少女「私は君の所有物」(155)
小鬼「良い天気ですね」のifルート
前スレ
小鬼「良い天気ですね」 - SSまとめ速報
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前スレ>168からのif
朝
小鬼「zzz」
少女「……」
少女「……」ムクッ
少女(嫌な夢…)
小鬼「はれ?……少女さん?」ムクッ
少女「………おはよう」ギュッ
小鬼「おはよう……?」
小鬼「何故……一緒に?」テレテレ
少女「………ごめん」ハナレ
小鬼「別に……いいですよ?」
小鬼(……びっくりした)パチパチ
小鬼「朝ご飯作らないと…」テキパキ
少女「……手伝う?」
小鬼「あ、いえ。大丈夫ですよ?」
少女「ん……」
少女「手伝う」
小鬼「そうですか?」
小鬼「……じゃあ、水を沸かしてくれませんか?」
少女「ん」コクッ
少女(いつも……米か野菜)
少女(君……肉は食べないのかな?)ジッ
小鬼「?」
小鬼「」モグモグ
少女「」モクモク
少女(何の肉が良いかな)
少女(兎……駄目)
少女(兎………じゃなくて、鹿?)
少女(取ってきたら)
少女(君は……喜んでくれるかな?)
少女(……喜んで欲しい)
少女(笑って欲しい)ジィーッ
小鬼「?」ゴクンッ
小鬼(何か僕の顔についてるのかな?)
少女「肉……いらない?」
小鬼「肉、とはなんですか?」
少女(……ん?)
少女「肉は………肉」
小鬼「?」
少女「む」
少女(もしかして…)
少女(肉食べたことない?)
少女「ん」
少女「取ってくる」
小鬼(肉って、なんだろ?ここは聞いておかないと…)
小鬼「肉って、何?」
少女「……美味しい物」
小鬼「食べ物ですか?」
少女「そう」
これは少女ルートってことでいいのかな
>>6
そういうことですね
小鬼(そういえば前に商人さんが猪の………肉だったかな?)
小鬼(それを使って鍋にしたら美味かったとか聞いたけど…)
少女「だから、取ってくる」
少女「………良い?」
小鬼「別に良いですけど」
小鬼「狼さん……じゃなかった、狼とかには」
小鬼「気をつけて……って、もういない!?」ポツ-ン
少女「……いない」
少女「どこ?」キョロキョロ
妖狐「あら?」
少女「!!」ビクッ
妖狐「こんなところで出会うとはね」ニャッ
妖狐「何か探していたみたいにみえたけど…」
妖狐「さがしもの?」
少女「………」
少女「ん」コクリッ
妖狐「そう」
妖狐「………」ンー
妖狐「探すだけなら手伝ってあげるわ」
少女「!?」
妖狐「いや、そんなに驚かなくても……」
妖狐「良いんじゃない?」
少女「………ごめんなさい」
妖狐「素直な子は好きよ?」ニコニコ
少女(この人は、本当によく分からない)
妖狐「で、何を探してるの?」
少女「鹿」
妖狐「鹿? 落とし物捜しに来たんじゃないのね」
妖狐「鹿を見つけてどうするの?」
少女「殺す」
妖狐「それで肉でも食べる気?」
少女「食べる」
少女「……小鬼君にも食べて貰いたい」
妖狐「…そう」
妖狐「今まで小鬼、肉の系統は食べたこと無いの」
妖狐「あの子が食べてくれるかしら?」
少女「食べて……ほしい」
少女「喜んでほしい」
妖狐「献身的ね」
妖狐「この先にいるわよ」
妖狐「捕まえられるかしら?」
少女「好機は、一度」
妖狐「奇襲?成功するといいわね」
妖狐「頑張ってね」ノシノシ
少女「……」
少女「ありがとう」
妖狐「どういたしまして?」ニコッ
少女(……鹿!)
妖狐(成功するのかしら?)
少女「……ただいま」ボロ
小鬼「少女さんっ!?」アセアセ
少女(薬作ってたのかな)
小鬼「大丈夫ですか……?」
少女「ごめん」
小鬼「?」
少女「鹿取れなかった」
少女「……ごめん」シュン
小鬼「うん」
小鬼「また、今度お願いします」
少女「ん」
少女「分かった」
少女(次こそ…確実に)
小鬼(無理しないといいけど)
夜
小鬼「傷を見ますね」
少女「」ピクッ
小鬼「……あ、あちらを向いて下さい」テレテレ
少女「わ、……分かった」シュルシュル
小鬼(少女さんの肌綺麗だな…)
小鬼(………じゃなくてっ!?)ズーンッ
少女(?)
小鬼「…!」
小鬼「ほぼ傷は完治しましたね」
少女「そう?」
小鬼「はい」
小鬼(……良かった)
少女「ん」
小鬼「傷痕は残らないと良いですが」
小鬼「少女さん、提案があるんですが」
少女「?」
小鬼「傷が治ったこともあるので」
小鬼「今まで隣で寝ていましたが」
小鬼「今日からは別々に」
少女「?」
少女「何故」
小鬼「えーっと」
小鬼「……いつまでも一緒に寝ていては」
少女「…一緒じゃ駄目?」
小鬼「駄目ということは」
少女「じゃあ」
小鬼「でも、同年代の男女が一緒は」
少女「一緒」
小鬼「……でも」
小鬼「やっぱり駄目です」
少女「ん」ピクッ
少女「………」
少女「君がそういうなら」
少女(傷が治った………色々しようと思ったのに)
小鬼(傷が治ったから、また無茶しそうだし)
小鬼(これでいいよね)
小鬼「空いている部屋に案内しますね」
少女「分かった」
小鬼「zzz」グーグー
少女「……」
妖狐「……」
少女「?」
少女「何故」
妖狐「ここにいるって、聞きたそうな顔ね」
少女「」コクリッ
妖狐「様子見に来たんだけど……」
妖狐「案外予想と違ったわね」
妖狐「何で空き部屋に?」
少女「小鬼君……、部屋を分けようって」
妖狐「あらら」
妖狐「それは良かったじゃない」ニコニコ
少女「良い?」
妖狐「あ、こっちの話ね」
妖狐「そうね」
少女「……」
妖狐「人肌寂しい?」ニヤニヤ
少女「あ、いや……」
妖狐「独りの夜は寂しいもんね」
少女「違っ…」
妖狐「不安なんでしょ?」
少女「う…」ビクッ
妖狐(今までの人生背景に色々あるのかしらね)
妖狐(おかしいわね………私、彼女をいびりに来たはずなのに)
妖狐(同情でも感じてる? 人間に?……ばかな)
妖狐(でも、まあ良いか)
妖狐(楽しいし)
少女「何で………不安わかった?」
妖狐「んー、女の勘かな?」
妖狐「何に不安を感じてるの?」
少女「よくわからない」
妖狐「でも、不安なんでしょ」
少女「…ん」コクリ
妖狐「先に言っておくけど」
妖狐「小鬼はいい子だから」
妖狐「あなたを追い出したり、襲ったりしないわよ」
少女「言い切れる?」
妖狐「ええ」
妖狐「私は小鬼の親代わりを務めてきたんだから」
少女「親代わり?」
妖狐「そうよ?」
少女「小鬼君、本当の親は?」
妖狐「………亡くなったわよ」
少女「え……」
妖狐「嵐の日にね」
少女「……いつ?」
妖狐「もう7年になるかしらね」
妖狐「思えば早いものね」
少女「どうして」
妖狐「?」
少女「親の代わりを?」
妖狐「約束したの」
少女「?」
妖狐「小鬼の両親とね」
妖狐「もし自分たちの身に何かあったら小鬼を頼むってね」
妖狐「予感が的中したのは残念よ」
少女「……それで、親代わり」
妖狐「そうよ」
妖狐「小鬼は嫌いじゃなかったし、顔合わせはいつもしていたから」
妖狐「親代わりしても悪い気はしなかった」
妖狐「むしろ……」
少女「むしろ?」
妖狐「……」
妖狐「今日は気分が良いから」
妖狐「私の本音を話してあげるわ」
妖狐「光栄に思いなさい」
少女「」コクコク
妖狐「私が小鬼の父を愛していたから、かな」
少女「? でも、小鬼君は母親が」
妖狐「そうそう」
妖狐「小鬼の父親は鬼よ、でも母親はいたわ」
妖狐「私、とある理由で小鬼の父から完全な愛はもらえなかったの」
妖狐「惨めでしょ?」
少女「」フルフル
妖狐「好きな人の子供よ? 私だってほしかったし小鬼父とは一緒になりたかった」
妖狐「でも、小鬼の親代わりになって育ててわかったわよ」
妖狐「別に血の繋がりなんていらないってね」
妖狐「むしろ、この状況がよかったと思ってるのかもね」
妖狐「最愛の人が生きていないのが残念かな」
妖狐「これが私の本音よ?」
少女「え?」
妖狐「次はあなたの番じゃない? 腹割って話しましょうか、ね?」
少女「?」
妖狐「んふー」ニコニコ
妖狐「いいの、あなたは何も言わなくていいわ」
妖狐「小鬼ともっとイチャイチャしたいのはわかってるわ」
少女「いちゃいちゃ?」
妖狐「んー、そうね……」
妖狐「頭撫でてもらったりとか、一緒に寝たりとか」
妖狐「もっと小鬼にしてもらいたいわよね?」
少女「小鬼君に?」
少女「ん」コクリッ
妖狐「正直ね?」
妖狐「でも、小鬼はそういうところに無頓着で唐変木なの」
少女「唐変木?」
妖狐「好意を寄せられても、ずっとこんな山奥で私と二人っきりだから」
妖狐「明確に意思表示しないと小鬼には伝わらないわよ?」
少女「……がんばる」
妖狐「そう、がんばってね」ニコッ
妖狐(敵に塩送るなんて私らしくないわね)
妖狐(ほんと今日はどうしたんだろ、私?)
妖狐(ま、いっか)
少女「あなた、良い人」
妖狐「あら? 人間から良い人なんて言われるなんて何年ぶりかしらね?」
妖狐「本当に良い人かしらね?」ケタケタ
妖狐「じゃあ、私は帰るから」
少女「ん、もう?」
少女「わかった」
妖狐「それと」
妖狐「今日私が来たことは内緒ね」
少女「?」首カシゲッ
妖狐「そっちの方が良いのよ?」
少女「よくわからないけど」
少女「わかった」
妖狐「そのうち、また後日来るからね?」ニコニコ
少女「待ってる」
妖狐「♪」トタトタトタトタ
朝
少女「」ムクッ
少女「」キョロキョロ
少女「……独り」
少女「小鬼君……起きてるかな?」
少女「」トテトテ
小鬼「zzz」グゥグゥ
少女「……寝てる」
少女(起こすべき?)
少女「……」
少女「寝顔、可愛い」ボソ
小鬼「……ん?」
小鬼「おきへたんれすね……」ムニャムニャ
小鬼「おはようございます」クラクラ
少女「おはよう」
小鬼「朝御飯準備しますね……」
少女「手伝う」
小鬼「ごちそうさま」
少女「ごちそうさま」
小鬼「さて、片づけ…」
少女「」ジッ
小鬼「………どうしました?」
少女「今日こそ肉取ってくる」グッ
小鬼「わかりました。……でも気をつけて?」
少女「……ん」コクッ
少女「落とし穴」
少女「これで……落として」
猪「fugooooooo!」
少女「!?」
少女「もう………来た!」
少女「(落とし穴……避けた!)」
少女「……」バッ
猪「」ダダダダダダダッ
少女「……早かった」
小鬼「薬草取れたし、そろそろ帰ろっかな?」
小鬼「……少女さんは大丈夫かな」
小鬼「そろそろ帰って……こないかな?」
小鬼「……んー」
少女「ただいま」ドロッ
小鬼「あ、おかえ……って、少女さん!?」
少女「?」
小鬼「土とか色々汚れて……?」
少女「平気」
小鬼「えっと……ちょっと風呂沸かしてきますね」
少女「風呂?」
小鬼「はい」
少女「どこ?」
小鬼「こっちです」
小鬼「水貯めて……っと」
小鬼「(妖狐さんがいないから、火の式神がいないと不便だな……?)」
小鬼「(でも、たまにはこうするのも良いかも)」
少女「……どうする?」
小鬼「服を脱いで」
小鬼「湯につかって土とか汚れとか落としてください」
少女「分かった」ヌギッ
小鬼「ぼ、僕のいないところでっ!」ボッ
少女「」ホカホカ
小鬼「湯加減はどうですか?」
少女「……良い」チャプッ
小鬼「それはよかったです?」
少女「………」
少女「…君も入れば?」
小鬼「湯の火番やってるので、一緒には…ちょっと?」
少女「……そう」ショボンッ
小鬼「……?」
少女「(入れば良いのに)」
少女「そろそろ上がるから…」ザバーッ
小鬼「分かりました?」
小鬼「…体は拭い物を一緒に置いてあるので?」
少女「……分かった?」
少女「良い湯……だったよ?」
少女「ごちそうさま」
小鬼「よかったです」ニコニコ
小鬼「でも、どうしてまた?」
少女「猪用の……落とし穴」
小鬼「落とし穴?」
少女「そう」
少女「明日こそは」キラッ
小鬼「が、がんばってください…?」
少女「がんばる」グッ
小鬼「(今日は何事も無かったからよかったけど)」
小鬼「……」
小鬼「(怪我だけは、もうしてほしくないや……)」
夜中
小鬼「」グーグー
妖狐「やっほーっ!」
少女「!?」ビクゥッ
妖狐「ちょっと……そんな驚いた顔しなくても」
少女「……でも、驚いた」
妖狐「今日も肉を取れなかったのね」
少女「猪……」
妖狐「鹿じゃなかったの?」
少女「量……多い」
妖狐「鹿にしておいたら良いじゃない?」
少女「そうする」コクンッ
妖狐「それで……」
少女「?」
妖狐「今日は小鬼と何かしたの?」
妖狐「お風呂一緒に入れなかったの?」
少女「小鬼君……火番で」
少女「…残念」シュンッ
妖狐「……さすがに一緒には無理ね」
妖狐「あー、“式神”貸したげよっか?」
少女「……“式神”?」
妖狐「まぁ、……小鬼と一緒に風呂に入るために使う道具ね」
少女「?」
妖狐「気にせず使えば良いから、ね?」
少女「……ありがとう」ペコッ
妖狐「(私にしては……大サービスよ?)」ケタケタ
妖狐「あ、それと……これ」薬瓶ワタシ
少女「……これは?」
妖狐「媚薬」
少女「びやく?」
妖狐「この中身を小鬼に飲ませてあげて?」
少女「……」カパッ
少女「毒?」クンクン
妖狐「ううん。違うわよ?」
妖狐「これを小鬼に飲ませてあげたら……♪」
少女「どうなる?」
妖狐「……なったら分かるわ?」
少女「なぜ……これを私に?」
妖狐「結局、使うタイミング逃しちゃう運命だからね」
少女「???」
妖狐「あ、ううん。こっちの√の話」
少女「?」キョトンッ
朝
小鬼「ふぁあ…」
小鬼「……んー」ボーッ
小鬼「準備しないとぉ……」フラフラ
小鬼「はれ……今日は少女さんまだ寝てるかな?」
少女「zzz」
小鬼「夜遅くまで起きてたのかな?」
小鬼「熟睡……だ?」
少女「ん……、んぅ……」ゴロンッチラッ
小鬼「……とと?」テレテレ
小鬼「肌見えてますよ」服ナオシナオシ
小鬼「そろそろ商人さんが来るんですよ」モグモグ
少女「しょうふにん?」モキュモキュ
小鬼「はい。僕が作ってる薬を買い取ってくれる人です」ゴチソウサマ
少女「それが……商人、さん」ゴチソウサマ
小鬼「優しい人で、いつも僕におみやげとか持ってきてくれるんです」
少女(小鬼君が、言うなら)
少女(良い人)
小鬼「あ、片づけようか」
少女「手伝う」
昼
少女「……何で、いるの?」
妖狐「あらあら、いるの駄目かしら?」
少女「駄目じゃない……けど」
妖狐「今日こそは取るんじゃないの?」
少女「! 取る」ググッ
妖狐「じゃ頑張りましょうか」
少女「分かった」
妖狐「この先ね」
少女「行こう」ギラッ
少女「……いた」シゲミノナカ
妖狐「ご飯の最中ね」
少女「好機……!」キランッ
妖狐「逃げ足早いから……しっかり頼むわよ?」
少女「任せられた」
妖狐「じゃあ……行くわよ?」
少女「うん」ビュゥッ
鹿「death」キュゥ
妖狐「お疲れ様ー」
少女「てこずった」
妖狐「これで目的の肉が手に入ったけど……捌けるの?」
少女「したことある」
妖狐「そう。それなら安心ね」
少女「………」ジッ
妖狐「どうしたの?」
少女「手助けの………理由」
少女「教えて」
妖狐「んー……それ聞くんだ?」ニヤニヤ
妖狐「気まぐれよ」
少女「ただいま」
少女「?」キョロキョロ
少女「……いない」
少女「まだ……帰ってない」
少女「先に捌こう」
小鬼「ただいまー」
小鬼「ん?少女さん、帰ってるんです……か、ね?」
小鬼「!?」ギョッ
少女「おかえり」ドロドロ
小鬼「……血!?」
少女「今捌き…終わr」
小鬼「」ギュゥッ
少女「!?」ビクッ
小鬼「血、血が……」ギュッ
少女「これは違…」
小鬼「」ギュッ
少女「…」
少女(誤解…されたかな?)
小鬼「て、手当…しないと」オロオロ
小鬼「傷薬と包帯と…」
少女「これは……違うよ?」
小鬼「びっくりしました」
少女「誤解」
小鬼「……でも、帰ってきたら血まみれだったら驚くから!?」
少女「ごめん」シュンーペコリ
小鬼「服がすごい汚れてますね……」
小鬼「今日もお風呂に入って下さい」
少女「分かった」
少女「それと……これが肉」
小鬼「ん、これが………」ピタッ
少女「?」
小鬼「血なまぐさいですね」
少女「味噌で鍋にしたら……良い」
小鬼「味噌、ですか」
小鬼「味噌なら残ってますから……準備してからお風呂に?」
少女「ん」コクコク
小鬼「…肉はどうすれば?」
少女「野菜……一緒に入れる」
小鬼「野菜ですね?分かりました」
小鬼(はじめて食べるけど……おいしいのかな?)
小鬼「準備が終わりましたね」
少女「うん」ドヤッ
小鬼「風呂の用意をしてください」
小鬼「火番やるので」タッ
少女「……あ」キュッ
小鬼(裾をつかまれた……?)キョトンッ
小鬼「どうしました?」
少女「……これ」スッ
小鬼「!!」
小鬼「妖狐さんの“火の式神”……?」
少女「借りた」
小鬼「ああ、借りたんですか………ん?」
小鬼(ちょっと、待って……)
少女「……あの」
小鬼「……は、はいっ!?」ビクビク
少女「これ、火番」
少女「…の代わりになるから」モジモジ
小鬼(まさか…)
少女「その」カァッ
小鬼(そんな……妖狐さんじゃあるまいし)
少女「一緒に」
小鬼(………まさか)
少女「お風呂、入ろっ?」カァァァッ
小鬼「……ッッ」ピクッ
小鬼(なぜこうなったのだろうか……)カッポーン
小鬼(向かい合ってお風呂に入るなんて)チャプチャプ
小鬼(……っ)
小鬼(直視できない…)
小鬼(唯一の救いは少女さんの裸が拭い物で包まれてる…こと)
小鬼(でも、それでも……うわわわわっ)心臓バクバクバクバク
少女(小鬼君……顔、真っ赤)ピチョン
少女「君」
小鬼「は、はいっ!?」
少女「……目線」
小鬼「え」
少女「気を遣わなくていい」
小鬼「え」
少女「別に……見てもいい」
小鬼「え」
少女「私は君の所有物」
小鬼「え」
少女「道具の裸くらい………」
少女「見てもいい」
小鬼(ええええええええええ)
妖狐【明確に意思表示しないと小鬼には伝わらないわよ?】
少女(確かに、その通り……)
少女(……別に小鬼君なら)
少女(肌を…見せても)カァッ
少女(でも、やっぱり………恥ずかしいかな)プルプル
小鬼(ぅぅぅぅっ)
小鬼(違う、違う……見たいけど、何だか見たら駄目で)
小鬼(いや、でも少女さんは駄目じゃないって)
小鬼(あぁぁ、違う違う)ワタワタ
少女「……」チャプッ
小鬼「……」プクプク
少女(やっぱり、……なのかな)
少女(私、小鬼君に、自分の拠り所を求めてる)キュッ
少女(拒絶してほしくない)
少女(小鬼君には)
少女(命を助けてくれただけじゃない)
少女(君には、何か大切なものを貰ってる)
小鬼「え、えーっと……あの」
少女「君」
少女「背中洗うよ?」
小鬼(僕が、自分自身が流されてるの分かるけど…)
小鬼(でも、これは…)
少女「背中」ゴジゴシ
少女「傷の痕とか……ある」
小鬼「あ、それは、…やくひょう」ガチッ
小鬼(あ、今噛んだ…)
少女(噛んだ……緊張してくれてるのかな?)キュン
小鬼「……薬草取りに行くときに色々と」
少女「そうなんだ」ゴシゴシ
少女「肩の傷…」ゴシゴシ
小鬼「え、あ、コレですか?」スッ
少女「ごめん……噛んで」
小鬼「あ、別に良いですよ? もう気にしてませんから?」ニパーッ
少女「……痛かったよね」ピタッ
小鬼「……まぁ、うん…はい。」
小鬼(泣きたいぐらい…痛かった。というか泣いていたような)
少女「ごめんね……」サワサワ
小鬼「そんなに肩撫でなくても…?」
少女「傷が消えた……から、良いけど」ナデナデ
小鬼「もう、すぎたことですし」
少女「………ん」コク
少女「背中、そろそろ良いかな」
小鬼「んっ……じゃあ、流しますか」
少女「……違うよ?」クビカシゲッ
小鬼「え、でも背中は……」
少女「前がまだ」
小鬼「え」
少女「前を、こっちに向いて」
少女「」ゴシゴシ
小鬼「」
少女「」ゴシゴシ
小鬼「あっ……」ピクンッ
少女「あ、……痛かった?」ピタッ
小鬼「いや、違…」
少女「ん」ゴシィゴシィ
小鬼(妖狐さんと違って繊細に洗ってくれるけど)
小鬼(時折、太股とかおなかとかに触られると)
小鬼(すごい、すごく…むず痒いです)
小鬼「あ……」ピクッン
小鬼「あぅ……」ビクビクッ
小鬼「アーッ」ビクビクビクビク
少女「流す」ザバーッ
小鬼(何か新しい世界が開いたような気がする…)
少女「………どうだった?」
小鬼「良かった…です」
小鬼(色々な意味で)
少女「そう」
小鬼(これで解放され…)
少女「今度は君が」
小鬼「 」
小鬼「……言葉を失いました」
少女「洗って」
小鬼「聞き間違いじゃないや!?」
少女「……洗って?」
小鬼「さ、先にでますねっ…!」ダッ
少女「逃げた」
少女「……残念」ボソッ
小鬼「風呂のことはさておきです」ゴホン
小鬼「鍋です」
少女「ん」チラチラ
小鬼「これが肉ですか」
少女「うん。」
少女「美味しいよ?」ニコニコ
小鬼「……鹿の肉」
小鬼(どんな味なんだろ)
小鬼「ぁむ」カミカミ
小鬼(魚の感触ににてるけど、……でもそれとは別)
小鬼「美味しい」
少女(喜んでる、かな?)
少女(良かった)
小鬼「ごちそうさま」
少女「ごちそう、さま」
小鬼「美味しかったです」
少女「ん」
小鬼(肉だけでなく野菜もいつもとまた味が良く出ていたし)
小鬼(普段とはまた別の顔を見れるとは思ってなかった)
小鬼(肉があるだけで、こうも変わるなんて)
小鬼(もう少し)
小鬼(もう少しだケ)
小鬼(喰ベテミタカッタナア)
夜中
少女「」ボーッ
少女(今日は……来ないのかな)
小鬼「少女さん」
少女「ぴゃっ!!」ビクッ
小鬼「そ、そんなに驚かなくても……」アセアセ
少女「君、起きてた?」
小鬼「なんだか、目が冴えて……」
小鬼(肉、食べてから気分が良い)
少女「……」
小鬼「……」
少女 小鬼「「あの」」
少女 小鬼「「・・・・・」」
少女「君から」
小鬼「あ、いえいえ少女さんから……」
少女「……」
小鬼「……」
少女 小鬼((気まずい……))
少女「君、聞かないの?」
小鬼「何をですか?」
少女「私の過去」
少女「なぜ、聞かないの?」
小鬼「……少女さんから無理に聞き出すのは何だか…いやなので」
少女「気を、遣わせた…」
小鬼「それに」
少女「それに?」カタッ
小鬼「無理しなくても……」
少女「……無理?」カタカタ
小鬼「…えてる」
少女「?」カタカタ
小鬼「手、震えてますよ」
少女「あ」ピタッ
少女「あ、いや……ち違うの、これは」
小鬼(妖狐さん風に言うと、今の少女さんは)
小鬼(すごい動揺してる)
少女(この人なら……)
少女(小鬼君なら)
少女「……やっぱり、話す」
小鬼「無理しなくてもいいと…」
少女「いいの、これは……私が話すべき」
小鬼「……分かりました」
少女「私が、どんな……過去を、送ってきたか」
少女「言うね」
少女「私は人を、殺した殺人鬼」
少女「いっぱい、いっぱい」
少女「殺してきた」
少女「始まりは、自分の親戚」
少女「親戚の家の部屋の…、片隅で」
少女「ずっと…寂しく暮らして」
少女「でも、……叔父が、ある日」
少女「私を襲った」カタカタッ
少女「色々されて……」ギリ
少女「初めて……を」
少女「私は奪われ、…たくなかった」
少女「すぐ近くにあった…」
少女「刃物で……首筋に刺した」
少女「それが、始まり……」
少女「ずっと、逃げて…きた」
小鬼「……うん」
少女「……傷つけて、殺して……きた」
少女「……で、遂にこの山でやられた」
小鬼「だから……ここに?」
少女「………。」
少女「遂に死にかけて…」
少女「もう、死にたかった」
少女「けどね、…」ジッ
小鬼「……僕?」
少女「うん」
少女「君が、助けてくれた」
少女「死ぬのを、邪魔したから」
少女「君の肩を、噛んだの」
少女「何で捨てなかったのか」
少女「何で置いていかなかったのか」
少女「……こうして、暮らして」
少女「分かった」
少女「君がどういう、人物か」
小鬼「僕は、助けないといけないって思っただけで…」
少女「そう、優しいね」スッ
小鬼(隣に……)
少女「改めて、聞くけど…」
少女「君は、こんな私を受け入れる?」
小鬼「僕は……」
小鬼「よく分からないです」
少女「……え?」
小鬼「人を殺すことはいけないこと、だって妖狐さんから聞きました」
小鬼「でも、僕が居るのはずっとこの山奥で」
小鬼「だから……よく分からないんです」シュンッ
少女「………ん」
少女(拒絶される、と思った。けど…)
少女(小鬼君は、まだ、子供)
少女(それに……ずっと山奥)
小鬼「少女さんと会うまで、僕が知っている人間はごくわずかです」
小鬼「それに一緒に暮らしたことも、少女さんが初めてです」
小鬼「外の世界では、人を殺すことがどれくらい重いのか」
小鬼「それを聞いたとき、自分はどういう反応をすればいいか」
小鬼「分からないんです」
小鬼「でも、……」
少女「でも?」
小鬼「僕の少女さんを嫌いになったりはしないよ?」
僕の少女→僕は少女 何故ミスしたorz
少女(……嘘じゃない、みたい)
少女(でも、それは……小鬼君が無知、だから)
少女(……私は狡い)
少女(その無知につけ込むから)
少女「……本当?」ジワッ
小鬼「うん」ニコニコ
少女「……ん」ポトッ
小鬼「少女さんが外の世界に戻りたくなっても僕は止めないよ?」
少女「私は………外の世界に戻らない」ポタッポタッ
小鬼「……それなら」
小鬼「少女さんが良ければいつまでもここに住んで良いんだよ?」
少女「………ありがとう」グスッ
少女「」スリスリ
小鬼「……少女さん?」
少女「何」スリスリ
小鬼「……眠くないんですか?」
少女「大丈夫」ギュッ
小鬼「!」
小鬼「風邪、ひきますよ?」
少女「平気」ギュゥー
小鬼(困った……)
小鬼「もう寝ましょう」スタッ
少女「ん……分かった」
小鬼「素直ですね……」
小鬼「おやすみです?」
少女「おやすみ……」
小鬼「」スタスタ
少女「」トテトテ
小鬼「どうしてこちらに」
少女「え」
小鬼「そんな、こっちが来るのが当然みたいな驚きをしないで下さい」
少女「……今日は、一緒に寝たい」
少女「駄目?」ジーッ
小鬼「」
少女「」ジーッ
布団の中
小鬼(断れなかった……あの上目遣いを)
少女(今、心臓の音………聞こえそう、なくらい速い)
小鬼「……あの、やっぱり別々に」
少女「嫌」スリスリ
小鬼「……ぅぅ」アセアセ
少女(……うん、可愛い)
少女「んん……」ゴソゴソ
小鬼(少女さん、ああしあ脚が絡まって……あばばばば)
小鬼(近い、近い……!)
少女「……君の体温を、感じる」スーリッスーリッ
小鬼「顔とかいい色々ととと近いですっ!」
少女「わざと」ムギュッ
小鬼(どうしてなんだ!?)
少女「……」ムニーッ
小鬼(少女さんの、頬ずり……やめっ……っっ)ムニムニ
小鬼(何カ変ニナリソウ……)
小鬼(ちょっと……離れないと)ズリズリ
少女「む」ガシ
小鬼(逃げれない……っ!?)
少女「むーむー」ガシッギュッスリスリ
小鬼「……ちょっと、少女さん?」
少女「……」
小鬼「…少女さん?」
少女「……」
小鬼「少女さーんっ」
少女「zzz」グーグー
小鬼(寝てるーっ!?)ガーンッ
朝
小鬼(……結局、慣れて寝たけど)
小鬼(それでもドキドキしっぱなしで)
小鬼(寝たのが少しだけな気がする)
小鬼「……少女、さんっ? 朝ですよ?」
小鬼(そういえば、今日だっけ? 商人さんが来るの)
少女「ん………おはよう」ムクッ
少女「けほっ、けほっ……ん」フラフラ
小鬼「……あれ? ちょっと、額を……」サワッ
少女「ん……」スッ
小鬼「熱がありますね? 風邪でしょうか……とにかくもう一度寝てください」
少女「分かった」
小鬼「水と……おかゆです」
少女「ん」
小鬼「どうぞ」
少女「ありがとう……あれ」クテンッ
小鬼「…っとと」バッ
少女「ん……ちょっと、フラフラする」
小鬼(顔色が優れない)
小鬼「食べれますか?」
少女「んー……」手プルプル
少女「いい……食欲無い」プイッ
小鬼「食べないと駄目です」ムスッ
小鬼「はい、あーんっ」スッ
少女「………っ」カアッ
少女「…ぁ、んっ」パクッ
少女「ゅっ……」コクッリッ
小鬼「はい、あーんっ」スゥッ
少女「……っっ!」カアアッ
少女「はむ……っ」パクリッ
少女「んむー……」
小鬼「味付けは大丈夫ですか」
少女「大丈夫……だけど」
小鬼「だけど?」
少女「その……あーんは、やめよう」
小鬼「?」
小鬼「あーん」スッ
少女「あの……君」
小鬼「あーんっ」
少女「小鬼君……?」ジッ
小鬼「あーーんっ」
少女「……」パクッ
少女(歳上として……プライドが)グサッ
小鬼「安静にしてゆっくり休んでくださいね」
少女「………」ズーンッ
小鬼「少女さん?」
少女「寝る………」モソモソ
小鬼「はい」ニパーッ
少女(うーっ)ジタバタ
外
小鬼「商人さんが来ないや」
小鬼「」ビュービュゥーッ
小鬼「嵐が来てるのかな?」
小鬼「ちょっと見に行こうかな」タッ
小鬼「商人さんっ?」
小鬼「商人さーーんっ??」
ガサガサ
小鬼「商人さん!?」
「……」ザッ
小鬼「……!」
小鬼(違う……商人さんじゃない)
小鬼「狼、さん………」
狼「ふむ、久しい匂いがしたら……小鬼か」
小鬼「……」バッ
狼「待て」
狼「そう構えるな」
狼「以前、襲ったことは謝ろう」
小鬼「……」ジリジリッ
狼「言葉を交わせると知らなかったのだ、お互いな」
狼「今はこうして話せる」
小鬼「突然、どうしたんですか?」
狼「……小鬼、君に変わった匂いがついていたものだから」
小鬼「自分の匂い……? 今日は木の実も無いですよ」フリフリ
狼「そうじゃない」ブンブン
狼「我々には縁があって」
狼「君には縁が無かった匂いさ」
小鬼「縁が無かった?」
狼「過去形なのだよ、既に君は縁をもつ」
小鬼「……?」
小鬼「何 の 事 で す か 」
狼「ふむ、とぼけるか」フフッ
小鬼「とぼける? 何をですか」
狼「小鬼、君はある物を口にした筈だ」
小鬼「ある物? ……!」
狼「気づいたか」
狼「肉を食べるなんてね、肉とは切り離れた位置にいた君が」
狼「今、もの凄い腹ペコなんじゃないのか?」
小鬼「何で、それを知って……」
狼「なに、当たり前のことだろうに」
狼「鬼とは肉を好む種族だというのは遺伝子に刻まれてるよ」
狼「君は肉を食べないが故に鬼としての本能が薄らいでいたのに……」
小鬼「そこに僕が肉を……」
狼「食べた為に目覚めてしまった」
狼「これから君の人生で肉が無いということは考えられないというのだ」
小鬼「うっ……」
狼「だから小鬼、君へ忠告だ」
小鬼「忠告…とは?」
狼「我慢するな」
狼「これからは肉を食べたまえ」
狼「……以上だ」
小鬼「狼さん」
狼「……何だ」
小鬼「僕を心配してこんな事をいってくれてるなんて」
小鬼「ありがとうございました」ペコリッ
狼「……む」
狼「全く………毒気を抜かれる」
小鬼「んぇ?」
狼「こっちの話だ」
狼「それよりも人を捜していたな?」
小鬼「はい。商人という、男の人を……」
狼「男……なら見たぞ?」
小鬼「本当ですか?!」
狼「この先にいる」スッ
小鬼「ありがとうございます!」ダッ
商人「くそっ……何で嵐なんだっ…」ブツブツ
小鬼「商人さんっ!」ダキッ
商人「うぉっ!?」
小鬼「嵐の日にも来るとはよく言ってましたけど」
小鬼「……早く来ないと嵐の本番に巻き込まれますよ?」
商人「心配して探しに来てくれたのか……」ジーンッ
商人「ありがとなっ?」ワシャワシャナデナデ
小鬼「わわっ……」ジタバタ
商人「照れるなよぉ?」ニカニカ
小鬼「と、とりあえず小屋に……」
商人「おっ!そうだな!」ダッタタタタッ
小屋 昼(嵐)
商人「あーあー……こりゃ今日中には帰れないな」
小鬼「別に明日でも良かったのでは?」
商人「いんゃあ、そいつは駄目なんだ」
小鬼「? 嵐は仕方ないのでは?」
商人「俺にも予定はあるからな。けど……今日ばっかりはきつい」
商人「一晩泊まるぜ?」
小鬼「別にかまいませんよ?」ニコニコ
商人「さんきゅー?」
小鬼「あ、奥の部屋には風邪人がいるので……」
商人(妖狐つったか、あの化け狐……寝てるならわざわざあいたくもねぇ)
商人「じゃあ、奥にはいかねぇよ?」
小鬼「はい、お願いします」
商人「さてと……じゃあ薬の件だな」
小鬼「言われた分は作っておきましたが……今月は色々あったので」
商人「出来が悪い?」
小鬼「そういうわけではないですが、少し自信が……」
商人「大丈夫大丈夫。小鬼の腕ならいけるって」
商人「日用品が以上で……あ、追加でほしいやつとかあるか?」
小鬼「うーん……追加ですか?」
商人「ちょっとくらいの無理ならきくぜ?」
小鬼「そうですね……」
小鬼「一つ追加が」
商人「おぅ? 何だ何だ?」
小鬼「食料で一つ」
商人「んー旬の野菜か?それとも果物でも……」
小鬼「何か肉類を」
商人「…………肉?」ピクッ
商人「……肉、だ?」
小鬼「はい、できませんかね?」
商人「いいや。……別にいけるけど……」
商人「」ジィーッ
小鬼「?」
商人「……小鬼」
小鬼(まずかったかな……)
商人「ようやく肉の味を知ってくれたか!」
商人「いゃあー、お兄さんうれしいねー」
商人「よしよし、分かった! 今度、牛肉持ってきてやる!」
商人「すき焼きとか牛鍋つってな」
商人「………楽しみだな~」
小鬼「」ワクワク
夜
商人「うん、うまいなこの鍋」
商人「いつもこんなの食べてるのか?」
小鬼「えぇ、まぁ……」
商人「こんな山奥だから、良い物がそろってるか」
商人「この里芋が……うんうん」モグモグ
小鬼「口にあったならうれしいです」
小鬼「あ……」スタッ
商人「んぐっんぐっ………と、どした立ち上がって?」
小鬼「ちょっと風邪の様子見てきます」
商人「むぐっ……、そういや奥にいるんだっけ?」
小鬼「ええ」
小鬼(少女さんが)
商人(あの目狐が)
商人「……ちょっと手伝うぜ?」
小鬼「あ、いえ? くつろいでいてくれれば……」
商人「こんな嵐の中家に泊めてもらってるんだから」ビュービューッガタガタ
商人「少しくらいは手伝わないとな」
小鬼「では……水桶から少し水を汲んできてくれませんか?」
商人「おうよ!」
奥の部屋
少女「んっ………」コロコロ
小鬼「熱が引いてきましたけど……でも、体調は優れないみたいですね」
商人「こおーにっ?」ガラッ
商人「水、汲んで、きた…………………ぜ?」ピタッ
小鬼「あ、はい。ありがとうございます」
商人「てめぇ……は?」
少女「え、あ…………っ!」
小鬼「あ、こちら少女さんといって……」
商人「真紅の……!」ギリッ
少女「断罪人……!」ギリリッ
小鬼「ふ………え?」ピタリッ
商人 少女「「何でおまえ(あなた)がここにっ……!?」」
小鬼「……っ!」
小鬼(どうしたんだろ、二人とも……?)
小鬼(すごく……怒ってる)
商人「おい! 小鬼! こいつは危険だ!」
小鬼「え、ええっ?」オドオド
商人「こいつは……殺人鬼だっ!」
少女「………!」
商人「何も知らずに匿ってるなら止めたほうが良い……こいつは」
商人「何人もの人を殺害して……」
小鬼「し、知ってます」
商人「…………何?」
小鬼「………少女さんが殺人鬼だったことは」
商人「………は?」
商人「え、おまっ……はっ?」
小鬼「だから僕は少女さんが殺人鬼だと知ってます」
商人「え? なんで知ってるんだ……?」
小鬼「少女さんが話してくれて……」
少女「」プイッ
商人「おまえ……殺人鬼ってどういうことか分かってるのか?」
小鬼「はい、分かった上で……」
小鬼「少女さんをこの小屋に置いています」
商人「……ぐっ」
商人「お前は、その娘について何にも知らない」
商人「過去にどれだけの殺人をしてきたか」
小鬼「聞きました」
商人「違うんだ。そいつの罪状を」
商人「一般人24名、同心(=警察)7名を殺してきたんだ」
商人「罪深い……罪人なんだ」
小鬼「でも、……少女さんはもう人を殺したりなんか…」
商人「そんなわけない。小鬼、お前もいずれ殺される」
小鬼「そんなことは……!」
商人「そんな小娘の妄言なんか忘れろ……まさか、小鬼」
商人「その女にたらしこまれたんじゃねぇの?」
小鬼「ち、違いますよ!」
商人「てめぇはまだ子供だし、外の世界を知らないんだ!」
小鬼「! 商人さん……」
商人「殺人という罪の重さをお前はまだ正しく見て……ない!」ギロッ
少女「……っ」ピクン
商人「そんな子供が善悪を正しく理解できるわけが……」
小鬼「僕は、もう子供じゃないです!!」
商人 少女「「!?」」
商人「見栄張ってんじゃねぇ! 小鬼、お前はまだまだ……」
小鬼「もう自分は大人です!」
商人「だからそういうところが子供で……!」
小鬼「一人前になりましたよ!」
商人「………ッ」ギリリ
商人(何故、こんなに俺はイライラするんだ……)
商人(小鬼がこんなに自分に意見をすることが)
商人「小鬼……てめぇが一人前だということを」
商人「証明してみせろ!」
少女(身体の風邪気がまだ抜けて…ない)ガシッ
小鬼(少女さんをかついで……!)
商人「追ってこい!」ダッ
小鬼「……!」ダッ
外 嵐 夜
タッタッタッ
商人「どうした!? どうした!?」
小鬼「ぐっ……」ハァハァ
商人「これくらいの追いかけっこで息切れてちゃ世話ねぇぜ!?」
小鬼「……あまりにも遠い!」
商人「おい、殺人鬼」
少女「……何」ジタバタ
商人「おいおい、暴れるな!」ギシッ
少女「……」ジタ・・・
商人「お前、小鬼に惚れてるだろ?」
少女「!」ボンッ
商人「ははっ、やっぱり図星か」
商人「さて……まぁ走りながらでもできる答え合わせだ、聞けよ」
少女「……答え?」
商人「そうそう。お前が好意を寄せる理由だ」
商人「これは俺の推理なんだが……おい!まぁ黙って聞け。暴れるな。よし……すぐ終わるからな?」
少女「……」ムスッ
商人「てめぇが、好意を寄せる原因になったのは……資料を読んだが、お前の過去のせいだな」
商人「どうせ小鬼が優しくしてもらったんだろ? 俺が10分の9殺しまで追いつめたのにな」
商人「傷治してもらったんだろ?」
商人「お前の好意ってさ」
商人「好意というよりは依存だよな」
少女「……誰に? 小鬼君に?」
商人「そんなんじゃねぇ。いや多分好意もあるとは思うけどな」
商人「原始的な方さ。生への欲求だよ。」
少女「………そんなわけ無い」
商人「いやいや。これがあてはまってる気がするんだよ」
商人「小鬼を好きなんじゃねぇよ。本当はまだまだ生きていたいことに気づいて」
商人「小鬼に希望を中途半端に思い出さされたせいで、小屋から追い出されて欲しくないから」
商人「お前自身焦っていたんじゃねぇの?」
少女「……。」
商人「そこらへんよく考えて……ちっ」
商人「広いところに出ても関係ないと思ったが、道に木が倒れてるなんてな」
商人「不運だな、俺」ピタッ
小鬼「……おい、つきました」
商人「おいおい? 何言ってるんだ?」
小鬼「……追いつきましたよ?」
商人「何言ってるんだ? は?」
商人「まだ俺の手からお姫様取り返してないだろ?かかってきな」
小鬼「商人さんとは……特に戦いたくないです」
商人「?」
商人「おいおい何言ってるんだ? 自分の自己主張が通らないのが大人の世界だ」
商人「来ないのか?」
商人「俺は人一人抱えてるハンデ付きだぜ?」
商人「来ないならこっちから行くぜ?!」バッ
小鬼「………ッ!」
商人(ああ、何でこんなにイライラするんだ)
商人(素直に見逃してやればいいのによ)
商人(何で、俺……)
商人(こんな小鬼を試すようなことしてるんだ?)
商人「……それで終わりか?」ケロッ
少女「君……っ!」バタバタ
商人「おっととと。にがさねぇよ?」
小鬼「……ぐぅっ」ボロッ
商人(鬼の血脈だから腕力はいっちょまえにあるが)
商人(それで終わりだ。技術的にも経験的にも圧倒的に不足してる)
商人(ふむ………弱ぇな、やっぱり)
商人「ほらほら、お前が気絶したら少女はお陀仏だぜ!?」
小鬼「ぐっ……!」
商人「お前の我が儘の一言が通らねぇのが大人の世界だ」
商人「そんな世界に踏み込んだんだ、てめぇも大人なら自分の手で守れよ!」
商人(………俺は結局、何がしたいんだ?)
商人(何を小鬼に……伝えたいんだ?)
小鬼「うぉぉぉおっ……!」ブンッ
商人「蚊が止まって見える……ぜ!?」
ヒュンッ
商人(んだ、ありゃ……字が書かれた紙?…やべぇ!)ヒュッ
小鬼(今だ……!)
バキィィィッ!
商人「ぐほっ………!?」
少女「好機……!」ババッ
商人「てめっ………ちっ……あー痛ぇ」
小鬼「……少女さんを取り返したので、もう終わr」
ブンッ
小鬼「…!?」
商人「まだ俺が無事に立ってる……続行だろ」
小鬼「僕はもう、……戦う理由がありません」
少女「……君」キュッ
商人「そうか」
商人「じゃあ、理由はこうだ」
商人「小鬼、まだお前は半人前だ。みとめねぇ、帰っても、また襲う」
小鬼「商人さん!!もう……嫌です」
商人「嫌で結構だ(違う、もう終わりにしたい」
商人「だけど、ここから本番だ(そうじゃない、何言ってるんだ俺」
商人「俺を認めさせろ(俺は――!」
商人(今まで小鬼には父親になったような気分で接してきた)
(本当の子供を持てば、とか考えたら小鬼の顔がちらついた)
(会うたびに少しずつ大きくなっていく小鬼の姿はとてもまぶしかった)
(小鬼と出会ったのはいつだったか)
(元々、鬼との交渉役が死んだのが始まり。)
(鬼なんてものと会うんだ、腕がいるのは確かだった)
(当時はまだ自分は罪人を追う仕事なんて役柄じゃなかった)
(ただ定期的に運び屋みたいな仕事するだけだった)
(それがいつの間にか安らぎに変わったのはいつだったか?)
(そのうちに自分は断罪人とか呼ばれて……)
(この山で真紅にとどめを刺しきれなかったのは)
(明らかに子供だったせいだろう、まさかこんなところで後悔するとは)
商人(危険だと言っても助けるような予感はしていた)
(なにせ、あの小鬼だ)
(助けるなと言っても助けていたような気がする)
(こうなるのは運命だったかもしれない)
(相対するのは必然だったかもしれない)
(だから今自分がしていることが何ににているのか分かった)
(凄く不器用な俺なりの親心)
(小鬼を小さい頃から知ってる俺は)
(成長した小鬼を試してる)
(素直じゃねぇな、俺は)
(この先の関係を崩すってのに、何で俺)
(こんなに嬉しいんだろうか)
(小鬼が少女と組んで俺に立ち向かってくる)
(今のを避けるか、悔しいな)
(小柄な身体を利用して、死角から攻撃とは)
(技術的に弱い小鬼だが、腕力はある。)
(腕力的に弱い真紅だが、技術はある。)
(良いコンビじゃねぇか)
商人「はっ……良いな、良いな!(昨期から良いのばっかり喰らってるな、俺」
小鬼「ぉぉぉっ!」
少女「……っ!」
ダダダダ
商人(正面から馬鹿正直に……小鬼が先頭か)
商人(どう来る!?)ザッ
小鬼「一発……!」バキッ
商人「おいおい、そんな分かりやすいパンチじゃ…」ガッ
商人(真紅がいねぇ? 左右にもいねぇ……どこだ?)
少女「……ぁっ!」ゴキッ
商人(! 真紅が小鬼の背中を踏み台に飛んだか……首に一撃……あ、やべっ……意識が)
商人「……倒れるわけが…」
商人(手足のリーチではこっちがある)
商人「寝てろっ!」グルン……ドガッ
少女「……!」
商人(回し蹴りでみぞおちに一発……しばらくたてるわけが)
小鬼「おおおぉぉぉぉぉぉぉっ!!」ガッバキッドッガッ
商人「……!?」
商人(腐っても鬼の血筋かよ……ラッシュは効くな、おい……!)
小鬼(このまま殴り続ければ……!)
商人(ああ、くそっ!!)
商人(くそが……こんな鬼のガキも倒しきれないなんて)
小鬼(まだ倒れないなんて……)
商人(血も涙も無い断罪人様はどこ行ったって話だよな……全く)
小鬼(もうこれ以上、殴りたくないけど…)
商人(……いてぇ、いてぇ……)
小鬼(僕はもう大人だって証明するのに必要なら……僕は殴る)
商人(身体だけじゃなくて……心もいてぇのは何でだろうな…)スッ
小鬼(……! ガードが空いた…!)
小鬼「そこだぁぁぁぁっ!」ベキィィッ
商人「……!?」ゴキッ
商人「(あ、やべっ……顎いった」
商人「(意識が………飛ぶ……」ドサッ
小鬼(う……痛い……)フラフラ
小鬼「僕は……商人さんに……勝…」
小鬼「はぁっ……はぁっ……」バタッ
少女「………っっつぅぅ!」
少女(体が動かない……っ)
少女「ぅぅっ……」ズリズリ
少女「………ぁう」
少女「小……鬼…く…ん」トサッ
式神「みなさん、外は危ないんですよ?」
妖狐の屋敷
小鬼「………はっ!」
小鬼「ここは……あれ?妖狐さんの別荘……!?」
式神「お目覚めですか」
小鬼「式神……さん?」
式神「さんづけはよして下さい」
小鬼「あの……どうして、僕は……」
式神「あんな嵐の中で倒れていた理由は聞きませんよ」
小鬼「………う」
式神「他の人達は、という顔ですね」
式神「他の方々は部屋で安静にしていますのでご心配なく」
小鬼「……良かった」
小鬼「妖狐さんは……元気ですか?」
式神「……おや?」
小鬼「……?」
式神「聞いてないのですか」
小鬼「え? 調子が悪いから小屋から離れる事しか……」
式神「主が発情期で今会うと誰彼構わず襲うということを」
小鬼「……う、襲う?」
式神「それはもう……エロエロです」
小鬼「え、ろ?」
式神「あなたにはまだ早いです」
小鬼「………っ。」
式神「兎に角、今主に会うことはお奨め致しかねます」
小鬼「わ、分かります…」
式神「……共感してくれるとは」
小鬼「……ずっと一緒でしたから」
式神「えぇ、あの人色々とテクが凄く……てゴホンゴホン」カァァァッ
式神「ゆっくり体を休めてください……ね?」タッタッタタタ
小鬼「………」
小鬼「ふぅ」ハァー
小鬼「みんな、生きてるんだ……良かったよっ……」
小鬼「………眠い」
小鬼「もう一眠りして……今は休もう……」
小鬼「体の節々が痛すぎるよ……」ドサッ
小鬼「………」グーグー
小鬼「………んぅ」ゴロッ
小鬼「……ぁふ……」ゴロゴロ
小鬼「………zzz」グゥグゥ
少女「」ガチャ
少女「」モソモソ
少女「」ズイズイ
小鬼 少女「「zzz」」
夜中
小鬼「ん……」
小鬼(何だか凄い……)
小鬼「暖かい……ッ!?」
少女「」スースー
小鬼「しょ、少女…さ、ん…!?」
小鬼(あ、痛たたた……)
小鬼(体うまく動か……)
少女「小鬼くん……」ギュッ
小鬼「!? ……なんだ、寝言……ですか」
商人「おうおう、えらく仲良しだなぁー」
小鬼「!!??」
小鬼「いつのまに……入っていたんですか……っ」
商人「安心しろよ、入ったのはほとんどさっきだ」
小鬼「むむむむ………はぁ」
小鬼「……なんであんな強いんですか」
商人「んー……あーアレ?」ケタケタ
商人「特別だぜぇ?」
商人「……実は俺は日夜、人の安全を守っている正義の味方で罪深い人々をぶっ殺す断罪人……とか言ったら信じる」
小鬼「……」
商人「わけねーわな」
商人「お前にその姿みせねぇからな?」
小鬼「商人さんは優しくて……でも少し意地悪なときもあって」
商人「罪人共には無慈悲で悪魔とか罵られてるけど」
小鬼「僕のために心配とかしてくれて……」
商人「大事な商売人だしな」
小鬼「父親……いえ、商人さんは僕にとって父親も同然ですよ!」
商人「……父親か」
商人「こんな鬼畜生のこと、父親とか呼んでくれるのかよ」
商人「………ははっ」
商人「嬉しいな、すごい嬉しい」
商人「小鬼、もうお前は立派な大人だ」
小鬼「………はい。」
商人「俺が認めてやる、今日お前は見事成人したんだよ」
小鬼「成人?……ということは」
商人「元服祝いに何かやりたいけど……特に持ってねぇんだよな」
小鬼「いえ、そんな……」
商人「そのうち何かやるよ」
小鬼「」ピクク
小鬼「いえ、言葉だけで十分です」
商人「やせ我慢しやがって……」
小鬼「な! やせ我慢じゃないです!」
商人「はいはい」
商人「……じゃ、俺いくわ」
商人「嵐も収まったしな」
小鬼「次は……いつ来るんですか?」
商人「一ヶ月後」
小鬼「そう……ですか。」
小鬼「寂しいです」
商人「いつも通りだ?」ニカッ
商人「小鬼」
商人「真紅……いや少女だったな。」
商人「あいつがまた人を殺さないように……」
商人「ていうか、幸せにしろよ」
小鬼「……ふぇ!?」
商人「じゃあな、………!!」ダッ
小鬼「じゃあ………」
小鬼「………」
小鬼「……ばいばい」
小鬼「………」
少女「………」
小鬼「少女さん、起きていますよね?」ボソボソ
少女「ひぅっ!?」バッ
小鬼「……やっぱり起きてる」ブツブツ
少女「耳元……ささやくの反則」
小鬼「狸寝入りも……駄目なんじゃないですか?」
小鬼「起きたら少女さんが隣なんて……やっぱり慣れませんよ」フゥ
少女「………君の……が良かった」
小鬼「え?はい?」
少女「な、……なんでもない!!」
小鬼「………少女さん」
少女「……何」
ちゅぅ…
少女「!?」
小鬼「………ようやく反撃できました」
少女「君……小鬼くん!?」
小鬼「いつまでもされっぱなしは癪ですからね……ふふっ」
小鬼「でも、……やっぱり恥ずかしいです」
少女「っ……狡い」
小鬼「狡くは無いですよ?」
少女「狡い狡い………っ!」ジタバタ
小鬼「少女さんっ!」ガバッ
少女「!?」ビックリ
小鬼「自分の気持ちにようやく整理がつきました……自分は」
小鬼「少女さんのこと……
好きです」
少女「~~~~~~ッ!」
小鬼「……って、あはははっ」
小鬼「突然すぎましたね……」
小鬼「いきなりの告白で……」
小鬼「こんな場所で……」
小鬼「ごめんなさい」ペコリッ
少女「謝ること……無い」
小鬼「……え?」
少女「むしろ…」
少女「嬉しい……」
小鬼「……それは」
少女「……」ギュッ
ちゅっ……
小鬼「……ぉわ!?」ハタハタ
少女「余裕無いね」クスクス
小鬼「……そこまで耐性は無いんです」
少女「……かわいい」
小鬼「尊厳まで削られていくような気分です」ズーンッ
小鬼「……」ドキドキ
少女「さっきの告白……だけど」
少女「私も……だよ」
小鬼「……!」
少女「私も」
少女「小鬼君のことは」
少女「好き……だよ」
少女「でもね」グィッ
小鬼(手を胸に……!?)
小鬼(……て、あれ?)
小鬼「……少女さん?」
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