ユート「ただいま」

黒咲「驚いていただろ」

ユート「ああ」

遊馬「ユートになった遊矢は何処だ？」

黒咲「来ていたのか、あそこだ」

柚子「似合わないわよ。その格好」

遊矢「そうか？俺は」

遊馬「全然似合わねえ・・・」

シャーク「童顔だからな遊矢は」

カイト「どうして服を？」

ユート「遊矢にせがまれてな」

カイト「せがまれた？」

ユート「俺になれば強くなった気がすると」

カイト「バカかあいつは」

遊馬「いや！俺はいいと思うぜ！」

遊馬「俺とカイトだって前にやったじゃねえか！」

カイト「あくまで立場な交換だ。だがあいつは」

シャーク「ユートになれば強くなれるって思ってるんじゃねえか？」

ユート「だが遊矢は日夜、デュエリストとしての修行をかしているぞ」

黒咲「子供達の話によれば腕立てやら腹筋を毎日の様にしているらしい」

カイト「それぐらい俺も知っている」

遊馬「なら問題ねえじゃんか！」

カイト「心の強さが遊矢には足らん」

シャーク「って言ってもやる時はやる奴じゃねえか、十代を助けた時だって」

ユート「確かに俺やユーゴに比べたら心が弱いかもしれない。だが平和な次元で生きているんだから仕方がない」

遊馬「それに今が一番楽しそうだしな」

黒咲「毎日の様に瑠璃とベタベタと・・・腹が立って仕方がない」

シャーク「まあ経験がまだ足らねえって事だぜ」

柚子「着替えなさいよ」

遊矢「でも」

柚子「いいから！」

遊矢「何でそんなに怒ってるんだよ・・・」

柚子「だって」

遊矢「だって？」

柚子「遊矢らしくないから」

遊矢「俺らしくないのはわかるけど俺は十代さん達やユート達に比べたら」

柚子「それでも遊矢には遊矢のデュエルがあるでしょ？遊星さんの道具や遊馬くんのかっとビングは無いけど」

遊矢「そうだけど・・・俺は怒りが爆発すると何をするかわからないって言われてるし」

柚子「だからユートの真似をして冷静沈着になろうって？」

遊矢「まずは形から入って」

柚子「バカ！」

遊矢「！？」

遊馬「何か揉めてるぜ」

カイト「少し目を覚まさせてやるか・・・」

黒咲「何をする気だ」

カイト「デュエルだ」

シャーク「デュエル？なら俺がやってもいいぜ」

カイト「いやお前じゃ無理だ」

シャーク「てめえ！」

遊馬「何でカイトなんだよ？」

カイト「遊馬とユートでは遊矢相手では甘さが出て本気のデュエルができん」

黒咲「なら俺が適任だ。俺は遊矢と瑠璃を賭けて一度だけデュエルをした」

カイト「お前は柚子の前で遊矢を叩き潰せるか？」

シャーク「そんな事すりゃ恨まれるぜお前。だったら俺でも」

カイト「お前もどちらかと言えばお人好しだ。手加減するのが関の山だ」

遊馬「本気でやるのか・・・？」

カイト「俺はいつだって本気だ」

カイト「遊矢」

遊矢「カイトさん？聞いてよカイトさん」

カイト「デュエルをやるぞ」

遊矢「デュエルって・・・今はそれどころじゃ」

カイト「ドロー！」ドスッ

遊矢「うっ・・・」

カイト「ユートなら避けるだろうな。服を交換しただけで強くなったと思うなよ。グズが」

柚子「ま、待ってカイトさん！」

カイト「まだ俺にターンだ！ドロー！」ドゴッ

遊矢「な、何だよカイトさん！いきなりデュエルだなんて！」

カイト「ターンエンドだ。次はお前から来い遊矢」

カイト「ユートならどうするだろうな？」

遊矢「ユートなら相手の力を受け流しさらに攻撃に転じる・・・」

カイト「フッ・・・だがお前は2度も俺に攻撃を受けている。頭では分かっても身体が動かんらしいな」

ユート「遊矢のターンか」

黒咲「2度攻撃を受けて、まだユートの真似をするようなら瑠璃との交際は破棄する」

遊馬「遊矢は・・・遊矢らしくやるんじゃねえか？」

シャーク「見ろよ。ユートのコートを脱ぎ捨てただぜ」

ユート「目つきも変わった」

遊矢「俺は俺らしくデュエルをする・・・少し焦りすぎたよ俺」

カイト「融合次元の魔の手から柚子を守るために強くなろうとした・・・って所か」

遊矢「うん」

カイト「ならばお前のデュエルを見せてみろ遊矢！」

遊矢「俺のデュエル・・・それは！」

カイト「流石にエンタメデュエリストを名乗るだけあって動きが早いな・・・前よりもいい動きだ！」

遊矢「みんなを笑顔にする！楽しいデュエルが俺のデュエル！」

カイト「覚悟は決めたか・・・だが手加減はせんぞ！」

遊矢「・・・」

ユート「大丈夫か？」

遊矢「やっぱカイトさんは強いな・・・ありがとう服を貸してくれて」

ユート「たまにはいいんじゃないか？お互いに顔が似てるんだから」

黒咲「前のように獣のような動きを見せなくなったか・・・瑠璃がよほど心の支えになっているのか」

シャーク「何発くらった」

カイト「5・・・いや6か」

遊馬「お前に6発か、すげえぜ遊矢！」

遊矢「偶然だよ偶然・・・けどカイトさんを少しは追い込んだんだよな」

カイト「何が偶然だ・・・こいつは」

シャーク「的確にカイトに拳をぶち当ててた・・・やりやがるぜ」

柚子「遊矢！」

遊矢「俺らしかったか？カイトさんとのデュエル」

柚子「これこそが遊矢って感じだった。遊矢なんだなって」

遊馬「なあ今度は俺とデュエルしようぜ遊矢！」

遊矢「あ、ああ・・・」

黒咲「おい、背負ってやるぞ」

遊矢「な、何だよいきなり！？」

黒咲「気まぐれみたいなものだ」

ユート「ところで俺は遊矢のようだったか？」

黒咲「前から言おう言おうと思っていたがそこまで似てないぞ2人とも」

遊矢「・・・」

ユート「・・・」

柚子「ありがとうカイトさん！」

カイト「フン」

シャーク「照れてやがる。ガラにもねえ事しやがったから」

遊馬「カイトは女の子が少し苦手なんだよな」

柚子「そう言えばアユちゃんも言ってたな、カイトさんはカッコいいのにモテないって」

シャーク「無愛想だからカイトはよ」

遊馬「男同士にしかわからねえんだよな。そいつの良さってのは」