※超短編です
※かなり以前に投稿スレに投げた作品
既読の方はごめんなさい
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1434803418
天龍「……龍田の机の上で見つけたノート」
天龍「見ちゃいけないとは思いつつ、つい開いちまった」
天龍「……なんだあいつ、ポエムなんか書いてんのか」
天龍「いつもいじられてばっかだからな」
天龍「ふふふ、この機会に、あいつの弱みを握ってやるぜ」
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――もう好きと思った。
蒸し暑く風のない夜
窓の外の街灯が室内を照らす
背を向けて眠る男のうなじに
汗の球が浮かんでいる
それを見ながら
もう好きと思った
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天龍「……恋の詩か?なんだなんだあいつ、乙女じゃねぇか、たまんねぇなァ!」
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男の肌からは
すえた汗の匂いが微かに漂い
昏い欲望を掻き立てる
男を起こさぬように
目覚めさせぬように
首筋にそっとくちづける
淀んだ室内の空気よりも
なおも熱く湿った男の肌
その肌の上ににじむ汗の匂い
肌の下を流れる血流の温度
男を起こさぬように
目覚めさせぬように
男の肌にしるしをつける
これはわたしのものだと
わたしだけのものなのだと
所有者のしるしを男に刻む
多分朝には消えてしまうだろう
儚い証しを男に刻む
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天龍「……これ、ひょっとして提督のことか?まさかな……」
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このまま男が目覚めねばいい
目覚めれば男は私をきっと叩くだろうから
男はいつもわたしには乱暴で
わたしが近寄ろうとするとひどくぶつのだ
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天龍「あの野郎、龍田になんてことを!」
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だからわたしは眠る男にくちづける
このまま目覚めなければいいと思いながら
そして欲望は加速する
肌に浮く汗を啜っていたはずが
いつしかわたしの欲望は男の肌を喰い破り
その血潮を吸い上げ
塩と鉄の味が口の中に満ちる
喉の奥に流れ込み
腹の中に溢れかえり
身体全てに男の温度が行き渡り
互いの身体の境界が曖昧になる
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天龍「……」
天龍「フフフ……なにこれ怖い」
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このまま目覚めなければいいと
わたしを叩くことがなくなればいいと
そう感じながら
――もう好きと思った。
――も、すきーと思った。
モスキート思った。
PS:天龍ちゃん、ちなみにモスキートって、蚊のことだからね~?
あと、人のノート勝手に読んだりしたらだめよ~?
龍田より♪
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天龍「ダジャレかよ!そんでまた騙されたああああああああああああああああああああああ!!!!!!」
以上、完結です
お目汚し失礼しました
HTML化依頼出してきました
感想ありがとうございます
またお会いできればよろしくお願いします
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