モバP「愛変わらず」 (83)


・これはモバマスssです
・モバPをPと表記します
・書き溜めはありませんが、2日以内に終わらせます
・キャラ崩壊があります
・出てくるキャラクターに偏りがあります



SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1435500834


ちひろ「プロデューサーさん、ヤンデレってご存知ですか?」


P「ええ、少しは。中にだれもいませんでしたよ?とかですよね」


ちひろ「アレは少し行き過ぎですけどね」


P「未来日記もでしたっけ?あとゼノグラシアとか」


ちひろ「765プロさんも凄いですよね。ロボットだったり仁義なき戦いみたいなのだったり」


P「予告で本編最後まで見せるのはどうかと思いますけど、それでも大ヒットですからね」


ちひろ「我那覇さんのペットが主演の映画すらあるみたいですよ」


P「って、かなり話が逸れましたね。急にどうしたんですか?何か気になるアニメでも?」


ちひろ「いえ。折角沢山の女の子がいるわけですし、何人かそういった方向で売り出してもいいんじゃないかと」


P「あー。確かに、まだそういった役のオファーは来ていませんしね」


ちひろ「せっかくこれだけアイドルがいるのに、何だか勿体無くありません?」


P「いやでも充分色んな方向に手を伸ばしてますよ?」


ちひろ「それでもです!売り出せるところが余っているなら売りださないと!」


P「あっ、はい、そうですね…」


ちひろ「ゴホンッ、それは置いておいてですね。プロデューサーさんってヤンデレとかはお好みですか?」


P「うーん、そうですね…まぁ嫌いじゃありませんよ。少し重い恋人程度なら」


ちひろ「重過ぎるのは?」


P「実際、警察沙汰にさえならなければ大丈夫です。精神力は自信がありますし」


P「それに、カタチはどうであれ自分の事を想ってくれてるわけじゃないですか」


ちひろ「確かにそうですね。それが行き過ぎちゃうと怖いですけど」


P「それでもやっぱり男としては、女性から一途な想いを向けられるって嬉しい事だと思うんですよね」


ちひろ「プロデューサーさん、実は結構…」


P「正直、好物です。第三者の男性視点で見れば、の話ですけど」


ちひろ「まぁ実際ヤンデレなんてそうそういませんしね…」


P「もし本当にいたとして、俺の恋人になったとしたら仕事続けられないでしょうし」


ちひろ「アイドルのプロデューサー、ですからね。嫉妬に狂いそうです」


P「さて、そろそろ帰りますね」


ちひろ「あ、お疲れ様です。私は後三十分くらいかかりそうなので」


P「分かりました。お疲れ様です」


バタン


ちひろ「さて、みんなにLINEを」


ちひろ「…あれ?鍵開ける音がしなかったけど、プロデューサーさん入って来た時鍵閉めなかったのかしら?」


ちひろ「…拡める手間が省けたわね。まあ一応2.3人に…」


翌日


ジリリリリ、ジリリリリ


P「…うぁ、もう6時半か。なんでこう、朝はすぐに来るんだ」


P「杏じゃないけどあと五時間は寝ていたい…」


ありす「何を言っているんですか。早く起きて下さい」


P「…おはよう、橘さん」


ありす「橘ではなくありすです。何度も言っているじゃないですか」


P「あー、そうだったな。すまん、まだ寝ぼけてるみたいで」


ありす「それと、私がいるのに他の女性の名前を出すのはやめて下さい」


P「すまんな、そもそも居る事を知らなかったんだ」


ありす「それもそれで問題ですが…兎に角、朝食にしましょう。折角作ったのに冷めてしまっては勿体無いです」


P「朝食まで作ってくれたのか。ありがとな」


ありす「いえ、恋人として当然の事をしたまでです」


P「…そうか、なぁありす」


ありす「はい、なんでしょうか?」


P「家の鍵、閉めてあったはずなんだけど」



ありす「そんな事、別にどうでもいいじゃないですか」


P「割と大切な事だと思うんだ。少なくとも朝食よりは」


ありす「プロデューサーは私の作った朝食よりも家の鍵の方が大切なんですか?」


P「壊されてるとしたら修理しなきゃいけないからな」


ありす「恋人がまだ外にいるのに鍵を閉めるプロデューサーがいけないんです」


P「まぁそれは後で否定するからいいか。で、鍵はどうしたんだ?」


ありす「そんな事より


P「橘さんって呼ぼうか


ありす「ちひろさんにとちおとめのお裾分けをしました」


P「プライバシーって安いな。壊れてなければいいや。さて、朝食にしよう」




P「なぁありす。サラダと食パンとジャムとヨーグルトって冷めないと思うんだけど」


ありす「そう言った方が起こしやすいじゃないですか」


P「たしかにそうだな。しかも全部苺で統一なのな」


ありす「本当は食器も統一したいんですけどね。買い替えに行きませんか?」


P「アイドルと買い物なんて騒ぎになるだろ。諦めてくれ」


ありす「それで仕事を辞める事になっても四年間は無理ですからね」


P「何を言っているのか理解したくないな」


P「あと俺、悪いけど杏派なんだ」


ありす「だから他の女性の名前を出さないで下さいと言ったしゃないですか!」


P「いや、ジャムの話。確かあったよな」


ありす「あっ…今取ってきます」


P「全部準備してもらっちゃって悪いな」


ありす「いえ、恋人として当然の行いです」


P「…なぁ、一応聞いていいか?」


P「俺たち、付き合ってたっけ?」



ありす「今更当たり前の事を聞かないで下さい」


P「…ちひろさんがまた何か言ってたのか?」


ありす「プロデューサーはヤンデレが好物何も言ってませんでしたよ。何を寝ぼけてるんですか?」


P「元凶はちひろさんか。最近飲んでないからかな」


ありす「そんな事よりプロデューサー。私以外の女性と話すのは出来るだけ控えて下さい」


P「いや俺の職業柄無理だろそれ。全部LINEにするって訳にもいかないし」


ありす「ふぁあ…無理でも可能にして下さい。それがプロデューサーと言う職業でしょう」


P「限度ってものがあるのさ。あと早起きして実は眠いんじゃないか?会社まで車で行くから寝てるといい」


ありす「子供扱いしないで下さい。幾ら何でも恋人の前で眠いなんて言えません」


P「…寝顔って魅力的だと思うんだよ」


ありす「そ、そこまで言うなら吝かでもありませんね」


ガチャ


ちひろ「おはようございます」


P「しー、おはようございます。ありす、寝ちゃってるんで静かにお願いします」


ちひろ「あら、一緒に通勤ですか。アツアツですね」


P「元凶が何を言っているんですか。ソファに寝かせてきますね」


ありす「…いえ、その必要はありません」


P「ん、起きたのか」


ありす「いえ、最初から寝てませんでした。プロデューサーの事を寝たふりをして見張っていただけです」


P「…そうか、ならレッスン行っといで」


ありす「しかしプロデューサーをちひろさんと二人きりに


P「公私をしっかり分けられる女性って惹かれるよな」


ありす「お昼のお迎えは結構です。では、レッスンに行ってきます」


バタン



P「で、なんて事を吹き込んでるんですか」


ちひろ「プロデューサーさんが昨日ヤンデレ好物だっておっしゃってたので、是非その要望に応えてあげようと」


P「すみませんね、メンタル強いんでこの程度じゃスタドリは必要ありません」


ちひろ「そこまでお見通しですか…」


P「最近色んなアイドルがお弁当を作ってくれたりするんで元気なんです」


ちひろ「この程度じゃまったくストレスにならないと…」


P「はい、残念ながら。いや俺からしたら残念でも何でも無いんですけどね」


ちひろ「…ちっひっひ、誰がこれでお終いだお言いました?」


P「…まっ、まさか?!」


ちひろ「……」


P「……」


ちひろ「…何なんですかこの間は」


P「いい大人がこんな会話って、少し恥ずかしかったので」


ちひろ「ゴホンッ。おそらくなんですけど、昨日の私達の会話を誰かに聞かれてしまってたんですよ」


P「また盗聴器とかですか?」


ちひろ「いえ、事務所の鍵が開けられていたので」


P「…鍵、一応替えましょうか」


ガチャ


凛「おはようございます、ちひろさん、プロデューサー」


P「お、おはよう凛」


ちひろ「おはようございます、凛ちゃん」


凛「…ほんとなんだよね?ちひろさん」ボソッ


ちひろ「ええ、間違いありません」ボソッ


P(聞こえてるけど可哀想だから黙っとこう)


凛「…プロデューサー、ちひろさんと楽しそうに会話してたね」


P「迷惑掛けらてたから少し叱ってたんだよ」


凛「え、ちひろさんまた何か…ゴホンッ。兎に角、私以外の女と喋らないで」


P「それじゃ凛のご両親に挨拶にもいけないな」


凛「ある程度寛容な方が正妻っぽいよね」


P「多分本当の正妻ならそんな事言わないと思うけどな」


凛「プロデューサーが女誑しなのが悪いんだよ」


P「俺の仕事を否定しないでくれ」


凛「…あれ、プロデューサーから甘い匂いがする」


P「いきなり匂いを嗅ぐな。あと実は恥ずかしいんだろ。顔真っ赤だぞ」


凛「勘違いしないで、幸せなだけ」


P「変化球ツンデレだな。ヤンデレになるんじゃないの?」


凛「あっ…こ、この女の匂い、誰?」


P「朝沢山苺食べてきたから、多分その匂いだと思う」


凛「…」


P「冷蔵庫にまだあるはずだから食べたらどうだ」


凛「そうさせてもらうよ…」



ちひろ「朝から大変ですね。何かエネルギーの出る飲み物でも如何ですか?」


P「ははっ、この程度で大変なんて思ってちゃ仕事続けられませんよ」


ちひろ「そう言えば、冷蔵庫に苺って持ってきたんですか?」


P「いえ、おそらくちひろさんがありすから貰ったとちおとめがあるだろうと」


ちひろ「…」


P「文句はありませんよね?」


ちひろ「勝ち目が無い勝負には挑まないのが大人ですから」


P「普通の大人はとちおとめ程度で買収されません」


P「にしても、何ていうかまだまだ若いですね」


ちひろ「凛ちゃんもまだ15歳ですからね。チャレンジ精神旺盛で何よりです」


P「チャレンジ…?あ、俺って変なにおいしませんよね?何だか不安になって来たんですけど」


ちひろ「他の女の匂いならするんじゃないですか?」


P「一応毎日ファブリーズしてるから大丈夫だとは思うんですけど」


ちひろ「あ、スルーですか。まあまだ加齢臭を気にする歳でもないでしょう」


バタン


文香「おはようございます」


P「お、おはよう文香」



文香「あ、あの…ちひろさん。ちょっといいですか?」


ちひろ「はい、なんでしょうか」


文香「ええと、試したい事があって…少し待ってて下さい」


P「キッチンに行っちゃいましたね。どうしたんでしょう」


ちひろ「苺の匂いを嗅ぎ付けた…なんて訳はありませんよね」


P「そういえば、文香はヤンデレの件を知ってるんでしょうか」


ちひろ「多分殆どの子に広まってるでしょうね」



P「ヤンデレ、キッチン…」


ちひろ「キッチン、包丁…」


P・ちひろ「中に誰もいませんでしたよ…」


ちひろ「…」


P「…」


ちひろ「さ、流石にあり得ませんよね。よね?」


P「ま、まぁエナドリならまだあるから大丈夫です」


ちひろ「エナドリに致命傷を治す効能なんてありません!」



文香「ちひろさん…キッチンへ来て頂いてよろしいですか?」


ちひろ「ひっ、何をするつもりですか?!」


文香「ええと…包丁での切り方を教わろうと。恥ずかしながら、あまり料理は得意で無いので…」


ちひろ「あぁ、成る程。何故朝からそんな事を?」


文香「ヤンデレは彼の胃袋を握るところから、とありましたので…」


ちひろ「平和的な意味で、ですよね?それでしたら協力しますよ」


文香「本当はプロデューサーさんが来る前に練習したかったのですが…ふぁぁ」


P「夜更かしして読書はいいが、仕事に支障をきたさない程度にな」



文香「ヤンデレについて…自分なりに勉強したつもりです」


P「なら丁度良いや、俺の匂いを嗅いでくれないか?」


文香「……はい?」


P「いやほら、ヤンデレって相手が他の女性と一緒にいたかどうか匂いで分かるんだろ?」


文香「そ、そうらしいですけど…」


P「なんだか俺の服から甘い香りがするみたいでさ。変な匂いじゃないか?」


文香「えっと…そう言うのは凛さんや佐久間さんの方が…」


文香(はっ…これはまさか…私に俺の匂いを覚えて欲しい的なアレですか…?)


文香(それとも…俺の服にお前の匂いを付けてくれ…みたいな…)


文香(マーキング…証…ぷ、プロポーズ?)


文香「…あ、あの…少し外の風に当たってきます…」


バタン


P「…さて、仕事しますか」


ちひろ「え、あのままで良いんですか?!」


P「だってあのままちひろさんが文香に付き合ってたら、その分俺に仕事がまわってくるじゃないですか」


ちひろ「なかなか酷い人ですね」


P「それで何かミスがあった場合困るのはアイドルですから」


ちひろ「確かにそれもそうですけど…」




バタン


藍子「おはようございます。プロデューサーさん」


P「お、おはよう藍子」


ちひろ「おはようございます、藍子ちゃん」


藍子「良い天気ですね。こんな日は二人でお散歩に出掛けたくなりませんか?プロデューサーさん」


P「分かるな。残念ながら、時間が無い訳だけど」


藍子「…つまり、時間があればいいんですね?」


P「…まぁ今週の日曜は俺も藍子も休みだし、午後だけで良ければ少し出掛けるか?」


藍子「えっ、いいんですか?ありがとうございます」




ちひろ「アイドルなんですから、周りには充分気を付けて下さいね」


藍子「私、先日新しいカメラを買ったんですよ。二人の思い出を、どうせなら綺麗に残したいじゃないですか」


P「…あぁ、それもそうだ。最近のカメラは小さくても高性能だからな」


藍子「お弁当も作っていきますねっ。あと、携帯電話は出来れば置いてきて下さい」


P「折角の休みだし、休日女の子と一緒に出掛けるのに仕事の連絡なんてしてちゃ申し訳ないもんな」


ちひろ「…あの」


藍子「ところでプロデューサーさん。話を戻しますけど。忙しいのって、最近私たちが売れてるからですか?」


P「忙しいって言うよりは頑張ってると言って欲しいかな。それに、お前達のせいじゃなくておかげな訳だし」


藍子「そういえば、この会社って労働き


P「まぁでも先日連休取れたんだけどな。気付いたら家でも仕事しちゃうんだよ」


藍子「程々にして下さいね。プロデューサーさんが体調を崩しちゃったら元も子もないんですから」


P「心配してくれてありがとな。ちひろさんも最近エナドリくれるし、頑張れるよ」


藍子「そうですか、なら良かったです。プロデューサーさんからお金を搾っている様なら削がなきゃいけなかったので」


ちひろ「」




P「さて、ちひろさんが白目剥いてるからこの辺にしておこうか」


藍子「どうでした?ハイライト消すの練習したんですよっ!」


P「なかなか上手かったぞ。鬼も悪魔も真っ青だ」


藍子「それに、週末お出掛けする約束まで取り付けられましたから」


P「あー、ゴメン。それ適当に言っただけなんだ。確か俺も藍子も仕事だ」


藍子「……」


P「あと時折ちひろさんの方に視線がいってたぞ」


藍子「…レッスン行ってきます」


バタン


バタン


美優「…おはようございます…プロデューサーさん…ちひろさん」


P「おはようございます、美優さん」


ちひろ「おはようございます」


美優「…え、ええと…」


美優「プロデューサーさん…何時になったら、記入して頂けるんですか…?」


P「ええと、何をですか?」


美優「こ、婚姻届です…」


スッ


美優「早く…記入して下さい…」


P「何で持ち歩いてるんですか。しかも半分記入済みですし」


美優「私…不安なんです。いつ、若い子達に私のプロデューサーを誘惑されてしまうか…」


P「大丈夫です。俺は誘惑に負ける男でも美優さん専属のプロデューサーでもありませんから」


美優「貴方と、一刻も早く繋がりたいんです…目に見える繋がりが欲しいんです…」


P「それは婚約的な意味ですよね?」


美優「他の子達と一緒にいるプロデューサーさんを見ていたら…私、不安で仕方なくて…」


美優「…つい、手を出してしまいそうになって…ふふっ」


美優「信頼すべきパートナーなのに…それでも不安なんです…」


美優「でも、これさえ出せば…誰にも…邪魔されずに…」


P「美優さん…」


美優「書いて…頂けますよね?」


P「…この婚姻届、和久井さんから一枚分けて貰ったんですか?」


美優「えっ…何を言ってるんですか…?他の女性の話は


P「だってこれ、記入されてるのと印が和久井さんの名前なんですから」


美優「…通りで…まだ私が書いてないのに…半分記入済みって…」


P「気を付けて下さい。将来誰かに恋人を取られるかもしれませんよ」


美優「さ、流石にそこまでは…」


P「今俺が書いたら実際そうなってましたからね?」


美優「…はい…気を付けます…」


P「さて、じゃあそんな美優さんにプレゼントです」ピラッ


婚姻届


美優「…こ、これは?!」


P「半分は俺が記入してありま


バタンっ!


ちひろ「…一瞬で鞄に入れて出て行きましたね…」



P「…まったく、話を最後まで聞かないと…」


ちひろ「プロデューサーさん!いいんですかアレ?!」


P「大丈夫です、ちょっとしたオシオキですから」


ちひろ「俺と結婚する事がオシオキだ!みたいな事だったら張っ倒しますよ?」


P「いえ、そういうのではありません」


P「はぁ、気を付けろと言ったのに…」


ちひろ「何を言っているんですか?」


P「知ってました、ちひろさん。フリクションって公的書類に使えないんですよ」


ちひろ「…うわぁ…」


ちひろ「あと一時間もすれば、殆どの子達が来る時間ですね」


P「まぁ何人かは早く来るでしょうけど」


バタン


瑞樹「おはようございます」


P「おはようございます川島さん。早速ですけど、現場に向かって下さい」


瑞樹「あら?一時間は余裕を持って来たつもりだったのだけど…」


P「申し訳ありません、此方の不手際で伝える時間を間違ってしまってました」


瑞樹「…はぁ、仕方ないわね」


バタン



ちひろ「…伝える時間、合ってましたよ?」


P「いえ、鞄からロウソクとムチが見えたので」


ちひろ「…川島さんが一体何をどう勘違いしたのか分からないです」


P「するのもされるのもお断りですよ」


ちひろ「にしても、流石に可哀想じゃありません?川島さん一時間暇しちゃいますよ」


P「大丈夫かと。隣の部屋で壁に耳を当ててるゆるふわ系アイドルを見つけて雑談するでしょうから、一時間なんてあっという間です」



ガシャン!


P「…おはよう、まゆ。朝から手錠なんてご挨拶だな」


まゆ「おはようございますプロデューサーさん」


ちひろ「お、おはようまゆちゃん…」


ガシャン、ガシャン


P「俺、右利きだからそっちに付けられると困るんだけど」


まゆ「プロデューサーさんが他の女と楽しそうにしてるのがいけないんですよぉ…」



P「いやならせめて左手にしてくれる?」


まゆ「ダメに決まってるじゃないですかぁ。手錠外したら、プロデューサーさん逃げちゃいそうですから」


P「…ほら、この婚姻届あげるからさ」


まゆ「これ、フリクションで書いたんですよねぇ…そんな物でまゆがまた釣れると思わないで下さい」


P「いや、今度はちゃんとマッキーで書いたぞ」


まゆ「…押されてる印が<済>なんですけど…」


P「お、注意深くなったなあ。もしかしてこの手って前使ってた?」


まゆ「いえ、流石に5度目となれば注意深くもなりますよぉ。甘く見ないで下さい」



P「と言うか何時まで俺の背後にいるつもりだ?割と怖いんだけど」


まゆ「まゆの顔がみたいならそう言って下さればいいんですよぉ」


P「そう言う意味…でいいや。取り敢えず手錠外そうか」


まゆ「今は外せません。みんなに、プロデューサーさんとまゆは繋がってるんだって見て貰わなきゃいけないじゃないですかぁ」


P「いけなくないよ。むしろ俺が仕事出来ない方がいけないんだけど」


まゆ「あと一時間したら外します。それまで、プロデューサーさんの右手とまゆの右手は繋がったままで…す…」


まゆ「…」


P「…」


まゆ「プロデューサーさん。今から10秒間、決して動かないで下さい」


P「その間に外して付け直す気なんだろ。安心しろ、逃げないから」


まゆ「プロデューサーさんは右利きですから、プロデューサーさんの方を一旦外して左手に掛け直しますね」


ガチャ


ダッ


まゆ「…逃げないって言ったじゃないですか…」


P「悪いな、トイレに行きたくなったんだ」


まゆ「まゆは一緒でも気にしませんよ?」


P「ついでに早苗さんにタオルとスポーツドリンクを届けようと」


まゆ「まゆ、ここで待ってます。早く戻って来て下さいね」


加蓮「あ、おはようプロデューサー」


P「お、おはよう加蓮。今日は少し早いな」


加蓮「多分色んなアイドルがプロデューサーに詰め寄ってるだろうと思って。そしたら、いてもたってもいられなくなっちゃった」


P「そうだな、もう何人か来てるぞ。俺はあと四・五十分別の部屋で書類書く予定だ」


加蓮「…ふーん、その様子だとみんな失敗してくれたみたいだね」


P「何を以ってして成功なのかは考えたくないな」


加蓮「なら、こんなに心配する必要は無かったんだ」



P「じゃ、また後でな」


加蓮「プロデューサー、また何処か行っちゃうの?」


P「と思ったけどまぁ隣の隣の部屋で書類書くだけだし加蓮も来るか?」


加蓮「そうする。また他のアイドルに誘惑なんてされたら堪らないし」


P「か、加蓮さーん?」


加蓮「プロデューサー、私すっごい不安だったんだよ?」


加蓮「もし他のアイドルに手を…ううん、他のアイドルに無理矢理迫られちゃったとしたら…プロデューサーは優し過ぎるから…」


加蓮「プロデューサーが私から離れる事を想像したら、夜も眠れなくて…」


加蓮「私にはプロデューサーしかいないのに、周りには沢山プロデューサーを狙ってる女がいる」


加蓮「プロデューサーを信頼していない訳じゃない。それでも、不安で不安でしょうがなくて」


加蓮「もしもプロデューサーが他の女のモノになっちゃったら…」


加蓮「私の心も命も、簡単に折れちゃうんだろうな、って」


加蓮「ねぇ、プロデューサー。絶対他の女に靡かないって、約束してくれる?」


加蓮「してくれるよね?ねぇ?してくれない筈がないよね?」


加蓮「もし、約束してくれなかったら…」


加蓮「もし、約束を破ったら…」


P「…ふぅ」


P「加蓮、お前は一つ勘違いしてるぞ」


加蓮「えっ、何?」


P「お前が俺の事を充分想ってくれてることは分かった。でもさ、それは俺も同じなんだよ」


P「お前が俺の知らない所で、実は他の男と遊んでるんじゃないか?そうで無くとも、他の男に言い寄られてるんじゃないか?」


P「体調は悪くないのか?ちゃんとバランスよく食事してるのか?キチンとこまめに水分を摂ってるのか?」


P「来るのが何時もより1分遅いけど何かあったのか?昨日に比べて今日は厚着だけど肌寒く感じてるのか?」


P「そんな事を考えるだけで、仕事に手が付かなくなる」


P「なぁ加蓮。俺は、俺の知らない加蓮が少しでも存在するのが怖いんだ」


P「もし加蓮が、フラッと俺の前から消えてしまうなんて考えると、不安で不安で堪らないんだ」


P「約束してくれよ加蓮。お前の全てを、俺に教えてくれるって」


P「今日の朝ご飯、使っている櫛、良く行く店、好きな匂い」


P「全てお前に合わせるから。全てお前の好みに揃えるから」


P「なぁ、加蓮。教えてくれるよな?約束してくれるよな?」


P「なぁ、加蓮?」


加蓮(怖い怖い怖い怖い…)


加蓮「ご、ごめんプロデューサー。ちひろさん達に挨拶してくる!」


ダッ!


P「…ふぅ」


P「まだまだ甘いなぁ…」


智絵里「ですね…あ、おはようございます、プロデューサー」


P「おはよう、智絵里。さっきは挨拶出来なくてゴメンな」



智絵里「いえ…仕方なかったです…」


P「それでも、な。さて、あと三十分くらいしたら戻るよ」


智絵里「はい…あ、あの」


P「ん?どうした?」


智絵里「えっと…今日は、早目に帰ってきて下さい…ね」


P「…鍵は?」


智絵里「今日は合鍵を持ってきましたから…」


P「パパラッチだけは気を付けろよ」


ちひろ「あ、お帰りなさい、プロデューサーさん」


P「ちひろさん、俺の合鍵を全部出して下さい」


ちひろ「な、何を言っているんですか。私がそんなものを


P「ドラム缶とリボンとチョップ」


ちひろ「残り三本です。あとはありすちゃんと和久井さんが一本ずつ…」


P「本当ですね?」


ちひろ「はい、作ったのがつい先日なので…」


P「分かりました、二人からは俺が直接回収します。あ、もし嘘だったりしたら…」


ちひろ「し、信じて下さいよ!」


P「くぅー、疲れたぁ」


ちひろ「お疲れ様です。そんな疲れた身体に


P「あ、そういや智絵里が作ってくれた特性ドリンクがあるんですよ」


ちひろ「…そうですか」


P「さて、今日は早く帰らないといけないんでもう出ますね」


ちひろ「何か用事でも?」


P「ええ、大切な約束が」



ちひろ「もしかして恋人さんとかですかぁ?」ニヤニヤ


P「まぁそんな感じですよ」


ちひろ「…え、本当ですが?」


P「さぁ、どうでしょう。でも彼女のおかげで、色々と成長出来たんです」


P「ヤンデレ耐性とかも」


ちひろ「そう言えば、アイドルの子達の挑戦はどうでした?ヤンデレの演技、頑張ってたみたいですけど」


P「挑戦?」


ちひろ「えぇ、普段とは違うキャラクターへの挑戦です。ついでにそれで疲れ果ててドリンクに手を出してくれれば良かったんですけどね」


P「…まぁ、そうですね。何と言うか…」





P「相変わらず、いつも通りの彼女達でしたよ」




くぅ疲
読んで下さった方々、ありがとうございました。
書いてる途中でスクイズ見直したせいで若干はみ出てしまっていますが、殆ど2日以内に収まっていると思います。
今後もまた何か投稿すると思いますので、その時はよろしくお願いします。

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