八幡「…すいません」(31)

たったらかく。

季節は冬。吐く息は白くなり、地面も白くなり、リア充のムードはピンクになる季節。
なに、なんなの、冬は?
気温は冷たく、小町の目はクリスマスやらなんやら、恋愛事関連の行事が近づくたびに生暖かくなり、雪ノ下の目は冷たい。あ、最後のは何時もだった。
つーか、なんで冬って、恋愛事の行事多いの?
何か冬になってから、カップル増えてない?
総武線だけで、5組くらいのカップルみたぞ。
くっつくとあったかいねじゃねーよ、暖房ガンガン効いてるから、むしろ暑いわ。むしろカップルのせいで熱いまである。
べ、別に悔しくなんてないんだからねっ!本を読むのに邪魔だっただけなんだからっ!
邪魔って言われた事は多数あるが、思ったことがあんまりない俺でも邪魔だと思った。嘘です、結構思ったことあります。

邪魔って字体だけみるとかっこいい、材木座あたりが喜びそう。
そんなどうでもいい事をつらつらと考えながら部室へとむかい、特別棟にはいって、部室が見えてきたあたりで、コツコツコツコツ少し早歩きの様な足音が聞こえ、真後ろで、止まった。
その時点では、無視しようかどうか、悩んでいたのだが

「おい、比企谷」

と、呼ばれたので、仕方がなく、なんですか、と言いつつ振り向こうとした瞬間に首元をつかまれ、連行された。
なに、なんか怖いんですけど。
そして、そのまま、ズルズルと生活指導室まで引きずられた。
俺を引きずってここまで、連れてきた張本人は、あっけらかんとはしておらず、むしろ怒っているようだった。おこだよ!
俺は口をひらいて

「で、どうしたんすか、平塚先生」

「どうしたはこっちの台詞だ、比企谷」

と言うと、なんだこれは!と言わんばかりに、プリントをつきつけてきた。

そのプリントには

『自分の考える進路

一人はみんなのために。
みんなは一人のために。
この言葉ほど嫌悪感を覚える言葉はない。
このような言葉を発する人々は基本、みんなを取り違えているのだ。
みんなとは本当の意味でみんななのではなく、自分の役に立つ、そうでなくても、仲の良い友人など指す。
それを平然と、みんなのため、という、一見正論に取り繕ったエゴの塊をそれ以外の人に振りかざす。
それも自覚がないので、尚更たちが悪い。
そうして、好き好んで一人でいる人はさらに隅へ隅へとおいやられ、挙句には居場所がなくなる。
そのような事にならない為にも、好き好んで一人でいる人はその他大勢と距離を置くべきである。
つまり社会にでなければよいのだ。
だから、専業主夫こそ唯一無二で、完全無欠、パーフェクトな将来の夢と言えるあろう。』

とかいてあった。というか、昨日俺が書いた。

「それがどうかしましたか?真面目に書いたつもりですが」

「ふてぶてしい態度で応じてる暇があったら書き直せ。いますぐやらないと…」

と言うと、平塚先生はフ、フと笑った。というか脅した。脅し、反対。暴力反対、ほんとやめてマジで。
痛いのはいやなので、

「…すいません」

と言い、やり直すことにした。

なにがダメなんだいったい…

終わり

終わり

あと、書き溜めないけど、だれか希望するならつづきかく

部室に入ると雪ノ下が一人で窓際のいつもの場所にすわっていた。

「こんにちは、比企谷くん」

雪ノ下は由比ヶ浜が来ることを期待していたらしく、溜息をついて、落胆していた。
どんだけ俺のこと嫌いなんだよ。しまいにゃ泣くぞ。
だが、俺はなかない。上を向いてあるきます。

俺があの名曲を脳内再生してると

「ずっと立ってても、困るのだけれど。早く座ってくれないかしら、立ち谷くん」

と、雪ノ下が言った。
なんだよ立ち谷って。
遅刻しまくって廊下に立たされまくってたときも、そんなあだ名つかなかったぞ。
しかし、逆らっても氷の女王様に論破されて、ボコボコにされるだけなので、従うことにした。っていうか従わない理由ないし。

「へいへい」

しかし、雪ノ下の奴何故本を読んでないんだ?
雪ノ下は部室では基本は本を読んでいるはずなんだけど。
本を読みすぎて、イメージとしては雪ノ下=本になるまである。
それにしても疑問だ。
疑問になりすぎて口からつい言葉が漏れた。

「なんで本読んでねーの」

キャ☆言っちゃった☆

「本を忘れたの」

「お前がか?珍しいな」

すると雪ノ下が、羞恥によって頬を赤らめた。
そこまで恥ずかしがることか?
それで恥ずかったら、俺は恥ずかし過ぎて社会にでれないな。やはり俺には専業主夫の才能がねむっているに違いない。

「なんで、そんな恥ずかしがってんの」

そんな恥ずかしがることか。ちょっとしたミスじゃん。そんなこと恥にしてたら、人生恥だらけじゃん。太宰治かよ。

「単純にミスしただけよええたまたま決して夜遅くまで猫動画をみてたから起きるのが遅くなってしまい急いで用意して学校に来たから机から取り忘れたわけではないわええ決して」

「あ、そう」

雪ノ下ってこんなにわかりやすい奴だったっけ。
それとも俺が信頼置かれてるから隙みせてんの?
いや、それはないな。勘違いはいけない、それによってどれだけ傷ついたか。

「…」

「…」

気まずいな。雪ノ下はしまったって顔してから顔赤らめてモジモジしてるし。
まあ、たまにはこういうのもいいか。たまにっていうか、雪ノ下の顔赤らめモジモジ以外いつも道理だがな。由比ヶ浜がくるまでは、こうしていよう。

こうして比企谷八幡の日常はすぎさってゆく

いったん終わり。明日のこってたらやる。

さーせん

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom