後輩「先輩、この後一緒に帰りませんか!」 (62)
甘々展開
男「…いやいや、家の方向正反対じゃねえか」
後輩「そんなことありませんよ!多分165度くらいです!正反対じゃないです!」
男「いやどうでもいいよ」
後輩(…どうでもいい=OK=先輩の家に上がるのもOK=濃密な夜…)
男「NOだからな?」
後輩「心が読まれているぅ!」
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ーーー
後輩「…なんだかんだで送ってくれる先輩素敵///」
男「…仕方ないだろお前は《仮にも》女の子なんだし」
男「《仮にも》」
後輩「なんで2回も言うんですか!成績優秀スポーツ万能のピッチピチのJKなのに!」
男「性格が論外」
男「ついでに体型はJKと言うより中学生じゃねぇか」
後輩「ひどい!陸上部の未来のエースなのに!」
後輩「…きっと成長期が来ますから!…来ますかね?」
男「知らねぇよ」
後輩「…それにしても先輩は足速いですね!…これではすぐに追いつかれて砂浜デート(仮定)でのキャッキャウフフな時間が短くなってしまう!」
男「いやデートしないからな?」
後輩「…ケチ!いけず!変態!」
男「3つめは違うだろうが!」
ーーーーー
女「友部長!リア充を発見致しました!」
友「…至急写真を撮れ!」
女「了解であります!」パシャパシャ
友(…とはいえ後輩ちゃんに見せたら喜ぶからなぁ、他の部員はもう周知済みでニヤニヤするだけだろうし)
友(男ぐらいしか見せる相手がいない)
友「…リア充め!畜生!いっそのことそのまま後輩ちゃん家に上がって【自主規制】しろってんだ!」
友「…甘々過ぎるくせに進展ねぇんだよ男ぉ!」
女「撮影完了であります!」ビシッ
友「おう!よくやった!」ビシッ
ーーーーー
後輩「それじゃ先輩また明日ー」
男「おう、じゃあな」
男(ったく後輩にも困ったもんだな)
男(…はあ、でも俺も3年、そろそろ陸上引退なんだよな)
男(実感わかねぇ)ドンッ
男「あ、すみません」
不良「あ?ぶつかっといて慰謝料無しか?ええ?」
男「は?」
不良「マジ痛いわー10万くらいで許してやるけどなー」
男(頭悪そう)
男「…邪魔なんでどいてくれません?」
不良「…チッ、半殺しにすんぞボケェ!」バッ
男「………」ガシッ
男「 帰 ろ っ か ぁ ? 」ゴゴゴ
不良「…ぐっ…覚えてやがれ!」ダッ
男(ったく…昔のことがあるからこういうことはしたくなかったんだけどな)
男(…俺が小さかった頃、父親は家族に暴力をふるった)
男(結局両親は離婚。今は母親、妹と3人で暮らしている)
男(…あんな奴になるまいとなるべく暴力沙汰は控えてきたが)
男「…帰るか」
ーーーーー
友「写真を早速現像したが…」
友「流石女さん、完璧ですなぁ」ニヤニヤ
女「いやぁなんのなんの…あれ?」
友「どうした?」
女「…キリよく10枚撮ったはずなんだけど…9枚しかないや」
友「…猿も木から落ちるだな」
女「…そうだね」
ヒラヒラ
翌日
後輩「ーーー」カイワ
後輩友「ーーー」カイワ
〜〜〜〜〜
モブ1「やっぱ後輩って可愛いよなー」
モブ2「貧乳はステータスだしなー」
モブ1「でも後輩って好きな奴いるんだろ?」
モブ2「そうそう1学年上の部活の先輩らしいぜ」
不良「…なあ」
モブ1「…ふ、ふりょうさんどうしたんですか…」
不良「…後輩の彼氏見てみたくねえか?」
モブ2「…えっ…そっすね…」
不良「ちょっと写真とってこいよ」
モブ1、2「…はい…」
ーーーーー
モブ1、2「と、撮ってきました…」
不良「早く見せろ」バッ
不良「………」
モブ1、2「…?」
不良「…おもしれえなあ」
モブ1、2「………!?」ゾクッ
後輩「…おや、机の中になにかが」
後輩「…ラブレター?でも先輩からじゃないですよね…」
後輩「なになに…放課後体育館裏に…だってさ」
後輩友「だってさ、って言われても困るんだけど」
後輩友「断りに行くしかないでしょ」
後輩「ううー、めんどくさいですなぁ」
後輩「じゃ部活前にいきますか」
後輩友「…ほんと男さんが絡んで無いと普通のJCだよねあんた」
後輩「いやJKだよ!?」
放課後
後輩(さてと…部長に少し遅れるとは言っておきましたが…愛する先輩の時間のための手短に終わらせたいですね!)
モブ1「ど、どうも後輩さん」
後輩「おや、クラスメイトのモブ1くんじゃないですか!」
モブ1「じ、実は後輩さんのことが好きだったんです…」
後輩「…ごめんね、申し訳ないけど私には好きな人がいますのでーーーっ!?」バチッ
後輩「…ぁ…れ?」ドサッ
不良「よし、車まで運ぶぞ」
モブ1「ご、ごめんね…後輩さん…」
後輩「………」
不良(スタンガンの電圧少し強かったか?まあ気絶してるっぽいしいいか)
ーーーーー
男「…後輩遅くないか?」
友「心配性だねぇ、そんなに彼女のことが気になるかい?」ニヤニヤ
男「彼女じゃねえよ」
友「いや彼女ってそっちの意味じゃないんだけどなぁ、ただあの子っていう意味合いで使っただけなんだけどなぁ」ニヤニヤ
女「意識しちゃってる?」ニヤニヤ
男「…そんなことねえし!」
友「…でも遅いねえ」
女「探しに行ったらどう?」ニヤニヤ
男(…くそ、嵌められてる!…心配だが俺にもプライドってもんがあるしな…)
【安価】助けに行く?行かない?
1行く
2行かない
安価1下って書くの忘れてました申し訳ない
1で行かせてもらいます
男「仕方ないな!仕方ないから!探しに行くわ!」
友&女「いってらっしゃい」ニヤニヤ
〜〜〜〜〜
男(というわけでプライドを捨てて探しに来た訳だが)
男(すぐに見つかったら苦労しないんだよな…)
後輩友「あ、後輩の彼氏さん!」
男「いや彼氏じゃないから?どこまで広がってんの?」
後輩友「少なくともうちのクラス中には…」
男「」
男「…それより後輩見かけなかったか?」
後輩友「後輩なら告白の断りを入れに校舎裏に行きましたけど?」
男「…ありがとう」ダッ
後輩友「いやぁ後輩もいい彼氏捕まえたね!」
安価入れるつもりならスレタイか>>1に書いておかないと荒らしがくるから気をつけてね
>>16以後気をつけます
校舎裏
男「いねぇ…!」
男「まさか断ったのを逆上されて…!」
ピロリロリーン♪
男「…メール?後輩からか?」
『後輩ちゃんは預かった。返して欲しければこの地図のところへ一人で来い
不良』
男「…あいつか」
男「…後輩っ!」ダッ
ーーーーー
後輩「…あれっ…?」パチッ
モブ1「…ごめん」
後輩「…ここどこですか?」
モブ2「…廃倉庫だよ」
後輩「…そんな昭和なノリが通用するんですか!」
後輩「というかなんで縛られてるんですか!」
モブ1「…不良くんに命令されて…」
モブ2「多分男っていう人をおびき出すためだと思うよ…」
後輩「先輩を?」
モブ1「少し因縁があるっぽいんだよ…」
後輩「とりあえず縄解いてくれません?」ジタバタ
モブ2「…逆らうと後が怖いから…ごめん」
後輩「うぅ…でも少しキツくないですか…?」
後輩「ちょっと手と足が痛いです…」ウルウル
モブ1「…少し緩めるくらいならいいんじゃないか?」
モブ2「…だな」
後輩「…ありがとうございます!」パアァ
後輩(案外チョロいですね)
〜〜〜〜〜
男「後輩はどこだ?」
不良「…この奥だ」
不良「だが返して欲しければ…」
不良「俺と勝負をしてもらおう」
男「…なんの勝負だよ」
不良「…暗号を出す、その答えが倉庫のパスワードになっている」
不良「…タイムリミットは30分、タイムオーバーなら後輩さんは死ぬ」
男「…分かった」
不良「…これが暗号。せいぜい頑張れ」
男(…おかしい)
男(…これが暗号)
おにtんwtbrksくひsんhsndmりms、pswーdh「いむt」ds
×い×yのあうああうお×あ×あにあいねおあ×あう×あうあ×おあ××お×お×えう
×××あ××××××××××××××××××××××××××××××××××××××
男(…わかんねぇだろこれ)
ーーーーー
後輩「で、最近先輩の妹さんにも会いましたよ!」
モブ1「へえ、どんな子?」
後輩「中学生で結構可愛いです、まあ先輩の妹さんなら当然ですね!」
モブ1「ふーん、性格は?」
後輩「なかなか礼儀正しくで真面目でしたよ!義妹になる日もそう遠くはないです!」
モブ1「そういや陸部の女先輩はどうよ?」
後輩「いやあ友さんとのお似合いカップルですね!」
後輩「ただしあのスタイルは反則です!」
モブ1「あの人自由人っぽいからなぁ…可愛いけど捨てられそうで告白できなかったんだよねー」
モブ2(こいつら仲良いな)
モブ2(…おや、メールだ)
モブ2「おーいモブ1、帰るぞ」
モブ1「不良さんからの命令?」
モブ2「そーそー」
後輩「ええ!?私1人でここに残るんですか?」
モブ1「ごめんな…」
モブ2「後輩さんバイバイ」
後輩(ぐぬぬ…緩く縛ってもらったのに私の力じゃ解けません…)ジタバタ
後輩「…暇ですね」
後輩「…こうも静かだとあれですね、怖いです」
後輩「先輩は今何をしているんでしょう…」
後輩「助けに…は来てないでしょうしまったりライフを満喫してるんですかね」
後輩「…先輩」
後輩「………」
ガチャ
不良「…相当参ってるみたいだね」
後輩「…不良くん」
不良「でももう楽になるよ」
不良「殺してあげるから」
後輩(…いつもの不良くんじゃないみたいに殺気立ってます!)
後輩(これって結構危ないやつじゃ…)
不良「苦しんで死ね!」ギラッ
後輩「うわぁ、危ないですって!」ピョンピョン
不良「ずっと憎かった!奪ったいくあんたが!」ブンブン
後輩「いやちょっと待ってくださいよ!ずっと飛び回りながら逃げるのしんどいんですけど!」ピョンピョン
後輩「第一なんの恨みがあるんですか!」ピョンピョン
不良「…うるさい!」ザクッ
後輩「…〜〜っ!」
後輩(足を刺されました!痛い上に逃げるのが難しく…!)
不良「…ふふふ」
不良「死ね!」ギラッ
後輩「ちょっ、話せば分かりますって!」
男「そこまでだ」バンッ
後輩「…先輩!」
不良「…なんで分かった」
男「…ひとまず」
男「そのナイフを手から離してからだ!」バッ
不良「…離して!あっ!」
カラン
男「…俺に負けるほどこんなに力弱いもんな」
男「だから殴りあいじゃなく頭を使わせたんだろ?」
男「…俺は暗号なんて解けなかったよ」
男「でもな、パスワード入力機器はひらがな4文字のパスワードを要求した」
男「それにお前の名前を打ち込めば開いたよ」
後輩「意外と簡単に開けたんですね!流石私が惚れた先輩ですね!」
後輩「じゃあ【ふりょう】で開いたんですか?」
男「…いや、お前の名前はーーー」
男「【いもうと】だろ?」
後輩「……?」
後輩「…ええっ!?不良くんが妹ちゃんなんですか!?」
男「…まずあのメールには【後輩ちゃん】って書いてあった。そしてお前と話す時は【後輩さん】」
男「普段呼ばないからブレたんだろ?」
不良「…どっちでもいいじゃないか」
男「…後輩、お前不良になんて呼ばれてるんだ?」
後輩「…まあ【後輩】とだけで呼ばれますかね」
男「…不良はちゃんとかさんとかつけて後輩を呼ばないんだと」
男「帰ろうとしてたモブから聞いたよ」
不良「………」
男「…それに」
男「…もっと不良は口調が荒かった」
不良「……っ」
男「そして、不良は筋肉質で動ける体型だった」
男「いくら俺より力が弱かった、足が遅かったとして」
男「…縄で縛られた後輩を瞬時に殺せないのはおかしい」
男「…酷い話をするがいくら足の速い後輩だとしてもそれは女子レベルの話、多分不良と比べると一緒かそれ以下だろう」
男「その上縄で手足を縛られている、逃げ回るにはうさぎ跳びみたいに逃げるしかない」
男「…なぜ足に怪我させるくらい殺意があったのに殺せなかったか」
男「…お前が不良じゃないからだ」
後輩「あ、そういや足怪我してましたっけ…」
後輩「……ぁ」サーッ
後輩「いたぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
男・不良「!?」
後輩「あぁぁ思い出したら痛みも思い出しました…」
男「妹、どけ」
不良「…嫌です」
男「早く病院に連れていかないとまずい」
男「…どけ」
妹「後輩さんの人生が狂うチャンスですから、どけません」
男「…やっと妹って認めたか」
妹「…この際どうでもいいです、あとは後輩さんの人生が狂えば」
男「なんでこんな事をしたんだ!?」
後輩(声出ないくらい痛くなってきました、傷口と生々しい血液がもう…)
後輩(気分悪いですね…)
後輩(先輩は妹さんと熱くなってますし)
後輩(…頭も働かなくなってきました)
妹「…だって兄さんが離れて行くから」
妹「後輩さんといつも会ってるし」
妹「…好きだったの」
妹「兄さんのこと」
男「…そうか」
男「…ごめんな、今まで辛い思いさせて」
妹「………」
男「父親のせいで小さい頃あんまり話せなかったもんな」
男「ごめん」
妹「…私こそごめんなさいっ」
妹「…感情を人に押し付けてっ」
男「…まだ間に合うからさ、後輩を助けよう」
妹「………」
妹「…後輩さんは」
妹「…このまま生きて嬉しいんでしょうか?」
妹「…こんなに苦しめられて」
男「…大丈夫だ、後輩はまっすぐ前を向ける」
男「嬉しいに決まってる」
妹(…駄目かぁ)
妹「…兄さん、」
妹「…まだ包丁あるんだ」
男「……!」
妹「…後輩さんも連れて行きますね?」
男「…まて!」
妹「いつまで経っても気を引けない私、私から兄さんを奪っていく後輩さん」
妹「…報われないのなら」
妹「…私も後輩さんもみんないなくなればいいんです」
妹「…さよなら」グサッグサッ
男(その後はよく覚えていない)
男(気がついたら病院で)
男(親から妹はなんとか一命を取り留めたと聞いた)
男(俺は後輩の安否を聞いたが…)
男「…後輩、入るぞ」ガチャ
後輩「あ、先輩!」
男「…元気だな」
後輩「いやぁ気がついたら病院にいたんですよ!不思議です!」
後輩「…妹さんはどうなりましたか?」
男「…一命は取り留めたとさ」
後輩「…良かったです」
後輩「…先輩の妹を死なせてしまうなんてお嫁さん失格ですからね!」
男「…林檎食べるか?」
後輩「いただきます!」
後輩「先輩の手づくり〜♪」
男「ただ皮剥いてうさぎにするだけだぞ?」
後輩「いいんですそれで!」
男「…じゃあ早速剥くか、フルーツナイフっと」ギラッ
後輩「……ぁ」ドクン
【妹「苦しんで死ね!」ギラッ】
後輩「……ぁぁ」ドクンドクン
男「…どうした!?」ギラッ
後輩「やめて…こないでください…!」
男『苦しんで死ね!』ギラッ
後輩「うわぁぁぁぁぁ!!!いやぁぁぁ!助けて!!!」バタバタ
男「後輩!?な、ナースコール!」
医師「…軽いトラウマでしょう、じきに治りますからその間はなるべく刃物は見せないようにしてください」
男「分かりました」
男(…やっぱり怖かったんだな)
男(…俺は即退院だったし帰ろう)
ーーーーー
後輩「…きっと嘘ですよね」
男『苦しんで死ね!』ギラッ
後輩「…ただの幻聴ですから」
男『苦しんで死ね!』ギラッ
後輩「…退院したらまた先輩と」
男『妹を傷つけたな』ギラッ
後輩「………!」
男『死ねよ、ほら』ギラッ
男『死ねよ、クズ』
男『いつもウザかったんだよ』
後輩「…ぁはは」
後輩「そうですね先輩…」
後輩「やっぱり許せませんよね…」
後輩「あれ、ナイフがないです…」
後輩「…どこかにないですかね」
後輩「待ってて下さい、すぐに消えますから…」
ヒラヒラ
ヒラヒラ
後輩「…なんでしょうこれは?」
後輩「…写真?」
後輩「…しわくちゃですね」
後輩「先輩と私…」
後輩「…ふふっ」
後輩「…すみません先輩、もっと怒ってる先輩が、もっと泣いてる先輩が、そしてもっと笑ってる先輩が見たいんで死ねません」ニコッ
後輩「…わがままですみません、先輩」ニコッ
翌日
男「…おはよう」
友「…無事か?」
男「…俺はな」
友「後輩ちゃんは?」
男「まだ話したくない」
友「…そっか」
友「待ってるからな…いつまでも」
男「…すまん」
友「おう、じゃあ宿題見せてくれ!」
男「おいこら」
友「真っ白でとても間に合わねぇんだよ!頼む!」
男「…しゃーねーな」
女(友くん、朝早く来て何か消してると思ったら)
女(…そういうこと)フフッ
友「…はい、今日の練習終わり!」
部員「「「ありがとうございました!!!」」」
男(…後輩は学校休みか)
男(…もうすぐ引退だってのに)
男(………)
男(…なんなんだよ)
男(…妹は精神病院に入院してるし母親は仕事でほとんど家にいない)
男(…家事とか全部妹がやってくれてたもんな)
男(…もう寝よう、考えるだけ無駄だ)
男(…来る日も、来る日も後輩は学校へ来なかった)
男(そしてついに引退する夏の大会が明日、行われる)
男「…くそ」
男(後輩なんて別にどうでもいいと思ってた)
男(…でもこのモヤモヤはきっと妹が後輩を傷つけたっていう罪悪感じゃない)
男(…心配してるんだな、俺)
男(…メール、送ってみようかな)
文面『元気か?最近全然話してないし死んでるんじゃないかと心配になった』
男(…すっげえ恥ずかしいなメールって)
男(…送信っと)
男(…やばい、こんなにメールってドキドキするもんなのか)
ピロン
男(…!)
文面『お久しぶりですね先輩!明日大会だそうじゃないですか!一応死んでませんからね!?
最後の大会頑張ってください!』
男(…なんだろう、会いたいなって思ってしまう)
男(これじゃただの変態じゃねえか)
ーーーーー
後輩「…明日先輩は引退ですか」
後輩「…病院抜け出してもいいですかね」コソコソ
後輩「お母さんとお父さんに怒られますね…おっと段差です」コソコソ
後輩「アイキャンフラーイ!」ピョン
後輩「…痛いです」ズキズキ
後輩「…20cmの段差を舐めてはいけませんね」ズキズキ
後輩「さてと、この身体じゃあまり遠くへは行けませんし…」
ピンポーン
男(…誰だよこんな夜中に…明日大会なんだから無視してもう寝よう)
ピンポーンピンポーン
男(………)イライラ
ピンポーンピンポーンピンポーンピンポーンピンポーンピンポーン
男「あーもう!うるさいな!」
男「誰だよ!」ガチャ
後輩「私ですよ!」
男「……後輩!?」
男「…髪伸びたな」
後輩「入院してて長いこと切ってませんからね!」
後輩「さらに可愛くなってしまいましたか!」
男「…変わってねえなぁ」
男「…あれ、なんでそんなに服汚れてんの?」
後輩「………」
後輩「ちょっと転んじゃいましてね!」
男「…ちょっとって感じじゃないんだが」
後輩「気にしないでください!…明日、応援行きますからね!」
男「おう」
後輩「…では!」ピョン
男(…何しに来たんだか)
男(よし、明日頑張ろう…)
ガチャ
後輩「…〜〜っ!」ペタン
後輩「…応援、ですか」
後輩「……っ」スタッ
後輩「…帰りましょう」ヨロヨロ
翌日
友「…さて、競技場についたわけですが」
友「…えー、この大会を持ちまして、3年生は引退となります」
友「…悔いの残らぬよう走ってください!」
男(…ついにこの時がやってきたか)
放送《男子100メートル選手の皆さんは競技場内にお入りください》
男「…行ってくるわ」
友「おう」
男(…3年間の陸上生活の締めくくり)
イチニツイテ
男(…出し切ってやる)グッ
ヨーイ
後輩「頑張ってください!先輩!」
男(…!)
男(来てるんだな、後輩)
パン
ーーーーー
ーーーーー
男(…終わった)
男(…最後は3位、俺らしいか)
友「よう」
男「終わったわ」
友「…おう」
男「なあ、後輩って来てた?」
友「来てた、早く結婚して爆発しろ」
男「いやそんなんじゃねえよ」
友「…そろそろ素直になれよ」
男「…いやだから」
友「…本当に、否定して終わるんだな?」
友「…後輩ちゃん待ってると思うがな、お前の返事を」
男「………」
友「…後輩ちゃんさ、もう駄目なんだよね」
男「は?」
友「…あ、いやお前がいないと寂しくてってことだよ」ハハハ
男「…馬鹿馬鹿しい、帰るわ」
友「………」
女「男くん」
男・友「!?」
女「…そろそろはっきりしたらどうなの」ゴゴゴ
男(やばい…女がスイッチ入ってる)
友「まあまあ!ここはまたのきかいn」
女「友くんは黙ってて」ゴゴゴ
友「あっ、はい」
女「…男くん、後輩ちゃんのこと好きなの?」
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