妹「お兄ちゃんっ!大変っ!お風呂に覗き魔が出たのっ!」
兄「な、なんだと!?どんなヤツだ!?」
妹「それが……全身緑色で……」
兄「……え?」
妹「その……河童なの……」
兄「……はぁ?」
妹「本当なのっ!河童が出たのっ!」
兄「……河童さん、来てんの?」
妹「え」
兄「あ~、どもども、河童さん」
河童「あっ、すいません……お風呂、借りてます」
妹「ちょっと……お兄ちゃん……?」
兄「来るなら、一言連絡して下さいよ?」
河童「いや~、すいません……携帯、水没しちゃって」
兄「……家が水中だから?」
河童「ハイ!いつもの事っす!」
兄「アッハッハ」
河童「アッハッハ」
妹「………」
兄「……今日、天狗さんは?」
妹「……天狗!?」
河童「ゴルフっすよ……ゴルフ……」
兄「かぁ~っ、羨ましいですねぇ~!」
河童「しかも、ツチノコさんと……」
兄「マジっすか!?ツチノコさんと!?」
妹「ツチノコ!?」
兄「河童さんも、行けばいいじゃないですか?」
河童「いや~、相手がいないっすよ……」
兄「……麒麟さんとか、誘えばいいじゃないですかぁ?」ニヤニヤ
河童「……バ、バカ言わないで下さいよ!」アセアセ
妹「……キリン?」
河童「あっ、お嬢ちゃん?首の長いキリンじゃないよ?あのビールのヤツのキリンね?」
兄「……あっ、ビール持って来ましょうか?」
河童「ありがとうござーっす!」
兄「それじゃあ、取ってきますね?」
河童「お願いしまーっす!」
妹「………」
河童「………」
妹「………」マジマジ
河童「……お嬢ちゃん、河童は見るの初めて?」
妹「えっ……?あっ、初めてです……」
河童「最近都会にはあんまりいないからね?」
妹「そう……ですね……」
河童「あっ、でも写メはやめてね?」
妹「………」
河童「………」
妹「………」
河童「……お皿、触る?」
妹「……えっ?」
河童「ほら、だから……僕のお皿……」
妹「ひぃっ……いいです……!」
河童「遠慮する事ないよ、ほら……ほら……」
妹「ひいぃ……ひいぃ……」ガクガク
兄「河童さ~んっ!ビール持って来ましたぁ~!」
河童「あっ、本当?ありがとう」
妹(た、助かった……)
兄「ついでに……ほら?胡瓜も持ってきましたよ……?」
河童「わぁ~、凄~い!ありがとう~!」
兄「……おっ、そうだ?妹よ、河童さんの皿を触らしてもらえよ?」
妹「……えっ?」
妹「いいっ……!私、いいよっ……!」
兄「……何、言ってんだ?ご利益があるんだぞ?すいません……河童さん、お願いします」
河童「いいよ~。ほら、触って~?」
妹「いいっ……!いいですっ……!」
兄「……何、言ってんだ?来年、受験だろうが」グイグイ
妹「ひいぃ……」
河童「あっ、受験なんだ~?じゃあ、もっといいお皿、持ってきたらよかったかな?」
兄「いえいえ……大丈夫ですよ、河童さん……ほれ、妹!早く触れっ!」グイグイ
妹「ひいぃ……ひいぃっ……!」
兄「おいっ!おい妹っ!」
妹「ひいぃ……ひいぃ……」
兄「妹っ!起きろっ!起きろ!」ペチペチ
妹「ひいぃ……ひいぃ……えっ……?」パチッ
兄「どうしたんだ、妹?随分、うなされてたぞ?」
妹「えっ……えっ……?」
妹「お兄ちゃんっ……!」
兄「おっ、おっ……どうした妹よ……」
妹「お兄ちゃんのお友達に、河童いないよね!?」
兄「……えっ?」
妹「お兄ちゃん、河童と友達なんかじゃないよね!?河童はうちにお風呂に入りに来ないよねぇ!?」ボロボロ
兄「……何を言ってるんだ妹よ」
妹「うぅ……」グスッ
兄「お兄ちゃんは、童貞引きオタニートだ。友達なんていない」
妹「あっ、そっか」
おわり
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