スネ夫「のび太は弱いから貸せない！」

のび太「そんなぁ…」

ジャイアン「お前がやってもすぐにゲームオーバーだからな」

スネ夫「まあ、買ったら手伝ってやるよ。　どうせ雑魚にも勝てないだろうけど」

のび太「ふんだ！ いいもん、僕はそんなゲームいらない！」

ジャイアン「そんなこといってやりたいんだろ？」

のび太「いい！」

スネ夫「のび太はいいよな、ドラえもんがいるんだから」

のび太「いらないッたらいらない！」ﾀﾞｯ

スネ夫・ジャイアン「「どうせドラえもんに何とかしてもらうんだろー！ ハハハハ！！」」

のび太「ちぇっ、新しいゲームが出るといつもこれだ」

のび太「くやしいなあ、僕だってあのゲームやってみたいけど…モンスターハンター」

のび太「ママは絶対買ってくれないだろうし…」

のび太「ドラえもんにたのもうかなぁ……」

のび太「どらえもおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおん！！！！！！！」

のび太の家

アナウンサー『緊急ニュースです。 一昨日から太陽の活動が、異常なほど活発化しており――』

アナウンサー『気象庁では、太陽風による影響で、各地でオーロラが…』

ドラえもん「不思議なこともあるもんだ」

のび太「ただいま～」

ドラえもん「あ、おかえり。 学校はどうだった？」

のび太「ドラえもん！」

ドラえもん「いきなりどうしたの」

のび太「かくかくしかじかなんだよ～！」

ドラえもん「はぁ？」

ドラえもん「ええっ！ ゲームが欲しい？！ なんだ、いつものことじゃない」

のび太「だってだって、あんなに面白そうで自慢されちゃ誰だって欲しくなるもん！」

ドラえもん「あのねえ、だからってすぐねだるのはみっともないよ」

のび太「欲しいッたら欲しい！」

ドラえもん「駄目！ いつもいつも僕をたよりにして、少しは我慢するんだね」

のび太「そんなぁ～」

ドラえもん「君は少しでも大人になるべきだよ」

のび太「う～ん…」

ドラえもん『ま、たまにはいい薬だろう』

その日の夜

のび太「パパ！このゲームはどうしたの？！」

ママ「あらあらあなた、高かったでしょ？」

パパ「いやあ懸賞好きの同僚が当てたはいいんだけど、子供が女の子だから、ぜひのび太にって」

ドラえもん「よかったねぇ！のび太君！」

のび太「うん！ やったぁ！」

ドラえもん「さっそくやってみようよ」

のび太「うん、そうしよう！」

ママ「いけません！　のび太宿題は？」

のび太「あ、いけない忘れてたぁ～」

ドラえもん「残念だけど明日だね」

翌日

のび太「…というわけで、僕もゲームできるんだ！」

しずか「わたしはそういうのはちょっと…」

のび太「とっても面白いのに…」

ジャイアン・スネ夫「「のび太！」」

のび太「あ、2人とも！ねえきいてよ、僕もあのゲームができるように…」

ジャイアン「そんな事よりさ、考えたんだけどよ」

スネ夫「ドラえもんにたのんでゲームの世界に入れないかな？」

のび太「へ？」

ジャイアン「いやあ、あまりやりすぎたら物足んなくてさ、頼むぜ！」

スネ夫「どうせのび太にはゲームなんかクリアできっこないし」

ジャイアン「ドラえもんに頼むんだろ？文句あっかよ！」

のび太「え、あ、う…うん」

ジャイアン「それじゃ頼むぜ、絶対に呼べよ！」

スネ夫「じゃーな！」

しずか「酷いわね二人とも、あんなに言わなくても…」

のび太「せっかくやれると思ったのに…」

のび太の家

ドラえもん「ええー？！ゲームの世界に行きたい？！」

のび太「そうなんだよ、ドラえもんならできるだろう？」

ドラえもん「面倒見きれないよ、第一ゲームの世界に行けるわけないじゃない」

のび太「そこを何とか、ね！ ねえってば、ドラえもん」

のび太「お願いだよ、ドラえもん」

ドラえもん「あきれた、いくら僕でも無理ってもんがあるの！」

のび太「そんなぁ……」

ドラえもん「ゲームの世界なんかより、僕たち現実世界が一番素晴らしいんだよ」

のび太「だけど、このままだとジャイアンたちに何されるか…」

ドラえもん「要は大自然を駆け回りたいんでしょ？」

のび太「う、うん…」

ドラえもん「タイムマシンで、原始時代に行けばいいんだよ！」

のび太「そうなんだけど、モンスターと戦いたいんだよ。 火を吐く竜や、山のような大きな怪物とね」

ドラえもん「それじゃあこれを使ってみるか……」ｺﾞｿｺﾞｿ

のび太「何々？ 新しい道具？」

ﾋﾟｼｬｼｬｼｬｰﾝ！

ドラえもん「狩人体験機！」

のび太「うわあ、なにこれ！」

ドラえもん「今はもう少ないけれど、昔から狩人、つまりハンターがいたんだ」

のび太「モンスターと戦ってたの？！」

ドラえもん「そんなものはいないよ、鳥やけものを狩っていたんだ」

のび太「なあんだ、そうなの」

ドラえもん「何だというのは失礼な！ いいかい、狩人はそうして生活の糧や、自然を守って来たんだよ」

のび太「動物を狩るのが、自然を守るの？」

ドラえもん「そうさ、基本は食料の確保だけど、増えすぎた動物や外からやって来た動物を減らしたりして、バランスをとるんだよ」

ドラえもん「そうすることで、生態系を守ってきたんだ。 日本では秋田のマタギという人や、猟友会といったハンターの集まりがあるよ」

のび太「へぇ～、すごいなあ。 で、その機械はなにするのさ」

ドラえもん「これはそういう狩人の生活を体験できるんだ。まあ一種のゲームみたいなものだけど…」

のび太「へえ！面白そう！」

ドラえもん「のび太君、狩人というのは本当に大変な仕事なんだよ、これで本当に死ぬ人もいるんだ」

のび太「えっ、あぶないの？」

ドラえもん「この機械では死ぬことはないけど、危なくて発売中止になったんだ」

のび太「そんな危ないの、やりたくないよ！」

ドラえもん「でしょ？　だから今日返品する」

ドラえもん「さっき未来デパートの人が……」

ﾋﾟﾝﾎﾟｰﾝ

ママ「ハーイ」

ジャイアン・スネ夫「「お邪魔しまーす！」」

のび太「ジャイアンたちだ！」

ドラえもん「よし、僕が説得してみよう」

のび太「できるの？」

ドラえもん「まかせてよ」

ジャイアン「おーす、のび太」

続いは明日

スネ夫「ドラえもんに頼んだか？」

ジャイアン「もちろんOKだよなぁ～？」

のび太「ジャイアン、スネ夫・・・」

ドラえもん「かくかくしかじかだからできない」

ジャイアン「な、なんだってぇ～！？」

ジャイアン「それこそ俺たちの求めてた冒険！」

スネ夫「え～、ジャイアン危ないよ」

ジャイアン「あんだよ、文句あっかよ！」

スネ夫「元々乗り気じゃなかったし」

ドラえもん「みんなで一緒にゲームすればいいじゃないジャイアン」

ジャイアン「いや！俺は行く！ドラえもん、その道具貸せよ！」

ドラえもん「仕方がない、そこまで言うなら、みんなで一緒に行ってみるか」

のび太「ドラえもん！」

ジャイアン「さすがドラえもん！話が分かるぜ！」

スネ夫「ええ～！もしかして僕も？」

ジャイアン「あったりめぇよ、お前が行かなくて誰が行くんだよ！」

スネ夫「やだよー！」

ドラえもん「本当に、きついよ？」

スネ夫「ほ、ほらジャイアン！ドラえもんもこう言ってるし！」

ジャイアン「危険じゃなけりゃ面白くねえ！」

しずか「まって！」

のび太「しずかちゃん！」

ドラえもん「どうしたの？！」

しずか「話を聞いてたら、私も行ってみたくなって」

しずか「大自然を見てみたいの」

のび太「危ないけどいいの？」

しずか「なんだか楽しそう！どらちゃんもいるし、大丈夫よ」

ジャイアン「しずかちゃんよく言った！ホラスネ夫！」

スネ夫「わ、分かったよ…」

ドラえもん「それじゃ、原始時代へ！」

ドラえもん「タイムマシン、今から600万年前の時代へ！」

コンピュータ「了解シマシタ」

のび太「マンモスや、サーベルタイガーみたいな動物いるの？」

ドラえもん「当たり前だろ、今回は道具を使って、雰囲気だけ楽しむんだ」

ジャイアン「そんな事より、早くいこうぜ！」

ｶﾞｸｶﾞｸ！　
ドラえもん「な、なんだ？！」

のび太「故障じゃないの？！」

スネ夫「ママ-！！！！！！！！！！！！！！！！！！」

しずか「きゃあああああ」

ジャイアン「うおおお！」