◇翌日、事務所


まゆ(……結局、昨夜あれだけ調べたのによくわかりませんでした)

まゆ(このままじゃPさんに嫌われちゃう……)

まゆ「うぅ、どうしましょう……」

奈緒「ん？　どしたまゆ。そんなに唸って」

まゆ「あ、奈緒さん。おはようございます」

まゆ(……そういえばこの前、凛ちゃん達が『奈緒はツンデレだよね』って……)

まゆ「あの……すいません奈緒さん。ちょっとお時間、いいでしょうか……？」

奈緒「あん？　何で？　あ、もしかして何か悩みとか？」

まゆ「えぇ、まぁ……そんな感じでしょうか？」

奈緒「いや、あたしに聞かれても……」

奈緒「で、話って？　まゆがそんな顔するんだからよほど深刻なんだろうけど……」

奈緒「というかあたしでいいのか？　ほら、自分で言うのもなんだけど、こういうのって凛や加蓮の方が……」

まゆ「……いえ、だめです。奈緒さんじゃなきゃだめなんです」

奈緒(あたしじゃなきゃ……)ｼﾞｰﾝ

奈緒「よ、よし、何でも言ってみろ！　あたしに出来ることなら何でも手伝うぞ！」

まゆ「ありがとうございます」

まゆ「………………」ｽｰﾊｰ

まゆ「まゆに……まゆに、つんでれのゴクイを教えてくださいっ！」

奈緒「………………………」

奈緒「…………えっ？」

奈緒「え、は？　ツンデレ？」

まゆ「…………」ｺｸｺｸ

奈緒「あたしが？」

まゆ「…………！」ｺｸｺｸ

奈緒「……誰が言ってた？」

まゆ「凛ちゃんと加蓮ちゃんですけど……？」

奈緒「……りぃぃぃいん！　かれぇぇぇん！　こっち来い！　笑ってんの見えてるからな！」

まゆ「？？？」

まゆ「かくかくしかじか」

凛「うまうままるまる。なるほど、プロデューサーが……」

加蓮「それなら確かに奈緒が一番だねー」

凛「奈緒ほどテンプレなツンデレなんて美玲かありす……は違うか」

奈緒「……言いたいことはいろいろあるけど。まず、ツンデレじゃねーからっ！」

加蓮「誰が？」

奈緒「あたしが！」

凛「何だって？」

奈緒「ツンデレじゃない！」

凛加蓮「「ははは、こやつめ」」

奈緒「むきぃーーーーーーーー！！！」

まゆ(仲がよろしいんですねぇ)ﾎﾝﾜｶ

――数分後――

奈緒「……以上がツンデレの定義だけど。どう？」

まゆ「……すみません、もう一度お願いします」

凛「あーもうさ、奈緒がプロデューサーと話してるの見ればいいんじゃないかな。その方が早いよ多分」

奈緒「扱いが雑！？」

加蓮「いやいや、割と間違ってないって。ほらちょうどプロデューサー戻って来たし。GO！」

奈緒「うわ、ちょ、押すな……っ！？」

P「ん？　どうした奈緒。何か用か？」

奈緒「うひゃあっ？！」

P「いや、そんな驚かなくても……」

P「ほーら奈緒、こっちおいでー？　おいたんとお喋りしようぜー」

奈緒「は、はあ！？　なんであんたなんかと話さなきゃ！」

P「よきかなよきかな。あ、良かったら飴ちゃん食うかー？　杏絶賛のやつ」

奈緒「子ども扱いしてんじゃねぇー！！」ｳｶﾞｰ

P「ははは……あ、そういえば今度の仕事の衣装、ゴスロリ風のになったから。ほらこんなの」

奈緒「は、はァ！？　嘘だろこんなフリッフリの！　絶対ェ似合わないって！　拓海さんに着せとけよ！」

P「お前は拓海をなんだと思って……まぁそのつもりだけど。ほら、奈緒もこういうの興味あるだろ？　さっきからチラチラ見てるし」

奈緒「べ、別に興味なんてねぇし！　ただちょっと驚いてるだけだし！」

P「やっぱ興味あるんじゃねーか。大丈夫大丈夫。絶対似合うから」

奈緒「……な、なら着るけど。か、勘違いするなよ？　Pさんが似合うって言うから着るだけなんだからな？」

P「あっはっは、奈緒は可愛いなぁ」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

奈緒「～～～～～っ！」