幸子「お酒を飲みましょう!」 (15)
輝子「フヒ?」
小梅「……わ、私達、未成年だからお酒はだ、ダメだよ?
ここ寮だから大人の人に見つかったら怒られるし……」
幸子「分かってます!でも飲まなきゃやってられないじゃないですか!」ドンッ!
小梅「幸子ちゃん……荒れてるね」ヒソヒソ
輝子「し、親友が今日幸子ちゃんの誕生日なのに仕事で来れないって言うから……」ヒソヒソ
幸子「という訳で輝子さん!」
輝子「は、はい!?」
幸子「紅茶キノコを出してください!」
輝子「こ、紅茶キノコ……なんで?」
幸子「いいですか、ボク達はアイドルです。スキャンダルはNGです」
小梅「そ、そうだね……」
幸子「未成年なのにお酒なんて買いにいったら大問題じゃないですか!」
輝子「そ、それと紅茶キノコに何の関係が……?」
幸子「フフーン♪紅茶キノコもアルコールが少し含まれてるそうです。
お酒を買うのはダメでも発酵による自然現象なら問題ないんです!」ドヤッ
小梅「へえ……」
輝子「あ、あのー……」
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幸子「なんです?」
輝子「いやその……紅茶キノコは……ない……」
幸子「え!?なんでですか!?」
輝子「こ、紅茶キノコはキノコのような形してるだけで、セルロースゲルだから……
き、キノコっていうのは真菌で子実体がないとキノコじゃなくて……ほら、一般的なキノコだと担子菌門とか聞いた事ない?」
幸子「ないです」
輝子「フヒ……ごめんなさい」
幸子「謝らなくてもいいです、でも以前にラジオで持っていきませんでした?」
輝子「あれは……ラジオで飲み物が必要と聞いて取り寄せ……」
幸子「うーん……なら仕方ありません。
紅茶キノコがダメなら代わりの物を探しましょう」
小梅「か、代わり?」
幸子「例えばノンアルコール飲料とかですかね?」
小梅「あれも未成年は買っちゃダメだよって……涼さんが言ってた」
幸子「ならブランデー入りのクッキーとかケーキとか……」
小梅「そんなお菓子……持ってるの?」
幸子「……ないですね。買おうにもこの辺ケーキ屋とかないですし」
小梅「う、うん。だからケーキはかな子さんに手伝って作ってもらった」
輝子「わ、私はお菓子作り苦手だから手料理で……」
幸子「カワイイボクの為にありがとうございます」
小梅「お、お誕生日おめでとう」
輝子「フヒヒ……と、トモダチだから……な」
幸子「全く二人はボクを御祝いしてくれたというのに……プロデューサーさんときたら!
やっぱり飲みましょう!」
小梅(あ、話が元に戻った……)
輝子「……あ」
幸子「なんです?」
輝子「い、いや、そういえば菜々さんがウィスキーボンボン?ってお菓子買ってきたらしくて……知ってる?」
小梅「聞いたことない……」
幸子「ボクも知らないです。
でもウィスキーって事はアルコール入りのお菓子なんですかね」
輝子「ち、チョコレートらしい…フヒ…机の下で聞こえてきた……」
小梅「お菓子なら共有スペースの上の棚に置いてあ、あるから……持ってきてみる?」
幸子「そうですね、試しに頂きましょうか」
ガサゴソ
<コレカナ?
<モッテ カエリマショウ
幸子「ちょっとレトロなパッケージですね。」
小梅「本当にお酒の瓶みたい……」
輝子「アルコールについての注意書きもあるな……ほ、本当に食べるのか……?」
幸子「今更何を言ってるんですか?
大体お菓子のアルコール程度じゃそう簡単に酔っぱらいませんよ」パクッ
輝子(あ、何か小梅ちゃんの映画でこれに似たシーン見た気がする……)
小梅(死亡フラグ……)
……
幸子「ぷろりゅーさーさんはろこにいったんれすか!」ドンッ
輝小梅(やっぱり)
幸子「カワイイボクを置いて……プロりゅーサーさん……カワイイボクの誕生日にカワイイボクを置いて…」バクバク
輝子(フヒ……カワイイボクって3回言った……)
小梅「幸子ちゃん……の、飲みすぎ……じゃなかった……食べ過ぎ……」
幸子「酔っれませんよ!?酔っれれもボクはカワイイれすけどね!」
小梅「ど、どっち……?」
幸子「ボクのろこが酔ってるんれすか!?ねえ!?ねえ!?」ズイッ!
小梅「ぁぅ……幸子ちゃん顔近い……」
幸子「顔を逸らしゃないでこっち見てくだはい!」グイッ
小梅「ぁぅ……」
幸子「ボクはカワイイんですよ!?なんれ顔逸らしたんですか!!」バシバシバシ
小梅(か、顔見られるの苦手だから逸らしただけなんだけど……)
輝子「さ、幸子ちゃんそれくらいに……小梅ちゃん困ってるから……」グイッ
幸子「困る訳にゃいじゃないれすか!ボクはカワイイんです!」
輝子(今なら……し、親友が酔っ払いの相手は大変って言ってた理由がよく分かる……フヒ)グイグイッ
幸子「嫌ですー!ボクのカワイさを小梅さんに教えてあげるんれす!」グイグイッ
小梅「わ、分かってるから……落ち着こう幸子ちゃん……」
輝子(親友が酔っ払いに対する苦労も分かる……分かるが……)
幸子「はーなーしーてーくーだーさーいー!」ジタバタ
輝子(元は親友が幸子ちゃんの誕生日に来れないのが原因な訳で……フヒヒ……)
輝子「ヒャッハーーーッ!!早く来やがれってんだプロデューサーーーーッ!!!」ブンッ
幸子「フギャ!?」ドスンッ
小梅「あ」
輝子「ひ、引っ張りすぎた……」
幸子「……」
輝子「さ、幸子ちゃん……?あ、あれ…う、うつぶせたまま反応がない……」
小梅「し、死体みたいになってるけど幸子ちゃん、だ、大丈夫……?」
幸子「……」グスッ
輝子「…ご、ごめん!い、痛かった……?」
幸子「なんでボクがカワイイことを分かってくれないんですか……」グスッ
輝子「え?そっち……?」
小梅「さ、幸子ちゃん……」
幸子「……」
小梅「あ、あのね……幸子ちゃん……幸子ちゃんがカワイイのはみんな知ってるよ……?」ナデナデッ
幸子「……」
輝子「そ、そうだぞ……幸子ちゃんはがんばってるの知ってて…よく見てるから……分かるぞ。
わ、私達は……と……トモダチ…いや、し……親友……だし……」
幸子「……Zzz……」
小梅「あれ……寝てる?」
輝子(は、恥ずかしい独り言で終わった……フヒ)
小梅「幸子ちゃん…こんなところで寝ると風邪引いちゃうよ…」
幸子「…カワイイ…ボク……Zzz……」
輝子「ゆ、夢の中でもブレないな。
とりあえず幸子ちゃんのベッドに運ぼう……」ズリズリッ
小梅「そうだね……服も皺になっちゃう……」ズリズリッ
幸子「……zzz……」
小梅「やっと運べたね……ホラー映画みたいに引きずっちゃったけど」
輝子「ふ、服……汚れちゃったし、着替えさせたほうがいいのか……な?」
小梅「そうだね……タンスから寝間着探してみようか……」
輝子「どこだろ……これは下着か……」ガサゴソ
小梅「い、意外と普通だね……もっと幸子ちゃんは大人っぽいの着てるのかなと……」ガタガタッ
輝子「あ……」ガサゴソ
小梅「み、見つけた?」
輝子「さっきのよりきわどい下着が……」
小梅「ほ、本当……結ぶ所が紐になってる……」
輝子「……」ジロジロ
小梅「……ね、寝間着は?」
輝子「フヒ……そうでした」ガサゴソ
小梅「あ、あったよ……これじゃないかな……」
輝子「じ、じゃあ私が幸子ちゃん抱えてるから……」グイッ
小梅「うん……私が着せるね……」
幸子「zzz……」
<カタカタ
小梅「今……何か音しなかった……?」
輝子「そ、そう?気づかなかった……」
<ガチャガチャ
輝子「!?」
小梅「今のは……空耳じゃなかったね……」
輝子「い、今の時刻は……」チラッ
時計[25:00]
小梅「……誰かくるような時間じゃないね……ジェイソンかな?」ワクワク
輝子「ち、違うと思うぞ……」
<ガチャガチャ ガチッ
輝子「あ……鍵が……」
<バタンッ
P「すまん!遅くなった」
輝子「あ……親友……」
小梅「ぷ、プロデューサーさん……合鍵持ってるから開けられたんだね……」
P「合鍵借りて来てな。遅くなったからプレゼントだけでも渡していこうかと思ったんだけど」
幸子「zzz……」
P「もう寝てたか。服まではだけたまま寝ちゃって……」布団
小梅(あ、途中まで脱がそうとしてたから……)
P「それじゃ俺はこれで……」
輝子「……」ガシッ
小梅「……」ギュッ
P「……おい?なぜ二人して足を掴む」
小梅「さ、幸子ちゃん今日誕生日だった……」
P「それは知ってるが……」
輝子「なのに……親友はこなかった……フヒッ」
P「いや、悪かったけど……」
小梅「だ、だから幸子ちゃんが起きるまでプロデューサーさんはいるべきだと思う……
ぷ、プレゼントぐらいはせめて手渡ししてあげて……」
P「しかし流石に部屋に泊まるのは……」
輝子「(プツン)ヒャッハー!四の五の言わずにおとなしく泊まりやがれ!
プロデューサー!!こちとらずっと酔っ払った幸子ちゃんの面倒見てたんだーーー!!!」
P「輝子静かに、幸子が起きる」
輝子「あ、はい……」
P「分かったよ……幸子にプレゼント渡してから帰る」
P「……だからおい、離せ?小梅、輝子」
輝子「zzz……」
小梅「zzz……」
P「おい、待てお前らに寝られたら俺動けないんだが……」
P(ベッドの傍だし腰はおろせるが……流石にベッドに寝るのはまずいよなぁ……)
幸子「zzz……」
P(っていうか輝子と小梅、お前ら毛布も被らないで床で寝たら風邪引くぞ……)
輝子「zzz……」
小梅「zzz……」
P(幸子にかぶせてる毛布一枚だけこの二人にかけておこう……)
時計[26:00]
P(いかん……流石に眠くなってきた)
P(ちょっとだけ横になろう……ちょっとだけ……)
P(zzz……)
……
幸子(ん……あれ?プロデューサーさん?)
幸子(カワイイボクをどれだけ待たせてるんですか)
幸子「プロデューサーさんのバカ……なんでボクの誕生日に来てくれなかったんですか」ギュッ
P「悪かったな」
幸子「あれ……?」
P「寝ぼけてるのか?」
幸子「ね、寝ぼけてる分けないじゃないですか!お、おはようございます!」
P「おはよう」
幸子「な、なんでボクの部屋にいるんですか!?」
P「昨日プレゼントを渡そうと思ってたんだが、既に寝てたみたいだったからな」
幸子「勝手に入ってこないでくださいよ!」
P「いや俺もプレゼントだけ置いて立ち去るつもりだったんだが……」
幸子「まあいいです、許してあげます!
カワイイボクの寝顔をプロデューサーさんは見たかったんでしょうから!」
P「えーっと……うん、もうそれでいいや」
幸子「今日はボクの誕生日なんです、国民の祝日なんです」
P「いや、誕生日は昨日だぞ」
幸子「いいんです細かいことは!今日はボクが一日一緒にいてあげます!フフーン!」ギュッ
P「……幸子」
幸子「なんですか?離せって言われても離しませんよ。
カワイイボクに抱きつかれてるんです、本当にプロデューサーさんは幸せ者ですね!」
P「いや、お前この場に二人っきりだと思ってないか?」
幸子「ふぇ?」
輝子「フヒ……」
小梅「わ、私達忘れられてるね……」
P「こういう事だ」
幸子「」
輝子「フヒ……影薄いですから……ボッチですから……」
小梅「さ、幸子ちゃんにとって私達はいない扱いだったんだね……」
幸子「ち、違いますよ!忘れてなんかいませんよ!本当です!!」
<ワイワイガヤガヤ!
P「……」
『ん……そうだ宿題あるから帰んなきゃ……ふ、ふふーん!』
『いいですもん、べつにっ……ちぇっ!』
P「もう一人じゃないよな……」
幸子「なんです?」
P「いや、何でもない」
幸子「だからなんですか?」
P「ハッピーバースデー!」
小梅「は、ハッピーバースデー」
輝子「ハッピーバースデー……キノコ……フヒッ」
幸子「……フフーン!一日遅れですけど許してあげますよ!ボクはカワイイうえに優しいので!!
おわり
さっちゃんの誕生日に間に合わせようとして間に合いませんでした
お詫びに今日1日幸子と過ごしてくる
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