朝、目が覚めた。
午前5時。
学校まで、あと2時間。
マ「なにしようかな…」
僕の名前は正、マサって名前。
小学校6年、成績はかなり悪い
ファンタジー物の小説や、rpgのゲームが好き。
マ「時間あるし、新しいゲームするか…」
ポチッ ブゥゥゥン
マ「あれ?」カチ カチ カチ
マ「テレビ…真っ暗」
マ「はぁ…」
マ「仕方ない、本読むか…」
ガサガサ
マ「ん?」
マ「なんだろ?この青い本…」ペラペラ
マ「何も書いてない…」
マ「何だろ、このss…」
マ「まったく面白くない」
マ「…………」ペラッ ペラッ…
白紙の本なんて退屈なだけの筈なのに、なぜかマサはその本から注意を逸らせなかった。
マ「…………」
ペラッ
マ(なんだ……? この本……。とゆうか、僕ってこんな本持ってたっけ……)ペラッ
しばらくしてからマサは自分に起こったとある『変化』に気づく。
マサは知識を得ていた。
それも、異質な……この世界に無いテクノロジーを……。
~~~
その十年後……
マサは学者になっていた。現代文明の何歩も先を行った技術の知識を持つマサは、いまや科学界の最高権威だった。
マサキ(あの本のお陰でこんなトコまでこれるやなんて……、あの頃は想像すらつかへんかったな)
マサは学者になると、学者名として『マサキ』と名乗り始めた。
彼は今、ある町の外れにある質素な家の中に居た。彼は助手も持たず1人で研究をしていた。
マサキ(さて……そろそろや、……待っとるでぇ――)
マサキ「拙者にときめいてもらうでござる」
ガチホモ「か…かっこいい…///」ドサッ
―
小さな町があった。
辺りを草原と森に囲まれた小さな町である。
「――……っ!」
町の端、森の入り口で倒れた巨木に向いて念じている青年が居た。
(――動け!)
青年が念じると、彼の体からある"波"のような物が生まれる。
それにあてられた巨木は少しだけ振動する。
…やがて巨木は地面から数センチ浮き上がった。
数年前から青年はこの不思議な念動力を使える様になった。
能力の発現と同時に鍛練を始めて、今では大抵の物は動かせた。
「……っ」
集中を解くと巨木は重力に従って落下する。少し落下点の土が抉れた。
「おつかれさまっ」
「……?」
ふいに声をかけられ青年が振り向く。
「ご飯だよ、ライト」
ライト「ああ……腹減ったな」
青年……ライトに声をかけたのは彼の幼馴染みのテザーという少女だった。
テザーにはネイという妹がいて、親のいない三人は寄り添って暮らして来た。
ライトとテザーの二人が家へ戻ると、ちょうど朝食の支度も済んでいた。
ライト「食っていい?」
テザー「手、洗いなさい!」
しぶしぶライトは手を水で洗う。
ネイ「召し上がれー♪」
ライト「いただきます」
テザー「こら、食器を使いなさい」ベシ
ライトはこの姉妹より年上だったが、その分手がかからないという事は無かった。
―
ネイ「試験は明日だよね?」
ライト「ああ」
テザー「あんたはその超能力しか取り得無いもんねー」
ネイ「そんな事ないよ!」
ライト「……」
明日はある試験の当日だった。
今から数年前……ライトの様な能力者が世界のいたるところで現れた。
国家はそれに対し、能力の使用許可証=政府への所属を条件に能力の使用を取り締まり、能力者の統制を図った。
ライトが受けるのはその使用許可証を得る為の試験だ。
―
ネイ「じゃあ……気をつけてね?」
ライト「大丈夫」
テザー「受かってきなさいよ?」
ライトはテザーに首肯を返し、町に背を向けた。
試験は隣町で行われる。距離があるため前日には向かう事になる。
町を後にして、隣町に辿り着いたのはその日の夜中だった。
ライト「広いな……」
町の入り口から圧巻だった。
目に入るのは巨大なビルの群だ。ここにはそれ以外ほとんど無い。
狭い土地に人が殺到している為、場所が無いのだ。
しばらく道をたどっていくと、宿泊施設を発見した。
夜も遅く、明日の試験に響いては苦なのでライトはそこで休む事にした。
~
ライト「高い……」
都会の宿泊料に呆れつつ、ライトは早朝にホテルを出て試験会場に向かった。
試験の内容は筆記と実技である。
筆記の方は最低限の知識と常識が分かっていれば問題無い。
問題があるとすれば実技の方だ。実力が伴わなければ許可証を貰えず国家の管理する能力者名簿に記入されるだけで終わる。
許可証が無ければ能力を使った仕事にも就けないのだ。
ライト(しかし……)
ライトは辺りを見渡す。
ライト(ここはどこだ……?)
―
?「た、たいへん~」
一人の女性が迷路の様な町を走っていた。
重要な書類を抱えた女性は、途中何かにぶつかってその書類をばらまいてしまった。
?「あああ!」
バラバラと宙に舞う書類を必死に掻き集める。
ライト「すみません」
ライトは突然ぶつかってきた女性のばらまいた書類を拾い集めると、適当に整えて差し出す。
?「い、いえ……私の方こそぶつかってしまって……」
女性は差し出された書類に目を落とし、次にぶつかった人間を見て目を見開いた。
?「君、資格試験受ける子!? ど、どうしてここにいるの!?」
ライト「迷いました」
女性の持つ書類の束の一番上には、ライトの履歴書があった。
女性に連れられ、ライトは何とか遅刻せずに試験会場へ辿りついた。
?「じゃあ、頑張ってね!」
急いだ様子で女性は走り去って行く。
ライト「どうも~。……」
ぐるりと首を回してみると、ライトと同じ能力者が会場に溢れる程いた。
彼らは皆、大小様々な何かしらの能力を持っている『亜人』だ。
人間からは逸脱した存在……それが能力者に対する政府の見解だった。
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