川崎「けーちゃんの」八幡「はじめてのおつかい?」 (109)

俺ガイルのSSです。

キャラ崩壊注意。

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小町「け──ちゃ──ん?」

皆『イズ、エンジェルッ!!!』シュビッ!!

結衣「えっ、なになに!? なんなのこれ!?」オロオロ

小町「さぁ始まりました、『やはり私たちのけーちゃんはこんなに可愛くないわけがない。 はじめてのおつかいスペシャル』!!」

皆『Yeahhhhhhhhhhhh!!!!』

結衣「え、だからなんなの? ていうかここどこ!? なんかテレビのスタジオみたいなところなんだけど!! あっ、カメラまである!?」

小町「本日の司会を務めるのはわたくし比企谷小町とー?」

雪乃「同じく司会を務めさせていただきます雪ノ下雪乃です、よろしくお願いします」

八幡「同じく司会の比企谷八幡だ、よろしく。ほら、由比ヶ浜マイク」

結衣「えっ、あたしもっ? あっ、えーと由比ヶ浜結衣です、よろしくお願いします……あはは……」

小町「他にも多数のゲストが後からやってくる予定になっておりますので、皆様お楽しみに!!」

結衣「えっと、ごめん。あたし事情全く分かってないんだけど……」

八幡「はぁ? なんだよお前モグリかよ」

結衣「え、なんかごめん……じゃないよ! あたし何も聞かされてないよ! なんだしモグリって!」

八幡「おいおい、今日は俺たち『京華様ファンクラブ』による超大人気番組『やはり私たちのけーちゃんはこんなに可愛くないわけがない。』の生放送の日だって言っただろ」

雪乃「そして今日はけーちゃんのはじめてのおつかいをリアルタイムで追跡しようという素晴らしい企画の日なのよね……ふふっ、楽しみだわ」

結衣「ええ!? 知らないよ!! 初めて聞いたよ!! 『京華様ファンクラブ』って!? 超大人気番組『やはり私たちのけーちゃんはこんなにも可愛い』って!?」

小町「はぁ~、結衣さんは何にも知らないんですねぇ~。さすがに小町的にポイント低いかもですよ」ヤレヤレ

結衣「知らないよ!! 何にも聞いたことないよ!! ていうかヒッキーたちがファンクラブに入ってるっていうことも今初めて聞いたよ!!!」

小町「はぁ、仕方ないなぁ。お兄ちゃん、雪乃さん、このファンクラブと番組について説明をお願いします」

八幡「『京華様ファンクラブ』っていうのは、あまりに可愛らし過ぎるエンジェルけーちゃんの魅力に取り付かれた者の集いだ。番組を放映する毎にファンは増え、今では会員はざっと53万人いると言われてるな」

結衣「53万人!!? ていうかこれ本当にテレビに流れてるの!!?」

八幡「ちなみに俺の会員ナンバーはNo.8だ。ふっ、世にも珍しい一桁‐選ばれし9人の守護神たち‐の一人なんだぜ」

結衣「知らないよ!!!」

雪乃「『やはり私たちのけーちゃんはこんなに可愛くないわけがない。』はけーちゃんの魅力についてたっぷりと語る偉大な番組よ。いつもは月曜日午後九時から放映しているわ。今の平均視聴率は20%前後だけれど、来月には倍になるでしょうね」

結衣「月9なの!!? しかも視聴率高ッ!! そして視聴率は一ヶ月で倍になるものじゃないよ!!」

雪乃「まぁ、今日は生放送だから、特別に日曜の正午から放送しているけれどね」

結衣「うう、奉仕部で日曜日に集まるなんて珍しいこと言われてウキウキしてたらまさか生放送でテレビに出るなんて……あれっ、じゃあ今あたしテレビに出てるの!?」

八幡「何を今更」

結衣「ええーっ!!! 聞いてないよー!!!」

スタッフ『現在視聴率30%を越えましたー』

雪乃「あら、まだ番組も始まって間もないというのに中々の盛り上がりね。それだけけーちゃんの姿を楽しみにしている人が多いということなのでしょうけど。ふふっ、分かるわ」

結衣「日曜の昼に視聴率30%はありえないよ!!!」

小町「ニコニコ生放送の方でも配信中なので、お出かけ先でもスマホで見ることが出来ますよー!」

八幡「おっ、ニコニコの来場者数も六桁越えたな。こりゃ番組終わる頃には七桁も夢じゃないな」

結衣「けーちゃん人気過ぎだから!?」

雪乃「それだけ観ている人が多いということは初めて観る人もいるのでしょうね……なるほど、由比ヶ浜さんはわざと無知の振りをして初見の人たちに説明をするように促したのね、さすがだわ」

結衣「そこまで考えてないよ!! 本当に知らないよ!!」

小町「あ、ゲストの方が到着されたようです! どうぞこちらの方へ!!」

結衣「うう、なんかもうついていけないよ……」

いろは「こんにちはー! 『京華様ファンクラブ』の一色いろはですっ、今日はよろしくお願いしますー!」

めぐり「こんにちはっ、同じく『京華様ファンクラブ』の城廻めぐりです。よろしくね~」

小町「けーちゃん?」

二人『イズ、エンジェルッ!!!』シュビッ!!

結衣「だからなんなのその挨拶!?」

八幡「いちいちうるさいな、『京華様ファンクラブ』の挨拶だよ。お前だっていつも変な挨拶してるだろ。ほら、矢ッ覇露ーだったか?」

結衣「変な挨拶じゃないよ……待って、今なんか文字おかしかったよ!? 気のせい!?」

雪乃「こんにちは御二人とも、歓迎するわ」

結衣「それにしてもいろはちゃん、城廻先輩……二人ともファンクラブだったんだね……」

いろは「当たり前じゃないですか~、今日は新旧生徒会総出で番組に関わってますよ~?」

結衣「ええっ!? あっ、本当だ! よく見たらあのカメラマンさん副会長だ!!」

本牧「あっ、どうも」ペコリ

めぐり「あのバレンタインデーのイベントの時に、けーちゃんに一目惚れしちゃったんだよね」

いろは「分かります分かります、わたしもあの時に一目見てズキューンって来ちゃったんですよねー!!」

結衣「あーもう、なんかどうにでもなれ……」アハハ…

小町「あっ、今現場にいるスタッフから連絡です! けーちゃんが玄関から出たようです!」

皆『Yeahhhhhhhhhhhh!!!!』

めぐり「もしもし、みんな、カメラの用意は平気? 絶対にけーちゃんに気付かれたら駄目だからね?」

メンバー『御意』

八幡「城廻先輩の生徒会メンバーの強力を得られたのは大きかったな。けーちゃんに気付かれないようにカメラを持って追跡できるような手練なんてそうそういないからな」

めぐり「ううん、みんなもファンクラブの一員だもん。喜んで引き受けてくれたよ」

結衣「うわぁ、なんかあたしの思ってる以上に大事になってる気がする……」

小町「川崎家前から中継繋がりました! モニターをご覧ください!!」

LIVE 川崎家前

川崎『けーちゃん、本当に大丈夫?』アセアセ

京華『うん、だいじょーぶっ!』


小町「けーちゃんです!! けーちゃんがッ、今ッ、この世に姿を現しましたァ──ッ!!!」

皆『けええええええええええちゃあああああああああん!!!!』ワァァァアアア!!!

結衣「だからなんなのこのハイテンション!!?」

八幡「ううっ、けーちゃんが……けーちゃんが……」ウルウル

結衣「なんで泣いてるのヒッキー!?」

八幡「は? そりゃお前泣くだろ常識的に考えて。現世の天使だぞ、けーちゃんは。この世にけーちゃんが生まれてきてくれたことと、それに巡り合えたことに圧倒的感謝」

結衣「何言ってるのか意味分からないんだけど……ねぇ、ゆきのん?」

雪乃「けーちゃん……今日も麗しいわ……」ウルウル

いろは「やっぱり、けーちゃんは天使ですねー……」ウルウル

めぐり「あはは、けーちゃんを見ると今日も一日頑張れるような気がするよね」ウルウル

結衣「みんな泣いてるし!?」

LIVE 川崎家前


川崎『いい? けーちゃん、この先にあるスーパーでこのメモに書いてある物を買ってくるんだよ?』

京華『うん、わかったー』

川崎『道に迷ったらこの地図を見てね。お財布持った? 携帯持った? GPS持った? 発炎筒持った?』

京華『さーちゃん、これ重ーい』

川崎『そう……じゃあ発炎筒はやめようね……』

結衣「沙希!? 何持たせようとしてるの!!?」

雪乃「緊急時用の発炎筒よ。常識ね」

結衣「はじめてのおつかいに持たせるものじゃないよ!!」

八幡「まぁ、今回は城廻先輩の生徒会メンバーも含めて100名程度がけーちゃんの行く先行く先に配備されてるからな、平気だろ」

結衣「多いよ!!!」

八幡「はぁ!? お前もしヤーさんがけーちゃんの身を狙ってきたらどうするつもりだ!!」

結衣「逆ギレされた!!?」

雪乃「そうよ、由比ヶ浜さん。むしろこれでも少ない方よ」

結衣「ゆきのんまで!? うう、あたしがおかしいのかなぁ……」

LIVE 川崎家前


川崎『じゃあ、お願いね。けーちゃん』

京華『うん! じゃあ行ってきまーす』

川崎『じゃあ、ほら、手を繋いで』

京華『? さーちゃんもいくのー?』

川崎『あっ、つい……やっぱあたしも行』

大志『姉ちゃんまで行ったら意味ないじゃん……』ガシッ

川崎『離して大志!! あたしが、あたしがいないとけーちゃんは──!!』

京華『行ってきまーす』ブンブン

大志『行ってらっしゃーい』ブンブン

川崎『離せ大志ィ!! あたしも行ってやらないと、けーちゃんが!!』バタバタ

大志『うわっ、暴れないでよ姉ちゃん! ちょっとスタッフさん手伝ってくださいっす!』アワアワ

小町「こうして、一人でおつかいにでかけたことになったけーちゃん」

小町「でもでもっ、やっぱりはじめてのひとりでのおつかいは心配……」

小町「けーちゃんはおつかいを成し遂げることは出来るのでしょうか!! CMの後も、チャンネルはそのまま!!」

本牧「CM入りまーす」

小町「ふぅ、じゃあとりあえずCMが明ける前に次のゲストさんの準備と、沙希さんをこちらに連れてきてね」

スタッフ『御意』シュタッ

結衣「ぜ、全然ついていけないよ……なんなのこれ……」

八幡「よし、これからが本番だぞ。けーちゃんの素晴らしさを世界に広めるんだ」

雪乃「言われなくても分かっているわ」

八幡「けーちゃんっ!」

皆『イズ、エンジェルッ!!!』シュビッ!!

結衣「だからなんなのこれ~~~~!!」

めう、もうシリアス書きたくないめう。
ギャグSSだけ書いて生きていきたいめう。

書き溜めしてから、また来るめう。

本牧「CM明けまーす」

チャラチャラチャーン♪

小町「はーい、みなさーんっ! けーちゃんっ!!」

皆『イズ、エンジェルッ!!!』シュビッ!!

結衣「これ毎回やるの!?」

小町「さぁ、いよいよ家を一人で出たけーちゃん! けーちゃんは、一人でおつかいを済ませられるでしょうか!?」

雪乃「心配ね……本当に一人で大丈夫かしら……」

八幡「大丈夫だ。俺たちのけーちゃんを信じよう」

いろは「そうですよー、きっと大丈夫ですよー」

めぐり「そうだよー、だからみんなでけーちゃんを信じようっ! ね、はるさん?」

陽乃「そうだね、わたし達が信じなくてどうするのかな?」

陽乃「雪乃ちゃんも昔、一人ではじめてのおつかいをした頃は可愛かったなー、確かあの時──」

雪乃「ちょっと待ちなさい、姉さん、それ以上いけないわ」

陽乃「迷子になった雪乃ちゃんが泣きながら──」

雪乃「ちょっ、姉さん、やめっ、おいちょっとカメラ止めろ」

八幡「お前キャラブレてんぞ」

結衣「あ、あはは……ん、あれ?」

いろは「ほえ?」

陽乃「ん? どうしたの?」

雪乃「何故……姉さんがここにいるの?」

八幡「いつの間に……」

小町「あ、紹介が遅れました! ゲストの陽乃さんでーすっ!」

陽乃「ひゃっはろー! 『京華様ファンクラブ』の雪ノ下陽乃でーす、よろしくねー」

結衣「陽乃さんもファンクラブだったんですか……」

陽乃「うん、この前のチョコ作りのイベントの時に見かけて、可愛い~って思っちゃってさー」

めぐり「私と同じですねー」

結衣「へぇ、そうだったんですか」

結衣(あれっ、この調子だと……確かあの時にイベントにいた人って他にも……)

スタッフ『川崎沙希さん、到着されました!』

小町「あ、本当ですか? 皆さん、けーちゃんのお姉さん、川崎沙希さんもスタジオに到着されたそうです! 拍手でお出迎えください!」

小町「川崎沙希さん、どうぞ~!!」

パチパチパチパチパチパチパチパチ!!

川崎「ど、どうも……」ペコリ

小町「ようこそ、沙希さん! 今日はここからけーちゃんを見守っててくださいね!」

川崎「ほ、本当にここからでいいのかな……やっぱりあたし、けーちゃんと一緒に行った方が良かったんじゃ……」

八幡「気持ちは分かるが、それじゃ意味ねぇだろ」

小町「それに大志くんも近くからけーちゃんの後を追ってますから、大丈夫ですよー。あ、こちらの席にどうぞ」

川崎「あ、ありがとう……」

結衣「あ、沙希、やっはろー」

雪乃「こんにちは」

川崎「あ、うん……」ペコッ

陽乃「や、挨拶するのははじめましてかな、雪ノ下陽乃でーす」

川崎「どうも、川崎沙希です……あの、雪ノ下ってことは……」

雪乃「私の姉よ」

小町「雪ノ下家はこの番組、及びファンクラブのスポンサーですからねー」

結衣「そうだったの!?」

川崎「ああ……いつもお世話になってます。おかげで家計も随分と楽になって……」

陽乃「気にしなくていいよー。あーでもいいなー、わたしもけーちゃんのような妹がいたらなー」

雪乃「む……」

陽乃「ねね、ちょっとの間でいいからけーちゃんを私の妹に──」

八幡「ちょっと雪ノ下さん、抜け駆けはよくないっすよ。けーちゃんを妹にしたいなんて、ファンクラブの皆が思ってることなんですから。俺も含めて」

小町「お兄ちゃんっ!?」

めぐり「そうですよー。はるさん、だめですよー」

陽乃「ちぇっ。まぁ、この話はまた今度ね」

小町「ちょ、お兄ちゃん……あっ、ただいまけーちゃん、最初の分かれ道に辿り着いたようです! 中継入ります!」

LIVE スーパーへの道中

京華『うーん』キョロキョロ


小町「おっとけーちゃん、まさか最初の曲がり道を右に曲がるか左に曲がるか忘れてしまったかー!?」

結衣「わ、でもきょろきょろしてる京華ちゃんも可愛いね。ね、ヒッキー」

八幡「けええええええちゃんかわええええええええええええええええ!!!」ガタッ!!

結衣「そこまで!!?」

雪乃「小町さん、この映像は後で必ず頂けるのでしょうね!!?」ガタッ

いろは「ちょっと、わたしも欲しいんですけどこれっ!!」ガタッ

陽乃「お金に糸目はつけないよ!!」ガタッ

結衣「食いつきすぎだし!!」

沙希「やっぱりあたし、けーちゃんのところに戻る!!」ガタッ

結衣「そして沙希は落ち着いて~!!」ガシッ

京華『う~ん……』キョロキョロ


小町「けーちゃん、どっちに進むべきか悩んでいるようです! ちなみに正解は右側だよけーちゃん!!」

京華『こっちー』トテトテ

小町「な、なんとぉ!! ここでけーちゃん、間違って左側に進んでしまったぁ~!!」

八幡「けーちゃあああんっ!! 違う、右だっ、右だあああっ!!」

雪乃「戻ってけーちゃんっ、右、右よおおおっ!!」

結衣「ここから言っても聞こえないよっ、ちょっと落ち着こうよ!!」

めぐり「でもそんなけーちゃんも可愛いね~」ホンワカ

皆『アグリー』ウンウン

結衣「みんな仲良いね……」

京華『う、うーん?』トコトコ


小町「おっと、けーちゃん、いつもの道とはちょっと違うって気付いたかな? でもそのまま真っ直ぐ進んじゃってるー!」

八幡「まぁ、もしも最初の道で左に進んでしまってもいいように、そっちにも人員を配置してるんだけどな」

結衣「無駄に用意が良い!!」

雪乃「少々遠回りにはなるけれど、そちらからでも目的地に行けるように誘導してあげる必要があるわね」

川崎「分かった……あたしの出番みたいだね」スクッ

八幡「お前は座ってろ」ガシッ

川崎「ちょっ、いきなり触らないでよ!」ペシッ

結衣「でも誘導って言ってもどうするの?」

いろは「そのための人員配置ですよー。あ、もしもし、B地点にけーちゃんが向かいましたので、至急ルートの訂正をお願いしますー」

結衣「……これ、どんだけ念入りに準備されてるの……?」

京華『ここ、どこー……あれっ』

海老名『スーパーのチラシをお配りしてまーす、よろしければどうぞー』

京華『スーパー……』

三浦『ねぇねぇ、あーしこのスーパー行きたいんだけどさ、このスーパーってどこにあんの?』

海老名『このスーパーはね、あっちにあるんですよー』ユビサシ

三浦『へぇ、このスーパーはあっちにあんのね』ユビサシ

京華『スーパー……あっち……』トコトコ


小町「おっと、たまたまいたスーパーの宣伝のお姉さんに助けられて、進むべき道に進んでいきましたねー」

結衣「姫菜と優美子じゃん! 何やってんの二人とも!?」

八幡「何って、二人ともファンクラブとして番組の手伝いなんだが」

結衣「そうだったの!? あたし知らなかったんだけど!!」

小町「しかし道は進んだとはいえ、一度間違えてしまったせいで遠回りのルートになってしまいました。はたしてここからけーちゃんはスーパーに辿り着けるのか?」

結衣「ぜ、全然どういう状況なのか分からないよ~……ほんと、何があったの……?」

今日はここまで。
勢いだけでスレ立ててしまったので、全然どう進行していこうか決めてないんですけど、まぁ思いつく限りで書いていきたいと思います。

書き溜めしてから、また来ます。

小町「さて、ここから大通りまで戻れれば、あとはスーパーまで一直線なんですけどねー」

川崎「でも確か、あそこからだと結構道複雑だと思うんだけど。道を間違えるとは思ってなかったから、渡した地図にはあそこら辺の道は書いてないよ」

小町「だ~いじょうぶですよ沙希さん! 我々ファンクラブの面々が、目的地に辿り着けるように全力でサポートしますから!」

川崎「なら、いいんだけど……」


蝶々『ヒラヒラ~』

京華『あ、ちょうちょだ~』トテテ


結衣「ちょ、ちょうちょを追いかけてどっか行っちゃったよ!」

八幡「なにぃぃぃいいい!!」

雪乃「抜かったわ……けーちゃんの行く道の先に潜む全ての昆虫を根絶やしにすべきだったわね」

結衣「それはやりすぎじゃないかな……」

小町「いやーでも、蝶を追いかけてるけーちゃんも可愛いですねー」

めぐり「そうだねー、ほっこりするねー」

八幡「やはりけーちゃんは最高だぜ! ……ん、おい、どこまで行くんだ?」

雪乃「待って、あの道の先は──」


車『ヒアウィゴー!!』プップー!

京華『──え?』


皆『ええええええええええええ!!!?』

陽乃「まずい、あそこからじゃ、あの速度の車のブレーキは間に合わない……!」

いろは「ちょ、ええ!?」

結衣「え、う、嘘でしょ!?」

小町「こ、こんなの聞いていないですよ!!」

けーちゃん、

八幡「車が、止まらな──」

君を、

川崎「けーちゃん!!!」


葉山『助けに来た!!』ビュッ

京華『ふえっ?』


皆『葉山(くん、先輩、さん、隼人、隼人くん)ぁぁぁあああっ!!!』

葉山『間に合って良かった……怪我はないかい、けーちゃん?』

京華『う、うん……あれ、なんでなまえしってるのー?』

葉山『あ、いやそれは……』


小町「ななななんと、突如イケメンが飛んできたと思ったら、車に轢かれる寸前だったけーちゃんを助けた──!?」

八幡「よくやった葉山ぁ!! 今さりげなく抱きかかえてたことに関してはその功績に免じて許してやるぜーっ!!」

いろは「葉山先輩かっこいいですー!」

川崎「よ、よかった……」ホッ

陽乃「やるねぇ、隼人。これはファンクラブ幹部昇進も見えてくるんじゃないかなー?」

結衣「あ、やっぱり隼人くんもファンクラブだったんだ……今更驚かないけど……」

三浦「きゃああああああああ! 隼人―っ!!」

海老名「さすが隼人くんだねぇ」

結衣「うわわっ! 優美子、姫菜、いつの間にこのスタジオに!?」

葉山『ところでけーちゃんは、どこかに行くつもりだったのかな?』

京華『えーっとね、このスーパーにいきたいのー』

葉山『本当かい? ちょうど、自分もそのスーパーの近くにまで行くつもりだったんだ。良かったらそこまで案内するよ』

京華『ほんとー?』


小町「おっと、ここでけーちゃんを助けただけじゃなくて、さりげなく道案内まで買って出ましたねー」

陽乃「ファンクラブの鑑だねぇ。これはお姉ちゃん的にポイント高いなぁ」

小町(取られた!?)

八幡「ちょっと雪ノ下さん、さりげなくお姉ちゃんポジに立とうとしないでください」

陽乃「えぇ~、比企谷くんのケチ~」

八幡「はっ、待てよ。大志にお兄さんと呼ばれている俺は実質けーちゃんのお兄ちゃんなのでは……」

川崎「あんたちょっと表出な」

小町「あっ、でもお兄ちゃんが本当にけーちゃんのお兄ちゃんになる方法ならあるよ」

八幡「大志にお前はやらん」

小町「は? 何言ってんのお兄ちゃん。小町が言いたいのはー、ほら、お兄ちゃんが沙希さんと結婚したらけーちゃんからお兄ちゃんって呼ばれてもおかしくないでしょ?」

結衣「え、えええ!?」

川崎「ばっ、バカじゃないの!? な、なんでこんなのとけ、結婚とか、あ、あるわけないしっ!」

八幡「そうだぞ小町。大体俺は養ってくれる人としか結婚しな……いや、でもけーちゃんが義妹になるなら働くのも悪くないか……?」

川崎「へあっ!!?」

結衣「ちょ、ちょっとヒッキー! 何言ってるの!!?」

川崎「あああ、あいつとけ、けっこ、いやいやあ、ありえ、ないし……」プシュー


八幡「つかそれお前もけーちゃんにお姉ちゃんって呼ばれたいだけじゃねーか」

小町「えへへー、バレたー?」

葉山『じゃあ、けーちゃん。この先真っ直ぐ歩けば、スーパーに着くよ』

京華『うん! ありがとう葉山お兄ちゃん!』

葉山『──……おっと、思わず現世から離れるところだった……。あ、ああ、けーちゃんも気を付けてね。もう道路に飛び出したらダメだよ』

京華『わかったー』


小町「あ、葉山さんの案内でスーパーの近くにまで辿り着いたみたいですねー」

雪乃「もしもし、私だけれど……ええ、葉山くんを……ええ、許せないわ、確実に……消す」

結衣「ちょっとゆきのん!? なんかすごい物騒な言葉が聞こえてきたよ!?」

雪乃「分かって頂戴、由比ヶ浜さん。これは仕方のないことなのよ」

結衣「仕方がないって、なにが?」

雪乃「けーちゃんにお兄ちゃんと呼ばれた葉山くんがうらやま──憎いのよ」

結衣「完全にワガママだ!?」

八幡「まったく、何考えてんだお前は」

結衣「あ、ヒッキーは意外とまともな反応なんだね」

雪乃「でも……」

八幡「あいつは俺がこの手で直接殺す」

結衣「やっぱりダメだった!」

三浦「ごめん隼人、でも……あーしもちょっと許せない」

いろは「あ、ファンクラブによって葉山先輩拘束したらしいですよー。どうしてやりましょうかねー」

結衣「優美子といろはちゃんまで!? ていうか捕まったの!? 離してあげようよ!」

陽乃「まぁまぁ、隼人の処刑方法は後で話し合うとして。今はけーちゃんのことを見守ろうよ」

皆『は~い……』

結衣「出来れば、処刑しない方向で話し合って欲しいんだけど……」

本牧「あの、そろそろCM入りまーす」

小町「え、これからけーちゃんがスーパーに入ろうってタイミングで!?」

八幡「くっ、これが生放送故の弱点か……!」

いろは「ちょっと副会長、どうにかしてくださいよー」

本牧「しかし、今入れないと時間が……」

陽乃「あ、もしもし。わたしだけど。うん、ちょっとさ、わたしの機嫌を損ねないで欲しいんだけど──うんうん、分かった。じゃあお願いねー」

本牧「……えっと、CMは後回しでオーケーだそうでーす」

めぐり「わっ、よかったねー」

海老名「親切なスポンサーさんなんだねー」

結衣「いやいやいや、今思い切り脅してたような──」

陽乃「ガハマちゃん?」ニコリ

結衣「あ、あはは……」プルプル

LIVE スーパー前

京華『ここ、さーちゃんといつも来てるとこー』トテテ


小町「おおっと、さーちゃんがとうとうスーパーに到着されましたねー」

川崎「だ、大丈夫かな……」オロオロ

結衣「沙希は心配し過ぎじゃない? 京華ちゃんなら平気だと思うけど……」

雪乃「本当に大丈夫かしら……さっきも車に轢かれそうになったし……今度は棚が倒れてくるかもしれないわ、スーパーにある商品を全て撤去しましょう」キリッ

結衣「うん、ゆきのんはもっと心配し過ぎだと思うよ」

八幡「ま、あのスーパーの中にいる店員も客も全員ファンクラブだし、そうそう変なことは起きないだろ」

結衣「全員!? え、まさかあの店今日はファンクラブの人で貸し切ったりしたの!?」

川崎「いや、いつもけーちゃんとあの店に買い物に行ってたら、いつの間にか皆ファンクラブに入ってて……」

結衣「京華ちゃん凄過ぎない?」

小町「あ、けーちゃんがスーパーの中に入りましたよー」


京華『わー、じどードアだー』ウィーン

店員達『『『いらっしゃいませ京華様!!!』』』ズラッ!!

店員『ようこそお越しくださいました、京華様』

店員『なんでもお申し付けくださいませ、京華様』

店員『本日お求めの品はどちらでございましょうか、今すぐご用意させます』


結衣「京華ちゃん凄過ぎない!?」

めぐり「すっごい親切な店員さんたちだねっ」

いろは「へー、随分イケメン揃いなお店ですねー」

雪乃「あら、この店は商品を店員が揃えてくれるのね」

結衣「いやいやいや、最初から店員さんに揃えさせたら意味ないから。それ最終手段だから」

陽乃「仕方ないなぁ……あ、もしもし、悪いんだけど、けーちゃんに買い物は全部やらせてあげて。うん、何かあったら全力でサポートで、うんお願いね」

結衣(そしてこの人はどこまであの人たちを自由に動かせるんだろう……?)

結衣「そういえば、けーちゃんは何のおつかいに来てるの?」

川崎「今夜作るつもりだったのカレーの材料。ルー、にんじん、じゃがいも、たまねぎとか」

八幡「ま、定番どころだな」

結衣「カレーかー、でもなんか果物入れるといいとか言うよね! 桃とか入れるといいんじゃないかな?」

八幡「由比ヶ浜……全国のお茶の間に馬鹿を晒したくないなら黙ってた方がいいぞ……」

結衣「さすがに酷くない!?」

陽乃「でも桃カレーなら、本当にあるよ」

八幡「マジで!?」

テロップ『マジです』

LIVE スーパーの中

京華『えっと、何買うんだっけー……』ウロウロ


結衣「って、忘れてるじゃん!」

川崎「買う物のメモ渡したんだけど……それ自体忘れてそうだね」

八幡「でも、うろうろするけーちゃんもやはり可愛いな」

皆『それはわかる』ウンウン

結衣「みんな、息ぴったりだね……」

雪乃「しかし参ったわね、買うものも分からなければおつかいにならないわ」

三浦「またあーしが行く?」

海老名「お、私たちの出番かな?」

八幡「さすがにここからスーパーまで行くのは手間だろ。大丈夫だ、ちゃんとあのスーパーの中にも人は用意してある」

京華『どれだっけー……あれ?』

戸塚『今日の晩ご飯は何がいいかなーって悩んでるんだ』

材木座『うむ、ならばカレーなどはどうだ? やはり王道こそが一番であろう』

戸塚『カレーかー、いいねー』


小町「おっと、買い物が何か忘れてしまったところに二人の男子高校生がやってきました」

結衣「さいちゃんに中二じゃん! やっぱりあの時のバレンイタインの時のメンバー多いなぁ……」

八幡「まぁ、二人ともけーちゃんと直に会話したからな。一瞬で墜ちてた」

結衣「そ、そうなんだ……」

本牧「あの、今出てきたうちの一人は男子高校生じゃなくて女子高生じゃないかってクレームが何件も……」

結衣「ええっ!?」

八幡「……ま、仕方がないな。だが──男だ」

いろは「はー、まぁ戸塚先輩可愛いですからねー」

本牧「あの、今度はもっと詳しくという電話が多数!」

八幡「うるせぇてめぇらそんなに聞きたかったら聞かせてやるよ戸塚の天使っぷりを!!」

雪乃「よしなさい、今はけーちゃんの番組よ」

八幡「う、すまん……」

結衣「ヒッキーって、京華ちゃんのファンクラブに入ってからもさいちゃんへの態度変わらないんだね……」

京華『さいちゃんだー』トテテ

戸塚『こんにちは、京華ちゃん! 今日はどうしたのかな?』

京華『おつかいー』

戸塚『一人で? 偉いねー』

材木座『けぷこんけぷこん』

京華『あ、ざいもくざ』

材木座『や、やっぱり呼び捨て……しかし我ら親衛隊からすれば身に余る光栄! 忘れはしないぞ、この幸福を!!』

戸塚『それで、京華ちゃんは何を買いに来たの?』

京華『えっとねー、わすれた』

戸塚『あ、あはは……それじゃ、川崎さんに何かメモか何か貰わなかった?』

京華『あ、もらったー!』

戸塚『じゃあ、それを見てみようか』

小町「戸塚さんファインプレーですよ! 自然な流れでけーちゃんにメモを思い出させましたねー」

八幡「おお、けーちゃんと戸塚……ダブルエンジェル……すばらっ!!」クワッ

いろは「まぁ、絵になる二人ですよねー」

八幡「こうしちゃいられねぇ、おい早急に二人の写真集をだな」

雪乃「落ち着きなさい──でも、けーちゃんの写真集というのは悪くないアイディアね」

川崎「ちょっと、勝手に話進めないでくれない?」

陽乃「うちさぁ、腕のいいカメラマン用意出来るんだけど……撮ってかない?」

川崎「是非よろしくお願いします」フカブカー

結衣「早いよ!」

めぐり「あはは、じゃあ私もできたら欲しいな~」

三浦「ちょっと、それあーしらも買えるの?」

海老名「ふふふ、写真集となれば黙っておれませんなー」

小町「えー、テレビの前の皆さん! けーちゃん写真集の詳細は後々ホームページなどで公開していきますので! お楽しみに待っててくださいねーっ!!」

皆『ウォォォオオオッ!!!』

結衣「うわ、なんか決まっちゃったような流れになってる……」

戸塚『それで、メモには買う物は書いてあった?』

京華『うん、カレー!!』

戸塚『そっか、カレーなんだ! それにしても京華ちゃんは文字も読めて凄いねー』

京華『えへへー』

材木座『む、カレーか。奇遇だな、丁度我らもカレーの食材を買おうとしていたところだったのだ』

戸塚『ぼくたちもカレーの材料を買おうと思ってたんだ。よかったら一緒に回ってみない?』

京華『いくー!』


小町「お、ナイスアシストですねー。でもひとりでのおつかいという名目でこれはセーフですかね」

八幡「戸塚もそれは分かってるし、上手く線引きは出来るはずだ。まぁこのスーパー結構広そうに見えるし、道案内くらいいた方がいいだろ」

海老名「私たちもスーパーの中で待機してたかったなー、そうすればけーちゃんとお買い物出来たかもしれないのにねー」

三浦「ちっ、くじの引き運が悪かったね」

結衣「そんなことやってたんだ……」

平塚「君たちはまだいいだろう……自分の配備位置に、けーちゃんが来なかった人だっているんだ」

結衣「ってうわぁ! 平塚先生!?」

小町「わ、いつの間に……と、特別ゲストの平塚静先生でーす」

平塚「私はけーちゃんが最初の道を間違えなかった先のところにいたんだがな……こちらの方に来なかったものでな……」

八幡「先生……けーちゃんの帰り道も考えてくださいよ、帰りは通常ルート通って帰らせるつもりなんですから、その元の道をけーちゃんが通る予定なんですけど」

平塚「しまったぁ! こうしちゃおれん、すぐに戻る!!」ピュー

八幡「……何がしたかったんだろ、あの人」

戸塚『メモには、何を買えばいいって書いてあるー?』

京華『えっとねー、ルーとー、じゃがいもとー、にんじんとー、たまねぎ!』

戸塚『よく言えました! じゃあそこに野菜のコーナーがあるから、そこから行ってみようか?』

京華『うんっ』

材木座『わ、我の出番が……』


LIVE 野菜売り場

戸塚『じゃ、買うものを捜そうか?』

京華『にんじん~』

戸塚『うん、にんじんだねー。じゃ、京華ちゃん取れる?』

京華『うんっ! ……ん~』プルプル ピョンピョン

戸塚『だ、大丈夫? やっぱぼくが──』

京華『あっ、取れたー』パアッ

戸塚『よ、良かったー、じゃあカゴに入れて、次捜そうか?』

京華『さがすー』

雪乃「ごめんなさい、少しティッシュを分けてはもらえないかしら」タラー

結衣「えっ、どうしたのゆき──って鼻血出てるよ! 大丈夫!?」

雪乃「え、ええ、平気だから早くティッシュを……」

スタッフ『ご用意いたしました』シュッ

雪乃「助かるわ……」

海老名「ぐふ、ぐふふ……」タラー

三浦「あ、ほら海老名、あんたもティッシュもらいな」

川崎「……今度、けーちゃんと買い物に行く時はけーちゃんに物を取らせよう……」タラー

八幡「おい川崎、鼻血拭け、鼻血」

雪乃「やはりけーちゃんの可愛さは罪ね、罪」キリッ

結衣「ゆきのん、鼻血垂らしながら言ってもかっこつかないよ……」

戸塚『野菜は揃ったみたいだね、次はルーを買いに行こうか』

京華『ルー!』

材木座『うむ、やはりルーこそがカレーの主役よ!』


戸塚『じゃあ、ルーを……あれっ、京華ちゃんどこ行っちゃったの?』

材木座『ほふん、どうやらお菓子コーナーに行ってしまったようだな』

京華『おかしー』


小町「おっとけーちゃん、ここで目的を忘れてお菓子コーナーに突撃だぁぁぁーっ!!」

川崎「ちょっとけーちゃん! 今日はお菓子は買わないよー!」

八幡「あーでも分かるな、結局子どもにとってお菓子のところって、スーパーで唯一遊べるところみたいなところあるからな」

結衣「あたしも分かるー、なんでかいっつもお菓子のとこに行っちゃうんだよねー」

陽乃「ふむ、お菓子でけーちゃんを釣る……そういうのもあるかもね」

雪乃「ちょっと姉さん、変な企みはやめなさい」

戸塚『ちょ、ちょっと京華ちゃん、今日はカレーの材料を買うんだよね?』

京華『ぷりきゅあー』

戸塚『あ、えっと、京華ちゃん?』

材木座『むっ、ラ! の新作ではないか!』

戸塚『ちょっと材木座くんまで……』


八幡「俺もけーちゃんとプリキュア観てぇ……今度の日曜の朝、川崎の家に行っていいか?」

川崎「は、ははは、はぁ!? い、いいわけないでしょ!?」ガタッ

結衣「ちょ、ちょっとヒッキー、何言ってるの!?」ガタッ

小町「あれ、これはもしかしてチャンス……?」

雪乃「比企谷くん、抜け駆けはよくないわ」

陽乃「それは私も許せないかなぁ……いくらファンクラブの幹部とはいえ、調子に乗っちゃダメだよ?」

結衣「ヒッキー、幹部なんだ……」

八幡「だ、だって考えてみてくださいよ、アニメに夢中になってるけーちゃんとかめちゃくちゃ見てみたいに決まってんじゃないですか!!」

陽乃「む……じゃあ、その様子を録画して配信してくれるなら見逃してあげてもいいよ」

川崎「そ、そんな……いきなり家になんて……その」アタフタ

小町「んー……こっちの方も進展してくれないかなー……」

京華『カレー!』

戸塚『ふう、やっとお菓子コーナーから離れてカレーの方に行ってくれた……』

材木座『時に京華殿、どのルーを選ぶのだ?』

京華『これー!』

材木座『む、プリキュアカレー……』

戸塚『あ、あはは……いつも川崎さんたちと食べてるのは、どれなのかな?』

京華『これー!』

戸塚『じゃあ、そっちを買ってあげた方が、お姉ちゃん達も喜ぶんじゃないかな……?』

京華『じゃあこっち買うー!』

戸塚『うんっ! じゃあこれで揃ったね、カゴに入れてレジに行こっか?』

京華『いくー!』

小町「うーん、戸塚さんがあそこについててくれて良かったですねー」

川崎「別にあのカレーでも良かったけど……今度買ってあげるか」

八幡「ほう、プリキュアカレー……一度食ってみたいとは思ったが、さすがにウチで作るわけにもいかなかったからな……川崎、それを作る時は俺も呼んでくれ、食いにいく」

川崎「えっ、……ええ!? ちょ、そんないきなり……」

いろは「あっはっは、先輩はたまに面白いこと言いますねー」ゲシッゲシッ

八幡「痛い痛い、あの、背中蹴るのやめてくんない?」

めぐり「私もけーちゃんと一緒にカレー食べたいなー」グリグリ

八幡「あ、あの、城廻先輩、後ろから頭グリグリってやるのやめてください、地味に痛いです」

雪乃「……」フミフミ

八幡「お前も無言で人の足踏むのやめてね? つかどんどん体重がかかってきて痛ぇよ!!!」

結衣「……」ズビシッ

八幡「由比ヶ浜も人の脇腹を指で刺すのやめろ痛ぇから!!」

小町「なんだか面白い状況になってきましたねー」

陽乃「うーん、けーちゃん大人気だねー」

小町「え、ええ……そうですね……お兄ちゃんも大概だけどなぁ……」

LIVE スーパー レジ前

レジ店員(頼む、俺のところに来てくれ……)

レジ店員(けーちゃん、私のところに来て!)

レジ店員(カモン、マイエンジェルけーちゃんっ!)

戸塚『じゃあ、レジの人にカゴを渡そうか』

京華『おねがいしまーす!』

レジ店員『いらっしゃいませ、こちらお預かりいたします』

レジ店員(っしゃあああああああああああっ!!!)

レジ店員((ちくしょおおおおおおおおおおおっ!!!))


レジ店員『こちら×××円になります』

京華『これでー』

レジ店員『はい、千円お預かり致します。こちらお釣りお返し致します、ありがとうございました』

他店員『『『ありがとうございました!! またお越しくださいませ、京華様!!!』』』

京華『またくるー』バイバーイ

店員達『『『ぐはあっ!!』』』キュンッ

小町「お会計は何の問題もなく終わりましたねー!」

川崎「ふぅ、よかった……」

結衣「いや、店員さん達みんな倒れちゃったよ!? 別の意味で問題ありまくりだよ!?」

八幡「けーちゃんの微笑みを食らって死ねるなら、皆本望だろうさ」

雪乃「ふふっ、そうね。私も死ぬのであればけーちゃんの笑みを最期に見たいものだわ」

海老名「ぐふふ、あのけーちゃんの笑顔を見て死ねるのなら私もホんモぅぐばぁっ!!」ブシャー

三浦「ちょっと海老名、ほらチーンしな」

結衣「いやいや、ティッシュじゃどうにか出来ないくらい血出てるよ!」

LIVE スーパー前

戸塚『ここでバイバイだね、京華ちゃんはここからあっちの方に帰るんだよね?』

京華『うん!』

戸塚『じゃあ迷子にならないように気を付けてね、またね!』

材木座『うむ、さらだばー! ……あれ、我なんの役にも立ってないような……』

京華『ばいばーい、さいちゃん!』

材木座『我も! 我の名前も呼んでぇぇぇえええ!!』


小町「ようやく買い物を終えられたけーちゃん、しかし買い物は家に帰るまでが買い物ですよ!」

八幡「どこの遠足だよ……」

本牧「そろそろ本当にCM入りまーす」

小町「はい、お願いしまーす」

いろは「ちょうどキリいいですしねー」

小町「それでは後半戦も、けーちゃんの可愛さを全国にお伝えしていきます! けーちゃんっ!!」

皆『イズ、エンジェルッ!!!』シュビッ!!

結衣「や、やっぱり皆についていけないよ~……」

めぐりのバレンタインデーの方にかかりっきりで少々時間が空いてしまいました、申し訳ないです。
そういえば、めぐりんとけーちゃんの中の人って同じなんですね。最近知りました。アイマスやってた頃は雪歩Pだったこともあって奇妙な縁を感じます。

あと数回の更新で終わると思いますので、よろしくお願いします。
それでは書き溜めしてから、また来ます。

本牧「CM明けまーす」

チャラチャラチャーン♪

小町「はーい、みなさーんっ! けーちゃんっ!!」

皆『イズ、エンジェルッ!!!』シュビッ!!

結衣「CM一本しか流れてないよね? これさっきからたった15秒しか経ってないよね?」

雪乃「細かいことは気にしない方がいいわよ」

結衣「気にするよ! 後回しにされた上に一本しかCM流れなかったスポンサーさんが可哀想だよ!」

八幡「視聴者もCMよりけーちゃんの方が見たいに決まってるだろ」

結衣「そりゃCMが見たくてテレビ観てる人はあんまりいないだろうけど! あっ、ごめんなさいそういうつもりじゃ」アワワ

陽乃「本当に気にしなくていいんだよ、ガハマちゃん。だってスポンサーの人たちも、けーちゃんの方が見たいって言ってるんだから」

結衣「スポンサーの人もファンクラブなんですか!?」

陽乃「ちょっとけーちゃんの写真渡して『あなたはだんだんけーちゃんのことが可愛く見えてくる~』って呟いたら、ちょちょいと」

結衣「それは洗脳か何かですよ!!」

LIVE スーパー前

京華『ふんふふ~ん♪』


小町「スーパーから出て、家に帰ろうとするけーちゃん。今のところは順調に帰宅コースですね」

八幡「おっとメールだ」フンフフ~ン♪

雪乃「奇遇ね、私にもメールが来たわ」フンフフ~ン♪

いろは「あ、わたしのところにもメールが」フンフフ~ン♪

結衣「いつの間に今の京華ちゃんの歌を着信音にしたの!?」

川崎「ん、あたしの携帯にもメールが」サーチャン、ダイスキ!!

八幡「うらやまじぃぃぃいいい!!!」バンバンバン!!

結衣「そこまで!?」

雪乃「くっ、さすがに実の姉の方がアドバンテージがあるようね……」

陽乃「あら、わたしのとこにもメールが」オネェチャン、ダイスキ!!

結衣「えっ、今のって……」

雪乃「待ちなさい、姉さん。今すぐその携帯を私に寄越しなさい」

京華『ひだりみてー、みぎみてー、手あげてしんごうわたるー』


小町「おててをあげて信号を渡るけーちゃんの姿も可愛らしいですねー」

川崎「あ、じゃあ、あたしそろそろ……」

小町「そうですね、そろそろ家に着くでしょうし、沙希さんは家に戻って、けーちゃんをお出迎えしてあげてください!」

八幡「なぁ、川崎……」

川崎「な、何……?」

八幡「俺も……(けーちゃんに)大好きって言われたい……!!」

川崎「えっ、は、はぁ!!?」ガタッ!!

結衣「」

八幡「頼む川崎。俺にも(けーちゃんに)そう言って欲しいんだ」

川崎「ば、ばばば、馬鹿じゃないの!? こ、こんなところで……その、他の人とか、その……」ブツブツ

八幡「だから川崎、教えてくれ……どうすれば、けーちゃんに大好きだって言わせられるんだ……!?」

川崎「──は?」

結衣(あ、京華ちゃんのことか……)ホッ

八幡「俺も、はーちゃん大好きとか言われたいんだ……だからかわさぼべらっ!!!」ガシャーン!!

川崎「ふんっ!!」スタスタスタ

結衣「ああ……沙希、怒って帰っちゃったよ……」

いろは「うわー、派手に吹き飛ばされましたね、先輩」

めぐり「痛そうだね、大丈夫? 比企谷くん?」

八幡「いてて……ほんと、あいつブラコンでシスコンだな……」

小町「いや、そういうんじゃないと思うんだけど……」

結衣「むぅ、ヒッキーって本当に……」

八幡「あ? なんだよ……」

結衣「……自分で考えて」プイッ

八幡「?」


雪乃「姉さん、いい加減その携帯を私に……」

陽乃「これは五歳の雪乃ちゃんがはじめてジェットコースターに乗った時の録画。『びええええええんっ、お姉ちゃ」

雪乃「待って、本当にお願い、お願いします、その携帯を私に渡してちょうだい」

八幡「……陽乃さんも、結構なシスコンだよな」

京華『ふんふふ~ん……あれ?』

玉縄『困ったね、どうやら道に迷ってしまったようだ。誰かヘルプを呼んだ方がいいかもしれないね』クルックルッ

折本『それある!』


小町「おっと、無事信号を渡り切ったけーちゃんの前に、なにやら困った様子の二人組がやってきたぞー?」

結衣「あの人たちって、確か海浜総合の……」

いろは「ちょっと、なんであの人たちまで関わってるんですか?」

八幡「まぁ、一応京華様ファンクラブの面子なんでな……」

結衣「あれ、でも今って京華ちゃん迷ったりしてないよね? どうして出てきたの?」

八幡「少々小芝居を打とうと思ってな……その配役があいつらだとは俺も知らなかったけど」

京華『んー……?』

折本『あ、じゃあさ、あの子に聞けばいいんじゃない?』

玉縄『それはナイスアイディアだね、それではあのプリティな子に場所を聞いてみようか』クルックルッ

京華『?』

玉縄『あー、京華様……じゃなかった、そこの君、聞きたいことがあるんだけど、いいかな?』クルックルッ

折本『このスーパーに行きたいんだけどさー、どこに行けばいいかって分かるー?』

京華『えっ?』


小町「おっと、いきなり知らない人に道を聞かれたけーちゃん、どうするーっ?」

八幡「まずは玉なんとかさんの目を潰せ」

いろは「その後にあの回る手も折り曲げてー」

雪乃「最後にあの口を閉じさせればいいのではないかしら」

結衣「みんな怖いよ!!」

三浦「で、あれって何の意味があるわけ?」

雪乃「おつかい以外の経験もさせることで、けーちゃんの成長に繋げようと考えたのよ」

海老名「へー、色々考えてるんだねー」

いろは「だからって、何もあれに頼まなくても」

八幡「配置はくじだったから仕方ないだろ……しかし折本はともかく、玉縄の方は不審者に見られても仕方がないな」

いろは「むー、けーちゃんを泣かせでもしたら絶対に許しませんからねー」

京華『え、えっと』アタフタ

玉縄『お、落ち着いてくれ、そう、実はパルスのファルシのルシがパージでコクーンなんだ』クルックルッ

折本『なにそれ、ウケるんだけど』ケラケラ


小町「さすがにいきなり年上から道を聞かれると、戸惑ってしまいますかねー」

八幡「くっ、すげぇ助けにいきたい……助けてあげて、『はーちゃん、大好きっ』って言われたい……」

結衣「まだ諦めてなかったんだ!?」

八幡「当たり前だろ、けーちゃんに大好きって言われるまでは死ねない」キリッ

結衣「そ、そんなに大好きって言われたいなら……その……あ、あたしが……その……」モジモジ

材木座「はちまんだいすきっ」ウラゴエ

八幡「うおおおおおおおおおおっ!!!」バキィ!!

材木座「げぶあっ!!!」ドシャーン!!

戸塚「ちょ、材木座くん大丈夫!?」

結衣「うわっ、中二!? さいちゃん!? いつの間に!」

八幡「はぁ、はぁ……お、驚かせやがって……心臓が止まるかと思った……きもちわりぃ声出すなよ……」ゼェゼェ

材木座「ひ、酷いではないか八幡! 何も殴らなくても……」

八幡「うるせぇ黙れそのままくたばれ。お前声だけは無駄に良いから変な声出されると本当に背筋が凍るんだよ……」

海老名「ザイハチ……ザイハチかぁ……」

三浦「こら海老名、自重しな」

八幡「なんでよりにもよって材木座に……けーちゃんか小町か戸塚以外から言われても嬉しくねぇ……」

結衣「えっ……ああ、そうなの……」

いろは「……」ゲシッゲシッ

八幡「いてっ、おい一色なんで背中蹴るんだよ」

いろは「べっつにー」プンスカ

雪乃「……」ツネリツネリ

八幡「そして雪ノ下は人の脇腹をつねるのやめっ、いてぇ!!」

雪乃「……別に」プイッ

小町「はー、このごみいちゃんときたら……」

めぐり「あはは、なんだか置いてけぼりですね、はるさん」

陽乃「うーん、面白そうだけど……乱入するのは別の場でもいいかもねー」

めぐり「?」

折本『あー、あのね、あたし達このスーパーの場所が知りたいんだー、どっちに行けばいいか教えてくれない?』

玉縄『そ、そうなんだ、僕たちはこのスーパーのロケーションを知って、そこでショッピングをしたいだけなんだ!』クルックルッ

折本『ちょっと黙ってて』

玉縄『はい』クルックルッシーン

京華『え、えっとね! あっち!』ユビサシ

折本『ああ、あっちにあるんだ、ありがとねー!』

玉縄『助かったよ、ありがとう』クルックルッ

京華『ばいばーい』クルックルッ


小町「なんとか答えることが出来ましたねー」

結衣「わ、京華ちゃんが手を回してるのってあっちの会長さんの真似かな? あ、でも可愛い……」

八幡「もしもし、俺だ。奴の処刑を頼む」

結衣「ちょ、ちょっとヒッキー、急過ぎだから!」

八幡「クズがっ……! 我らのけーちゃんに変な癖を移しやがってっ……!」

いろは「連絡来ました、すでに拘束に成功したみたいです。どうしますかー?」

八幡「今までは大目に見てきたが、こうなった以上何の躊躇もないっ……! 地下行きだっ……! 1050年地下行きっ……!」

雪乃「妥当ね」

陽乃「ついでに焼き土下座もやらせよっか」

結衣「ちょちょちょ、ちょっと待って、なんか物騒な言葉が聞こえてきたよ!?」

<ギャアアアアアアアアアーッ!!

<ナニコレ、チョーウケルンダケド

京華『?』トコトコ


小町「さぁ、いきなり年上に道を尋ねられても大丈夫だったけーちゃん! 果たしてこのまま無事家に辿り着けるでしょうか!?」

結衣「えっと、今の悲鳴っぽいのは……もういいや」

LIVE 帰り道道中

京華『ふんふふ~ん……あれ?』

平塚『くっ、3対1とは卑怯だな……』

戸部『つーか、これからっしょー!』

大岡『わかる』

大和『それな』


小町「おっとー! なんと、今度はけーちゃんの前に、ガラの悪い男に囲まれる女の人が現われたー!!」

結衣「待って」

小町「これに対してけーちゃんはどう出るかーっ!!」

結衣「けーちゃんじゃどうしようもないと思うよ。逃げようよ」

平塚『おお、いいところに来た。そこの君、手伝ってくれないか?』

京華『えっ、えっ?』オロオロ

平塚『あいつらは悪い奴なんだが、私一人ではどうにも荷が重くてな。しかし君の助けがあればきっと倒せるはず。私を助けてくれないか?』

京華『?』キョトン

戸部『ああ? 倒せると思ってんのかよ?』

大岡『わかる』

大和『それな』


小町「突如現われた、ひらつ……美女と協力して悪党を倒すことになったけーちゃん! しかしどうやって倒すのでしょうかー!?」

結衣「もうこれはじめてのおつかい関係なくない?」

八幡「けーちゃん、がんばれ!」

雪乃「あなたなら出来るはずよ!」

いろは「けーちゃん、頑張ってー!」

めぐり「けーちゃん、ふぁいと、おー!」

陽乃「けーちゃんと静ちゃんの二人が揃えば、怖いものはないね」

三浦「ほら、頑張りな!」

海老名「頑張って、けーちゃん!」

戸塚「が、頑張って! 京華ちゃん!」

材木座「京華殿ならやれると我は信じているぞ!」

結衣「これあたしがおかしいの? ねぇ?」

京華『どうすればいいのー?』

平塚『ああ、君は私を応援してくれないか?』

京華『おーえん?』

平塚『そうだ。静おねーさん頑張れーと言ってくれれば、私はいくらでも強くなれる』

京華『しずか、おねーさん?』

平塚『ぐはあっ、こ、これは思ったより破壊力がっ……』


八幡「おう調子乗んなやアラフォー」

結衣「ね、ねぇ、これ何の意味があるのかな……?」

雪乃「たとえ不良を相手にしても怖気付かないようにするための訓練のようなものよ。これもけーちゃんの成長に繋がると思っているわ」

結衣「そ、そうかな……絶対関係ないと思うんだけどな……」

八幡「けーちゃんは可愛いからな、もしかしたら近い未来本当に不良に絡まれたりするかもしれないだろ。そういうのを想定して、今の内から対策をしようというわけだ」

陽乃「もちろんファンクラブの護衛がある以上けーちゃん自身が強くなる必要はないんだけど、度胸くらいはつけておかないとね」

結衣「話が繋がって……るの? あはは、あたし馬鹿だからよく分からなくなってきた……」

平塚『では頼む、私を応援してくれ!』

戸部『おうボコってやるからな!』ダッ!

京華『し、静おねーさん、がんばれー!』

平塚『うおおおおおおっ、力がみなぎるっ!』ゴウッ!!

三人『!?』

平塚『真ん前から打ち砕く!! 私の自慢の、拳でぇぇッ!!』ヒュッ

戸部『ッ! 消え──!?』

平塚『衝撃のっ、ファーストブリット!!』ドゴッ!!

大和『ぐあっ!!』

平塚『撃滅のっ、セカンドブリットっ!!』バキッ!!

大岡『ぎゃあっ!!』

平塚『抹殺のっ、ラストブリットおぉっ!!』グシャアッ!!

戸部『っべー!!』

京華『わあっ、静おねーさんすごーい……』キラキラ

平塚『ふっ、君の応援あってこそだよ……』キリッ


小町「けーちゃんと平塚せんせ謎の美女によって、町の平和は守られたーっ!!」

結衣「そこまで言ったらもう平塚先生って言っちゃおうよ」

八幡「これでけーちゃんはちょっとやそっとじゃ動じないメンタリティを手に入れたな」

雪乃「ええ、不良三人に囲まれても平気だったもの、きっとこれからも大丈夫なはずだわ」

結衣「うーん、ヒーローショーかなんかと勘違いしてそうだけどなー……」

平塚『それではまた会おう、さらばだ』

京華『ばいばーい、静おねーさーん』

平塚『ああ、幸福とは、このことを言うのだな……!!』


小町「さぁ色々ありましたが、そろそろ家に近付いてきましたねー」

結衣「買い物の後の色々あったのはヤラセだけどね」

小町「このまま無事に帰宅を──えっ?」

陽乃「もしもし、ちょっとどういうこと?」

いろは「もしもし、何があったんですか!?」

結衣「え、なになに、どうしたの、またなんかやるの?」

八幡「いや、もう後は帰るだけのはずなんだが……」

雪乃「姉さん、何があったの?」

陽乃「……ちょっとヤバいかもしれない」

雪乃「え?」

黒塗りの車『ブーン』

黒塗りの車『ブーン』

黒塗りの車『ブーン』

黒服『いいか、対象の名前は川崎京華。奴は奇妙なカリスマ性を持ち、すでにその魅力に取り付かれた者は数多い』

黒服『そこで奴を捕らえ、我が組に取り入れる。それだけで何人もの人間を動かすことが出来るだろう』

黒服『生放送の番組によって位置は割れている。いいか諸君、なんとしてでも川崎京華を捕らえろ!』

黒服『これは我が組の命運を駆けた大博打だ。成功すれば大きく戦力を拡大することが出来ると考えられている』

黒服『報告、川崎京華の護衛と見られる人間が多数妨害に参加してきた模様!』

黒服『構わん、正面からぶち破れ!!』

結衣「えっ、京華ちゃんが狙われてる!?」

陽乃「どうも、地元のとある組がけーちゃんの身を攫って組を強大化させようって企んでるらしいの」

八幡「マジでヤーさんが出てくるとは思わなかった……」

雪乃「馬鹿なことを考える人たちもいたものね……」

陽乃「これが結構な規模らしくて、ファンクラブの親衛隊100名以上を総動員しても止め切れてないらしいね……このままじゃ、何人かはけーちゃんの元にまで辿り着いちゃうかもしれない……!!」

結衣「え、ええっ!?」

いろは「だ、第二防衛ライン突破されました! 葉山先輩たちが戦ってくれてるらしいですけど、それでも全員は……!!」

めぐり「あの、私のメンバーがいる第三防衛ラインにまで黒服の人が来たって……!!」

八幡「城廻先輩のメンバーってカメラマンの……っていうことは、もうけーちゃんのすぐそこにまで来てるってことか!」

陽乃「やられた……まさかこんな速攻を仕掛けてくるなんて……!!」

本牧「あの、けーちゃんはどうなってるってテレビ局への電話が多数……!!」

小町「あ、あわわ、どうしましょう……」

雪乃「……私たちには、私たちのやることがあるはずよ」

小町「え?」

雪乃「私たちにはけーちゃんの姿を、テレビを通して全国へ届けるという使命があるわ。ここで私たちが動揺しては、それこそ全国に不安を届けるだけよ」

結衣「ゆきのん……」

雪乃「ここからでは何も出来ないけれど……せめて、信じましょう、私たちファンクラブを、そしてけーちゃんを……!!」

八幡「……ああ、そうだな、俺たちはここから、けーちゃんの無事を祈って、そしてそれを全国に届けるって言う仕事があるんだよな……!!」

戸塚「うん、葉山くんたちを信じよう!」

小町「……司会の小町が慌ててどうするって話でしたね。さー全国のテレビの前の皆さんっ、ご安心ください!! ただいまけーちゃんは少々面倒事に巻き込まれてしまっているようですが、我々ファンクラブがなんとかいたしますっ!!」

LIVE けーちゃん付近


葉山『はあっ!!』ゴッ!!

黒服『ぐあっ!』

戸部『っしょーっ!』バキッ!!

黒服『あがっ!』

平塚『けーちゃんに手は出させんっ!』ドカッ!!

黒服『うおっ!!』

葉山『マズイな、思ったより人数が多い……』

戸部『ちょっと隼人くーん、これ全部はさすがにきついっしょー!』

平塚『それだけ本気でけーちゃんを攫いに来ているということだろうな、全く許しがたい行為だ』

黒服『うおおおっ!!』

葉山『しまった、突破された!!』

黒服『とうとう見つけたぞ、川崎京華!!』

京華『?』

黒服『さぁ、大人しく我が組に下れ……!!』

京華『おじさんだれー?』

黒服『お、おじさん……だと……!?』


結衣「京華ちゃん! 早く逃げて!」

雪乃「あら、早くもさっき鍛えたメンタリティが役に立ったようね。いきなり黒服の人間が来たっていうのに、泣き叫ぶこともしないなんて」

結衣「何言ってるの!? それより早く……!!」

八幡「いや、まだ最終防衛ラインが残ってるさ」

結衣「さ、最終防衛ライン……?」

八幡「ああ、城廻先輩のメンバーよりはるかに近くでずっと護衛してた奴がいるんだぜ」

結衣「……それって」

八幡「ああ」


大志『人の妹に手を出すんじゃねーっ!!』グシャアアッ!!

黒服『ぎゃああああああっ!!』


小町「大志くん!!」

八幡「あいつは、ずっと近くにいたんだよ。けーちゃんの近くにな」

黒服『見つけたぞ、川崎京華だ!!』

葉山『に、人数が多過ぎる! 本当に地元の組だけか!?』

平塚『マズイ、また何人か突破されたようだ……!!』


黒服『貴様、川崎京華の親族だな?』

黒服『悪いことは言わん、二人とも投降しろ』

黒服『私たちも、川崎京華に危害を加えたくはない』

大志『ふざけたことを言うな!』

京華『?』キョトン

黒服『だが私たちは組の中でも最強の存在……貴様一人で勝てると思うなよ!!』バッ

大志『くっ、京華、逃げろ……!!』

京華『あ、さーちゃんだー』

大志『え?』


川崎『人のっ、弟とっ、妹にっ、手ェ出すんじゃないよ!!』バキドカグシャッ


黒服達『ぐあああああああああっ!!』

大志『ね、姉ちゃん!!』

京華『さーちゃーん』トテテ

大志『姉ちゃん、ありがとう……』

川崎『まだ終わってないよ、大志。ほら前向きな』

黒服『奴は、川崎沙希か? 出来るだけ交戦するなと言われていたが……!!』

黒服『止むを得ん、川崎沙希、川崎大志を無力化し、川崎京華を捕獲せよ!!』

川崎『なめられたもんだね……行くよ、大志』

大志『分かった、姉ちゃん!』

川崎『妹を守る姉と兄がどれほど強いか──思い知らせてあげないとね』

<ギャアアアアアアアアッ

結衣「沙希……凄い……!!」

八幡「さすがだな、それでこそ京華様ファンクラブのNo.1とNo.2だ」

雪乃「ええ、私もけーちゃんへの愛は誰にも負ける気はなかったけれど……家族には勝てないわ」

小町「やっちゃえ沙希さん! 大志くん!」

戸塚「頑張って、川崎さん!」

いろは「他のところも段々押し返してきてるようですよー!」

めぐり「うん、もうけーちゃんの周りにいるのはあれだけみたい」

陽乃「警察も動き始めたみたいだね。これでもうおしまいだね」

川崎『はああああああっ!!』ドガッ!!

大志『やああああああっ!!』バキッ!!

黒服『馬鹿なっ、こんな女子供たちに……ぐはあっ!!』

京華『すごーい』

大志『はぁ……はぁ……お、終わった?』

川崎『……みたいだね』

平塚『すまない、遅れてしまった。怪我はないか?』

川崎『いえ、大丈夫です』

平塚『警察も動き始めたようで、直にこいつらの身柄も確保されるだろう。川崎、後のことは私たちに任せて、君はけーちゃん達と帰るが良い』

川崎『え、でも……』

平塚『家に帰るまでがおつかいだろう? それにそろそろ晩ご飯の時間だ。カレーはよく煮込んだ方が良い』

京華『さーちゃん、おなかすいたー』

川崎『……分かりました、それでは』

平塚『うむ、気を付けて帰れ』

LIVE 川崎家前

京華『ただいまー』

川崎『おかえり、けーちゃん』

大志『お疲れ、けーちゃん』

京華『カレー、かってきたー』

川崎『うん、ありがとうけーちゃん。じゃあ晩ご飯の支度するね』

京華『てつだうー』

大志『俺も、手伝うよ』

川崎『ありがとう、とりあえず荷物持ってきて、手洗いうがいしてね』

京華『はーい』

小町「色々、本当に色々ありましたが! 無事!! けーちゃんはおうちにまで辿り着きました!!」

皆『Yeahhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhh!!!!!!』

結衣「良かったねぇ、京華ちゃん」ホロリ

八幡「良い話だなー」ホロリ

雪乃「ええ、本当によかった……」ホロリ

陽乃「事後処理は任せてね。きつく、きつーく懲らしめてあげないとねー」

小町「それではこの番組もエンディングに入りましょうか」

チャラチャラチャーン♪

小町「はいっ、けーちゃんのはじめてのおつかいでしたが、みなさんいかがでしたでしょうか!?」

八幡「最高だったな。けーちゃんが最後にただいまって言ったところでもう涙が止まらなかった」

雪乃「本当に素晴らしい時間をありがとう、みんな。最後のアクシデントは予想もしてなかったけれど、それでも番組を続行出来たのはみんなのおかげだと思っているわ」

結衣「ほ、本当にどうなるかと思ったけど……すっごい良かったよ!!」

いろは「けーちゃん最高ですー! もう可愛くて可愛くてしょーがなかったですねー」

めぐり「あはは、またみんなでけーちゃんのことを見られたら良いねー」

陽乃「うんうん、やっぱりけーちゃんこそが世界を平和にするのであーる」

三浦「ま、なんていうの? 楽しかった……かな」

海老名「けーちゃんの可愛さを身近で感じられて良かったー、ぐふふ……」

戸塚「うん、京華ちゃんの頑張ってた姿を見てぼくも頑張らなきゃって思いました!」

材木座「神にも等しき神々しさを受けて、光になるかと思ったぞ……!!」


小町「はいっ、それでは『やはり私たちのけーちゃんはこんなに可愛くないわけがない。 はじめてのおつかいスペシャル』でした!! け──ちゃ──ん?」

皆『イズ、エンジェルッ!!!』シュビッ!!

結衣「さ、最後はやっと一緒に出来た……ちょっと嬉しいかも」

後日

八幡『由比ヶ浜、今度の日曜日に時間空けてもらっていいか?』

結衣(なーんてことを数日前に言われて、とうとう日曜日)

結衣(こ、これってもしかしてデートのお誘い……だよね?)

八幡「あ、いた、由比ヶ浜ー」

結衣「ひ、ヒッキー!!」

八幡「すまん、遅れたみたいだな」

結衣「べ、別に平気だよ! あたしも今来たところだし!」

八幡「じゃあ行くか」

結衣「ところで、どこに行くの?」

八幡「ん、決まってるだろ。そりゃもちろん──」

スタジオ

小町「け──ちゃ──ん?」

皆『イズ、エンジェルッ!!!』シュビッ!!

結衣「……」

小町「さぁ始まりました、『やはり私たちのけーちゃんはこんなに可愛くないわけがない。はじめてのキャンプスペシャル』!!」

皆『Yeahhhhhhhhhhhh!!!!』

小町「本日の司会を務めるのはわたくし比企谷小町とー?」

雪乃「同じく司会を務めさせていただきます雪ノ下雪乃です、よろしくお願いします」

八幡「同じく司会の比企谷八幡だ、よろしく。ほら、由比ヶ浜マイク」

結衣「あーうん、分かってた。分かってたよこうなるって……由比ヶ浜結衣です、よろしくお願いします……」

小町「それでは本日のゲストをご紹介します、けーちゃんのお姉ちゃんこと川崎沙希さんです!!」

川崎「よ、よろしく……」

小町「はい、今日はけーちゃんが保育園ではじめてのキャンプに行くということでですね、小町たちファンクラブも密着取材をすることになりました!」

八幡「ほう、キャンプか、いいな……なぁ、川崎、今度(けーちゃん達と)キャンプ行こうぜ」

川崎「え、ええ!? な、なに、いきなり……」

雪乃「ちょっと比企谷くん、抜け駆けは許さないといつも言っているでしょう」

結衣「あはは、いいよね、キャンプ……」

八幡「抜け駆けが駄目っつーなら……じゃあ雪ノ下と由比ヶ浜も来れば問題ないだろ」

結衣「えっ、ひ、ヒッキーとキャンプ!?」

雪乃「けーちゃんとキャンプ……悪くないわね」

小町「あーはいはい、そういう話は後にしてください後にー。それでは現地に向かってるいろはさんとめぐりさんと中継でーす」

結衣「あはは……まぁ、こういうのも悪くないかな……」


元々勢いだけで立てたスレな上に、深夜テンションと酒飲んで酔ってる事もあってなんかすごい勢いだけで締めた感ありますけど、これにて完結です。
あ、川崎SSといえば、八幡「なんだ、かわ……川越?」沙希「川崎なんだけど、ぶつよ?」の人、完走本当にお疲れ様でした。

それでは、他の現行スレでお会いしましょう。

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2015年08月01日 (土) 06:42:16   ID: d_3wVFl-

くっおもろいやんけ

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