501JFWロマーニャ基地
宿舎 野外
ルッキーニ「ん~、なんかたいくつー」テクテク
ルッキーニ「シャーリーは相手してくれないし、芳佳は走ってるし…」
ルッキーニ「……リーネのおっぱいでも揉もうかなー」
ルッキーニ「……」
ルッキーニ「あ、リーネも芳佳と一緒じゃん。 うじゅ~~」
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ルッキーニ「……」
ルッキーニ「寝よー」トボトボ
――――
――
―
ルッキーニ「…どこで寝よっかな――」
~♪ ~~♪
ルッキーニ「!」ピクッ
ミーティング室
サーニャ「……」ポツーン
サーニャ「…………」
サーニャ(やることがない…)
サーニャ(エイラのおかげで折角お休みをもらえたのに、昼間に起きても何をすればいいのかわからない)
サーニャ「……」
サーニャ「…ぁ、そうだ……ピアノ…!」
サーニャ「……」
サーニャ「…………」グィィ
サーニャ「…ふっ……んんっ…!(後ろ屋根が重い)」プルプル
サーニャ「っ…」
サーニャ「はぁ…。 よし」スタスタ
サーニャ「……」トスン
サーニャ「……」ガパン
サーニャ「もうあまり弾いてないから指が…」
――――
――
―
サーニャ(…基礎練習はこれくらいでいいかな)
サーニャ「……(なに弾こう?)」
サーニャ「……」~♪
~♪ ~~♪
サーニャ「~…」♪
――ガタガタッ
サーニャ「?」ピタ
『あーん、やめないでぇ!』
サーニャ「! ……ルッキーニちゃん(どうして窓から…?)」
ルッキーニ「せっかくいい場所みつけたから、ここで寝ようと思ったのに~!」シュタ
サーニャ「……?」
ルッキーニ「サーニャ、もうピアノやめちゃうの?」
サーニャ「ぇ……ぁ、ううん。 今弾き始めたばかり」
ルッキーニ「んじゃ弾いて弾いて? さっきのやつ!」
サーニャ「ぁ、うん……いいよ」
サーニャ「……」~♪
ルッキーニ「ん~、おやすみなさーい」バフッ
サーニャ「……」~♪
ルッキーニ「むにゃ……zz…」
――――
――
―
サーニャ「……」~♪
サーニャ「………(このぐらいにしておこう)」
サーニャ「……偶には、練習しないと…」パタム
『…くー………すぴー…』
サーニャ「?」チラ
ルッキーニ「zzz……むにゃ… 」
サーニャ「…ルッキーニちゃん(眠ってる…)」
ルッキーニ「…zz」
サーニャ「……」
ルッキーニ「……zz」
サーニャ「…………」
――――
――
―
サーニャ「…ラン……ラン、ラン…~♪」
ルッキーニ「…zz」
サーニャ「ララ~……ラン…ラン♪」
ルッキーニ「……んん」モゾ
サーニャ「~ラ――。 …?」
ルッキーニ「…ん~、んぁ……うじゅ…」
サーニャ(起きた)
ルッキーニ「…ありゅ、サーニャ~…?」ムク
サーニャ「…おはよう、ルッキーニちゃん」
ルッキーニ「……うん」グシグシ
ルッキーニ「ふわぁ~~っ……むじゅ…」
サーニャ「……」
ルッキーニ「…ん、起きた!」シャキッ
サーニャ「!?」
ルッキーニ「今なん時かなー?」キョロキョロ
サーニャ(…ルッキーニちゃん、寝覚めいいなぁ)
ルッキーニ「んー、まだご飯じゃないじゃん」
サーニャ「うん」
ルッキーニ「にゃ? …ぁ、そだ! サーニャ、さっき歌ってたのなにー?」
サーニャ「ぇ…!?///」ギクッ
ルッキーニ「なんか歌ってたでしょ?」
サーニャ「(聴かれてたの!? は、恥ずかしぃ…)……気のせい、だと思う」
ルッキーニ「えー? そうかな? なんか聞こえたような気がするけど」
サーニャ「…ゆ、夢じゃ…ないかな?//」
ルッキーニ「んー……そっか。 なーんだ」
サーニャ「…うん」
ルッキーニ「教えてもらおっかなーと思ってたのに、残念~」
サーニャ「ぇ…!?」
ルッキーニ「まいいや、ご飯まで暇だから遊びいこーっと」スクッ
ルッキーニ「…サーニャもいこ?」
サーニャ「? ……いいの?」
ルッキーニ「うじゃ? なにが?」
サーニャ「……」
ルッキーニ「…? どしたの?」
サーニャ「…ううん、なんでもない。 私も丁度時間あるから、いいよ」
ルッキーニ「ん、決まりっ! そんじゃ外いこ!」
サーニャ「…うん」
基地野外
ミ~ン ミ~ン…
ルッキーニ「セミの声がする!」
サーニャ「セミ…?」
ルッキーニ「夏のムシだよ! この辺だとヒスパニオとかロマーニャのあったかい所に出るんだー」
サーニャ「へぇー…セミ…」
ルッキーニ「サーニャ、セミ見たことないの?」
サーニャ「うん、オラーシャは寒い国だから」
ルッキーニ「んー、そっかぁ」
サーニャ「……」
ミ~ン ミ~ン
ルッキーニ「…よぉーっし決めた!」ウジュ
サーニャ「?」
ルッキーニ「セミ捕りしよう!」
サーニャ「……セミ捕り?」
ルッキーニ「うん! サーニャにセミ見せてあげる!」
サーニャ「セミ…(どうしよう、あまり虫は得意じゃないけど…)」
ルッキーニ「ん~、あたしは道具いらないけど……サーニャ木登り得意?」
サーニャ「ぇ…? う、ううん……ごめん」
ルッキーニ「にゃ? 別に謝んなくてもいいよ??」
サーニャ「ぁ…ぅ、うん。 ごめんなさい」
ルッキーニ「んじゃまずこっちこっち! 道具取りに行こ?」
――――
――
―
シャッキーニ部屋
シャーリー「フンフ~ン、フフン…♪」カチャカチャ
シャーリー「……あっちぃ、まだ7月なのにロマーニャは暑いなぁ」
シャーリー「駄目だ、脱いじゃお…」ヌギヌギ
シャーリー「……」バサ
シャーリー「……これ、シャツ汚したら目立っちまうな」
シャーリー「いいや、下着でやろ」ヌギヌギ
シャーリー「…ていっと!」ポイッ
シャーリー「ふぅ~、髪も邪魔だな。 縛るか」
『――そんでねぇ? 木の上の方にいたりするから~、下からだと届かないの!』
シャーリー「お、ルッキーニの声か?」
ガチャ
ルッキーニ「んだから木に登るか、網とか使って捕まえんの」
サーニャ「そうなんだ…」
シャーリー「丁度よかった。 ルッキーニ、お前のリボン借りる――……っておい、サーニャも一緒なのか」
サーニャ「ぁ…お、お邪魔します…(シャーリーさん裸…//)」
ルッキーニ「シャーリー、虫取り網どっかで見なかった?」
シャーリー「えぇ? …あー、確か角のとこじゃなかったか? ほら、あの棒」
ルッキーニ「あった! ありがとシャーリー」
シャーリー「つうかお前、サーニャ付き合わせんなっての。 寝かしてあげないとヤバイだろ?」ポリポリ
サーニャ「ぇ…? …ぁの、私はその…」
ルッキーニ「えぇー、だってサーニャも暇だって言ったんだもん」
シャーリー「……そうなの?」チラ
サーニャ「…はい。 今日はお休みをもらってますから」
ルッキーニ「ほらぁー! だから言ったじゃん!」
シャーリー「そっか。 ……無理してないか? 嫌ならルッキーニにはあたしが付き合うよ?」
サーニャ「ぃ、いえ! …全然、そんなことないです。 大丈夫ですから」
シャーリー「…ん、わかった」
ルッキーニ「あいじゃあこれ持って、サーニャ!」グイ
サーニャ「うん」
ルッキーニ「うじゃー! セミ捕り隊しゅっぱーつ!」スタタタ
サーニャ「…うん」ステテ
シャーリー「――あっ! おいルッキーニ!? 髪留めリボン借りるぞー!?」
ルッキーニ「いいよー、勝手にとってー!」
バタンッ
『いっそげぇー!』
『…うん』
シャーリー「……なんか珍しい組み合わせだよなぁ?」
基地野外
ミ~ン ミ~ン
ルッキーニ「うじゅあ! そんじゃセミ捕り隊、任務をすいこうする!」
サーニャ「…はい、ルッキーニちゃん」
ルッキーニ「うじゃ!! …あたしのことはたいちょーと呼ぶようにっ!」ビシ
サーニャ「は、はい! ……隊長」
ルッキーニ「もしくは~ムシはかせと呼ぶように!」
サーニャ「…はい、博士」
※サーニャは上官です
ルッキーニ「うじゅ、まずはセミを見つけるところから始めるよ!」
サーニャ「あの、博士」ハイ
ルッキーニ「あい、サーニャくん! なんでも聞きたまえー」
サーニャ「……セミって、どんな虫なんですか?」
ルッキーニ「ん、いい質問!」ウジュ
ルッキーニ「セミはねぇ~、こう…ちょっと長い感じでぇ……とんがってるとこもあってぇ………そんでこう…羽が大っきい!」
サーニャ「…………」
ミ~ン ミ~ン
ルッキーニ「……あとミーンって鳴くよ?」
サーニャ「…足は何本なんですか?」
ルッキーニ「6本」
サーニャ(一応昆虫…?)モヤ
ルッキーニ「とりあえずそんな感じ。 他になんかある?」
サーニャ「…いえ、大丈夫です。 隊長」
ルッキーニ「んじゃ探そっか」
サーニャ「うん」
ルッキーニ「よぉーし、大っきいの見つけるよー!? ルッキ~ニ・セミ捕り隊、任務かいしーっ!」
サーニャ「了解…!」
――――
――
―
ミ~ン ミ~ン
サーニャ(……全然見つからない、声は聞こえるのに)ジー
サーニャ「く、首が疲れてきた…」
『いたぁー!! サーニャこっち来てぇー!?』
サーニャ「!」
サーニャ「ど、どこ…ルッキーニちゃん!?」ステテ
ルッキーニ「あそこっ! ほら上んとこ留まってる!」ビッ
サーニャ「……! ぇ、あれがセミ…?(大きい!)」
ルッキーニ「うじゅあー♪ おっきい!」
セミ「ミ~ン」
サーニャ「……(始めてみた…)」
ルッキーニ「んー、でもあそこ捕まえにくいな~」
サーニャ「…そうなの?」
ルッキーニ「うん。 この辺の木は幹がささくれてるから登るの危ないんだよね」
サーニャ「そうなんだ…(ルッキーニちゃん詳しい)」
ルッキーニ「やっぱ網で捕るしかないかなぁ? …サーニャ頑張って!」ウジャ!
サーニャ「ぇ…!?」
ルッキーニ「サーニャ隊員の出番だよ!」
サーニャ「ぇ…、えっ!? 私がやるの…?」
ルッキーニ「そだよ? それサーニャに貸したんだもん」
サーニャ「……」
ルッキーニ「…………あたしがやろっか?」
サーニャ「っ……ぅ、ううん! …やってみたい」
ルッキーニ「にひっ、オッケー!」
サーニャ「……(ムシ捕りなんて始めて…!)」ドキドキ
ルッキーニ「網はねぇ、この辺持った方がいいよ?」
サーニャ「う、うん…」ギュ
ルッキーニ「んでね? まずゆーっくり近づけてくの、ゆぅーーっくりだよ?」
サーニャ「う、うん…! ゆーっくり…」ソー
ルッキーニ「……」
サーニャ「……」ゴクリ
ミ~ン ミッ……
ルッキーニ「ストップ!」
サーニャ「!?」ビクッ
ルッキーニ「動いちゃダメ! 警戒されてる」
サーニャ「ぅ…ぁ、あの……どうすれば…?」
ルッキーニ「どうしよ。 もうちょっと網近づけたいけど、逃げられそう」
サーニャ「ぅ…ぅぅ…」プルプル
ルッキーニ「んん~~」
サーニャ「…る、ルッキーニちゃん……どうするの…? わ、私そろそろ限界が…」
ルッキーニ「…しょーがないから、一気にいっちゃお!」
サーニャ「ぃ、一気に…??」
ルッキーニ「サーニャ、今からいっせーので網を思いっきり振って?」
サーニャ「ぉぉ…思いっきり…っ…?」プルプル
ルッキーニ「うん! バッッと捕まえるの!」
サーニャ「ぅ……うん、やってみる…」
ルッキーニ「……」
サーニャ「っ……」ドキドキ
ルッキーニ「行くよ? …いっせーのぉー」
サーニャ「……ぇぃ!」ブン
ガンッ
ブ~~ン
サーニャ「ぁ…!(失敗!?)」
ルッキーニ「――! うじゃっ!!!」ダッ
ハシッ
サーニャ「!?」
ルッキーニ「ん~! 捕まえたぁ!」シュタ
サーニャ「……す、すごい…(素手で…)」
ルッキーニ「おぉー! やっぱおっきぃ!!」
ルッキーニ「みてみてサーニャ! ほらぁ!」
サーニャ「…わぁ、これがセミ…!」
ルッキーニ「あたしとサーニャで捕まえたセミだよ♪」ニヒ
サーニャ「!」
サーニャ「……うん //」ニコ
ルッキーニ「このセミすっごい元気、足がウニョウニョ~ってさっきからずっと動いてる」
サーニャ「本当だ……ちょっと可哀想…」
ブ~~ン
サーニャ「ぇ…いいの?」
ルッキーニ「にゃ? なにが?」
サーニャ「せっかく捕まえたのに」
ルッキーニ「んだって、セミは1週間で死んじゃうもん。 その間にあーやって一生懸命鳴いてお嫁さん探して、子供残さないといけないんだから。 結構大変なんだよ?」
サーニャ「……ルッキーニちゃん、優しいね」ニコ
ルッキーニ「うにゃ…!?//」
『いたっ! オーイ、サーニャー!』
サーニャ「…ぁ!」
ルッキーニ「? …エイラだー」
エイラ「こんな所にいたのか、探したぞー?」タタッ
サーニャ「エイラ、今日単独哨戒でしょ? 睡眠は…?」
エイラ「大丈夫だぞ、バッチリだ! …ところでこんな所でナニやってたんだ?」
ルッキーニ「セミ捕りだよ」
エイラ「オマエに聞いてんじゃねー。 ていうかセミってなんだよ」
ルッキーニ「ムシ」
エイラ「知るかー」
サーニャ「…エイラ、私もセミ捕りしてたのよ?」
エイラ「エッ!? ぅ、嘘だろサーニャ!?」ガーン
サーニャ「本当よ」
ルッキーニ「うん。 エイラももちょっと早ければ見れたのに」
エイラ「……ウェ~ー…。 サーニャ、折角ワタシが休み作ったのにルッキーニとムシなんか追い回してたのか…」ドヨーン
サーニャ「ええ、おかげでとても楽しかったわ。 ありがとうエイラ。 エイラも今度一緒にやりましょう?」
エイラ「わ、ワタシはいいけど……サーニャがやりたいって言うなら…」モジ
ルッキーニ「んじゃ次は3人でカブト取ろうよ!」
サーニャ「甲虫?」
ルッキーニ「うん! かっちょいい~よぉ?」
サーニャ「楽しみ…」
エイラ「オイ待てよ、ワタシまだセミっての見てないんだぞー?」
ルッキーニ「えー、あれより大っきいのは多分いないからもいいよ」
エイラ「なんだよソレー、ワタシにも見せろって」
ルッキーニ「もう逃しちゃったもん」
エイラ「ズルイぞー!?」ムガー
サーニャ「ウフフ…」クス
サーニャ「――…?(あれ?)」
エイラ「ン? どうしたサーニャ?」
サーニャ「……頬のあたりが濡れてる…」ピト
エイラ「汗か?」
サーニャ「…違うと思うけど」
ルッキーニ「あーそれ? 多分セミのおしっこだよ。 木から逃げた時にかけられたやつじゃない?」
サーニャ「!?」
エイラ「ヴェ…ッ!!?」
サーニャ「…ぉ、おしっこ……始めて顔にかけられた…!」ワナワナ
エイラ「うわぁあぁああ!! フザケンナァーーー!!! セミめぇぇえええ!!!」
ルッキーニ「別にそんな汚くないよ。 おしっこって言うかただの樹液で、ほとんど水だし」
サーニャ「ぁ、そうなんだ」ホッ
エイラ「ムァァアァ!! 駆逐してヤルゥゥウーー!!」
―夜―
サウナ
サーニャ「……」
サーニャ「…………」
サーニャ(今日はなんだか楽しかった…。 久々に芳佳ちゃん達とも長くお喋りできたし)
サーニャ「……」
サーニャ(それに、ルッキーニちゃんとも虫捕りができた…)
サーニャ「……ありがとう、エイラ」ボソ
ガチャ
『にゃ゛!? なにこれあづぃ~――』
サーニャ「?」
ルッキーニ「ぁ……さ、サーニャ!!」ギクッ
サーニャ「……ルッキーニちゃん…!?」
――――
――
―
サーニャ「…ルッキーニちゃんがお風呂じゃなくてサウナに来るなんて、珍しいね?」
ルッキーニ「ぅ、うん……えと…、なんとなくだよ! にゃはは~」
ルッキーニ「…ぅ゛~(あつい、べたべたする…)」
サーニャ(……少し熱気が逃げちゃったみたい。ルッキーニちゃん、入ったばかりだし――)
ルッキーニ(いつまで入ってればいいんだろこれ…)
サーニャ「…ルッキーニちゃん」
ルッキーニ「――んぇ!?」ピク
サーニャ「足した方がいいかな?」
ルッキーニ「えっ? ぁ、うん! たすたす!(…??)」
サーニャ「…うん、それじゃあ」チャポ
ルッキーニ「??」
サーニャ「……」パシャ
ジュゥウゥウウ
ムモァァア~~
ルッキーニ「にゃ!!? あづぅ!?」ビクッ
サーニャ「ぇ…!?」
ルッキーニ「煙で何も見えない!? なにっ!? なにこれっ!!?」
サーニャ「えっ?? だ、大丈夫よルッキーニちゃん!? 煙じゃないから…!」
ルッキーニ「うじゅーー!??」バタバタ
サーニャ「あ、ダメ!! 暴れると焼石に…!!」
ジュッッ
ルッキーニ「~~~~ッッ゛!!?!?」
サーニャ「ーー!!!」
野外 冷水浴場
ルッキーニ「…ぅ~……」
サーニャ「ルッキーニちゃん、火傷…どう?」
ルッキーニ「ぅじゅ…ヒリヒリしゅる…」
サーニャ「……直ぐに冷やしてるから大丈夫だと思うけど、後で芳佳ちゃんに見せに行きましょう?」
ルッキーニ「うん…。………ごめんね、サーニャ…」
サーニャ「ぇ…?」
ルッキーニ「…あたし、サウナ初めてなのに嘘ついた…」
サーニャ「…? …ルッキーニちゃんは嘘なんかついてないわ?」
ルッキーニ「…………“足す”って…なに?」
サーニャ「え? ……ぁ!」
ルッキーニ「……//」
サーニャ「水を足すって意味。 さっきの焼石に水をかけて、暑い水蒸気を作るの」
ルッキーニ「……そなんだ //」
サーニャ「……」
サーニャ「…ルッキーニちゃん、知らないで“足す足す”って言ってたのね」クス
ルッキーニ「!? わ…笑わないでよぉー!? ///」
サーニャ「ぁ…ご、ごめんなさい…」
ルッキーニ「ぅじゃ!? ぁごめんサーニャ! 怒ってないよっ!?」
サーニャ「……」
ルッキーニ「……」
サーニャ「……ふふ」
ルッキーニ「…にゃ、はは。 あたしら2人して謝ってる」
サーニャ「うん…」ニコ
ルッキーニ「んじゃあと1個だけ謝らせて? これで最後にしよ!」
サーニャ「うん、なあに?」
ルッキーニ「…サウナ、迷惑かけちゃってごめんなさいっ」
サーニャ「……うん、私は全然気にしてない」
ルッキーニ「…ありがと」
サーニャ「でも、なんでサウナに入ろうとしたの?」
ルッキーニ「あじゅ!?」ドキッ
サーニャ「全然、知らなかったんでしょ…?」
ルッキーニ「…え、えと……それはね…?」
サーニャ「…うん」
ルッキーニ「……サーニャみたいに、なれるかなぁ~って………思ってぇ… //」ゴニョゴニョ
サーニャ「! 私、みたいに…!?」
ルッキーニ「ぅん… ///」
サーニャ「…? ……??」
ルッキーニ「…ぁ、あのね? ……あたし――」
ルッキーニ「っ……」モジ
サーニャ「ルッキーニちゃん?」
ルッキーニ「…サーニャ。 この話、絶対内緒にしてくれる?」チラ
サーニャ「ぇ…?」
ルッキーニ「… ///」
サーニャ「……うん。 絶対、誰にも言わないわ」
ルッキーニ「…実はね? あたしもいつか、その……きれいな女の人になりたいなって思ってて… //」
サーニャ「……」
ルッキーニ「マーマとか、シャーリーとか、中佐とかそれから――」
ルッキーニ「…サーニャ、みたいな ///」
サーニャ「!? //」
ルッキーニ「あたしもね、大人になればきれいになるんだって思ってたんだ。 でもサーニャはあたしと少ししか違わないのに、なんか…きれいだから」
サーニャ「…そ、そんなこと……ないわ ///」
ルッキーニ「だから、ちょっと羨ましくて…。 サーニャの真似すれば、あたしもきれいになれるかなと思って //」
サーニャ「……」
ルッキーニ「んだからサウナに、入ってみたんだ」
サーニャ「…ルッキーニちゃん」
ルッキーニ「うじじゅ…やっぱ恥ずかしいっ! ほ、ホントに誰にも言わないでね!? ///」バシャ
サーニャ「……」
ルッキーニ「ぅ~… ///」
サーニャ「…私もルッキーニちゃんが羨ましいな」
ルッキーニ「ぇ…? な、なんで? //」ピク
サーニャ「だって私はルッキーニちゃんみたいに誰かを楽しくしたり、喧嘩したり、仲直りしたりなんて出来ないから――」
サーニャ「…そんな風に、お日様みたいに明るく素敵なルッキーニちゃんに凄く憧れるわ」
ルッキーニ「……あたしが…?」
サーニャ「うん。 ルッキーニちゃんが笑うとみんな明るくなるから、……私も今日は楽しかった」ニコ
ルッキーニ「――ッ!//」ドキッ
ルッキーニ「ぅ…」
サーニャ「?」
ルッキーニ「……サーニャずるいよぉ…」
サーニャ「ぇ…そ、そうなの?」
ルッキーニ「だってなんか、…恥ずかしいじゃん //」ザプ
サーニャ「…でも、本当にそう思うから」
ルッキーニ「ぅー… ///」ブクブク
サーニャ「……私にはできっこないもの、皆を明るくするなんて。ずっとそうだった」
ルッキーニ「うじゅ…?//」
サーニャ「誰にも見つけてもらえない、幽霊みたいだったの」
ルッキーニ「……」
サーニャ「…ほら、幽霊って明るいうちは出ないから……私と少し似てる。自分から、眩しい人達には近づくことが出来ないんだわ」
ルッキーニ「……悪口は、あんまし気にしちゃだめだよ。サーニャは、そんな事ないもん…」
サーニャ「ううん。…もう気にしてない。こんな私にも皆優しいから、今はこうしてる毎日が楽しいわ」
サーニャ「でもそれは周りのおかげだから。私自身は今も……」チャプ
ルッキーニ「サーニャ…」
サーニャ「――…だから、私はルッキーニちゃんの方が羨ましいかな?」フフ
ルッキーニ「っ…、そんなことないよっ!!」ザバァ
サーニャ「!? きゃ…!」
ルッキーニ「いじけないでよサーニャ! …サーニャは暗くなんか…っ、ないもん…!」ギュー
サーニャ「!」
ルッキーニ「サーニャはきれいなんだから!! きれいな――…ぇと、その……月だからっ!」
サーニャ「私が…?」
ルッキーニ「だから、あたしが照らせば一緒だよ!? …………た、たしかそんな感じで光ってるって前に聞いたことあるから…」ゴニョゴニョ
サーニャ「……」
ルッキーニ「…こーやって、シャーリーにギュッてしてもらうとあたしは元気出る」
サーニャ「……。 ルッキーニちゃん…」
ルッキーニ「サーニャにも元気出してほしいよ。じゃないと楽しくない…」
サーニャ「……」
ルッキーニ「……」ヒシ
サーニャ「……うん、ありがとう」
ルッキーニ「ん…」
サーニャ「元気、でたよ?」
ルッキーニ「…よかった」
サーニャ「うん」
ルッキーニ「……」
サーニャ「……? ルッキーニちゃん? えっと、もう離して平気よ?」
ルッキーニ「ん~、もちょっと。あったかくて気持ちいから」ギュ
サーニャ「……寒いならもう出ましょう?」
ルッキーニ「んー~、水の中であったかいから気持ちいんだよ?」
サーニャ「ぅ……でも私、動けないわ…」
ルッキーニ「サーニャの肌もスベスベで気持ちぃー!」
サーニャ「…ぇ、えっと…///」モジモジ
一方 物陰
エイラ「ンーーッ!!!」ジタジタ
シャーリー「落ち着けってエイラ!? 今出て行くのは野暮だろ! つうかお前、夜間哨戒行けよ!?」グィイ
エイラ「ンー、ンーー!!!」
シャーリー「…にしても――(風呂に行った筈がいないから探してみたら、いつの間にかサーニャと親密になってたのか。つうかルッキーニもあーいうクサい事言うんだな、さすがロマーニャ人…)」
エイラ「ンー!! フゥンッーーーーー!!!!」バタバタ
シャーリー「うぉ!? お、おい静かにしろって! 今バレたら気まずいだろ!?」
エイラ「ンァーンー~ーーッ!!!(サーニャーッ!!)」
美緒「――……お前達。こんな所で…全裸で何をしている?」
―翌日―
ミーティングルーム
サーニャ「――それで、もう一度ここと…ここ」
ルッキーニ「……うん」ジャーン♪
サーニャ「とりあえずここまで、ゆっくりやってみましょう?」
ルッキーニ「…あい」
サーニャ「……」
ルッキーニ「…ぇと……最初のとこ、どこだっけ?」
サーニャ「“ミ”の半音下、2つの黒の右側から」
ルッキーニ「あ、そっかそっか! …んでぇ、こやってぇ…」ポロポロン♪
サーニャ「うん、上手よルッキーニちゃん」
ミーナ「――可愛いらしい音色が聞こえるわねぇ? 誰かしら?」スタスタ
サーニャ「ぁ、ミーナ隊長…!」
ミーナ「あら、ルッキーニさん!? …ピアノの練習をしてるの?」
サーニャ「はい。今度は私が教えて、一緒に」
ミーナ「え?」
サーニャ「あっ…! ぃ、いえこっちの話です…//」
ルッキーニ「ぅじゅ…~」♪
ミーナ「それにしても……うふふ、ピアノも先生もいいもの使ってるわね? 私も習おうかしら」
サーニャ「そ、そんな…///」
ルッキーニ「ぅじゅじゅ…」~♪
ミーナ「…“ノミのワルツ”かしら?」
サーニャ「ぁ、はい。とりあえず冒頭の8小節だけを」
ミーナ「懐かしいわねぇ。私も触りたての頃よく弾いたわ」
サーニャ「…可愛くて、聞く人が楽しくなる曲なので……ルッキーニちゃんに似合うと思います」
ミーナ「うふふ、そうね。 そのうち2人で連弾を聞かせて頂戴?」
サーニャ「はい。編曲も少しだけ考えていますから」
ミーナ「…あらあら、冗談のつもりだったのに」ウフフ
ルッキーニ「――…よーし! もー覚えたぁ! サーニャ、あたしもう出来るよ!?」
サーニャ「うん。それじゃあ私がゆっくりリズムを鳴らすから、それと一緒に弾いてみましょう?」
ルッキーニ「まっかせなさーいっ!」
サーニャ「…フフ」クス
ルッキーニ「にゃ? サーニャどしたの?」
サーニャ「ううん、なんでもないわ。それじゃあいくね? ……さん、はい」
~♪ ~♪
ミーナ「……平和ねぇ」
ルッキーニ「――やった! サーニャ、あたし出来てたでしょ!?」
サーニャ「うん」ニコ
ミーナ「…うふふ」
おわり
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