ドラえもん「倍プッシュだ……ッ!!」 (23)
のび太「えぇッー!?」
のび太「どら焼きに300万円も使っちゃったのッ!?」
ドラえもん「ご、ごめんねのび太くん…」
ドラえもん「だけどあの人達が悪いんだよ…僕に高級どら焼きを勧めてくるから…」
ドラえもん…まさかの借金っ……!!
しかも……300万円全額……どら焼きに消費っ……!!
ポンコツロボット確定っ……!!
のび太「どうするんだよドラえも~んっ……!!」
ドラえもん「大丈夫だよ、保証人はのび太くんにしてたから」
のび太「全然だいじょうぶじゃないよッ……!!」
と、その時っ……!!
ドガッ……!!ドガッ……!!
のび太「な、なんだ……あの戸を叩く音……?」
ドラえもん「あぁいい忘れてたけどのび太くん」
のび太「?」
ドラえもん「君は今から借金返済のためにエスポワール号に行くんだよ」
のび太「えっ?」
ドガァッッ……!!
黒服「……」
のび太「え?え?」ビクビク
ドラえもん「じゃあ後は頼んだよ」スッ
黒服「……」ガシッ
のび太「え?なんで僕……お兄さん達に腕を掴まれてるの……?」
ドラえもん「それじゃあのび太くん頑張ってね!僕はミイちゃんと遊んでくるから」
何故IDが変わる
のび太「ど、ドラえもんッ……!!」
のび太「大体エスポワール号ってなにさっ……!!僕は何も聞いてないよッ……!!」
ドラえもん「テレレレッテレーッ……!!タケコプターッ……!!」
のび太「待ってよドラえもんっ……!!ドラえもんッ……!!」ポロポロ
非情にも窓から飛び去っていくドラえもんっ……!!
その後姿を見てっ……自分は捨てられたのだとっ……!!その事実に気付かされるっ……!
黒服「……」
のび太「は゛な゛せ゛え゛え゛え゛!゛!゛!゛そ゛の゛手゛を゛は゛な゛せ゛え゛え゛え゛!゛!゛!゛」ジタバタ
黒服「……」
~エスポワール号~
のび太「ぇっぐ……ママぁ……」ポロポロ
無理やり連れてこらたのび太っ……!!
ふと周りに目をやると数十人の大人達が右往左往しているッ……!!
そしてっ……見知った顔を見つけるっ……!!
スネ夫「……」
のび太「スネ夫……?」
一人だけ背が小さいッ……!!
なのに髪型はツンツンッ……!!簡単に見つけられるっ……!!!
スネ夫「も、もしかして……のび太か……?」
のび太「そうだよ……野比のび太だよッ……!!」
スネ夫「あまりにも酷い顔をしてるからわからなかったよ……」
のび太「そういう君だって……随分とやつれてるじゃないかッ……!!」
スネ夫の顎はまるでスネ夫の髪のようにッ……!!
するどくッ……細くなっていたッ……!!
否ッ……痩せすぎっ……!!痩せすぎっ……!!
スネ夫「あぁ……最近パパの会社が倒産してね……」
スネ夫「ご飯もろくに食べれずこの様さ……」
のび太「スネ夫……」
スネ夫「のび太はなんでこんな所に来たんだよ……」
スネ夫「真面目なお前が来ていい場所じゃない……」
のび太「ドラえもんに裏切られたんだ……」
スネ夫「裏切られた……?」
のび太「ドラえもんが勝手に借金してッ……!!保証人を僕に仕立てあげたんだッ……!!」
スネ夫「ッ!?」
のび太「許さないッ……ドラえもん……絶対に許さないッ……!!」ゴゴゴゴッ
人間勝ち組になる為に必要なのは諦めない心
だが負け組はすぐに諦める…だから負ける…負け続ける
だが今のび太が抱いている感情はドラえもんに対する絶対的な復讐心ッ……!!
ドラえもんに一泡吹かせるまでは決して諦めないという決意そのものっ……!!
利根川「あの少年……中々に良い目つきをしているなぁ……」
?????「なんたって僕の親友ですからね」
利根川「親友か……なら何故助けに行かないのかね?」
?????「だって……面白いじゃないですか」ニヤァ
?????「親友が破滅するかもしれない場面を……垣間見れるなんて」ニヤァ
利根川「……君は狂っているな……」
?????「そうでしょうか?貴方も十分狂っていると思いますけどね」
利根川「ハハハ……そりゃそうだ……!!」
利根川「それでは……ゲームの始まりだ」
~~~~~~~~~~
のび太&スネ夫…「限定ジャンケン!?」
のび太「ぜんぜんわからないやっ……!!」
遡ること数分前っ……!!
限定ジャンケンというゲームについての説明を受けたのび太っ……!!
がっ……!!理解力がないのび太には理解不能ッ……!!所詮小学生っ……!!
難しい言葉なんてわからないッ……!!
のび太にわかることは1つだけっ……!!
配られた12枚のカードでじゃんけんをして星を奪うことッ……!
のび太「つまり……じゃんけんで勝てばいいだけなんだ……」ゴクリ
黒服「それでは星の貸付を始めます」
黒服「一人最大10個までとさせて頂きます」
のび太「10個くださいッ……!!」
ざわ……ざわ……
ざわ……ざわ……
モブA「なにっ……!?」
のび太は知らないッ……!!
星一つは100万円の価値がありただ単に新たに借金をして星を受け取っている事に過ぎないとッ……!!
常人なら10個なんて膨大な数は無理……10個星を手に入れるということは1000万円の借金をするということッ……!!
借金まみれでこの船に来ている負け組にとってそれは痛手ッ……!!容易に手が出せないッ……!!
モブA「お、俺も10個くれっ……!!」
モブB「俺も……俺もだッ……!!」
場を支配する流れ……思考停止……
ただのペンギン……最初の奴が10個だったから俺もそうしようなんていう甘い考え……
圧倒言う間に貸付は終了……ゲームの参加者の大半が星10個を手にしていた……
故に……皆脇が甘くなる……10個あるから1つくらい無くなっても後で取り戻せるなどという痩せた発想……
勝負も中盤に差し掛かった所……!!
のび太星13個……残りカード7枚ッ……!!
のび太「13個……残りのカードも少ないしここは手堅く行きたいかな……」
出木杉「あ、のび太くんじゃないか!」
のび太「で、出来杉君!?」
出木杉「良かったよ知り合いにあえて……」
チラリと出木杉の胸を見るとそこには星が19個あった
圧倒的秀才ッ……!!圧倒的秀才ッ……!!
のび太「さ、さすがだね……」
出木杉「そうでもないさ……君も勝っているようだしね」チラッ
のび太「運が良かっただけだよ……ハハハ……」
出木杉「それでも良かったじゃないか!それよりこのゲームには必勝法がある事を知ってるかい?」
のび太「必勝法……?」
出木杉「あぁ……とっておきの必勝法さ……カードだけなくして……星は無くさないね」
のび太「!!!!」
星は維持してカードだけ減らしたいのび太には絶好のチャンス到来ッ……!!
出木杉「全部あいこで済ませればいいのさ……そうすればカードだけ消費して星のやり取りはない」
出木杉「ね?簡単でしょ」(ニッコリ
出木杉「(こ~のタコがぁ~~~~ッ……!!)」ニヤァ
出木杉「(お前も馬鹿な大人達と同じようにしゃぶりつくして骨抜きにしてやるよぉ~~~~ッ……!!)」ニヤァ
秀才というレッテルとその甘いマスクにより完全にのび太の信用を得た出木杉ッ……!!
それはただの計算……幾重にも張り巡らされた罠……のび太を出し抜こうとする滑稽な罠ッ……!!
出木杉「それじゃあ僕はグーを出すから……のび太くんもお願いね……?」スッ
のび太「うん!」スッ
出木杉「それじゃあ……」
\おーぷん/
出木杉「グー」
のび太「パー」
出木杉「ッ……!?!?!?!?!?」
まさかのパーッ……!!グーと言ったのにパーッ……!!
出木杉「何やってるんだよのび太くんっ……!!それはグーじゃなくパーじゃないかッ……!!」
のび太「え?これってグーじゃないの?」
まさかの勘違いッ……!!パーをグーだと勘違いする阿呆ッ……!!
グーなんて幼稚園児でもわかるはずッ……!!なのにわからない……のび太はわからないッ……!!
出木杉「(そうだった……こいつはとんでもなくバカな奴だった……)」
出木杉「いいかい……?これがグー……これがチョキ……これがパーだ」
のび太「あ……それじゃあ僕はさっき間違って勝っちゃったのか……」
出木杉「そういうことさ……一応星のやり取りをしないと怪しまれるから」トントンッ
出木杉「これ……受け取って」
のび太「ご、ごめんね……」ブチィ!
出木杉「別にいいさ……僕だってまだ18個あるからね……」
出木杉「じゃあ次はチョキだよ?いい?『チョキ』だよ」
のび太「う、うん……」スッ
出木杉「(ふぅ……こんのビチグソがぁああああああ!!!)」
出木杉「(この出木杉様から星を一つ奪い取るなんて言語道断……)」
出木杉「(このクソガキただじゃおかねぇ……)」スッ
のび太「それじゃ……」
\おーぷん/
出木杉「グー」
のび太「パー」
出木杉「は?は?」ワナワナワナ
のび太「出来杉君……バレてないと思ってた?」ニッコリ
出木杉「ッ!?!?!!?」
のび太「僕知ってる……君が同じような事をして星を大人達から取ってたことくらいね」
出木杉「(このぼんくらに見られてたっていうのか……!?俺は細心の注意を払って勝負したはずだ……!!)」
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