現在

男「昔は、あんな感じだったのに…」

幼友「幼馴染ちゃん、また学年トップ？すごいねー」

幼馴染「そんな大したことないよ」

幼友「何言ってんの、今までずっとトップって凄すぎでしょ」ｽﾞｲｯ

幼馴染「そ、そうかな…」ｱﾊﾊ

男「……………………」

男友「どうよ男さん、テストの調子は」ｽﾞｰﾝ

男「全教科ギリ赤点回避」

男友「裏切りおったな！」

男「赤点だったのか」

男友「俺は日本人だ、英語と数学など必要ない！」

男「いや、数学必要だろ」

男友「あー、補習と追試嫌だぁ！！」

男「しかし、まぁ…酷い点数だよな」

男「昔の俺なら……」ﾎﾞｿｯ

男友「どした、男？」

男「何でもねーよ」

幼友「そういえば聞いたよ、幼馴染ちゃん」ﾆﾔ

幼馴染「えっと、何の話？」

幼友「あのイケメンの先輩の告白断ったんでしょ？」

幼馴染「あっ、うん…その話」

男「先輩…？」

男友「3年で学年トップのイケメン先輩だよ」ﾋｿ

男友「俺達とは次元が違うハイスペックの御方だよ」

男「へぇ……」

幼友「どうして断ったの？」

男（確かに気になる）

幼馴染「私じゃ釣り合わないよ」

幼友「美男美女カップルじゃん！」

幼馴染「私は美女じゃないよ」

幼友「今、全学年の女子を敵に回したよ」

幼馴染「また、大袈裟だよ」ｸｽ

幼友「絶対、付き合った方がいいよ」

幼馴染「でも、私…」

幼友「もしかして幼馴染ちゃん、好きな人いるの？」

幼馴染「ふぇっ？！」ｶｧｧ

幼友「えっ、ちょっ…誰？！」ｽﾞｲ

幼馴染「っっ…………」ﾌﾟｲｯ

男（幼馴染、好きな奴いるんだな）

男「俺、帰るわ」ｶﾞﾀ

男友「おい、幼馴染ちゃんの好きな奴聞かなくていいのかよ」

男「あー、まぁ…俺には関係ないし」ｽﾀｽﾀ

男友「あっ、おい！」

男「またなー」ｶﾞﾗﾗ

校門

男（幼馴染の好きな奴ってどんな奴なんだろうな）

男（少なくとも俺よりイケメンで頭良くて紳士で…）

男（めっちゃ良い奴なんだろうな）ﾊｧ

男「ほんと…遠い存在だよ」

幼馴染「誰が遠い存在なの？」

男「えっ？」ｸﾙ

男「お、幼馴染？！」

幼馴染「うん、追いかけて来ちゃった」ﾆｺ

幼馴染「一緒に帰ろう、男くん」

男（おぅ、ヤバい可愛い過ぎる）ﾄﾞｷ

男（10年でこんなに変わるもんなのか？！）

幼馴染「男くん…？」

幼馴染「大丈夫？体調悪いの？」ｽﾞｲ

男「い、いやいや大丈夫大丈夫」ﾀﾀｯ

幼馴染「どうして後退りするの？」

男「か、顔が近くてな」

幼馴染「ドキドキした？」ｸｽ

男「ぅ……」

幼馴染「帰ろう！」

男「お、おぅ……！」

ﾋｿﾋｿ ｼﾞﾛｼﾞﾛ

男「っ……？！」ﾄﾞｸﾝ

幼馴染「男くん？ホントに顔色悪いけど…」

男「……………………ごめん」

幼馴染「えっ？」

男「用事あるから先に帰るな」ﾀｯ

幼馴染「あっ、男くん！」

───
──
─

男「はぁはぁ…何逃げてんだよ、俺」

女「……………」

男「あっ、女」

女「息遣いがキモい」

男「いきなり失礼だな、お前」

女「本音を言っただけ」ﾅﾃﾞ

黒猫「にゃー」ｽﾘ

男「ん、その黒猫…」

女「覚えてる？」

男「俺が助けた黒猫か？」

女「そう、最近またこの辺にいる」

男「もう車に飛び出したりするなよ」ﾅﾃﾞ

黒猫「にゃー」

女「1年前よりずっと大人しくなった」

男「そっか、なら良かった」

黒猫「にゃっ」ﾀｯ

女「またね」

男「お前、猫好きだな」

女「別に」ｽﾀｽﾀ

男「…………素直じゃねぇ」ｽﾀｽﾀ

女「それで…」

男「ん？」

女「幼馴染さんには告白したの？」

男「げほっ？！」

女「……………」ｽﾀｽﾀ

男「してないけど…」

女「意気地無し」

男「俺じゃ釣り合わねぇよ」

女（またそれか…）

───
──
─

女「……………」

男「女、お前の部屋は隣だろ」

女「いいから開けて」

男「えっ、俺の部屋入るの？」

女「早く」

男「……はい」ｶﾞﾁｬﾝ

女「……………相変わらず汚い部屋」

男「ホントに失礼だなー」

女「……………」ｶﾞｻｶﾞｻ

男「あっ、片付けなら俺がやるぞ」

女「二人でやった方が早い」

男「お前…ツンデレなのか？」

女「……燃えるゴミ」

男「俺はゴミじゃないからマジな顔で見ないで下さい」

───
──
─

女「少しはマシになった」

男「いや、めっちゃ綺麗なんですけど」

女「いつもこれくらい綺麗にしといて」

男「やっぱり部屋が綺麗だと気分良いな」

女「これなら幼馴染さんも部屋に呼べるでしょ」

男「えっ？」

女「幼馴染なんだから部屋くらい呼んで」

男「こっちに引っ越して来てから、お前しか入ってないぞ」

女「私より幼馴染さん誘いなさい」

男「お前が勝手に入って来るんだろ」

女「さっさと襲えばいい」

男「は、はぁ？！」

女「子供が出来れば嫌でも結ばれる」

男「ちょ、ちょっと待て！俺らまだ高校生だぞ」

女「……………」ｼﾞｯ

男「……何だよ」

女「告白しないの？」

男「……………」

女「自信がない？」

男「……まだ、ダメなんだ」

女「めんどくさい奴」

男「うっせー」

ﾋﾟﾋﾟ

男「メールか？」ﾋﾟｯ

男「お、幼馴染……？！」

女「何てきたの？」

男「今から俺の家に行きたいって…」

女「ベストタイミング」ｽﾀｽﾀ

男「どこ行くんだよ」

女「私が部屋にいたらダメでしょ」

男「あー、確かに」

女「ちゃんと避妊具つけなよ」

ｶﾞﾁｬﾝ

男「いやいやいやいや！！」

───
──
─

幼馴染「ここが男くんの部屋なんだ」ｷｮﾛ

男「お、おぅ」

幼馴染「すごい綺麗にしてるんだねー」

男「まぁ、一応な…」

男（ありがとう、女！！）

幼馴染「ふふ」

男「何か楽しそうだな」

幼馴染「うん、だってずっと男くんの部屋に来たかったから」ﾆｺ

男「じゃあ、俺から呼べば良かったな」

幼馴染「…呼ばれるの待ってたんだよ？」

男「悪い…」

幼馴染「ううん、こうして来れたから気にしないで」

幼馴染「走って来たからちょっと暑いよー」ﾌﾟﾁ

男（Yシャツのボタンを外した…だと？！）ﾁﾗｯ