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上記URLのSSの番外です。
本編で登場した空白の二日間を、こちらで執筆します。
【本編あらすじ】猫という悪魔によって心と引き換えに人を殺す力を手に入れた男は、能力を使うか否か悩んでいた。ある日旧友と話していると、二日間の記憶が抜けていることに気付き、その二日間の間に女が自分を好きになっていた。猫によると、男は能力を使い、代償として二日間の記憶を抜かれたという――――
本編はまだ完結しておりませんが、恐らく男達人間がこの二日間の真相を知ることは最後まで無いと思うので、一応読んで頂いてる方への配慮として、物語を補完します。因みに本編においてこの二日間を知っているのは悪魔たちのみです。
SSだというのに、長ったらしい前書きを失礼致しました。……長い前書きとか後書きって痛い作者みたいに扱われることがあるからあんまやりたくないんだよな……。
◆二月八日月曜日・女の家◆
女「どう……え……?」
犬「人間が喋るんだ。別に犬が喋ったって不思議なことは無いだろ? もっとも、俺は元来犬でもないんだが」
女「どうして……部屋に……」
犬「まあ、悪魔パワー的な」
女「悪魔……?」
犬「あー面倒くせぇ。猫の野郎、思ったより怠そうじゃねえか」
犬「まあ、喋る犬が突然自分の部屋に居たら確かにビックリだよな……」
女「……」
犬「ま、落ち着けや。案外すぐ慣れるさ」
女「……そ、そうだ、警察……!」
犬「何て言う? 犬が喋ってますってか? 止めとけ、痛い子だと思われんのが関の山だ」
女「……」
犬「俺は悪魔だ。お前と契約しに来た」
女「あ……悪魔?」
犬「そう。本来は何か代償を貰うんだけど、今回は大サービスとして、代償なしで能力をくれてやる」
女「……どう、いうこと……?」
犬「お前の願いを叶えてやるんだ」
女「願い……」
犬(こいつの願いは……大したものがないな。まあ、何を叶えるかは、あらかじめ猫に指示されてるからどうでも良いんだけど)
犬「叶える願いは、男と仲良くなる」
女「……?」
犬(まあ、そりゃピンとこないわな。正直まだそれを願いにするほど仲良くなってないだろうし)
女「男……」
犬「明日、学校で男に抱きつけ」
女「はあっ!?」
犬「それが能力の作動条件だ」
女「まってちょっと、意味わかんない……!」
犬「やれ、悪魔の命令だ」
女「……っ!」ビクッ
犬(俺が悪魔だってのは疑ってない。本当はこう脅すのは規約違反なんだけど……、まあこのくらいなら上にばれても大したことにはならないだろう……)
本編よりテンポ良く進むかも(笑)
(。-ω-)zzz
◆二月九日火曜日・学校◆
女(犬が喋って……悪魔で……脅されて……)
女(なにこの状況……)
女(男に抱きつけって……)
女(教室じゃ無理……。じゃあどこで……?)
女(あーもう! 夢よ夢! もう何もせず帰ろう!)
女「……どうすればいいの」
男「何がですか」
女(悪魔とか言ったら痛い子に思われるよね……)
男「……何なんだよ……」
女(話の切り出しかたを少し変えてみよう……)
男「……?」
女「お、男はさ、悪魔とか信じる?」
男「はあっ!?」ガタッ
女「えっ……?」
男「あ……ごめん……」
女「いや……大丈夫。というより、大丈夫?」
男「ああ……でもなんで急に悪魔?」
女「あーえと……、何か夢にね。犬の悪魔が出てきて、願いを叶えてやるって言ってきた……んだ」
男「……」
女「えーと……」
男「喋ったのか。犬が」
女「あ、うん……」
男「……」
女(え……なんか真剣に捕らえられてる……)
男「なあ、それって……」
女「……?」
男「……いや、やっぱいいや」
女「言ってよ、気になるじゃん」
男「……」
女「……」
男「それって……本当に夢か?」
女「……えっと」
男「能力を受け取って、発動条件とか言われなかったか?」
女「どう……して、何で分かるの……?」
男「……本当に、会ったのか?」
女「……え、うん」
男「能力は?」
女「わ、分からない……」
男「人を殺す力か?」
女「殺すっ!? ……そんなの聞いてないけど……。人とじっくりお話しできるって、そう言ってたよ」
男「多分、それが能力……」
女(……まさか、男って悪魔を知ってる?)
(。-ω-)zzz
◆何もない部屋◆
男「……えっ?」
女「ん……」
男「どこだ……、ってか。いつまで抱きついてるんですか……」
女「あっ、ごめん……」
男「……随分と規模のでかい能力だな……」
女「そう……なのかな」
犬「……やあ、ようこそお二人さん」スッ
女「……犬!」
男「悪魔か……」
犬「話が早くて助かるねぇ。さて、この部屋の事について少し説明する」
男「……」
犬「お話空間、ってのが一番しっくり来るかな」
犬「君たち二人がある条件のお話をしたら、その時に君たちは解放される」
犬「あ、その条件は本来能力保有者が決めるんだけど、今回は俺が決めたから、秘密な」
犬「あと、この空間での一日は、現実の一時間だ」
犬「……と、こんな所かな」
犬「質問は……」
犬「めんどいからナシで」
犬「じゃあねー」スッ
男「……」
女「ごめんね……変なのに巻き込んじゃって」
男「いや……多分女が巻き込まれたのかも……」
女「え……?」
男「俺、猫って悪魔が憑いてんだけど……」
女「その悪魔の手先ってこと?」
男「わざわざ俺を指定してきたんだろ? もしかしたら、そうかも……」
女「……」
男「ごめん。巻き込んで」
女「……いや、男は悪くないよ」
男「……だと良いんだけどな……」
展開早すぎんなこれ……
もう片方がくっそ遅いから感覚が分かんなくなってきた……
(。-ω-)zzz
男「しかし……なにすりゃ良いんだろ……」
女「お話……じゃない?」
男「ある条件のお話って言ってたよな……」
女「……条件ってなんだろ」
男「……」
女「あー……これって私達がこっちに来てる間、本当の世界の私たちはどうなってるんだろう……」
男「……おーい犬ー」
犬「呼んだか」
男「ああ……来るんだ」
犬「お前らがこっちに来てる間は、本当の世界ではダミーが動いている」
男「ダミー……」
男「ダミーね……心配だわ」
犬「それだけか?」
男「あ、あともうひとつ」
犬「……」
男「条件のヒント、くれない?」
犬「……ヒントね」
男(……あれ、意外に友好的?)
犬「ぱぱーん」
男「……え?」
犬「第一ステージ! 魔王を倒せ!」
男「…………それお前らの親分じゃねえ?」
犬「細かい」
男「えー……」
女「……」
犬「じゃ、頑張って」
男「は? 頑張ってって何を――――」
◆◇◆◇
男「……え?」
女「あれ……解放された……?」
男「学校の近く……だよな」
女「うん」
男「何なんだ……?」
A「よう、お二人さん」
男「え?」
A「お前ら、魔王倒すんだろ? じゃあ、こっち来いよ。情報を売ってやる」
男「これって……」
女「……RPG……?」
◆◇◆◇
猫「私好みじゃないなこれは」
犬「ゲームみたいでいいじゃん」
猫「能力の規模がでかいのに、効率が悪い」
犬「面白けりゃいいんだよ」
猫「……まあ、お前に一任しているからな。口出しはしないさ」
犬「いやー。面白い素材をくれたな。思う存分遊んでやるぜ」
猫「……殺すなよ?」
犬「この空間じゃ死なないよ」
猫「……そうなのか?」
犬「あー寿命は別だがな」
猫「何だよ……使えそうだなと思ったのに」
多分こっからが長い(笑)
(。-ω-)zzz
まさかのRPG仕立て
犬はゲーム脳か!
>>19
といっても、さほどRPGっぽくなりそうにもないんですけどね(笑)
◆◇◆◇
男「ゲームの世界に入っちゃうアニメとかあるだろ?」
女「うん」
男「最近多いよな」
女「……」
男「…………とりあえず何か話そうぜ。この空間から出るには、特定の会話をしなきゃなんねーんだろ?」
女「あ、だから話し掛けてきてたのか……。何か今日よくしゃべるなーと思ったら」
男「ひっで……」
A「お二人さん、つきましたよ」
男「え……?」
A「中にどうぞ」
女「どうぞって……」
男「コンビニ……だな」
男「何か……世界が現実と同じだから、変な感じだ……」
女「そうだね……」
ウィーン
B「よう、やっと来たか」
A「この二人がそうだよ」
B「ほー……見た感じは普通だな」
A「これでも勇者さ」
男「あー……そういう感じなんだ」
B「魔王退治、請け負ってくれたんだよな」
女「私達が受けた設定なのね」
男「あのー……魔王ってのは?」
B「この街に毎週現れる強盗集団だ」
男「リアルだ……」
女「警察は?」
B「もう機能してねえよ。あいつらは魔王に買収されてんだ」
男「俺達は何をすれば?」
B「決まってんだろ? 退治だ退治。貼り紙見て応募してきたんじゃないのか?」
A「まあ、説明してあげなよ。貼り紙だけじゃわからないこともあるって」
B「……めんど……。つまりだな、魔王を倒して欲しいって事なんだが……」
女「倒すって……」
B「お前ら、魔法使えるか?」
男「!?」
犬「そいつらには、魔法の素質があるぞ」
女「……!?」
B「マスター!」
男「……!?」
女「……駄目だ……ついてけない……」
犬「今は使えないようだが、練習すればすぐに使えるようになるだろう」
B「なるほど……」
犬「私が教えよう。こっちに来い」
B「マスター自ら……良かったなお前ら!」
A「いいなー。俺も習いてーよ」
犬「Aはまず基本を覚えろ」
A「はー……」
男「……なにこの茶番……」
女「とりあえずついていこう……。何かもう既に疲れたよ……」
書いてる本人が言うのもあれですが……
ナンダコレ
(。-ω-)zzz
犬の趣味って……w
>>26
いい趣味っすね(笑)
◆◇◆◇
犬「さて、大体状況は把握できたかな?」
男「いやまったく……」
犬「まあつまり、今からここに来る魔王を倒してくれってことだ」
女「それが私と男の会話にどう関係あるの?」
犬「暇なんだよ。俺が」
男「……」
犬「とりあえず、魔法を教えたってことにしとくよ。適当にイメージすれば使えるようになってるから」
女「そんな適当でいいの?」
犬「良いの良いの。常軌を逸した魔法なんて扱えないようになってるし、ゲームバランスは全く問題ないし」
男「魔法自体が常軌を逸してるだろ……」
犬「では、戻ろうか」
男「……」
ガチャッ
女「……」
男「あれ? あの二人は?」
女「居ない……」
ウィーン
男「外にも居ない……。それどころか人が居ない!」
女「え……?」
男「……まさか」
犬「……そう、魔王だよ」
男「……っ!」
犬「君達には今から、魔王探しをしてもらう」
男「おいおい……大分面倒じゃねえか……」
◆◇◆◇
男「魔王は人間なのか?」
犬「答えられないな」
男「どこにいる」
犬「お前はゲームで行き詰まったら、わざわざプログラマーに聞くのか?」
男「……」
女「……男、地図あった」
男「おっ、見せて」
女「はい」
男「……やっぱり現実世界とほとんど変わんないな……」
女「そうだね……。ただ、コンビニが極端に少ない」
男「……たぶん、この世界だと拠点みたいになってるんだろう」
女「じゃあ」
男「一番近いコンビニに行くか……」
ネタが……
(。-ω-)zzz
武器屋とか道具屋の扱いか
>>32
それとあとギルド的な。
まあ何となく町の中心みたいにぼんやり思って頂ければ
◆◇◆◇
男「……なんだ、犬も着いてくんのか」
犬「文句でもあるのか?」
男「……いや、別にないけどさ」
女「これって、私と男が特定の会話をしなきゃ終わんないんだよね?」
犬「そうだ」
女「それとこの魔王退治はなんの関係が……」
犬「面白そうだから」
女「……」
男「……悪魔ってまともな奴居ないのな」
犬「なんだと」
男「そういえば……」
犬「どうした?」
男「魔法はイメージすれば使えるって言ってたけど、具体的にはどんな感じなんだ」
犬「炎を吐きたければ炎を吐ける。水を生みたければ水を生める。そんな感じだ」
男「…………相手に死ねって思ったら?」
犬「一応それは、この世界では上級魔法だ。レベルの高い魔法は使えない」
男「……」
犬「ちなみに、ここは女の能力空間であり、お前の能力は呑み込まれる。猫に与えられた能力は使えない」
男「……なるほど」
男「しかしまあ、RPGっぽいって思ったけど、こう街中を歩いてるとほとんど現実と変わんねえな」
女「人が居ない……くらいかな」
男「そうだな……」
犬「お前らのイメージでは、RPGというのは中世をモチーフにしたゲームのことを指すとでも思っているのだろうが、別にそうじゃないからな?」
男「……悪魔にゲームの意味を正された……」
女「そういえば、ポケモンもRPGだったような」
男「マジか。あれってそういう分類なの?」
女「あんまりゲームやらないからわからないけど」
男「……ん、あれ」
女「……?」
男「あそこ、人じゃね?」
女「あ、ほんとだ!」
男「目的地も近いし」
女「よかったー。ここにも人がいなかったらどうしようかと」
男「すいませーん!」
少女「……っ!」ビクッ
男「あれ、女の子?」
女「……もしかして、一人?」
少女「……」
男「君、迷子?」
少女「……」
女「男はロリコン臭がするから……」
男「おい」
女「えっと、ちょっと教えてほしいんだけど。この辺りって、人いる?」
少女「……皆、消えた」
男「……魔王か?」
少女「うん」
男「……魔王ってのは、強盗集団なんじゃ」
少女「……それは人間。……消すのは、化け物」
男「最初に聞いた魔王と、追ってる魔王は別物なのか」
少女「魔王は、見たら消えちゃう」
男「…………え?」
少女「姿を見たら、消えちゃう。皆見ちゃった」
女「……強盗集団であってほしかった……」
男「見たら消える……。マジで化け物じゃねえか」
女「強盗のくだりは何だったのか……」
少女「……」
男「……とりあえず、この子を連れて次の町に行こう」
少女「……」
男「……少し歩くけど、平気?」
少女「……うん」
男「女も、疲れてないか?」
女「……なに、気遣ってんの」
男「そうだよ悪いか」
女「コミュ障ボッチの癖に」
男「……正直、こんな状況だったら話すしかないだろ。何も進まなくなる」
女「……分かってるよ」
男「……それで、疲れてない?」
女「……だいじょうぶ」
女「何か、印象変わるな……」
男「どういう」
女「あんたの印象」
男「……?」
女「案外、カッコいいじゃん」
男「……誉めても良いことないぞ」
女「はいはい。じゃあ行こうか」
男「…………」
女「……じゃ、行こうか」
少女「……うん」
女「私は女。あっちの犯罪者予備軍が男」
男「おーい」
少女「……少女、っていいます」
女「はい、よろしく」
(。-ω-)zzz
ここに来て新キャラ……だと……
>>42
この少女は黒髪ロングです(ストーリーには関係ないけど重要)
◆◇◆◇
男「思ったより歩くな……」
女「電車とかが動けば良いんだけどね」
男「人が居なきゃ、意味がない」
女「車とか、バイクは?」
男「鍵も見つからないだろうし、免許がない」
女「こんな世界で免許なんか気にしなくてもいいんじゃない?」
男「事故ったら困る」
女「……」
少女「あの」
男「……ん?」
少女「自転車は……?」
◆サイクリングショップ◆
男「考えてみれば、確かに自転車ってのはいい案だ」
女「……ちょっと、勝手に入っちゃっていいの?」
男「こんな世界で気にすんなって言ったのはお前だろ?」
女「そうだけど……」
少女「これがいい」
女「ピンク……可愛いじゃん。でもこれ大人向けよね」
男「ここ子供用……いやあるにはあるけど。少女位の子に丁度いい自転車無いよ」
女「えー……じゃあどうしようか……」
男「……いいよ。俺がそのピンクの自転車乗って、後ろに少女乗せる」
女「ロリコン」
男「違えよ!」
少女「……あの」
男「……ん?」
少女「……ありがとう、ございます」
男「あ……うん……」
女「おー、照れてんのか? 照れてんのか?」
男「何だよお前は! 煽んな!」
女「……じゃあ私はどんな自転車にしようかな」
男「三輪車にしとけこけるぞ」
女「こけないよ!」
少女(…………なかよし)
(。-ω-)zzz
ほのぼの路線ですね(棒)
>>48
本編がアレなんで番外くらいはほのぼのしたいです(棒)
少女「お犬さんは、どうするの?」
男「あ、そういえば……」
犬「忘れられてたのかよ……」
男「いやなんか全く喋んないし空気だったわ」
犬「ゲームマスターが必要以上に口出しする必要はないだろ?」
女「……じゃあ着いて来なけりゃいいのに」
犬「お前ら酷いよなほんと。この空間は俺の世界だぞ? ほんとマジで殺すぞ?」
男「……で、どうしようか」
犬「良いよわかったよ消えますよドロンしますよ。精々両手に花のラノベテンプレハーレム冒険物語でも楽しめばいいじゃねーか」スウッ
男「……悪魔っぽくないんだよなあマジで」
女「私は他の悪魔知らないからなんとも言えないけど、何かわかる」
少女「……じー」
男「ん? どうした?」
少女「そのお犬さん、悪魔?」
男「えっ、どうして?」
少女「消えた」
男「……少女は、悪魔を知ってんのか?」
少女「変な怪物みたいなの」
女「多分、この子の言ってる悪魔は、ゲームとかのイメージそのまんまなのかも」
男「ああ……そうか、そうかもな」
少女「悪魔と、お話ししてた」
男「あー……あいつは、変な怪物ではないよ」
少女「……」
男「考えてみれば、この子も犬が作ったんだよな」
女「そう……なるのかな」
少女「よくわかんないけど、行こう」
男「……理解を諦めたか」
少女「あきらめた」
男「……じゃあ、行きますか」
女「自転車……考えてみれば、私スカートなんだけど」
男「別に女子は慣れてんだろそんくらい」
女「そうだけどさ……見られたくないし」
男「見ねーよ」
女「……えっち」
男「見ねーっていったよなあ!?」
(。-ω-)zzz
ラブコメ路線(笑)ですね
>>54
もう番外はラブコメにしますかね(嘘)
◆◇◆◇
機械「やあやあ、ようこそお越しくださいました。自転車はその辺に置きやがってください」
男「……え?」
女「箱……だよね? 浮いた箱が喋ってる」
機械「私は人間をサポートされるロボットだのです。お前らをサポートしやがるよ」
男「変な喋り方だな……。現実世界のロボットの方がまだましだ」
機械「この町に来た理由を白状しちまってください」
少女「人探しだよ」
機械「人探しですかい」
男「どうにもコンビニが拠点みたいになってるようだったから、色んな町を回ってんだ」
機械「人は全員消えちゃったましたよ」
男「え……?」
機械「この町に人はいないぜすよ」
機械「私はロボットだから消えねーんだすよ」
男「つまり魔王が来たって事……」
女「どうする……?」
男「次の町に行くしかないんだろうが……」
少女「もう夜……ですよ?」
男「そーなんだよなあ……」
機械「宿を紹介しやがりましょうか?」
男「金がない」
機械「要らないだすよ。勝手に使って頂いてかまわねーです。もう人間はいねーから」
男「……」
女「……紹介してもらう?」
男「そうだな……」
◆ホテル◆
男「まあ、現実世界とコンビニ以外はリンクしてるから、ホテルはこんなもんだよな」
女「少女ちゃんがいるし、ラブホじゃないだけましでしょ」
男「少女が居なかったらラブホでもよかったのか?」
女「ばっ、良いわけないでしょ!」
少女「……?」
男「冗談だよ。とりあえず入ろう。疲れたよもう」
女「……っ」
少女「……いこう?」
女「……うん」
男「人が居ないってことは、飯は無いのか」
女「そういえば無いも食べてない……」
男「なあ機械」
機械「どうしたした?」
男「飯はテキトーに作っていいの? つか、食材はあんの?」
機械「勝手にしろっても平気ですよ」
男「大丈夫なのね……」
女「私作ろうか?」
男「ああ、いいよ。俺作るから」
少女「男さんご飯作れるの?」
男「親居ないときとか妹にパシられて色々作ってきたから、そこそこできるよ」
少女「楽しみ……」
◆厨房◆
男「あれ、さっきのロボットは?」
女「入り口で止まってる」
男「……ふーん」
少女「何作るんですか?」
男「そうだな……食材にもよるけど……」
??「動くなっ!」
男「……っ!?」
??「生存者だな? 変な真似はするなよ。敵じゃないなら俺はお前らに何もしない」
女「……あれ?」
男「あんた……旧友じゃ……」
旧友「……っ!? どうして名前を!?」
男「……お前、なんでここに?」
うわー結構期間空いてた。
お久しぶりです。
(。-ω-)zzz
旧友から旧が取れる日は来るのだろうかと、ふと思う
女「……多分、犬が作ったんじゃない?」
男「……作った?」
女「そう。現実にいる人間を犬が使った」
旧友「……お前ら、武器は持ってないな?」
男「……」コクン
旧友「何で俺の名前を知ってんのかは分からないが、まあ、敵では無さそうだ……」
男「こんなところで、何してんだ?」
旧友「隠れてんだよ。魔王から」
男「この町にはもう人は居ないって」
旧友「あのロボットか? あいつは魔王の手下だよ。あいつに見つからないように行動してるだけで、俺以外にも人は居る」
男「手下……?」
旧友「そう。あいつは悪魔だ。決して機械なんかじゃない」
旧友「……つーか、お前らが見つかったせいで、魔王がこの街に来ちまう」
男「俺らが悪いのか?」
旧友「そうだよ。悪いのはお前らだ。……ったく自分の村から出んじゃねーよ」
男「……俺らは魔王を探してたんだ。来るってんなら好都合だ」
旧友「倒す? ふざけんな。見ただけで死ぬんだぞ」
男「……」
ガチャッ
青年「おい、どうした。……って、生き残りか?」
旧友「……ああ、ロボットに見つかったらしい」
青年「……あーマジか」
少女「あっ」
女「……どうしたの?」
少女「その人、魔王さんです」
女「……っ!?」
男「どういうことだ?」
青年「……人聞きが悪いなあ。今の文脈だと、まるで俺が人を消せる魔王みたいじゃないか」
旧友「消せるだろ?」
青年「消せねーよ」
男「……じゃあ、何なんだ」
青年「俺は青年ってんだ。宜しく」
男「……」
青年「あーもう分かったよ、自己紹介し直し。俺は青年。強盗集団魔王の団長だ」
女「最初に聞いた魔王……」
男「……あんたらを倒す依頼のままなら楽だったんだけどな……」
青年「……?」
◆◇◆◇
青年「なるほど、その街で受けた依頼は俺達を倒すことだったけど、この世界を創った奴には、本当の魔王を倒せって言われたと……」
男「信じられないかもしれないけど、まあそういうことだ……」
青年「……仮に、やっぱり本当に倒すべきなのは強盗でしたってのは?」
男「倒してみようか?」
青年「いやいいよ。つまり俺らがその街にもう関わらなければその依頼は達成なんだ」
男「……まあ、そうだが。あの街の人達を一瞬で消したのがあんたらなら楽なんだけどな」
青年「まさか。そんなこと出来ないよ」
男「……」
女「あの……」
青年「ん?」
女「見たら消える魔王が来るのに、ここに居て平気なんですか?」
青年「……あんまり良くない」
少女「……消えたくない」
青年「正直今から逃げるのはキツいな……。旧友、結界で魔王止められる?」
旧友「ムリムリ。あのロボだけでも手一杯」
青年「だよなあ……」
男「結界?」
青年「ここに来たとき、ロボットはホテルに入れなかったろ? 旧友が結界を張って、止めてくれてんだ」
女「ああ……そういうことだったんだ」
少女「……逃げれないの?」
男「逃げる……ねえ」
青年「……」
女「結局、魔王は倒さなきゃならないんでしょ?」
男「そうなんだよ。でも見ただけで消えるんだぜ?」
青年「まさか、迎え撃つ気?」
男「……ここに魔王が来るとしたらいつだ?」
旧友「俺達が外に出るか、ロボットが中に入ってきたら」
男「どういうことだ? 俺らはもう見つかったから、アウトじゃないのか?」
旧友「魔王は滅多に動かない。ロボットが魔王を呼んだ時だけ来るんだ」
男「……」
旧友「ただ、あのロボットは自分の視界に人間がいないと魔王を呼ばないんだ。お前らを見つけて、すぐに呼ばず、ホテルにいれたのは、魔王の体力が回復してから呼ぶつもりだったんだろう」
男「そうか……魔王は今日、いやもう十二時回ったから昨日か。昨日一回街を消してる」
旧友「そう、疲れてんだ。だから一旦、監視下に置いた。あいつ馬鹿だから結界あるのに律儀にホテルを紹介したんだな」
女「……私たち、危なかったんだ」
青年「つまり、結界が持つ限り外に出なければまず魔王は来ない。その間に対策を練ろう」
旧友「……結界張ってるの疲れんだぞ」
青年「宜しくな、旧友」
旧友「……」
女「わっ……」
男「どうした?」
女「少女ちゃんが倒れてきた……」
少女「……ねむい、です」
男「……まあ、そうだよな」
もしかして私は今、異世界転生俺TUEEE物を書いているのでは……?
まあ、本編が本編なんで、俺TUEEEにはならなそうですが……(笑)
(。-ω-)zzz
見ようによってはチーレムではある
>>74
もしかしたら私は流行に乗っている……?( ゚д゚)
◆◇◆◇
男「何でだよ、俺は旧友達の部屋にしてくれよ」
旧友「男三人なんて狭くなるだろ」
男「じゃあせめて一人部屋」
旧友「寝ている間は万が一に備えろ。お前も女も、少女ちゃんも危なくなる」
男「……だからって同じ部屋ってのはなあ……」
女「どうせ寝るだけなんだから同じ部屋でもいいでしょ。うだうだ言ってないで行くよ」
男「お前なあ……誰のせいでこんな状況になったと……」
女「……っ」
男「……あっ、いや」
女「……ごめん」
男「いや、別に責めた訳じゃないんだ。これだって猫の策略の内かもしれないから、悪いのは女じゃなくて…………」
女「……」
男「悪かったよ、俺が悪かった。今日はもう寝よう。イビキかいても文句言うなよ?」
女「……うん」
旧友「……話はまとまったか? じゃあ今日はゆっくり好きなだけ寝ろ。疲れてるだろうからな」
男「ああ、悪いな」
旧友「おう」
ガチャッ
男「…………腹減った」
女「結局作らなかったもんね……」
男「少女は寝ちゃったし、今から作るのもなあ……」
少女「……すー……」
女「……私達も早いとこ寝ますか」
男「あ、そのまま寝る? 風呂とか入んない?」
女「……そっかここホテルだから部屋にお風呂あるのか」
男「先入ってきなよ。シャワーだけでもさ」
女「……着替えが無い」
男「今着てる制服をそのまま着るしかないかな」
女「……あっ、そうだ」
男「……?」
女「……出てこい、私の着れる服!」
男「……」
女「……」
男「だ、大丈夫ですか?」
女「ちがっ、違うの! 犬が言ってた魔法ってので作れるんじゃないかなって思って……」
男「……生成魔法って事で、上級なんじゃない?」
女「そういうことなのかな……」
男「……ジャージ……」
パアンッ
男「うおっ! 出てきた!」
女「えー……何で男は使えるの……」
男「どうやら俺は優秀なようだ」ニヤニヤ
女「……納得いかないなあ」
犬「向き不向きというのがある」
女「……っ!? ビックリした……」
犬「男は微調整が必要な魔法が得意で、女は攻撃魔法が得意」
男「……何で」
犬「男は器用で、女は不器用だから」
女「別に不器用じゃない……」
犬「どちらかと言えばの話だ。バランスをとる為にそうした」
男「……それをわざわざ言いに来たのか?」
犬「いいや、別にそういうわけじゃない。少し様子を見に来たんだ」
男「……」
犬「まあ、特に話すこともないし、これで帰るよ」
男「本当に何しに来たんだよ……」
犬「……あー、それと」
男「……?」
犬「その少女に気を付けろよ」
男「……どうして」
犬「…………どうしてもだ」スッ
女「……どういうことなんだろ」
男「さあ……あいつが作ったんじゃないのか?」
うわー、間が空きすぎました。
……もう書いたの二週間前なのか。
ペース上げたいなぁ。
(。-ω-)zzz
意外と親切な犬
>>82
犬ですからね(自分で言っててよく分からない)
男「とりあえず、着替えはこのジャージ使って」
女「ん、そうだね。じゃあ先に入って来る」
男「はいよー」
ガチャッ
女「覗くなよー」
男「誰が覗くか貧困」
女「どういう意味だ!」
男「早くしろよ俺も眠いんだ」
女「わかってるよ」
犬「おい、男」
男「うおっ……びっくりした」
犬「……そこの少女、起こしてくれないか」
男「……え?」
男「どうして」
女「きゃっ! 冷たっ」
男「…………大丈夫かー?」
女「……んー、平気ー」
男「あー……それで」
犬「その少女に気をつけろと言っただろ? さっきは女が居たから忠告だけで終わらせたが、今度は少し踏み込んで話そう」
男「……何で女が居ると駄目なんだよ」
犬「この世界の造形をしたのは俺だ。でも、創造をしたのは女だろ?」
男「そうだな」
犬「この能力は他者の侵入を受けると崩壊する。だから女がこの少女の正体を知ってしまうとこのゲームは終わってしまうんだ」
男「……どういう事だ?」
犬「この世界には、他の悪魔が入り込んではならない。大抵の悪魔は、入り込んで悪さをする。だからそれを排除するシステムなんだよ」
男「……」
犬「悪魔が入り込んだ事を、創造主が気付くと、安寧を保つために強制的に世界を終わらすシステムがあるんだ」
男「……つまり、少女は悪魔で、それを女が知ってはならないって事か?」
犬「……そうだ」
男「待てよ、それって俺達には好都合じゃないか。世界を終わらせられるんだろう?」
犬「馬鹿が。もしそうなら俺が言うわけないだろ」
男「じゃあ、なんなんだよ」
犬「世界が終わるってのはな、永久にここに閉じ込められるって事だ。この世界に入り込める悪魔ってのは、相当強力でな。野放しにはできないんだよ」
男「……っ!」
犬「男、絶対に女に気付かれないように気を付けてくれ。少女を見張れ」
少女「あのさあ」
男「お、起きてたのか……」
犬「起こす手間が省けたじゃないか。好都合だ」
少女「私は別に何もしないよ。犬が何も言わなければ、ずーっといたいけな少女を演じてたよ」
犬「どうだか。出てってくれれば一番良いのだがな」
少女「私が悪魔って気付かれると、私も困るしさ。あんまり余計な事を言わないで欲しいよね」
男「……」
少女「ってなわけで、男さんは私の正体を知っちゃったわけだけど……」
男「……なんだよ」
少女「その記憶、抜くね?」
男「……え?」
少女「大丈夫。聞かなかったことになるだけだから。……ただ、ちょっと眠るけど」
気付けばもう一週間。
前回からそんなに経ってないような気がしてたけど、時の流れってはやいっすね。
(。-ω-)zzz
悪魔やりたい放題だなw
>>89
元からわりとこんなでしたよ(適当)
悪魔の造った世界ですしねえ(笑)
◆◇◆◇
女「おはよ」
男「……ん、ああ」
女「結局自分がそのまま寝ちゃったじゃん」
男「……あれ、少女は?」
女「少女?」
男「……少女、あれ。何だっけ」
女「寝ぼけてるんじゃない?」
男「そうかもな」
女「……起きてすぐであれなんだけどさ」
男「何?」
女「世界が……変わってる」
男「……え?」
◆◇◆◇
犬「記憶を抜くだけで良かったんじゃないのか?」
少女「それじゃあ面白くないでしょ。どうせあんたの用意した魔王のシナリオなんて、ロクなものじゃ無いんだから」
犬「……」
少女「マスターは犬のまま、私は初対面を装ってまた二人のところに行くね」
犬「……魔法は引き継ぐか?」
少女「私はリアルな世界が好きなの」
犬「じゃあナシか。……何て説明すればいいんだよ」
少女「どうにかなるって。じゃあ、新しい世界の幕開けといきますか」
◆◇◆◇
男「……人がホテルに泊まってる」
女「そう。外にも人が居るし、現実世界としか思えない」
男「もしかして、何か条件を満たしたのか?」
女「……そういうことなのかな?」
犬「いいや、そうじゃない」
男「……っ」
犬「ちょっとした都合で、世界を改変したんだ」
女「都合……?」
犬「困ったモンだよ。本当に」
男「……?」
犬「この世界では、魔法が使えない。……とりあえずそれだけ伝えておくよ」
男「待てよ、何で急に世界の改変なんてしたんだ」
犬「つまらないってさ。前の世界が」
男「誰が。猫か?」
犬「いいや、違う。だが教えられない」
男「魔王はどうなった」
犬「この世界には魔王なんていない。シナリオは変わった」
男「……どうすれば終わる?」
犬「それは最初に言ったろ? 特待の会話をすれば良いんだよ。そこは変わらない」
男「……」
犬「せいぜい頑張れ」スッ
男「訳分かんねえ。何でわざわざ世界を変えたんだ」
女「その必要があったってことでしょ?」
男「……」
女「もし、前の世界が続いていたら、どうなってたんだろう」
男「俺達は死んでた」
女「……え?」
男「見ただけで死ぬって言ってたろ? だから前の世界が続いていたら俺達は死んでた」
女「でも、倒さなきゃいけないんでしょ?」
男「魔法とやらで、どうにかなったのかもな。ただ、稚拙なシナリオではあった」
女「何その後出しジャンケンみたいな考察」
男「うるせ」
女「でも、これで昨日までの頑張りは全部パアでしょ?」
男「……そうなるのかな。ただ、この世界が犬の管轄下に置かれてるのは分かった。あいつはいつでも自由に改変できる」
女「そんなの分かりきってたことじゃん」
男「……そういえば、旧友達はいないのか?」
女「あー、どうなんだろ」
コンコン
旧友「入るぞ」
男「噂をすればなんとやら……。どうぞ」
ガチャッ
旧友「……どういうことだよ、人間が居る。それに、魔法が使えない!」
男「……旧友は記憶が引き継がれているのか?」
男「魔法の事を、覚えてるのか?」
旧友「覚えてるって……何言ってんだよ」
男「……」
女「どういうことなんだろう」
男「もしかしたら、上書きなのかもしれない」
女「上書き?」
男「魔法があった世界から、魔法のない世界に上書きした……。ここは魔法が無くなった世界……」
女「……どういうこと?」
男「……シナリオは変わったのかもしれないが、前の世界と何か繋がりがあるかもな」
女「まだ、魔王のシナリオは終わってない?」
男「最悪の場合、それもありえる」
女「どうすりゃいいのよ……」
男「……」
◆◇◆◇
少女「やはり、男は察したか」
犬「何が悪かったんだよ。前の世界の」
少女「何もかもだよ。犬は雑すぎる。ある程度自由に使える魔法を最初から与えて、魔王とか言う実態の掴めない敵を用意して」
犬「……つまり?」
少女「今時そんなゲーム、売れないよ?」
犬「売るためにやった訳じゃないだろ。じゃあなんだ。あんたの造った新しい世界ってのは、売れるのか?」
少女「いいや、地味すぎて売れないね」
犬「……」
少女「まあでも、犬の造った小学生でも思い付きそうな世界よりは、大分面白いかも」
犬「……そうかよ」
リアルが好き(リアルな世界とは言ってない)
もう少し魔法編(?)をやろうと思ってたのですが、あまりにも書いててつまらないので早目にシフトしました。ストーリーに大して影響は無いです。
(。-ω-)zzz
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