電「司令官さん、失礼します」(43)


電「…………」

電「あれ?」

電「司令官さん?」

電「…………」

電「お留守なのですか?」

     キィ…

電「……開いているのです」

電「無用心なのです。 ここはしっかり電がお留守番しないといけないのです!」(使命感)

電「ということで、お邪魔しますなのです」


電「…………」

電「……やっぱり司令官さんはお留守の様なのです」

電「ん?」

電「これは……DVDケース」

※注
パッケージではなく、何枚か入れられるタイプの収納ケースです

電「…………」

電「魔法戦士○ィートナ○ツ……?」

電「魔法戦士プ○ンセス○ィア」

電「魔法少女○れ○」

電「魔法少女○枝」

電「狙○れた○神エ○ゼル○ィアー」

電「聖○会長ヒ○ル」

電「…………」


電「何かのシリーズアニメDVDの様なのです」

電「そういえば」

電「魔法少女ま○か☆マギ○は、面白かったのです」

電「司令官もそういうののファンなのかもしれないのです」

電「…………」

電「で、でも、勝手に見てはいけないのです」

電「司令官さんに許可を取ってから見るのです!」

     コン コン

電「あ……」

?「司令官、居る?」

電「響ちゃん?」

響「ん?」


     ガチャ

響「電。 司令官は?」

電「電が来た時には居なかったのです」

響「そうなの……ん?」

響「それは?」

電「司令官さんの私物の様なのです」

響「そうなの」

響「DVDみたいだけど、どんな内容?」

電「まどマギみたいなアニメばかりみたいです」

響「アニメ? 司令官の年齢で見ているのは小数と聞いている」

電「ひ、響ちゃん! 趣味は人それぞれなのです!」

電「世の中には、大人が見たくなる様なアニメもたくさんあるのです!」


響「響は、その方面の知識が少ない」

響「面白い?」

電「さあ……電はこのタイトルを見てないので」

響「そう」

     タッ タッ タッ

??「テイトクー!」

??「そろそろティータイムネー!」

??「……あれ?」

電「あ、金剛さん」

響「金剛」


金剛「テイトクは、どこに居るのデスかー?」

電「電がたずねた時には、もう居なかったので分からないです」

響「同じく」

金剛「シィット! それは残念ネー」

金剛「ん? そのDVDは何デスかー?」

電「あ、どうやら司令官さんの持ち物のアニメDVDの様なのですが……」

金剛「Oh! テイトクの娯楽はアニメーションなのネー!」

金剛「ぜひどんな物なのか、金剛も見てみたいデース!」

電「はわわっ、い、いくら金剛さんでも」

電「司令官さんのDVDを勝手に見るのは良くないと思います」

金剛「硬いこと言いっこなしネー!」

金剛「それとも、イナズーマとヒビッキは興味ないのデスかー?」

電「そ、それはっ……」

響「……興味はある」


金剛「なら、ノープロブレムネー!」

金剛「レッドランプもピープルで渡ればノーフィアー!」

電「え、えっと、ずいぶん無理矢理な英語なのです……」

金剛「>>1の英語力のせいネー」

響「メタはダメ」

金剛「とにかく、ブッキー達も呼んで、こっそりテイトクの娯楽を楽しむのデース!」

電「だ、大丈夫なのでしょうか……」

響「これは時間との勝負」

響「司令官が戻ってくる前に戻せば問題ない」

金剛「さ、そうと決まったら、行動開始ネー!」


―――――――――――

提督「ふう……ったく、大本営にも困ったものだ」

提督「呼びだしゃ来るのが当たり前だと思ってやがる」

提督「緊急の要件以外は、止めてもらいたいな……はあ」

     ガチャガチャ…

提督「ん?」

提督「あ……俺、執務室の鍵を掛け忘れていたのか」

提督「ちょっと慌てたからな……仕方ない」

     キィ…

提督「おー懐かしの我が家よ~っと……」

提督「よっこらせっ」

     ドサッ

提督「んー……やっぱりここのイスは落ち着くなぁ」


提督「……あれ?」

提督「…………」

     ガサゴソ ガサゴソ

提督「…………」

提督「おかしいな……」

提督「いつもの場所に例のDVDケースが無い」

     ガサゴソ ガサゴソ…

提督「おっかしいなぁ……確か使った後ケースに入れて戻したはず」

提督「…………」

提督(……いや待て)

提督(ケースにしまった後、大本営からの電話があって……)

提督(机の上に置きっ放しだった……かも)


提督(…………)

提督(……ちょっと待て)

提督(艦娘の誰かが俺の留守中に執務室入って)

提督(あのDVDを見つけてしまったら……)

提督(中身を見ようと……するんじゃ……)

提督(…………)|||||| サー…

提督(ヤバイ!!)

提督(アレを艦娘に見られたら、赤城さんに冷たい笑顔で爆撃される!!)

提督(と、とにかく! 誰が俺の留守中、執務室に入ったか、確認しないと!)

提督「えらいこっちゃー!!」

     ドドドドドド…


提督「あ! 暁!」

暁「ふえ?」

暁「ああ、司令官。 どうしたの?」

提督「そ、その……ええと……」

暁「?」

提督(な、なんて説明しよう……)

暁「司令官?」

提督「あ、ああ、すまない」

提督「その、ちょっとヤボ用で執務室を開けてしまったんだが」

提督「執務室に来なかったか?」


暁「暁は行ってないよ」

提督「そ、そうか……」

暁「でも確か……響が司令官に装備の事で相談したいって言ってたと思うわ」

提督「!」

提督「そ、そうか! よし!」

提督「助かった暁。 あとでアメちゃんやるからな!」

     タッ タッ タッ…

暁「あ、ちょ!……もう」

暁「レディへの贈り物は、もうちょっと考えなさいよね!」

暁「…………」

暁「……もらうけどさ」


提督「あ! 加賀!」

加賀「……何ですか?」

提督「そ、その、響を見なかったか?」

加賀「いえ」

提督「そ、そうか。 邪魔したな」

加賀「どうされたんですか?」

提督「ちょっと用事があってな……じゃ!」

加賀「……はい」

     タッ タッ タッ…

加賀「…………」


提督「あ、霧島!」

霧島「はい?」

提督「響を見なかったか?」

霧島「響?……そういえば先ほど」

霧島「金剛お姉さまと一緒に歩いているのを見かけました」

提督「金剛とか……どこへ行ったか分かるか?」

霧島「確か……駆逐艦の兵舎へ向かっていたかと」

霧島「ブッキーとか何とか言ってましたから、吹雪の部屋へ行ったのかも」

提督「そ、そうか……すまん、助かる」

霧島「司令、どうなさったのですか?」

提督「い、いや、ちょっと用事があるんだ……じゃ!」

     タッ タッ タッ…

霧島「?」


―――――――――――

金剛「さぁて!」

金剛「サッソク、提督の趣味を見るのデース!」

電「金剛さん、ノリノリなのです……」

響「吹雪、用意できた?」

吹雪「はい。 準備できましたよ」

如月「何から見る?」

睦月「睦月が選んでもいい?」

吹雪「いいよ、睦月ちゃん」

睦月「じゃあ……」

睦月「これで行こうかな」


吹雪「はいはい」

     ウィーン…

金剛「ワクワクが止まらないネ!」

吹雪「さて、それでは再生しますね」

     再生

電「楽しみなのです♪」

響「ドキドキする」

如月「どんなお話かなぁ」

睦月「プ○キュアみたいなお話だといいね」

吹雪「あ……いきなり不穏な場面ですね」

金剛「Oh。 まずは事件発生からネー」


提督「はあっはあっ……」

提督(た、頼むから、間に合ってくれー!)

提督(あんなのを見られたら身の破滅な上に)

提督(大和の46サンチ砲で打ち抜かれちゃうっ!)

提督「ふ、吹雪の部屋は……」

提督「こっちか!」

     タッ タッ タッ…


電「え……」

響「……モザイク」

如月「へ」

睦月「は」

吹雪「なっ」

金剛「んんっ?」


電「はあっ!?」///

響「……?」

如月「ひいっ!?」///

睦月「ふえっ!?」///

吹雪「こ、これって!?」///

金剛「ホ、ホワッツ!?」///


電「」///

響「触手?」

如月「」///

睦月「」///

吹雪「」///

金剛「」///

電「gfだじkhんんbfせうkぽkffっ!!?」///

響「これは……何?」

如月「んhbgfだzスmhgfづl;、hvxsf;lhj!!」///

睦月「bgvcd座sxghんkvj、:;\・。kんhm!!」///

吹雪「bhgdxsl、jkねwざ;p・:@。jkんv!!」///

金剛「、jkんvfcfh;@jgvk;;gcfsxsfんl;:;!!」///


提督「つ、着いた!」

提督「ふ、吹雪! 響と金剛が……」


     キャアアアアアアアアアアアアッ!!


提督「!?」


     ナニコレー!! ブ、ブッキー! 止メテ! 止メテー!

     イヤアアアアッ! 


提督「…………」

提督「…………」

提督「……終わった……うん」



―――――――――――


電「…………」

響「…………」

如月「…………」

睦月「…………」

吹雪「…………」

金剛「…………」


提督「…………」


電「……あの、司令官さん」

提督「お、おう……」

電「DVD……勝手に見て……その、すみません」

提督「……できれば、見ない方向で済ませて欲しかったな」

電「う……こ、こういう内容だと思わなかったので……」

提督「は……はは……」

電「…………」

響「…………」

如月「…………」

睦月「…………」

吹雪「…………」

金剛「…………」

提督「…………」


提督「そ、それじゃ……」

電「は、はい……」

     トボ トボ トボ…

電「…………」

響「…………」

如月「…………」

睦月「…………」

吹雪「…………」

金剛「…………」




     それから……瞬く間に

     俺が【ピー】なアニメDVDを見ているという噂が広まった。


     どうやっても広がるだろうから

     あえて口止めはしなかった。


     爆撃や打ち抜かれる事は無かったけど

     変わりに蔑むような目つきで見る艦娘や

     残念そうな目をする艦娘達……


     特に電、吹雪、如月、睦月……そして

     あれほどフレンドリーだった金剛ですら

     よそよそしくなってしまった……





―――――――――――


提督「はあ……死にたい」

提督(とりあえず命令は聞いてくれるけど)

提督(シコ督とか言うのは止めてくれないかなぁ……)

提督「…………」

提督「……俺だって男なんだよぉ」

提督「みんな可愛いし、いろいろ溜まってくるのを発散させてただけなのにぃ……」

提督「…………」

提督「……シコるか」

提督「もう開き直ってシコ督でいいや。 ははは……」

     コン コン

提督「ん?」


提督「こんな時間に誰だ?」

??「夜分にすみません。 加賀です」

提督「加賀?」

提督「……まあいい。 どうぞ入ってくれ」

     ガチャ

加賀「失礼します」

     キィ… パタン カチリ☆

提督「ん?」

提督「どうして鍵を閉める?」

加賀「…………」


加賀「提督」

提督「はい」

加賀「提督は……すべての艦娘に対して」

加賀「邪な気持ちを抱いているのですか?」

提督「……まったく無いって言うのは、ウソになるな」

加賀「…………」

提督「何を言っても自己弁護に聞こえるだろうけど」

提督「まあ……そういう、いけない気持ちを発散させる為に」

提督「ああいうDVDを使ってた……という事なんだ」

加賀「…………」


加賀「説明をすれば、ある程度の誤解は解けるのでは?」

提督「……DVDの内容がちょっとな」

提督「弁明すればするほど見苦しくなるし、それに……」

加賀「それに?」

提督「これで俺が男だって……」

提督「そういう目で自分達が見られているって、理解しただろう」

提督「みんな年頃の女の子なんだし警戒されるくらいでちょうどいいんだ」

提督「……きっかけはアレだったけどな」

加賀「…………」

提督「で? 用件はそれだけなのか?」

加賀「…………」

加賀「……提督は」

加賀「加賀をどう思いますか?」


提督「……は?」

提督「どう……とは?」

加賀「その……」///

加賀「い、異性として……意識していますか?」///

提督「うん。 今めっちゃしてるわ」

加賀「お、怒りますよ?」///

提督「ごめん」

加賀「もう……」

提督「…………」

加賀「…………」


提督「えと……」

加賀「提督」

提督「お、おう」

加賀「わ……私で……そのっ」///

加賀「そ、そういう、邪な気持ち……」///

加賀「発散しませんか……?」///

提督「…………」

提督「え」

提督「えええっ!?」

加賀「お、驚きすぎですっ」///

提督「いや、普通に驚くだろ……」

提督「でもな、加賀」

加賀「はい」


提督「気持ちは嬉しいんだが……」

提督「そんな、性欲のはけ口みたいな行為を加賀にはしたくない」

加賀「…………」

提督「だから……」

     ゴソゴソ… スッ

加賀「!」

提督「これを受け取ってくれるか?」

加賀「この指輪は……」

提督「まあ……この状況じゃ軽い気持ちと取られるかもしれないが」

提督「こんな俺に向き合ってくれて嬉しく思う」

提督「だから、少し考えてかr」

加賀「受けとります、提督」

提督「決断早っ!?」


提督「あのな、加賀」

提督「俺の最近のあだ名を知ってるか?」

提督「シコ督だぞ? シコ督」

加賀「知ってます」

提督「……どんな内容のDVDでシコってたのかは?」

加賀「かなり尾ひれのついた事も耳に入ってます」

提督「それで……本当にいいのか?」

加賀「ええ」

加賀「むしろ私は……今の提督の方が納得できているので」

提督「納得?」


加賀「鳥海とか摩耶とか、割と露出の多い艦娘に対しても」

加賀「意識されていない様子でしたから、この人ホ○なのかと」

提督「……そんな風に思われてたの俺」

加賀「でも」

加賀「今回の事で、提督が艦娘の皆におかしな気を抱かないよう」

加賀「そういう……その、発散をしていたのか、と分かって」

加賀「それで責められる提督が……理不尽に思えたのです」

提督(……ええ娘や)

提督(散々な目に合わされて来たから泣けてくるわ……)

提督「加賀……本当に俺でいいんだな?」

加賀「はい」

加賀「提督も……私でいいのですか?」

提督「もちろんだ」


加賀「提督……」///

提督「加賀……」///


     こうして……俺は加賀と結婚(仮)をした。


加賀「では、例のDVDやその他のものも廃棄しますね」

提督「え」

加賀「もう私が居るのですから、問題ないですよね?」

加賀「あと、浮気したら流星改で爆撃しますから」 ニコッ

提督「…………」

提督(ちょっと……早まったかなぁ)


     おしまい

このスレで出てきたエロDVDは>>1の趣味じゃないからね。
あくまでこの提督の趣味だから。いいね?

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2016年04月08日 (金) 22:48:28   ID: y5GPzcEq

加賀さん「やったぜ」

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