恭介「そうだな。猥談をしよう」理樹「ええっ?」 (111)
理樹部屋
理樹(冬が来た。窓の外の風を切る音がその寒さを想像させる)
理樹「真人、そっち持ってよ」
真人「あいよ」
理樹「よいしょっと……あーもう少し右かな」
真人「んっ」
ゴトッ
理樹(そんな訳でこの部屋にも遂にコタツが導入された。学校からの貸し出しなので一番大きい物を狙おうとみんな躍起だったところを恭介が用意してくれたのである)
真人「そういえば今日は男だけだな」
理樹「そうだねえ」
理樹(鈴は季節の変わり目に必ず風邪を引く。今はバスターズのみんなが看病してくれているらしい)
コンコンッ
理樹(ノックの音がした)
恭介『入るぜ』
真人「はいよー」
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理樹(恭介と謙吾が色々脇に抱えて入ってきた)
謙吾「お前らもう鈴の見舞いに行ったのか?」
真人「ああ、朝一番に行ったよ」
理樹「お陰で遅刻ギリギリだったけどね…」
理樹(今回は鈴も余裕がありそうだったので明日には治っているだろう)
恭介「なら、今日はここでずっといることになりそうだな。コタツもあることだし」
理樹(ボードゲームらをコタツに並べて恭介が一番最初に入った)
恭介「ってまだ電気付いてねえのかよ!」
理樹「今敷いたばかりだからね…」
恭介「おっ…温かくなってきたな」
謙吾「ああっ、こうして外を見ながら座っているとよく分からない優越感に浸れるな。何に対してかは知らんが」
真人「ふああぁ……」
理樹(大きめのコタツだけど大の男三人が座っていると心なしか縮んだように見える)
理樹「お茶とコーラと真人の変な奴があるけど」
3人「「「コーラ」」」
理樹「息ぴったりだね…」
理樹(コーラを4つコップに注いだ)
理樹「さて、何から始める?」
理樹(初期のメンツで僕達の部屋に集まるときはだいたいこの一言から始まる)
恭介「そりゃ最初は野球盤からだろっ」
…………………………………
1時間後
真人「えーと…これか?」
パチン
恭介「それロンな。リーチ一発メンチンイッツードラドラ」
理樹「真人が飛んだ!」
謙吾「馬鹿が!見たらだいたい染め手なのが分からんのか!」
真人「だってこんな漢字ばかりのゲームやってると頭痛がおきるんだよっ!!」
理樹(こうしてだいたいのボードゲームはやり切った。季節がいくら変わってもやる事は同じ。つくづく寝るまでの時間は暇を持て余すな)
真人「ふぃー…ところで今何時だ?」
恭介「まだ7時だな。とりあえず飯食うか」
理樹「うん。今日はここで食べるんだよね?」
理樹(すると謙吾がビニール袋を高らかと持ち上げた)
謙吾「ああ!今日はワゴンで猛威を振るってきたぞ!」
理樹(そう言ってコタツの上におにぎりやパンを並べた)
真人「す、凄え…カツサンドからのりたままであるぞ…!」
謙吾「実は今日大量に買うことになったとおばちゃんに話していたらな、並んでいた後輩たちが日頃の礼と言って良い獲物を譲ってくれたんだ」
恭介「まさに謙吾の人望がなせる技だな。ありがたく頂こう」
真人「くそう…対抗心燃やそうにもカツの前では渋っまうぜ…」
理樹(そう口々に呟いてカツや寿司を口に運んでいった。僕もありがたく松坂牛を頂戴する)
理樹(コタツはあっという間にゴミだらけになった。恭介と僕はそれを器用にゴミ箱に捨てていく)
真人「ふう…腹十二分ってところだな」
理樹「いやそれ容量超えてるから!」
謙吾「何にせよこうも腹一杯になると眠くなってきたな…」
恭介「冬におこたで遊んで、飯を食って、そのまま眠りにつく。まさに贅沢の極みだな」
理樹「でも他にやることもないしね」
恭介「そうだな。まだまだ消灯まで時間はあるしここらで鈴がいないからこそ出来ることをしてみようと思う」
真人「鈴がいないから」
謙吾「出来ること…だと?」
恭介「そうだ。というか女子がいないからと言った方が正しいな」
真人「なんだよっ、もったいぶってないで早く言えよ!」
恭介「そう急かすな。つまり何がしたいかというと……猥談だ」
理樹「ええっ?」
理樹(変な声が出た。猥談だって!?)
謙吾「ほほう、猥談か…」
真人「なるほどね…」
理樹(しかもみんな案外乗り気だ!)
恭介「反対派はいなさそうだな」
理樹「僕だよ!」
恭介「いなさそうだな」
理樹(無視された!)
理樹(すると恭介はわざわざ部屋の電気を消してランプを中心に置いた)
恭介「さて、猥談の内容だが…」
理樹(3人は身を乗り出して腕を今ありげに組んだ)
恭介「この学校で誰が一番ナイスバディだと思う?」
真人「!」
謙吾「!」
理樹「!」
恭介「まず言い出しっぺの俺からだが、なんだかんだ言って小毬が一番いいと思う」
理樹「小毬さん?」
謙吾「理由を聞こう」
恭介「そうだな…お前ら小毬の体を注意深く見た事はあるか?」
真人「いや、ないが」
恭介「実は俺も無かった。しかしある時、一度だけこんな小毬を見たんだ。ホワンホワンホワン…」
理樹「えっ、回想に入るの?」
……………………
…………
…
恭介(それはまだ暖かった頃、野球の練習に入る前のことだった)
部室
ガチャッ
恭介『えーっとバットバット…』
『すぴー…』
恭介『むっ?』
恭介(誰かが寝ている声がした。そう、それが何を隠そう小毬その人だったんだ)
恭介『なっ!』
恭介(普通なら起こさず用だけ果たして静かに帰るだろう。しかしその小毬の格好は到底スルー出来るものではなかった)
小毬『えへへ…そんなに食べられないよぉ…』
恭介(単刀直入に言うと小毬は半裸寸前だった。シャツを脱ぐ手前まできていた)
恭介『……………』
恭介(もちろん俺はすぐさま上着を被せてやったが、あの時見たバストは衝撃的だった)
…
………
…………………
理樹「ど、どうだったの?」
恭介「いつもあいつはセーターを着てるから分かりにくいが鈴や来ヶ谷のような服装になれば隠されたボディが現れる。身長の割にあの大きさは……な」
理樹(含んだ言い方で締める恭介)
恭介「はい次、謙吾」
理樹「えっ、もう話題移るの!?」
恭介「なんだ、続けてほしいのか?」
理樹「え?いや…その……」
謙吾「次は俺かぁ…」
恭介「謙吾はモテるからなあ…どんな視点で意見が繰り出されるのか楽しみだぜ」
理樹(と、耳打ちする恭介)
謙吾「俺は三枝だな。俺には並くらいがちょうどいい」
真人「あーなるほどなるほど」
恭介「シンプルイズベストときたか!」
理樹「ちょっと違うと思う」
謙吾「評価のベクトルが恭介と似るが、身長、バスト、ウエスト、ヒップ、すべてが共に好ましい」
恭介「興味本位で聞くが二木のほうはどうなんだ?同じ部だったこともあるらしいじゃないか」
謙吾「二木か?……フッ」
理樹(鼻で笑うと指を曲げて『小さい』というジャスチャーをした)
謙吾「話にならんな」
理樹(その笑いに釣られて恭介も続く)
恭介「姉より優れた妹が存在するとはな……フッ」
理樹「2人とも目の前で言おうものなら殺されてるよね」
真人「ふむふむ、そうだな」
謙吾「次は真人だ」
真人「ん?俺か?」
恭介「そうだ。お前なら女子の中で誰が一番良い?」
真人「俺かー…そうだなー」
理樹(真人が一番気になる。恭介達のように浮ついた話を聞かないだけでなく、本当に女子に対して興味があるのか怪しいくらいだからだ)
真人「やっぱり来ヶ谷か?」
恭介「おお!」
謙吾「ここで来たか」
理樹(来ヶ谷さんか!でも胸も見る限り一番……ぽいしなぁ)
恭介「来ヶ谷のどこが一番良いと思う?」
真人「そりゃお前、上腕二頭筋だろ」
謙吾「……ん?」
真人「そんで腹筋もまあまあだし三角筋後部も捨てがたいな」
恭介「真人、何の話をしている」
真人「えっ、女子で誰がガタイ良いかって話だろ?」
3人「「「……………………」」」
理樹(間違ってはいない。というか、真人のことなんだからそう考えるのが自然だったんだ)
恭介「なるほど、さっきから相づちが妙に適当だと思ったぜ…」
真人「よし!じゃあ次は理樹だな!」
理樹「ぼ、僕!?」
理樹「いや僕はいいよ!」
謙吾「言うと思ったぞ…」
恭介「この通り3人はちゃんと答えたんだぞ?お前だけっていうのはズルい」
理樹(3人はそういうキャラだから言ってもいいかも知れないけど僕が言うと本気っぽいんだよ!)
謙吾「じゃあリトルバスターズの女子限定ならどうだ?そうすれば少しはマジっぽくならないだろう」
理樹(謙吾が僕の気持ちを汲み取ってくれたのかそう提案してきた)
恭介「よし、じゃあ、その中なら誰が良いんだ?」
理樹「う、うーん…」
理樹(僕は……)
・鈴 ・美魚
・クド ・小毬
・来ヶ谷 ・葉留佳
・考える
次のレスでキャラを選択
キャラを選択してくれ!が抜けてた
「考える」もあり
ピキーン!
理樹(その場の空気が凍った)
恭介「そそそそそそれはどういう意味だ理樹?」
謙吾「いいか、内面じゃないぞ。良くも悪くも外見だけで考えるんだ」
理樹「だからその…クドなんだけど」
真人「まあ反射神経は良いし今後の成長に期待という意味では悪くない選択だな」
恭介「理樹…お前、そういう趣味だったのか…」
理樹「恭介には言われたくないよ!」
恭介「いや俺はちげーよ!」
理樹「だいたい小さいのが好きで何が悪いのさ!大きいだけとは違う良いところだっていっぱいあるよっ!!」
謙吾「いや否定してる訳ではなくてだな…俺も悪くはないと思うぞ、うん…」
理樹「ロリで何が悪いって言うんだー!クド最高!ロリ最高ーーっ!!」
理樹(もはや自分でも何を言っているのか分からなくなった)
恭介「理樹が暴走しちまってるな。よし、別の話題に移ろう」
恭介「次にそうだな……」
恭介「……………」
恭介「なんかないか?」
理樹「えっ、もうないの?」
恭介「……ニヤリ」
理樹「ハッ!」
理樹(やられた。たった一言で巧みに誘導された!)
恭介「じゃあ理樹、お前にはあるんだな?何かそういう提案が…」
理樹「いや、僕はその……」
謙吾「ほら、なんでもいいから言ってみろ」
理樹「ぐ……」
理樹(3つの顔がこちらを向く。その眼光からは逃げられない)
理樹(こうなれば腹をくくって言うしかない。自分たちも結構やばいこと言ってるし他人に漏らすなんてことはしないはずだ。ええい、ままよ!)
理樹「その……恭介達は…アレの頻度、どれくらいなの?」
3人「「「…………………?」」」
理樹(しまった少しオブラートに包みすぎたか!)
理樹「だからさ………ま、ま、マスター…」
恭介「マスター?」
理樹「もう分かってる癖に!ここまで言えば分かるでしょ!?」
恭介「謙吾、真人、お前らは分かるか?」
謙吾「いや全然」
真人「筋肉マスタードットコムのことか?」
理樹(絶対わざとだ!)
理樹「もう!僕にあえて言わせようとしてるんならもう話さないよ!」
恭介「待て待て、マジで分かってないんだって」
謙吾「少なくとも俺はからかってる訳じゃない」
理樹「えっ…」
理樹(まさか……本気なのか?)
理樹「じゃあ一言ずつ言っていくから分かったら頷いてよ?」
恭介「ああ」
理樹「さっきの言葉の続きで『ベー』、『ション』」
恭介「マスターベーション?」
理樹「うわあ!うわあ!」
理樹(なんのためらいもなくハッキリ言ってしまった!ということは……)
謙吾「すまん……本当に分からん」
真人「俺もだ」
理樹「嘘でしょ!?」
恭介「だから嘘じゃないって。それよりその言葉の意味を教えてくれよ」
理樹(こうなったからにはその前に一つ確認しなければならないことがある)
理樹「じゃあ逆に3人に聞くけど…赤ちゃんってどうやって産まれると思う?」
恭介・謙吾・真人「「「ユ(お)『力』ニ(し)『コ』コ(べ)『ブ』ー(と)『が』ン(め)『異』が(し)『常』運(べ)『に』ん(か)『発』で(ら)『達』く『し』る『て』」」」
理樹「ストーップ!3人同時に喋ったら分からないでしょ!順番に聴いていくよ?まず恭介から!」
恭介「ユニコーンが運んでくる」
理樹「惜しい!いや、実際とは惜しくもなんともないけど!ユニコーンはまた別だから!本当はコウノトリだから!でもちょっと面白いから75点!」
恭介「おお…なんか点数貰えたぞ!」
理樹「次、謙吾」
謙吾「おしべとめしべから」
理樹「それは喩えだよ!僕らって植物から産まれたの!?とんだ人類の不思議だよっ!!80点!」
謙吾「ふっ、みろ恭介!お前より高得点だぞ?」
恭介「くっ、負けた!」
理樹「次、真人」
真人「力こぶが異常に発達して」
理樹「もはや意味分かんないよ!それもはや無性生殖じゃないかっ!人間はいつからミドリムシになったんだっ!!!95点」
恭介・謙吾「「真人スゲーーッ!?」」
真人「なんだかよく分からねえがありがとよ」
理樹(嫌な予感は的中した。この人たちもしかしたらまったく『何も知らない』かもしれない)
理樹「はぁ…はぁ…じゃあ次の質問行くよ。女性はどこから尿を出している?」
恭介・謙吾・真人「「「お(私)『汗』っ(は)『と』ぱ(鼻)『一』い(か)『緒』か(ら)『に』ら」」」
理樹「よーし1人ずつ聴いてくよー!」
理樹「まず恭介!」
恭介「おっぱいから」
理樹「母乳かっ!毎日が面倒くさすぎるでしょ!50点!」
恭介「う、うぉぉお下がったぁ!!」
理樹「次、謙吾!」
謙吾「私は鼻から」
理樹「それは黄色のベンザだよ!!90点!」
謙吾「よっしゃあキープしたぞ!」
理樹「次、真人!」
真人「汗と一緒に」
理樹「それ凄く便利だと思うけどめちゃくちゃ臭そうだね!!20点!」
恭介「真人が一気に落ちた!」
理樹「じゃ、じゃあ最後に…男性にはアソコが生えているけど代わりに女性にあるものは?」
恭介・謙吾・真人「「「ロマン」」」
理樹「そこは揃うんかいっ!!」
理樹(しかしこれではっきりした。この人たちはあまりにもウブ過ぎる。なんというかプラトニックすぎるんだ)
理樹「な、なんか自分が汚れた存在に感じてきたよ…」
恭介「大丈夫だ理樹。そう気を落とすな」
謙吾「そうだぞ。よく分からんが」
理樹「みんな何も知らないからそんなこと言えるんだよ…」
理樹(通りで女っ気がまったくないはずだ…きっと恭介達は女の子の裸よりも『裸を見る』という冒険行為自体に興奮するに違いない)
理樹(僕は立ち上がると電気をつけた)
パチッ
恭介「おいおい、どうした?」
理樹「いや…これ以上続けたくなくなったんだよ……」
理樹(そうか。恭介達が少年のように無邪気な笑顔が出来るのは裏にこういう背景があったのか)
理樹(ならば僕はそれを出来るだけ壊さないようにするのみだ。わざわざ教えなくてもそのうち自然に知識は身につくだろう)
謙吾「まあ無理に…とは言わないが」
真人「なんかしらけちまったしな。もともと何の話してるのか分かってなかったけどよ」
恭介「時間もちょうどいいしそろそろお開きにすっか!」
理樹「うん。そうだね」
理樹(今日は疲れた。早く寝て全部忘れることにしよう……)
恭介「じゃあ俺らは行くわ」
謙吾「また明日な」
真人「おう!おやすみ」
理樹「おやすみなさい」
バタンッ
…………………………
2時間前
女子寮
鈴部屋
小毬「という訳で鈴ちゃんのお見舞いに来ましたっ」
鈴「みんなありがとう」
葉留佳「どーいたしまして!今日はみんなで歌って踊るぞーーっ!!」
美魚「病人の前では静かにしてください」
クド「でも、大したことは無いようで良かったです」
鈴「うん。多分もう風邪はうつらないと思う」
来ヶ谷「なら今日は思う存分楽しめるな」
鈴「楽しむ?」
クド「はいっ。実は今日は鈴さんにしっかり栄養を取ってもらうためにみんなで夜ご飯を作ってきたのですっ!」
小毬「お菓子も持ってきたよ~。鈴ちゃん用にポカリも買ってきたのです!」
鈴「ありがとう小毬ちゃん」
葉留佳「ところで姉御。そのスピーカーはなんなんですカ?」
来ヶ谷「いい質問だ葉留佳君。これは盗聴器だ」
葉留佳「盗聴器?」
来ヶ谷「うむ。こんな機会も滅多にないし、たまには男どもの会話を肴にポテチを食うのも乙なものだろう」
小毬「ええぇー!」
クド「来ヶ谷さん!それは犯罪ですよ!」
来ヶ谷「なあにきっと3人は許してくれるさ。どうせ他愛のない会話しか撮れないだろうしな。ちなみにコタツに付けてある」
来ヶ谷「それに君たちだって理樹君達が男だけで何を話すのか気になるだろう?」
クド「!」
美魚「確かに…」
鈴「私はいつも聴いてるからどーでもいい」
来ヶ谷「そうかね?もしかしたらもしかするかも知れないが」
葉留佳「おおっ、そいつはどーゆー意味ですか姉御!?」
来ヶ谷「さあね。とりあえずご飯でも食べながらリラックスして聞こうじゃないか」
ポチッ
続く
恭介『おっ…温かくなってきたな』
鈴「恭介の声だ」
葉留佳「おお!こいつはよく聞こえますナァ」
謙吾『ああっ、こうして外を見ながら座っているとよく分からない優越感に浸れるな……』
来ヶ谷「うむ、感度は良いな。さて我々も一杯やろうか。小毬君」
小毬「了解だよ~とりあえずカルピスとコーラあるけどみんなどっちがいい?」
「「「コーラ!」」」
…………………………………
恭介『見ろっ!スリーカードだ!!』
謙吾『甘いな恭介…俺はフルハウスだ』
理樹『僕はブタだね…』
真人『えーと……これはなんなんだ?理樹、ちょっと見てくれ』
恭介『お前よく手札理解せずにオールインしたのかよっ!?』
理樹『…………これ、ストレートフラッシュだよ真人…』
恭介・謙吾『『なにィ!?』』
来ヶ谷「ふう…特に他愛もない話ばかりだな」
美魚「まあ、普通はこんなものでしょう」
葉留佳「よーしクド…この五円玉を見よ!あなたはだんだん眠たくなーる…」
クド「わふ?」
葉留佳「眠いたくなーる…眠む……ぐぅ」
ゴンッ
葉留佳「ギャァーッ!」
クド「わ、わふー!?葉留佳さんが急に倒れてテーブルの角に頭をぶつけましたー!?」
鈴「うっさい葉留佳!」
葉留佳「ご、ごみんなさい……」
来ヶ谷「やれやれ、男どもの話を聴いているだけではどうも盛り上がりに欠けるな。そろそろここらで男子がいないからこそ出来ることをしてみようと思う」
美魚「男子がいないから」
小毬「出来ること…?」
来ヶ谷「そうだ。前回は理樹君もいたから流石に自重したがね」
葉留佳「もったいぶらず早く言ってくださいヨ!」
来ヶ谷「そう急かすな。つまり何がしたいかというと……猥談だ」
「「「!?」」」
葉留佳「わ、わ、わ、猥談っ!?」
小毬「わいだん?」
鈴「あー、わいだんな」
美魚「猥談……ですか」
クド「わふー!!」
来ヶ谷「なんだ。そんなに嫌か?」
葉留佳「イ、イヤー…別にワタシはいいですがみんなが恥ずかしいんでないかと…」
来ヶ谷「小毬君と鈴君は?」
小毬「私はよく分からないけどおっけーですよ~」
鈴「ああ」
美魚「私は聴き専門なら」
クド「私は恥ずかしいです!」
来ヶ谷「よし、反対派いないな」
クド「わふー!聞いてくださいっ!!」
来ヶ谷「さて、猥談の内容だが」
来ヶ谷「ずばりこの人となら添い寝してもいいという男子は?」
「「「!!」」」
鈴「あたしは1人の方がいいな。真人は臭いし謙吾がいびきをかくし恭介はうるさいし理樹はいなくても一緒だ」
葉留佳「酷い言い様ですな…というかなんで知ってるの!?」
鈴「臭いのとかキモいのとか?」
葉留佳「うんうん!」
来ヶ谷「消極的な割には凄く興味津々だな…」
鈴「小さい頃にみんなでお爺ちゃんの家に泊まったことがあったからだ。私はすぐ寝たが、4人はそのあと枕投げして怒られたらしい」
小毬「いいなー私もみんなでお泊まりしたいね」
来ヶ谷「君はもう少し自分の身を案じた方がいい。でないと私が襲うぞ!」
小毬「ふ、ふぇぇ!?」
美魚「聴き専門と言いましたが、私なら恭介さんと直枝さんがいいです」
クド「ふ、2人同時にですかっ」
美魚「はい。2人がねっとり濃厚に絡んでいるところを見ていたいです」
来ヶ谷「ツッコまないからな」
来ヶ谷「クドリャフカ君はどうなんだ?」
クド「わ、私ですか…!えと…その……あの……そうです、く、来ヶ谷さんはどうなんですかっ!?」
来ヶ谷「私か?」
葉留佳「そうだそうだー!」
来ヶ谷「私は理樹君がいいな」
クド・葉留佳「「えっ!?」」
美魚「その心は?」
来ヶ谷「理樹君なら他の男と違って襲う度胸もないし安心して寝ていられるからな」
葉留佳「あーー!姉御それズルいッスよ!」
クド「じ、じゃあ私もそれで!」
来ヶ谷「却下」
クド「わ、わふぅ……」
理樹『でも他にやることもないしね』
来ヶ谷「む……」
恭介『そうだな。まだまだ消灯まで時間はあるし…』
来ヶ谷「よし、冗談はこれくらいにしておこう。それより面白いことが始まるぞ」
クド「?」
恭介『ここらで鈴がいないからこそ出来ることをしてみようと思う』
鈴「あたしか?」
恭介『そうだ。というか女子がいないからと言った方が正しいな』
真人『なんだよっ、もったいぶってないで早く言えよ!』
恭介『そう急かすな。つまり何がしたいかというと……猥談だ』
葉留佳「ブーーッ!!」
美魚「葉留佳さん、汚いです」
来ヶ谷「なるほど、考えることは同じか」
恭介『さて、猥談の内容だが…』
恭介『この学校で誰が一番ナイスバディだと思う?』
葉留佳「なぁーーっ!?」
美魚「葉留佳さん、うるさいです」
来ヶ谷「はっはっはっ。だから言ったろう?これは最後まで聴く価値がありそうだ」
クド「な、ナイスボディー……ですか…」
恭介『まず言い出しっぺの俺からだが、なんだかんだ言って小毬が一番いいと思う』
小毬「えっ………」
理樹『小毬さん?』
謙吾『理由を聞こう』
恭介『そうだな…お前ら小毬の体を注意深く見た事はあるか?』
小毬「き、恭介さん……私の体って…なんの話をしてるの…?」
来ヶ谷「おっと、そうだな。小毬君は耳を塞いでおいた方がいい」
小毬「なんで?」
来ヶ谷「見る目が変わるからな」
恭介『身長の割にあの大きさは…な』
葉留佳「うわぁ…幻滅もいいとこッスね」
鈴「あいつはあたしが直々に地獄へ送る」
来ヶ谷「まあ、許してやれ。所詮年頃の男の子なんだから」
葉留佳『~~~!!』
鈴『~~~っ!』
クド・佳奈多部屋
佳奈多「またあそこの部屋がうるさいわね…そういえば鈴さんの部屋で集まるとか言ってたかしら。少し注意しに行かないと…」
恭介『はい、次謙吾』
謙吾『次は俺かぁ…』
来ヶ谷「謙吾少年はあれで女性の見る目はある方だからな」
クド「ど、どうせ私はナイスとはかけ離れたバットボディーですよぉー……」
来ヶ谷「なにを言う!君はそのままだからこそ良いんじゃないかっ」
ガチャッ
佳奈多「あなた達、何をしているの?」
来ヶ谷「おっ?」
謙吾『俺は三枝だな。俺には並くらいがちょうどいい』
葉留佳「わ、私!?」
佳奈多「葉留佳?…というか何、どこから流してるのこの声」
恭介『シンプルイズベストときたか!』
謙吾『評価のベクトルが恭介と似るが、身長、バスト、ウエスト、ヒップ、すべてが共に好ましい』
葉留佳「おおーそう言われるとなんか自信出てきた!」
佳奈多「………………」
佳奈多「…………来ヶ谷さん。これは?」
来ヶ谷「今は野郎どもが学校の女生徒の中で誰が一番セクシーか議論しているところだ。ちょうど2年C組宮沢謙吾君の番だな」
佳奈多「殺す」
クド「佳奈多さん!?」
恭介『興味本位で聞くが二木のほうはどうなんだ?同じ部だったこともあるらしいじゃないか』
佳奈多「!!」
謙吾『二木か?……フッ』
謙吾『話にならんな』
恭介『姉より優れた妹が存在するとはな……フッ』
理樹『2人とも目の前で言おうものなら殺されてるよね』
真人『ふむふむ、そうだな』
佳奈多「…………っ!!」
クド「佳奈多さん…」
佳奈多「…ちょっと…外の風に当たってきます」
葉留佳「お、お姉ちゃ…!」
パシッ
来ヶ谷「やめておけ葉留佳君。今は佳奈多君をそっと1人に……フッ…あ、すまん」
佳奈多「う……うわぁぁああああん!!」
ダダダッ
葉留佳「かっ、佳奈多ぁーーっ!」
美魚「今のは来ヶ谷さんがとどめを刺しましたよね」
来ヶ谷「ごほん…まあ、弁解する気はない。すまないがあとで謝っておいてくれクドリャフカ君」
真人『えっ、女子で誰がガタイ良いかって話だろ?』
葉留佳「流石真人君はブレないなー」
鈴「まあ真人だからな」
来ヶ谷「うむ。さあ、そろそろお待ちかねの…」
理樹『ぼ、僕!?』
葉留佳「お、おお!遂にキター!」
クド「どうせ私は……ブツブツ」
鈴「理樹はむっつりだからなー」
美魚「これはあまり予想出来ませんね」
理樹『いや僕はいいよ!』
謙吾『じゃあリトルバスターズの女子限定ならどうだ?そうすれば少しはマジっぽくならないだろう』
理樹『う、うーん…』
葉留佳「ごくり………」
理樹『僕はクドかな』
来ヶ谷「むっ」
葉留佳「なっ!」
鈴「?」
小毬「ゆいちゃーんそろそろ手離してもいいー?」
美魚「なるほど」
クド「リ、リキ……?」
恭介『そそそそそそれはどういう意味だ理樹?』
謙吾『いいか、内面じゃないぞ。良くも悪くも外見だけで考えるんだ』
クド「わふ……」
来ヶ谷「大丈夫だクドリャフカ君。あいつは私がやっておく」
理樹『だからその…クドなんだけど』
恭介『理樹…お前、そういう趣味だったのか…』
理樹『だいたい小さいのが好きで何が悪いのさ!大きいだけとは違う良いところだっていっぱいあるよっ!!』
クド「り、りきぃ……私は…私はっ!!」
葉留佳「うんうん、良かったねぇークド公!そのペタンコボデーだって需要があるって分かって!……なんか複雑だけど…」
来ヶ谷「ま、今後、理樹君の見方が変わることは確かだな」
美魚「………選択肢が女の子限定ですもんね。それは出来るだけ男性に近い方が……おっと、なんでもありません」
理樹『ロリで何が悪いって言うんだー!クド最高!ロリ最高ーーっ!!』
クド「なんだか自信が出てきました!いやっほーロリ最高ーなのですー!」
恭介『し、別の話題に移ろう』
恭介『次にそうだな……』
恭介『なんかないか?』
葉留佳「ってないんかい!」
来ヶ谷「いや、恭介氏がそれだけで終わらせる訳がない」
理樹『えっ、もうないの?』
美魚「直枝さんが釣られましたね」
恭介『じゃあ理樹、お前にはあるんだな?何かそういう提案が…』
葉留佳「誘導尋問って奴ですネ!やりますな恭介さん」
理樹『ぐ……』
クド「リ、リキはどんなことを言うんでしょうか!?」
来ヶ谷「それはお姉さんも気になるところだ」
美魚「どきどき…」
小毬「ねぇ、もう離すよぉ?みんななんの話してるの?」
理樹『その……恭介達は…アレの頻度、どれくらいなの?』
小毬「ほえ、頻度って?」
来ヶ谷「小毬くん。悪いがもう一度耳を塞ぐんだ」
小毬「な、なんでー!?」
来ヶ谷「ほーらこの甘いヴェルタースオリジナルを舌で転がして大人しくしているんだ」
小毬「はむ……甘い…」
鈴「理樹はなにを言っている?」
美魚「聞いていけば自ずと…いえ、鈴さんは知らないかもしれませんね」
鈴「じゃあ教えてくれ」
美魚「はい…それでは後で趣向は少し違いますがそれらが載っている薄い本をお渡ししましょう」
来ヶ谷「君の言うその本だと鈴君がかなり勘違いすると思うが…」
美魚「そうですか…残念です」
理樹『だからさ………ま、ま、マスター…』
葉留佳「…う、うわ…………」
来ヶ谷「黙って聞いている君の反応が一番生々しいな」
葉留佳「ドキ!や、やだなぁ姉御!はるちんもよく分かんないだけですヨ!」
来ヶ谷「ほう…」
恭介『マスター?』
理樹『もう分かってる癖に!ここまで言えば分かるでしょ!?』
理樹『もう!僕にあえて言わせようとしてるんならもう話さないよ!』
恭介『待て待て、マジで分かってないんだって』
来ヶ谷「おいおい、鈴妹ならまだしも棗兄もか!」
理樹『じゃあ一言ずつ言っていくから分かったら頷いてよ?』
恭介『マスターベーション?』
鈴「なんだそれ」
葉留佳「うわぁーーっ!」
クド「わふー!!!」
美魚「我々が本当にこんな言葉を直枝さんから聞き出してよかったのでしょうか…禁断の扉を開いたような気がします」
来ヶ谷「はっはっはっ。反応がみんな素直でよろしい」
…………………………………
理樹『じゃあ逆に3人に聞くけど…赤ちゃんってどうやって産まれると思う?』
クド「ブツブツ……リキがこんなにえっちだったなんて思いませんでした…私の知ってるリキは……ブツブツ…」
葉留佳「あー!あー!聞こえなーい!はるちんは何も聞いてませーん!」
鈴「これなら分かるぞ!確かこうの…こうの……河野博文が運んできてくれるんだ」
小毬「ほわぁ~なんかみんながどんどん変になっちゃってるっ!」
来ヶ谷「………………」
来ヶ谷「美魚君…誓って言うが、この催しはちょっとした悪ふざけのつもりだったんだ。いや、確かにさっきまでは楽しんでいたが決して…」
美魚「分かっています。しかしこれは取り返しがつきませんね。直枝さんもまさか今頃自分の発言がこんなことになっているとは思ってもみなかったでしょう」
来ヶ谷「もう消すか…」
美魚「名残惜しいですがそうですね…」
理樹『…男性にはアソコが生えているけど代わりに女性にあるものは?』
恭介・謙吾・真人『『『ロマン』』』
ピッ
来ヶ谷「さあさあ、今日はここまでだ。もう寝る支度をするぞ」
葉留佳「うぅ……ヒック……」
クド「リキはリキがリキでリキだから…」
来ヶ谷「……と言ってもすぐに寝れるかどうかは分からんが…」
……………………………
………………
…
次の日
真人「うし、そろそろ行こうぜ理樹っ!」
理樹「そうだね」
理樹(今日もいい天気だ。昨日から寒さも一気に変わったしそろそろ教室も暖房が入ってくれるだろう)
食堂
真人「うーすっ」
理樹(食堂には鈴を含めて全員揃っていた)
理樹「おはようみんな」
「「「………………」」」
理樹「えっ、無視……?」
来ヶ谷「やあおはよう少年」
理樹「う、うん?おはよう」
葉留佳「あ…り、り、り、理樹君おはよー」
理樹「葉留佳さんはどうして声が震えているの?」
クド「直枝さん。おはようございます」
理樹「なんでクドは僕の呼び方が昔に戻ってるの!?」
理樹(すると横から恭介が肩を叩いてきた)
恭介「おい理樹…なんかあいつら今日おかしいんだよ…」
理樹「えっ?」
恭介「小毬と鈴は普通に接してはくれるが他の連中は一歩距離を置いてくるっていうか…」
理樹「ど、どうして?」
恭介「それが分からないから困ってるんだ…」
謙吾「能見、醤油を取ってくれないか?」
クド「あ……わ、分かりました……」
理樹(クドの様子を見てそれを再確認することが出来た。確かに瓶を持つ手が震えている…なんだか物凄く悲しそうな…)
来ヶ谷「そうだ。忘れるところだったな」
謙吾「むっ?」
理樹(来ヶ谷さんが急に立ち上がった)
来ヶ谷「謙吾少年。勝手に聴いた私が悪いんだが、君にも罪はある」
謙吾「はあ」
理樹(そう言うと来ヶ谷さんは後ろに向いた。……と思ったらその長い足が僕のすぐ横…つまり謙吾の顔に向かって回転していた)
ブンッ
理樹(回し蹴りだ。女の子が蹴り技を放つ場合の弱点を上手くスカートが隠した。そして足の先にあるゴム靴が謙吾の鼻を直撃させて、鈍い音を放つ)
謙吾「ごはぁっ!?」
理樹(謙吾は椅子に座った体勢のまま後ろへ2メートルほど吹っ飛んだ)
クド「く、来ヶ谷さん…そこまでしなくてもいいです……」
理樹「な、なんで、なにが起こったの!?」
恭介「おい!どうしたんだ来ヶ谷!?」
真人「おっ、バトルか?」
小毬「ゆ、ゆいちゃん!?」
葉留佳「当然の報いですネ…」
謙吾「………………」
理樹(可哀想に謙吾は不意打ちも相まって気絶してしまった)
「直枝、そこの醤油取ってくれない?」
誤字訂正
「「「………………」」」
理樹「えっ、無視……?」
来ヶ谷「やあおはよう少年」
理樹「う、うん?おはよう」
葉留佳「あ…り、り、り、理樹君おはよー」
理樹「葉留佳さんはどうして声が震えているの?」
クド「直枝さん。おはようございます」
理樹「なんでクドは僕の呼び方が昔に戻ってるの!?」
理樹(すると横から恭介が肩を叩いてきた)
恭介「おい理樹…なんかあいつら今日おかしいんだよ…」
理樹「えっ?」
恭介「小毬と鈴は普通に接してはくれるが他の連中は一歩距離を置いてくるっていうか…」
理樹「ど、どうして?」
恭介「それが分からないから困ってるんだ…」
謙吾「能美、醤油を取ってくれないか?」
クド「あ……わ、分かりました……」
理樹(クドの様子を見てそれを再確認することが出来た。確かに瓶を持つ手が震えている…なんだか物凄く悲しそうな…)
来ヶ谷「そうだ。忘れるところだったな」
謙吾「むっ?」
理樹(来ヶ谷さんが急に立ち上がった)
来ヶ谷「謙吾少年。勝手に聴いた私が悪いんだが、君にも罪はある」
謙吾「はあ」
理樹(そう言うと来ヶ谷さんは後ろに向いた。……と思ったらその長い足が僕のすぐ横…つまり謙吾の顔に向かって回転していた)
ブンッ
理樹(回し蹴りだ。女の子が蹴り技を放つ場合の弱点を上手くスカートが隠した。そして足の先にあるゴム靴が謙吾の鼻を直撃させて、鈍い音を放つ)
謙吾「ごはぁっ!?」
理樹(謙吾は椅子に座った体勢のまま後ろへ2メートルほど吹っ飛んだ)
クド「く、来ヶ谷さん…そこまでしなくてもいいです……」
理樹「な、なんで、なにが起こったの!?」
恭介「おい!どうしたんだ来ヶ谷!?」
真人「おっ、バトルか?」
小毬「ゆ、ゆいちゃん!?」
葉留佳「当然の報いですネ…」
謙吾「………………」
理樹(可哀想に謙吾は不意打ちも相まって気絶してしまった)
「直枝、そこの醤油取ってくれない?」
理樹「えっ?……あっ、二木さんおはよう…ってどうしたのその目」
佳奈多「おはよう。なんでもないわ」
理樹(二木さんは目を腫らしていた。なにがあったんだろう。とりあえず目が輝きを失っていて怖いので素直に渡した)
佳奈多「ありがとう」
理樹(そういうと二木さんは何故かキャップでなく容器の蓋自体を外した)
佳奈多「…………」
理樹(そして倒れた謙吾の元に近寄ると、その液体を顔にぶちまけた)
バシャッ
謙吾「う……うう…」
理樹「ええっ!?」
佳奈多「…………」
理樹(かろうじて意識を回復した謙吾を無表情で見下ろす二木さん。その目はまさに養豚場のブタを見るかのように冷たかった)
佳奈多「ねえ宮沢」
謙吾「な……なんだ……それよりこの俺にかかった液体はいったい…」
スッ
理樹(二木さんは謙吾の顔に狙いを定めて足を上げた。そしてそれを無慈悲に振り下ろす。やはり酷い音がした)
謙吾「あ………」
ガクリ
理樹「け、謙吾ぉーーっ!!」
真人「え、えげつねえ……」
理樹(今度こそ完全に気を失った。当分目を覚ますことはないだろう。しかも顔にかかっている醤油が相まって知らない他人が見たらグロテスクと言えなくもない)
佳奈多「……………」
恭介・理樹・真人「「「ヒィッ!」」」
理樹(二木さんがこちらを向いた。ゆっくり歩み寄ってくる)
恭介「ごごごご馳走様!」
真人「やべえ急にウンコ行きたくなってきた!また後で教室で会おうぜみんな!」
理樹(目にも留まらぬ速さで食堂から出て行く恭介たち)
理樹「ま、待って!!置いて行かないでよっ!!」
理樹(僕はヘビに飲まれるカエルのようにそこを動けなかった)
理樹「あ……うあ…」
佳奈多「…………はぁ…」
理樹(恭介と真人が逃げたのを見るとこうべを垂れてしまった。そして空いてしまった僕の隣の席ヘ座る)
来ヶ谷「佳奈多女史よ…水を注いでやる。一杯飲んで気分を和らげろ」
佳奈多「気分……ですか…」
葉留佳「は、はるちんはここらでエスケープするのでござるー!」
理樹(何故か葉留佳さんも2人と同じルートで外へ出た。当の二木さんは両腕を前に交わして枕代わりに頭を置いた。僕はターゲットじゃなかったらしい)
理樹「ね、ねえ…僕は…僕はどうしたらいいの!?」
理樹(いきなりの事件が連続で起こって頭がパニックになった。恭介と真人は逃げ出すし謙吾がノビてるし二木さんと来ヶ谷さんは怖いしクドの様子もおかしいし!)
美魚「そのまま朝食を楽しんではどうでしょうか。直枝さんはなにもしていませんし」
理樹「いや謙吾たちもしてなかったよね!?」
鈴「まー仕方がない。私も恭介を倒さないといけないからな」
理樹「なんかしたっけ!?」
佳奈多「………そんなに男の人は大きいほうがいいのかしら…」
理樹(隣から篭った声が聞こえた。さっきの姿勢のまま何かを喋っていたようだ)
理樹「えっ?」
来ヶ谷「そんなことはないぞ佳奈多君。現にそこの少年がいるじゃないか」
理樹「はっ?」
佳奈多「直枝が…?」
来ヶ谷「うむ。少年はクドリャフカ君のようなのがお好みだそうだ」
クド「わふ!」
理樹「い、いったい何の話をして…」
佳奈多「……それはそれで聞き捨てならないわね…」
来ヶ谷「おっとまた口が滑った」
理樹(ゆらりと立ち上がる二木さん。スイッチが入ったんだろう。今度こそもうだめだ。おしまいだ)
理樹「せ、せめてなんで倒されるのか理由を知ってからやられたい…んだけど……」
理樹(声が震える)
来ヶ谷「しょうがない。可哀想だから助かる方法を教えてやろう」
理樹「なに!?ここから生きて出るためならなんでもやるよ!」
来ヶ谷「よし。今すぐ佳奈多女史のプロモーションをなんでもいい、適当に褒めろ」
理樹「え、ええ!?」
来ヶ谷「早くしろ間に合わなくなっても知らんぞ」
理樹(二木さんは既に他のテーブルから醤油を掴んでいた。そのオーラのあまり近く人はいない)
佳奈多「…………」
理樹「わ、分かったよ!二木さんって凄くいい身体つきしてるよね!健康的で理想のフォルムだよ!男の人にモテるんじゃない!?」
理樹(ぴたりと動きが止まる。すると急にもじもじしだした)
佳奈多「そ、そうかしら…」
理樹「あれぇ!?」
美魚「案外チョロいですね」
来ヶ谷「よし、今のうちに逃げろ」
理樹「う、うん!!」
理樹(今日は厄日だ!昨日の間に何が起こったというのだろう。僕らだってそりゃ褒められるようなことはしてなかったけどあんまりだ…あとで来ヶ谷さんから詳しく話を…)
来ヶ谷「ところで…」
理樹「えっ?」
理樹(来ヶ谷さんを通り過ぎる瞬間に耳元で呟かれた)
来ヶ谷「………君は昨日、自分のことを汚れていると言っていたがそれは違う。あれくらい高校生ともなれば当然だよ。自信を持つんだ………」
理樹「……………嘘だ」
理樹(その励ましの意味が分かった時、全身の血が冷たくなるのを感じた)
来ヶ谷「どうした?早く佳奈多君の気が変わらんうちに逃げたらどうだ」
理樹(来ヶ谷さんは相変わらずクスクス笑っている。やれやれ僕は気絶した)
ドサッ
終わり
AB次回予告
「理樹、
そいつは俺じゃない」
﹁
俺
の
筋 「あとは任せたぞ2人とも」
肉
を
使
う
か
い
?
﹂
「割とこう
いうのも
好きだよ。
私は」
﹁
そ
ん
な
装
備
で
大
丈
夫
か
?
﹂
「犯人の人物像も
動機も見えないよ…」
「ミッションスタートだっ!!」
EPISODE(数えていない)
恭介『理樹、今会ってるそいつは俺じゃない。今すぐ離れろ』理樹「えっ?」
AB風予告の間違いだった
明日には建てる
毎回予告しておいた方がいいのか!今度から忘れない限りそうしておく
シャーロット風予告
第次
?回
?予
話告
ペペンペンペペペペン
「潜入は夜だ「あ、デラックスピザもう一枚!「誰が敵か分かんねえってことか!?「あれは禁断の技、山嵐!!「月夜に悪魔と踊ったことはある?「なんでお前がここにいる」
次
回
恭介『理樹、今会ってるそいつは俺じゃない。今すぐ離れろ』理樹「えっ?」
過去作品を教えて頂けないだろうか
>>106
今ss板に残ってるスレでは安価でいたずらしようって奴とABとのクロス以外は俺のスレかな
少なくとも理樹「僕がこの世界から居なかったことになってる」からは9割がた俺作と言っても差し支えないはずだ!
恭介「理樹、これから旅に出よう」理樹「えっ?」は身体を張ったssだから是非見てくれ
以上アピール終わり!
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