虎太郎「起きてください」
真姫「今何時よぉ……」
虎太郎「4時半です」
真姫「はやい……。もうちょっと寝かせてってば」
虎太郎「シャワー浴びてください。僕だって学校あるんですから」
真姫「学校……? 私だって今日は研修あるって……」
虎太郎「お姉ちゃんに言いつけちゃいますよ」
真姫「お姉ちゃん……?」
虎太郎「いつまで寝ぼけてるんですか。ほら」ユサユサ
真姫「わかったわよぉ。今起きる、から」ムクッ
虎太郎「おはようございます」
真姫「……おはよう」
虎太郎「……」
真姫「……」
虎太郎「……」
真姫「……あれ。なんで虎太郎くんが? ……あれ?」
虎太郎「真姫さん意外と朝弱いんですね」
真姫「え……。あれ!?うそ何!?!? なんで虎太郎くん裸なの!?イミワカンナイ!!!!」
虎太郎「真姫さんもですよ」
真姫「……」
虎太郎「……」
真姫「き、キェエアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!」
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~風呂~
ジャアーーーー
真姫(思い出せ……思い出すのよ真姫)
真姫(そう。私は一ヶ月前、初めてできた彼氏にふられた……)
真姫(お前は理想が高すぎるとか、一緒にいると劣等感を煽られるとか……。ひどいことをたくさん言われて……)
真姫(ふられて丁度一ヶ月目の昨日……もうやけ酒に付き合ってくれる人もなくて、一人で寂しく飲んでいた)
真姫(はしごしようと思って街中ふらついていたら、たまたま虎太郎くんを見つけて……)
真姫(居酒屋に連れ込んで、愚痴を聞かせて、それから……)
真姫(……駄目、思い出せない。ぐでぐでに酔っ払っちゃったことはたしかなんだけど……それからええっと……)
真姫(誘ったのは虎太郎くん? ……いや、まさか私かしら。可能性としては……多分私の方が高い?)
真姫(今ラブホテルにいるってことは、少なくともやっちゃったってことは事実なのよね……多分)
真姫(えぇっと、たしか初めて会った時が5歳。ラブライブで優勝したのが11年前だから、虎太郎くんの今の年齢は……)
真姫「16歳!?」
真姫(思いっきり犯罪じゃない!)
真姫(どうしよう……。にこちゃんに殺される……)サァー
~部屋~
真姫「虎太郎くん。その、出たわよ」
虎太郎「はい」
真姫「……」
虎太郎「……」
真姫(き、気まずい……)
真姫(素直に聞いてみるべきかしら。どうしてこうなったのって……。いやでも不用意に虎太郎君を傷付けてしまうことになったり)
真姫(エッチしたのにその過程を覚えてないって、やっぱり良くはないわよね)
真姫(あああぁぁ! なんで思い出せないの!?)
虎太郎「僕のこと睨まないでくださいよ」
真姫「に、睨んでなんかないわよ!」
虎太郎「その……後悔してますか?」
真姫「えっ……」
虎太郎「正直に答えてください。シャワー長かったし。真姫さんが忘れろって言うなら、僕はそうします」
真姫「えぇえ!? あの、えっとぉ。……そ、そうね。私は、別に……」髪クルクル
虎太郎「別に?」
真姫「忘れる気はないというか……」
虎太郎「ほんとに!?」
真姫「あっ、でも! その実はそもそもまだ混乱中というか……えっと」髪クルクルクルクル
虎太郎「……まさか昨日の覚えてないんですか?」
真姫「え!? ……ソ、ソンナワケナイジャナイ。キチントサッキオモイダシタワ…」
虎太郎「良かった。忘れられてたらどうしようかと思いました」ニッコリ
真姫(可愛い……。可愛いけど、可愛いけどぉっ……!)
真姫(え、何これは。まさか告白まで? いやまさか。きっと体だけのあれで……)
虎太郎「でも朝起きたときは忘れてたんですよね。傷つくなぁ」
真姫「し……しかたないじゃない! あれだけ酔っちゃったら流石に私だって」
虎太郎「弱ってる真姫さんなんて初めて見ました。……ね、チューしていいですか?」
真姫「え!?」
虎太郎「昨日は真姫さんからしかしてこなかったじゃないですか。不公平ですよ」ズイッ
真姫「えぇ!? ちょっ、ちょっと待っ……んっ」
虎太郎「……っ。ん……」
真姫(やっぱり私から誘ってた!?)
真姫(禁酒しなくちゃ……。もう絶対お酒なんて……)
真姫(……どうしよう、この状況)
虎太郎「ぷは」
真姫(なんか自然にディープだし……)
真姫(まるで逃げ道が狭まっていくような……)
虎太郎「真姫さん?」
真姫「あー……。朝ごはん、食べに行かないかしら? 奢ってあげるわ」
真姫(なにか食べればきっと思い出せるはず……)
~ファミレス~
真姫「虎太郎くんは外泊平気だったの?」モグモグ
虎太郎「……。さっきスマホみたら着信が40件入ってました」モグモグ
真姫「ちょっ……無断だったの!?」
虎太郎「でも安心してください。母さんは仕事で帰ってこなかったはずです。お姉ちゃんひとり相手ならなんとかなります」モグモグ
真姫(まずい……ますますまずい)
真姫(にこちゃんに知られたら絶交ね……。)
虎太郎「いい加減、弟離れしてほしいですよね。ほらメールもこんなに来ているんですよ」スッ
にこ『虎太郎! はやく電話にでなさい!!』
にこ『何か事件に巻き込まれたの? 電話に出ないなら警察行っちゃうわよ!!』
にこ『ちょっとほんとに連絡しなさいよ! 外泊? 何かあったの?』
にこ『いまどこにいるのよ! 車で迎えに来いっていうなら行けるわよ』
にこ『お願いだから連絡して! 眠れないじゃない!!』
etcetc
真姫(……)サァー
虎太郎「これじゃストーカーですよ」モグモグ
真姫「ね、ねぇ虎太郎くん。今日のことにこちゃんには……」
虎太郎「秘密にして欲しいんですか?」
真姫「え、ええ……」
虎太郎「……どうしよっかなぁ」ニマニマ
真姫「ちょっと!」
虎太郎「だって、誘ったの真姫さんじゃないですか」
真姫(あ、やっぱりそうだったのね……)
真姫「お願い。にこちゃんに知られたら私……」
虎太郎「そうだ。LINE、教えてくれるならいいですよ」スマホスッ
真姫「え……」
虎太郎「連絡先、知りたいです」
真姫(こ、これはぁ……っ!)
真姫(ど、どうするべきなのかしら。今後のこと考えるなら絶対にだめだし……いやそもそも犯罪じゃない! 相手はまだ高校生……)
虎太郎「悩むことあります? お姉ちゃんにばらしちゃいますよー」ニコニコ
真姫(か、可愛い……)
真姫(仕方ない、脅されているんだから仕方ないじゃない! 教えたって誰にも責められないわ……)
真姫「……」スマホスッ
虎太郎「やった!」スマホフルフル
真姫「……」スマホフルフル
~駅前~
虎太郎「線路反対でしたよね」
真姫「ええ」
虎太郎「じゃあ、ここでお別れですね」
真姫「……ええ」
虎太郎「……さよならのチューしていいですか?」
真姫「だっ、だめに決まってるでしょ!! ……大体虎太郎くん制服じゃない!」
虎太郎「誰も見てませんよ」
真姫「誤解をうけるような事は謹んでよっ!」
虎太郎「……誤解ですか。そうですね」シュン
真姫「あっ……」
虎太郎「……。ねぇ、真姫さん」
真姫「な、なにかしら」髪クルクル
虎太郎「……また会ってくれますか?」
真姫「……」
虎太郎「……」
真姫(どう答えればいいのかしら……。いや、どう答えたいのかしら、私)
虎太郎「あとで、LINEしますね」
真姫「え、ええ」
虎太郎「……。真姫さんはお遊びだったのかもしれないですけど」
真姫「?」
虎太郎「僕は、あの。……本気ですから。それじゃ、また」スタスタ
真姫(……)
真姫(あ……ああああああああああ!!!!!)
真姫(可愛いいいいいぃぃ!)
真姫(ほんと……どうしよう////)
2日後
~穂むら前の道路~
真姫(虎太郎くんからLINE来ない……)
真姫(いや、来ないなら来ないほうが良い、のかしら)
真姫(期待している? こっちから何か送るべき?)
真姫(いやでも、あれは一夜の過ちってことにしたほうがお互いのためになりそうなのよね……)
真姫(あああああ!)
真姫(いい歳してなんで男子高校生相手にこんな惑わされてるのよっ!)
真姫(はぁ・・・。ほむまん買って帰ろ)
穂乃果「いらっしゃいませー。って真姫ちゃん!?」
真姫「こんにちわ」髪クルクル
穂乃果「ひっさしぶりぃ……でもないや。そういえば一ヶ月前の失恋飲み会で会ってたね」
真姫「う……」
穂乃果「どう真姫ちゃん。新しい人は見つかった?」
真姫「わ、私のことはどうでもいいでしょ! それよりほむまん欲しいんだけど」髪クルクル
穂乃果「うん! 何個?」
真姫「いつものやつ10個」
穂乃果「はいはーい。……あっ、真姫ちゃんこの後暇だったりする?」
真姫「え? どうして?」
穂乃果「今日穂乃果半休の日だから、よかったらこの後お茶しない? あと10分でシフト終わるの!」
真姫「い、いいけど……」
穂乃果「やった! じゃあちょっと上がって待ってて」
真姫「い、いいわよそんな気にしないで。外で待ってるから……」
穂乃果「まぁまぁ! そんなこと言わないで!」グイー
~喫茶店~
穂乃果「大体さ、プロポーズできそうな雰囲気はもう何回も作ってるんだよ? なのにどれもスルーって流石に自信なくすよぉ……」
真姫「穂むらに婿入りすることになるわけでしょ? いきなり結婚申し込みって幾ら長く付き合ってるって言ってもハードルは高いわよ」
穂乃果「婚約でもいいんだよっ! というか、今後のことは指輪をはめてから話し合えばいいんだよ!
真姫ちゃんは若いからいいけど、穂乃果も三十路が近づいてきたし……」
真姫「1歳差でしょ。そんな変わらないじゃない」
穂乃果「今更になって捨てられたら……私一生独身だよぉ……」
真姫「はぁ……」
穂乃果「真姫ちゃんは? あれから何もなかったの?」
真姫「……」
真姫(どうしよう。相談したい……)
真姫(でも流石に引かれないかしら。相手高校生って……しかもにこちゃんの弟って……)
真姫(……そうだ)
真姫「実は相談があるんだけれど」
穂乃果「なになに!? 聞かせて!」
真姫「私じゃないわよ。大学病院の友達」
穂乃果「なぁんだ。つまらない。……そのお友達がどうかしたの?」
真姫「穂乃果って、10歳差の恋愛ってどう思う?」
穂乃果「10歳かぁ……。でも本人達がいいならいいんじゃないかな」
真姫「ほんと!?」
穂乃果「おじさまが好きって子最近多いもんね! 穂乃果は年上あまり好きじゃないけど……」
真姫「違うわよ穂乃果。逆」
穂乃果「え?」
真姫「年下」
穂乃果「その子真姫ちゃんと同い年?」
真姫「ええ」
穂乃果「ということは、16、7歳!?!? 駄目だよ!!」
真姫「あ、駄目なの?」
穂乃果「だって高校生だよ!? いたいけな男の子をたぶらかすなんて鬼畜過ぎるよ!」
真姫「……」
穂乃果「16ってことは、ちょうど虎太郎くんくらい? 虎太郎くんが真姫ちゃんくらいの年の人と付き合ってるってことでしょ!?」
真姫「え、ええ」
穂乃果「不健全だよ! 破廉恥だよ!」
真姫「……海未みたいなこと言うのね」
穂乃果「だって16歳って青春真っ盛りだよ!? もっと普通の恋愛したほうがいいって!」
真姫「そ、そうね……」
穂乃果「真姫ちゃん! 友達が誤った道を進みそうになったら、それを正してあげるのも友情だよっ!」
真姫「……ええ」
真姫(……やっぱり、忘れたほうがいいわよね)
真姫(もし虎太郎くんから連絡がきても無視したほうが……)
真姫(にこちゃんに申し訳ないものね)
真姫(あの時のことは、夢。そう思うことにしよう……)
その日の夜
~真姫自宅~
真姫(あ、LINEだわ)
虎太郎『明日会えませんか?』
真姫(男の子のメールってシンプルよね……)
真姫(明日は……木曜日? 思いっきり平日じゃない)
真姫(なんだか虎太郎くん不良になったみたい……。大丈夫なのかしら)
真姫(でも外見は特に変わってなかったわよね。ピアスの穴は無いし、髪の毛も染めてないし……)
真姫(気になる……)
真姫(だ、駄目よ真姫! 無視するって決めたんだから!)
虎太郎『既読スルーですかー? お姉ちゃんに真姫さんと付き合うことになったからって言っちゃいますよー』
真姫(……脅されちゃ仕方ないわよね)
真姫『約束と違うじゃない! 言われたとおりLINE教えたでしょ!』
虎太郎『明日会えませんか?』
真姫『ねぇ私思うんだけれど、多分私達もう会うべきじゃないと思うの。虎太郎くん明日学校でしょ?』
虎太郎『真姫さんに会えるならさぼってもいいですよ』
真姫『サボらないで行きなさい。それにこの間のことはもうお互い忘れたほうが良いと思うの』
虎太郎『その辺の話するためにも会えませんか?』
真姫(ぐっ……。そうくるのね)
真姫(……たしかにこんな話LINEですますのはよくない、わよね)
真姫(強情張るのは私の悪い癖……。大人の余裕を見せるためにもここはあえて乗ったほうが……)
真姫『虎太郎くん学校終わるの何時?』
虎太郎『僕部活入ってないんで早いですよ。四時には駅前にいられます』
真姫(四時か。明日は実習無いから……ええっと)
真姫『六時に駅にいて』
虎太郎『らじゃ(`・ω・´)>』
真姫(……可愛い)
真姫(あれ? 口車に乗せられてないかしら、これ)
真姫(まぁ、いいわ。ちゃんとケリをつけて、虎太郎くんを更生させて、それでおしまい)
真姫(何も恐れることはない……はず)
あくる日
~駅前~
真姫「ごめんなさい。遅れたわ」
虎太郎「いいえ大丈夫です。待ってませんよ。さっきまで友達とカラオケ行ってました」
真姫「へぇ」
真姫(制服ね。まずいかしら? いやホテルに行ったりはしないんだから通報されることはないわよね……)
真姫「そこの喫茶店でいい?」
虎太郎「あ、その前に買いたいものがあるんですけどいいですか」
真姫「買いたいものって?」
虎太郎「秋物の服が無いので買わないとなんです。この後、忙しかったですか?」
真姫「べ、別に私は平気だけど……」髪クルクル
虎太郎「よかった」ニコ
真姫(はぐらかされた……? でも服くらいならどうってことないわよね、多分。そんなに時間掛からないし……)
虎太郎「それじゃ行きましょう。手、恋人繋ぎします?」
真姫「ばっ、駄目に決まってるでしょ!!」
虎太郎「えー」
真姫「ほんとに困るから……そういうのやめて」
虎太郎「誰もみてませんよ」ニコニコ
真姫「逮捕されるのは私なんだから……」
真姫(前の人は、私が手つなぎたいって言っても聞いてくれなかったのに……)
真姫(……こういうこと考えるのって、やっぱりよくないことよね)
虎太郎「じゃあ今度の機会にします」ニコッ
真姫(……胸が痛い)
~パ○コ~
真姫「レイジブルーって大学生向けのブランドだと思ってたわ」
虎太郎「セール時狙えばユニクロと大して値段変わらないんですよ。ウチはお小遣いあまり多くないですし……」
真姫「そうね。にこちゃんもあなたくらいの時は金策に苦労してたわ。
覚えてる? 虎太郎くん、私達を初めて見たとき「バックダンサー」って指差したの」
虎太郎「いつの話ですかそれ」
真姫「11年前」
虎太郎「覚えてないです。僕まだ幼稚園生じゃないですか。……こっちとこっち、どっちがいいです?」
真姫(薄地のステンカラーコート……ネイビーとベージュ。虎太郎くん、普通に女子受けよさそうなセンスしてるのね)
真姫(そういえばこの間の冬、「虎太郎のホワイトデーのお返しが大変なのよ!」ってにこちゃん言ってたかしら)
真姫(そうよね。にこちゃん似で色白だし、可愛いし、髪の毛サラサラ……)
虎太郎「真姫さん?」
真姫「えっ!? あ、そうね。ちょっと考えさせて」
真姫(あれ? これ私いま普通にデートしちゃってるってことになるのかしら……)
真姫(どっちも可愛い……って言いたいけれど)
真姫(ここは冷たく接しないといけないわよね。これからもう二度と会わないって約束を取り付けなきゃいけないんだし……)
真姫(あぁ、でもこの笑顔を曇らせることなんて私には……)
真姫「ヒッ、ヒダリ」
虎太郎「わかりました。買ってきますね!」ニコ
真姫(可愛い……)
真姫(……まずいわよぉ、この状況)ハァハァ
~路地~
虎太郎「少し遅くなっちゃいましたね。今七時半です」
真姫「ねぇ、虎太郎くん」
虎太郎「はい」
真姫「駅に戻るのよね? 何か遠回りしてない?」
虎太郎「そんなことないですよ」
真姫「……」ジトー
虎太郎「……だって戻ったら喫茶店連れてかれて、それから散々説得されて、もう二度と会えなくなるじゃないですか。そんなの嫌です」
真姫「別にいつも通りの関係に戻るだけよ。二人っきりで会うことがなくなるだけで……」
虎太郎「嫌です」
真姫「……私の立場も考えてよ。こんなの、長く続くわけないでしょ」
虎太郎「……」
真姫「虎太郎くんだって、内心気がついているんでしょう?」
虎太郎「そもそも最初のきっかけは真姫さんじゃないですか」
真姫「ぅぐ……」
虎太郎「卑怯ですよ。要するにこれ、散々弄んだ挙句都合が悪くなったからポイするってことですよ」
真姫「ぁぐ……」
虎太郎「でも、いいです。真姫さんが迷惑だって言うなら諦めます」
真姫「そんな、迷惑って言うんじゃ……」
虎太郎「……」ジトー
真姫「あ……」
虎太郎「ほんと僕をどうしたいんですか? 嫌がらせ? 子供をからかうのがそんなに楽しいですか」
真姫「違うの! そういう意味で言ったわけじゃなくて……。ただ、お互いのためにならないから……」
虎太郎「もういいです」プイ
真姫「……」
真姫(つらい……)
真姫(全部私が悪いんだけれど……)
真姫(でも、だからこそ、よね。何を言われても全部私がケリをつけないと)
真姫「あのね、虎太郎くん……」
虎太郎「真姫さん」グイ
真姫「え、何」
虎太郎「ここ、一緒に入ってくれるならもう会わないようにします。LINEもしません」
真姫「え……。え!? でも今あなた制服……っ」
虎太郎「拒否したら、お姉ちゃんに全部ばらしちゃいますから」ニコ
真姫(そ、そんな……)
真姫(シラフで……? シラフで虎太郎くんとするの!? 今から!?!?)
真姫(流石に駄目よこれは! 駄目、絶対だめ!!)
虎太郎「沈黙は肯定ってとりますよー」グイグイ
真姫(駄目……。何か、何か言わなきゃ……っ!)
真姫(拒否しなきゃなのに……。何で私、引っ張られるがままなのよっ……)
真姫「こ、虎太郎くんっ……あ、あの……」
虎太郎「ここタッチパネルですから。きっとばれませんって」
真姫「そういうこと言っているんじゃなくて!」
虎太郎「嫌なら逃げてください。無理強いするつもりはないので」ニコニコ
真姫「っ……」
真姫(……ごめんなさい)
真姫(ごめん、にこちゃん……)
一週間後
~真姫自宅~
真姫(約束どおり、音沙汰なし)
真姫(残念に思ってなんかいないんだから……)
真姫(もういい加減にしないとよね……)
真姫(あ、LINEだわ)
真姫(にこちゃんから……)
にこ『ちょっと虎太郎のことで相談があるんだけど、明日ひまにこ??』
真姫(これ、は……)
真姫(これ、まずいわよね。きっと)
真姫(ど、どどどどうしよう!? 絶交!? 絶交なの!?)
真姫(そんな、虎太郎くん秘密にしてくれるって……っ!)
真姫(裏切り者ぉ!!)
真姫『夕方なら暇だけど』
にこ『じゃあ五時に駅の喫茶店で待ってるから! 絶対来ること☆』
真姫(殺される? 私殺されるの?)
真姫(いえまだ話題があれの事とは決まってない……。あぁ、でも虎太郎くんのことで相談なんてあの事以外思い浮かばない……っ!)
真姫(どうしたらいいのよぉ……。謝ってすむ問題じゃないじゃない!!)
真姫(タイムマシンが欲しい……)
虎太郎(16)「真姫さん、朝ですよ」真姫(27)「ん……んぅぅ……」
虎太郎(16)「真姫さん、朝ですよ」真姫(27)「ん……んぅぅ……」 - SSまとめ速報
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