忍「People=S○IT」アリス「なんて言葉を……」 (35)

きんいろモザイクのSSです。

色々崩壊しているのでそういうのが苦手な方はブラウザバック推奨です。

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~昼休み~

陽子「これ見て、これ!」バサッ

綾「あ、いつものファッション雑誌ね」

陽子「また勇姉の特集やってるの! ほら早く見てみなよ!」

パラパラ……

カレン「流石デース! 今回はクール系デスね!」

アリス「イサミはなんでも似合うけど、やっぱりクール系が一番だよね!」

カレン「この表情とか……とても大学一年生だとは思えマセン」

アリス「……あ、そう言えば」

忍「どうしたんです?」

アリス「そう言えばイサミって、いつ頃からモデル活動をはじめたの?」

忍「あれ、言ってませんでしたっけ?」

陽子「私小さいころからよく遊んでもらってたけど、そういえばよく分からないな」

綾「この貫禄のあるポーズを、くささなく表現できるには、きっと長いキャリアがあるはずだわ」

カレン「そうデスよ。シノ、早く教えてクダサイ」

忍「……あれ、忘れちゃいました」

陽子「……だと思った。私ですら分からないんだもん」

忍「失礼な、陽子ちゃんよりは記憶力がいい自信あります!」

陽子「それ馬鹿にしてるよね!」

綾「どんぐりの背比べね」

陽子「綾までそんなこと言わなくてもいいだろ!?」

綾「あ……ごめん言い過ぎた」シュン

陽子「いや、そこまで傷ついてないって言うか……そんなに落ち込まなくても」

綾「……優しい言葉をありがとう。陽子。あまり小さなことでくよくよするものじゃないわよね」

陽子「開き直ったらダメだけどね……あ」

陽子(始まった)

綾「陽子は私の「彼女」だもの……優しくしてくれて当たり前。その代わり私も、最高の愛であなたに尽くすつもりよ」

アリス(自分に酔ってる……)

カレン(自分に酔ってマス)

陽子「あはは……なんというか、いつもごめんな」

カレン「いいのデス。アヤヤはずっとヨーコのことが好きだったのデス! それが報われて私たちもハッピーデース!」

陽子「うん、ありがとな」

綾「ああ、私だけの陽子……」

陽子「綾は置いといて……とにかくさ、今日家に帰ったら、勇姉に聞いてみてよ! いつからモデル、始めたのか!」

カレン「あと、大人っぽさの秘訣も伝授してもらってきてクダサイ!」

アリス「うん、分かったよ……」

忍「でもお姉ちゃんに直接聞いても、上手く誤魔化されちゃいそうです」

綾「じゃあ、仕事関係のことだから、きっとお父さんが管理してるはずよ」

カレン(帰ってきマシタ)

陽子「あ……」

綾「だから、お父さんに聞いてみるのはどうかしら?」

陽子「綾……そのな」

アリス「……」

忍「うちのお父さんは亡くなりました。私たちがずっと小さい時に。うつ病に耐えかねて自殺してしまったんです……」

綾「え……」

忍「保険金は、払われませんでした……個人的な悩みでしたから。陽子ちゃんは知ってましたよね」

陽子「……うん。なんで自殺しちゃったのかは分からないけれど」

忍「私は知っています……」

陽子「いや、言わなくていい。言ったら辛くなるだろ?」

忍「……」コクッ

陽子「なんか辛気臭くなっちゃったな! 勇姉の雑誌に戻ろう」

綾「そ、そうね」

~放課後、帰り道~

カレン「シノ、アリス、バイバイデース!」

忍「なんだか色々思い出してきちゃいました……」

アリス「大丈夫?」

忍「お話しすることで、すっきりするかもしれません」

アリス「あれ、陽子の前では、お話ししたくないって」

忍「あれは嘘です。陽子ちゃんに言うと、陽子ちゃんが耐えられなくなりますから」

アリス(シノに、楽になってもらいたい……)

アリス「いいよ、全部話して。私も知らないこと、沢山あるんでしょ?」

忍「はい……お父さんが自殺したのは、英語ができなかったからです」

アリス「えっ……」

忍「お父さんの職では、正直言って家族を養うだけのお金は稼げませんでした。そこで、お父さんは転職を考え、英語力を付けようと頑張って勉強をはじめました」

忍「もともとレベルの低い高校出身だったので勉強は苦手でしたが、それに加えて、忙しい仕事の合間を縫ってお父さんは英語勉強に励んでいました」

忍「三ヶ月くらいして、今度は勤めている企業から声がかかりました」

忍「英語力を向上させたら、海外の工場主任をしてくれないか、と。お給料はどんと増えるそうです。転職はある意味賭けですから、お父さんは二つ返事でその誘いに乗ったのですが……」

忍「やっぱりうまくいかず、でも会社からは英語を勉強してTOEICでいい点を取れよ、と言う圧力をかけてくる。そういった状況に、耐えられなくなって自殺したんです」

アリス「……」

忍「だだだだだーだだだだだだだーだだだっだっだっだっ」

アリス「いきなりどうしたの? やっぱりしゃべらない方が良かったんじゃ……」

忍「いや、この曲を、よくお姉ちゃんがリビングで流していたんですよ。この曲をかけるとき、お姉ちゃんはいつも落ち込んでるときだったので、私は他の用事をしながらこっそり聞いていたんですけどね」

忍「気になってお姉ちゃんのいない間にCDを見てみました。『People=Shit』っていう曲名でした」

アリス「……勿論、英語の苦手なシノは、その意味はわからないよね」

忍「人間なんてクソも同じだって意味でしょ?」

忍「歌詞ノートも見たんですけどファックとかマザーファッカーとか書いてました」

アリス「シノ、それ以上言わないで!「

アリス(私の綺麗なシノが、どんどん汚くなっていく)

忍「おねえちゃんがこの音楽を聴き始めたのは中学生の頃でした。もしかしたら、モデルでたまるストレスを解消しようと、こんな過激な歌を聴くようになったのかもしれません。

忍「……少し躊躇いがありますが、やっぱりお姉ちゃんに聞いてみましょう」

ガチャ

勇「ただいまー」

勇「って、どうしたのよ忍にアリスちゃん、深刻そうな顔をして」

忍「正直に、答えてくださいね。私は今最悪のケースを考えています。それでないことを切に願っていますが、なにはともあれ、質問に答えてください」

アリス「私からも、お願いするよ」「

勇「で、質問ってなに?」

忍「お姉ちゃんはいつ、どこでモデルの撮影会にはじめて出席しましたか?」

勇「……7年前、アメリカでよ」

忍「その時何か、されませんでしたか? 白人の差別だったり、背の低いことをけなされたり」

勇「……うーん、どうしよ。でもいずれ、このことについては話ししておかなきゃいけないことだったものね」

勇「私、向こうで枕営業してたの」

続きは今日中に書き終えますのでよろしくお願いします。

さいかいしまーす。完結まで走ります。

勇「いかにも不健康そうな、まるまると太った関係者のあそこを舐めた。そいつの要望で、3Pも経験した。そのおかげで、今の私はあるの」

勇「今となっては消したい思い出だけどね……」

忍「……」

アリス(話題を変えないと)

アリス「きょ、今日の晩ご飯は何かな?」

忍「私を今までだましていたんですね」

勇「……」

忍「私が中学校の時、アリスのもとへホームステイしに行った時のお金」

忍「あれはお姉ちゃんやお母さんが地道に働いて稼いだお金だって、聞かされていたのに」

忍「そんな汚いことをして、作ったお金だったんですね……」

勇「……お金は、お金よ」

忍「もうお姉ちゃんなんて知りません!」ダッ

勇「晩ご飯食べないのー?」

忍「いりません!」

~忍の部屋~

忍(私の土台となるところ、それが全てくずされてしまった気分です)

忍(私とアリスの出会い、それは運命だと信じて疑わなかった)

忍(その出会いは、家族の優しい支えのあってのものだと思っていました)

忍(でも……でも、こんな、こんなことって……)

~居間~

アリス「シノに言ったことって……全部本当なの」

勇「冗談で、こんなこと言えないわよ」

勇「その時がきたら、しっかり伝えておこうと思っていたの」

勇「……誰のおかげで、あんなほわほわしていられるのか、分からせたかったっていうのがあるんだけど」ボソッ

アリス「え?」

勇「いや、なんでもないわよ」

アリス「はいイサミ、ご飯だよ!」

勇「ありがとね」

勇(あ~も~最近くそ熱いわ。ほんと、誰かぶん殴ったらすっきりするかしら)

勇「忍は……降りてこないわね」

勇「今日はそっとしておいてあげましょう」

アリス「うん、そうだね」

~忍の部屋~

忍「お父さん……」

忍(私にとってお父さんはあこがれの存在でした)

忍(お父さんが英語を勉強している姿、あれは絶対に楽しそうでした、あれが苦痛になっていたはずなんてありません)

忍(別の原因があったはず……それが何なのか分からないけれど)

忍(こういうとき、私は何を恨めばいいんでしょうか……)

ガチャ

アリス「シノー?」

忍「……」

アリス「……寝ちゃったんだ」

アリス(きっと明日には、いつも通りのシノを見られるよね!)

~翌日~

陽子「おはよーしの、アリス!」

アリス「おはよう!」

忍「……」

陽子「どうしたしの、元気ないぞー」

忍「……人間なんてくそですよね」ボソッ

綾「……今なんて言った?」

忍「人間なんてくそ、人間の作り出す社会なんてくそ、社会の集合体である国家なんてくそ、国家のひしめき合う世界なんてくそなんです!」ダッ

陽子「おいシノ、何処へいくんだよ! もう授業始まるぞ!」

ダッダッダッ……

アリス「翌日シノは、カレンの住んでいるマンションから飛び降りた姿で発見されました。
   シノの死体の周りにはMP3プレイヤーとイヤホンがあり、プレイヤーの中にはSlipknotの「People=Shit」だけが入っていて、十数回リピートされていたようでした。
   また、ポケットには遺書のような手紙が入っていて、中身はこういうものでした。

    「綾ちゃんは恋愛に酔っているくそ、陽子ちゃんはそれにまんざらでもないくそ。
    カレンちゃんは、汚い手で金を稼がなくても元からお金があるくそ。
    アリスは、……アリスは、私と出会った汚い関係を今まで続けてくれているからくそ」
   忍の葬式に、わたしは呼ばれませんでした」


おわり

以上になります。
お読みくださった皆さんに感謝を。
それではまたお会いしましょう。

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