忍「あるじ様が寝てるから>>5しちゃお」 (44)
財布の中身全部使って豪遊
忍「まずは財布の中身を全部使って豪遊しようかの」
忍「どれ」ヒョイッ
忍「………」パカッ
忍「なんじゃ、大して入っとらんではないか」
忍「そういえば、少し前に貝木とやらに財布ごと金を盗られていたのう」
忍「まあ元々大した金を持ってる男でもないが……」
忍「……と、そんな事はどうでもいいんじゃ」
忍「豪遊……そうじゃな、博打などがまず最初に思いつくんじゃが……この姿では無理があるか」
忍「……よし」
忍「ゲーセンのスロットでも回すかの」
忍「───という訳でゲーセンに来たが」
忍「騒がしい所じゃのう、耳がおかしくなってしまうわい」
忍「スロット台は………あれじゃな」スタスタ
忍「……椅子が高い」
忍「よ……いしょっ、と」
忍「……よし」
忍「ゲームスタートじゃ」チャリンッ
忍「やり方はなんとなく知っておる」
忍「レバーを引く、3つのボタンを押す」
忍「まずは一回目じゃ」クイッ
忍「………」パチッ パチッ パチッ
忍「………」シーン
忍「外れか」
忍「まあこんなもんじゃろうな、次じゃ次」クイッ パチッ パチッ パチッ
忍「次」クイッ パチッ パチッ パチッ
クイッ パチッ パチッ パチッ
クイッ パチッ パチッ パチッ
忍「なんじゃこのクソゲー」
忍「あっという間にクレジットとやらが切れてしまったわい」
忍「ニ度とやらん」
忍「お、なんじゃあれは?」
忍「……『ダーツ大会』?」
忍「行ってみるかのう」スタスタ
忍「………」
忍「ふむ」
忍「要は矢を3本投げて、最高得点を取った者が景品を貰えるというわけか」
忍「面白い」
忍「この儂に勝てる者など居る訳が無かろうに」スタスタ
忍「あの、すいません」
店員「お、何かな、お譲ちゃん?」
忍「あれ、参加したいんですけど」
店員「ああ、ダーツ大会ね。参加費は1000円だけど…えーと、お金は持ってるかい?」
忍「はい、あります」ピラッ
店員「ありがとね、じゃあ、そこの列に並んで順番を待ってて」
忍「はい、ありがとうございます」
忍「ふぅ」
忍「幼女のフリというのは面倒なものじゃのう」
忍「なぜあんな人間如きに敬語を使わねばならんのじゃ」
忍「……おっと、もう始まってるようじゃな」
ストッ ストッ ストッ
100点!
ワァァァァァ
忍「……ダブルブルもまともに狙えんのか」 ※ダブルブル=ど真ん中
忍「お、次か」
ストッ ストッ ストッ
80点!
忍「20のダブルを狙ったか」 ※得点が2倍になる所
忍「じゃが、1本外した時点でまだまだじゃな」
70点!
120点!
90点!
50点!
忍「どれもこれも下手じゃな、全くもってなっとらん」
忍「どれ、次が儂の番か」
ストッ ストッ ストッ
150点!
ワアアアァァァァ!!
店員「おおっと!ここで最高得点だ!これは優勝か!?」
忍「……儂の番か」
忍「かかっ」
店員「さてさて、最後に残るはこのお譲ちゃん!150点を超える事は出来るのかーっ!?」
店員「あ、これ矢ね」スッ
忍「ありがとうございます」
忍「……さて」
忍「ダーツもまともに出来ん奴らに、『本物のダーツ』を見せてやるかの」
忍「まずは1本目」ヒュッ ストッ
店員「おっと!いきなり20のトリプルだ!60点!」 ※トリプル=得点が3倍になる所
忍「いちいち騒ぐな……2本目」ヒュッ ストッ
ザワッ…
店員「お、おおっと!?またも20のトリプルだ!」
忍「ふん」ヒュッ ストッ
店員「に、20のトリプル──ッ!!」
ワアアアアァァァァァァッ!!!!
店員「合計180点!完璧な勝利です!」
店員「お譲ちゃん、すごいねぇ!」
忍「いえいえ、そんなことは……」
店員「という事で、景品はこのお譲ちゃんに与えられます!」
ワアアアァァッ!! スゴーイ! チッチャクテカワイー! オニンギョウサンミターイ!
店員「はい、景品の『北海道旅行、6泊7日の旅』だよ。おめでとう」スッ
忍「ありがとうございますっ!」ペコッ
カワイイ カワイイ カワイイ カワイイ カワイイ
店員「では、これにてダーツ大会を終了とします!皆様、お疲れ様でした!」
忍「どうすんのこれ」
忍「まあ、あるじ様にでもくれてやるか」
忍「豪遊は………」
忍「満足したし、まあよかろう、かかっ」
阿良々木宅。
忍「ただいまー」ガチャ
阿良々木「し、忍!」
忍「なんじゃ、起きてたのか」
阿良々木「そりゃいきなりリンク切られたら起きるって!」
忍「それもそうじゃ」
阿良々木「で、どこ行ってたんだ?」
忍「あるじ様が寝ていたので財布をくすねて豪遊しようと思ったらダーツ大会で北海道旅行が当たった」
阿良々木「簡潔にまとめてくれてありがとう………」
阿良々木「お前、人の財布をなんだと思ってるんだ……」
忍「儂のもの」
阿良々木「ジャイアンか!」
忍「まあよいではないか、ほれ、北海道旅行6泊7日とやらじゃ」ポイッ
阿良々木「え、冗談だろ?」カサッ
阿良々木「マジだった」
忍「感謝せい、儂のダーツの腕のお陰じゃぞ」
阿良々木「ドーナツをおいくつほど御所望で?」
忍「オールドファッション2個にゴールデンチョコレート3個」
阿良々木「明日までに用意します」
忍「まあ、あのツンデレ娘とでも行ってくるんじゃな、北海道」
阿良々木「ああ、そうだな、そうするよ」
阿良々木「戦場ヶ原とは、北海道に蟹を食べに行こうって約束してたしな」
忍「丁度よかったのう、かかっ」
忍「じゃ、儂は影の中で寝るからの」
阿良々木「ああ、わかった」
忍「では」スーッ
阿良々木「さて」
阿良々木「確か今日は日曜だったな……」
阿良々木「……そうだ」
阿良々木「羽川がいるかもしれない、例の公園に行こう!」
阿良々木「いや違う、羽川に会いに、例の公園に行く!」
阿良々木「僕の日曜は羽川の為に消え去った!」
阿良々木「行ってきます」ガチャ
道中。
八九寺「あ」
阿良々木「お」
八九寺「マハラ木さんじゃないですか」
阿良々木「八九寺、僕の名前を某アトラスゲーの敵全体に小ダメージの火炎属性攻撃を行う魔法みたいに呼ぶな、僕の名前はいつだって阿良々木だ」
八九寺「失礼、噛みました」
阿良々木「違う、わざとだ」
八九寺「貸しました!」
阿良々木「何を!?」
八九寺「何をとぼけてらっしゃるんですか、阿良々木さん………確かにわたし、アナタに貸しましたよ……ふふふ」
阿良々木「怪しい!闇金みたいな怪しさを感じる!」
八九寺「察しが良くて助かります」
阿良々木「闇金なの!?」
八九寺「ところで阿良々木さん」
阿良々木「何だ?」
八九寺「今日はどちらまで?」
阿良々木「ああ、羽川に会いに公園に行く」
八九寺「ああ、あの委員長さんですね」
阿良々木「そうだ、僕は羽川の為に日曜を潰す覚悟で来ているのだ」
八九寺「御立派ですね。気持ち悪いです」
阿良々木「称賛と罵倒を同時に行うな」
八九寺「どうでしょう、称賛された直後に罵倒されると、より一層ダメージが増加しませんか?」
阿良々木「いや、まあ、そうだな」
八九寺「例えば」
阿良々木「ふむ」
八九寺「阿良々木さんはカッコいいですね!友達少ない癖に!」
阿良々木「ぐああっ!」
八九寺「阿良々木さんって不死身に近いんですよね、凄いです!でもわたしは死んでほしいと思ってます」
阿良々木「ぐうっ!!」
八九寺「と、まあ、この様な具合です」
阿良々木「なあ、今のは冗談だよな?冗談なんだよな?」
八九寺「……………」
阿良々木「黙るのは一番不安になるからやめて!」
八九寺「はいはい、大体冗談ですよ、そんな不安にならないでくださいよーっと」
阿良々木「これ本心から言ってないやつだ……」
八九寺「いいじゃないですか、人の心なんてあるのかないのかわからないものに、本当も嘘もありませんよ」
阿良々木「なんかいい事言われた気がするけど、この流れで言われても何も感じないぞ、それ」
八九寺「冷たい人ですね、マハブフさんに改名してあげましょうか?」
阿良々木「火炎属性魔法が氷結属性魔法に変わっただけで威力も範囲も変わってねえ!」
八九寺「というか、よく御存じですね、女神転生」
阿良々木「僕が某アトラスゲーってわざわざ言ったのに台無しだよ!!」
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