八幡「ヒロインがダメ」 (26)
八幡「主人公も毎度の如く中二病全開だが、ヒロインもダメだ」
八幡「つうかストーリーもダメだな。ああ、全部ダメだったわ」
材木座「な、なんとぉ!?」
材木座「待て八幡!今回のヒロインはその、我的にはすごい気に入ってるというか」
材木座「なかなか良かったと思ったのだが!?思っちゃったのだが!」
八幡「お前が思ってもしょうがねえ。読者に伝わんねえとな」
八幡「で、ヒロインだけどな。最初の方は良かったよ。己の信念があって、結構共感したわ」
八幡「そこだけはいいと思ったが……最終的に主人公にめろめろになってただの主人公age要員じゃん」
材木座「ぐぅ!」
八幡「ぼっちだけど周りに振り回されないってとこが良かったのに、完全に最後キャラ死んでるぞ」
八幡「あと、最初目が死んでるってなってたのに、主人公に惚れたとたんキラキラ目になって美少女化したとかもいらない」
雪ノ下「」ピクッ
由比ヶ浜「」ピタッ
雪ノ下「ねえ、私たちも読んでもいいかしら、それ」
八幡「あ?どうした、俺に全部丸投げしてた癖に」
材木座「そ、そうだ八幡!断固として抗議せよ!我が作品は女子供にはわからんのだからして!」
由比ヶ浜「読むぐらいならいいじゃん。それともさあ」
雪ノ下「私たちが読んだら困る理由でもあるのかしら?」ニコッ
材木座「どうぞ」
八幡(よわっ……)
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由比ヶ浜「ねえ、これってさあ」ヒソヒソ
雪ノ下「ええ……正直悪寒が止まらないけれど」ヒソヒソ
八幡(なにこの子ら。なにをひそひそ話してんの。顔が近くてキマシっぽいよ)
由比ヶ浜「待って、こういうの分かる子呼ぶから」
八幡「え、誰か来んのか」
材木座「我の作品が……」
八幡「いや、流石に他の奴と回し読みして罵倒とかやめてやれよ」
材木座「は、八幡んん」
八幡「見苦しいことになんだろ」
雪ノ下「後で説明するから、あなたは黙っていて」
海老名「はろはろー。どしたの」
八幡(呼んだの海老名さんかよ。確かにこういうの詳しそうだけど)
材木座「」ビクビク
八幡(海老名さん苦手とはいえこいつはこいつできょどりすぎだし)
由比ヶ浜「姫菜、これ読んで」
姫菜「なにこれ」
雪ノ下「そこの彼が懲りもせずに書き上げてきて比企谷くんに読ませていた自称作品よ」
八幡(作品が自称なのかよ。一応こいつが作った品だろこれ……)
海老名「へー」パラパラ
海老名「……!」キラーン
海老名「……」フンフン
八幡(思ったより熟読なさっておられる……)
材木座「」ビクビク
海老名「ふー」
八幡(読み終わったのか)
海老名「材木座くんさあ。これ、主人公のモデルって、材木座くんだよね」
材木座「ま、まあ、我のにじみだだ漏れるカリスマ性が、作品の主人公からも発せられてもおかしくないのではないか、なあ八幡!」
八幡(だからお前は俺に言うなよ)
海老名「で、これ、ヒロインにもモデルいるよね」
材木座「」ビクゥ!
八幡(またパクったのかこいつ……どのキャラだよ。最近始まったアニメにあんなのいたか)
海老名「当ててあげようか」グ腐腐腐腐
材木座「な、なんのことだか我にはさっぱり。そのヒロインは紛れもなく我オリジナル、マルシー我であるぞ」
海老名「えー、だってこれどう見ても、序盤はヒキタニくんモデルだよねー」
八幡「……は?」
雪ノ下、由比ヶ浜「……」ジトー
材木座「うわああああああああ!ち、ちがう!違うぞ八幡!これは悪魔の甘言である!信じては」
八幡「……」ササッ
材木座「八幡……」
八幡「……正直引くわ」
海老名「そうだよ材木座くん。私も引いたよ流石に」
八幡(うんうん、ほら海老名さんでさえこの感想だぞ。しかもそれを俺に読ませるとかおぞましすぎる。いっぺん[ピーーー])
海老名「終盤がこれじゃあ完全にヒキタニくんじゃないじゃない!!」
材木座「……ハッ!」
海老名「あなたがヒロインとして見いだしたヒキタニくんはこんな簡単に、それも素直にデレるようなキャラ!?」
八幡(おい、キャラ言うな。そして材木座もハッ!とかなにに気づいちゃったんだよ)
海老名「あなたはこんな目をきらきらさせて褒め称えてくれるヒキタニくんで本当にいいの?」
材木座「し、正直それでもいい」
「……うわっ」
海老名「ばか!ヒキタニくんの目を見て!」
材木座「八幡……」
八幡「今こっちみんなきめえ」
海老名「あなたなら、目を見れば分かるでしょう。彼の目の奥に、悲しみの色があるのが」
八幡(確かに悲しいわ。色々な意味で)
海老名「ヒキタニくんにも読ませたって言ってたよね。彼のアドバイス、思い出してみて」
材木座「……ヒロインは、最初の方は、良かった……と」
八幡「待て。それは実情を知らなかったからだ。訂正する、このヒロインは徹頭徹尾アルファからオメガまでダメだ」
海老名「今のヒキタニくんの言葉も、今のあなたなら、本当の意味が分かるよね?」
材木座「お、おおおおおお!はちまああああん!」
八幡「そこから一歩でも寄れば[ピーーー]」
材木座「もへえええええええ」
由比ヶ浜「ご、ごめんゆきのんあたしが姫菜呼んだせいで事態悪化しちゃった……」
雪ノ下「……正直頭が痛いわ。帰っていいかしら」
海老名「さあ!そのリビドーをこの作品の修正に向けるのよ!ヒロインの性別とか色々修正しなきゃ!」
材木座「うむ!」
八幡「性別だけは修正しちゃいかんだろ……ヒロインとして」
材木座「八幡!貴様の想い、必ずやこの作品に書き表して見せる!」
八幡「修正しなくていいから。とっととお焚き上げしてあげろ」
材木座「わーはははは、アイディアが溢れてくるわああああああ」
海老名「完成したら真っ先に見せてねー」
海老名「いやあ私のおかげで丸く収まったね」
由比ヶ浜「どこが……」
八幡「完全に一人の人間が道を踏み外したわ」
雪ノ下「彼の巨体はもともと人道なんて細く長いものからは、はみ出ていたでしょう」
八幡「……しばらくあいつ避けよ」
数日後
由比ヶ浜「あ、ヒッキー、メール来てるよ。中二から」
八幡「そんなんとっととゴミ箱にダンクシュッしちまえよ。開くとノーパソがクラックされるぞ」
由比ヶ浜「えー、でも一応相談メールだし。あのあとどうなったのか知りたいし」
八幡「俺は二度と知りたくない。このまま忘れ去りたい」
由比ヶ浜「いいから読んで読んで」
八幡「読むだけだぞ。返信はしない。ストーカーがつけあがるからな」
由比ヶ浜「中二ストーカーになってたの……」
八幡「いや、さすがにそこまでされたら通報するわ……えー、PN剣豪将軍さんからのメール」
『ついに究極のヒロインへと至った我であったが、なんということであろうか、志半ばで気力が尽き果ててしまうという事態に陥ってしまったのだった』
八幡(つまりやる気が失せたと)
『そこで再び我が立ち上がるためには、ヒロインの応援、もしくはヒロインのモデルに女装して応援してもらうべきだと、昨夜深き時間に気づいたのだが』
八幡「……」
由比ヶ浜「……」
雪ノ下「……」
由比ヶ浜「……中二、やばくない?」
八幡「ていうか俺がやばい」
雪ノ下「メールの続きは、いかにして女装してほしいと頼めばいいでしょうか?ていうかしろください、となっているけれど」
由比ヶ浜「なんかもう、してあげれば……」
八幡「いやに決まってんだろ」
八幡「あいつのことはもう知らん」
さらに数日後
材木座「はちえもーん!これ読んでー!」
八幡「……ついにできたのか、グリモアが」
八幡「俺は読まんぞ、そんなの。お前なんか海老名さんと一緒に二日目でも巡ってろ」
材木座「なんのことだ」
八幡「いや、それのヒロイン」
材木座「はっはっは、あのヒロインはやめた」
八幡「え、マジで」
材木座「うむ。よく考えたら気持ち悪すぎて吐いたのでな。変えた」
八幡「そうか……」
材木座「というわけで今度は戸塚氏にしてみた。もちろん性別は女子で」
八幡「やっぱわかってねえだろお前」
おわり
勢いだけで書きました。
途中何度も回線が切れましたが、全部私です。
ではhtml化依頼してきます。
このSSまとめへのコメント
アリ
おもしろかった