芳佳「リーネちゃん、何してるの?」 (50)
リーネ「あ、芳佳ちゃん。これはね、ティーロワイヤルって言うんだよ」
芳佳「てぃー……ろわいやる?」
リーネ「うん、紅茶の飲み方の一つなの。こうやってね、スプーンに角砂糖を載せて……」
リーネ「ここにブランデーをちょっぴり注ぐの」
リーネ「そしてこれにマッチで火を着けると」シュッ
ポワッ
芳佳「うわぁー、綺麗だね!」
リーネ「うん! あとはお砂糖が溶けたら紅茶に入れて飲むんだよ」
芳佳「へぇー、こんな飲み方もあるんだー。リーネちゃん凄いや!」
リーネ「芳佳ちゃん……私が考えた訳じゃないんだよ」クスクス
芳佳「えっ、そうなんだ」ガッカリ
ペリーヌ「コーヒーでも同じ飲み方がありますのよ。そちらはカフェ・ロワイヤルですわ」
芳佳「ふぅーん、あ、でもお酒が入ってるから酔っちゃうね」
ペリーヌ「火が入ってアルコールが飛ぶから大丈夫ですわよ。これは紅茶やコーヒーにブランデーの香りを加えて楽しむ飲み方なの」
リーネ「紅茶だとブランデーをそのまま入れたりもするんだよ」
芳佳「ちょっと飲んでみたいなぁ……」
ストパンSSがか細く続いてることは
とてもいいことだと思います
>>3 俺もそう思う。
ペリーヌ「折角ですから作って差し上げますわ。コーヒーと紅茶、どちらが良いかしら?」
芳佳「それじゃあ紅茶で!」
ペリーヌ「それでは少々お待ちになってね」
芳佳「いい匂い……いただきます!」コクン
芳佳「おいしい! ペリーヌさん! これすごぉーくおいしい!」
ペリーヌ「随分と気に入ったみたいですわね」ニッコリ
芳佳「うん! ありがとうペリーヌさん!」ガバッ
ペリーヌ「ちょ、ちょっと宮藤さん!」アワアワ
リーネ「芳佳ちゃんっ! なんで私までっ!」アセアセ
>>3 俺もそう思う。
芳佳「えへへ~、何となく」ニコニコ
リーネ「も、もう、芳佳ちゃんたら……」
サーニャ「みんな、何してるの?」
芳佳「サーニャちゃん。あのね……」
サーニャ「おいしそう……」
芳佳「ね、サーニャちゃんも飲んでみてよ! おいしいよ!」
サーニャ「うん」
芳佳「それじゃあ私が作ってあげるね」
サーニャ「頂きます」コクン
芳佳「どう? 美味しい?」
サーニャ「とても美味しいわ、有難う芳佳ちゃん」ニッコリ
リーネ「良かったね、芳佳ちゃん」
芳佳「うん!」
リーネ「次はちょっと直接ブランデーを入れてみようかな?」
ペリーヌ「さ、流石に直接は。酔ってしまいますわ……」
芳佳「ちょっぴりなら大丈夫ですよ~」
ペリーヌ「ま、まぁ少しくらいなら」
サーニャ「ごくごく」
リーネ「ブランデー、入れすぎちやいましたね……」ヒック
ペリーヌ「そう、ですわね……」ヒャック
芳佳「うーん、うーん、アタマ痛い……」ズキズキ
リーネ「芳佳ちゃん、大丈夫?」
ペリーヌ「それにしても、こんな少量でここまで酔うとは……私共はお酒に弱いみたいですわね」
芳佳「アタマ痛いよぅ……」シクシク
サーニャ「…………」コクンコクン
ペリーヌ「サーニャさんももうお止めになった方が宜しくてよ?」
サーニャ「…………」コクンコクン
リーネ「サーニャちゃん?」
サーニャ「…………ゃは…………」
ペリーヌ「?」
サーニャ「きゃはははははは!」ケラケラ
ペリーヌ「ええええええええええ?」
リーネ「ふええええええええええ?」
サーニャ「これ美味しい! すっごく美味しい!」コクコク
サーニャ「こんな美味しいものがこの世界にあっただなんて……」
サーニャ「お父様! お母様! サーニャは今幸せです!」ゴクゴク
ペリーヌ「紅茶1割にブランデー9割……」
リーネ「も、もう殆どブランデーですよ?」
ペリーヌ「ひょっとしてサーニャさん……」
リーネ「酒癖……悪い……?」
ペリーヌ「な、なんというか底抜けに明るくなっていますわね」
サーニャ「あっ」チラッ
ペリーヌ「へ?」
リーネ「あ、あ」
サーニャ「ペリーヌさん」
ペリーヌ「はい?」
サーニャ「イエーイ!」
ペリーヌ「はい?」
サーニャ「イエーイ!」
ペリーヌ「い、いえーい」
サーニャ「リーネさん!」
リーネ「い、いえーい……」
サーニャ「ぶうううう」
リーネ「え? え? 私何か駄目でしたか?!」
サーニャ「やぱぁぁぁぁぁ!」
リーネ「えええ……」
サーニャ「やぱぁぁぁぁぁ!」
リーネ「やぱぁぁぁあああ!」
サーニャ「すぱしーばっ!」ナデナデ
リーネ「あうう……」
サーニャ「さぁ! 飲みましょう!」
リーネ「い、いえ。私はもう……」アセアセ
ペリーヌ「私ももう結構……ですわ……」アワアワ
サーニャ「そんな! この感動を一人で味わうなんて勿体無いよっ」
芳佳「うう、アタマ……」
サーニャ「芳佳ちゃんっ!!」グイッ
芳佳「まうっ!」
サーニャ「寝てる場合じゃないよ? さあ一緒に呑もう!」グイグイ
芳佳「まうまうまうまう~」ガクガクガク
ペリーヌ「さ、サーニャさん……もうその位で……」
リーネ「うん、芳佳ちゃんももう無理みたいだし……」
芳佳「まう……」ウルウル
サーニャ「そんなぁ……じゃあ私はこの感動を誰と味わえば……」グスッ
エイラ「あ、いたいた。サーニャ、探したゾ?」
ペリーヌ「エイラさん!」
リーネ「エイラさん!」
芳佳「まうままうっ!」
エイラ「ン? 何やってんダ?」
サーニャ「エイラ!」パァァァァ
サーニャ「エイラ! 私と一緒にこの感動……味わって!!」ガバッ
エイラ「うわっ? サーニャどうした……んん?」クンクン
エイラ「サーニャ、お酒臭いゾ」
サーニャ「そうなの! 私お酒飲んでるの。私、凄く感動してるの!」スリスリ
エイラ「うん、成る程。沢山飲んでるナ」
サーニャ「それでねっ、みんなにも飲んで貰おうとしたんだけど」
エイラ「うんうん、それで?」
サーニャ「みんな、もう飲めないって……」シュン
エイラ「そっかそっか。ショウガナイナー、じゃあ私と一緒に飲むカ」ナデナデ
サーニャ「うん! エイラだぁ~い好きっ」チュッ
エイラ「よしよし、それじゃあ私達の部屋で飲み直しダ!」
サーニャ「れっつごぉ~」
エイラ「ツンツン眼鏡、後始末ヨロシク」ヒラヒラ
ペリーヌ「え? あ、はい」
リーネ「」ボーゼン
ネェ、エイラハナニノムノ? ワタシハコスケンコルヴァダナ
ソレオイシイ? オイシイゾ~ キャッホウ!
リーネ「エイラさん、扱い上手……」
ペリーヌ「……ひょっとしてサーニャさん、実は普段から結構飲んでるのではないかしら?」
リーネ「じゃあその度にあんな感じになって」
ペリーヌ「エイラさんが介抱しているのではなくて?」ウンウン
リーネ「あ、あはははは」
ペリーヌ「もう、寝ましょうか……」
リーネ「はい……」
芳佳「ま、まう~」フラフラ
ペリーヌ・芳佳・リーネの部屋
芳佳「ままう~」
リーネ「すぅ……すぅ」
ペリーヌ「はぁ……」
ペリーヌ(心配ですわ……)
ペリーヌ(サーニャさんもあの様な酔い方はするけどオラーシャ人……)
ペリーヌ(エイラさんもスオムス人ですから強いとは思いますけど……)
ペリーヌ(今頃泥酔してしまっているのではないかしら?)
ぺリーヌ(そうですわ!)
ペリーヌ(元はといえば飲ませた私共に責があるんですもの)
ぺリーヌ(様子を見に行かなくては!)ファサッ
エイラ・サーニャの部屋
ぺリーヌ「…………」オソルオソル
エイラ[開いてるゾ~]カチャ
ペリーヌ「!」ドッキーン
エイラ[にひひ、どうしたンダ? ツンツンメガネ]
ペリーヌ「わわわわわたくしはその少しs-にゃさんが心配であのその」アタフタ
エイラ[静かにしろヨ。サーニャ寝てるんだかラ]シーッ
ペリーヌ[あ、はい。ごめんなさい……]ヒソヒソ
エイラ[マァ入れヨ]
ペリーヌ[失礼致しますわ]
サーニャ「エイラ~、だいすきだ~」ムニュムニュ
ペリーヌ[グッスリですわね]
エイラ[ウン、サーニャはお酒が入るといっつもこんな感じダ]ポリポリ
ペリーヌ[やっぱり、通りで対応が手馴れていると思いましたわ]ハァ
エイラ[フフフ、モットホメロ]
ペリーヌ「エイラさん」
エイラ「ん?」
ペリーヌ[先程は本当に有難う御座いました]ペコリ
エイラ[ウェッ! ナンダヨ~。急に改まるなヨ~]アセアセ
ペリーヌ[元はといえば私共がお酒を飲ませた事が原因です。エイラさんは無関係だったでしょう?]
エイラ[ソノ……私はサーニャが誰かに迷惑かけちゃったらダな……]アワワ
エイラ「サーニャが後で事情を知ったら泣いちゃうだろうかラ……それで……」
ペリーヌ[エイラさん]シーッ
エイラ[あ……]ムグッ
サーニャ「エイラ……」ムニュ
ペリーヌ[ふふっ]
エイラ[ナンダヨモ-]
ペリーヌ[エイラさんは本当にサーニャさんの事を想っていらっしゃるのね]
エイラ[…ゥェ…]カァァァ
ペリーヌ[あら? お顔が赤くなっていますわよ?]
エイラ[こ、コレハぁっ! お酒のせいナンダカラナっ]
ペリーヌ[はいはい]クスクス
エイラ[もう! お礼言いに来たのかからかいにきたのかドッチなんだ!?]
ペリーヌ[あ、あら私とした事が……申し訳ありません……]ペコリ
ペリーヌ[ふふっ]
エイラ[にひひ]
ペリーヌ[それにしても……あの後大変だったのではありません?]
空き瓶の山
エイラ[ナンテコトナイッテ。いつものコトさ]ニヒヒ
ペリーヌ「はぁ……、ならば宜しいのですけど」
エイラ[さぁ、もう遅いから寝るゾ。ペリーヌもお酒抜けて無いダロ?]
ペリーヌ[ええ、実はまだ……私共にお酒はまだ早かったみたいですわね]
エイラ[ハハハ、今度上手い飲み方教えてやるヨ]
ペリーヌ[その時は宜しくお願い致しますわ。それでは]
エイラ[また明日ナ~]
ペリーヌ(良かった……エイラさんもサーニャさんも何事も無くて)
ペリーヌ(これで安心して眠れますわね)
ペリーヌ・芳佳・リーネの部屋
ペリーヌ(それにしても、抜けませんわ……)
ペリーヌ(この分だとサーニャさんも明日の朝は大変でしょう)
ペリーヌ(エイラさんは平気みたいでしたけど……)
ペリーヌ(…………)
ペリーヌ「あれ……?」
ペリーヌ(エイラさん……確かサーニャさんに付き合ってお酒を飲まれてましたわよね?)
ペリーヌ(あの空き瓶の山は間違い無く……そもそもエイラさんの事ですからサーニャさんとの付き合いを断る訳が無い)
ペリーヌ(でも先程の応対は何時ものエイラさんでしたわ)
ペリーヌ(ひょっとして……)
ペリーヌ(エイラさんって……)
アウロラ「ニパ、もうちょっと付き合え」
ニパ「うう~、無理ですよ~。これ以上は飲めません」グッタリ
アウロラ「何だ、情けないな」
ニパ「アウロラさんが強すぎるんですよ……」
ニパ「あ~あ、イッルがいれば押し付ける……もとい一緒に飲むのに」
ニパ「あ、それでイッル酔わせて色々と既成事実を……」
アウロラ「それは無理だな」
ニパ「え? なんでです?」
アウロラ「エイラはな……私より遥かに酒強いぞ」
ニパ「ええっ? 初耳ですよそんなの!」
アウロラ「昔あいつとサシ呑みしたことがあってな」
ニパ「サシ呑みって……」
アウロラ「潰してやろうかと思ってコスケンコルヴァをストレートで2瓶飲ませたんだが……酔わないんだよ、あいつ」
アウロラ「スピリタスを一瓶飲ませてもケロッとしていたからな、あいつは」
アウロラ「結局先に私が潰れた」
ニパ「えええ……」
翌朝
サーニャ「ん……」
エイラ「おはよう、サーニャ」
サーニャ「おはよう、エイラ」
サーニャ「……エイラ」
エイラ「ん? なんだ?」
サーニャ「ひょっとして私……」
サーニャ「また……飲んじゃった?」
エイラ「……」コクリ
サーニャ「やっぱり……」
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