉しそうな声で聴いてきた)
理樹「な、なんだか身体が火照ってきた……なんだかとってもオギオギする!」
来ヶ谷「ようし、その調子だ!そのまま誰かに抱きついてくるんだ!」
理樹「僕は…………」
(>>3を抱きしめに行く)
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来ヶ谷
理樹(来ヶ谷さんに抱きついた)
来ヶ谷「おっと…」
理樹「ご、ごめん…でも…」
来ヶ谷「ふふ……まあ良いだろう。私が唱えたのだからまずは私からだな」
理樹(本人はあまり怒ってない。それどころかこうなる事を予見していたかのようだった)
来ヶ谷「甘えん坊だな理樹君は」
理樹「ハァ…ハァ…」
理樹(右手を来ヶ谷さんの肩へ、左手を腰に添えた。来ヶ谷さんの髪が僕の頬をなぞって少しこそばゆい)
来ヶ谷「ふふふっ。理樹君はこんなことで興奮するのか?外国にいた頃はこんなこと、文字通り挨拶代わりだったよ」
理樹「日本じゃそんな習慣はないからね…」
来ヶ谷「だが、理樹君の恥ずかしそうな顔が見れるんだからそれで良かったよ」
理樹「あの…えと……」
理樹(そう言われても反応に困る。それに今僕が顔を真っ赤にしているのは来ヶ谷さんが僕の臀部に手を伸ばしているからなんだけど)
理樹「ね、ねえ来ヶ谷さん?」
来ヶ谷「…む。なんだ?」
理樹「今の来ヶ谷さんの手……これも海外の挨拶じゃ自然なの…?」
来ヶ谷「そうだよ」
理樹(と、言いつつその手で撫で回してきた)
理樹「いやぁ、なんか違う気がするなぁ…」
来ヶ谷「おかしな少年だな。君は海外に行ったことがあるのか?」
理樹(その手はどんどん手前の方に滑り込んできた)
理樹「す、ストップ!」
理樹(慌てて右手で制止する)
来ヶ谷「なんだ。藪から棒に」
理樹「全然藪からじゃないよ!絶対おかしいって!」
来ヶ谷「むぅ。自分からスキンシップを求めてきた割には文句が多いな」
理樹「誰のせいなんだよ…」
来ヶ谷「まあいい。そろそろ気が済んだ頃合いじゃないのか?この本によると一度抱きつくと3分ほどは収まりが効かないらしいからな」
理樹(言われてみれば確かにもう来ヶ谷さんとハグしようなんていう自殺まがいの発作は起きていなかった)
理樹「そ、それじゃあもう大丈夫なんだね?」
来ヶ谷「大丈夫とは?」
理樹「もうこんな馬鹿げた気持ちにはならなくて済むってことさ。来ヶ谷さんだから良かったものの、事情を知らない他の誰かに抱きついたら、それが男であれ女であれ変態扱いされるところだよ…」
来ヶ谷「あー……うーん……」
理樹(嫌な予感がする)
理樹「な、なにさ…その歯切れの悪い感じは」
来ヶ谷「言ってもいいか」
理樹「どうぞ」
来ヶ谷「この症状は人が近くにいるとランダムに発生する。効果は今日の間はずっとだ」
理樹「な、なんてことを……!!」
来ヶ谷「安心しろ。要は人と会わなければいいんだ。それくらい簡単だろ?」
理樹「そ、それもそうだね!今日はずっと部屋に篭っているよ!」
来ヶ谷「その意気だ。いや、迷惑をかけたな。今度また缶コーヒーでも奢ってやろう」
理樹「期待してるよ。それじゃもう男子寮行くからっ」
来ヶ谷「ああ」
次の相手>>12
美魚
理樹(それは来ヶ谷さんと別れてすぐのことだった)
ドンッ
「きゃっ」
理樹「うわっ」
理樹(少しよそ見した隙に誰かとぶつかってしまった)
理樹「だ、大丈夫です……か?」
西園「は、はい…」
理樹「西園さん!」
西園「あ……直枝さんでしたか。こんにちは」
理樹「ごめんね。ちょっとぼーっとしてたら…」
西園「いえ、こちらも考え事をしていてつい前が疎かになってしまいました」
西園「………っ!」
理樹(立ち上がる瞬間、西園が一瞬、苦痛の表情を浮かべた)
理樹「どうしたの?」
西園「い、いえ……なんでもありません」
理樹「いやいやいや、そういう訳にもいかないよ。少し見せて」
理樹(少し強引に西園さんの足首を見せてもらった。靴下をめくると、少し赤くなっている)
西園「あ、あの……1人でも大丈夫…」
理樹「いや、担いで行くよ。保健室に行こう」
理樹(保健室で湿布を貼り、あらかたの治療を終えると、そのまま西園さんの部屋まで同行した)
西園部屋
理樹「ごめん…せっかく裏庭で本でも読もうとしていたんだろうけど……」
西園「いいえ。不注意はお互い様です。でも……」
理樹「でも?」
西園「寮の中を担がれながら移動………というのはとても恥ずかしかったです」
理樹「誰とも出くわさなかったのが幸いだね」
西園「それでも助かりました。あとは本当に大丈夫なので直枝さんはどうぞ、本来の目的に戻ってください」
理樹(本来の目的…そこまで言われてからやっと後悔した。しかし、身体の火照りが止まらない。帰るには遅すぎた)
理樹「西園さん……」
西園「はい。なんでしょう?」
理樹(西園さんの疑問にはハグで返事した)
西園「!」
理樹(足に当たらないよう西園さんの隣に座ったままの体勢で、その小柄な体を包み込んだ)
西園「……なんの冗談ですか?」
理樹「ふざけてやってる訳じゃないんだけど……」
西園「あなたが本当に直枝さんなら、その方がもっと信じられません」
理樹「だ、だよね」
理樹(とはいいつつも西園は抵抗しなかった。おそらく何をしていいのか分からないのかもしれない)
西園「急にどうしたんですか?私は一応怪我人ですよ」
理樹「当たらないようにするからさ…」
西園「だからと言ってやっていいことと悪いことがあります」
理樹「こんなことはもう2度としないから……っ」
理樹(なんの言い訳にもならないフォロー)
西園「そうではなくて、こういう事はもっと段階を踏んでから…」
理樹(そこまで言われてからやっと金縛りのような気持ちが解けた)
理樹「ハッ!」
理樹(そして飛び上がるようにその場を離れた)
理樹「あ、あの………」
西園「………なんですか?」
理樹(見るからに怒っていた)
理樹「こっ、こっ、これは……」
西園「………分かりました。これはここまで運んでくれたことでチャラにします。本当に、今回だけですよ」
理樹「あ、ありがとう!じゃあそろそろ行くね!」
理樹(急いでその部屋から出て行った)
次の相手>>17
真人
今度から連取りは程々にしてくれ(∵)
理樹部屋
理樹「ふぅ…なんとかなった……」
真人「おっ!帰ったか理樹!」
理樹(真人は既に部屋に戻っていた)
理樹「ただいま真人…聞いてよ、今日は色んなことがあってさ…」
真人「ほう。聞こうじゃねえか」
理樹「実は……」
理樹(その瞬間、また身体が熱くなった。まさか!いくらなんでもこれはヤバイって)
理樹「く、来ヶ谷さんにさ……なんか催眠術かけられたみたいで…」
真人「なんか声裏返ってないか…まあ、それはともかくどんな催眠術なんだ?」
理樹「こ、こんなのなんだけど!」
理樹(我慢出来なかった。今回は身長が届かないので真人の腹筋辺りを抱きしめた。めちゃくちゃ硬い)
真人「あーー……えっと、つまり…突進したくなるってことか?」
理樹「ちょっと違うな。人を抱きたくなるって事なんだけど…」
真人「なんだそういう事か!へへっ、面白えなそりゃ」
理樹「僕はそれどころじゃなかったんだけどね…」
真人「よっしゃ!それじゃ、そのまま俺の体に掴まってろよ理樹!」
理樹「えっ、えっ、なにする気!?」
真人「まあ見てな。それっ」
理樹(真人がグルグルと自分の体を回転し始めた)
理樹「ちょっ!」
真人「ほーら!昔もやったろ?ちょっと狭いけどこれくらいのスペースがありゃ充分だぜ」
理樹(僕も真人にくっついているのでその遠心力から簡単に浮いてしまった)
理樹「う、うわぁぁーーっっ」
理樹「げげごぼおえっ……」
真人「おいおい、だらしねえな理樹は……もうダウンか?」
理樹「きゅ、急にやめてよね…こういう事……バターになるかと思ったよ」
真人「悪いな。つい抱きつくもんだから」
理樹「この遊びを始めるトリガーが緩すぎるよ……」
理樹(しかし、この時の僕はまだ知らなかった。このあと、寝るまで定期的に真人に抱きつく衝動が起きて、その度にグルグルされることを……)
ハグ魔と化す理樹編終了
しばらくして
裏庭
理樹「>>22と化すおまじない?」
理樹(来ヶ谷さんからまたベンチに呼び出された)
来ヶ谷「そうだ。まさかこんなことまで書かれているとはな」
理樹(と、来ヶ谷さんは膝の上に乗せてある『おまじない100』をポンポンと叩いてみせた)
理樹「え、えーと………それで僕を呼び出した訳というのは?」
来ヶ谷「その>>22と化すおまじないを実際に理樹君で試してみようと思ってな」
理樹「やっぱり!じゃあね来ヶ谷さん!!」
来ヶ谷「逃がさん」
理樹(タックルで地面にひれ伏された。もうダメだ、おしまいだ)
理樹「だ、誰かー!!助けてーー!!」
来ヶ谷「えっとなになに?掛けたい相手に『森は美しく暗く深い。だが約束を果たし、眠りにつくまでに道はまだ遠い』と唱える…か」
グワングワン
理樹「ぐあっ!」
理樹(その瞬間、全身に電流が走ったかのような衝撃を受けた。まさか、本当になってしまったのだろうか?その>>22というやつに)
理樹「うっ………」
来ヶ谷「どうした理樹君?」
理樹(来ヶ谷さんがめちゃくちゃ嬉しそうな声で聴いてきた)
理樹「な、なんだか身体が火照ってきた……なんだかとってもオギオギする!」
キス魔
理樹「これはマズいよ!」
来ヶ谷「マズい……とは?」
理樹「とは?じゃなくて!この間はハグだったからなんとかなったけどキスなんて今後の学校生活が左右されまくるよ!」
来ヶ谷「いざとなれば私のせいだと言えばいい」
理樹「それで治るならいいんだけど……」
来ヶ谷「とにかく条件はこの間と同じ、ハグがキスに変わっただけだ。それじゃ、幸運を祈る」
理樹「もう既に不幸なんだけど…」
来ヶ谷「あとあまりハッスルしないようにな。あんまり行き過ぎるとR行きになる」
理樹「そもそも来ヶ谷さんがそういうおまじないを使わなかったらいいだけの話だよね?」
相手>>24
来ヶ谷
>>1は連取りを理解して使ったのか?
連取りされてないのに
理樹(怒りとリビドーが同時に湧いてきた。いそいそと帰ろうとする来ヶ谷さんを引き止める)
来ヶ谷「な、なんだね」
理樹「その外国の挨拶ってさ、キスもするよね」
来ヶ谷「あ…ああ。だがそれは…」
理樹(それなら特に問題はない。来ヶ谷さんはし慣れているんだから。僕は来ヶ谷さんの口に接吻した)
来ヶ谷「っ!!」
理樹「ん……」
理樹(来ヶ谷さんの頭を掴み、逃げられないように情熱的なキスを続けた。よく、海外の映画で見るような長ったらしいキスだ。見よう見まねだけどちゃんと出来ているかな)
来ヶ谷「待って……んぁ……っ」
理樹「ふーっ…ふーっ……」
理樹(鼻で息をして何度も続けた)
来ヶ谷「んくっ……」
理樹「…………っ」
来ヶ谷「ここでは……見つかったら…っ!」
理樹「んん……ちゅっ…」
来ヶ谷「……はぁ…はぁ…」
理樹「ふぅ……」
理樹(もう充分だろう。口を離した)
理樹「じゃ、僕はもう行くから」
来ヶ谷「……………っ」
理樹(来ヶ谷さんは顔を真っ赤にしてどこかへ行ってしまった)
相手>>29
美魚ちん
これは全員ぶんの反応がみたい
この>>1っていつもの人?
返答頼む!
過去作を教えてほしい(๑•̀ㅁ•́ฅ✧
理樹「はぁ…勢いでとはいえとんでもないことしちゃったな……あとで謝ろう」
理樹(しばらく歩いたおかげで頭が冷えた。あのおまじないのせいでもあるんだろうけど本当に呪いみたいだな)
西園「………あ」
理樹「あっ」
理樹(西園さんと出会った。ほとんどこの間ぶつかった所と一緒だ)
理樹「こ、こんにち…」
西園「さようなら」
理樹「あー……あはは……」
理樹(あれから僕に対して真人以上に冷たい。来ヶ谷さんのフォローのお陰でまだ軽蔑まではされていないけど……とりあえず中途半端に挙げた右手をおろした)
理樹(とにかく西園さんとはきっちり話し合わなくちゃな。よぅし!)
理樹「西園さん。ちょっと話があるんだけどっ」
西園「……なんでしょう?」
裏庭
理樹「その~……来ヶ谷さんから聞いてるとは思うんだけどさ」
西園「分かっています。来ヶ谷さんから抱きしめてしまうおまじないをかけられて抱きしめてしまったんですよね」
理樹(うーん。聞いてて信じられそうにない言い訳だ)
理樹「で、でも聞いてよ!本当に誤魔化そうとするならこんなにバカみたいな理由にするはずないでしょっ!?」
西園「いえ。別に疑っている訳ではありません。来ヶ谷さんが改めてわざわざ説明しにきたくらいですし。仮にそれが嘘だったとしても、きっと私のための嘘なんでしょう」
理樹「西園さん……」
西園「話はそれだけですか?」
理樹「いや、あの……だからさ。僕も悪かったとは思ってるから…これからはまたいつも通り接してほしいなー……というか…」
西園「はぁ……。分かりました。私も鬼ではありません。直枝さんにここまで言わせては許さない方が失礼です」
理樹「西園さん!」
西園「それでは読書をしたいのでいいですか?そこに座っていたいなら、どうぞ」
理樹「分かっ……!」
理樹(視界が少しの間、黒で塗りつぶされた。その暗黒空間の中心には星のような光が瞬いていた。マンガやアニメでよくある、殴られると頭に浮かび上がる星はこの事を言うんじゃないだろうか)
理樹(とにかくその光が見えてから、僕は洗脳されたのかというほど頭の整理がつかなくなってしまった。脳が電極をつけられて他の誰かに操られたかのように身体が言う事を聞かない)
理樹「…………………」
西園「…………………」
理樹(そして僕の目は西園さんを見ていた。そして気付いた。きっと僕の身体は西園さんにもキスする気なんだと)
理樹「~~~っ!!」
理樹(しかし、悲しい事に無防備な西園さんに対して警告するための舌さえ動かなかった。今の僕は獲物に静かに忍び寄る蛇そのものだった)
西園「……………なんですか?」
理樹(やっと西園さんが気付いた。しかし、気付いたのは僕の荒い鼻息が西園さんの髪に揺れたからだった。ということは、つまり、もう手遅れだ)
理樹「っ……」
西園「んんっ!?」
理樹(”僕”は、本に構わず、西園さんの両手を大樹に押さえつけて無理やり行為に及んだ)
西園「んふっ……!!」
理樹「…………………」
理樹(くそう…なんて目をしているんだ。それは今にも涙が出そうで、でもそうなることを強引に我慢しているような……)
西園「やめ……て…っ」
理樹(まったく思う通りに行動出来ないというのは恐怖を感じるが、それ以上に悔しさが上回った。でもその思いをあざ笑うかのように西園さんの唇の柔らかさがひしひしと伝わってきた)
理樹(唇から他人の温もりを味わう事がこんなに気持ち良いなんて。でもその快感は時間を置いて次第に冷めていった。それと同時に自分の身体も自分でコントロール出来るようになった)
理樹「ハッ!」
理樹(そして、手足が使えるようになって、手の力を緩めると彼女はすぐさま立ち上がって僕を突き飛ばした)
西園「…………直枝さんを軽蔑しました」
理樹「あ……あ……あ…」
理樹(何も言えない。倒れたまま力なく西園さんを見つめていると、彼女はそのままどこかへ去ってしまった。読みかけた本を残して)
理樹「……………………」
次の相手>>43
クド
男子寮
理樹部屋
理樹「えっと…ナイフナイフ…」
理樹(西園さんに許してもらうには、もはやケジメをつけるしかなかった。確か工芸に使う彫刻刀があったような…)
コンコンッ
理樹「はーい」
理樹(ノックの音がした)
クド「こんばんわっ」
理樹「やあクド。今日はどんな要件で?」
クド「はいっ。実はさっきお爺さんからとても良いお茶っ葉とお菓子を頂いたのでリキも一緒にどうかなと!」
理樹「へえ、そりゃいいね」
クド「そうですよ~二木さんと葉留佳さんもいますっ」
理樹「ふ、二木さんかぁ……。まあ、でもせっかく誘ってくれたんだしちょっとお邪魔しようかな」
クド「やったー!なのですっ。それでは早速ゴートゥーマイホーム!」
理樹「うん……あっ!」
クド「わふ……?どうかされましたか?」
理樹「あっ……い、いや、違う!ごめんクド!やっぱり行けないよっ」
理樹(さっきあれ程のことがあったのにすっかり忘れていた。このままついて行ったら確実に『おまじない』が発動して………多分退学になる)
クド「な、なんでですかーっ」
理樹「と、とにかくダメなものはダメ!本当にごめん!」
クド「わ……分かりました……そこまで言うなら…」
理樹(クドはドアノブに手をかけた。その断られた姿はものすごくショボくれている…)
理樹「どうしても今日だけはダメなんだ…送るよ」
クド「いえ……ここで結構です…」
理樹「いやいやいや、そういう訳にも…」
理樹(クドの肩を掴んだ途端、例の変な衝動が起きた)
理樹「グッ……」
クド「わふ?ど、どうかされましたか?」
理樹「……………」
クド「んーーっ!!?」
理樹「……………」
理樹(…………………)
クド「っ…はっ…はっ………リ、リキ……?」
理樹「……………っ!!」
理樹(い、今のは!?)
クド「リキ……」
理樹「ク、クド!ごめ……」
クド「わ、わふ……こういうのは…その……先に言ってくれないとビックリするというかですね……!」
理樹「えっ…」
クド「リキがその気だったならもっと早く私も………ゴニョゴニョ…」
理樹(なにか勘違いしている)
理樹「ち、違うんだクド!これは僕が進んでした訳じゃないんだよっ!」
クド「?」
理樹「~~~という訳…」
クド「……………」
理樹「く、クド?」
クド「グスッ……」
理樹「!?」
クド「あは………ははは……ごめんなさいリキ…私、早とちりしてしまいました…てっきりリキが私にそういう意味でさっきのことをしたんだと…勘違いしてましたっ」
理樹「あ………」
クド「そ、それでは…お二人と…お茶会してきますね…!」
理樹(最後の方は声が裏返っていた。西園さんの次はクドまで……バカなことをした。どうしても止めることが出来なかった。さっきはキスする瞬間まで意識を切り取ったかのように放心状態でクドに近づいてしまったのだ)
理樹「クソッ………!」
裏庭
理樹「えーと…それで僕を呼び出した訳というのは?」
来ヶ谷「その>>50と化すおまじないを実際に理樹君で試してみようと思ってな」
理樹「勘弁してよ!」
来ヶ谷「どうした急に」
理樹「どうしたもこうしたもないよ!おまじないをかけられるたびに僕以外の誰かが不幸になってるし、そのおまじないも最初はとても強い欲求レベルだったのがもう無意識のレベルで行動するようになったし」
来ヶ谷「えっとなになに?掛けたい相手に『キョウモイツモノサイミンブソク』と唱える…か」
理樹「聞いてよ!!」
グワングワン
理樹(その瞬間、全身に電流が走ったかのような衝撃を受けた。まさか、本当になってしまったのだろうか?その>>50というやつに)
理樹「うっ………」
来ヶ谷「どうした理樹君?」
理樹(来ヶ谷さんがめちゃくちゃ嬉しそうな声で聴いてきた)
理樹「な、なんだか身体が火照ってきた……なんだかとってもオギオギする!」
>>34
全員はしんどい
>>35
リトバスssマイスターとは俺のことだ
>>37
恭介『理樹、今あっているそいつは俺じゃない。今すぐ離れろ』理樹「えっ?」
恭介「悪い。これ以上続けてらんねえわ」理樹「…えっ?」
とか見返してて楽しめた
とりあえずKsk
違ってたらスマンが、恭介俺の部屋にコミックL〇が置かれているみたいなタイトルの作者は>>1か?
もういっそ美魚ちんに全部ぶつけるんだ
理樹(この間と同じ目に合わないためか来ヶ谷さんはそそくさと何処かへ行ってしまった)
理樹「これじゃもうただの変態だよっ!来ヶ谷さんじゃ絶対にカバー出来ないレベルまで達しちゃってるしっ」
理樹(とは言ってもこのまま0時になるまでジッとしている訳にもいかない。今日はもうなりふり構わず全力で部屋まで戻ろう)
理樹(それは、男子寮に続く通りを曲がった瞬間だった)
理樹「ハァッ…ハァッ…!」
ドンッ☆
「きゃっ」
理樹「うわっ」
理樹(急ぐあまり不注意になりすぎた。……でもってこの流れは嫌な予感がする)
西園「……つつ…」
理樹「う、うわぁぁあ!」
理樹「ごめん!もっと時間をかけて謝りたいところだけどまた後で!さよなら!」
理樹(急いで西園さんを立たせ、来ヶ谷さんのおまじないが発動しないうちに逃げようとした。しかし、それは西園さんの手に遮られてしまった)
西園「待って!」
理樹(立ち去りかけた僕の手首が強く引っ張られる)
理樹「に、西園さん!?」
西園「直枝さんに少し、お話があります」
理樹「ごめん。ゆっくり聞きたいところなんだけど今日に限っては一刻も早く君から離れないと!」
西園「……また、おまじないですか?」
理樹「そ、そうなんだ!」
西園「なら別に逃げる必要はありません。今日はそれについて話したかったので」
理樹「えっ?」
理樹部屋
理樹(立ち話もなんだしと西園さんが僕の部屋来た。もし発動した時は誰も止められなくなると忠告をしたにもかかわらず)
西園「また来ヶ谷さんの悪戯に引っかかってしまったんですね」
理樹「う、うん…来ヶ谷さんも困ったものだよね…全然懲りてくれないし」
西園「懲りる……ということは来ヶ谷さんにも?」
理樹「う、うん……」
西園「そうですか」
理樹「あの、本当にごめん…あの時は身体が勝手に動いたというか……!」
西園「いいえ、謝るのはこちらの方です」
理樹「えっ?」
西園「直枝さんが急にあんな事をするものだからあせってしまっていましたが、今思えば理由もなくそんなことをする人ではありません。なのに、酷いことを言ってしまい、申し訳ありませんでした」
理樹「に、西園さんが謝ることないよ!」
西園「それにこれがまだ直枝さんでよかったです。もしも相手が他の方なら……」
理樹「他の人なら?」
西園「いえ、なんでもありません!」
理樹(彼女は少し恥ずかしそうな顔で言った)
西園「あの…ところで今直枝さんがかかっているおまじないと言うのは?」
理樹「え、ええと……『抱きついてクンカクンカ』なんだけど…」
理樹(言っててとても恥ずかしい)
西園「……分かりました。いいですよ」
理樹「えっ、『いい』って言うのは?」
西園「和解の印です。今回だけは特別に…ですよ?」
理樹(西園さんの言葉の意味が分かって思わず生唾を飲み込んだ。まさか、西園さんからこんな言葉を聞くなんて…!)
理樹「い、いいの…?」
西園「…………………」
理樹(西園さんは無言で目を瞑り、肯定した。実を言うとおまじないへの抵抗は限界に達していたのだ。腕は汗だらけで、我慢するあまり頭も痛くて…そんな時に許可をもらってしまったらもう……!)
理樹「じ、じゃあお言葉に甘えて……」
理樹(ベッドに座っている西園さんを押し倒すように抱きついた。小柄な彼女は拒もうともせず、僕に体を委ねた)
理樹「スゥゥ……ハァァ…」
理樹(制服の肩の辺りの匂いを思い切り吸った。素晴らしい空気だった。これに比べれば今まで吸っていた空気が猛毒のように感じられる程だった)
理樹「うっ……感動したっ…」
西園「私なんかで良ければいくらでも嗅いで下さい」
理樹(僕の胸に顔を埋めながらそう呟く西園さん。髪が頬に当たって少しこそばゆいが、そんな事はこの香りの前では果てしなくどうでもよかった)
理樹「クンクン……」
理樹(鎖骨のあたりに鼻を近づけると西園さんは少し体をビクッと震わせた。そんな細かな反応でさえ今は敏感に感じることが出来るのだ。なんと幸せなことなんだろう!)
西園「……そんなに力強く抱かれると息が出来ません」
理樹「あっ、ご、ごめんっ」
理樹(慌てて顔を僕の方の目の前に近づけ、次はそのまま首の方を嗅いだ。西園さんの顔はとても赤かった。今なら死んでもいい…そう思える時間だった)
…………………………………………
数十分後
理樹(西園さんは僕がくしゃくしゃにしてしまった制服を整えていた)
理樹「西園さん。今日はありがとう」
西園「いいえ。困った時はお互い様です」
理樹「……うんっ」
西園「それではまた明日会いましょう。もう来ヶ谷さんのには引っかからないでくださいね?」
理樹「わかってるよ!」
理樹(そして、西園さんは出て行った。こんなにも閉まるドアがとても名残惜しく感じたのはいつ以来だろう)
理樹(と、閉まりかけたその時、誰かの手がそのドアを再び開けた)
真人「おっ、もう帰ってきてたのか!ちょうどいいな!」
恭介「ヘイヘーイ!遊びに来たぜ理樹!今日は新しいボードゲームを買ってきたんだっっ!」
謙吾「今、西園がすれ違いで出て行ったが何があったんだ?」
理樹(いつもの3人組だった。まずい)
理樹「ご、ごめんみんな!ちょっと今から出かけるところなんだ!」
真人「おいおい、つれねえなぁ!ちょぅとくらいいいじゃねえかよ!」
謙吾「そうだそうだ。最近理樹がいないから退屈していたんだぞ」
理樹(あっという間に捕まってしまった。このままじゃ…!)
恭介「よし、それじゃあ早速遊ぼうぜ」
理樹「……ぁ…クン…させ……」
恭介「ん?」
理樹(ダメだ。分かっていても止めることが出来ない…)
理樹「へ…エヘヘ……それじゃあさ…みんか……」
恭介「なんだ」
真人「どうした?」
謙吾「む?」
理樹「抱きしめてクンカクンカさせてよっ」
「「「えっ!?」」」
終わり
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