【ラブライブSS】海未「お疲れ様です。」【超短編】 (51)

今日は海未の日!

というワケで海未ちゃんの独り語り形式。

胸糞注意!

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私は閉店作業を済ませると、まだ残る人に声を掛けて店を出ます。


日が変わり一時間が過ぎる頃、私の仕事が終わるのです。


そんな時間なので夕食も出来合いの物ばかりになりがちです。


金銭面から考えると二四時間営業のスーパーでお惣菜などを利用したい所ですが


時間が時間だけに惣菜コーナーには何も残っていないのは当然。


結局高くてもコンビニでお弁当を買う生活が続きます。


私は家への帰り道の途中にある行きつけのコンビニへと足を向けます。


コンビニの自動ドアを潜ると正面に見えるお弁当コーナーを一瞥するとそのまま


店の外郭に沿って雑誌コーナーへと向かいます。


特に雑誌に興味がある訳でもないのに何故コンビニに入ると雑誌コーナーに向かってしまうのでしょうか?


これがコンビニの「あるある」というやつなのでしょう。


ですが今日はこの選択が私の気持ちをより一層沈ませるキッカケとなってしまいました。


決して広いとはいえないラックにまるで満員電車のように並べられた雑誌達。


漫画雑誌にファッション誌、女性週刊誌にパチンコ雑誌。


そんなコーナーの隣に隔離された成人雑誌。


高校生の頃はこんな雑誌を見かけると真っ赤になっていたものでした。


今ではそんなものに動じる事も無くなってしまいましたね。


これもまた「大人になった」ということなのでしょうか。


そんな成人雑誌を横目に通りすぎようとした時懐かしい顔を見つけてしまいました。


「矢澤にこ」


アイドルを目指し卒業後芸能界に入った彼女は四人組ユニットのメンバーとしてメジャーデビュー。


ラブライブ優勝からアメリカ公演を経てプロになった彼女のデビューは鮮烈でした。


ファーストシングルは初登場四位という中々の売上でした。


しかし、μ'sは個性の強い9人の集まりでした。


そんな強い個性がお互いの個性を中和していたということを彼女は一人になってから思い知ることになったのです。

良くも悪くも個性(アク)の強い彼女は次第にユニットで浮き始め、人気が安定しなくなりました。


1年半でユニットは解散することとなり、ソロでの活動を強いられる事になります。


TVへの露出も一気に減り引退説も囁かれましたが彼女はどんな方法でもあの世界に拘ったのです。


その結果最終手段として脱ぐことを決めたそうです。


彼女は幼い身体を活かして現在ではAV界のアイドルになっています。


決して彼女の目指したアイドルではないでしょうが、それでもにこの選んだ道なのですから


私達には何も言えるはずがありません。


成人雑誌の表紙で笑う彼女を見るとなんだか胸を締め付けられる思いがします。


私は昔の仲間を「見なかった事」にしてカゴに普段は飲まないビールを2缶放り込み


お弁当コーナーへと足を向けました。

「899円になります。」


財布から1000円札を取り出し店員さんに渡します。


「101円のお返しになります。」


「お仕事、お疲れ様です。」


顔なじみの店員さんに声をかけられます。


一人暮らしを始めてからこんな何気ない一言でさえ嬉しくなるものです。


「有難うございます。」


私も一言深夜アルバイトの男性に挨拶して店をでました。


街の光に遮られた夜の空を見上げ、今日は久しぶりにアルバムを開いてみよう。


そんな気持ちになりました。


人生において幸福と不幸は天秤の様に揺れ動いているものだといいます。


それが本当なら確実に高校時代の私達は幸福の絶頂にあったのでしょう。


高校を卒業した私達は幸せを掴めないのでしょうか?


往々にして不幸というのは忘れた頃、身構えていない時に来るものです。


私達の最初の不幸はなんだったのでしょうか?


アルバムでμ'sの集合写真を見ると一人の女の子に目が止まります。


「星空凛」


彼女の不幸は半分は自業自得で半分は予想外の不運だったように思います。


大学の新歓コンパ。


毎年新入生が先輩に無理やりお酒を注がれ二日酔いの苦しみを初体験するイベントです。


近年では無理やり飲ませる習慣も減ったとはいえ全く無くなった訳ではありません。


大学ではラブライブ常連の音ノ木坂学院スクールアイドルが入学したと先輩方にも評判だったと聞きます。


結局注がれたお酒を断りきれずに彼女も飲むことになったのです。


そしてそれが彼女の不幸でした。


急性アルコール中毒。


新歓コンパの時期には特に珍しいニュースではありません。


4月頃にはワイドショーのいちコーナーで特集が組まれるのは風物詩のようなものです。


ただし・・・それは他人事の場合であるのならば・・・・


一杯飲めばタガがはずれて盃を重ねる事になりました。


しかし彼女は未成年であり、お酒を初めて飲んだのです。


自分の限界や飲み方を知らない彼女はビールから初まり強いお酒に手を出したといいます。


短時間で大量のアルコールを摂取した彼女はほろ酔いから昏睡状態となり意識を失ってしまったのです。


盛り上がるコンパで周りは彼女が酔いつぶれたと勘違いしてしまい手遅れとなりました。


そう、TVで他人事として見ていた風物詩が自分の身近な人に降りかかったのです。


凛の葬儀はつらいものでした。


μ'sの仲間として、ユニットメンバーとして そして妹のようにも思っていた彼女の死を受け入れるのは


容易なことではありませんでした。


そしてもう一人、彼女の死を受け入れられない者がいました。


「小泉花陽」


彼女は凛の死後失意から心を閉ざし部屋へと引き篭もるようになりました。


ですが一周忌に合わせて彼女に会いに行った時私は目を疑うこととなりました。


高校時代の頃からは想像できないほど太り、死んだ目をした彼女がそこに居たのです。


彼女は引き篭もると同時に凛の死から過食症となったようです。


真姫はそんな彼女を何度も立ち直らせようと頑張ったそうですが力が及ばなかったと泣いていました。


去年病院へ健康診断に行った際彼女に偶然会いましたが今度は高校時代の頃くらいまで痩せていました。


凛の死から立ち直ったと安堵したものですが、彼女は過食症から糖尿病を発病し現在は薬を飲んで通院しているとのことでした。


そう・・・彼女は立ち直ったのではなく、いまだ失意の底にいるのです。


あれから1年。


彼女の元を訪れることができずにいます。


真姫も現在はどこに行ったのか判らず、花陽は病気と戦っているのでしょうか。



花陽を立ち直らせようと尽力していた「西木野真姫」もまた不幸に見舞われました。


医大へと進学して順風満帆と思われた矢先の凛の死。


花陽を引きこもりから立ち直らせようと、何度も花陽宅を訪れていたようです。


しかし思わぬ所から彼女の人生は狂い始めました。


西木野病院での医療ミス隠蔽事件。


真姫の父親が担当した手術で医療ミスが発生し患者が死亡。


彼女の父はそれを隠していましたが、内部告発によって世に出る事になってしまったのです。


大学で未来の医院長と言われていた彼女はこの事件により大学に居られなくなり


父は証拠隠滅罪で逮捕され彼女は母と他県に移っていきました。


現在は連絡も取れない状態となっています。


ですがあの真姫にサンタを信じさせる位のあの父親が何故あんな事件を起こしたのか・・・


まるで不幸が私達を付け狙っているのではないのか?などと突拍子もない事を考えてしまいます。

今夜はここまで。

夜が明けたら続き貼っていきます。

おお

なんか纏められてる

丁度2年程前になりますか。


ロシアで起こった空港での爆破テロ。


それはTVに映る「自分には関係のない世界」のはずでした。


被害者の中に「絢瀬絵里」という名前を見つけるまでは。


ロシアの祖母の所に希を連れて遊びに帰った際テロに巻き込まれたと希は言っていました。


希は偶々トイレに入り絵里はロビーのベンチで待っていたそうです。


テロには3kgの爆薬が使われ被害はそこまで大きくはなかったものの


爆発したのは彼女の座っていたベンチの脇に置かれたゴミ箱だったそうです。


このテロでの死者は18名。


内日本人1名。


元ラブライブ優勝チームメンバーでありアメリカ公演でセンターを務めた彼女の死は


TVで繰り返し報道されたものでした。


私達も元μ'sということで何度か取材を受けたことを覚えています。


ですが事件が一段落する頃、希の姿はありませんでした。


それから半年程してからでしょうか。


彼女「東條希」が私の前に姿を現したのは。


半年ぶりに会った彼女は花陽とは違う意味で目が死んでいました。


一見すると以前と変わらない筈なのに目に光がないというか・・・


絵里の死後彼女は他県に移り住み絵里の事を吹っ切ろうとしたそうです。


そんなとき同じように大事な人を亡くした人達の集まりに出会ったそうです。


それは所謂新興宗教というやつでした。


彼女は絵里の死の苦しみから逃れるために宗教という逃げ道を選んだのです。


昔なら「そんな場所へ逃げこんではいけません」などと叱咤したかもしれません。


ですが凛の死、絵里の死と私達にとって大事な仲間を2人も亡くした状態で言える筈もありませんでした。


彼女は同じユニットだった私を勧誘にきたのです。


私は断りましたが何度も勧誘に来る彼女と結局縁を切ることに決めました。


携帯を着信拒否にして彼女からの連絡を受けないようにしたのです。


その後も直接家に来たり外で待ち伏せたりと勧誘は続きましたが


結局そのすぐ後に私は家を出ることになり、彼女から完全に離れることとなりました。


ですがそれはほんの少しの、タッチの差でした。


タイミングが悪ければ私も希と同じ道に逃げていたことでしょう。


私が家を出て一人暮らしを始めたすぐ後親友の訃報が届いたのです。

イタリアへ留学した幼馴染。


彼女はイタリアで学校を卒業後そのまま向こうでブランドを立ち上げ頑張っていました。


一度日本に帰ってきた時は楽しそうに向こうでの生活を語ってくれたものです。


「キュートな女の子が立ち上げたブランド」って取材も受けたと。


彼女の人生は夢と希望に満ち溢れていました。


そんな時TVのワイドショーで報道された一件のイタリアでのストーカー殺人事件


そう、それも普通なら「他人事」だった筈でした。


被害者の「南ことり」という名前を知るまでは。


運命は3人目のμ'sの仲間を私達から奪い取っていったのです。


TVでは彼女の死からμ'sメンバーが呪われているなどと騒ぎ立てていました。


普通ならふざけるなと怒りたい所ですが9人中3人が亡くなるというのは


本当に呪われているとしか思えませんでした。


あのことりの死から1年ちょっとですか・・・


普通なら未だ立ち直れないはずですが半年前にもう一人の幼馴染までもが姿を消してしまいました。


半年前、一本の電話が私の携帯に掛かってきました。


「高坂穂乃果」


ことりの葬儀から一度も会うことのなかった彼女からの電話は一言。


「海未ちゃん・・・さよなら」


とだけ。


私は穂乃果の家へと出向きましたが既に彼女は家を追い出されていたのです。


雪穂に話を聞くと彼女は一人の男性とお付き合いしてたそうです。


普通なら喜ばしいことです。


その男性に家庭がなければ・・・


そして穂乃果が妊娠しなければ・・・・


結局相手方の奥さんにバレて関係は泥沼化し穂乃果はおじさまに勘当を言い渡されたそうです。


私に電話を掛けてきた日に彼女は手荷物と少しのお金を持って行方を眩ませたそうです。


穂乃果は携帯を置いて家を出たため連絡がつかず、いまだに行方不明だそうです。


もはや生きているのかすら判りません。


「もうこんな時間ですか」


壁に掛けられた時計は5時を過ぎています。


朝からの仕事ではありませんが、昔のことを思い出して体も気分も重くなった気がします。


私は時間が経ち温くなったビールを一気に飲み切ると


いつもより少し早く眠りにつくことにしました。



「お早うございます。」


昼の3時に出勤という普通に考えれば重役出勤のような仕事。


12時まで働くので普通の人とは生活の時間帯自体違う私の人生。


「海未ちゃん。今日の予約の確認してくださいね。」


店長が出勤してきた私に声をかけます。


今日のお客様の確認をして準備に取り掛かります。



「今日はご予約有難うございます。」


「お相手をさせていただきます、園田海未と申します。」


私はお客様にお辞儀をしてプレイ内容の確認をします。


私の今の職業。それは「風俗嬢」です。


「噂の泡撫子の海未ちゃんに相手してもらえるなんて」


「これからもご贔屓にしてくださいね。」


泡撫子・・・最悪の通り名です・・・


私も穂乃果と同じく男にハマったクチというやつです。


私の方は男が博打狂いだったことが不幸でした。


あんな男な何故ハマったのか・・・今でも理解できません。


恋は盲目とはよく言ったもので、その時は何の疑問も抱かなかったのです。


ダメな男でも惚れた弱みとでもいいますか・・・・


知らぬ間に貯金は使い込まれ、闇金から金を借りた男に保証人に仕立てあげられ。


まさか21世紀のこの時代に風呂屋に沈められるなんてことがあるとは・・・


私もこのことが親の知る所となり家を追い出されてしまったのです。


借金を返すまで家の敷居を跨がせないとまで言われてしまい、今に至るのです。


不幸だろうと何だろうと自分が撒いた種。


自分で何とかしなければいけません。


しかし、願わくば私と残った仲間達のこの後の人生に幸あらんことを。



穂乃果「・・・って言う妄想をしたんだよっ!」





8人「ゆ・・・・」


穂乃果「ゆ?」


8人「「「「「「「「夢ですらないんかーーーいっ!」」」」」」」」



にこ「私AV堕ちってどーゆーことよ!」


海未「なんですか!泡撫子って!バカにしてるんですか?!」


凛「なんか凛サクっと殺されてるよ!」


真姫「医療ミスって縁起でもないわよ!」


絵里「テロって地味に生々しいのよ!」


ことり「ヘノケチェン!私の最後テキトーすぎだよ!」


希「そっかー・・・ウチ宗教にハマるんか~」


花陽「糖尿病・・・」



にこ「大体なんでアンタだけ一人フェードアウトしてんのよ!?」


真姫「っていうか、なんでそんな妄想してるのよ?イミワカンナイ!」


海未「大方昨日の警察24時でも見ていたんでしょう!」


希「まぁまぁ、真姫ちゃんも海未ちゃんも落ち着いて・・・」


絵里「希は宗教で済んでるからいいじゃない!」


凛「そうだよ!凛達なんて死んじゃってるんだよ!」


ことり「ヘノケチェン!」


花陽「と・・・糖尿病・・・」プルプル


絵里「とにかく穂乃果は今日の基礎トレーニング倍ね。」


凛「かよちんがショックでプルプルしてるにゃー!」


にこ「あと全員にジュース奢んなさいよ!」


穂乃果「え~~!そんな~」


真姫「自業自得よ!」


ことり「穂乃果ちゃん、ファッションショーやろっか?」ニコ


希「諦めるしか無いね、穂乃果ちゃん。」アハハ








まったく・・・・


私は穂乃果に詰め寄る皆から窓の外に目を移します。


なんのかんの言いながら今日も平和ですね。


穂乃果、私達は今が幸せなのではありませんよ。


今から幸せになっていくんですから。





花陽「糖尿病・・・」ズーン






おしまい


というわけでこれにて終了


駄文にお付き合い頂き有難う御座いました。


やっぱ最後はハッピーエンドがいいよね。

叩かれて妄想オチにしたと思われる

>>41

残念

8人のツッコミを最初に思いついてそれに合わせて酷い話を創った


html依頼だしときますね

ほんとなんだな これがww

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