イリアステル滅四星で白雪姫 (23)

昔々、アーククレイドルにとても美しいけれど、心の醜い王様がいました

王の名はアポリア…、アポリアは、いつも何でも正直に答えるパラドックスにたずねます

アポリア「パラドックスよパラドックスよパラドックスさん、この世で一番美しいのは誰だ?」
 
パラドックス「アポリア…あなたが、一番美しい」

アポリア「ふん、やはりか…当然だ、この世で最も美しいのはこの私だ」

パラドックス「しかしZ-ONEのほうがもっと美しい」

アポリア「何、Z-ONEだと!? そもそもZ-ONEのほうが美しいなら一番ではないではないか!?」

パラドックス「確かに矛盾してるな、パラドックスだけに」

Z-ONEはもう一人の王様です

アポリア「おのれZ-ONE…、彼がいる限り私が一番ではなくなってしまう」

アポリア「仕方ない、Z-ONEには悪いが、一思いに殺ってしまうか」

しかし扉の前でZ-ONEはアポリアのZ-ONE暗殺計画を聞いてしまいました

Z-ONE(ここにいてはまずい、早く逃げなければ…)

Z-ONEは急いで荷物をまとめてアーククレイドルから離れ森の中へ逃げてしまいました

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アポリア「何!? Z-ONEが逃げ出しただと!?」

アポリア「まさかあの話を聞いたのか!? 急いで探し出せ!」

アポリアは機皇帝を駆使して探しましたが見つかりませんでした

一方Z-ONEは森の中で彷徨っていました

Z-ONE「とっさに逃げてきたものの…、そろそろ日が暮れてきました」

Z-ONE「どこかに家は…おや?」

森を彷徨っていると、Z-ONEは一件の山小屋を見つけます

宿を貸してもらおうと尋ねたそこは、11体の時械神たちが棲む小屋でした

時械神たちは、自分たちの身の回りの世話や家の留守を預かることを条件に

Z-ONEを自分たちの元に住まわせることを許しました

Z-ONEは、森に住む11体の時械神たちと一緒に暮らす事になりました

そして時械神たちが出かけている間、掃除や洗濯や針仕事、時械神との会話

カードの手入れや未来を変える計画の考案をしたり、ごはんを作ったりして毎日を楽しく過ごしました

しかしそんな楽しい生活も毎日は続きませんでした

アーククレイドルでは、いつものようにアポリアがパラドックスに言いました

アポリア「パラドックスよパラドックスよパラドックスさん、この世で一番美しいのは誰だ?」

パラドックス「山を越えたその向こう、11体の時械神の家にいるZ-ONEです」

アポリア「なんだと!? Z-ONEめ…生きていたのか!?」

アポリア「しかし場所を知ってしまえばこっちのものだ!」

自分でZ-ONEを殺そうと考えたアポリアは、ルチアーノに化けると

A・ファヴニールに乗り剣を手に山を越えて時械神たちの家に行きました

そして、ドアを叩いて言いました

ルチアーノ「ごめんくださーい、道に迷ったので助けて欲しいんだけどー」

時械神たちの家に今いるのはZ-ONE一人だけでした

Z-ONE「はい、なんでしょう」

ルチアーノ「死んじゃえ!」

グサッ

Z-ONE「うっ…」バタリ

ルチアーノは剣でZ-ONEの胸を刺し、そのせいでZ-ONEは倒れてしまいました

ルチアーノ「ヒャーハハハハハハ!!!」

ルチアーノ「Z-ONEよ、これが絶望だ ターンエンド…な~んちゃってwww」

ルチアーノ「これで僕が世界一だ! バイバーイwww」

ルチアーノはそういい残しながら帰りました

夕方になって、時械神たちは家に帰って来ましたが、Z-ONEが倒れているではありませんか

時械神たちは心配しましたが、Z-ONEはいきなり起き上がりました

どうやら刺された場所に生命維持装置の動力源となったカードがあり

そのカードがZ-ONEを守る盾となり難を逃れたらしいのです

Z-ONEは今日のことを教訓に、うかつに外に出ないように決めました

一方アーククレイドルでは、確認のためにアポリアがパラドックスに言いました

アポリア「パラドックスよパラドックスよパラドックスさん、この世で一番美しいのは誰だ?」

パラドックス「時械神たちと共に暮らしているZ-ONEだ」

アポリア「馬鹿な!? 確かに胸に一撃を食らわせたはず!?」

パラドックス「カードが盾となってしぶとく生きながらえたのだ」

アポリア「くそっ…、こうなったらもう一度だ!」

アポリアは今度はホセに化け、G・ヘカトンケイルに乗って再び時械神たちの家に行きました

ホセ「ご老人よ、助けてくれ…私のバイクが動かなくなったのだ」

Z-ONE「申し訳ございませんが他を当たってください、私にとって外は危険なので」

ホセ「そうですか…、これは困った…早く孫のためにプレゼントを届けなければいけないのに…」

Z-ONE「…」

心の優しいZ-ONEは流石に可愛そうだと思ったのでホセのバイクを直そうとしました

Z-ONE「どこの調子が悪いのですか?」

ホセ「そこのタイヤのあたりです」

Z-ONE「どれ?」

ホセ「今だ!」ポチッ

ギュイイイイイイイイイイイイイイン!

Z-ONE「な、なんだ!? うわああああああああ!!!!!」

ホセはリモコンを押して、G・ヘカトンケイルを遠隔操作で動かしました

そして修理をしていたZ-ONEはG・ヘカトンケイルのタイヤに巻き込まれ

腕が一本千切れてしまい倒れてしまいました

Z-ONE「ううっ…」バタリ

ホセ「Z-ONEよ、安らかに眠れ」

ホセはそういい残してG・ヘカトンケイルに乗って帰りました

夕方になって、時械神たちは家に帰って来ましたが、またZ-ONEが倒れているではありませんか

時械神たちは心配しましたが、Z-ONEはいきなり起き上がりました

千切れた腕は義手だったので、幸い命に別状はありませんでした

Z-ONEはすぐに腕を修理して、すっかり前の調子に戻りました

Z-ONEは再び今日のことを教訓に、うかつに人助けをしないように決めました

一方アーククレイドルでは、確認のためにアポリアが再びパラドックスに言いました

アポリア「パラドックスよパラドックスよパラドックスさん、この世で一番美しいのは誰だ?」

パラドックス「巻き込まれた腕が義手だったため命からがら生き延びたZ-ONEです」

アポリア「何!? あれでもまだ生きているのか!?」

アポリア「おのれ…こうなったら最後の手段だ!」

アポリアはプラシドに化け、T・666に乗って時械神の家に行きました

そして時械神の家の前に来たプラシドはプラ執事に化けて言いました

プラシド「美しいお爺さん、お飲み物はいかがですか?」

Z-ONE「申し訳ありませんが、私を狙う人物が最近出没しているのでうかつに受け取れません」

プラシド「安心してください、毒など入っていません」

プラシドはそういいながらポットの中にあるコーヒーをカップにいれ、Z-ONEの前で飲みました

プラシド「ね、毒なんて入ってないでしょ」

Z-ONE「確かに入っていませんね、わかりました、それではいただきましょう」

プラシドは新しいカップを用意して、Z-ONEにコーヒーを渡して飲ませました

Z-ONE「う"っ…」バタリ

Z-ONEは死んでしまいました

新しく用意したカップの底に毒が含まれ、コーヒーで毒が溶けたのです

そのコーヒーを飲んでしまったZ-ONEは、命を落としてしまったのでした

プラシド「クックックックックッ…」

プラシド「フハハハハハハハハッ! どうだ、ざまあみるがいい!」

プラシド「これで今度こそ邪魔者は消えた、この世で最も美しいのは私一人だけになったのだ!」

プラシドはT・666に乗って有頂天になりながら帰りました

夕方になって、時械神たちは家に帰って来ましたが、またまたZ-ONEが倒れているではありませんか

びっくりして、かけよってみれば、Z-ONEの口からは息一つすらしていません

時械神たちは、Z-ONEを、生き返る方法はないかと探してみたり

死者蘇生を使ったりしましたが、なんの役にもたちませんでした

時械神たちが大切に面倒を見ていたZ-ONEは、本当に死んでしまいました

時械神たちは、Z-ONEの体を、ガラスの棺に入れ、丘の上で三日三晩泣き続けました

ある日のこと、王子アンチノミーがデルタイーグルに乗りながら森の中で迷っていました

アンチノミー「まいったな…、すっかり迷ってしまった…」

アンチノミー「ん、あれは?」

アンチノミーは丘の上の、時械神たちと彼らが囲んでいるガラスの棺に目をとめました

近よってのぞきますと、じつに美しい美しいZ-ONEの体が入っています

アンチノミー「なんて綺麗なんだ…」

アンチノミー「そこの時械神たち、このZ-ONEの遺体をこのカード全部と交換してくれ!」

時械神たちは当然断りました

アンチノミー「交換がダメなら言い値で買おう、いくらだ!?」

時械神たちは、世界中のお金を頂いても、こればかりはさしあげられませんと答えました

アンチノミー「ああ…、そんな…こんなに美しいのに手に入れられないなんて…」

アンチノミー「せめて口付けだけでも許可をしてくれないだろうか?」

時械神たちは相談して、それならいいと許可をしました

アンチノミー「Z-ONE…」

チュッ

Z-ONE「ゲホッ、ゴホッ…! 何なんですか一体!?」

アンチノミー「目が覚めた…奇跡だ!」

アンチノミーのキスのおかげで、体の中にあった毒はコーヒーごと吹き出し、Z-ONEは生き返りました

当然アンチノミーや時械神も喜びました

アンチノミー「Z-ONE…僕は君に一目ぼれをした、僕のお嫁さんになってください」

Z-ONE「あなたは私の命を救ってくれました…喜んであなたと共にいましょう」

こうしてZ-ONEはアンチノミーと一緒にネオ・ニュー・アーククレイドルにいきました

そして、ふたりの結婚式は盛大に行われました

ちなみにこの結婚式にはアポリアも招かれることになりました

アポリアは美しい服をきて、パラドックスの前にいって、尋ねました

アポリア「パラドックスよパラドックスよパラドックスさん、この世で一番美しいのは誰だ?」

パラドックス「生き返ってこれから結婚式を行い生涯幸せに暮らすことになったZ-ONEが一番美しい」

アポリア「何いいいいいいいいいいいいいい!?」

アポリアはZ-ONEが生きていたことを知り、さらに自分よりはるかに勝ち組になったという

今明かされる衝撃の真実を知ってしまい絶望してショックで死んでしまいました

パラドックス「アポリアよ、これが絶望だ ターンエンド」

アポリア「それは私のセリフだ………うっ…」バタッ

こうしてZ-ONEはアンチノミー、そして一緒にすごした時械神と共に末永く幸せに暮らしましたとさ

おしまい

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