【艦これ】提督が艦娘のお願いを聞いてあげるお話 その2【安価・コンマ】 (856)



いつも頑張ってもらっている艦娘にお休みをあげて慰安をするお話です



・スレの趣向の性質上、確実にキャラ崩壊が含まれます
・提督に少々濃いめの性格付けがされています
・展開によってはえっちぃ描写も含まれる場合があります
・コンマ次第で過度な残酷描写があります
・普通では理解しがたい趣向の描写があります

以上の事に注意してお楽しみください




前スレ
【艦これ】提督が艦娘のお願いを聞いてあげるお話【安価・コンマ】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1433511521/)


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1434012473


>>1が所持していない艦娘

駆逐艦
朝雲、浦風、磯風、谷風、朝霜、高波

軽巡洋艦
能代、酒匂

重巡洋艦
三隈

正規空母
雲龍

装甲空母
大鳳

軽空母
龍鳳

潜水艦
呂500

潜水空母
伊401

その他
大鯨

海外艦
Prinz Eugen、Roma



以上の艦娘は書けないのでご注意ください


提督一覧


A、普通提督
若い青年の提督。20代前半
主体性が弱く流されやすい
基本的に自分に自信がない
しかし、ケッコンカッコカリをするまでは艦娘に絶対に性的に手を出さないという鉄の意思と鋼のような決意だけは揺らいでいない
初心で童貞



B、真面目提督
幼い少年の提督。11歳くらい
非常に生真面目で頑張り屋
人に甘えることが苦手で視野も狭く気を使うことが下手
意外に世間知らずで簡単に人の事を信じてしまう危うさがある



C、思春期提督
幼さが抜けきらない少年提督。14歳くらい
絶賛思春期真っ只中で素直に言葉を言えない
非常に照れ屋で口が悪い、がその後一人で部屋に閉じこもるほど落ち込みが激しい
煽られれば簡単にノッてくる負けず嫌い



D、ナルシスト提督
一見紳士な青年提督。20代後半くらい
人当たりが穏やかでやんわりとした雰囲気の優しい性格
紳士的な態度と笑顔を崩すことは少ない
実際は重度のナルシストであり、誰にも靡かない自分という存在に酔っている



以上の4名が視点となる提督です



テンプレはこんなものでしょうかね?

こういう風に落とされると次スレ誘導出来ないのがすっごく不安になります

それと地味に毎回>>1000を楽しみにしていたのにな……



取り敢えず書き終えた昨日の雷ちゃんのお話を投下


前回までのあらすじ


思春期提督が雷ちゃんにお願いされて部屋に連れ込まれた

部屋に連れ込まれ、『動かないで』と耳元で囁かれた提督の身に………


雷「司令官、動かないでね?」

提督「………」

雷は提督の手を引き、ある場所へと導いた

自らのスカートを捲り、提督の指先が下着に触れた


電流でも走ったかのように提督は慌てて手をひっこめる


雷「あー!動かないでって言ったじゃない!」

提督「い、い…いきなり何するんだよ!!馬鹿じゃないのか!!」

雷「あれ?司令官知らないの?と~っても…良い事なのよ」

小さく舌をだし、ワザと腰を屈めて提督に上目遣いで悪戯っぽく笑った

先ほどまで全く意識していなかった、子供だと思っていた相手が途端に女性であると強烈に認識される

体が火照り、頬がみるみる羞恥で染まっていくのを感じた


提督「な、なん…し…知らないわけじゃないけど………その、わ、わざわざ僕の手を使わなくってもいいだろ!!」

雷「駄目よ司令官!そんなんじゃダメなの…」


提督の右手を両手で包み、頬に添える

雷は両目を閉じ、慈愛すら感じさせるほど優しい頬ずりをした


提督の心臓が激しく高鳴る


提督にとって初めての事だった

既に童貞は卒業し、それ以上の行為すら経験のある提督

だがしかし、それら全ては暴力的で強制的な我儘な性交渉

例えそこに愛はあったとしても、提督自身が相手を心から愛しく思えてはいなかった

やらされているから仕方ない、どこかでそう自分を納得させていた


そんな提督にとって雷の行動は衝撃的であった

止めろと拒絶しても上から押さえつけるのではなく、しっとり甘く優しく愛撫される

その今までとは方向性の違う、恋人同士のような性愛を向けられた提督は激しく動揺していた

そしてその心臓の鼓動は、それ以上にもっと先を見てみたいと興味を示していた



そんな提督の心境を知ってか知らずか、雷は提督の手袋の下に自らの指を這わせた

緊張による手汗とむれ、新たな熱をもった物体によって狭い手袋の中で熱く擦れあう

強引に上へと押し上げられた手袋は指先から完全に浮き、その部分を雷が口で咥え脱がされた

蒸れから解放され外気の冷たさを感じる暇も無く、提督の指の股に雷の少し短く柔らかな指が絡みつく


体に血が上り、鼻息が荒くなっていく


提督(お、女の人の手って…こんなんだったっけ?フワフワして柔らかい…それでいて、しっとり張り付いて確かな存在感がある…)

きゅっ、と握られている掌に力が加えられた


雷「司令官の手袋、ちょっと汗臭い。そんなに緊張してたの?」

提督「う、五月蠅いな!ぼ、僕は汗をよく掻くんだよ!!」

雷「ふ~ん…………んっ…」

提督「うひゃうっ!?」

全神経が集中していた手に新たな刺激が加えられた

雷が提督の手の甲を舐めたのだ


雷「……ホントね、ちょっぴりしょっぱいわ」

提督「ば、ばかっ!変なことすんなよ!!」

雷「さっきから司令官どもり過ぎよ。それにさっきの声……そんなに興奮したの?」

提督「ちがっ――」

雷「私も……私も同じよ…」


言葉を言い切る前に、雷がもう片方の手を取り自らの首に当てた

そこで初めて自らが壁に追い詰められていることを知った

無意識のうちに提督は雷に押されていたのだ



右手は指を絡ませ合い、左手は手首を掴まれている

左手の手袋もまた先ほどと同じように脱がされ、床に落とされる


雷「ほら…司令官……感じる?」

首から下へと手を誘導され、胸の上へと誘われた

雷「ねえ…分かる?もっと感じて、司令官の指で私の事をもっと感じて…」

体が更に密着し、言葉を話すだけでお互いの吐息を感じあえた

誘導された胸は、大きさは控えめでも服越しからでもはっきりと伝わるほど激しく自己主張をしていた


提督「……ドキドキ…してる」

雷「そうよ。いっぱいい~っぱい…ドキドキしてる。司令官の手が触れているからなのよ?」

提督「僕の…手……」

雷「そう、司令官の手…指先が私をこんなにドキドキさせてるの」

そうさせている、誘導されてそうなっていると分かっていても

それに至るまでの過程をまざまざと見せつけられていても、提督の胸が強く高鳴った

自分の手が、自分という存在が雷をこんなにも興奮させているという事実にどうしようもなく昂った


雷「司令官はどう?感じてる?」

提督「……多分…」

雷「ホント?ねえ…私に見せて……」

胸に当てられていた左手首を解放され、雷の右手が提督の衣服のボタンを一つずつ丁寧に外していく

少し屈んで作業をしている雷

開放された手は本能的に動いていた

一瞬躊躇いながらも雷の髪を梳く

拒絶されないと分かれば今度は首元に手を当てる

そこから上に上がり、耳を撫でた

雷は薄く笑い、擽ったそうに首をすくめた

優しくゆっくりと指先の熱を馴染ませるように雷の耳を愛撫する

耳の軟骨の独特の感触が不思議と心地よかった


衣服の前が肌蹴、包帯の巻かれた胸板が露わになる

傷がつけられていない方の胸に雷が手を当てた


雷「ホント、私に負けないくらいドキドキしてる」

提督「…………ああ…」


二人の顔は上気し、瞳は艶を帯びていた

お互いがお互いの熱を感じあい、鼓動を共有しあった

溶けて混ざり合うような不思議な感覚に身を委ね、脳が熱で呆けてくる


雷「私…手が好きなの」

耳に触れていた手を再び掴み、頬に添える

雷「こうやって手を繋いでいるのも好きだし、肌で感触を確かめるのも好き」

徐々に下へ下へと誘導していく

雷「細い指の骨ばった感触も、綺麗な指から延びる爪が肌を刺す感覚も好き」

提督の手を服の下へと誘導し、下腹部へと当てた


雷「司令官とこうやって手を触れているとね、胸がとくんとくんって喜ぶの」

雷「今みたいに肌に直に触れられると、胸の奥がきゅ~ってなる」

雷「それにね、女の子は嬉しくなると今触ってるこの辺り……ここもきゅっ、て切なくなるのよ」

提督の手で自らのお腹を優しく撫でさせる

そして遂に、更に下へと誘導していく


雷「……お願い司令官。触ってみて?」

そう言って雷は提督の手を解放した

提督「…………………」

最初は拒否した

だが今度は、自らの意思で手を動かした



雷の股の割れ目に指が触れる

ストッキング越しでも分かるほど、そこは確かな水気をはらんでいた

雷「…んっ……」

甘いなき声が肩に触れる

今までにしたことのない未知の感触と、未知の反応に痛いほど性器に血が滾った


提督「い、雷…僕……!」

雷「ダ~メ、今日はそういうのじゃないの」

壁際から浮かせた背中が再び壁に押し付けられる

求めを断られたが、それは拒絶では無いとなんとなく分かった


雷「そう言うのも悪くないけど、どうせなら普通と違う事をしましょう?」

提督「……普通と違うって…何をするの?」

雷「じゃ~んこれよ!」

そう言って雷が取り出したのはナイフであった

一気に体中から血の気が引き、悲鳴が漏れる

性交渉の最中に取りだされた暴力を連想させるそれは、今までにされてきた数々の行為を連想させ提督を震え上がらせた


雷「大丈夫よ、大丈夫。安心して司令官」

雷は繋いでいた手を離し、その手の人差し指の皮に刃を差し入れた

ぷくっ、と血が溢れだす

一度零れ始めれば床に落ちるほど血が吐きだされた


雷「ほら、司令官もやってみて?」

躊躇いなくナイフを提督に手渡した

その行動も、提督が今まで知って来たものと大きく違った

自らを押さえつけるはずの暴力の象徴を手渡す行為は、一瞬で提督の不安を取り除いた


雷の真似をして人差し指を切る

少し深く刃が入り込み鋭い痛みが指先に走った

血を流しながら笑顔で掌を向ける雷

まるで示し合わせていたかのように、右手と左手、人差し指と人差し指同士を合わせた


ズクンズクン


と人差し指の感覚が強調される

自らの血と雷の血が混ざりあい、床にしたたり落ちる

その光景を目で追えば、更に人差し指への血の巡りが強まるのを感じた


雷「うふふ…司令官の血が私の中に入り込んでる」

提督「……僕の指にも、雷の血が押し込まれてる」

雷「掌ぬるぬるで、指はズキズキいってるのに……とっても気持ちいい」

提督「そう……だね…」


一見意味の分からない不可解な行為

だがそれが、お互いが強く結び付き合うたまらなく愛しいものに思えて仕方がなかった


ふと、その繋がりが離れ離れになる

少し深く切った提督の指からはまだ断続的に血が流れていたが、薄く切った雷の傷口からは点々と血が零れる程度であった


指先が提督の唇に触れる


雷「舐めて…」

そう言われる前に提督は無意識に雷の指をくわえていた

口の中が血の味でいっぱいになる

舌先で傷口を刺激すれば、中から血が押し出されてきた

人差し指、中指、薬指と順に口腔内に侵入してきたそれを奉仕するように丁寧に舐めた


雷「あむ…ん……ちゅっ………んん…」

自らの指も雷の口へと誘われる

ざらざらとした舌触りと、驚くほど柔らかい内頬の感触が指先から伝わる

舌先で傷口を刺激されるたび、鈍い痛みが走った


雷「ふふっ…♪」

目と目が合えば雷は悪戯っぽく目を細めた

なんとなく悔しくなり、必死に雷の手をしゃぶった

指のしなやかさ、指の骨の硬さ、爪の滑らかな感触、それら全てを堪能しようと必死に口で奉仕した


お互いの指を舐め合い、数分が経ったあたりで同時に指を口から抜き出した

丹念に舐め合った人差し指は少しふやけ、どちらもその血は殆ど止まっていた


提督の涎に塗れた手を、上書きするかのように舐めとる様を見せつける

提督の手はティッシュで優しく拭き取られ、未だ血の滲む人差し指に柔らかく巻かれた


雷「私から誘ったから、今日はここまで」

雷「次からは司令官が……ね?」

提督「………うん」

甘い甘い熱に浮かされ、羞恥などとうに消えていた提督から素直な言葉が返ってくる

その返事に雷は満足そうにほほ笑んだ



雷「それじゃあちゃんと洗って絆創膏しないとね。折角綺麗な指なんだから大事にしないと駄目よ?」

提督「……うん」

雷「司令官の手……私がちゃ~んとお手入れしてあげるわ!」

提督「…うん」


提督は手を引かれ、洗面所に向かった

雷のどこか倒錯的な誘惑に、提督の心は完全に毒されていた


鎮守府・執務室



あれからの一日、爪の手入れをされたりマニキュアを塗られたりして過ごした

そして……


提督「……あのさ、光沢だけで十分じゃない?」

雷「駄目よ!私が可愛くしてあげるから大人しくしてて!」

すっかり雷のペースにはまり、提督の指は雷の玩具になっていた

執務机の上には色鮮やかな小瓶が並び、あれでもないこれでもないと塗っては拭き取りを繰り返していた


提督「自分の手でやりなよ…」

雷「嫌よ、失敗したら怖いじゃない」

提督「だから僕の手でするのかよ!!派手にしたらずっと手袋しないといけなくなるからあんま塗らないでよね!!」

雷「イイじゃない手袋!手袋越しの手の感触もいいわよね!」

提督「………結局雷も僕の体が目当てなんだな…」


いつもとちょっと違う、でもいつもと同じ展開に提督は大きなため息を吐いた


『マノフィリア』如何だったでしょうか?

こいつは某殺人鬼のおかげでかなり知名度が高い性癖だと思われます

『手』そのものに興奮するというよりは『手、エッロ!!』と興奮する人に当てはまります

手を性的な目的で見てしまう、性的な目的で使用したがる性癖ってな感じですね


本当は腕ちょん切るつもりだったのですが、猟奇的で毎回スプラッタはなんか味気ないかも

と思ったので今回は甘々なねっとりこってり調教描写をマシマシにしました

こういう精神的に手玉にするのも猟奇的なの一つかな、と


ぶっちゃけ大好きな性癖なんで趣味に走っただけとも言えます


今日の更新も20時が目安です

それではまた


私が手フェチになった原因の9割は遊戯王の所為(確信)



そろそろ再開のお時間です

誰かいますかね?


おおう……誘導できていないせいか人が少ないデース……
一人は返事が返ってきて安心しました…


今日一日の視点となる提督を選択してください


A、普通提督
B、真面目提督
×、思春期提督
D、ナルシスト提督


安価↓3の中で最も2桁コンマの数値が高いものを採用


>>32採用:B、真面目提督
※2スレ目にて漸く初登場


今日一日の選出方法

1、艦娘安価指定
2、>>1の鎮守府のレベル順うえから○番目の艦娘
3、>>1の鎮守府の所持艦娘を古い順から○番目の艦娘


安価↓3の中で最も2桁コンマの数値が高いものを採用

>>32はd=Dのナルシストだと思う


コンマが被ってるので再判定

偶数で1、奇数で2

直下コンマ


>>40-41
言われて気が付きました。むっちゃ恥ずかしいです
Dのナルシスト提督ですね。ホント、申し訳ないっす……



コンマ判定:偶数(0は偶数扱い) 完全安価指定


それでは艦娘の名前をかきこんでくださいね

安価↓3の中で最も2桁コンマの数値が高いものを採用

Z3


>>46採用:Z3
※いっつもマックスって呼んでるせいかZ3と表記すると誰か分かりにくい……



「ちょっとおかしな」ボタンを押しますか?

1、押す
2、押さない

安価↓3の中で最も2桁コンマの数値が高いものを採用


>>56採用:1、押す



それではポチッとな



1、外見
2、内面
3、傷、自虐
4、死
5、物
6、部位
7、状況
8、行動・行為
9、その他
0、逆に

直下コンマ


コンマ判定:5、物


『物』のちょっとおかしな一覧はこちら


1、ペディオフィリア(人形性愛)
2、シトフィリア(食物愛好)
3、ヘマトフィリア(血液性愛)
4、バルーンフェティシズム(風船愛好)
5、ピロフィリア(火炎性愛)

安価↓3の中で最も2桁コンマの数値が高いものを採用


>>63採用:3


Z3の性癖が『ヘマトフィリア』に決まりました


Z3の好み
偶数で出したり出させるのが好き、奇数でより性的な意味で

直下コンマ


コンマ判定:偶数


それでは本編開始です


提督「…と、いうわけでして貴女にも休暇の順番が回って来たんですよ」

Z3「ふ~ん…そう、『艦娘慰安月間』…ね。いいんじゃないかしら」

提督「慰安ですので、提督である私が誠心誠意ご奉仕させていただきますよ。どうぞ何でも仰ってください」

にこやかな笑みを浮かべて今回の趣旨を説明する提督

Z3はいつもの不愛想な顔を浮かべ、小さく頷いていた


Z3「……そうね、例えば。他の人はどんなことをお願いしてきたのかしら?」

提督「え~っとそうですねぇ……、服を脱いで雨の中走り続けろと命令されたり、死んでくれとお願いされたりしましたね」

Z3「………この鎮守府のモラルは大丈夫なの?」

提督「きっとこんな機会だから、と思い切ったお願いをしてみたかったのだと思いますよ」

Z3「それでも限度があると思うのだけれど……」

額に手を当て呆れたように深く息を吐いた

そんな出来事を、さも気にもしていないように振る舞う提督にも溜息が出た


提督「ああそうだ、『自分の望んだシチュエーション通り行動してほしい』なんてお願いもされましたね」

Z3「ふ~ん…変わってるわね」

Z3「…………いいえ、最初の二つの方が変わっているわね。早速毒されてしまったわ」

提督「そういった所謂『プレイ』なんかでも構いませんよ?」

提督「武蔵さんのおかげでもう何が来ても平気ですから」

Z3「プレイ……ね。考えておくわ」


そう言ってZ3は執務室を後にした

その後ろ姿が完全に見えなくなったことを確認し、独り言をつぶやく


提督「…次はどんなことをされるのでしょうね?」

提督「いえいえ、健全なお願いであればそれに越したことは無いのですが」

提督「今まですべて何かしらおかしなことを要求されましたからね……」

提督「まあどうせ死を超える終点などないのですから、気長に待ちましょうか…」


そうして執務に戻った提督

一度死んでしまったためか、達観した精神へと歪な進化を遂げていた


ううむ……昨日からの体調の悪さがまだ治っていないようです…

ついでに鎮静の効果もあればという意味を込めて、今日はここまでです


Z3の話は時間をかけてゆっくり書き上げるのでご安心ください

それでは、また


うおおおおおおおおおおおお!!!!!

20時に全然間に合わなかったあああああああああ!!!!

本当にゴメンさない!!


今日は体調バッチリです
更新の前に、Z3の話を投下します


>>100の続きから



後日、提督はZ3に自室へと呼び出されていた


コンコン

と強めにノックをする

室内からZ3の入室を促す声が聞こえ、中へと招かれる


提督「お願い事が決まりましたか?」

Z3「ええ、決まったわ。言葉通り、慰安をして欲しい」

何のためらいも無くZ3はそう言い放った


提督「……それはつまり、体を使って…という意味で構いませんか?」

Z3「理解が早くて助かるわ、シャワーは浴びてきた?そうじゃないならしてきて頂戴」

提督「あの……後悔しませんか?」

Z3「なに?私に気を使っているの?」

提督「ああ、いえ…何でもありません。なるべく早く戻ります」

そう言い残し提督は一旦自室へと戻った


シャワーを浴び、自らの体を改めて鏡で確認する

足の指先から髪の毛の一本に至るまで見事なものだと再確認する

提督「……………美しい…」

恍惚な表情で鏡に映った自らの肢体を撫でた

Z3「…気持ち悪い」

その様をしっかりとZ3に見られてしまった

鏡に映ったZ3の顔は明らかに怪し人を見る眼であった


Z3「そう…確か誰かも言っていたわね、提督は自分好きだと。噂は本当だったんですね」

提督「あ、あの…ここは私の自室なのですが?」

Z3「そうね、知っているわ。シャワーの音が止まったから開けたのよ」

提督「分かってて開けたという事は……その、つまりはそういうことでしょうか?」

Z3「そのつもりよ」


Z3も衣服を全て脱ぎ捨てており、お互いが全裸で向き合っていた

どちらも恥ずかしがる様子は無く、何も知らない第三者が見れば年の離れた兄妹か若い父とその娘のように見えていたかもしれない

提督自身も『筑摩さんが喜びそうな身長差ですね』とぼんやり考えていた


Z3「ふぅん………」

遠慮のない手つきで、興味深そうに提督の体を撫でまわす

顔、鎖骨、胸、鳩尾、腹筋、太ももと、どんどん下に下がっていき視点はある一点に固定された


Z3「…男の人も毛の処理をするの?」

提督「知りませんねぇ…同性間でそう言う話はしないものですから。私はムダ毛をすべて処理していますが」

Z3「ふぅん………ねえ、これ大きい方なの?」

小さく幼さの残る少女の指が提督の反応の無い性器を弾く



提督「それは…女性の方に褒められた覚えがあるので、お世辞の可能性もありますがそれなりの大きさなのではないでしょうか」

Z3「これ…血で膨張するはずだから、もっと大きくなるのよね?」

提督「そうですね。………あの、先ほどから薄々と感じていたのですが……性行為のご経験は?」

Z3「自慰だけよ」

提督「で、ですよね………ははは…」

謎の自信に満ち溢れた未通女を前に、提督の笑顔は固くなる

だがしかし、そうと分かれば対応を変えなければならないと直ぐに気持ちを切り替えた


深々と腰を折り、Z3に対して頭を垂れる

提督「では、僭越ながらこの私がリードをさせていただきます」

Z3「……提督、アナタの経験は?」

提督「私ですか?私はこの通り引く手数多ですので、こういった場は慣れています。童貞は捨てていませんが」

Z3「何それ、もしかして『自らの体を捧げるほどの相手が居ない』とでも言うのかしら?」

提督「御明察の通りです」

Z3「本当に筋金入りね……」

Z3「でも、面白いことを聞いたわ。今からその大事に守ってきた貞操は、私に捧げられることになるのよ?」

提督「ふふふ…はい、そうなりますね」

Z3の半分厭味の意味が込められた言葉にも提督は態度を崩さずにこやかな笑みを浮かべていた


提督「優しくしますので安心してくださいね」

Z3「必要ありません」

差し伸べられた提督の手を振り払う

自らの裸体を前にして全く反応を見せず、態度を依然として崩すことのない提督に少し苛立ち語気が強まる


Z3「言い忘れていたけど、リードなんて必要ない」

提督「え?ですが、その…初めてなのでは…?」

Z3「私、普通じゃあ満足できないの―――」

Z3の手が提督の首筋に当てられる

冷たい感触が走り、体に液体が伝った

体に垂れる赤い滴は血であった、Z3の手にはナイフが握られていた



Z3「こんな風に……ね?」


提督「…………なるほど、よく分かり…え?」

武蔵さんと同じか

そう思った提督が初めて動揺を見せた

Z3は提督の首に腕を回し、足をつんのめらせて背伸びをしながら血を流す首筋を丁寧に舐めた


Z3「……届かないわ、少し屈んで」

提督「あ、はい」

言われた通りに体を屈めると、すぐさま唇が重なり合う

血に濡れた唇で2回、3回と軽く触れ合った


Z3「…初めてのキスよ、お味は如何かしら?」

提督「……血の味がします」

Z3「ふふっ…当然よね…………んっ…」

首を抱く腕に力がこもり、先ほどよりも強く長く唇が押し付けられる

提督の手がZ3の背中に回り、体を支えしやすいように固定してあげる


1分ほどの長い長いキスが終わる

首に回された手が解かれ、改めて見つめ合う


Z3「……いいものね、キスって」

Z3「でも、これじゃ少し物足りない」


ナイフの刃を提督の唇の間に差し込み端までよせ、素早く引き抜く

小さな痛みと共に血が溢れた

Z3「んぅ……ふぅ………ちゅっ…」

血が溢れる個所にZ3が甘い口づけをした


Z3「アナタもやってみて」

そう言って提督にナイフを渡し、やりやすいようにと口を差し出した

提督「……………え?貴女の口を切るのですか!?」

Z3「そうよ」

提督「いえ、あの…私、生粋のフェミニストなので女性を傷つけることに抵抗が……」

Z3「アナタの手でやらなければ意味がないわ。そういうプレイなんですから」

Z3「それに、私がそれを望んでいるんだから、提督であるアナタはそれに応えるべきじゃなくて?」

提督「………分かりました。では…失礼します」

痛みをなるべく抑えるためにZ3と同じやり方で口の端に傷をつける

Z3の穢れなき肌に血が伝う

その光景に心を痛めながらも、傷口に唇をあわせた


二人の唇にはべっとりと血に塗れ、紅をさしたようになっていた

お互いの視線が唇一点に注がれ、Z3は艶やかに微笑んだ


Z3「次は、こう」

提督からナイフを奪い次は自らの口腔の奥へと突き入れる

頬の肉を引っ張り、ナイフの刃が内頬にしっかりと当てられているのを見せつけて素早く刃を引いた

先ほどの傷とは比じゃない量の血が口から溢れだす

サラサラとした新鮮な血は首を伝い胸を伝い太ももを撫でる


Z3「やってみて。口の中ならどこでもいい、けれど内頬をお勧めするわ。治るのが早いから」

明らかに経験済みである発言に呆れつつも、先ほどよりも迷いなく口腔内に傷をつける

提督にとっては自傷するよりも、女性の肌を傷つけることの方が苦痛であったからだ

提督の口からも多量の血が溢れだす

抑えようとして無理に口を噤めばすぐに血が溜まり、気持ち悪くなり直ぐに口を開けて吐きだした

広いとは言えない浴場には、徐々に二人の血の跡ができにおいが充満し始めていた


提督「…あの、Z3さんは自傷癖があるのですか?」

Z3「違う、そんなんじゃないわ。私の場合はもっと単純」

Z3「血を見ると興奮するのよ」

返しの言葉を待たず強引に首を抱き寄せられ、今までで一番強く唇同士が合わさりあう

舌先が唇に触れ、Z3の意図を察し提督は口を開いて舌を受け入れた

舌は口の端の傷に触れ、さらに奥につきだされ内頬の傷を舐める


Z3「んんっ…ふぅ……んぅ…!」

激しくZ3が提督の口を求め貪る

口と口が繋がり、お互いの口から溢れる血により自然と息が苦しくなり呼吸が荒くなる

Z3の舌が強く突き出され、提督の舌を求めて蠢く

舌と舌が絡まり合い、一層息が苦しくなる

その最中でも絶えず血は溢れ続け、唾液と共に口内を行きかう


一度息がしやすいように舌を引けば、唾液と共に大量の血が送り込まれる

吐きだしそうになるもZ3の視線を感じし、少しづつ喉奥に流し込む

Z3の体液を飲み込み喉を鳴らす、その音にZ3は喜悦の笑みを浮かべ動きを止め耳を澄ました


Z3は全てのみ干した姿を確認して、口を開いて上を向く

躊躇しながらも口の中に血液をため、唾液と共に受け渡した

Z3はきつく眉を顰めてそれを飲み込んだ


Z3「………一度に飲むものじゃないわね、少し気持ち悪いわ」

提督「ま、まぁ…そういうものですよね」

Z3「次は何処から血を流そうかしら……」

そう口に出しながら自らの片方の手のひらに刃を押し付け傷を作る

血を塗り付けるように提督の体を撫でまわす


Z3「ここ、ここ……それとここも」

右腕橈骨筋、右大胸筋、前方左の外腹斜筋に刃を当てて新たな傷をつける

痛みが疎らになり、少しづつ感覚が痺れていく

Z3「好きな場所を切っていいわよ」

そう言われ提督はナイフを渡されたが、手が動かない

かなり躊躇しながら選んだ箇所は下部腹直筋

薄く線が走り、ぷっくりと血が溢れはじめる

その姿に罪悪感で押しつぶされそうになり、もう出来ませんとばかりにZ3にナイフを返した


Z3「………意気地なし」

提督「申しわけ…っ!」

提督の左の掌がZ3によって傷つけられる

深く刃が入り込み、かなりの痛みが走った


Z3は提督の背に手を回し抱き付く

提督もまた膝を折って抱き返す

後ろに回したZ3の手に回されたナイフが広背筋に長い傷跡をつけながら、お互いの体を擦りつけ合う


お互いの裸体は赤く染まり、血が潤滑剤代わりとなりぬるぬるとした滑りを生んだ

掌に走る断続的な痛みが、血の滑りによる奇妙な感覚により少しずつ快感へと変わっていく

それと同時に少しずつ、体中に走った痛みの線すらも心地いい刺激へと変わりつつあった


提督の両手がZ3の両頬に添えられ、上を向かせた

手が触れた髪と頬が赤く染まり、その少女を穢しているのだと強く感じさせる

堪らなくなり提督は初めて自ら意思で、少女の唇を奪った

甘く唇をはみ、歯で挟んで軽い刺激を与えた

舌の先が上下の唇を愛撫し開かせる

歯と歯茎の間を撫で回し、歯の数を数えるようにねっとりと舌を動かせる

舌と舌を絡ませ合い、血の混じった少女の唾液を音を立てて飲み込んだ

名残惜しむように軽く上唇を挟みながら、唇を離した



Z3「あっ……」

切なげに甘い声を漏らす

もっともっととせがむ様に少女は無意識で舌を突き出した

提督「くすっ…」

その姿に、提督は思わずサディスティックな笑みを見せる

それが余程悔しかったのか顔を羞恥で赤く火照らせ、提督の口を強く吸った

それと合わせて提督の内ももを撫で回し、ついに性器へと手を伸ばした


性器に触れ、軽く握った時にその異変に気が付いた


提督の性器は勃起していなかったのだ

自らは乳首をつんと突き出し、股からは愛液を滴らせているというのに、その男はピクリとも性器を反応させていなかった

腹立たしくなり強く握ってみると、少し反応を見せるがすぐに収まる

扱いてみたり爪を立ててみたりしてみたが結果は全て同じだった


自分はこれほどまでにやる気になっているのに、何も反応をしていない相手に怒りと焦りの混ざった言葉を浴びせた

Z3「アナタ…どうして勃たないの?」

提督「どうしても何も、あまり興奮していないせいだと思いますよ」

Z3「こ、こんなに体を触れ合ったのに!?」

提督「はい」

Z3「あ、アナタ…勃起不全かなにか?」

提督「そんなことありませんよ、本気で興奮すれば勃起します」

Z3「それじゃあどうして今勃起していないの!?もしかしてゲイなの!?」

提督「キチンと異性に反応します。普通の異性愛者です」

提督「先に、答えは言いましたよ」

Z3「先に……って…私は貞操を捧げるには物足りないって事!?」

提督「ふふふ…」

最初と変わらない余裕のある柔らかい笑みを提督は見せた

その笑い顔に沸々と怒りがわいてくる


Z3「……許さない」

提督「へ?」

Z3「絶対に勃たせて見せるわ…!」

提督「Z3さんでは無理…ってちょっと何してるんですか!?ナイフなんて持たないで下さい!!ちょ…当てないで!!!使いモノにならなくなるくらいならいっそ殺してください!!」


提督の悲痛の叫びが狭い浴場にこだました


提督自室・浴場


二人は一つの浴槽に座りこみ、汗と血に塗れた体を寄せ合っていた

Z3の小さな体を包むように、提督が後ろから抱きしめているような姿勢

上からZ3の顔をのぞきこめば、不機嫌に頬を膨らませていた


提督「まだ若いどころか幼いくらいなのですから、無理に処女を散らすことなんてありませんよ」

Z3「そんなことより、アナタの事が腹立たしいわ」

Z3「最初に後悔しませんかって言ってきたの、こういう意味だっただなんて…」

提督「私の事は……そういう性癖だと、諦めてください」

Z3「……ふぅん、私なんかじゃアナタと釣り合わない…そう言いたいの?」

クールで大人びた雰囲気のZ3が、年頃の少女のように唇を尖らせて拗ねる姿に、胸がきゅうっと愛おしく感じた

優しく髪を梳くように撫でる


提督「そうではありませんよ。そう卑屈になる必要が無いくらい、アナタは素敵な女性です」

提督「今はまだ若いのですから、焦る必要などありませんよ。初めては大事にとっておいて損はありません」

提督「それに貴女であれば、私でなくとも理想の異性を簡単に射止められますよ」

Z3「……見え透いたお世辞ね。……………アナタでなければ、こんなお願いするわけないじゃない」

提督「ふふふ…その言葉は、とても嬉しいですよ」

Z3「今のは聞こえていなくていいの…」

提督「す、すみません」

提督「…………そろそろ上がりますか?」

Z3「……もう少し、ここに居させて…なんだか眠たいの」

提督「そうなんですか、奇遇…ですね」


Z3は自らの体を提督に預け、提督はその体を守るように優しく抱きしめた

数分後、脱水と貧血で死にかけた二人は無事に浴槽から救出された


『ヘマトフィリア』如何だったでしょうか?

今までもその片鱗が描写の中にあったとは思うのですが、アムロフィリアと並んでとびぬけて好きな性癖の一つです

Z3も性癖も大好きなので『どっちも最高じゃねーか!ひゃっほい!』と奇声を上げていざ書き始めると、その口調の難しさに何度か筆を止めてしまいました

敬語の時とそうじゃない時の差は何なの…?と苦しみながらも最終的には楽しくかけました!!

>>73のコンマ判定は自分も血を出すか、相手だけに出させるかの違いでした



なんやかんやで雷ちゃんの時のように早くかけずにこんな時間になってしまいましたね…

後一人くらいはいけるでしょうか?

誰かいらっしゃったら再開します


ではでは、再開いたします


今日一日の視点となる提督を選択してください

A、普通提督
B、真面目提督
C、思春期提督
D、ナルシスト提督

安価↓3の中で最も2桁コンマの数値が高いものを採用


>>192採用:B、真面目提督
※今度こそb…Bの筈だ!!Dはdだもんね…うん



今日一日の艦娘の選出方法

1、>>1の鎮守府のレベル順うえから○番目の艦娘
2、>>1の鎮守府の所持艦娘を古い順から○番目の艦娘
3、>>1がまだ選ばれていない艦娘の中で適当にチョイスしコンマ判定で決める

安価↓3の中で最も2桁コンマの数値が高いものを採用


>>198採用:3、>>1厳選艦の中からランダム



1、大淀
2、赤城
3、時雨
4、祥鳳
5、川内
6、伊勢
7、扶桑
8、鳥海
9、伊19
0、矢矧

直下コンマ


コンマ判定:9、伊19


「ちょっとおかしな」ボタンを押しますか?

1、押す
2、押さない

安価↓3の中で最も2桁コンマの数値が高いものを採用

2


>>205採用:2、押さない


それでは本編開始です


提督「……以上が『艦娘慰安月間』の顛末です」

伊19「…要するに、お休みって事なの?」

提督「はい!ですが、ただのお休みではありません。慰安なんです!!」

提督「ご安心ください、キッチリと辞書を引きましたよ!」

提督はドヤ顔で広辞苑を取り出し、付箋をしてある場所を引く


提督「ええっと……心を慰め、労をねぎらうこと。とあります」

提督「そこで、私なりに色々考えたのですが…その結果!これが最良だと判断しました!!どうぞ!!」

提督は何故か執務室のカーペットに座布団を置いてそこに正座をした

目を輝かせ自らの膝をバシバシと叩く


提督「膝枕!耳かき!子守唄です!!これで心が安らぐこと間違いなしですよ!!!」

伊19「それはそれで嬉しいけど、それが最良じゃないと思うのね……」

提督の馬鹿らしいほどに実直で走り気味な行動に、渋い顔をする伊19であった


提督「そうなのですか?…僕なりに考えた結果なのですが……致し方ありませんね」

提督「それでは更に母親が作ったようなカレーを作りますよ!!」

伊19「うん、だからそれはそれで嬉しいけど、何かが違う気がするの」

提督「ハッ!また、自分は何かおかしな行動を取っているのでしょうか!?」

提督「伊19さんのその表情、どこか疲れている様子です。それはつまり、私の提案は慰安に繋がっていないという事に他なりません」

提督「ええ~っと…こういう時は……」


改めて提督は司令分を熟読し、必死に打開策を思案する


提督「……えっと…『提督は艦娘を満足させるために、どんな要求も叶えなければならない』…」

伊19「うんうん!そう、そういうのが欲しかったの!」

提督「本当ですか!良かった…嬉しいです!!」

提督「無知な僕では対処できないことの方が多いかと思いますが、どうぞ何なりと申し付けてくださいね!!」

伊19「なんでもいいの?」

提督「何でも大丈夫です!!」

伊19「言質を取ったのね!これでもう何を言っても嫌とは言わせないの!!」

伊19「イクからのお願いは……」



伊19のお願い
自由安価

安価↓3の中で最も2桁コンマの数値が高いものを採用

たまには提督とうだうだしながら半日ひなたぼっこ


>>217採用:


提督「あの…こんな事でいいんですか?」

伊19「いいのいいの……ふぅ…今日はあったかいのね…」

伊19は満足そうに太陽の眩しさに目を細めた

提督が伊19に連れてこられた先は日のよく当たる、提督自室の縁側

最初は屋上に向かったが日が強すぎたため程よく日が陰るこの場所に決まった


提督「日向ぼっこなら、いつでも付き合いますよ?」

伊19「それじゃあイクがしたいときに付き合って欲しいの」

提督「お任せください!」

伊19「イクは~、今…このお休みは提督と過ごしたいのね~」

膝に抱いた提督の顔に自らの頬をグリグリと押し付けた


提督「アハハッ!もう、くすぐったいですよ」

提督もまた、伊19の分かりやすい愛情表現に嬉しそうに目を細めた


伊19「……う~ん…あ~……体が乾いていく気分なの…」

提督「そ、それは喜びの表現なのですか?」

伊19「いっつも暗くて冷たい海の底だから、こういう気分もいいものなの…」

伊19「干からびる~…なの……」

提督「やっぱり喜んでいるような発言じゃありませんよね!?」

伊19「いいのいいの……細かい事なんて考えなくていいのね~…」

提督の柔らかい脇腹をつつきまわす

居心地悪そうに体をくねらす提督に、追い打ちをかけるように腋を擽った


提督「あはははは!ちょ…ちょっと!やめて下さい!腋は反則ですよ!!」

提督「も、もう!怒りますよ!!ふぐっ…」

堪らず顔を後ろに向けた提督の鼻をすかさず摘み、間抜けな息を漏らす

小さな可愛らしい鼻を上下左右に動かし、両頬を両手で強めに押した


提督「……僕で遊んで、楽しいですか?」

伊19「とっても楽しいの!うりうり~!」

提督の柔らかい頬を存分にこねくり回し、最後はまた頬と頬を擦りあわせた


汗でしっとりとしたハリのある肌同士が、吸い付くようにはりつき合う

ふと、提督がすんすんと鼻を鳴らした


伊19「提督。どうかしたの?」

提督「あ、えっと…こうしてぎゅって近くに居ると思ったんです。イクさんっていい匂いがしますよね」

伊19「そお?」

提督「イクさんに限らず、女の人って不思議です。ふと、とてもいい匂いがする時があります。服の洗剤、髪のシャンプー、それとも香水だったりするのでしょうか?」

伊19「女って言うのはとってもいい匂いを発する不思議な生物なの…」

提督「え!女性にはそもそもそんな能力が備わっていたのですか!?」

伊19「そうなの。特にイクは提督をメロメロにするふぇろもんがでまくってるのね!それがいい匂いの原因なの!!」

提督「な、なるほど!イクさんはラフレシアが蠅を寄せるため腐った肉の匂いを出すように…あだっ!」

伊19「もうちょっといい表現があったはずなの…!」

提督の脳天に、渋い顔をした伊19のチョップが炸裂した


提督「では、食虫植物のような…あでっ!」

伊19「一旦その比喩から離れるの…!」

もう一発チョップがさく裂し、あと2回ほどチョップを落とされ『猫を恍惚感を与えるマタタビのような』という表現でなんとか及第点をもらった


日が高く上り、そろそろ丁度真上に上る頃

提督と伊19は昼食をとっていた

伊19からの『普段は食べない物。カレー以外』というリクエストに応え、リットリオに教えてもらったペペロンチーノをご馳走した


提督「美味しいですか?」

伊19「とっても美味しいのね!…提督、もしかして料理上手なの?」

提督「いえいえそんな、後はご飯を炊くことと素麺くらいしか作れません。あ、インスタントであれば色々できますよ!」

伊19「それならイクでも出来るのね…」

だらしなく机に肘をつき、ズルズルと音を立てて麺を啜る


提督「あ、いけませんよ。音を立てるのはパスタの国では下品な食べ方なんだそうです」

伊19「ふ~ん…でもここは日本で、イクは日本人だから関係ないのね~」

提督の言葉など知らないとばかりに、音を立てて麺を啜った


伊19「う~……唇がひりひりするの~」

提督「胡椒と唐辛子のきいた料理ですからね。マナーを怠った罰ですよ!」

伊19「マナーを守らないことに意外な落とし穴があったのね…」

大きく口を開け、熱を冷ますように手で会置いた

その仕草を見て何かを思い出したようで提督は、一度立ち上がりどこかへと言ってしまう

2分ほどして、提督が帰って来た


提督「いいもの持って来ましたよ!」

伊19「ん?ああ!アイスなの!提督、珍しく気が利くの~!」

提督「えへへ…喜んでもらえてよかった」

提督が持ってきたのは長いプラスチック容器の中にシャーベット状の氷菓子の入ったアイス

そのちょうど真ん中にくびれがあり、そこで割って半分にするのだが……


提督「ん!……んん?…んっ!!」

上手く割れずにくびれが伸び始める

伊19「ああ、それじゃダメなの。ちょっと貸すのね」

提督からアイス棒を受け取り、提督が割ろうとして伸びてしまった反対方向から力を入れて半分に割った


伊19「こういうのは一発で仕留めないと綺麗に割れなくなるの。分かった?」

提督「ありがとうございます!分かりましたよ、一発で仕留めるんですね!!」

片方の手に持つアイスを提督に差し出そうとした伊19の手が止まる

提督「……?」

伊19がマジマジと自らの両手に持つアイスの断面部分を見ていた

よく見れば綺麗には割れておらず、片方のアイスの棒には傘を裏返したようなくびれの余分な部分までプラスチックがくっついて食べにくい形になっていた

提督に差し出そうとしたのは食べやすそうな断面のアイス

一瞬の躊躇を見せながらも、提督に差し出したのは食べにくい断面のアイスの方だった


提督「……そっちじゃなくて、そっちの方が欲しいって言ったら怒りますか?」

伊19「こっちは駄目なの。その食べにくそうな余分なプラスチックは授業料と思って我慢するの」

提督「変なところでケチ臭いですね」

伊19「……あむ」

伊19は両方のアイスを口に頬張った


提督「ああ!それは酷いですよ!」

伊19「イクが割ったアイスなの。イクに食べる権利があるのね」

提督「僕が冷凍庫に冷やしておいたアイスなんですよ!購入者である僕のアイスです!!」

伊19「イクの手に渡った時点でイクのアイスなの」

提督「そんなの無茶苦茶ですよ!!」

それからアイスの奪い合いが始まり、食べにくい方を提督にあげる形で決着がついた

既に4分の1ほど食われた状態であったが


天の真上に太陽が昇り、幾らかの時間が経ち少しづつ、ほんの少しづつ日が傾き始めたころ

提督と伊19は暖かな陽気に吹かれる縁側で、体を横たわらせる

座布団を枕代わりにし、一つのタオルケットを二人のお腹部分に乗せている

提督と伊19はお互いが向き合う形で寝ころんでいた


伊19が提督の頭に頭を埋めて、大きく息を吸う


提督「…どうかしました?もしかして、臭います?」

伊19「そうね…とっても匂うのね」

提督「そ、そうですか…。わ、若さ特有の新陳代謝の影響で汗っかきなんです…きっと」

伊19「そうじゃなくて…提督の匂いがするの…」

提督「僕の…匂いですか?」

伊19「そう、提督がイクの匂いをいい匂いって言っていたみたいに、提督もいい匂いがするの」

提督「そう……なのですか?自分ではわからないです…」

不思議そうに自らの衣服を嗅ぐ提督の姿に可笑しくなり、ギュッと胸に抱き寄せた


ふわっと衣服とタオルケットの中に籠った空気が漏れ出し、二人の匂いが混ざり合う

伊19「…提督の匂いは、太陽の匂いなの」

伊19「あったかくて、やわらかくって、暑くなるくらい…心がぽかぽかする匂いなの」

提督「太陽はそんな匂いなのですか?」

伊19「ひーゆーなーのー!提督はさっきから比喩表現が苦手すぎなの…」

伊19「イクはどんな匂いがするの?」

提督「……う~ん…」

伊19の体に更に密着し、犬のように鼻を鳴らす


提督「……甘い匂いです」

提督「甘くって…ドキドキして……だけど、とっても安心して…ずっと嗅いでいたい様な、そんな匂いです」

伊19「それは嬉しいの!」

提督「えっと……そう!お母さんみたいな優しい匂いです!!」

伊19「それは嬉しいかどうか判断が微妙なのね~…」


困ったような笑顔を浮かべ、無邪気な笑みを浮かべる提督の髪を梳いた


日が西へと傾き始めたころ

提督と伊19は眠りについていた


お互いが向かい合い、穏やかな吐息を吐く


二人の額には汗が浮かんでいた

しかし、提督は伊19の服の裾を掴んで離さない

伊19もまた、提督を抱き寄せるように背中に手を回していた


風が吹く

二人の髪の毛が風に舞い、頬を撫でる

タオルケットが少し浮き、二人に挟まれ蒸れた匂いが外に漏れ出す

そこに新たな風が送り込まれ、その爽やかな涼しさが穏やかな眠りをさらに深いものへと誘っていた


日が沈みはじめ、空は夕に焼けていく頃


昼寝をしていた二人は漸く起きだしていた

先に目を覚ましたのは伊19であった

提督の肩を揺すり、起こす


伊19「目…覚めた?」

提督「ふっ……う~ん…はふぅ……。はい、覚めました」

伊19「……空が赤くなり始めているの」

提督「そう……ですね。もうそんな時間になっていたのですね」

提督「かれこれ2時間…くらいでしょうか?」

伊19「あんまり寝過ぎると夜寝られなくなると困るの……」


二人は少し肌寒くなり始めた風に、熱で浮かれた体を晒して冷ました


伊19の提案で外の出た二人

港で外に沈みゆく夕日を眺めていた


伊19「……もう、一日が終わるのね…」

提督「早いですね……イクさんと一緒に居たからでしょうか?」

伊19「そお?イクはと~っても…充実した一日だったの」

伊19「どんな休日の過ごし方よりも意味のある、最高の休日だったの!」

提督「お高いお店でご馳走を食べるより?」

伊19「提督のパスタの方が美味しいに決まってるの!」

提督「一番日の高い明るい時間に昼寝をしたのに?」

伊19「そんな時間に外で遊ぶ方が逆に不健康だと思うのね」

伊19「提督はどうだった?楽しかったか教えてほしいの!」

提督の体を後ろから抱き、上から顔を覗き込む

伊19の眩しいほどの笑顔に、提督も自然と顔がほころんだ


提督「僕も…とっても楽しかったです!」

体に回された伊19の手を握り、満面の笑顔を返した


そこからは、二人が思いつくままにポツリポツリと言葉を返すだけだった

長い無言の間があった

だが、無言の時間でもそれほど窮屈に感じなかった

二人で共に夕日を眺める、それだけでなんとなく心が通じ合っているようなそんな気が、お互いしていた

今ではもう、日はすっかりと落ち半分だけ水平線に頭を覗かせていた


提督「…日が落ちるのって、どうしてこんなに早く感じるんでしょうね」

提督「……やっぱり、やっぱり僕には…今日一日が早く過ぎ去ったような気がします」

提督「休日だからって、たくさん色んな事をして過ごしたいと考えていたからだと思います」

提督「……だから、もう一度僕とこんな休日を迎えましょうね?」

提督「縁側で駄弁って、簡単な手料理でも食べて、また昼寝して」

提督「そうして、もう一度こうやって沈む夕陽を見て。『また一緒に過ごしたい』って言いたいです」

そう言い遠くを見つめる提督の瞳には、赤々と日が写り込んでいた

その目はキラキラと輝いて、その横顔は少しだけ大人びて見えた


伊19「それって、遠回しのプロポーズ?」

提督「え?」

伊19「ふふっ…冗談なの!日が沈んだから、そろそろ中に帰るの」


提督の手を引いて屋内へと向かって歩く


伊19「夕ご飯はイクが作ってあげるの!!」

提督「え!?本当ですか!?うわぁ…楽しみです!!」

伊19「腕によりをかけて作るのね!覚悟しておくの!!」


伊19の言葉通り、夕飯は伊19が作ることになったがその夕飯は卵かけごはんであったため提督から大不評を受けて、少し喧嘩をしたという

結局、卵焼きにするという事で落ち着いたのだが、何故かスクランブルエッグが出てきたらしい


漸くまともに出番が来た真面目提督

イクおねーちゃんとイチャイチャできて良かったね!!どうかもう一人の少年枠と同じようにならないようにね!!

安価内容がうだうだする、だったので超スローペースを意識して書きました

温かくて、少し纏わりつくほど熱くて、でも蕩けるように心地いい

そんな感じが伝われば幸いです



今日の更新はここまでです

お付き合いいただきありがとうございました


今日は更新お休みです

明日は昼過ぎ頃から始めるかもです

ついでに言うと当たり前ですが>>1は一人です

残酷描写も、甘々な描写もどっちも好きでいいじゃない



それではまた


早めに始める気満々だったのに結局こんな時間に……

真面目提督がようやく出たので今まで選ばれた艦娘一覧



普通提督
ちょっとおかしな『叢雲』(タナトフィリア)
『大和』
『蒼龍』
ちょっとおかしな『羽黒』(シンフォフィリア)
ちょっとおかしな『リットリオ』(フォボフィリア)


真面目提督
『伊19』


思春期提督(左目欠損、精神調教、右胸欠損、他傷多数)
ちょっとおかしな『榛名』(オキュロフィリア)
『神通』
ちょっとおかしな『明石』(カニバリズム)
ちょっとおかしな『雷』(マノフィリア)


ナルシスト提督(死亡回数一回)
ちょっとおかしな『初春』(ノソフィリア)
ちょっとおかしな『筑摩』(アナスティーマフィリア)
ちょっとおかしな『武蔵』(エロトフォフィリア)
ちょっとおかしな『Z3』(ヘマトフィリア)



なんというか、普通提督の健全力には参るね…
何気にそれぞれの鎮守府の様子が伝わってくるようで面白い


これからは一度選ばれたキャラが選ばれた場合、後日談に移行するかの選択肢が追加されます


それではそろそろ再開です

誰か一人でもいらっしゃれば再開します


うっす!再開するっすよ!!



今日一日の視点となる提督を選択してください


A、普通提督
B、真面目提督
C、思春期提督
D、ナルシスト提督


安価↓3の中で最も2桁コンマの数値が高いものを採用

a


>>248採用:A、普通提督



今日一日の艦娘の選出方法

1、>>1の鎮守府のレベル順うえから○番目の艦娘
2、>>1の鎮守府の所持艦娘を古い順から○番目の艦娘
3、>>1がまだ選ばれていない艦娘の中で適当にチョイスしコンマ判定で決める

安価↓3の中で最も2桁コンマの数値が高いものを採用

2


>>255採用:2、古い順から○番目



それでは数字をかきこんでくださいね

安価↓4の中で最も2桁コンマの数値が高いものを採用

56


>>265採用:NO.56夕張


「ちょっとおかしな」ボタンを押しますか?

1、押す
2、押さない

安価↓3の中で最も2桁コンマの数値が高いものを採用


>>272採用:1、押す



それではコンマ判定です!



1、外見
2、内面
3、傷、自虐
4、死
5、物
6、部位
7、状況
8、行動・行為
9、その他
0、逆に

直下コンマ


コンマ判定:6


『部位』は三回目ですね…

まだ出ていない「ちょっとおかしな」もありますし、再判定しますか?

1、部位のまま選択
2、最判定

安価↓3の中で最も2桁コンマの数値が高いものを採用


>>281採用:1


それでは『部位』のちょっとおかしな一覧はこちら


1、オキュロフィリア(眼球性愛)
2、ステノラグニア(筋肉性愛)
3、トリコフィリア(毛髪性愛)
4、オドントフィリア(歯牙性愛)
5、マノフィリア(手淫性愛)
6、ブレスト・フェティシズム(胸部性愛)


安価↓3の中で最も2桁コンマの数値が高いものを採用


>>283採用:3、トリコフィリア


それでは本編開始です


鎮守府・執務室



提督「…というわけで、皆に休暇を取ってもらっている」

夕張「そこで、この私の番が回って来た…ということなんですね」

提督「そういうことだ。理解が早くて助かるぞ」


本日この『夕張』で、6度目の説明が終わった

既に鎮守府内に色々と話も出回っているためか、夕張への説明は難なく終わった


夕張「確か、この『艦娘慰安月間』って提督が何でも言うこと聞いてくれるんですよね?」

提督「概ね合っているが、少し語弊がある」

提督「お前たちを労い、満足した休暇を過ごしてもらうために、艦娘の要求を受け入れる義務が提督にはある。というわけだ」

夕張「はいは~い!私、提督にお願いがあるんですよ~!」

提督「……その感じ、既に考えていたな」

夕張「あははっ…ばれちゃいましたか。まあ、隠す事でもありませんよね」


提督の話半分に、手をあげて強い自己主張をする夕張に呆れ気味な苦笑いを零した

夕張はがっつき過ぎたことに気づき、恥ずかしそうに頭を掻いた


提督「まあどんな要求でもかかって来るがいい。俺もこれまで5人の艦娘を相手にして全てを捌ききった猛者だ」

提督「差し詰め慰安提督だな」

夕張「う、う~ん…そこはかとなく卑猥な提督ですね…」

提督が胸を張ってい生きる様に、今度は夕張が苦笑いを浮かべた


夕張「ごほん……まあそこまで自信があるなら、私のお願いも聞いてもらいましょう!!」

夕張「提督って、帽子をあんまりとりませんよね?」

提督「ん?まぁ…な。だが、自室では普通に脱いでいるぞ。何だいきなり、見たいのか?」

夕張「はい!見たいです!あ、でもこれお願いとは別ですよ」

提督「帽子を取るくらいでお願いを聞いたと扱うほど、俺はケチ臭くないさ」

そう言って提督は帽子を取って見せた


夕張「やっぱり短いですね」

提督「まあな。見て分かる通り短髪だ。伸ばす意味も分からないしな。満足したか?」

夕張「ああ待って!ちょっといいですか?」

帽子をかぶり直そうとした提督の手を止めて、夕張は提督の頭…髪を触り始めた


真剣な顔つきで提督の頭を撫でるように、優しく髪に触れる

こんなにも真剣に自らの髪に着目されたことのない提督は、初めての事に妙な居心地の悪さを感じた


提督「…その、なんだ。変…か?」

夕張「全然そんなことありませんよ」

夕張「う~ん……提督、髪質良いですよね」

提督「髪質?…幼いころから坊主並の短さだったから、そんな事言われたことも思ったこともないぞ」

夕張「私には分かるんですよ!」

提督「そ、そうか…そういうものか」

喜んでいいのか分からず、取り敢えずそういう物なのだろうと納得しておいた

程なくして夕張は満足したのか、髪を触るのをやめた

前へと周りこまれ、真剣な目つきで顔を見られる


提督「こ、今度は何だ?」

夕張「………」

無言で見つめられ、夕張は何かをイメージしているかのように手を円を描くように動かしていた


夕張「……いい!!」

提督「何がだ……」

夕張「いやぁ、ずっと思ってたんですよね~。提督って長髪似合いますよ!ね!」

提督「いや。ね……と言われてもだな」


夕張「私からのお願いです!腰辺りまで伸ばした提督の髪を好きに弄らせてくれませんか!!」

提督「は、はぁ…」

あまりにも返答に困るお願いに、間抜けな声をあげ提督は思わず首を傾げた


提督「構わんと言えば構わないのだが。明日明後日でそこまで伸びないだろう?」

夕張「そんなことありませんよ!提督ならできるはずです!!」

提督「いや、俺を何だと思っているんだ」

夕張「提督は提督ですよ。ご自分を信じてあげてください」

提督「俺なんかのどこにそんな信頼できる箇所が?さすがに無茶が過ぎるぞ……」

「絶対に大丈夫ですよ」と夕張は明るく言い残し、執務室を去って行った

提督はどうすることも出来ず、苦し紛れに丹念に頭皮マッサージをし、育毛剤を買ってきたりしてみた


後日


提督は目が覚め、自らの体の異変に気が付いた

提督「嘘…だろ?」

鏡を見て、自らの姿に衝撃を受ける


提督「最近の育毛剤凄すぎるだろ……いや、最早そんな程度では済まされないぞ?」

短かった髪の毛は、立った一晩で足元に届くほど長くなっていた

強く引っ張ってみると頭皮が持ち上がり、自らの頭から生えている毛だと強く実感させた


提督「これが……俺か…」

指で髪を梳きながら自らの体の異変を観察した

途中で指が引っ掛かることも無い滑らかな指通り

適当に束ねて手を離せば、直ぐに元の形に戻る確かなハリとコシ

光を映すツヤは、誰が見ても『美しい』と答える黒髪であった


初めての感覚に楽しくなり、30分ほど髪の毛で遊んだ


提督「……ハッ!待て待て、何時まで遊んでいるんだ俺は…」

漸く心が正気を取り戻し、事のおかしさを冷静に確認する


提督「こんな短時間でここまで髪が伸びるのはありえない」

提督「考えられる可能性としては、昨日のマッサージと育毛剤。だがしかし、それだけでは納得できるはずがない」

提督「こんなおかしな事…どんな理由で……」

思い浮かぶのは夕張の笑顔

何の迷いも見せず『大丈夫』だとあの艦娘は言いきっていた


提督「夕張が昨日俺に何かをした?」

提督「何時…いや、隙はあったな。昨日、俺の頭を好きに触っていたからな」

提督「いや…だがしかし、それでも納得するには…」

ふと、何かが手に当たる

それは『艦娘慰安月間』の指令書

なんとなく読み返してみれば、提督の悩みを全て解決する言葉が書かれていた


『艦娘慰安月間中はどんな要求であろうと叶えられる。それが提督という生き物である』


提督「……そういえばお隣さんは一度死んでたと言っていたか」

提督「凄すぎるだろ提督。何者だよ…」

提督「………俺か」

そういうモノなんだなと納得し、髪の毛を適当に縛り部屋に出る支度をした


食堂に向かっていると、バッタリ夕張と遭遇した

夕張は台風を前にした羽黒のように目を輝かせて提督の髪の毛を見つめる


夕張「はぁ…!いい!いいですよ提督!!」

提督「お、おう」

夕張「ポニテな提督も堪んないですね!触ってみてもいいですか!?」

提督「ああ、好きにするといい。お前のお願いを存分に叶えろ」

夕張「ありがとうございます!」

「では失礼して…」と、夕張が提督の髪を梳く


夕張「はわわわ…!」

指を震わせ電のような声をあげる


夕張「メチャクチャ綺麗じゃないですか!色んな髪の毛ありますけど、一番心を揺さぶるのはやっぱり黒髪ロングストレートですよねぇ…」

恍惚に浸る夕張を邪魔しないように、適当な相槌を打ち髪を触らせる


数十分ほど同じような個所を触り回し、提督に少し屈むように指示した


夕張「さてさて、一体どんな髪留め…を…!」

提督「……ん?なんだ、どうした?」

夕張「………提督、これ輪ゴムですよね?」

提督「そうだな。髪留めなんぞ持っていなかったのでな、邪魔だったんで適当にくくった。マズかったか?」

夕張「マズいに決まってますよ!!ちょっと動かないで下さい!直ぐ外さないと折角の綺麗な髪が傷みます!!」

提督「いて、いてて!や、優しくしてくれ」

夕張「輪ゴムなんかで留めるからですよ!!髪の悲鳴だと我慢してください!!」


かなり苦労しながらも、髪の毛を2,3本犠牲にして輪ゴムを何とか取り払った


提督「ふぅ…やっと取れたか」

夕張「やっと取れたか…じゃないですよ!!」

提督「悪かった。初めての事なんで対処方法なんて知らないんだ。許してくれ」


提督「だがしかし、困ったな…」

夕張「え?縛ってなくてもバッチリ似合ってますよ」

提督「いや、そこじゃなくてだな。ご飯が食べにくそうだなと思って」

鬱陶しげに前髪ともみあげから伸びる髪を指で弄る


夕張「確かに食事で汚れると大変ですよね~」

提督「そうだろう?」

夕張「でも、まっかせてください!その為にこの私が居ますから!!」

夕張「さあ!着いて来てください!!」

提督「着いて来てって、手を引っ張っているじゃないか…」


夕張に手を引かれ、提督は夕張の自室へと案内された


夕張「………出来た!どうですか提督!」

提督「ん………ん~…?」

楽しそうな笑みを浮かべる夕張とは対照的に、渋い顔をしている自分の姿が目の前の鏡に映し出される

化粧台の前に座らされ、居心地悪く母親に髪の毛を結ってもらう幼い娘のような心境であった


提督「…これ、リボンという奴じゃないか?」

夕張「はい!私と色違いです!お揃いですよ!お似合いです!!」

提督「……これ、女性モノだろう?そもそも本当に似合っているのか?」

夕張「あ~提督、こだわっちゃいます?」

提督「……何だろうその言い方、無性に腹が立つぞ」

夕張「もうバンバンこだわっちゃいましょう!どんな感じのをお望みですか?」

提督「…………」



1、これ以外で、好きにしてくれ
2、後ろ結び(ポニーテール)に拘らなくてもいい、なんとか邪魔にならないようにしてくれ
3、本音を言うと切ってくれると助かる
4、自由安価

安価↓3の中で最も2桁コンマの数値が高いものを採用


同コンマなので

偶数で2、奇数で4

直下コンマ


コンマ判定:奇数



提督「……あれだ、ふわふわに巻いてくれ」

夕張「カールの事ですか?」

提督「多分それだ」

夕張「こんな真っ直ぐで純情な髪の毛に、熱を当てて捻じ曲げようなんて…提督実はドSですね」

提督「少し見てみたくなっただけだ」

夕張「ちょ~っと待っててくださいね…」

化粧棚の上にヘアアイロンが置いてあり、電源を入れ温まるのを待った

その間夕張が櫛で提督の髪を丁寧に梳く


夕張「……あ、あの…好きにしていいんですよね?」

提督「今更いう事でもない。切るでも抜くでも好きにして構わない」

夕張「本当ですか!やってみたかった事いっぱいあるんですよ~」


夕張は提督の髪の毛を一つに束ね、長さを確認するように少し伸ばして首に巻き付けはじめた


夕張「髪のマフラー!」

提督「……楽しいか?」

夕張「なんだかロマンチックじゃないですか?ほら、鏡見てくださいよ!」

提督「ロマン…ロマンチック…なのか?」

1m以上の長さはあれど、流石にお互いの顔が密着していなければしっかりと首に巻けない

必然的に頬と頬が触れ合うほどの超近距離になってしまっている


夕張「髪の毛って、凄く敏感で。誰かに触られるととっても気になりませんか?」

提督「気にはなるが、それほど思ったことは無いな」

夕張「ああそっか…提督そもそもは髪の毛長いんだ…」

夕張「でも、今なら少し分かるんじゃないですか?」

夕張「髪の毛ってその人を印象付ける一番目に入る部分で、人に一番見られる部位だと思うんです」

夕張「綺麗な髪なら尚更衆目の視線に晒されます。そんな髪をこうして独り占めに出来るってとっても楽しいんですよ!」

夕張「こう…なんていうんですかね。征服感って言うんでしょうか?」

夕張「その人の手綱を握っているような、支配欲と、それが許されるほどの信頼、距離感が許されてるんだなって気がするんです」

夕張「提督だって、よっぽどその相手と仲良くなければ髪の毛を触ってみようと思わないはずです」

提督「……それは…少し分かる気がする」

※誤字訂正 長いんだ×  長くないんだ○



夕張の言い方には少し誇張が混じっているように思えたが、最後の言葉には賛同できた

意識したことが無かったが、意識をしてみると確かにそうだ

髪の毛を触るという行為は無意識に相手に気を使っている

自然と髪の毛を触れ合える間柄は親しい間柄に見える

つまりは『髪の毛』という部位は無意識的に、『パーソナルスペース』の一つとして認識されている

他人のそれに入り込み自由に出来るというのは、征服感と信頼感を満たせると言われれば確かにそうかもしれないと思わせた


その間にも夕張は髪の毛で強く首を縛ったりしていた

一本一本を指に絡ませ少し引き、髪の弾力を確かめたり

束にして腕に強く巻き、血の巡りが悪くなるほど絞めつけたり

頬ずりなどをして心行くまで提督の髪を堪能していた


夕張「……あっとと、夢中になり過ぎてましたね。じゃあ、アイロン当てますよ」

提督「よろしく頼む」

すっかり熱くなっていたヘアアイロンが、提督の髪に当てられた


夕張「……出来ました!どうです、触ってみてください」

提督「………おお、見た目以上に軽いな」

夕張「とっても似合ってますよ!こういうのもいいですよねぇ…」

アイロンに当てられカールを巻いた髪の毛は少し熱く、熱が冷めるのを少し待った

すっかり自分の姿に満足し、食堂に戻ろうとしたとき己の目的が果たされていないことに気が付いた


提督「これ、結局汚れそうじゃないか?」

夕張「ですね」

提督「意味ないじゃないか」

夕張「提督がそうしてくれって頼んだんですよ?」

提督「……だったな。じゃあ、縛ってくれ」

夕張「了解です。ゆるふわカールは…やっぱりツインテールですかね?」

提督「何だかわからんが、とにかく食べるのに邪魔にならないように縛ってくれ」


そこから更に1時間ほどかけて提督に似合う髪のしばり方を模索した

結局は食事をする時間がなくなることに気が付き、馬の尾結びで妥協した


鎮守府・執務室



いつの間にか、この執務室は夕張によって魔改造が施されていた

ヘアアイロン、姿見鏡、スプレーや櫛やらがいくつも山になっていた


提督「……おい、一日だけという約束じゃあなかったか?」

夕張「一日なんて言ってませんよ。まだまだ満足していません!」

フワフワに巻かれていた髪の毛はストレートに伸ばされ、飽きるほど櫛で梳かれていた

夕張は飽きることなく『どんな風にしましょうか?』と頭を悩ませている


提督「……楽しいか?」

夕張「楽しいですよ?提督は楽しくありませんか?」

提督「……どうにも、居心地が悪いな」


この日から暫く夕張の心が満足するまで髪の毛を弄ばれた

提督はといえば、長髪であることに慣れ、意識的に鏡を見ることが増えていったという


『トリコフィリア』……かなり強敵でした

気持ちは分かるのですが、いざ書いてみるとどうしても性的なことに結び付けられずいつも以上に健全で浮き沈みの無い話に……

まだまだ勉強が必要ですね



それでは二人目に参りましょう


選出方法は古い順から○番目の艦娘です

数字をかきこんでくださいね

安価↓3の中で最も2桁コンマの数値が高いものを採用

48


>>313採用:NO.48島風
※古い順て改めてみると当時の事が思い出せて感慨深い…


「ちょっとおかしな」ボタンを押しますか?

1、押す
2、押さない

安価↓3の中で最も2桁コンマの数値が高いものを採用

2


>>318採用:2、押さない


それでは本編開始です


提督「……と、いうわけだ。分かりやすく言えばお休みだな」

島風「あれ~、提督髪切りました?」

提督「ん…まぁ…な。切ったというか切られたというか…じゃない、今は関係ないだろう」

提督の足の辺りまで伸び切っていた髪の毛は腰の上までバッサリと切り落とされていた

それでもかなりの長さではあるが


提督「ちゃんと話を聞いていたか?」

島風「お休みですよね?」

提督「うむ、そうだ。いい機会だから存分に遊び倒すといい」

島風「はーい!」

島風「それじゃあ外で走ってきます!!」

提督「いや待て!だから話をちゃんと聞けと…!」

言うが早いか執務室を飛び出しって言った島風を、提督は慌てて追いかけた


なんとか外に出られる前に島風を捕まえることに成功した


提督「はぁ…はぁ……ちょっと待て、息を整える」

島風「もう!早くしてください!はやくはやく!」

提督「せ、急かすな………ふぅ…。言い忘れていたことがあった」

提督「提督には艦娘に満足した休暇を過ごしてもらう義務があるんだ」

提督「つまりはだな、なんでもいう事を聞いてやる。と、そういうことだ」

島風「何でもですか!!」

子供らしく目を可が焼けて此方を見る島風に、興味を引けたと安堵のため息を吐いた


提督「ああ、何でもだ。提督に不可能はない…とついさっき思い知った」

提督「何でも言うといい。なんだって付き合おう」

島風「えっとえっと……う~ん…それじゃあ……」



島風からのお願い
自由安価

安価↓3の中で最も2桁コンマの数値が高いものを採用

一緒に遊びたい

>>324


>>326だけでは少し物足りないので>>325も追加採用



島風「一緒にかけっこしましょう!!」

提督「お前は本当に……それでいいのか?いつもしているだろう?」

島風「最近は一緒にしてもらって無いですよ!」

提督「そうだった……そうだったか…?」

最近の自分の事を思い出す

よくよく思い出してみれば『艦娘慰安月間』が始まったため、その艦娘にかかりっきりで一緒に遊ぶことも無くなっていたことに気付いた


提督「そう…だな。そうか、最近は一緒に居ることも少なかったか…」

提督「いいだろう。思う存分かけっこをしてやろう!」

島風「やったぁ!負けませんよ!!」

提督「ふん…俺とて提督、そう易々と負けはせん!!」


こうして提督と島風のかけっこ勝負が始まった




提督の身体能力
1-4 人並
5-7 キチンと鍛えられた人
8   かなりの身体能力
9   島風並
0   人外

普通提督 +1

直下コンマ


コンマ判定:5+1 キチンと鍛えられた人


提督「グッ……はぁ…はぁ……!な、何故だ…」

島風「ふふ~ん!提督おっそ~い!!」

もう既に4度目の全力勝負

肩で息をし地面に膝をつく提督

その提督の隣で島風はピョンピョン跳ね回る

全ての勝負で提督の完敗であった


島風「やっぱり私が一番だよね~!ね、連装砲ちゃんもそう思うでしょ?」

提督「く、くぅ……お、俺は元々長距離が得意なんだ」

提督「もう一本!もう一本だ!今度は5km長距離走で勝負だ!!」

島風「いいですよ!距離が変わろうとも島風が一番早いんだから!」

こうして自らが提案した長距離走にすらも完全敗北し、かなり凹んでしまった



提督「……島風…お前がNO.1だ。…幼いころに学校でもらった『かけっこ王』の名をお前に譲ろう」

島風「本当ですか!!やったね連装砲ちゃん!『かけっこ王』だって!」

一度室内に戻り、縁側で二人座って冷たい水を飲み干す

汗だくで上半身タンクトップ一枚の提督に対し、島風はいつもの格好で足をぶらつかせていた


提督「…ふぅ…休憩したら、何をする?なんだって構わないぞ」

島風「かけっこしましょう!!」

提督「ええい!かけっこは駄目だ!!」

島風「えー!どうしてですか!!」

提督「これ以上は俺のプライドが持たない。他の遊びは無いのか?」

島風「え~…かけっこが一番楽しいです!他の遊びって何があるんですか?」

提督「う~ん…そうだな、例えば……」


提督の発言安価
自由安価(遊びの内容の提案)

安価↓3の中で最も2桁コンマの数値が高いものを採用

バトミントン

走り幅跳び


>>335採用:


提督「バドミントンなんてどうだ?」

島風「…バド…ミントン、ですか?」

島風はその不思議な響きの言葉にキョトンとした顔で小首を傾げる


提督「ん?知らないのか」

提督「確かあったはずだ…少し待ってろ、道具を持ってこよう」

倉庫に向かうために立ち上がった提督の後ろをヒョコヒョコと島風はついて来る


提督「待ってろと言っただろう」

島風「私も一緒に探します!それで、バドミントンってなんですか?」

提督「一応球技…なのか?漢字表記は羽球だしな」

提督「ラケットで羽を打ち合うスポーツだ。ローカルルールしか知らないが教えながらやろう」

島風「はい!お願いしまーす!!」


ラケットの持ち方なんかを確認し合い、何度かラリーをして感覚を掴んだ後、早速試合を行った




お互いの腕前判定
0ほど悲惨、9ほど達人

直下コンマ:提督の腕前
経験者 +1
身体能力 +1


↓2コンマ:島風の腕前
未経験者 -1
島風   +3


コンマ判定:2+2 学生のお遊びレベル

コンマ判定:5+2 アマチュア選手レベル



提督「な、な……な…!?」

島風「お…おぉ…!」

愕然と膝をつき現実を受け止めきれない提督

島風もまた驚いたように口を開けていた


11ポイントマッチ

6-11で提督の惨敗であった


提督「ば…ば…馬鹿なッ!!相手は今日初めてラケットを握った相手だぞッ!!そんな…まさかっ!!」

島風「これ、私が勝ったんですよね!」

提督「う……う…嘘だ……そんなっ…!」

島風「やったぁ!!提督、バドミントンって楽しいですね!!」

提督「そんな……はずがぁ……」


楽しそうに、勝負を決めたスマッシュの感覚を確かめるように素振りをする島風

提督はただただ、地面に落ちた羽を呆然と見つめていた



提督「ええい!バドミントンなんて止めだ止めだ!!」

島風「え~!やめるんですか?折角楽しいのに…」

提督「う、うぐっ…」

寂しそうにうつむいた島風は、ただひたすら純粋に楽しんでいたことが目に見えて伝わった

そんな健気な島風の心を『負けて悔しいから』という理由でやめた自らの器の小ささと、醜さに心が痛む


提督(だがしかし…俺とて、負けてばかりでは居られないのだ…!)

提督(何故なら俺は…提督だからだ!!)


提督「昼ご飯にしよう。素麺でいいな?」

島風「いいですよ!素麺って出来るのも食べ終わるのも早いから大好きです!!」


一度昼食の休憩を挟み、島風へと遊びの提案という名の新たな勝負の挑戦状を叩きつけた


自由安価(遊びの提案)

安価↓3の中で最も2桁コンマの数値が高いものを採用


>>337採用



提督「次は走り幅跳びだ!!」

提督「ルールは簡単、どちらがより遠くに飛べたかで勝負だ」

島風「おお!簡単ですね!分かりやすいです!!」

提督「場所はこの砂場で行う。踏切はここらへんだ」

提督「公平を期すために記録係も呼んで置いた」

蒼龍「何で私が…」

提督「文句を言うな、これは真剣勝負だ!公平に頼むぞ」

蒼龍「提督…子供相手にここまで本気になって、恥ずかしくないんですか?」

提督「甘いぞ蒼龍。遊びも勝負も、本気だからこそ楽しいんだ」

しっかりと柔軟を行い、飛び方の指南やコツを指導して、何度か練習をして本番へと挑んだ


提督「まずは俺からだ。行くぞ!!」

体格差的に明らかに提督が有利のこの勝負、勝敗の行方は……




直下コンマ:提督判定
身体能力 +1
体格差  +1


↓2コンマ:島風判定
体格差 -1
島風  +3


コンマ判定:4+2

コンマ判定:8+2   提督敗北



提督「な…何故だ……こんな…こんなぁ…!」

島風「えへへー。また私の勝ちですね!」

自分に有利の場を用意し、万全を期して挑んだ勝負

負けるわけがないと心の奥で思っていたその勝負に敗北し、失意の底に沈み砂場に転がる提督

そんな提督の頬を楽しそうに島風がつついている


蒼龍「ああもう……。どうですか、本気で負けた感想は?」

提督「本気で悔しい…」


だが、少し休憩をしてすぐに立ち上がる


提督「次だ次!」

蒼龍「こりませんねぇ…」

提督「ええい口を挟むな、これは俺と島風2人の真剣勝負なんだ!次の遊びは……」



自由安価(遊びの提案)

安価↓3の中で最も2桁コンマの数値が高いものを採用

将棋


>>353採用


提督「次はこれだ!」

島風「おお!将棋ですね!やったことありますよ!」

提督「ん、知っているのか?説明が省けたな」


特に説明も無しに駒を並べ始める提督の手を、島風の視線が不思議そうに追っている


提督「……ん?並べないのか?」

島風「将棋ってこうやるんじゃないんですか?」

島風は盤の真ん中に山になっている駒の一つを人差し指で盤の外にそっと落とす


提督「なるほど、将棋崩しか」

提督「普通の将棋をするつもりだったが…」


1、それも悪くないな
2、それも悪くない、が普通の将棋で勝負だ

安価↓3の中で最も2桁コンマの数値が高いものを採用


>>360採用:2
※なんて大人げない奴らなんだ…!(ドン引き)



提督「それも悪くない…が、今回は普通の将棋で勝負だ」

蒼龍「うわぁ…子供相手に頭脳勝負ですか?」

提督「おいおい、子供だからってなめてかかるのは失礼だろう?なあ島風」

島風「これ以外将棋のやり方知らないですけどいいですか?」

提督「おうおう構わんよ。簡単だからな、まずは駒を覚えようか」

蒼龍「しらじらしい……」


蒼龍の冷たい視線に耐えながら、島風にやや面倒くさい将棋のルールを一通り教えた


提督「将棋は先行がやや有利だからな。初心者の島風に譲ろう」

島風「分かりました!じゃあ行きますよ!」

こうしてズルをしないように蒼龍が見守る中、島風と提督の将棋対決が始まった



直下コンマ:提督の腕前
経験者 +1


↓2コンマ:島風の腕前
未経験者 -1


コンマ判定:1+1 

コンマ判定:9-1   提督完全敗北



提督「お、おかしい……こんなはずでは…」

蒼龍「それ、さっきも言ってませんでした?」

島風「…アレ?私、勝ったんですか?」

提督「……何処に行っても王が取られる。詰みで俺の負けだ」

島風「おお!ホントだ!なんだかあんまり実感湧きませんね」

蒼龍「どこに逃げても同じ。提督と同じですね」

提督「俺…何なら勝てるんだ…?」


子供、それも初心者相手に将棋を挑み完膚なきまでに倒される大人が居た


提督「惨めだ……」

島風「ねえ提督、他のは!他の遊びは何か無いんですか!!」

提督「………次で最後だ。最後の遊びは…」


自由安価(遊びの提案)
安価↓3の中で最も2桁コンマの数値が高いものを採用

釣り


>>371採用



提督「最後はこれだ!」

島風「釣竿…ですか?」

提督「そうだ。最後は釣りだ、今日一日色々走り回って疲れたからな」

提督「勝負の内容は……そうだな、数で勝負だ」

釣竿とクーラーボックス、食堂から適当な魚やイカの切り身を拝借し港までやって来た


提督「餌、つけられるか?」

島風「ん…んぅ?こうですか?」

提督「それでもいいが、こうしたほうが……」

経験者である提督が餌を付け直してあげ、二人が座って釣糸を海に放り投げた


今までとは打って変わって穏やかな、静かな時間が流れていく


提督「………」

島風「………」

提督「………」

島風「……う~…んっ…」

耐え切れなくなった島風が竿を引き上げるが、まだ針には餌が付いたままであった


提督「竿が引いていないだろ、大人しく待て」

島風「え~!おっそ~い!つまんな~い!」

提督「そう言われてもな、まだ始まったばかりだろう?」

島風「ねえねえ提督!釣れるまで何かして遊びませんか!!」

提督「ふふふっ……ったく、堪え性が無い奴だな…」

ふくれっ面で提督の服を引っ張る島風を宥めるように、優しく頭を撫でた


提督「そうさなぁ…こういう時に丁度いい遊びか……」

島風を喜ばようと、何か無いかと思案を巡らせた




直下コンマ:提督の釣果
経験者 +1

↓2コンマ:島風の釣果
おっそ~い! -2


コンマ判定:2+1

コンマ判定:5-2  引き分け



提督「………すぅ…はぁ…」

遥か遠くの水平線、夕日が燃えていた

頭と体をフルで使って流した汗が引き、肌寒さを感じ始める


提督「引き上げだな。もう日が落ちる。お…い……」

島風「すぅ……すぅ……」

島風は提督の肩に体を預け、規則正しい寝息をたてていた


提督「飽きて寝たか。まあお前の性には合っていなかっただろうからな」

二人のクーラーボックスの中には3匹の小魚が入っていた

提督「引き分け…か。ふふっ…悪くない終わりだな」

島風を起こさないように優しく抱き上げ片手で体を支える

もう片方の腕で器用にクーラーボックスをひっくり返し、魚を全てリリースした


提督「……ん!…よっと結構重いな」

島風を起こさないように揺らさないように時間をかけて何とか荷物を全て持つ

無意識かはたまた寝たふりをしていたのか、島風は提督の服をギュッと掴んだ

その姿に自然と顔が綻んだ


提督「…なあ、今日は楽しかったか?」

提督「俺は楽しかったぞ。負けてばかりだったがな」

提督「……本気で遊べるってのは、いいものだ」


島風を落とさないように腕にさらに力を込め、なんとか執務室のソファまで運んで寝かせた

その後、勝手に冷蔵庫の中の魚を拝借したことをこっぴどく叱られたのはまた別の話である

なんだ持って帰らないで逃がすのか
しかしクーラーボックスに何時間も入れっぱなしで魚は果たして大丈夫なのか?



鎮守府・執務室



後日

何故か提督は島風に膝に座られたり、首に抱き付いて来たり、肩車をしていた


島風「う~ん…違うなぁ……」

提督「何がしたいんだ」

島風「昨日、すっごく気持ちよかったんですけど。それもしっくりこなくて」

提督「ん?こうか?」

提督は昨日島風を運んだ時のように片腕で抱き上げた


島風「……なんか違うなぁ……」

提督「なんだ?昨日と同じ……いや、違うな。分かったぞ」

島風「え!本当ですか!」

提督「ああ、本当だ。だがしかし、今のままでは駄目だな」

島風「どうすれば昨日みたいに気持ちよくなれますか!?」

提督「それはだな……」


提督は島風に新たな遊びを教えて、本気で勝負をした

当然執務中であったため、帰って来た秘書艦である蒼龍に遊んでいる姿を見られ小一時間説教をされた


>>381
案外パッと見駄目そうでも、海に帰すと大丈夫なものです。私にも覚えがあります



島風ちゃん…あんな痴女みたいな恰好の癖に普通に子供で、普通にいい子でそのギャップに驚かされたことがあります

毎回イベントでお世話になっている大好きな艦の一人ですね

しかし、狙いすましたかのように一度も勝利できなかった提督。展開的にとっても美味しかったですが、正直噴き出しました

『本気の遊び』って言うのはいいものですよね

本気で遊んで本気で勝って、本気で負けて本気で悔しくて、その後で泥のように眠るあの感覚、私はとっても大好きです


因みにリットリオの時の敷波だったり、今回の蒼龍だったりは完全に私の趣味です

きっと本能的にしばふ艦が好きなんだと思います



それではまた、夜遅くまでお付き合いいただきありがとうございました


そろそろ再開のお時間っすよ!



今日一日の視点となる提督を選択してください


×、普通提督
B、真面目提督
C、思春期提督
D、ナルシスト提督


安価↓3の中で最も2桁コンマの数値が高いものを採用

C


>>390採用:C、思春期提督


今日一日の艦娘の選出方法

1、>>1の鎮守府のレベル順うえから○番目の艦娘
2、>>1の鎮守府の所持艦娘を古い順から○番目の艦娘
3、>>1がまだ選ばれていない艦娘の中で適当にチョイスしコンマ判定で決める

安価↓3の中で最も2桁コンマの数値が高いものを採用


>>395採用:1、レベル順で上から○番目


それでは数字をかきこんでくださいね

安価↓3の中で最も2桁コンマの数値が高いものを採用

81


>>399採用:NO.81時津風


「ちょっとおかしな」ボタンを押しますか?

1、押す
2、押さない

安価↓3の中で最も2桁コンマの数値が高いものを採用

1


>>407採用:1、押す



ではでは、ポチっとな

1、外見
2、内面
3、傷、自虐
4、死
5、物
6、部位
7、状況
8、行動・行為
9、その他
0、逆に

直下コンマ


コンマ判定:6 『部位』


ええいまたか!!

連続なんて来ないだろと思って追記しなかったのが仇になったか……
申し訳ないですが最判定にさせてください
もう一回コンマが6であればそのまま続行


直下コンマ


コンマ判定:4


『死』のちょっとおかしな一覧はこちら


1、シェムドネクロフィリア(疑似死体性愛)
2、ネクロフィリア(死体性愛)
3、カニバリズム(食人性愛)
4、ヴァンパリズム(吸血性愛)
5、ボレアフィリア(殺戮愛好。殺人性愛とは違う)

安価↓3の中で最も2桁コンマの数値が高いものを採用


>>418採用:4


時津風の性癖が『ヴァンパリズム』に決まりました


それでは本編開始です


鎮守府・執務室



提督「………」

時津風「なになに?しれー、お話ってなぁに?」

提督「……………」

時津風「ねえねえ、何でだんまりしてるの?しれー!しれーってば!」

提督「…僕は話があると言ったよな」

提督「お前のそれは、話を聞く気があるのか?」


『艦娘慰安月間』の事を知らせるために時津風を執務室に呼び出した提督

時津風は執務室について早々、椅子に座る提督の後ろに立ち提督の体をつつきまわす


時津風「あるあるー。もちろんあるよ。でさ、何なの?」

提督「今すぐに僕の体を触るのをやめろ。話はそれからだ」

時津風「ならいいや」

提督「僕は良くないんだよ!っていうか胸ばっかり触るな!気持ち悪いだろ!!」


結局先に痺れを切らしたのは提督で、椅子から立ち上がり時津風と向かい合う


時津風「何で包帯巻いてるの?暫く見ないうちに怪我でもした?」

提督「……まあそんなところだよ」

時津風「あ、目の色違う。なんかこっちの目変だよ」

時津風の無遠慮な人差し指が提督の右目を突き刺す


提督「痛っ!―――っつぅ…!そっちは普通の目だ!」

時津風「じゃあこっち?」

時津風の無遠慮な人差し指が義眼の左目を突き刺す


提督「……お前な、義眼だからいいけど本物の目だったら大変なことになってるぞ」

時津風「義眼かー。初めて見た。ねえねえ、これ取れるの?」

提督「ええいつつくな!取れるけど取らないぞ!ハメるのまだ慣れてないんだからな!!」

時津風「ええ、そうなの?義眼って洗ったりするの?」

提督「……定期的に洗ってるが基本的には寝るとき含めてつけっぱなしだ。義眼は顔の形を崩れないように保つ役割が大きいからな」

時津風「ふ~ん……ねえねえ、いっぱい包帯巻いてるのはなんで?」

提督「ああもう!僕の事はどうでもいいだろ!話が進まないじゃないか!!」


提督「……はぁ…」

時津風「人の顔見て溜息吐かないでよ。不幸がうつるでしょー」

提督「……僕は君が苦手だ」

時津風「そお?あたしはしれーの事好きだけど」

提督「ば、馬鹿!す、好きとか…その、や、止めろよな!!」

時津風「……しれーっておバカだよね?そんなんだからそんなに怪我するんだよ」

提督「……………」

時津風「あれ?怒らないの?」

提督「いや、はぁ…………あんまり否定できないなって…」

嫌に実感のこもった重い息を吐き、数秒ほど虚空を見つめ、改めて時津風と向かい合う


提督「話って言うのは『艦娘慰安月間』の事だ。もう知ってるんじゃないか?」

時津風「あれでしょ。しれーが何でも言うこと聞いてくれる日なんでしょ?」

提督「……大体そんな感じだよ。提督である僕が君たちに喜んでもらうために何でもしなければならない。そういう話さ」

時津風「それでこんなに怪我しちゃったんだ。かわいそーに。よしよし、いい子いい子。頑張った頑張った♪」

提督「……ありがと」

いつものようにからかう時と同じ口調だが、そんな些細な優しさでも提督の心にはじ~んと染みた


ガクガクと頭を揺さぶられるように時津風に頭を撫でられる

傍目から見れば、いつものように提督が時津風の玩具にされているだけだが


提督「……もう十分だろ」

時津風「それはこっちが聞くことじゃない?もう十分なの?」

提督「もう十分だよ。例え嘘だろうとそう言ってくれただけで満足した」

時津風「……珍しくしれーがデレてる。どしたの?風邪?」

提督「………ちょっと疲れてるだけだ。僕の事なんかどうでもいいからさ、何かお願いは無いの?」

時津風「お願いってなんでもいいの?」

提督「なんでもだ本当に何でも許される。僕に拒否権は無いからね」

時津風「そっかそっか……う~ん…」


何か候補があるのか、うんうんと唸りながら時津風は思案する



コンマ判定
0ほど破滅的、9ほど性的

直下コンマ

コンマ判定:5  どっちも


今日の更新はここまでです

続きはゆっくり仕上げます


なんだか最近体調がおかしいな……もうすぐ死ぬんだろうか?

まあ死ぬ云々は冗談だとしても、かなり体調がおかしいので今日はここまでにさせてください


お付き合いいただきありがとうございました

>>432の続き


時津風「はーい!決まったー!」

時津風「あたし、吸血鬼になりたーい!!」

提督「………は?」

時津風「あれ、知らないのしれー?吸血鬼、ヴァンパイア、あとはドラキュラ…は微妙に違うんだっけ」

時津風「とにかくそう言うアレだよ」

提督「……アレだよな、日に当たると死ぬっていう」

時津風「そうそうそれー!」

提督「………それになりたいと」

時津風「うんうん♪」

提督「無理だろ」

時津風「無理じゃない無理じゃない」

提督「いや無理だって」

時津風「無理じゃないって、もう…頭が固いなぁ。あたしが柔らかくしてやるー!」

時津風「おらおらー!溶けろ~とろけろ~…」

提督「そこまで行くと頭が柔らかいどころの話じゃないだろ…」


好き勝手に頭をシェイクされ気持ち悪くなり、その日は一日寝込んだという


後日

提督は自室のベッドで目を覚ました

まだ日が昇り始めたばかりの薄暗い朝

体を起こし昨日の事で溜息を吐く


提督「………はぁ……何言ってるんだ僕は」

提督「昨日の時津風は、僕に気を使ってくれてたんじゃないか」

提督「あの発言も行動も、最近元気がないって分かってたからだろう」

提督「僕を元気づけようとしてくれていたのに、もっと落ち込むような仕草なんて見せて」

提督「昨日のお願いだってちょっと考えれば冗談だって直ぐに気が付く」

提督「きっと元気づけるための遊びの誘いだったに違いない」

提督「それなのに僕は気持ち悪くなったから寝る……なんて言って…」

提督「………はぁ…最低だ…」

時津風「なに落ち込んでるの?」

提督「…………寝起きで頭がおかしくなったか…幻聴が」

時津風「しれーって起きるの早いねぇ。まあ9時に寝たらそりゃあ早く起きるか」

時津風「あ、言い忘れてた。おはよっ!しれー♪」

何故か自分の布団の中には時津風が寝ていた

寝起きで火照った体を提督の体に擦りあわせる



提督「おかしい、絶対におかしい……けど別にいいか」

時津風「しれーあんまり慌てないんだね」

提督「だって君ならこんなことしてもおかしくないなって」

時津風「ビックリした?」

提督「そりゃあ吃驚したけど」

時津風「ドキドキした?」

提督「僕は君みたいな子供に興奮するほど子供じゃないからね」

時津風「年も背丈もあんま変わんないくせに。子供って直ぐ子供だ大人だって言うからやーよね」

提督「背丈は関係ない………ん?」

時津風の姿に何か違和感を覚えた


時津風「……なに?どうしたの?」

提督「……ちょっと来て」


時津風の手を引き向かった先は洗面所

顔を洗いうがいをする


提督「ちょっと口開けて」

時津風「いー…」

提督「…………鏡見てみな」

時津風「んんん?…おおぅ!すごいすごーい!」

時津風の口には立派な犬歯……では済まされないレベルの鋭い牙が生えていた

時津風は形を確かめるようにゴシゴシと歯を磨き始める


時津風「ホントに生えてる!」

提督「まあそういう時もあるよな」

最早この程度は驚かなくなった提督は自らも歯を磨こうと大きく口を開けた

そして気づいた、自らの犬歯もまた牙と言えるほど鋭く尖っていることに


提督「………僕もかよ」

時津風「おお、しれーも牙あるぅ!お揃いだね」

提督「……口の中を噛まないように気をつけよう」


やはり、それほど取り乱すことなく牙を舌で触ってみたりしながら念入りに歯を磨いた


提督「おい、いい加減離れて自分で立てよ。食堂で朝食を取ろう」

時津風「しれーはバカだなぁ、外は太陽光で危ないよ?」

提督「………おりゃっ」

無言でカーテンを開く

時津風「うわあああ…とけるぅ…死ぬぅ…灰になるぅ……」

提督「棒読みで何言ってるんだよ……後で付き合ってやるから、早くご飯食べに行こう」

時津風「だめだめ。しれーは分かってないなぁ」

再び日の光は遮光カーテンによって遮られ、部屋は暗い闇に包まれる


時津風「今日はお休み。だらだら~ごろごろ~」

提督「はいはい、だから後で付き合ってやるって言ってるだろ。僕お腹空いたんだけど」

時津風「ご飯はここにあるじゃん」

提督「は?」

時津風「がぶぅ!」

提督「いっ!?――――たくない?」

不意打ち気味に肩を噛まれるも、痛みがやって来なかった


時津風「しまった…服、しかも包帯の上からだから牙が刺さらないや」

提督「結構厚く巻いてるからな」

時津風「取っていい?」

提督「ダメ」

時津風「無視無視」

抵抗虚しく上半身を裸に剥かれる

包帯に手を掛けられ肩口の傷が露わになった


時津風「うわぁ…先に誰かに口つけられてた…」

提督「そこかよ。もっと他に言うことあっただろ」

時津風「あたし意外に噛ませるなんてこの尻軽!非処女!ビッチビッチ!」

提督「誰がビッチだ」

時津風「あたしは初めてなのに、しれーは初めてじゃないってふこーへーだと思わない?」

時津風「キスもしたの?」

提督「……まあね」

時津風「じゃあじゃあ童貞は?」

提督「……捧げた」

時津風「お尻は?」

提督「どれも全部神通さんに捧げられた」

正確に言えば奪われた。ではあるが


時津風「え~…萎えるなぁ…」

提督「勝手に萎えてろ」

時津風「まあ止めないけどね。がぶぅ!」

提督「っ!!」

抉られて膿んでいる右肩とは反対方向の左肩、僧帽筋上部に牙が突き立てられた

牙に穿たれた穴から血液が溢れだし、それに音を立てて吸い付く


時津風「あたし色に染め直してやる~!がるる~!」

提督「か、噛みつきながら喋るな!痛いんだからな!」

時津風「しれーもやって。ほらほら」

そう言うと時津風は左肩を肌蹴させ、提督に差し出す


提督「え?僕もやるの?」

時津風「そうだよ~。だってこれ朝ごはんだし」

時津風「吸血鬼は愛する人の血しか体に受け付けないのだ~」

提督「そう言う設定なんだ…」

時津風「ほらほら早く吸いなよ~。今日一日はこうやって過ごすんだからさぁ」

提督「…………やらないと、駄目なんだろうな」

状況を抜け出せないと諦め、提督は時津風の肩に牙を当てる

想像以上に細い肩

女の子の小さな体

自分の背中に腕が回され、強く体に抱き付かれ無心に血を吸われている

明石の時や雷の時とはまた違った、不思議な感覚に理性が少しづつ溶けだしていく


肌に牙が触れる

柔らかく温かい肌

妙に研ぎ澄まされた感覚に、その薄い皮一枚隔てた奥に確かな血の脈動を感じた

強めに牙を押しあてるとあっさり薄皮に傷がつき血が滲む

血の味に脳が痺れる

皿に牙を肌に突き立て、筋繊維をぷつりぷつりと引き裂いた

痛みで時津風の肩が震える

それを和らげるように傷口を優しく舐める

時津風の背中に手を回し体を抱く

優しく背中を撫で、落ち着いたところを見計らって再び牙で傷口を刺す


したの歯で肉を押せば傷口から血が溢れだす

舌で溢れた血を舐めとり、リップ音を鳴らして唇を離す

口で体を愛撫するという行為も少し慣れてきてしまった


時津風「げっぷ…ご馳走様でした」

提督「……ご馳走様でした」

時津風が口を離したのを見計らって口を離し、手を合わせた

時津風はそのまま後ろに倒れ込み、まだ畳んでいない布団の上に寝転がった

提督は仕事をしようと思い、立ちあがったものの一歩歩いて体勢を崩す

体からは脳に行くべき血がいくらか抜き取られ、体が思うように動かない


体がふらつき、時津風の体に覆いかぶさる形になって倒れ込む


時津風「おー、しれー大胆だねぇ」

提督「……うまく…動けない」

時津風「あたしも頭がぽけ~ってなって動けない」

時津風「今日はお休み。だからさぁ、ごろごろしてればいいんだよ」

時津風「ぎゅ~!」

時津風の四肢が体に絡みつく

簡単には起き上がれないし、起き上がろうとも思えなくなる

躊躇いがちに時津風の体を抱き返す

時津風の首元に顔を埋める

暑くて甘い女の子の香りと、濃い血のむせ返るような香りが混ざり合う


時津風「ねえねえ、セックスする?」

提督「……いきなり何言ってんだよ」

時津風「きっと気持ちいよ~。お互いの首に牙たてて、血を飲みながら繋がりあう」

時津風「体液と体液を交換し合って溶けるぐらい体が熱くなって、二人が一つになるぐらい体が一緒になるんだよ」

時津風「今だって体が熱い熱い~って言ってるよ?」

提督「……そう、だな。血を吸ってると不思議と体が火照って来た」

提督「理性が吹き飛びそうなくらい体が君を求めてる」

提督「このまますれば、血と精を貪りあってきっと死ぬまで続ける気がする」

提督「…………でも、ちょっと眠いや」

時津風「ふふふ、よ~しよし。寝るのもいいね、このままぐで~っと泥のように眠るかぁ」


本能に身を任せ微睡に意識を委ねる

咽かえるほど二人の体臭が充満した部屋で、汗をかくくらい熱い体を寄せ合いながら睡眠を貪った

再び目が覚めると、またお互いの肌に牙を立てて血を吸い合う

そうしてまた二人で体を抱き合った


夜、とっぷりと日が暮れたころに二人は起き出した

完全に目の冴えた二人は、無駄に昂ったテンションのまま鎮守府内で遊び倒した

深夜まで続いた二人の騒ぎ声は大淀の一喝によって静められた


鎮守府・執務室


後日、二人の牙は普通の犬歯に戻っていた


時津風「あ~あ~…牙無くなっちゃった。もったいな~い」

提督「吸血鬼気分が味わえたからいいだろ?」

時津風「もっとぐっちょぐっちょに体壊すぐらい愉しめばよかった」

提督「…………」

時津風「冗談だよ?」

提督「………そうか」

時津風「ねえねえ、しれーも昨日は楽しかった?」

提督「………あんなに寝たのは久しぶりだ」

提督「…………まあ、悪くは無いかな」

時津風「そっかそっか~。いつもの調子に戻ったみたいで安心した」

時津風「というわけで早速。おりゃ~!!」

提督「痛い!痛い痛い痛い!!ちょっと待て!待て待て待て冗談で済んでないッ!!」

楽しそうに左首筋にかぶりつく時津風

くっきりと、一生消えないくらいの噛み跡を左首に刻まれたという


というわけで『ヴァンパリズム』でした

性癖の事をねっとりと描写する以前に時津風の雰囲気を出すことに力を入れ過ぎて描写がおざなりに……

すっごく好きな独特の喋り方を上手く表現したかったんですが、上手くできていないような気がして怖い

ぐぬぬ……まだまだ研鑽が足りない…

破滅的に振り切ってたらキャラが壊れて勢いで書けたんでしょうけど、それで書けてもあまり意味がない



死にそうになるくらいの体調を乗り越えて帰ってまいりました!!

また体調崩す可能性も0ではありませんが、取り敢えず今は平気です



ではでは、、誰かがいらっしゃれば始めましょうかね


温かい言葉が心にしみる…

ではでは、再開します


今日一日の視点となる提督を選択してください


A、普通提督
B、真面目提督
C、思春期提督
D、ナルシスト提督


安価↓3の中で最も2桁コンマの数値が高いものを採用

c


>>457採用:C、思春期提督


艦娘の選出方法の前に……



1、「ちょっとおかしな」ボタンを押す
2、「もっと!おかしな」ボタンを押す
3、どっちも押さない

安価↓3の中で最も2桁コンマの数値が高いものを採用


>>460採用:2、「もっと!おかしな」ボタンが押す
※強烈な現実や設定改変にご注意ください




「………ん…んんぅ…」

呻き声をあげて目を覚ます

何処からか声が聞こえる

体がだるい

きっとそれは、寝起きだからだ

朝の陽ざしが辛い

何処からか声が聞こえる

それは僕を起こそうとする声


僕を毎朝起こしてくれるのは……


1、母親
2、姉
3、妹
4、幼馴染

安価↓3の中で最も2桁コンマの数値が高いものを採用


>>467採用:3



……そうだ、妹だ

僕の妹は………



自由安価(キャラ名指定。提督でも可)
安価↓3の中で最も2桁コンマの数値が高いものを採用


>>472採用:響



響「起きて朝だよ」

「………響?」

響「そう、響だよ。妹の響」

「………妹……響が。……髪の色も違うのに?」

響「この世界ではよくある事。気にしているとハゲる」

「………………分かった、直ぐ起きる。だから部屋を出ていって」


響を追い出し、揺れる頭で今の状況を思い出す

自分の名前は……詩伊春季(シイ シュンキ)

年齢は14歳

聖かんむす学園に通っている学生。学年は2年

………聖かんむす学園ってなんだよ。なにこの無駄に恥ずかしい名前

何か…おかしいような…?



1、ドキドキ!!学園生活!?を開始する
2、目を覚ます

安価↓3の中で最も2桁コンマの数値が高いものを採用

1


>>480採用:1、幻惑に浸る


響「着替え終わった?」

春季「おわぁ!?い、いきなり入って来るなよ!」

響「降りてくるのが遅い、朝ごはんが冷めるよ」

春季「分かったから、直ぐに降りる。って言うか着替え中なんだよ!早く閉めろよ!!」

響「最近の春季は怒りっぽい。更年期?」

春季「更年期は40代以上の女性にしか来ないだろ。早く出てって、それと兄を呼び捨てにするな」

響「はぁ…可愛くない春季…兄さんだね」

響がリビングに降りていく足音を確認してから着替えはじめる

時計を見れば7:50を指し示していた


春季「ヤバいな、早く着替えて家を出ないと」

春季は頭に巡っていた雑念を振り払い、急いで外に出る支度をしてリビングに降りる

その途中に響とすれ違う。響は先に家を出るつもりのようだ

ダイニングでは母さんがゆっくりとコーヒーを飲んでいた



母親は……
自由安価(キャラ名指定)

安価↓3の中で最も2桁コンマの数値が高いものを採用

霧島


>>485採用:霧島


霧島「おはよう春季。今朝はゆっくりね、時間大丈夫?」

呑気な声で僕にそう言う

母は専業主夫であるため、今朝ものんびりとしたものだ


春季「……おはよう。時間ヤバいから直ぐ出る」

置かれていたトーストだけ放り込み、牛乳で押し流した

霧島「ああ、ちょっと待ちなさい」

直ぐに部屋を出ようとした僕の腕を掴み、正面を向かされる

口元をハンカチで拭われ、髪を丁寧に整えられる


霧島「これでよし」

春季「…もう子供じゃないんだからやめてよ」

霧島「そうは言っても嫌がらないのが春季の可愛い所ね」

春季「……行ってきます」

母親の笑顔に少し腹立たしく思い、少し棘のある声で家を出た



家を出てすぐに誰かが玄関先に立っていたその人物は………


1、幼馴染
2、妹
3、自由安価(姉や友人、ストーカーなど人との関係性)

安価↓3の中で最も2桁コンマの数値が高いものを採用

1


>>490採用:幼馴染


幼馴染の……


キャラ名指定
安価↓3の中で最も2桁コンマの数値が高いものを採用

那珂ちゃん


>>497採用:学園のアイドル



那珂「おっはよー!!」

春季「…………」

素通り

那珂「ああ!無視しちゃダメだよぉ!!」

しかし まわりこまれてしまった!!


那珂「おはようございまーす!はいっ!」

春季「……おはよう」

玄関先には朝から爽やかを通り越して少し鬱陶しいくらいに弾ける笑顔の幼馴染が居た


那珂「もう!元気ないぞっ!」

春季「………じゃ、僕学校行くから」

那珂「一緒の学校でしょ!もう、学園のアイドル那珂ちゃんが折角迎えに来てあげてるんだよ?もっと喜ぶべきだと思うなぁ」

那珂「しかもそんな可愛い那珂ちゃんと幼馴染なんだよ!?」

春季「………今の言葉の上にどれくらい『自称』がつくんだろうね」

那珂「あー!酷いなぁ!」

一つ年上の幼馴染の那珂に絡まれながら、学校に向かった


通学中………何か話そうか?


1、世間話
2、勉強の話
3、自由安価
4、何も話さない

安価↓3の中で最も2桁コンマの数値が高いものを採用


>>510採用:2、勉強の話



春季「……勉強、調子はどう?」

那珂「う~ん…普通かなぁ」

春季「………本当に?」

那珂「ちょっと!それどういう事!!」

春季「………いや、別に。苦手そうだなって」

那珂「春季はどうなの?」

春季「勉強ね……………………ん?」


勉強…何の勉強をしていたっけ

……艦隊指揮の勉強

……………そんなこと普通は教えないよな

なんだろう、この違和感は

……………やっぱり、どこか変だ

……なんだか色々と、いつもと違う…な



1、もう少し続ける
2、目を覚ます

安価↓3の中で最も2桁コンマの数値が高いものを採用


………………………

…………………

……………

…………

……




提督「……………ん?」

提督は目を覚ます

そこは執務室の机の上

机の上に広げられているのは小説

確か、内容は恋愛ものだったような気がする

あまりに読むに堪えずに寝てしまっていたようだ


提督「……変な夢だったな」

提督は洗面所に向かい、顔を洗いに向かった


楽しんでもらえるかなぁと軽い気持ちでやったのですが、思いのほかうまくいかず申し訳ない

楽しんでもらえていなければ続ける意味などないのです

なので取り敢えず話折りました


文を書くリハビリ的なモノなので、明日からはいつもの奴に戻ります

どうもお騒がせしました


こういう、1から人間関係を作っていく話をいつかやってみたいと思っていたのですが、もう少し安価を取るテンポを考えた方がよさそうですね

ともかく、今日はここまでです


お付き合いいただきありがとうございました


うおお…なんだかすごい時間になってる

それでも一人くらいは書けそうですね


誰かいるといいなぁ

取り敢えず再開です


今日一日の視点となる提督を選択してください


A、普通提督
B、真面目提督
C、思春期提督
D、ナルシスト提督


安価↓3の中で最も2桁コンマの数値が高いものを採用


>>561採用:B、真面目提督


今日一日の艦娘の選出方法

1、>>1の鎮守府のレベル順うえから○番目の艦娘
2、>>1の鎮守府の所持艦娘を古い順から○番目の艦娘
3、>>1がまだ選ばれていない艦娘の中で適当にチョイスしコンマ判定で決める

安価↓3の中で最も2桁コンマの数値が高いものを採用


>>564採用:>>1厳選艦


1、長門
2、加賀
3、夕立
4、瑞鶴
5、那珂
6、山城
7、金剛
8、足柄
9、秋月
0、大井

直下コンマ


コンマ判定:8 足柄



「ちょっとおかしな」ボタンを押しますか?

1、押す
2、押さない

安価↓3の中で最も2桁コンマの数値が高いものを採用

2


>>574採用:2、押さない



ではでは、本編開始です


鎮守府・執務室



提督「……と、いうわけでして。皆さんにお休みを取ってもらっているんですよ」

足柄「へぇ、そうなの。『艦娘慰安月間』ねぇ……」

足柄「提督が言うとどことなく犯罪っぽいわね」

提督「へ?慰安なのに犯罪なのですか?」

足柄「あ、ああいいのいいの!気にしちゃ駄目よ!きっといつか嫌でも理解できるわよ」

提督「は、はぁ…そうですか」

何かを隠すように誤魔化した足柄の様子が気になりつつも、言葉を続ける


提督「この期間中は、僕になんでも命令してくれて構いませんよ!」

提督「皆さんに喜んでもらうため、誠心誠意ご奉仕いたします!!」

足柄「ふ~ん、やけに自信満々なのね!いったい何をしてくれるのかしら?」

提督「掃除洗濯料理から膝枕に耳かき!!ありとあらゆる安らぎに対応してますよ!!」

提督「さあさあ!ずいっと…ずずいっと!この僕に何でもお願いしてくれて構いません!!」

足柄(ああ、それくらい健全なものでもいいのね…)

足柄「それじゃあ早速行かせてもらうわ!!」



足柄「私から提督へのお願いは………」



足柄のお願い
自由安価

安価↓3の中で最も2桁コンマの数値が高いものを採用

至高のカツカレー作りに協力して欲しい


>>584採用:



足柄「至高のカツカレー作りに協力してもらうわ!!」

提督「おお、なんだか意外なお願いです。この前…に限らず、カツカレーよく作っていますよね」

足柄「ええ、でもまだまだ足りないの…!」

足柄「この間作ったカツカレーは胸やけを訴える人が続出してたのよねぇ…なんでかしら?」

提督「う~ん……その時のカツカレー。僕は美味しいと思って食べれましたよ?」

足柄「ホント!?やっぱりそうよねぇ、あの時カツもカレーもしっかり味見したもの。何がいけなかったのかしら…」

足柄「使った油?……それともカレー粉…各種スパイス…肉かしら…」

ブツブツとその時の様子を思い出すように言葉を羅列しながら、足柄は首を捻る


提督はこの瞬間、少し気が付いてしまった

提督(僕たちは美味しく食べられて、他の方たちはそうでもなかった)

提督(そこから導き出される結論は……)


提督(僕と足柄さんは味音痴!!)


提督(……………どういう風にアドバイスをすればいいでしょう?)



1、正直に自分たちが味音痴ではないかという事を伝える
2、食材にこだわってみる
3、お店のカレーを参考にしてみる
4、自由安価(発言安価、アドバイス内容)

安価↓3の中で最も2桁コンマの数値が高いものを採用


>>589採用:2、食材にこだわってみる



提督「あまり料理に詳しくはありませんが、やはり食材に拘ればいいものが出来る気がします」

足柄「その通りだわ。至高のカレーの第一歩はまず食材選びからね!」

提督「どんなものがいいのでしょうか?やっぱりお高いのでしょうか?」

足柄「甘いわよ提督!!」

足柄「高けりゃいいって言うのは貧乏人の発想よ!!」
                                                   
足柄「真に必要なのは値段じゃない…味よ。私の求めるカレーにピタリと当てはまる…そんな食材であるべきなのよ!!」

提督「お、おお!なんだか良い事を言っているような気がしますが、結局お金はかかると思います!でも勢いで騙されそうです!!」

足柄「どうしましょうか、取り敢えず畑でも作ろうかしら?」

提督「そ、そこからですか!?時間がかかりすぎますよ!?」

足柄「冗談よ冗談。それに、至高のカレー作りとは言ったけど、使えるお金にも限度があるものね」

足柄「私達に叶えられる範囲で至高のカレーを作りましょう!!」

提督「おお、意外と志が低いです……」

足柄「そうと決まれば買い物よ!着いてきなさい!!」

提督の答えを待たず、腕を引き強引に商店街へと向かった




商店街・肉屋



足柄「まずはお肉ね。カツにもカレーにも使う大事な食材よ」

提督「…おお、この和牛切り落とし安いですよ!これですき焼きにしませんか?」

足柄「何貧乏くさいこと言ってるの提督!私たちが見るべきは豚よ!!」

提督「うむむ……そうでしたね、ついつい本当の目的を忘れて普通に買い物してる気分でした」

提督「トンカツの為ならばロースですよね。あ、カレーにも豚肉なんですか?」

足柄「ちょっと悩んだけど、カツカレーにするなら他のお肉を混ぜない方がいい気がしてね。豚肉を使うつもりよ」

提督「そうですか。う~ん、カレーの為の豚肉……僕なら迷わずこの切り落としを買うんですが……」

足柄「さっきからなんなの提督!そんなに安いものが好きなの!!」

提督「買い物をするなら安くいいものをが基本です。切り落としは外れに当たると脂身ばかりで酷いものですが、アタリの時は本当にありがたいんですよ!」

提督「それにここのお肉屋さんは何度か通っているので、切り落としの外れ率の低さもリサーチ済みです!」

足柄「く、くぅ…ちょっと心が揺れそうになるわね。でも今日は至高のカレーを作るの!金を気にしていいものが出来るかってのよ!!」


狭い店内で大声で話す二人に困惑しながらも、店主は優しくお勧めの肉を教えてくれた

買う部位を決め、帰りにまた来るといい残し肉屋を去った

因みに何故ここで買わなかったかと言えば、他の食材選びの時間を鑑みて肉が痛むのを恐れたからだ

何故さきに肉屋に来たのかをツッコんではいけない


商店街・八百屋



提督「野菜、野菜ですかぁ」

足柄「あら、神妙な顔してどうしたの?野菜だからって好き嫌いは駄目よ」

提督「いやいや、そうじゃなくってですね。カレーの具材の中でも好みが割れやすいものだなぁって」

提督「ジャガイモは確定として、他に何を入れるんですか?」

足柄「ニンジンは外せないでしょう。それと玉ねぎも必須ね」

足柄「………そうねぇ、もう要らないんじゃないかしら」

提督「あれ、意外とシンプルですね。てっきりゴトゴト入れたがると思ってました」

足柄「至高のカレーにはね、余計な雑味はいらないのよ…」

提督「足柄さん流し目好きですね。なんだかカッコイイのでいいですけど」

足柄「リアクションが薄くって寂しいわ……」


足柄のそれっぽい雰囲気を出す言葉に慣れた提督は、華麗に足柄の言葉を受け流し野菜を吟味した



提督「う~ん…次はルーですか………」

提督「厨房の備品じゃダメなんですか?」

足柄「駄目ね。安物と出来合いのルーしかあそこには置いて無いもの」

提督「出来合いのルーも十分美味しいと思いますけどね…」

提督「まあいいです。各種スパイスを買いそろえるとして……」

提督「こういうカレー粉?とかって、専門店があるんでしょうか?」

足柄「勿論あるわ。よく分からない物ばかりで楽しいわよ!!」

提督「よく分からないって言っちゃうんですね!?」

足柄「そりゃあ初めて行ったときはさっぱり分からない物ばっかりだった…けど、今回の足柄さんは一味違うのよ!!」

足柄「安心しなさい!しっかり勉強してきたわ!!」

提督「だ、大丈夫かなぁ……」


何も知識の無い提督は心配しながらも、足柄に全てを任せた


たくさんの小瓶の入った袋がコチコチと音を鳴らす

商店街からの帰り際、肉屋さんによってトンカツ用のロースとカレー用の豚脂を買った


提督「よっと……おとと…」

たくさんの買い物袋を提げた提督の体が少しふらつく


足柄「大丈夫?少し持つわよ」

提督「へ、平気です!ご心配なく!!」

提督「僕も男ですからね!女性に荷物を肩代わりさせるわけにはいきません!!」

足柄「……もう、そういうとこは意外としっかりしてるのね」

足柄「でも――」

提督「あっ」

塞がれていた左手の荷物を全て取られる

荷物の代わりに提督の手には足柄の手を握らされた


足柄「提督は子供で、私は大人なんだから。これくらいが丁度よ」

提督「む、むぅ………まだ、子供…ですものね」


少しだけむっとしてしまいながらも、素直に手を繋いで歩く


足柄「……綺麗な夕日ね」

目を細めて足柄が見詰める先には、赤々と空を燃やす夕日が沈みかけていた


提督「帰ったら丁度、夕飯の時間ですね」

足柄「腕が鳴るわね!いつもより……2倍くらいお金がかかってるのかしら」

提督「そうですね……って、お金は気にしないんじゃないんですか?」

足柄「あはは…実際買ってみると結構高くつくなぁって」

提督「僕の支払いなので気にしなくてもよかったんじゃないですか?」

足柄「逆よ逆。提督のお金だから気を使っちゃうのよ」

提督「ああ、なるほど。納得です。そりゃあそうですよね……」


足柄「こうして一緒に買い物に来て分かったけど、提督ってよく買い物に行くのかしら?」

提督「よく行きますよ。よくお遣いを頼まれます。響きは子供っぽいですけど、これも頼られている証拠です!!」

足柄「ふふ…提督ってそういう所気にするわよね。そんなに大人になりたいの?」

提督「う~ん……大人がどうというよりは…子供だけど、頼られたい。でしょうか」

提督「多分、褒められるのが好きなんだと思います!」

足柄「ふふふっ、そう。分かりやすくっていいわね!」


そんな、とりとめのないことを話しながら帰路についた


鎮守府・厨房


足柄「……出来たぁ!!」

提督「つ、ついに完成したんですね……」

とっぷりと日の暮れた厨房でハイタッチをする提督と足柄

時計は19:45を指し示していた


足柄「本当は一日くらいかけて煮込みたかったんだけど、そんなに待ってられないわよね」

足柄「カツカレーに合うように全ての食材をこし器でこして、食材の旨みを抽出して作り上げたこのサラサラのカレールー!!」

足柄「大きめのお皿に盛り付けられた少し硬めのお米、そしてそこに盛り付けられた特大のカツ!!」

足柄「完璧ね!!…………でも」

提督「でも?」

足柄「よく考えたらこの前もだいたいこの作り方だった気がするわ」

提督「こ、今回は食材にこだわりましたからね!きっと一味違いますよ!!」

足柄「そうよね!!じゃ、いただきましょうか!!」


二人分盛り付けられたカレー皿を食卓の上に並べる


「「いただきまーす!!」」


元気よく二人の声が重なった



コンマ判定
偶数で馬鹿舌、奇数で違いの分かる舌

直下コンマ


コンマ判定:偶数



提督「お、美味しいです!!」

足柄「そうでしょう!」

提督「でも、前の時とおんなじくらいの美味しさですよ?」

足柄「えっ!?嘘でしょう!?はぐっ……」

足柄「…………あむ…がつがつがつ!」

足柄「……………」

足柄「…………ホントね」

提督「ですよね?」

足柄「あっれ~?おっかしいなぁ…前よりお金かけて食材選んだのに……」

提督「でもでも!すっっっごく美味しいですよ!!」

提督「僕!足柄さんのカレー大好きです!!」

足柄「ありがとっ!……う~ん、でも……う~ん……なんでだろう?」

提督「なんででしょうねぇ……」


二人はカツカレーをがっつきながら、頭を捻る

その問題は、二人では一生解決できない問題であった

何故なら二人は、一定以上の美味しさであれば何でもおいしいと食べられる『貧乏舌』なのだから……



鎮守府・執務室


二人は地面に手をついて落ち込んでいた

後日、あのカレーを他の人たちにも配ったのだがやはり感想は二人のそれとは食い違う

どうしても理由が気になり、ご飯と言えばあの人だろうと間宮を訪ねたのだが

そこで二人に厳しい現実が付きつけられた



足柄「……まさか…『こってりしたものと脂っこいものを一緒に食べるなんてそりゃあ胸やけ起こしますよ』って言われるなんて…!」

提督「盲点でしたね……まさかその料理自体が問題だったなんて…!」

足柄「肉食系の私と提督だから美味しいと食べられたけど、そうでもない人じゃあそうはいかないわよね」

提督「僕たちのカツカレーに足りなかったもの…それは……!」


「「付け合わせのサラダ!!」」


二人の声が揃い、ガシッと腕を組み合う


提督「箸休めのあっさりしたサラダがあれば、他の女性陣にも大好評間違いなしです!!」

足柄「そうよね!次はサラダづくりよ!行くわよ!!」

提督「はいっ!!」


そうして、どこかずれた感性を持つ二人は町へと繰り出した

後日、『違うそうじゃない』と言わんばかりに料理を食べきれない艦が続出し、二人は再び頭を捻る事態となった

諦めきれず、量を減らしてカツカレーをお出ししたが『三日連続同じものが食えるか!』と怒られ、二人は暫く厨房立ち入り禁止処分となった


足柄さんと真面目提督、健全力が高すぎてイチャイチャすらしていない…だと…!!

いや、これ一応イチャコラしてるというんですかね…?

前作の時にも思いましたが、私が書くとどうにも足柄さんは健全なおねーさんになる

いや、別に壊れた姿が見たいかと言われればそんなでも無い気がしますが

もし壊れるなら、足柄さんに似合うのはボレアフィリアだと思います



今日の更新はここまでです

お付き合いいただきありがとうございました

一方の童貞大和さんはショタ提督を逆レイプしていたのだった


>>608
告白を断られた逆恨みで逆レイプをしてしまってその上その行為に罪悪感を感じながらも断った相手が悪いと言いながらレイプをつづけた方の大和さんの話は止めて差し上げろ
直接的に狂った話もいいですけど、ああいう人間関係がボロボロでドロッドロしたのも楽しいですよねぇ



それではそろそろ再開です


今日一日の視点となる提督を選択してください


A、普通提督
B、真面目提督
C、思春期提督
D、ナルシスト提督


安価↓3の中で最も2桁コンマの数値が高いものを採用

C

あのスレに居た層とこのスレに居る層多分一緒だろうな


>>617
書いてる人が同じですからね
あれも読んでくれている人が居るのはなんだかうれしい話です


>>614採用:C、思春期提督



今日一日の艦娘の選出方法

1、>>1の鎮守府のレベル順うえから○番目の艦娘
2、>>1の鎮守府の所持艦娘を古い順から○番目の艦娘
3、>>1がまだ選ばれていない艦娘の中で適当にチョイスしコンマ判定で決める

安価↓3の中で最も2桁コンマの数値が高いものを採用

2


>>620採用:2、古い順


ではでは、数字をかきこんでくださいね

安価↓3の中で最も2桁コンマの数値が高いものを採用

22


>>627採用:NO.22『利根』



「ちょっとおかしな」ボタンを押しますか?

1、押す
2、押さない

安価↓3の中で最も2桁コンマの数値が高いものを採用

1


>>630採用:1、押す


コンマ判定


1、外見
2、内面
3、傷、自虐
4、死
5、物
6、部位
7、状況
8、行動・行為
9、その他
0、逆に


直下コンマ


コンマ判定:5


『行動・行為』のちょっとおかしな一覧はこちら


1、エメトフィリア(嘔吐性愛)
2、エロトフォフィリア(殺人性愛)
3、フロツーリズム(接触性愛)
4、バイストフィリア(強姦性愛)
5、スコプトフィリア(窃視性愛)
6、ソムノフィリア(睡眠性愛)

安価↓3の中で最も2桁コンマの数値が高いものを採用


>>638採用:3


利根の性癖が『フロツーリズム』に決まりました


それでは本編開始です


提督「……というわけで、皆に休暇を取ってもらっているから」

利根「ほうほう、ついに我輩に順が回って来たというわけだな」

提督「そういうこと。……もう6人目か、そろそろ全員に知れ渡ってるころだろうね」

今までにしてきたことを思い出し、少しだけ憂鬱になる

自らの状態とこの6人目という言葉、まだまだ先は長いという事の証明であった


利根「聞いたぞ提督。どうやら大変な目に会ったそうではないか」

提督「……まぁ…ね」

利根「説明を聞いて漸く合点がいったぞ」

利根「なんでもいう事を聞かなければならないという提督の立場を利用し、ここぞとばかりに乱暴を働いたのだな!なんと卑劣な行いか!」

提督「………合意の上だから」

利根「なに!?本当か?」

提督「うん」

嘘だけど

そうと言っておかなければ他の艦娘に説教をしに行きそうな勢いが今の利根には感じられた

そんなめんどくさそうなことをされたら大変だ

素直にしたい事を言って貰えればそれが一番


そう、提督は考えていた

いつの間にか慰安する立場というモノが板に着いて来ていた


利根「その痛ましい目や、包帯で覆われた傷もか?」

提督「……うん。そうだよ」

利根「そ、そうか。合意の上であったか……」

提督「……ふぅ…僕のしてきた(されてきた)事なんて気にしなくていいから、利根もなんでも僕に言うといいよ」

利根「い、いや…それはだな既に考えていたのだ…いたのだが……」

バツが悪そうに顔を逸らす利根


提督「………なに、考えていたけど言いにくくなったの?」

利根「う、うむ……そうだ…。わ、我輩はじゃな、提督は嫌々やらされておるのだと勝手に考えておったのじゃ」

利根「だから……我輩のお願いは『提督を慰めてやる、好きに甘えてくるがいい!』……と言うつもりだったのじゃ」

提督「ふ~ん……それで、僕が嫌がっていないと分かって、その上僕の事なんか気にするなと言われた手前そう言い出し辛いと」

利根「そうなるな…」

提督「………ふぅ…ま、なんだっていいけどさ。時間はいくらかあるから、別のを早めに決めて来てよね」


そう言い、提督は執務机に向き戻った

提督は時津風の一軒でストレスを吐きだしたおかげか、いつもの調子が戻り仕事がしたい気分だった


提督(ああいう風に最初に言ってきたのは、あのお願いに繋げるためだったんだろうな)

なんてことを考えながら仕事を続ける

利根は困ったように眉を顰め、そわそわしていた


数時間後

提督は執務を続けていた

だが、何かと手が止まる

提督「………どうしてこうなった」

それもそのはず、提督の尻の下には椅子ではなく利根の膝があった

楽しそうなにこやかな笑顔で提督の体を抱く利根


利根「色々考えたのじゃが、やはり我輩はこのような姿の提督を捨て置けん!」

利根「と、いうわけで今日一日はずっと一緒に居てやるぞ!」

提督「一緒に居るのはいいけどこんなことをする必要はないんじゃない…?」

利根「何を言うか!こうして肌を触れ合っておると安心するであろう?」

そう言いながら提督の体を抱く腕に力を込めて髪に顔を埋める


提督「……これって利根が僕の体を触りたいだけなんじゃないの?」

利根「な、ななな…何を言うか!そ、そんな事ないぞ!ほ、ホントだぞ!!」

口に出さずともハッキリと伝わる

心と心が通じ合ってるわけではないが、利根の言わんとすることは透けて見えた


提督(最初のお願いの『僕を慰めてやろう』って奴も、絶対この方向に持って行くつもりだったに違いない)

提督(……単純に愛玩動物的なそれか、もしくは……人肌が好き?なのかな)

提督(少なくとも今回は平和に過ごせそうだ)


提督「………座りが悪いからさ、せめて椅子に座らせて」

利根「むぅ…そうか?我輩の太ももでは不満か?触ってもよいのだぞ?」

提督「ぼ、僕がそんな破廉恥な事する筈ないだろ!」

利根「まあ、提督がそうしてほしいというのならば仕方ないか…よっこらしょっと、これでどうじゃ?」

利根は深く椅子に腰を引き、提督の体を両手で持ち上げながら股を開いてその間に提督の尻を座らせた


提督「……まあ…さっきよりはいいかな」

改めて机と向かい合う


利根「………引っ切り無しに書類が舞い込んで来るな。提督というのも存外大変そうじゃ…」

提督「………」

利根「ただ椅子に座ってハンコを押すだけだと思っておったが……む、どうした提督?顔が赤いぞ?」

提督「……な、なんでもない」


なんでもあった

提督の心はもはや此処にあらず

全神経は利根の一挙一動に集中されていた

肩に乗っけられた利根の顔から伸びる二つに振り分けられた髪の毛

肩口を撫で、鼻腔を擽る

甘い女性の香りが胸いっぱいに広がっていく

匂いというモノは本当に毒だ、胸いっぱいに一つの香りをかげば体内がそれに埋め尽くされているくらいの陶酔に浸ってしまう

そして次に手

長く細く白い指、骨の感触が感じるほどではなく程よく肉のついた柔らかい指先

その指の爪が、時折首筋をなぞるたび痺れる快感が走る


提督(指をこんなに意識するようになったのは確実に雷が原因だな…)

提督(それに首、すっかり性感帯にされてしまってる……)


邪な考えを振り払おうと顔を両手で強く挟む


利根「お、おお!?突然どうした!?」

提督「………気にしないで、癖だから」

利根「そ、そうか………そんな癖があったのか、新しい発見じゃ…」

突然の行動に驚き顔をあげたが再び定位置に戻るかのように提督の肩に首を置く

提督の苦し紛れの行動は本当にただの焼け石に水であった

がっしりと抱かれた体の背中、意識すればするほど他の部位とは違う確かな弾力を感じ取れた

そう、胸だ

胸が背中に押し付けられている形になっている


提督(でもそれ以上に心臓に悪いのがこれだ…!)

もぞもぞと居心地が悪そうに利根が動く

当然だ、一つの椅子に二人が座っているのだから

その動きに合わせて更に意識が強くなる

深くスリットの入ったスカート?を履いている利根の太ももが腰に強く押し付けられる

片足には長いサイハイソックス、もう片方の足はあられもなく晒された素の肌

そして更に提督の臀部に、利根の股が押し付けられている


提督(こ、これで意識をするなって言う方が無理だ…!)

利根「提督よ、手が止まっているぞ?」

そう言って利根が提督の顔を覗き込む、利根は………


1、キョトンとした表情(無意識)
2、ニヤついた笑顔(確信犯)

安価↓3の中で最も2桁コンマの数値が高いものを採用


>>654採用:2

ニタッと口の端を歪めた作ったような笑顔を浮かべていた


提督「……わ、ワザとか…!」

利根「ん~?何のことじゃ?我輩にはさっぱり分からんのう♪」

更に体を密着させ、お互いの太ももを擦りあわせる

臀部に感じる利根の股からは微かに汁気を感じ取れた

羞恥で顔を染める提督に劣らぬほど、利根も頬が上気していく


利根「しかし、ここは暑いのう…少し脱ぐとするか」

そう言いながら自らの服のボタンに手を掛け、下のブラウスだけの姿になる

薄らと汗で透けて見える服の下、それを見て提督は自らの目を疑った


提督「お、おまっ!し、下着をつけてないのか!?」

利根「如何にも!提督と良く触れ合うためにもな…ほれ、提督も脱ぐのじゃ!」

あれよあれよという間に服をはぎ取られ薄着になる


利根は自らの肌着すらも肌蹴させ、完全に脱ぐことは無いながらも裸体を晒す

肌着一枚隔てた背中にその体が押し付けられる

体を抱くために回された腕が、提督の心臓を掴むように強く胸に押し付けられる


利根「おおう、元気良く跳ねておる!ふふふ…何を想像しておるのじゃ?」

提督「お、お前の所為だろ!」

利根「我輩は提督と触れあっていたいだけじゃ。しかし、我輩の思惑とは別に提督の腹の中で黒い欲望が渦巻いているのかもしれぬな」

利根「…執務中だというのに、提督はスケベじゃな!」

提督「ち、違う!だから原因は利根だろう!!」

利根「我輩はこうして提督の温もりを味わいたいだけである!気にせず執務に集中するといいぞ」

利根「それとも、集中できないというのであればそれは提督が我輩に勝手に劣情を催しているのではないかな?」

利根「そうではないのだろう?提督は破廉恥なことはしないと言い切っておったからな!」

提督「く…くぅ…!……悔しいけど、その通りだ」

提督「………これはただのスキンシップであって、性を刺激する行為ではない」

利根「うむうむ。分かってくれたようじゃな」


利根の強い主張と勢いと煽るような言葉遣いによりすっかりと丸め込まれた提督は、前かがみになりながら必死に執務に集中した

その間にも利根は首や耳、お腹や足などありとあらゆる箇所を弄り肌が触れ合う感触を堪能し続けた


数分後

一応一段落し、お茶を飲みながら一息つく

そこで、少し意外な利根の行動に頭を捻っていた


強く肌を密着させたがることには変わりない

提督を煽るようにからかうように素肌を押しあてる

腕や足を体に絡みつかせ、胸や秘所をこすりつける

しかし、それ以上の行為はしてこない

性行為をしたがる様子も、それを煽る言葉も言ってくることは無かった


どうしても気になりはじめ、口を開く


提督「……な、なぁ…」

利根「ん?どうした?」

提督「…………こ、これのさ。続き…しないの?」

利根「続き?」

素なのかワザとか掴めない利根の言葉に、これ以上を言うことが躊躇われ顔が熱くなってくる


提督「……すぅ…………はぁ…、えっと…その……せ、せ…」

提督「……だってこれ、前戯だろ?…続きが…ある…よな?」

最大限に言葉を濁らせ、なんとか意思を伝える


利根「我輩は言っているであろう。こうして提督の肌の温かさを感じていたいのじゃ」

提督「……それ…だけ?」

利根「うむ!それ以上などない!!」

いつの間にか提督の肌着すらも剥かれ、包帯が巻かれた上半身の肌が露わになる

直に肌と肌が触れ合う

だがしかし、利根の言葉を聞いて先ほどとは違う感情が湧いてくる

昂りが収まり、触れ合った箇所から体が熱くなっていくのを感じた


利根「……好きな相手の体に触れていたいと考えるのは、ごく普通の感情だと思うぞ」

利根「…提督は温かいな。健康な証拠じゃ!」

利根「この傷も…早く治る。まだまだ若いからな、しっかり食べればすぐに治るぞ」

抉られた肩の包帯の上から、慈しむように優しく頬が当てられる


とくんとくん


と別の胸の高まりを感じた


利根「うむうむ…傷口は火を噴くように熱いな。必死に治そうと体が騒いでおる!」

利根「…………ん?提督、また顔が赤いぞ?」

提督「こ、これはお茶が熱いからだよ!」

利根「そうか…ならいいが……」

利根が体を撫でるたび、体が内から熱くなる

なんとなく、体を利根に預ける

利根は特に驚く様子も無く、楽しそうに提督の顔を上から覗き込む


提督「……なんで楽しそうなの?」

利根「いや、提督がようやく甘える気になったのかと思ってな」

提督「…………もしかして、それが本当の目的だったりした?」

利根「さあ?どうだろうか?」

利根「それよりも、気分はどうじゃ?我輩の体の心地は?」

提督「…………」


顔を見られるのが恥ずかしくなりそっぽを向く

その方向には利根の腕

今まで自分の体を抱いていた腕

その腕にそっと頬を寄せた


提督「………………まあ、悪くないかな」


「意地っ張りじゃな」と呆れたように利根は笑った


鎮守府・執務室



提督は大人しく椅子に座り上半身をさらけ出す

利根は丁寧な手つきで包帯を外した


利根「うむぅ…まだ膿んでおる…」

提督「乱暴に食いちぎられたからね」

利根「く、食うと言ったか?」

提督「いや、気にしないで。うん、知らない方がいい」

利根「そ、そうか……」

膿んだ箇所にガーゼを当て、しっかりと貼り付ける

次に胸の包帯に手を掛けようとした利根の手を止めた


提督「……胸はやらないでいいよ。自分でする」

利根「遠慮をするでないぞ!我輩に任せておれ!」

提督「………いや、あの…その……結構グロイよ?」

利根「心配するな、肩も十分にショッキングじゃ」

提督の言葉を振り切り、包帯を外した


利根「うわあ!?乳首だけが無い!?」

提督「……だから言ったじゃん」

利根「き、気持ち悪いぞ!!」

提督「ああもう!気にしてるんだから言うなよ!!」

利根「ち、乳首は再生するのか?しなかったら……ぶふっ…!」

提督「わ、笑うな!!馬鹿!!」

提督「……………君なら笑わないでくれるかもと思ったのに……」

その後、提督を必死に宥めてみたがうまくいかず、それ以来一度も包帯を変えさせてもらえなかったという


『フロツーリズム』如何だったでしょうか?

所謂痴漢に近い行為なのですが、性行為が目的ではないという点が大きく違います

性癖なのにそう言う行為を求めているわけではないという、珍しい性癖です

肌を触れ合わせるのが好きというとなんだか凄く普通な感情のような気がします


しかし、オチをつけるのが上手くいかなかった感…



後一人……たぶん行けるでしょう!

選出方法は古い順から○番目の艦娘です


数字をかきこんでくださいね

安価↓3の中で最も2桁コンマの数値が高いものを採用

眼球も再生してあげて

12


>>667
死ねば元通りですぜ(ゲス顔)


>>669採用:NO.12妙高



「ちょっとおかしな」ボタンを押しますか?

1、押す
2、押さない

安価↓3の中で最も2桁コンマの数値が高いものを採用

1


>>675採用:1、押す


それではコンマ判定です



1、外見
2、内面
3、傷、自虐
4、死
5、物
6、部位
7、状況
8、行動・行為
9、その他
0、逆に

直下コンマ


コンマ判定:5


『物』のちょっとおかしな一覧はこちら


1、ペディオフィリア(人形性愛)
2、シトフィリア(食物愛好)
3、ヘマトフィリア(血液性愛)
4、バルーンフェティシズム(風船愛好)
5、ピロフィリア(火炎性愛)
6、ピグマリオニズム (彫像愛)

安価↓3の中で最も2桁コンマの数値が高いものを採用

1


>>682採用:1


妙高の性癖が『ペディオフィリア』に決まりました


性癖の方向性

1、お人形遊びが好き
2、お人形を愛でるのが好き

安価↓3の中で最も2桁コンマの数値が高いものを採用


>>690採用:2

それでは本編開始です


鎮守府・執務室



提督「…というわけ。もう色々知れ渡ってるかな?」

妙高「はい、一応は」

提督「……それでも一度は説明しておくよ」

本日も提督は新たな艦娘を慰安するため、執務室に呼び出していた

幾度となく繰り返した説明をする

この説明にも慣れたもので、見なくても問題なく、丸暗記しているほどであった


提督「以上。これが『艦娘慰安月間』の全容ね」

提督「それで、これのキモっていうのかな。大事な部分が『僕は君たちの為の何でもしなくてはならない』という事」

妙高「なるほど、提督が何でも言うこと聞いてくれるってこういう事だったんですね」

妙高「うふふ、駆逐艦の子たちがああしようこうしようってよく話してますよ」

提督「……そう、何も言われないよりは有り難いか」



提督「僕は君たちを労い、満足した休暇を送ってもらうために本当に何でもする」

提督「妙高はもう僕にお願いする事決まってる?」

妙高「はい。決めていますよ」

提督「そっか…なに?言ってみて?」

妙高「それはですね……」


妙高は提督の前まで歩み寄り、両頬に手を添えて真っ直ぐに目を見つめる

だが、その視線は何処となく心が不安になるものだった

妙高の指が提督の頬を撫でる

揉むような摘まむような人肌の柔らかさを堪能する手つきではなく、表面をなぞる様な指の動き


妙高「ああ…残念です。折角綺麗な肌だったのに…」

提督「そ、そうか……」

妙高「可愛いクリクリした眼も、偽物なっていますね……」

会話を交えようにもどこか上の空な様子の妙高に強烈な違和感を抱く

まるでそれは、自分が相手にされていないような自分を見ていないような、そんな奇妙な疎外感


妙高「髪の毛は…無事ですね。よかった…もう少し伸ばせばもっと似合うと思います」

妙高「………提督って可愛いですよね?」

提督「ッ!?」

心の奥がゾクリと震える

おかしな言葉じゃない、だがしかしその言葉には確かな狂気が感じられた


妙高「ずっと思っていたんです。可愛いなぁって…」

妙高「例えるならそう……『お人形さん』みたいですよね?」

提督「な、なぁ妙高――」

妙高「もっと!…早く私の番が回って来ればよかったと思います。折角の綺麗な提督が傷物にされてしまったんですもの」

提督が言葉を発したと同時に、強い語気で言葉をかぶせる

明らかに提督が喋ることを阻害した


妙高「……でも、これはこれで素敵だと思います」

妙高「だけどこれ以上誰かに壊されたくないので、お願いがあるんです」



妙高「今日一日は、何もしないで下さい。話さず、動かず、じっとしていてくださいね?」

妙高「今日一日は……私の可愛い提督でいてください」


そう言って妙高は提督を抱きしめる

壊れないように優しく

提督はただ、目を大きく見開き体が動かせなかった


妙高自室


妙高「う~ん…さすがに縛るには長さが足りませんね」

鏡台の前に座らされ、櫛で髪を梳かれる

あれから一度も口を開けていない


妙高「………そうだ、服を着替えましょうか?」

妙高「いつもこの服ですもの、いつもと違う姿も素敵だと思いますよ」

妙高「やっぱり女の子にはスカートですよね。フリフリで可愛いロングスカート…」

提督「ちょ、ちょっと待って」

妙高「…………」


女の子という発言が聞き捨てならず、思わず後ろを振り向いた

妙高は何も言わず冷たい目で提督を睨む


提督「僕は女じゃ――」

言葉を言い切る前に乾いた音が部屋に響く

強烈な平手打ちが提督の頬を捉えた


妙高「どうして喋ったんですか?」

提督「それは――」

妙高「ああいいです。喋らないで下さい、不快です」

妙高「いいですか?提督」


妙高は腰を屈め、提督と目線を視線を合わせて言い聞かせるようにゆっくりと言葉を話す


妙高「提督はお人形なんです。お人形は、喋りませんよね?」

提督「…………」

妙高「……うん、そうですよ。それが正しいんです」

無言の提督の姿に妙高は勝手に納得しニッコリとほほ笑む

妙高「さあ、服を脱がします。少し失礼しますね」

提督「……っ!」

気持ちが整理できておらず、思わず服を脱がそうとした妙高の手を止めてしまう

提督「あ、えと…」

妙高「………」

再び、無言で妙高が提督を見つめる


突然強い力で提督の首を掴まれ、床に抑えつけられる


妙高「どうしてそんな事するんですか!!」

突如妙高はヒステリックに叫び出す


妙高「お人形はそんな事しません!!」

妙高「喋らないし動かないし拒絶したりなんてしない!!!」

妙高「どうしてそんな酷い事をするんですか!?」

提督「ご、ごめ――」

妙高「喋るなって言ってるでしょ!!」

ギリギリと軋みをあげて更に強く首を締め上げられる

血と酸素が通わず頭がぼうっとし始める

振りほどこうとした手に力が入らずパタリと床に落ちた

それを見て妙高は慌てて提督の体を抱き寄せる


妙高「ああ…ごめんなさい……!」

妙高「でも、提督が悪いんですよ」

妙高「お人形なのに動いたりするから」

妙高「何もしなくていいんです。何も考えなくていいんです。全部私がしますから」


妙高「だから………3度目はありませんよ?」


そう、耳元で囁いた


妙高「うん、完璧」

妙高「とってもよく似合っていますよ提督」

提督「……………」

死んだ目で鏡を見る

見たことも無い自分がそこにはあった

綺麗に髪が整えられ、女性用の衣服を身に纏っている

薄く紅が引かれた唇以外、ほとんど素の顔

それでも、本当に自分か疑いたくなるほど『可愛い少女』がそこには居た


妙高「う~ん…女の子だからって言っちゃいましたけど、男の子がこんな可愛い格好してるって言う設定でも素敵ですね」


そう言う設定ではなく、事実そうだ

だがしかし妙高の頭にはそんな事実、片隅にも残っていない

妙高はただお人形を愛でているのだ

そこに事実も現実も無い

妙高の愛だけがその人形を肉付けする


その人形は男であり女であり、そのどちらでもなかった


本日何度目かのキスが頬に落とされた

人形はただその鏡に映る光景を他人事のように眺めていた


妙高「……いつ見ても、きめ細かな…綺麗な肌」

妙高の指が頬を撫でる


妙高「小さいお鼻も可愛らしいですよね…」

つんつんと、妙高の指が鼻をつつく


妙高「綺麗なグリーンの瞳…ビー玉や作り物じゃあ出せない、自然な目の美しさ…片方が欠けてる事すら魅力を感じさせます」

妙高の指が眼球を撫でる

渇き、擦れて痛い、けれど決して瞬きは許されない


妙高「瑞々しい唇も…白い肌に浮く紅が一際存在感を放っています」

下唇を親指が撫で、唇に唇が当てられた

キスではなくただ感触を確かめるように唇が当てられた


妙高「……顔の形も肌も完璧…でも、一つだけ残念です」

妙高「この包帯……それをはぎ取った奥の醜い傷…」

妙高「それさえなければ…容姿は完璧ですのに……」


『はぁ…』と傷を撫でながら溜息を吐く

人形はただ、鏡に映る自分を見ていた

ただひたすらに鏡に映る人形に向かって言い聞かせる


『お前は僕じゃない。僕はここに居る』


せめて、自分だけは自分を見失わないようにと……

そういや鏡に向かってお前じゃないみたいな事を毎日言うと精神崩壊起こすって実験があったな


鎮守府・執務室



明らかにふてくされた顔の提督が、当て付けのように妙高を顎で使う

妙高「…お茶菓子をお持ちしましたよ。……機嫌、直してくださいました?」

提督「……ふんっ…」

体ごと顔だけを背け、まんじゅうを奪い取り八つ当たりのようにがっつく


妙高「う、う~ん……そんなにお嫌でしたか?」

提督「……何が?」

妙高「その…女装が……」

提督「…………そんなんじゃないよ」

妙高「じゃあ、何が?」

提督「…………すっごく怖かったんだからな。もっと…優しい言い方も出来ただろうにさ…」

提督「そりゃあ…してって言われたことやりきれなかった僕にも非はあるけど、それでもあれはやり過ぎだとおもうな」

妙高「あ、ああ。そうだったんですか…ご、ごめんなさい。どうしてもカッ!っとなってしまって……本当に申し訳ありませんでした」

提督「…………反省してるなら、それでいいんだけどさ」

妙高の裏の無い謝罪の言葉に、少し許せたのか顔だけは妙高の方を向き直した

その様子に妙高はホッと胸を撫で下ろす


妙高「………ああ、そうだわ。提督、もしお嫌じゃなければ服だけでも私が選んだものを着てみませんか?」

提督「……………本当に反省してるの?」


その後、改めて女装した自分の姿を見て、予想通りの可愛さに『悪くないかも』と少し思ってしまい

激しい自己嫌悪でその日は一日中部屋に引きこもったという


『ペディオフィリア』如何だったでしょうか?

こんなの妙高さんじゃない!!と思った方、大正解です。自信を持ってくださいね

今回のペディオフィリアの描写は実は、本当のペディオフィリアとはちょっと違います

ペディオフィリアは人形偏愛、ですので普通は妙高さんのような拗れた症状は起こさず人形だけを愛します

今回の妙高さんの描写はペディオフィリアに染まり切ってない、人を愛してるんだけどそれを人形のように愛したいという屈折した願望を書いていました

提督を人形に改造するのもよかったんですけど、今回はこっちを選びましたね

スプラッタ抜きで狂気を表現するのって楽しいけど、もっと書きようあるんじゃないかとも考えてしまいますね。何分自分は正常な感性しか持っていないので…


>>702さんが言ってる実験は、ガチで人格剥離を起こしかねないので決して真似しないで下さいね!!



しかし、大好きな妙高さんの初書きがこんなので良かったのかな……


それではまた、お付き合いいただきありがとうございました


う~む、この微妙な時間からの再開…

二人分書けるかな…


そろそろ再開です


今日一日の視点となる提督を選択してください


A、普通提督
B、真面目提督
×、思春期提督
D、ナルシスト提督


安価↓3の中で最も2桁コンマの数値が高いものを採用


今日一日の視点となる提督を選択してください


A、普通提督
B、真面目提督
×、思春期提督
D、ナルシスト提督


安価↓3の中で最も2桁コンマの数値が高いものを採用

A


>>715採用:A、普通提督
※二回かきこんでしまってる…大丈夫かな?


今日一日の艦娘の選出方法

1、>>1の鎮守府のレベル順うえから○番目の艦娘
2、>>1の鎮守府の所持艦娘を古い順から○番目の艦娘
3、>>1がまだ選ばれていない艦娘の中で適当にチョイスしコンマ判定で決める

安価↓3の中で最も2桁コンマの数値が高いものを採用


>>720採用:1、レベル順うえから○番目


それでは、数字をかきこんでくださいね


安価↓3の中で最も2桁コンマの数値が高いものを採用


>>724採用:NO.9大淀
※うっひょおおおおおおおおおおおお!!!!!(歓喜の雄たけび)



「ちょっとおかしな」ボタンを押しますか?

1、押す
2、押さない

安価↓3の中で最も2桁コンマの数値が高いものを採用

1


>>730採用:1


ではでは、ポチっとな



1、外見
2、内面
3、傷、自虐
4、死
5、物
6、部位
7、状況
8、行動・行為
9、その他
0、逆に


直下コンマ


コンマ判定:4


う~ん、『死』も3回目ですねぇ

まだ出ていないのもあるので最判定


直下コンマ


コンマ判定:0 逆に


ちょいと特別な奴なのでどんな性癖かは内緒です


それでは本編開始です


提督「………というわけだ。お前にはこれから休暇を取ってもらう」

大淀「『艦娘慰安月間』…そうでしたか、今日からが私の順という事ですね」

いつものように執務室に艦娘を呼び出し、『慰安月間』の事を伝える

今回の対象者は大淀だった


提督「お前もかなり溜め込んでいそうだからな、存分に遊び倒すといい」

大淀「うふふ、はいそうさせてもらいますね」

提督の言葉に口元に手を当てて上品に笑う

思ったよりも好感触な反応、お願い事はすんなり言ってくれそうだ

と息を吐いた瞬間


大淀「………とはいきませんよ!!」

大淀は突然声をあげて何かを提督に向けて突き出す

大淀の掌の上には小さな鉄の塊に、赤い突起がある奇妙なボタン


いや、提督にはそのボタンによく見覚えがあった


提督「そ、それは『艦娘がちょっと素直になるボタン』じゃないか!どうして大淀が持っているんだ?」

大淀「ふふ、これは提督の言うソレとは違います」

大淀「これは『提督がちょっと素直になるボタン』なんですよ」

提督「…………なん、だと?」

と驚いてはみたモノの、あまり内心焦ってはいない

自分の事にはそれなりに自信があった、自分は素直な人間だという自負があったからだ


提督「………で、それがどうしたんだ?」

大淀「本日は私の『艦娘慰安月間』ではなく、『提督慰安日』にしたいと思います」

提督「そ、そうか…まあ好きにするといいさ」

大淀「もう提督、少しは乗ってきたらどうですか?」

提督「そう言われてもな、正直俺には必要のないイベントな気がしてならない」

提督「提督という肩書だが、することと言えば指示だけだ。前線で危険に身を置いて戦うお前たちにこそ必要なイベントだと思うぞ」

正直に思っていたことを話す

しかし、大淀は眉を顰め渋い顔をする

したい事やお願いを素直に言ってくれればいいのに、イマイチ大淀の意図が掴めない



提督「……言っておくが俺は素直な人間だ。ストレスも溜まっていない、慰安の必要なんてないんだぞ?」

大淀「そう、それですよ提督!」

提督「それ…とは?」

大淀「提督は今まで私たちの我儘を一身に受けてきたのに、疲れた様子を見せていません」

大淀「ストレスも溜まっていないというのはおかしいとは思いませんか?」

提督「う、う~む…そう言われても困るな。事実俺は苦労も苦痛も感じていない」

大淀「そこで、このボタンの出番なんです!」

そう言って改めてボタンを突きつけられる

しかし、それでもこのボタンを押して何かが変わるとは思えない


提督「………はぁ、押したいのであれば押すといい。どうせ何も起こらないだろうから、どうか別のお願いを考えておいてくれ」

大淀「……提督はどうやらまだ気づいていないようですね」

提督「…なに?」

大淀「では提督に、実際に体感してもらいます」

大淀「このボタンは『ちょっと素直になる』程度の効果では収まらない恐るべき効果……」



大淀「自らの本性をさらけ出したくなるんです!!」



そう言って大淀は高々と掲げられたボタンを押した


提督「…………?」

何も起こった感覚が無い

掌を見て、握ったり広げたりしてみる

感覚に異常も無く、動作に支障も無い


大淀「……何か変わったところはありませんか?」

提督「いや、何も問題ない」

大淀「……何かしたいことはありませんか?」

提督「仕事がしたいな」

大淀「提督は仕事がお好きなんですか?」

提督「好き…というよりは……しなけれならない事…だろうか」

大淀「提督は仕事に性的快感を覚えているんですか?」

提督「そんなわけないだろう……」

「ほら見たことか」と心の中で溜息を吐く

何も起こった様子はない

自分自身、自らの心にも体にも変化は感じられなかった


提督「満足したか?今の内に俺へのお願いを考えておいてくれ」

大淀「あっ…」

不思議そうに首を傾げていた大淀の手からボタンを奪う


提督「もう必要ないだろ?」

大淀「そう…ですね。はい」

大淀「……う~ん…こんな筈ではなかったのですが」

提督「言っただろう、俺は素直な人間だと自負している。これが俺の本性というわけだ」

提督「分かったなら少し自室で体を休めているといい」

提督「仕事を手伝ってくれるのなら、それはそれで大歓迎だが」

大淀「あ、えっと……ではお言葉に甘えて少し休んできますね」


深々と頭を下げ、大淀は執務室を去って行った

提督は手元に残ったボタンを何度か押してみる

やはり、何も起こらなかった


数時間後


いつものように要領悪く少しづつ仕事を片付けていると、執務室の扉がノックされた

ノックの主は大淀であった

両手には書類の山が抱えられていた


提督「…………どうしたんだ?休んで来るんじゃなかったのか?」

大淀「そのつもりだったんですが…自分だけ部屋で休んでいると思うと落ち着かなくって…」

大淀「やはり私にはこうして仕事をしている方が性に合っていますね」

困ったように大淀が笑う


提督「やれやれ…上手く休めないとは不器用な奴だな…」

大淀「不器用なのはお互い様ですよ」

重そうに書類を抱えて軽く手が震えている大淀を見かねて、提督はその書類を受け取ろうと近づく


提督「俺が持とう」

大淀「だ、大丈夫ですよ。平気です」

提督「俺が平気じゃないんだ。いいから渡――」

大淀から書類の束を奪おうと提督が書類の下に手を添えて持ち上げる

しかし、それと同時にバランスを崩し重なっていた束が一気に散らばる

提督の手元には2,3枚の紙だけが残った


大淀「…………提督?」

提督「い、いや待て!違うんだ!俺はお前を想ってだな…」

大淀「私は平気だと言いませんでしたか?」

提督「……いや、その……すまない」

大淀「はぁ…悪気が無かったことは分かりました。取り敢えず拾いましょうか」

提督「そうだな!ああ、本当に悪い……」

提督は慌てて書類をかき集める

失態を取り返そうと一枚でも大淀より多く書類を拾おうと焦り、皺をつけて乱暴に拾ったことを更に怒られてしまった


鎮守府・執務室


昼過ぎ

既に食堂は解放され、多くの艦が食事をとり終えたころであろう

提督はまだ机にかじりついていた


大淀「提督、まだ終わりませんか?」

秘書艦として提督についている大淀は、少し焦りの混じった催促の言葉を投げかける


提督「…も、もう少しでキリが良いところまでやれる」

大淀「さっきもそう言っていませんでしたか?」

大淀は提督の机を覗き込む

それを見て、大淀は大きく目を見開き驚きの声をあげた


大淀「ま、まだこれくらいしか済んでいないんですか!?」

提督「……そ、そうだな…」

大淀「朝からやっていましたよね?それで…この進み具合……」

提督「悪いな…その、俺は要領が悪い男なんだ」

大淀「言い訳になっていません。そう思うのなら改善する努力をするべきです」


大淀は耐えかねて提督に指示を出す形で仕事を進めさせる


提督「その…付き合わせて悪いな」

大淀「そう思うのなら喋ってないで手を動かしてください!」

大淀の叱咤がとびながら、なんとか食堂開放時間内にキリのいいところまで済ますことが出来た


夕方



提督「……はぁ……なんとか今日の分を捌ききれた。大淀のおかげだ」

大淀「ふぅ…ありがとうございます」

大淀は椅子に深く座り、眼鏡を外して眉間を揉む

あれからというモノ、どういう所が悪いかの指導を受けながら仕事を進めていった

提督に付きっきりだったためか、いつもの戦闘とは別の疲労に大淀は疲れを見せていた


提督「お茶でも淹れようか?」

大淀「あ、いえ私がやりますよ」

提督「しなくていい。今日は俺が迷惑をかけ続けたからな、せめてもの詫びだ」

そう言って提督は給湯室に向かった


紅茶か緑茶かで2分ほど悩むが、スコーンを買ってきていたことを思い出し紅茶に決めた


提督「よっと………いけるか?」

カートに乗せるか迷ったが、大丈夫だろうと判断し右手にポット、左手に菓子やカップの乗ったお盆を持って歩く


提督「……少し欲張りすぎたか」

予想以上のバランスの取りづらさに体をふらつかせながらなんとか執務室にたどり着く

大淀「て、提督、持ち過ぎではありませんか?」

提督「…問題…ない」

大淀「明らかに声に余裕がありませんよ!?」

大淀は慌ててテーブルを移動させ、提督の傍に寄せようとする


提督「すまな――んっ!?」

ガタン

と、テーブルの角に膝をぶつける

ただでさえ不安定だったバランスが崩れ、重なって盆にのせられていたカップが床に叩きつけられる


提督「――ッ!?」

大淀「動かないで!!」

カップが割れた音に明らかな動揺を示した提督が行動を起こす前に、大淀が強く行動を抑えさせる


大淀「靴を履いているから足を怪我することはありません。そのままゆっくりとポットとお盆をテーブルの上に置いてください」

提督「わ、分かった…」

少し手が震えながらも無事にテーブルの上に置くことに成功する

提督はすぐにその場に屈み、割れた破片を拾おうとする


大淀「待ってください!そのまま拾うつもりですか!?」

提督「これは俺がやってしまったことだから…」

大淀「はぁ……もう、提督って結構ドジですよね。色々とダメダメです」

提督「……すまない」

大淀「それは何に対して謝っているのですか?私ですか自分ですか?」

大淀「提督っていつもそうですよね、自分は駄目だからと言い訳にもならないことを言って、本当に反省する気があるんですか?」

大淀「ないんでしょうね、だからすぐに口だけで謝まって、行動には焦りしか感じさせません」

大淀「もう少し周りをよく見て、何をすることが正しいのか学ぶべきなんじゃないですか?」

失敗続きの提督に明らかに怒気のこもった説教が提督にぶつけられる

提督は「すまない」と言いかけて、口を噤んで下を向いたままだ


大淀「……はぁ、そのまま後ろに下がって何もしないで下さい」

提督「だ、だが!」

大淀「二度は言いませんよ。……私は塵取りと箒を持ってきます」


提督はゆっくりと3歩後ろに下がり、大きな体を丸めて機嫌を窺うように上目遣いで大淀を見る

その姿に大淀は再び大きく息を吐き、靴音を響かせてどこかへと行ってしまった

提督はその姿を見えなくなるまで追う


提督「………すぅ………はぁ………やってしまったな」

提督「…俺のお気に入りだったのにな」

提督「だが…それに見合う価値はあったな」


提督は何故か、執務室を出てどこかへと向かっていった

その行先はトイレであった


提督はトイレから戻り、執務室につく

既に割れた破片の回収が終わり、大淀が仁王立ちをしていた


大淀「もう!どこ行ってたんですか!」

提督「ああ、少しトイレにな」

大淀「もう…拗ねてどこか行ってしまわれたのかと思いました。心配を掛けさせないで下さい」

提督「ふふ、俺もそう子供ではないさ」

大淀「………」

微かに笑う提督の横顔をみて、何やら不思議そうに大淀は首を捻る


提督「どうかしたか?」

大淀「い、いえ。……その、何か先ほどまでと雰囲気が違う気がしまして」

提督「気のせいだろう。俺はいつもの通り、要領が悪くお前たちが居なければてんで駄目な提督だ」

提督「待っていろ、湯を温め直してくる。新しいカップも必要だからな」


そういて提督は再び給湯室に向かう

今度こそは、何も失態を犯さなかった


鎮守府・執務室


後日

前日と同じように提督は執務室で大淀と仕事をこなしていた



提督「しかし、こんなことにお願いを使ってよかったのか?」

提督「『一週間ずっと秘書艦をさせてくれ』だなんて、他にもっと何かあったんじゃないか?」

大淀「私は仕事をしている方が落ち着きますから」

大淀「それに、昨日の提督を見ていると誰かが傍に居てあげないといけないと強く思いましたから」

提督「ふふっ…そうか。まあ俺には、有り難い話だな」


提督は薄く笑い、再び机に向き合う

その姿を見て再び大淀の頭の中では疑問符が浮かび上がった


大淀「……提督、今日は仕事が早いんですね」

提督「ん?ああ…きっとお前が見てくれているおかげだろうな。昨日の叱責から学んだんだ」

大淀「そう…ですか。それはいいことです」

口ではそう言いつつもどこか納得できない大淀であった

その日の提督は昨日とは別人のように、何も失態を犯さなかったという


というわけで、分かりづらいですが『逆に』は提督の性癖のお話でした


提督の性癖は『ハーマトフィリア(失態愛好)』+『ハミロフィリア(説教愛好)』でした

こう言われれば、提督の行動が欲望に素直だったことがよく分かると思います

自分が失態を犯すという状況と、人に説教をされることに快感を覚える他人依存のマゾい性癖ですね

説教された後、提督がトイレに向かった理由は……お察しください



どうでもいいことなんですが、>>1の嫁艦はこの大淀さんでした



後一人…いけるかな?

いけるでしょう


選出方法はレベル順で上から○番目の艦娘です

数字をかきこんでくださいね


安価↓3の中で最も2桁コンマの数値が高いものを採用

100


>>754採用:NO.100川内



「ちょっとおかしな」ボタンを押しますか?


1、押す
2、押さない

安価↓3の中で最も2桁コンマの数値が高いものを採用

1


>>759採用:1


それでは本日2回目



1、外見
2、内面
3、傷、自虐
4、死
5、物
6、部位
7、状況
8、行動・行為
9、その他
0、逆に


直下コンマ


コンマ判定:2


漸く出てきた『内面』のちょっとおかしな一覧はこちら


1、サディズムtypeA(暴力)
2、マゾヒズムtypeA(苦痛)
3、サディズムtypeB(精神支配)
4、マゾヒズムtypeB(精神支配)


安価↓3の中で最も2桁コンマの数値が高いものを採用


>>767採用:1


川内の性癖が「サディズム」に決まりました


ハマり具合

0に近いほど容赦ない暴力、9ほどまだ可愛らしい範疇

直下コンマ


コンマ判定:2  容赦なし


それでは本編開始です


ちょいと長くかかりそうなので今日はここまでとします

お付き合いいただきありがとうございました


遅くなりましたが再開です!

まずは『暴力系サディスト』川内から


川内「『艦娘慰安月間』?」

提督「そうだ。いつも頑張っているお前たちに特別な休暇が与えられた」

提督「……なんでお前知らないんだ?」

川内「あ~なんか誰か言ってたかも。あんまり興味なかったからさぁ」

提督「休暇、欲しくないのか?」

川内「休暇か夜戦かって言われれば、断然夜戦だよ!」

提督「お前はぶれないな……」

ある意味予想通りの川内の反応に、安心半分呆れ半分で息を吐いた



提督「だが、お前だけ休暇を与えないというのもまずいんでな」

提督「偶には静かに夜は寝て休むのもいいんじゃないか?」

川内「う~ん…じゃあ仕方ないかな。休暇なんていきなり貰っても困るし、素直に従って寝てくるよ」

提督「……そんなに休暇が嫌か?」

川内「嫌って言うかさ、興味ないって言うか。それより出撃して夜戦してたいな~って」

提督「ふむ…そうか」


提督「ならば休暇を返上して出撃するか?」

川内「え?いいの?」

提督「それがお前のお願いならば、俺はそれに従おう」

川内「私のお願い?」

提督「…………お前、さっきの話聞いてなかっただろ」

川内「あはは…いやいや、聞いてたって。うんうん、内容を覚えてないだけ」

提督「それを聞いてるとは言わない。…はぁ…お前は興味の無いことは本当にどうでもいいんだな」

川内「そんなことないって!聞いてたよ。労いが目的で艦娘一人一人に休暇を与えてるんでしょ?」

提督「そうだ。そこで大事なことを言っただろう」


提督「提督である俺は、この期間中に休暇を与えられている艦娘を満足させなければならない」

提督「だから、俺はお前たちのどんな要求を受け入れなければならない。とな」

川内「あー!言ってた言ってた!そっか、それでお願いね」

提督「…そういうことだ」


そうだったそうだった、と川内は白々しく何度も頷く

本当に内容が頭に入っていなかったらしい


提督「…まあ、そこでだ。俺に対する要求が『出撃したい』であるならば」

提督「俺はそれに従ってお前の望む戦場に送り出してやろう」

川内「う~ん…………」

「じゃあお願い!」と即決してくるかと思いきや、川内は右上に目をやりながら何やら思案している様子


提督「お願いはなんだっていいぞ。何でもお願いするといい」


川内「……………じゃあ決めた!提督、私と夜戦しよっ♪」


提督「…………もう一度言ってはくれないか?」

川内「もう、二回も言わせないでよ。私と夜戦しようって」

提督の全身から嫌な汗がどっと噴き出す

顔から血の気が引いて来るのを感じとれた


提督「あ、ああ…あれだよな。その、プロレスごっこ的な?」

川内「違うって!もう…どうしても言わせたいの?しょうがないなぁ…」

川内「セックs…」

提督「うおおおおおおおおおおおお!!!!!!」

突然大声をあげたかと思えば提督は執務室を出て走り去る

自室に閉じこもり鍵を閉める



提督「つ、つつつつ…ついにこのお願いが来てしまった!」

提督「ぜ、ぜぜぜ…絶対来ないと思ってたのに!!」

提督「嫌だ…結婚もしてないましてや恋人でもない相手とせ、セックスなんてできない!!」

提督「俺は…決めていた。ずっとずっと決めていたんだ……」

提督「絶対に艦娘に手を出したりしないと!」

提督「だってほら、な?分かるだろ?鎮守府内の空気とか、色々あるだろう…」

川内「うわぁ…提督そんなに動揺するなんてさ、珍しいね」

体育座りで体を丸めこんでいる提督の顔を、何故か室内に入ってきている川内が覗き込む

入口に目を向ければ、扉は破壊されていた


慌てて立ち上がり川内に指を突きつける


提督「出たな川内!いいか、俺は絶対にセックスなんてしたりしないぞ!!」

提督「お願いをするなら他のお願いをしろ!!」

川内「…………」


川内が無言で自らを指す提督の指を握った

眼から光が消え、雰囲気が明らかに変わっていた


川内「……ずっとさあ、思ってたんだよね。そうじゃないでしょって」

川内「提督は提督だからさ、艦娘である私はその指示に従わないといけないじゃん」

川内「でも、今は違うよね?」

川内「私に言うべき言葉は、それじゃないよね……ねえ!!」

提督「ッ!?」

指に強い力が籠められる、折るように力を込められるがそれを逃れるために膝を崩す


提督「……止めろ川内。俺だって抵抗出来るんだぞ?」

川内「………はぁ…だからさ、そうじゃないよね」

川内「さっきから『止めろ』だの、『○○しろ』だの、『お願いするといい』だとかさ、違うんだよねっ!」

提督「ッ!!」


提督の崩した膝を上から踏みつけられる

提督はさらに体勢を崩し、川内を下から睨む形になる


川内「お願いじゃなくて命令!!」

川内「提督に付き合ってもらうんじゃなくて付き合わせる!!」

川内「提督とするんじゃなくて私がするの!!」


川内「私が上で、提督が下……ね?」


提督を見下しながら、にっこり笑って言い放つ

最後は優しく、同意を求めるように


提督「違う、俺は提督だ。お前たちの上だ」

川内「へ~、あくまで態度を変えないつもりなんだ。いいいねぇ!そういうの嫌いじゃないよ!」

川内「……私『艦娘慰安月間』の説明、覚えてるよ。確かさ…拒否権ないんだっけ?」

提督「……………ちゃんと、聞いていたんだな。安心した」

川内「いや~一度やってみたかったんだよねぇ、こういうの!」


川内「盛大に楽しませてよね!大丈夫、殺しはしないからさ♪」

提督「グッ!!」

膝を踏んでいた川内の足が後ろに振りかぶり、つま先が腹に突き刺さる

川内は提督の髪を掴んで、壁に向かって投げ飛ばした



提督「……ふぅ…はぁ…………べ、ベッドの上じゃないのか?」

川内「あははっ!あったりまえじゃん!ってゆーか、私が決めることだから」

髪を掴み、顔をつき合わさせる


川内「………う~ん…提督ってさぁ、そこそこカッコイイよね」

提督「…ありがとう」

川内「だからこそ、壊れるのが似合うよ!」

頬に重い衝撃が降りかかる

平手ではなく拳が強く顔を殴った

内出血し、真っ赤に頬がはれ上がる

口の中が切れ思わず血を吐く


川内「あははっ!似合う似合ーう!」

川内「男前は殴られても男前だね!!あはははははははは!!!」

手を叩いて川内は笑う

無邪気に笑う、だがその邪気の無さは既に狂気の域であった


川内「私さぁ…いつだったかな、映画だったっけな。誰が借りてきたのか知らないけどホラー映画を見てたのよ」

川内「ホラー映画って、濡れ場っていうのかな?そういうシーン多いと思わない?」

提督「……俺は、あまり見たことが無いから分からないな」

川内「じゃいいや。とにかくそういうシーンがあったんだ~」

川内「そのシーンがね、男がガンガン女を殴りながら馬乗りになってるの」

川内「まだ小さかったからさぁ、何してんのか分かんなかったけど。酷いことしてるのは分かった」

川内「女の人の顔ボコボコで泣いてるの。止めて…止めて……って悲痛な叫びをあげてた」

川内「男は血走った眼で涎をダラダラさせながら、必死で腰を振ってた」

川内「最後はその女の首を絞めて殺して満足した。まあすぐ殺人鬼っぽい仮面の奴に殺されるんだけど」


川内「私、そのシーンが忘れられないんだ。どんな映画かも忘れたけど、そのシーンだけは克明に覚えてる」

川内「いま、私がそれをしてるんだって思うと胸のドキドキが止まらないッ!!」

川内「ほら、泣いて?痛いって怯えて?あの女の人みたいに無様を晒してよっ!!」

提督「ウッ…グゥ…!」

頭を後ろの壁に叩きつけられる


何度も何度も繰り返され、目の奥がチカチカと火花を放ち、喉の奥がカーッと熱くなる


提督「かはっ…!……は…は……あ……あぁ……はぁ……」

息が苦しくなり、意識が遠くなっていくその度に顔を殴られ意識を手放すことを許されない

右頬の骨は圧し折られ、太く腫れ上がる

鼻骨も折れ、鼻血が止まらない


何度も叩きつけられ、何度も殴られ体に力が入らず下にずり落ちる

いつの間にか川内は馬乗りの体勢になっていた

ジクジクと痛む無意識の中、なんとか目を開け上を見る

川内が目を爛々と輝かせ、発情したように顔を赤くしていた


川内「その目…!ヤバ…これヤバい!」

川内「好き!好き、それ好き!!今の提督すっごい好き!!」

川内「ああどうしよう!どうすればいいのかな!イイや脱いじゃえ!!」

おもむろに服を脱ぎ裸体を晒す


先ほどまでの暴力的な強さは無く、まるで生娘のように優しく自らの胸を揉む

川内「んっ…んんっ………ふっ…うぅ……んん?」

眉を顰め、甘く悩ましいと息を漏らすもどこか動きがぎこちない

川内「ん…んぅ……合ってるのかなぁ……」

川内「どうしよう…やったことないから分っかんないなぁ…」

川内「ああ…ああ!ぶつけたい!!この今の昂りを提督にも伝えたいよ!!!」

無我夢中で提督の腫れた唇を貪る

初めてのキスは痛みで痺れ、何の感慨も湧いてこない

恐らく川内も初めてなのだろう、舌を入れてくることも無く拙いキスを何度も繰り返す

唇だけじゃなく、頬にも鼻にも瞼にも、顔中にキスの雨を降らせた


川内「まだ!まだまだ!ぜんっぜん足りない!!」

乱暴に提督の服を剥き、胸板をさらけ出す

川内は提督の鎖骨に噛みついた

自らの高ぶりを抑えるように、自らの興奮を伝えるように、躾けのなっていない犬の如く一切の容赦なく強く噛みつく

激痛が走り鎖骨にヒビが入ったことが伝わった


川内「ふぅ…!ふぅ…!ふぅ!!」

息を切らせ呼吸すらも必死だ

ただひたすら必死に、初めての快感と興奮と快楽に戸惑い、吐きだす先を探している


川内「うわぁ…うわあ!したい!したいしたいしたい!!」

川内「やるよ?やるよ?やるよ?いいよね!!」

ついに川内の手が提督の下半身にかけられた

下着ごとズリ降ろされ、男性器が外に出てしまう

だがしかし、提督は勃起していない


川内「こ、これが男性器……初めて見た…」

川内「……結構グロテスクでおっきいかも…?……分かんないなぁ…大きいのかなこれ?」


揉んだり扱いたりして弄び、スカートを捲り腰を押しあてる


下着をずらし、性器同士を擦りあわせる

川内「んっ!……ふわ…!なにこれ!気持ちいいって言うのかな…分かんないけど、いい!!凄くいい!!」

川内「ん…んん?…入らない…」

初めての行為、あまりの興奮による焦りから提督が勃起していないことに気付かず性器同士を擦り続ける

激しい痛みによって提督は未だに興奮を感じていない


何度も擦りあわせるうちに、川内の固く誇張した陰核が直に性器が擦る

川内「いぎっ!?」

全身に電流が走り体が震え、涎を流す


川内「んふっ…んふふふふ……」

完全に理性の消えた目で、提督の首に手を掛けた

ゆっくり手に馴染ませるように力を加え、絞め上げる

喉奥に深く体重を乗せ押し込むように首を絞めつける


提督「かっ…くっ……かふっ…ふっ……」

唾を飛ばしか細い息だけがなんとか息を通り、必死で空気を貪る

川内「もうちょっと……もう…ちょっと!!」

ギリギリと骨すら軋ませる感覚が掌に伝わる

喉が必死に暴れ息をしたいと飛び跳ねている


提督「っ…!……ヵ…ぁ……っ……!……ッオゥ!!はぁ…はぁ……はぁ……はぁ………」

完全に息絶えるその寸前で手を離し、呼吸を与える

餌を待ちわびた雛のように提督は無心で息を吸った

その時、提督の目尻から一筋の滴が零れた

ただの生理現象であり、感情によって涙を流したわけではない

だがしかし、川内を更に興奮させるには十分すぎる光景だった


川内「あは!あははは!あはははははは!!!!!」

川内「見せて!もっと見せて!!好き!今の好き!!今の提督好きィ!!!」

涙を舌で舐めとり、再び首に手を掛ける

本能のままに激しく腰を振った


爛々と目を輝かせ、唾液を零し、半殺しを繰り返しながら腰を振る

提督が訴えかけるような視線を向けるたび、狂ったように笑い激しく腰を突き出した


幾度となく絶頂を繰り返し、幾度となく奇声をあげて体を震わせながら、川内の体力が尽きるまでセックスという名の自慰行為を繰り返した


最後まで提督の性器は勃起することなく、川内は素股で満足していたことには気づいていなかった


鎮守府・執務室


そこにはいたる所に包帯を巻いた提督と、居心地悪そうに自らの手を見つめる川内が居た

二人は向き合って座りあい、提督は差し出された川内の手を揉んでいた


川内「……いたっ!」

提督「…ここが痛むか?」

川内「な~んか…昨日から手が変なんだよね~」

提督「折れて…はいないか。ヒビだろうな」

川内「へ!?私怪我してるの!?なんで!?」

提督「……俺の顔を見てみろ。どれだけ殴ったと思っている、ヒビでも入って当然だ」

川内「へ~…本気で人の顔殴るとこっちも怪我するんだねぇ……」

提督「感心してる場合か……はぁ……」

執務机の上に会った救急箱を開け、中からタオルを取り出し痛むという場所に当ててきつく包帯で固定する


提督「……しまった、つい応急処置を。入渠して来るといい、すぐに治るだろう」

川内「う~ん……別にいいかな。これも私の初めての証だし!」

提督(正確にはやっていない筈だが)

と思うものの、昨日とは違い素直な明るい笑顔を見せる川内を見て、勘違いしておいてもらおうと心に留める


提督「……しかし、昨日の川内は恐ろしかった。いつもと別人だったな」

川内「まあ、ああいう風に自分を解放したい時だってあるってことだよ!また夜戦、付き合ってね?」

提督「……一生御免だ…」

その後、提督の発言に拗ねた川内が『提督の初めての相手は私だ』とあちこちで言いふらしたという


『暴力系サディズム』如何だったでしょうか?

コイツはかなり一般的な性癖ですね。ここまで暴力的なのも決して珍しくありません

ただ、久しぶりに暴力ックスだったので、すっごく楽しくかけました

しかし、川内が壊れすぎてちゃんと川内で脳内再生されるかどうか心配です

できてます……よね?



これで漸く0~9の性癖全て一回は書けましたね

これで心置きなくこのスレを終わらせられます

あと1スレ書けそうな気もしたんですが、このスレはここでお終いです

今までこんなニッチなスレにお付き合いいただきありがとうございました!!

自分の趣味全開だったので最初から最後まで最高に楽しかったです!!

またいつか艦これ熱が来た時にスレを立てると思います

見かけたら、どうぞ付き合ってやってくださいね


最後といったな、あれは嘘だ

もうちょっとだけ続くんじゃ


【オマケ】


今まで選ばれた艦娘一覧



普通提督【ハーマトフィリア(失態愛好)+ハミロフィリア(説教愛好)】
ちょっとおかしな『叢雲』(タナトフィリア 死連想性愛)
『大和』
『蒼龍』
ちょっとおかしな『羽黒』(シンフォフィリア 大規模災害性愛)
ちょっとおかしな『リットリオ』(フォボフィリア 恐怖性愛)
ちょっとおかしな『夕張』(トリコフィリア 毛髪性愛)
『島風』
『大淀』
ちょっとおかしな『川内』(暴力系サディズム 加虐性愛)


真面目提督【デンドロフィリア(樹木愛好)】
『伊19』
『足柄』


思春期提督【マゾヒズム(自己肯定型被虐性愛)】
ちょっとおかしな『榛名』(オキュロフィリア 眼球性愛)
『神通』
ちょっとおかしな『明石』(カニバリズム 食人性愛)
ちょっとおかしな『雷』(マノフィリア 手淫性愛)
ちょっとおかしな『時津風』(ヴァンパリズム 吸血性愛)
ちょっとおかしな『利根』(フロツーリズム 接触性愛)
ちょっとおかしな『妙高』(ペディオフィリア 人形性愛)



ナルシスト提督【エストペクトロフィリア(鏡越し性愛)+ナルシスト(自己愛)】
ちょっとおかしな『初春』(ノソフィリア 病気性愛)
ちょっとおかしな『筑摩』(アナスティーマフィリア 身長差性愛)
ちょっとおかしな『武蔵』(エロトフォフィリア 殺人性愛)
ちょっとおかしな『Z3』(ヘマトフィリア 血液性愛)


【裏話】

しっかり全ての提督に性癖を決めていました
特に書きたかったのはナルシスト提督のエストペクトフィリアですね
『鏡越し性愛』と言って鏡に映っている物に欲情する性癖です
これに合わせてナルシストが加わるので、『鏡に映った自分にしか興奮しない』という難儀な性癖の持ち主でした

因みに提督の性癖は全て、書きたかったけど艦これのキャラで書きたくない、と思った性癖です



選ばれていない性癖の中で書きたかったのは『盲目性愛』と『殺戮愛好』ですね

また機会があれば書きたいです



ではでは、オマケ本編開始です

どっちか好きな方をお選びください


1、提督が艦娘にお願いをするお話 ~ケッコンカッコカリ編~
2、提督が艦娘にお願いをするお話 ~休暇を貪る編~

安価↓3の中で最も2桁コンマの数値が高いものを採用

2


>>804採用:2、休暇を貪るお話


実際蛇足ですね、オマケなんてそんなもんです

最後に一本、狂っていないほのぼのなお話が書きたかったんです



ではでは、視点となる提督を選択してください

選べる艦娘は、その提督の時に選んだ艦娘だけですのでご注意くださいね


A、普通提督
B、真面目提督
C、思春期提督
D、ナルシスト提督

安価↓3の中で最も2桁コンマの数値が高いものを採用

A


>>813採用:A、普通提督

この普通提督がなんだかんだ一番多い登場数でしたね



一緒に休暇を貪る艦娘

1、ちょっとおかしな『叢雲』(タナトフィリア 死連想性愛)
2、『大和』
3、『蒼龍』
4、ちょっとおかしな『羽黒』(シンフォフィリア 大規模災害性愛)
5、ちょっとおかしな『リットリオ』(フォボフィリア 恐怖性愛)
6、ちょっとおかしな『夕張』(トリコフィリア 毛髪性愛)
7、『島風』
8、『大淀』
9、ちょっとおかしな『川内』(暴力系サディズム 加虐性愛)


安価↓3の中で最も2桁コンマの数値が高いものを採用


>>818採用:1、ちょっとおかしな『叢雲』


では、始まります


鎮守府・執務室


叢雲は提督に呼び出しを受けていた

提督は机に肘をつき、神妙な顔をしている


提督「………」

叢雲「…どうしたの?話って言ってたけれど」

提督「……ああ、聞いてくれ。大事な話なんだ」

叢雲「何でも言いなさい。アンタには私が居ないと駄目ってことくらい知っているわ」

提督「………話…というのはだな」

ゴクリと唾を飲み込む

提督は迷うように視線をうろつかせながら、決心を決めて前を向いた


提督「俺の休暇に付き合ってくれないか?」

叢雲「…は?」

間抜けな事を言う提督と、間抜けな声を出した叢雲

間抜けな二人は暫く見つめ合っていた


叢雲「ふ~ん…アンタの休暇ねぇ。よかったじゃない」

提督「良かった…のだろう。悪い事ではない」

提督「だがな、よくよく考えてみれば俺は休暇の過ごし方が分からないんだ」

叢雲「……アンタ、馬鹿?」

叢雲「私達にあれだけお願い事を強要して休暇を取らせたくせに、いざ自分が休暇を取ってみると過ごし方が分からないって……」


叢雲「……馬鹿?」

提督「ああ、俺もそう思う」

「やれやれ」と額に手を当て、叢雲は息を吐いた


提督「そこでだ。俺に休暇の過ごし方を教えてくれ」

叢雲「嫌よ」

提督「何っ!?俺とお前の仲だろう!?」

叢雲「知らないわよ。休暇に付き合ってあげるならまだしも、休暇の過ごし方ぐらい自分で決めなさいよね…」


提督「う~ん……困ったなぁ…断られた場合を考えていなかった」

提督は腕を組み、宙を見上げる

見えるのは高い天井だけ、何も妙案は浮かんでこない


その姿に見かねた叢雲が助け船を出す

叢雲「……アンタ、趣味とか無いわけ?」

提督「趣味…かぁ……」

叢雲「釣りとかかけっことかなんでもいいわよ。…私みたいに性癖でもいいんじゃない」

提督「付き合ってくれるのか?」

叢雲「ばっっかじゃないの!?……と言いたいところだけど、こっちも一度付き合ってもらったし別に構わないわよ」

提督「冗談のつもりだったんだが……」

叢雲「まあとにかく、私が付き合ってあげるから。何かしたい事思い浮かばない?」


提督「したい事………か………」




提督から叢雲へのお願い
自由安価

安価↓3の中で最も2桁コンマの数値が高いものを採用

この町内を遊覧しよう


>>830採用



提督「そういえば…」

提督は何処からともなく地図を取り出して広げた


叢雲「ん?これどこの地図?」

提督「ここ周辺の町内だ。蒼龍の為にかなり探索をしてな」
                        キング
提督「遥か昔の幼少期、俺が『かけっこ王』と呼ばれ、散歩の達人だったころを思い出した…」

叢雲「……アンタ、意外と弾けた幼少期だったのね」


提督「まあ、その時町に出てみれば意外に知らない場所ばかりで驚いたんだ」

叢雲「ああ…その地図よく見れば結構古いのね。アンタは出不精で容量も悪いから鎮守府に缶詰で外に滅多に出なかったし、町の様子が地図と違ってても仕方ないわよね」

提督「そう、そこでだ」


提督「俺と町内を遊覧しよう」

提督「行くぞ叢雲。時間は待ってくれないぞ」

提督は帽子を脱ぎ叢雲の手を引く

叢雲「え?ちょ、ちょっと待ちなさい!せめて着替えさせなさいよ!!」


その後、必死の説得により普通の格好で街に繰り出すことにした


町内・公園


緑が多く、遊具が少ない代わりに大きく開けた場所のある公園

夏でも木陰のおかげで中々涼しい

あまり子供達からは人気が無く、人は疎ら


提督「すぅ………はぁ………」

深く息を吸い込めば土と木と少しの湿気の匂いが胸いっぱいに広がる


叢雲「へ~…中々いい場所ね。人が少ないのが気になるけど」

提督「少し住宅地から遠いからだろうな。住宅地区画の近くにはもっと大きく小奇麗な公園があるんだ」

叢雲「ふ~ん、そうなの。でも、そっちは人が多そうね」

提督「ああ、だから俺も此処を選んだ。俺も…此処の方が好きだ」

目に入るのは小さなブランコ

思い出すのは羽黒の事


提督「……台風靴飛ばしはかなりスリリングなアトラクションだったな」

叢雲「…何それ、アンタそんな馬鹿なことしてたの?」


穏やかな風になびく葉の音を聞きながら、ボンヤリと空を眺めてブランコに座った


町内・商店街


シャッターの閉まった店がほとんどなく、それなりに賑わっていることを窺わせる

実際にかなりの人で混雑気味


叢雲「……結構人が多いのね…」

提督「中心に来ればこんなものだ。逆にさっきの場所は人が少なすぎる」

提督「ほら見ろ、あそこのカラオケボックス。なんと1時間ドリンク付きで1000円だぞ」

叢雲「…普通じゃない?そこそこ安いってくらいよね」

提督「そうなのか……俺の田舎ではフリータイム3000円でドリンク別料金だった」

叢雲「ホントに!?ぼったくりじゃない!!」

提督「人が居ないから仕方がない。田舎の娯楽事情は世知辛いぞ、財布含めてな」

叢雲「うわぁ…思ったよりもシビアな理由なのね……」


叢雲「………入っていく?」

提督「俺は国家くらいしか歌えないぞ?」

叢雲「それを本気で言ってるとしたら、大した愛国心ね」

提督「照れるな」

叢雲「皮肉よ」


結局カラオケボックスに連れ込まれ、1時間叢雲のリクエストで知らない歌ばかりを歌わされた


叢雲「ぷっ…くふ……ふふふ…」

カラオケボックスを出て以来、叢雲はこうして何度か噴出して涙を流している

かなり怪しい姿であったが、思い出し笑いはそう簡単に収まらない


提督「そう笑うな。傷つくじゃないか」

叢雲「ご、ごめんなさい…!……で、でもアンタ…本当に何も知らないのね」

提督「そう言っただろう」

叢雲「いや~…いいもの見たわね。多分1週間くらいはこれで笑えるわ」

提督「記憶に残ったようで何よりだ」

どうやら叢雲は、よほど提督の歌が気に入ったらしい


ふと、あるお店が目に止まる

叢雲「…床屋だわ。カット1000円。……男は安くていいわねぇ」

提督「そう…だな。俺は美容室で4000円払っているが」

叢雲「うわ生意気。まあ確かに、綺麗な髪よね。……何時から伸ばし始めたの?」

提督「夕張に言われて以来だな。美容室も夕張に紹介された」

叢雲「ふ~ん……ねえ、それ以前は何処で髪切ってたの?」

提督「たかが散髪に金など掛けれるか。自分で切っていた」

叢雲「………そういえば坊主だったわね」


腰辺りまで伸びた滑らかな黒髪を、叢雲は指に絡ませて遊びながら商店街を歩いた


町内・商店街


途中で見かけた移動販売のクレープを齧りながら、練り歩く


叢雲「ねえ、アンタのそれ何味だったかしら」

提督「ウインナーソーセージ、ベーコン、千切りキャベツ。ソースは…マヨネーズか?分からんがそんな感じだ」

叢雲「随分ガッツリね、あ~…」

大きく口を開けて叢雲が提督の方を向く


提督「…………」

叢雲「~~ん?…早くしなさいよ、恥ずかしいでしょ?」

提督「随分大胆だな」

叢雲「いいから早く一口食べさせなさいよ。私のも一口あげるから」

提督「あ~ん…」

叢雲「あ~ん……ん、んむ。…まあまあね。ほら、アンタもあ~んしなさい」

提督「あ~ん……」


そうして、一口づつクレープを分け合った

叢雲のストロベリーと生クリームとイチゴジャムが大量に乗ったそれは、提督の口には合わなかった


町内・商店街


布団・枕専門店なるものを発見し、物色していた


叢雲「…ふ~ん、あまり気にしなかったけど寝具にも色々あるのねぇ…」

普段は敷布団の叢雲が、物珍しそうに天然ゴムのベッドのスプリングを楽しんでいた


叢雲「枕…ねぇ……私は別にこだわり何か無いけど、アンタはある?」

提督「いや、俺も無いな。抱き枕も使ったことが無いな…」

叢雲「抱き枕はいいわよね、昔使ってたわ。…あ、ふふっ…添い寝心地だって、童貞のアンタが喜びそうね。一つ買っていったら?」

提督「淑女が童貞などというんじゃない。はしたないぞ」

叢雲が指さした『添い寝心地』という名称の商品は、フックが付いたような不思議な形の抱き枕だった

触ってみると少し硬く感じたが、指が沈み形が馴染む様に少し感動を覚えた


提督「…大和が喜ぶかもしれんな」

叢雲「へ?何で大和が?」

提督「いやな、どうにも寂しがり屋らしいんだ。偶に俺に添い寝をせがんでくる」

叢雲「…………はぁ…アンタってバカね。勿体ない」

提督「へ?は?うん?…どういうことだ?」

叢雲「バカには何を言っても仕方ないわよ」


町内・はなれ


町内の離れの山にまで来ていた

整備のされていない獣道を歩いた先には廃工場があった


提督「……中々いい雰囲気だな。一度来てみたかったんだ」

叢雲「アンタこういう場所が好きなの?……ってあれ?確かアンタ怖いものが嫌いじゃなかったかしら」

提督「………まあ、少し艦娘達に虐められてな」

叢雲「アンタって…結構威厳ないわよね……」


中に入りはせずに、辺りをぐるっと回る


提督「……本当はリットリオと来るつもりだったんだ。アイツも怖がりだが怖い物好きでな」

叢雲「ふ~ん……ッ!?」

叢雲が突然提督を見て肩を震わせる


提督「ん、どうした?」

叢雲「あ、あ…あ……アンタ……後ろ!」

提督「うおおおおおお!!!!」


慌てて振り向くが何もない


叢雲「嘘に決まってるでしょ。アンタってホント怖がりね」

提督「…………」

叢雲の方に振り替えれば、指が頬に突き刺さり、叢雲のジト目が待っていた


町内


次の目的地まで歩いていると、救急車が通りかかった

けたたましいサイレンの音が耳を劈く


叢雲「ッ!………はぁ…事故でもあったのかしら?なんにせよ、近くに通りかかられると五月蠅くてかなわないわね」

提督「そう言うな。人命救助のためだ」

叢雲「それくらい分かってるわよ」

叢雲が何かを思い出したように提督の顔をじっと見つめる


提督「な、なんだ?」

叢雲「………」

ペタペタと遠慮なく顔を触られる

流石に羞恥で顔が熱くなってしまう


叢雲「…ふん…少し鼻の形が変になってるわね」

提督「ん?…ああ、そうだな。しこたま殴られたからな」

叢雲「悪趣味よね…ほとんど治ったからいいけれど」

提督「そうだな、なんでも俺はそこそこ男前らしい。崩れると困る」

叢雲「は?」


ドスの利いた『アンタ何言ってるの?頭おかしいの?』と言わんばかりに睨みつけられる

川内の言葉を信じ、ちょっぴり浮かれていた提督にとってその言葉は深く心に突き刺さった


町内


少し遠い目的地の為、まだ二人は歩いている

その間にも、ポツリポツリと会話が続けられる


叢雲「そういえば、アンタの性癖ってなんなの?」

提督「なんだその質問は」

叢雲「別にいいじゃない。私も教えてあげたでしょ?アンタも言いなさいよ」

提督「まるで俺が変な性癖持ちだと言わんばかりだな」

叢雲「だってアンタって変だし。どう見ても変態的な性癖を持っているわ」

提督「俺は普通だ。普通の性癖だ」

叢雲「ホントかしら?」


そんな事を歩きながら話していると、あるお店に飾ってある物が目についた


提督「カップか……二つおじゃんにしていたな。買っておくか」

叢雲「ああ、割ったって言ってたわね。大淀えらく怒ってたわ」

提督「まぁ…な」


その時の事を想いだし、提督は薄く笑った


鎮守府近辺・海辺


あれからも多くの場所を巡り、最後に選んだ先がここであった

既に日が暮れはじめ、夕日が二人を赤く照らす


叢雲「……結局ここに帰って来るのね」

提督「だな…」

二人は足を放りだし、衣服が汚れるのも構わずにその場に座り込んでいた


提督「すぅ………はぁ………」

深く息を吸えば、磯の香りが胸いっぱいに広がり少ししょっぱい


提督「大きいな…海」

叢雲「そうね……」

『当たり前じゃない、何言ってんのアンタ』とは言わず、二人はこのどこか寂しげな雰囲気に浸っていた

思い出すのは島風の事


提督「……そう言えば、あれから結局一度も勝っていないな」

叢雲「何の話?」

提督「いや、島風と遊びで勝負事をしていてな。駆けっこに始まり、将棋や釣りなんかもした」

叢雲「……待って、アンタ駆けっこはともかく、将棋とか釣りでも島風に負けたの?」

提督「そうだな」

叢雲「………アンタ、ちょっとマジにヤバいんじゃない?」

提督「…言うな……!」


提督の目尻には涙が浮かび、慰めるように叢雲が提督の肩に手を置いた


鎮守府近辺・海辺


二人はただ、沈みゆく太陽をじっと見つめていた

暫くすれば地球の丸みに日が隠れ、月が夜を照らすだろう


叢雲「……ねえ、アンタ。慰安月間で私がお願いしたこと覚えてる?」

提督「ああ、覚えている。『生き埋めにしてほしい』だろう?」

提督「今思い出しても涙が出そうだ」

叢雲「ごっこだって言うのに大袈裟ねぇ…」


叢雲「……この海を見てたら、火葬も悪くないかなあって」

叢雲「私の灰をここから見える海に撒いてもらいたい」

叢雲「…あ、でも灰になったら意識の想像がしにくいわね」

叢雲は遠くを見ながらそう言う

夕日に照らされたその姿を見れば、そう遠くないことのように思えて胸がきゅうっと苦しくなった


提督「………」

叢雲「……ん?なあに、アンタ…もしかしてまた本気にした?」

提督「…そうだな、胸が苦しくなった」

叢雲「アンタは本当に怖がりね。私だってアンタが心配でオチオチ死んでられないわ」

提督「………そう言えば、言ってなかったことがあった」

叢雲「なに?言ってみなさい」


提督「お前を埋葬して、1時間経ってから引き上げるという約束だっただろう?」

叢雲「そうだったわね」

提督「俺はあの時、怖くて苦しくて…40分で掘り起こしたんだ。それを謝っておこうとな」

叢雲「ぷっ…くくく……あははは!」

叢雲は涙を流して笑う

いたって真面目に話した提督からすれば、少しむっと感じてしまった


提督「……なんだ、思い出し笑いか?」

叢雲「ふふふっ…違うわよ」

提督「じゃあなんだ。俺は…真剣に……」

叢雲「こっち向きなさい」


言われた通り振り返れば、眼前には叢雲の喉元

叢雲の唇がデコに触れた


叢雲「…ど、どうかしら?安心した?」

提督「……………」

叢雲「な、なんとか言いなさいよね。ちょっと恥ずかしいじゃない」

提督「…………」

叢雲「……な…なによ!言いたいことがあるなら言いなさいよ!」


叢雲の言葉に反応し、突然提督は叢雲に抱き付いた


提督「…俺より先に…死んでくれるな…よ……!」

鼻声で、涙交じりに必死にそう言う

そんな姿にまた叢雲は笑えてくる

自然と頬がつり上がった


安心させるように2回背中を叩く

ここに自分の存在があることを教え込むように、伝えるように

色々と言いたいことはあった

相変わらずよく泣くだとか

泣いてる顔が不細工だとか

寂しがり屋で思い込みが激しいだとか

朴念仁の癖にスキンシップが過剰だとか

本当に色々言いたいことはあったが、一つにまとめるなら


叢雲「……アンタってホント、馬鹿よね」

呆れ交じりにそう呟き、叢雲は提督の髪を梳いた


以上でオマケはお終いです


最後にいっぱい叢雲ちゃんをかけて大満足です!!

本当にこれで最後になります

またいつか、私のスレを見かけたならば安価を取ってやってください。泣いて喜びます


次が何時になるかは分かりませんが、次も確実にニッチな内容でしょうけれど、楽しんでいただければ幸いです



それではまた、本当に本当にお付き合いいただきありがとうございました

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2015年06月15日 (月) 15:03:01   ID: QrsZF5I2

なんか下衆部隊の人みたいな雰囲気があるんだけれど違うよね

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