明石「できましたよ提督!入渠の効果を飛躍的に高める入浴剤です!!」 (185)

提督「なに!?それは本当か!」

明石「はい!これを使えばどんな大型艦の大破でも数時間以内に収まります!」

明石「しかもそれだけじゃありませんよ?高い薬効により知らず知らず溜まっていた疲労もすっきり」

明石「入渠上がりにはみんなキラキラ間違いなしです!」

提督「凄いじゃないか!よくやった!」

明石「と、いうわけで商談に入りましょうか」

提督「……まあ、そうなるよな。お前なら。うん。わかってた。わかってたぞ俺」

明石「そうですねぇ。この鎮守府ドックに課金してないから2つしかないし、入渠待ち意外といますからねぇ」

提督「まあ、主要艦隊にはどうせバケツ使うしな。小破くらいならお前が直してくれるし」

明石「なので、1回分5000円くらいにしておきましょうか」

提督「いや高えよ!?なんだそのぼったくり設定!」

明石「そうですか?でも一回くらい試しにどうでしょう。最初なのでお試しってことで無料で差し上げますよ」

明石「一度使っていただければ、提督もこの入浴剤の良さがお分かりになるはずです」

提督「そんなことされても追加購入はあり得ない値段設定だが…まあ無料ってんなら一回くらい使ってみるか」

明石「ふっふっふ。ありがとうございます~!」

提督(しかし珍しいな。金の亡者なうちの明石が試供品とはいえ無料で商品をよこすなんて)

提督(よほど自信があるのか?)

提督「まあ考えても仕方ないか」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1421193177

注意

R18っぽい!
エロパートは地の文あるっぽい!
手の空いてる時にボチボチ書くから1日通してめっちゃ不定期更新っぽい!
百合もノーマルもホモももしかしたら全部あるっぽい!
あとキャラ指定の安価とか取るかもだし取らないかもしれないかも!
ぽいぽい!ぽい!

提督「ってなわけでお前たちには入渠の際にこの入浴剤を使用してもらう」

大鳳「はあ」

瑞鳳「それは別にいいけど、どうして私達なの?」

提督「ちょうど次のドック入りの順番がお前らだったってだけだ。他意はない」

大鳳「明石さんの作った入浴剤ですか…」

提督「ああ。なんでも入渠時間を短縮してくれる上に疲労も取り除いてくれるそうだ」

瑞鳳「うーん…ちょっとやだなぁ」

大鳳「怪しいわ…何が原料なのかしら」

提督「まあそう言うな。あいつだって商売なんだ。仲間に変な物は使わせないだろう」

瑞鳳「…」

大鳳「…」

提督「何故黙る」

瑞鳳「だって、ほら。あの人結構…」

大鳳「控えめに言って金の亡者よね」

瑞鳳「提督、今までにあの人にいくらくらい毟られた?」

提督「やめてくれ瑞鳳、その質問は俺に効く」

大鳳「ちなみにその入浴剤はいくらだったの?」

提督「1包5000円…」

大鳳「入浴剤に!?」

瑞鳳「提督、いくらなんでもそれはぼったくりだよぅ!」

提督「け、けど今回だけは無料って言ってくれたし…」

瑞鳳「あとから高いの色々勧められるやつだこれ!」

大鳳「提督。悪いことは言わないわ。やっぱり今のうちに返品してきたほうが」

瑞鳳「同感。今回ただで貰った引け目に付け込んで他の商品勧められたら断どうする?」

大鳳「貴方、そういうの断りきれないでしょ?」

提督「わかってんだよ…俺が明石にとっていいカモだってことくらい…」

提督「とにかくだ。今更返品はできん。それに明石が5000円で売る価値があると判断したものだ」

提督「それだけの価値がきちんとあるというのなら、効果を確かめて、それから判断しても遅くはないだろう?」

瑞鳳「まんまと乗せられてるような…」

大鳳「呆れた。こうなると頑固なのよね。いいわ。使いましょう」

瑞鳳「大鳳さん!?」

大鳳「でも私達が試してそれだけの価値があると思えなかったら、絶対に追加注文はさせませんから」

大鳳「勿論他の商品を勧められても買っちゃダメよ!」

瑞鳳「しょうがないなぁ…」

提督「すまない。助かる。では、使用後に報告書の形で提出してくれないか?」

大鳳「たかが入浴剤にそれは大袈裟な気もするけれど…仕方ないわね」

瑞鳳「入浴剤に報告書…何書けばいいんだろ。使用感とか?」

提督「その辺は任せる。これが問題の品だ」

大鳳「確かに受け取りました。ではそろそろドックに向かわせていただきます。失礼します」

瑞鳳「し、失礼します!」

提督「ああ…」

入渠ドック

大鳳「と、いうわけでドックまで来たけれど」

瑞鳳「明石さんの入浴剤かぁ。どんなのだろう?」

大鳳「わからないわ。一応用心に越したことはないから気をつけてね」

瑞鳳「はーい。うう、緊張するよぅ」

大鳳「ふふ。脅してごめんなさい。でも、考えようによっては一回5000円もする高級入浴剤を使えるのだから、幸運なんじゃない?」

瑞鳳「うーん。言われてみればそうかなぁ」

大鳳「そうよ。こんな幸運早々ないわよ?だって、こういうの普段なら時雨さんや雪風さん、瑞鶴さんのものじゃない」

瑞鳳「…確かに。それに私お風呂大好きだし、高級入浴剤には興味あるかな」

大鳳「でしょ?」

瑞鳳「えへへ…偶然だったけど、役得…かな?」

大鳳「そういうことね」

大鳳「一応使用方法を確かめて見ましょう。えっと、入渠施設にこれを一袋入れればいいだけね」

瑞鳳「他には他には?」

大鳳「必ず二人以上で使用すること…これはどういうことかしら?」

瑞鳳「高級品だから一人で使うのは勿体無いってことかな?」

大鳳「なるほど。意外に良心的なことを書くわね。明石さんったら」

瑞鳳「それより早く開けましょうよぉ。寒くなってきちゃったもん」

大鳳「それもそうね。さあ、それじゃあ入れるわよ。まずは包装を切って…」ピリッ

瑞鳳「粉ですね。普通に見えるよ?」

大鳳「香りは…桃ね。いい匂い…」クンクン

瑞鳳「大丈夫そうじゃない?」

大鳳「そうね。じゃあ入れるわよ?」

瑞鳳「なんだかわくわくするねー」

大鳳「えいっ!」サラサラサラ

瑞鳳「お風呂の色は乳白色…と」

大鳳「お湯に溶けると甘い匂いが更に広がるのね…」

瑞鳳「それじゃ、入ろう?」スッ

大鳳「ええ」サッ

ヌチャッ

二人「!?」

明石製入浴剤使用報告書
作製 大鳳型1番艦装甲空母大鳳

入浴剤をドックに入れるとすぐに瑞々しい桃のようないい香りがふわりと鼻孔を満たしたわ。
お湯の色は乳白色。ただ、その時は深く考えなかったけれど、その時点ですでに少しだけ違和感があった。
それの正体気付いたのは二人とももう少し後のことだったけれど。

粉末状の入浴剤を入れてすぐ、いい加減ドックの寒さに耐えかねた私達はすぐにお風呂の中に浸かることにしたわ。
いつもよりも身体にお湯が絡みつく感覚がして、身体の芯まで温まる感じに思わず顔が綻んだ。瑞鳳さんも緩んだ、とろんとした顔で嬉しそうに笑っていたわ。

ゆっくりと湯に身を浸しながら、まだ十分にお湯に溶け切らず湯面に浮いていた粉を腕で混ぜようとして、思わぬ抵抗を感じて驚いた。
ヌチャッ。一掻きするとそんな音がして、混ぜた後がいつの間にかお湯がヌルヌルと光る粘液に変わっていることに気が付いた。

「えっ!?」

瑞鳳さんもその音をす聞いて驚いたようね。混乱したように私に状況を尋ねてきた。

「た、たたた大鳳さん!?どうしたの?それ!」

「どうと言われても…存外にとろみのあるお湯に変わるのね」

まだ状況を理解していなかったのもあるけど…我ながら呑気な返答だったと思うわ。
でも、たまにお湯がとろとろになる入浴剤ってあるじゃない?その時はそういうのだと思ったのよ。

「とろみって、そんな次元じゃないレベルでネバネバしてきてません?それになんか、お湯がちょっと透き通ってきたような…」

「…」

瑞鳳さんの指摘通り、さっきまで乳白色だったお湯が、粉が溶けていくにつれて段々透明になってきた。
でも、色は白いまま。最終的には濃くて白濁の、その…

「…なんか、前に空母のみんなで見たえっちなビデオの、精子みたいな」

「こ、こらっ!そういうこと言わないの!」

瑞鳳さんがぽつりと呟いた下品な喩えを、思わずたしなめました。
でも、言われてみれば確かに少し前の空母の飲み会で見た(持ってきたのは飛龍さんです)アダルトビデオの男優の
アレから出たソレに、見た目がそっくりで…

「なんだか変な気分になっちゃうからそういうこと言わないでよ」

「ごめんなさい…」

まるで自分たちが熱い精液で満ちた浴槽に浸かっている錯覚を覚えてしまったの。
今思えば、いくらなんでもお風呂の色や様子だけでそんなことを考えてしまっている時点で何かがおかしかったのよね。

「ど、どうします?出ます?」

「ううん…けれど、流石にまだ傷は癒えていないわ。それなのに出るのは…」

「それはそうですけど!でもなんか変ですよこれ!」

「とにかく、体調が悪くなっているわけではないわよね?だったらダメよ。途中であがるのなんて」

「けど…」

「それとも提督にこう報告するの?まるで精液に浸かっているようで気持ち悪いので使用を切り上げました。って」

「…うう」

「気持ちはわからないでもないけど、一度請け負ってしまったのだから最後までちゃんと試して報告しましょ?」

「わかりましたよぅ…」

「そう。いい子ね」

つまりこれは私の失態です。
ここで瑞鳳さんの言うとおり使用を中止していればあんなことには…
なので、可能ならあの子には処分は下さないであげてください。
罰を受けるのは私だけで十分です。それだけのことをしました。
これ以上彼女を傷付けたくありません。
どうかお願い致します。

それからしばらく二人、なんとなく会話がしづらくなってじっと湯に身体を預けながら無言で過ごしました。
正直なところ、入浴剤としての効果が優れたものであるのは確かだと考えられます。
粘度が明らかに高いことと見た目を度外視すれば、
いつもの入渠に比べて明らかに身体の温まり方が優れていたし、汗の出方も素晴らしく、また香りも華やかで心地よくリラックスできました。
 
けれどいい加減沈黙に耐え難くなって、瑞鳳さんに適当な会話を切り出そうとしたところでまた異変が起こったわ。

「ねえ、ところで瑞鳳さん……っ!?」

「はい?」

瑞鳳さんが、とても可愛らしく見えたの。

それもただ可愛らしいというだけじゃない。
それを言うなら彼女はいつだって可愛らしい女性ですから。
でも、ここで言う意味は、違った。

「どうしました?大鳳さん」

潤んだ瞳。熱った頬。暑さの為かぷっくりと膨らんだ紅く小さな唇は半開きになって、舌っ足らずな声で喋る度ちらちろと可愛らしい舌がこちらを覗いている。
額にじっとりと滲んだ玉のような汗が絹のように白く細い肩に一滴垂れ落ち、つぅ、とガラス細工のように儚い曲線を描いて湯気立つ半透明な白濁液に流れ落ちて溶けていった。

「…」
 思わず息を飲んだ。
綺麗と思ったの。それ以上同じ女性として思わず嫉妬してしまうくらい。
でも、それ以上に、欲情してしまった。
そんな自分に戸惑ったりもしたわ。

「大鳳さーん?」

そんな私の心などわかる知る由もなく…
瑞鳳さんは小鳥のように愛らしく首を傾げ、溶け切った笑顔で私に笑いかけた。

「えへへ。このお風呂、最初はちょっと気持ち悪かったけどぉ~」

舌っ足らずに。無邪気な笑みで。

「なんだかんだきもちひ~ねぇ~」

しばらく来れないっぽい!

(なんなのよこれっ!?)

鈍い私にも、自分がどうかしていることはすぐにわかったわ。
でもそれが何故なのか、明らかにあの入浴剤が原因だというのに、その時は思い当たる余裕さえなかった。
混乱の果てに、結局はただただそこにいる天使のように愛らしい女性の姿に見惚れ、それ以上の疑問を放棄してしまっていた。

「どうしたの?のぼせちゃった?」

心配そうに形の良い眉を寄せ、私の顔を覗き込む彼女。
そんなことを尋ねてきた自分こそ、熱いのか、火照った顔で「ほぅ…」と息一つ。
色っぽいため息で私の顔を甘く熱っぽくくすぐっていったくせに。

そんなことをされて衝動的に襲いかからなかったのは、まだギリギリ理性が残っていた故かしら?
あの時の気持ちの昂ぶり様を思い返せば、自分でも不思議なくらいよ。

「な、なんでもないの。ごめんなさい」

「ううん。大丈夫ならいいの。ただ」

「ただ?」

「ちょっと心配だったから」

そこまで言って瑞鳳さんは、自分の台詞に照れたのか急に俯いたわ。
そしておもむろに粘液になったお湯を手で掬い、顔を洗い始めた。
顔の汗が目に入りそうだったから、それを洗い流そうとしたのかしらって、その時は思ったわ。

で、再び顔を上げたあとは、まだあどけなく綺麗な顔が糸引く白濁で染まってた。
その顔でまた、今度は少し嫌そうに、笑ったの。

「って、うえ~っ。やっぱりちょっと気持ち悪いかなぁ」

邪気の無い笑顔に、私も少し笑った。
でも同時に、顔が汚れたのならもう一緒、とでも言わんばかりに大胆に粘液で遊び始めた瑞鳳さんにぎょっとした。
だって、テラテラと光る液体がこびりついた手で、その柔らかそうな髪をかき上げたりし始めてしまったんですもの。

「瑞鳳さん。大丈夫?折角綺麗な髪なのに、粘液でグチャグチャよ?」

「ふふっ。気持ち悪いけど、気持ちいいよ。大鳳さんもやってみればいいのに」

「…ちょっと勇気が湧かないわね」

これは本心。
なんとなくね。感じていたの。
一度汚れてしまったら取り返しが付かないんじゃないかって。
歯止めが効かなくなってしまうんじゃないかって。

でも瑞鳳さんはそんな私の拒絶が気に食わなかったみたい。
こちらの気持ちなんかお構いなし。
可愛らしく頬を尖らせた後、悪戯を思い付いた子供みたいに笑って…

「えいっ!ざっぱーん!」

「きゃっ!」

静かに湯船から立ち上がって、それから急に倒れ込む。私の方へ向かって。

「なにするの!」

「あはは。大鳳さんも折角だから楽しもうよぉ」

曰く。
気持ち悪がってばかりでもつまらない。
だからどうせならこの変なお風呂を遊び倒しちゃおうよ。なんてね。
まったく。泥んこ遊びする子供じゃないんだから…

ところで、この報告書を読んでいる提督はもちろん気付いているとは思うけれど…
この時、瑞鳳さんもすでに少しおかしいテンションだったのよね。
なんていうか、いつもより自由というか。幼いというか。

本人に確認してみたところ、彼女もやはり、粘液に浸かって少ししたあたりから
むらむらしていたというか、エッチなら気分になっていたそうよ。
彼女も私の身体に欲情して困惑していたらしいわ。
それ故の誤魔化すためのハイテンションだったのかもしれないわね。
まあ、彼女の場合私よりも積極的だったというか…それは、まあ、後述するけど。

ともかく。

瑞鳳さんの捨て身の攻撃を受けた私は、飛び散ったお湯をしこたま顔に浴びてしまったわけ。
ついでに言えば抗議の声をあげたせいでだらしなく口を半開きにしていたために、しこたま飲み込んでもしまったわ。

桃の華やかな甘い香りとは裏腹に結構苦くて…まあ、入浴剤なんだから当然なのかもだけれど。
そして何より熱い上にドロドロしていて付いたところにへばりつくのよ。
そのせいで喉に入った粘液が吐き出そうにも吐き出せず、かと言って飲み込もうにも飲み込めず…
ひどい目にあったわ。思わず何度もえづいてしまったくらい。
みっともないったらないわ。

「ぷはっ!うえっ!けほっ。けほっ」

「あちゃあ。もしかしてお湯が口に入った?ごめんねぇ」

「もうっ!はしゃぎ過ぎよ!?ああもう、折角首から上は付けないようにしてたのにおかげで濡れネズミだわ」

「あははは!大鳳さんの顔、凄いことになってるよ?口や鼻から白いの出てるし、顔も髪もドロドロの白濁まみれ。涙目だし。なんだかエッチなんだぁ」

「誰のせいかしら」

「えへっ」

「まったく……」

「ごめんね?許して?」

「そうね……どうしようかしら」

ぬるりとしたお湯をかき分け、半笑いで近づいてくる瑞鳳さんの顔を見た。
湯面に飛び込んだだけあって、彼女の顔にも白濁はドロドロとこびりついていたわ。
目に入らないよう拭っても、粘性のあるその液体は拭った先である彼女の手の先と糸で繋がっているだけだった。

「これ、あとでシャワーで落ちるかな?」

「落ちなかったら大変ね。……瑞鳳さんこそドロドロで目も当てられないわ。まるで妖怪ね。妖怪濡れ女」

「えー?それ酷いですよ!」

「ふふ。ごめんなさい。傷ついた?」

「ううん。平気です」

それから、瑞鳳さんは少しだけ顔を伏せた。
でもそれは一瞬の出来事で、すぐに顔を上げ、こう言ってきたの。

「ねえ。もう少し、そばまで行っていい?もうなにもしませんから」

「……仕方ないわね」

下から上目遣いで覗き込むように懇願されて、私は断りきれなかった。
あの子ったら、いちいち仕草が愛らしいものだから。
この時点で私は彼女も自分同様に相手に発情してたなんて知らなかったし、理性を留めるのに必死だったわ。

裸のあの子が自分の近くに来るって考えただけで胸が苦しくなったし、とてもつらかった。
欲望に負けて変なことをすれば、きっと怖がられてしまう。それに、一度手を出してしまったら自分がどんなことをするのか予想もつかなかったから…
可能な限り平静を装っていたけれど、きっとあの時の私の挙動は随分と不自然だったでしょうね。

「えへへ……ぴとっ♡」

「っ!」

私の許可を得た瑞鳳さんは、そんな私の心をまるで全て見透かして弄ぶようだったわ。
本人から言わせれば不自然でないようにスキンシップすることでせめてもの性的欲求を満たしたかったらしいけれど、そんなの私にはわからないことですもの。
だから彼女が私の左隣までやって来て、同じ向きを見て座り、右肩を私の左肩に控えめに当てて来た瞬間、私は死んでしまうんじゃないかと思った。

瑞鳳さんの肌が私の肌に当たっている。
それを悟った瞬間、リラックスしていたはずの全身の筋肉が緊張で一気に強張った。

「うわぁ。やっぱり大鳳さんのお肌、すべすべだぁ」

「何をやっているのかしら?」

なんとか絞り出した私の声は、震えていたわ。
どうしても彼女の肌の感触を意識してしまう。信じられないほど滑らかで、温かくて、柔らかかった。
抗いがたい衝動に駆られ、押し倒してむしゃぶりついてしまいたいという欲求でどうにかなりそうだった。

「ん~?スキンシップですよぉ。祥鳳姉ともよくこうやってお風呂でくっついたりしますし」

「わ、私は祥鳳さんではないのだけど」

「でも、大鳳さんって装甲空母だしなんとなく目上って感じするんだもん。鳳繋がりで名前も似てるし」

「やめてよ。そんな理由ってないわ」

「大鳳さんは嫌?こうやって触られるの」

「嫌ではないけれど……」

下心は感じない動き。今度は背中に回って、後ろから抱きしめられた。
まるで妹が姉に甘えているような行為に感じられたわ。
だからこそ拒絶できなかった。だからこそ行為を受け入れることを自分に許してしまった。

『スキンシップなら拒絶するのも可哀想』なんて言い訳してね。
瑞鳳さんの控えめな乳房が、それでも柔らかく私の背中に当たり、形を変えるのが感じられたから。

「ふふっ。大鳳さん♪」

「なによ。もう。今日の瑞鳳さんは甘えん坊ね」

呆れた風な様子を装い、肌に当たる瑞鳳さんの身体に意識を集中していた。
あの子の身体…信じられないくらいに柔らかくて気持ち良いから。

すると耳元で、まるでミルクセーキみたいに甘い声で、瑞鳳さんが囁くの。

「大鳳さんって、思ってたよりずっと女の子らしい身体してたんですねぇ。かわいい♡」

「ふーっ」と、耳に甘い息が届いて、あまりのくすぐったさに私は小さく悲鳴をあげてしまったわ。

「ひゃっ!ど、どういう意味?」

確かにくすぐったくはあったけれど、聞きようによっては結構失礼な彼女の言葉に、私はそちらを聞き返すのを優先したの。
するとまた、さっきの甘い声で鈴を転がしたみたいに笑って、「ああ、別に悪い意味じゃなくて」って。

「大鳳さんって、いつも身体を鍛えてますからもっとゴツゴツした身体してると思ってたんです」

「そ、そうなの?確かに身体は凄く鍛えてる自信はあるけれど…」

「ええ。でも、さっきお風呂に入る前から見てて思ったんですけど、想像してたよりずっと女の子らしい身体だなって」

「…もしかして私、やっぱり馬鹿にされてる?」

「違いますよー!」

「でも…」

「つまりそれは、綺麗ってことです!」

「…」

絶句してしまった。
それこそ、私から見て天使か女神くらいにしか見えないような少女にそんなことを言われてしまってはね。
だから余計なことを口走ったりもしたわ。

「け、けどやっぱり戦士としてはその評価は喜んでいいのかわからないわ。女性らしいということは、まだまだ鍛え方が足りないということだから…」

「そんなことないですって。大鳳さんの身体は、鍛えられた女性アスリートの美しさです!ほら、例えばこのお腹なんか」

「ひゃっ!?」

そう言ってニコニコしながら私のお腹に手を回す瑞鳳さん。
いつの間にか後ろから抱きかかえられているようななっていたので、抵抗しようにも出来なかった。
ゆっくりと擦るような手つきで私のお腹を撫でまわし、硬いですねーなんて言っていたわ。

「ちょ、瑞鳳さん?いい加減に…」

「それにこの太ももも。しっかり引き締まってて素敵ですよね」

飛龍さんみたいにむっちりしてるのも憧れますけど…なんて言いながら今度は太ももまの内側まで手を伸ばして撫で回される。
お湯の中で触られるものだから、粘液が摩擦を軽くしてつるつると滑るせいで変な気持ちになってきてしまう。

「んっ…!だからね?瑞鳳さん…!あの…!」

「あとは、首筋とかも。首って結構鍛えるの難しいんですよね」

つつっ…と人差し指で首筋をなぞられて、また短い悲鳴が出た。

「んふっ……!」

「ふふっ。大鳳さんかわいい♡本当、女性として憧れちゃうなぁ」

瑞鳳さんの声がサディスティックな響きを帯びてきたのに気付いて、まずいと思った。
気付いたの。彼女も私と同じだったんだって。彼女は私に欲情している。

そして私は彼女に背中から捕まえられており、無防備な肢体を好き勝手に弄くり回されている。
それを認識した瞬間、まるで電流のような衝撃が背筋を走った。

「……っ!!はふっ!!」

「おしりもぷりっぷりで、ね?大鳳さん。……大鳳さん?」

「はぁ……はぁ……はぁ……!!」

太ももを這っていた瑞鳳さんの手がいつの間にか移動し、その指におしりを優しく揉まれたのと同時…
私は、生まれて初めて達してしまった。

寝るっぽい!
スマホとPCでなんか文体違うっぽい?
何もかもPCの音が出なくてやる気でないのが悪いっぽい!
なんでっぽい!!?

「っはぁっ…!ふぅっ!ふぅっ!」

瑞鳳さんは私の様子にすぐに気付いたわ。
激しく息を吐き小刻みに震える私から一旦手を離し、それからすぐに背中を包み込むように抱きしめてきた。

「…ごめんね?大鳳さん。いきなり、びっくりしたよね?」

申し訳なさそうに少し怯えた声で謝る彼女に、何か声を掛けてあげたかったけど、その時の私にはそんな余裕はなかった。
弾けそうに早鐘を打つ心臓の鼓動が収まるのを祈りながら、灼熱のようにのぼせそうな頭を冷ますのにただただ必死で。

「ごめんなさい、大鳳さん…」

その様子を私が怒っていると捉えたのか、捨てられた子犬みたいな泣きそうな声で、もう一度瑞鳳さんは謝罪した。
その声を聞いて私の中でむらむらととてもドス黒い感情が鎌首をもたげてきたの。
嗜虐心よ。

この可愛らしい生き物を滅茶苦茶にしてしまったら、どれだけ気持ちいいのだろう。
無理やり引き摺り倒し、その肢体を貪り食えば、どんな顔で泣いてくれるだろう。
彼女の甘い声に快楽に魘された悲鳴をあげさせたら、それはどれほど耳に心地よいだろう…って。
最低に醜いわよね。

でも、私はその欲求に素直に従うことにした。

「…まったく。驚いたわ」

そう言ってやんわりと身体に絡む瑞鳳さんの腕を引き剥がした。
拒絶しているのだと感じさせないように優しくね。

それからゆっくりと体を反転させ、彼女の正面を向いた。
10センチも離れていない場所にしゅんとした顔があって、すぐにでもキスをしたい気分だった。

けれどそんなことはしなかったわ。なんとか我慢した。
お風呂の中でそれをしてしまったら、なし崩しにその先のことまでそこで始めてしまって、危ないことになりかねないもの。
だから…

「いけない子ね」

私は意地悪くそう告げて、瑞鳳さんに浴槽から上がるよう指示をした。

提督は男性だからご存知ないかしら?
私達艦娘が入渠用ドックとして使用している浴槽は、堀り込み式になっていてね。
浴槽から溢れた白濁液でベタベタになった湯べりに、これまた白濁液塗れの瑞鳳さんが怯えながら上がるのよ。
それから立ち竦んだまま私の様子を伺う彼女を見ると、ドロドロの液体が全身から滴り落ちて、
今にも泣き出しそうな表情と相まって、まるで集団強姦にでもあったかのようだったわ。

自分がこの女性にこんな表情をさせているんだって思ったら、言いしれない背徳感と満足感があった。
くせになりそうだ。って、思ってしまった。

次に、湯べりに仰向けに寝転がるよう指示をした。
私が急に怖い雰囲気を出し始めて、萎縮したんでしょうね。
恥ずかしがって身をよじらせながらも、私がそれ以上何も言わずに彼女を睨んでいると
やがて諦めたように渋々指示に従ったわ。

「いい子よ」

それだけ言って、私も立ち上がり浴槽を出た。
身体から重い白濁液が垂れ落ちて、いくつもの粘ついた糸を引く。
くすぐったかったわ。

「大鳳さん、ごめんなさい…」

そんなことを言いながらも、きっとこの時点で彼女も気付いてた。
私が彼女同様、相手に発情していたということを。
だってそう言った時、彼女の目がとろりと潤んでた。
私を怒らせてお仕置きを受ける、なんてシチュエーションに、自分から酔っていたんだわ。

腰を落とし、湯べりに寝そべる瑞鳳さんの両耳の脇に手を付いて、四つん這いになった。
手のひらに白濁で濡れた床の感触が伝わる。ぐちょりと下品な湿った音が聞こえたわ。
まるで無理やり相手を組み伏せたみたいなその態勢で、彼女の顔を見下ろして目をじっと見た。
私の身体にこびりついていた粘液が重力に従って少しずつ瑞鳳さんの肢体に垂れ落ち、糸を引く。
お互いの息遣いがはっきりとわかるくらいに二人の距離は近づいていたわ。

私の額から生じた汗が鼻筋を伝たり、鼻先に達してから一滴、瑞鳳さんの頬に滴り落ちた。
瑞鳳さんはくすぐったそうに身じろぎした後、私の視線に耐えかねたのか、そっと顔を横に背けた。

「どこを見ているの?」

私はわざと冷たい声で、それを批難した。

「どうして私の顔を見れないの?」

「だって、近いですもん。それになんだか恥ずかしいし…」

後半は、消え入りそうな声でもごもごと。

「恥ずかしい?何が恥ずかしいのかしら」

「だって。こんな格好で…私達裸だよ?」

「入浴中なんだから当然ね。それに女同士。もう一度聞くけれど、裸で何が恥ずかしいのかしら?」

「…いじわる」

拗ねたような瑞鳳さんの可愛らしい台詞に、ついに我慢の限界がきた。

わかってたの。どうせこんな会話、どうせ茶番。
二人ともとっくにわかってる。
ただ、なんでもいいから理由が欲しかった。

これからなんの理由もなく相手と身体を重ねるための許可を、自分自身に与えるための、その他愛もない理由が。

特に不器用な私には、こうやってくだらない諍いを演じるくらいしかできなかった。

「意地悪?失礼ね。そんなことを言う子にはお仕置きが必要かしら」

私が『お仕置き』の言葉を口にすると、瑞鳳さんの喉からゴクリと大きく生唾を呑み込む音がした。
期待しているのね、と内心ほくそ笑んだわ。

「お、お仕置き、って、なんですか?」

わざとらしく怯えたように聞いてくる。私もわざとらしく演技を続けたわ。

「そうね。さっき私の身体を好きに弄繰り回してくれたわよね?まずはそのお返しをしておこうかしら」

「まずはって…ひぃあっ!」

瑞鳳さんが何か言おうとしたけれど、もう聞いてはいなかった。
問答無用で彼女の耳に齧りついた。
そのままクチュクチュとわざと下品な音を立てて咀嚼してやったわ。

「あふっ!ちょっと待…!やぁ…っ!」

すでに今の会話で、私の中の前置きの儀式としての演技は全て終わっていたから。
瑞鳳さんがもう少しそれをしたかったのだとしても、知ったことではないわ。

「ちょ、大鳳さ…!やだ…!」

「今更そんなことを言って、引き下がれると思う?」

「で、でも、だからって、もう少し優しく…!」

「十分優しくしてるつもりよ。これくらいで感じちゃうの?情けないわね」

「そんなこと…ひうっ!」

実際は耳を食みながらだからもっと不明瞭な言葉だったと思うけれど…
瑞鳳さんは面白いくらい感じて、身悶えしてくれた。

彼女の耳の溝から穴からなにもかもじっくりと蹂躙し尽くして、ひとまず満足したわ。
さっきまで彼女の耳にこびりついていた粘液も、苦かったけれど全部嘗め尽くしてね。
というか、白濁を私の唾液で上書きした事実に、信じられないくらい征服感を感じて、とても興奮してしまった。

だからこそ、白く染まった彼女の全てを私で上書きしたいと考えた。
耳から口を離し、今度は首に舌を這わせたわ。
瑞鳳さんは甘い吐息を吐いて、自分の指を咥えこんだ。
あんまり悲鳴ばかりあげるのが悔しいとでも思ったんでしょうね。

首筋をちろちろと蛇みたいに舌で舐めていると、彼女の白い肌からじっとりと汗が浮かび上がってくるのがよく見えた。
余りに凄い勢いで汗が滲み出るから、指摘してみたわ。

「凄い汗ね。汗っかきなの?」

「そんなっ…!ことっ…!ないっ…!です…っ!あっ!」

案の定、反論してきた。
だから私はしつこく意地悪な問答を重ねる。

「ふうん。だったらこれは嘗められてるせいかしら?気持ちいいの?」

舌を休ませ、わざと汗に鼻を近づけて匂いを嗅いでみた。
入浴剤の桃の匂いに混じって、微かに雌の臭いがしたわ。

「嫌っ!嗅がないでっ!」

「あらどうして?」

「だっ…てっ…んっ!汗臭い…っ!はうっ!」

「そう?いい香りよ。いやらしくて」

「そんな…こと…駄目ですぅ…っ!いやぁ…」

プルプルと身体を震わせていやいやをする。
愛おしくって、首筋に吸い付いてキスマークを一つ付けた。
痣を付けている間、「はふぅ…」なんて声をあげて、段々息が荒くなってくのが分かったわ。

「あら」

キスを終え、口を離そうとしたところで、いつの間にか瑞鳳さんの腕が私の首に絡み付いていたのに気付いたわ。

「そんなに良かったの?」

思わず私にしがみついてしまうくらい、気持ち良かったの?
そう尋ねた。すると彼女はか細い声で

「もっと…」

「なに?」

「もっと意地悪…して…」

堕ちるの早すぎよね?思わずわらってしまったわ。
でも、よくよく考えれば最初からどちらもその気ならこんなものなのかしら。
情事における二人の上下関係がはっきりした時点で、とっくに小芝居の役目は終わっていたわけだから。

あとはお互い、これまでで固まった役割を楽しむだけ。
私が彼女を犯す。彼女は私に犯される。同意の上でね。
だから彼女がもっとと言うなら、私はそのおねだりに従わなくてはいけない。

「仕方ないわね。わがままな子」

そう言って、今度は彼女の唇にキスをした。
苦いとは感じなかった。甘くて、さくらんぼみたいな甘酸っぱい味がしたわ。
当然のように舌を絡めて、そのまま相手の口内で唾液交換までした。

こんなシチュエーションじゃ少女漫画みたいにロマンチックとはいかず、
段々二人共鼻息が荒くなっていっていて、最後には獣みたいだったけれどね。

フレンチキスを交わしながら、彼女の体重がかからないよう立てていた膝を倒して、瑞鳳さんの身体の上に身を預けた。

首にしがみついていた瑞鳳さんの腕が私の背中に降りてきて、強く抱きしめられる。
引き寄せられ、より密着した身体はお互いの感触をより強く意識させられた。

私の控えめな胸に、瑞鳳さんの可愛らしい胸が押し潰されて形を変える。
小ぶりでも彼女の乳房は確かに柔らかかった。

私のただ硬いだけの腹筋と、瑞鳳さんのお腹が密着する。
とても熱くて、うっすらと割れた少女らしいすべすべのお腹。

私の筋肉質で太い脚に、瑞鳳さんの脚線美が下から絡みついてきた。
まるで蜘蛛みたいに絡んできたその脚の感触が、忘れられない。

全身に瑞鳳さんの身体の感触が伝わって、今、自分の下に瑞鳳さんがいるという事実がはっきりと認識できた。

床に着けて身体を支えていた腕を離し、瑞鳳さんの肩をゆっくりと擦る。
するとぬちゃりと白濁液が音を立てて彼女の身体を摩擦し、瑞鳳さんがまた気持ち良さそうに身体を震わせた。

そうは申しても風邪ひいて死んでるっぽい…

「ねぇ…大鳳さん……」

瑞鳳さんが私の下でもぞもぞと身体を揺すりながら甘えるように名前を呼んだ。

「今度はなにかしら?欲張りな娘」

「好き………です」

少し戸惑うような、遠慮がちな、それでもはっきりとした声でそう言ってきた。

「…まったく。自分が何を言っているか分かっているの?私達一応女同士なのだけれど」

こんなことをやってるくせに白々しい台詞。
あるいはこれも、役作りの一環のつもりだったのかしら?
よく覚えていないのだけれど、とにかく、探るように聞いてみた。

「それに、私達今までそんなに接点あったかしら?たまたまこんなシチュエーションになったから好きって、そんなのって軽過ぎない?」

それとも、肢体さえ重ねられれば貴女みたいな淫売はそれで満足なのかしら。
言葉に出せば自分にもとばっちりだから口には出さなかったけれど、そこだけは口で言わず、目で、言外にね。
そうしたら返ってきたのはこう。

「私にもわからないよぅ…でもぉ…」

泣きそうな声で、でも今はただ大鳳さんの身体が欲しいの…もっと、もっと…って。
そんな声を聞いたらもっと意地悪したくなるじゃない?

「なら私のことは別に好きではないの?」

「いじわるぅ…ぅぅう…!」

耐えるような声が、後半は悲鳴に変わったわ。私が首筋に吸い付いたから。
か細い悲鳴を頭の上で聞きながら、私も彼女のように身体をもぞもぞと揺らしてみた。
こうしたら彼女の身体と、もっと密着できる気がしてね。

「ふふ。ごめんなさいね。けれど、貴女こういうの好きなんでしょ?ねえ?」

「…」

しばらくして、ようやく首から口を離してから顔をあげてそう声をかけたわ。
返事は無かった。固く瞑られた目から大粒の涙が零れ、指を噛んで声を殺し、
真っ赤な顔で必死に浅い呼吸をして、ふるふると否定のために首を振るいる瑞鳳さんは、いじらしくて可愛らしかった。

「だってさっきもっと意地悪してって言ってたわ。今だって気持ち良さそうにしてる。それに…」

「もう言わないで…」

「こことか。月並みだけれど身体は正直じゃない?」

「ひうっ!」

二人で抱き合いながら身体を揺すっていると、相手とよりひとつになれた感覚を味わう事ができる。
瑞鳳さんの柔らかく華奢な身体でのそれはとても気持ちが良くて、激しい快楽と満足感を私に与えてくれた。
理性が飛びそうなほどの興奮。けれど、私にはそれよりやってみたいことがあった。

「んっ…はぁ…」

「ぃいいいいいっ…!ひっ!」

さっきからいやらしい言葉を瑞鳳さんに投げつけて、分かっていたことがある。
それは、彼女が私に責られている間、ずっと私の控えめな乳房の一部を擦り続けていた2つの突起が、どんどん大きく硬くなっていっているということ。

身を捩る瑞鳳さんの身体の頂点にあるそれに、私のそれを合わせたのなら、一体どれほど気持ちいいのだろうか。
それを試してみたかったの。

彼女の硬くなった乳首に私の硬くなった乳首を何度も執拗に擦り合わせる。

「んっ…いい…わ…!」

「んっ!くぅっ!」

瑞鳳さんは敏感な体質だって、よく分かるわよね。
声のトーンがより一層高く切なそうになった。

ただ身体を横に揺するだけじゃ芸がないと、乳首の先端に意識を集中して、そこを軸に色々試したわ。
相手の桜色で色素の薄いそれを、強引に押し潰してみたり、円を描いて擦り合わせてみたり、
滅茶苦茶な機動で捏ねくり回してみたり、触れるか触れないかのギリギリでゆっくりと輪郭をなぞってみたり。
その度に瑞鳳さんが甘い悲鳴をあげてくれるから、私もいつまでも止まらない。
もっとも、止めようにもいつの間にか瑞鳳さんの脚が私の腰に絡み付いていたので離れなかったでしょうけどね。

自分の乳首で相手の乳首を嬲るなんていうのも、変な体験よね。上体を動かして彼女の敏感な部分を何度も抉っていると
腰に絡む瑞鳳さんの脚の力がどんどん強くなってきた。
少し痛いくらいに感じ始めた時、興奮していたせいかそれがものすごく腹立たしく感じてね。
立ち膝を付いて身体に力が入るようにして、
絡みつく彼女の太ももの内側に腕をかけ、握った後が付くんじゃないかというくらい強く、力をかけたわ。
そこで彼女の顔を確認すると、痛そうに顔を顰めたあと、すぐに慌てたように私にそれだけは止めてくださいと叫んでいた。
自分がこれから何をされるかわかったのね。
だからその懇願は無視して、必死の抵抗も意に介さず、強引に太ももを引き剥がしてみせた。

少し距離が開いて、彼女がその時どんな体勢か、よくわかる。
仰向けに、みっともなく大股開きで腰をくねらせながら、私に観察されることを拒否して脚を閉じようとする。

「それにしても、綺麗に生えてないのね。処理しているの?それとも、元から?」

そんなこと私が許すはずもなく。
内ももをやんわり膝で抑えて質問をした。

「酷いですぅ…そこまでしなくてもいいじゃないですかぁ…」

「そうは言うけれど、トロトロじゃない。ここ」

呂律の回っていない声で抗議が返ってきたけれど、勿論気にも留めなかったわ。

「この中にこのお風呂の白濁を注いだら、どうなるのかしらね?もしかしたらできちゃったりして」

「たいほうさん…?」

「冗談よ」

つまらない自分の軽口を流して、トロトロと凄い勢いで愛液を垂れ流す瑞鳳さんの口に顔を寄せていった。

近づけ過ぎた鼻先が分泌し続ける愛液に触れて付く。そこでわざとらしく臭いを嗅いでみた。
残念ながら入浴剤の桃の匂いに紛れてあまり彼女そのものの匂いは感じられなかったけれど、
それでも興奮度は今までの比ではない。

「やだ…」

「さっきからやだばかりね」

それだけ言って彼女の子宮口に口付けて、止めどなく流れ出ている愛液を一気に吸いこんだ。

「はああああああっ!いやっああああっ!」

瑞鳳さんがあっさりと絶頂に達したのが分かったわ。
のけ反って、今日一番の悲痛な悲鳴があがった。
私はそんな彼女に一息つく暇すら与えずに手を伸ばし、暴れる彼女の顔を素早く固定した。
それからすぐにさっき吸い込んだ彼女の愛液を口移しで飲ませたの。

「んぐっ!?うぇっ…けほっ!」

気持ち悪がってえづく彼女を決して許さず、口内にあった分は全部飲ませたわ。

「ふぅ…」

全て明け渡してから口を離し、一息ついた私に瑞鳳さんは初めてちょっと本気で怒った声で抗議した。

「な、なにするんですか!」

「お裾分けよ」

「お裾分けって…!こればっかりはほんとのほんとに酷いです!大鳳さんだって…」

「さて」

遮った。

有無を言わせなかった。
彼女には忘れて欲しくなかった。
今この瞬間、私達の関係は、私が圧倒的上位で、彼女は下だということを。
例えそれがどれだけ理不尽な関係なのだろうと。

「ところで瑞鳳さん?さっきから私が貴女を気持ちよくしてあげてばかりなのだけれど…」

そこまで言って、立ち上がった。
無造作に数歩歩き、適当な椅子を拾ってきてまた瑞鳳さんの前に立つ。
見下ろす形になって、悔しそうに言葉を飲み込み私を見上げる瑞鳳さんに続きを告げる。

「そろそろ私にも奉仕して貰おうかしら?」

諦めたように何をするんですか?と尋ねてきた彼女に対し、私はほくそ笑んで身体を洗うように指示をした。
但し。

「しっかり洗うのよ」

「んっ…」

彼女の全身以外の道具を使用することは禁止した。

ちょっと待って。
今見直したら何これ。
何書いてるのよ私。
なんで私こんなにjwjt&apmgwaumpm

ああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!


没没没没没没没没没没没没没没没没没没没没没没没没没没没没没没没没没!!!!!!!!!


ああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!

馬鹿じゃないの!?
頭悪い!!!狂ってるわこんなの絶対おかしい!

ああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!
ああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!
ああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!

バカあああああああああああああああああああああああ!!!!!

バカ馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿!!!


処分!!!!!!!

書き直し!

私こんなのじゃないわ!!
こんなの報告したら私のイメージ崩れるし瑞鳳さんにも迷惑かけるし馬鹿!!!

書き直し書き直し書き直し書き直し書き直し書き直し!

ああああああああああああああああああああああああああああああああああもおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい





しにたい


明石「と、このような報告書が大鳳さんの部屋のゴミ箱から出てきました」

提督「あの二人が提出した報告書があいつらにしてはやけに適当かつ素っ気無かったのはこれが原因だったのか…」

明石「気持ち良かったけどもう買っちゃダメです。以上報告終わり。」

明石「そりゃこんな報告書、疑われるに決まってますよねー!あっはっは!!」バシバシ

提督「提督叩くな。なんか理由があるだろうってのは察してたんであえて聞かなかったんだがな…」

明石「いやぁハサミで細切れになった書類を復元するのには手間がかかりました」

提督「まさかそんなルートから真相が入ってくるとは思わんかった」

明石「凄い効果でしょう!?」

提督「凄いな!いろんな意味で!」

明石「で、お幾つ購入されます?」

提督「買ってたまるか!」

明石「ちぇー」

提督「まったく…!例の入浴剤は販売禁止だ!」

明石「えー!もう100ダースくらい作っちゃってるのに!?」

提督「なんでそんな作ってんの!?」

明石「だって自信作だったんですもん…」クスン

提督「凄い効果なのは認めるけどなぁ…でもなんつーか、むしろ効果が凄過ぎるっつーか」

明石「ちなみに人間にも深海棲艦にも効果ありますよ?人体実け…臨床試験済みですし」

提督「今、人体実験って」

明石「困ったなー。在庫どうしようかなー」

提督「捨てれ」

明石「いいんですか?捨てた先でどうなるか知りませんよ?」

提督「責任持てよ!焼却処分とか…」

明石「成分が気化してこの辺一体が…!」

提督「やっぱりやめろ!!」

明石「しかたないですね。分かりました。ではこの入浴剤は私が責任をもってきっちり処分させていただきます」

提督「当たり前だが…頼んだぞ」

明石「はい!」

提督(やけに物分りがいいな)

提督「まあ、頼んだぞ」

明石「了解しました!ではやることが出来ましたので、これで失礼します!」

提督「あ、待て。明石」

明石「なんでしょう?」

提督「まあ…その、なんだ。今回はあれだったが…また新作の面白い物ができたら教えてくれ」

明石「!」

提督「その…な。まあ、同情してるわけじゃないんだが、お前の開発したものは、基本的には嫌いじゃないから。また買ってやる」モゴモゴ

明石「…!はい!」

提督「あ、だからってあんまり変なものに金は出さんからな!!」

明石「任せてください!それでは改めて失礼します!」

バタン

提督「…ふー」

翌日
酒保

明石「はーいいらっしゃいいらっしゃい。新商品の入浴剤出来ましたよー」

明石「あっ、いらっしゃーい。新商品買ってかない?お薦めだよ」




今日は終わるっぽい
誰とか考えてないし適当に安価にするっぽい

ぽい↓3

秋月「はあ。新商品、ですか」

明石「そうそう。この入浴剤なんだけどね。何種類かあって、どれも凄く疲れが取れて」

秋月「それはいいですね。最近少し疲れが溜まっていましたし」

明石「おっ?ならいっちゃう?本来は入渠の時間短縮にって作ったものだけど、そういう用途も全然ありよ!」

秋月「でも、秋月は入浴剤なんてお洒落なもの使ったことありません…」

明石「なに言ってるの。こっち着任してお給金はそこそこ貰えるようになったんでしょ?たまには贅沢してもバチ当たらないって」

秋月「け、けど…」

明石「まあまあ。試しに一袋だけでも。ね?鉛筆おまけするから」

秋月「明石さんがそこまで言うなら…おいくらなんですか?」

明石「5000円になりまーす」

秋月「ごっ…!?」

明石「ん?どうしたの?」

秋月「ご、ご、ごせんえん!?い、いくらなんでもた、高すぎません!?」

明石「まあ入浴剤にしちゃちょーっと高めかなぁ」

秋月「一体どんな入浴剤なんですか…」

明石「ん?そうねぇ…ふふふ」

秋月「?」

明石「まあ、詳しい話は秘密にしとくけど」

明石「秋月ちゃんってさ、仲良くなりたい人とか、今いたりしない?」

秋月「はあ?」

明石「いや、ちょっと違うかな。仲いいけれど、今よりもっと親密になりたい人 、かな」

秋月「話がよく見えてきませんが…まあ、そういう人なら何人か顔が思い浮かびますが」

明石「なら、そういう人誘って一緒にお風呂入るといいよ。パッケージにも二人以上でって書いてるでしょ?」

秋月「本当だ…」

明石「んふふ。ちゃんと注意書き読んで守るんだよ。そうしたら、買って良かったって、絶対思うはずだから」

秋月「いつの間にか商談が纏まりつつある…」

明石「買わないの?」

秋月「あの、私は…」

明石「買うでしょ?買わないわけないよね?いっつもみんなの事必死に修理してるこの明石さんがこんなに推してるのに」

秋月「…買います」

明石「毎度!」

秋月「ううう…5000円でしたよね?はい、どうぞ…」

明石「あはは、ごめんごめん。駆逐艦の子からこんなに強引に毟っちゃ怒られちゃうし、3000円でいいよ」

秋月「あ、それくらいなら…すみません明石さん」

明石「ううん。いいのいいの。それじゃあ、よかったら使ったあとで感想ちょうだいねー」

秋月の部屋

秋月「冷静に考えたら入浴剤一袋3000円ってやっぱり高いわよね…」ズーン

秋月「…今から返すのも悪いし、折角だから使いましょうか」

秋月「えーと、使用方法。この袋1つで入渠用ドック一回分って…あんな大きな浴槽を?凄い…」

秋月「でも流石に普段使ってる大浴場に入れたら薄すぎるわよね」

秋月「お風呂の時、ドックが空いてるなら申請すれば使わせて貰えるんだっけ?でも…」

秋月「私の部屋、一人部屋で何故かユニットバスが付いてるのよね」

秋月(この狭い浴槽なら何度かに小分けにすれば一袋で複数回使えるはず)ドキドキ

秋月「でも複数人で使わないといけないのよね?この狹い浴槽にそれは…」

秋月「…ダメ元で聞いてみようかしら」

秋月「とりあえずあの人を部屋に入れて、誘ってみて…」

今日はもう眠いから導入だけやって寝るっぽい…

秋月が部屋に呼んだのは誰?


安価↓2

龍田「お邪魔しま~す」

秋月「お待ちしてました。すみません、わざわざ部屋に呼んでしまって」

龍田「ううん。いいの~。それよりどうしたのかしら~」

秋月「あの、明石さんがこんな入浴剤を勧めてくれて…」

龍田「ふむふむ~。…なんで二人以上?」

秋月「私にもわからないんですが…明石さんが言うに、今よりもっと仲良くなりたい人と使うのがいいというので」

龍田「はえー。それじゃあ、秋月ちゃん私と仲良くなりたいの~?」

秋月「その、もしお嫌じゃなければ…」

龍田「それはかまわないけど~。理由とか良かったら聞きたいな~。って~」

秋月「理由…ですか」

龍田「そうそう~。理由~。ほら、ほんとは私の事怖くて、苦手な人を減らしたいとか~」

秋月「そういうのじゃありません!」

龍田「わっ」

秋月「あ、すみません。大声出してしまって…」

龍田「ううん。いいよ。気にしな~い」

秋月「…理由、ですか。ううん、本当は隠しておきたかったところなんですが…そうですよね。こういうのはちゃんと言うべきです」

龍田「あ、いや別にそんなに深刻に考えなくてもいいよ~?ちょっとした冗談だか…」

秋月「尊敬してる人ともっと仲良くなりたいというのは、おかしなことではないですよね?」

龍田「え…」

秋月「ですから、憧れの艦娘である龍田さんと仲良くなれるいい機会だと思ったので」

龍田「ちょ、ちょ、ちょっと待ってね~?」

秋月「はい」

龍田「え、えっとね?憧れ?戦艦や空母、あるいは重巡のみんなとかならまだしも、なんで軽巡のしかも古い子の私なんか」

秋月「そんなご謙遜を。鎮守府を初期からずっと支えて来た龍田さんです。憧れてる艦娘は少なくないんですよ?」

龍田「嘘でしょ~?だって私天龍型よ?しかも二番艦よ?天龍ちゃんならまだ面倒見がいいから分からないでもないけど…」

秋月「でも龍田さんも格好いいじゃないですか!」

龍田「か、カッコイイ…!?」

秋月「はい!格好いいです!新参者の私みたいのでも、みんなとすぐに馴染めるようにさり気なく気にかけて下さったり!」

秋月「作戦前に緊張している子がいたら天龍さんいじりでみんなの気をほぐしてくれたり!」

秋月「それと自虐的に古い子古い子っておっしゃいますが、それって、歴戦の勇士ってことじゃないですか!」

龍田「いやぁ、それはただのものの言いようっていうかぁ …」

秋月「特に龍田さんは物静かな戦士って感じで…!昔の戦いのお話とか沢山聞いてみたいです!」

龍田(どうしよう~。なんだかすっかり凄い人見てるみたいな目で見られちゃってるよぅ~)

龍田「あ、あのね~?ちょっと落ち着いてね~。か、今回呼ばれた理由は、入浴剤でいいんだよね~?」

秋月「はっ!そ、そうでした!すみません!」

龍田(悪い気はしないけど、あんまり尊敬されるのはプレッシャーだよ~。天龍ちゃんなら素直に喜ぶのかな~)

龍田「それで、秋月ちゃんは私とお風呂入りたいんだよね~?」

秋月「はい!是非!」

龍田「う~ん…正直、あんまり話したことない子といきなりお風呂っていうのもなんか変な感じだけど~」

龍田(こんなにキラキラした目で見られたら断わりにくいよね~)

龍田「ま、いっか~。同姓だし、一緒にお風呂入るくらい~」

秋月「ありがとうございます!」

龍田「ううん。それ、確か明石ちゃんがさっき張り切って売ってた入浴剤だよね?」

秋月「はい!」

龍田「本当のところ、実はちょっぴり興味あったんだ~。あんまりにも高価だから、効き目とかどうなんだろ~。ってぇ」

秋月「きっと凄い効果だと思いますよ!あの明石さんがあれだけ自信をもって勧めて下さったんですから!」

龍田「う~ん…だからいろんな意味で興味深々なんだけどね~」

秋月「では早速お風呂のお湯入れてきます!」タタタタタ

龍田「まさか天龍ちゃんじゃなくて自分の身体で実験する日が来るとはね~」

(よし。これであと数分もすればお風呂は完成ね)

蛇口を全開まで捻り、勢い良くユニットバスに湯が貯まっていくのを見て、秋月は満足げに頷いた。
龍田を待たせていることに気付いて、急いで風呂場を後にしようと反転する。そこで鏡に映る自分の表情に気付いた。

(少し舞い上がり過ぎかしら)

そこには頬の弛んだしまりない笑顔の自分の顔が映っている。
龍田に憧れ、自分自身そこまで感情を表に出すのははしたないと考える方の秋月だ。我に返り、自省する。

(さっきも龍田さんに呆れられてたりしないわよね?)

不安になる。龍田はいつもおっとりと穏やかな笑みを浮かべているが、どんな状況でも頭はいつも冷静で、
自分を見失うことの決してないクレバーな女性として知られている(と、駆逐艦達の間では評されている)。
そんな彼女の前で、はしゃぎ過ぎてしまった気がする。
これは秋月にとっては恥ずべきことだった。憧れの人の前でこんな醜態を晒すなど。

(折角二人きりになれるんですもの。質問とかも考えておかなくちゃね)

戦闘での立ち居振る舞いや、普段の生活態度。聞きたいことは山程ある。
丁度いい機会なのだから、入浴中に聞きたいことは聞いておこう。
それで今回を機に親しくなれて今後も親密な付き合いができるようになれば秋月としては最高だ。

(おっと、だから龍田さんをお待たせしてるんだった。しっかりしなきゃ駄目よ。秋月)

だからこそ、龍田には自分をいつも通りの、真面目で忠実な駆逐艦として見てもらいたいのだ。良い印象を与えたいのだ。
深呼吸を一つして、ゆっくりと風呂場を後にする。逸る気持ちを抑えるためだった。

秋月が龍田の待つ部屋に戻ってすぐ、龍田は着替えを取りに一旦部屋へ戻った。
彼女が再び秋月の部屋に戻ってきた頃には、ユニットバスの浴槽はすでに湯で埋まっていた。

「それじゃあ、早速入ろうか~。うふふ、二人きりでお風呂って、改まるとなんだか変な感じだね~」

ゆっくりと服を脱ぎながら龍田が笑う。
軽巡の中でもとりわけ豊満なバストがおしげもなく外気に晒され、秋月は思わず息を呑んだ。

「そ、そうですね。すみません、こんなことに付き合わせちゃって」

一足先に上着だけ脱いでいたせいで、無意識に自分の身体と見比べてしまう秋月。
駆逐艦の中では悪い方のプロポーションではないと自負しているのだが、やはり役者が違うと思ってしまう。
なんとなく気が引けて、無意識に胸元をタオルで隠した。

「気にしないよ~。あ、秋月ちゃんのブラ可愛い~」

大人っぽい紫のブラジャーをするりと外しながら、龍田が言う。
繊細な意匠のレースが付いていて、秋月の目には信じられないほど高そうに見えた。

「そ、そんな。私のなんてただの安物で…」

謙遜ではない。むしろ見栄を張ったくらいだ。
実は秋月の下着は全て、母親からの仕送りのスーパーで3着1000円のようなものだ。
ただ、最近はそういった品でもそこそこの品質だったりして、竜田もそこまでの安物だとは気付かなかったようだが。

今秋月が付けているのは、その安物の中でも一番のお気に入りの、白地に黒のワンポイントが付いた質素なセットだ。
駆逐艦仲間に褒められるのなら悪い気はしないが、龍田ほどの女性に褒められると気恥ずかしさの方が先に来る。

「そうかな~?でも、清楚で秋月ちゃんに似合ってると思うよ~」

だが、龍田の方は素直に謙遜ととったのだろうか。
悪気なく朗らかに褒めてくる。

「す、すみません…」

それなら龍田さんの方こそ、セクシーで似合ってますよ。
そんな返しは秋月にはまだ難しかったようだ。

龍田がテキパキと服を脱いでいるのを横目に、秋月は少し戸惑っていた。

「ん…」

タオルで身体を隠したまま、ショーツ一枚でもじもじと身を捻る秋月に気付いて、一糸まとわぬ姿をバスタオルで包んだ龍田が声をかける。

「秋月ちゃん?どうかした~?」

「あ、いえ、その…」

顔を真っ赤にしてどもる秋月の様子に、龍田はすぐ原因に心当たった。

「あ、もしかして~。恥ずかしいんだ~」

すっかりペースを取り戻した龍田は、平常運転に戻って秋月をからかおうと試みた。
このくらいの年頃の女の子なら、例え尊敬している人間相手だろうと他人に裸を見られるのは恥ずかしいのだろう。
特に秋月は同年代に比べても純朴そうな少女だ。
龍田にとって、この手のタイプは大いにからかい甲斐のある手合で大好物だった。

「は、はい…その…あ、いえ…はい…」

(もー。かわいいなぁ)

恥ずかしそうに肯定したりやっぱり否定したり、また肯定したり。
秋月の心の機微がよくわかる。
龍田は秋月のことが急に愛おしくなった。

そうと決まれば話は早い。
龍田は内心意地悪くほくそ笑み、これからの入浴で秋月をからかい倒すことを心に決めた。
子供っぽい性格をしているのは自覚しているが、性分なので仕方ない。
可愛い子が困っている顔を見るのが、龍田の何よりの楽しみなのだ。

「あはは~。でも、お洋服は脱がないとお風呂入れないよ~?早くしないと冷めちゃうし、私も風邪ひいちゃう~」

「あっ!す、すみません!」

焦ったように秋月が叫ぶ。
だが中々胸を隠すタオルから手が離れない。秋月の顔の赤が色味を増した気がする。
その様子に、龍田は早速一つ目の悪戯を思い付いた。

「そんなに脱ぐの嫌なら、手伝おうか~?」

「えっ?」

秋月が疑問の声をあげるが早いか、龍田は素早く彼女の後ろに回り込む。
そして彼女のショーツに手をかけて…

「ひゃあああ!?」

一気に膝辺りまでずり下げた。
目を白黒させて驚く秋月に、悪戯の成功を確認してご満悦の龍田。
胸を隠していたタオルで顕になった股間を急いで隠した秋月が、上ずった声で問いただしてきた。

「た、たたたたた龍田さん!?な、ななねなにを!?」

「あっ、隙あり~」

そうして今度はガラ空きになった胸に手を回し、いやらしい手つきで揉みしだく。

「ふぁぁぁっ!?」

「あははは~」

少しやり過ぎたと反省しつつ、秋月のうぶなリアクションに笑いが止まらない。
最近は天龍にこんなことをしても、反応すると付け上がることがバレて流されることが増えたので殊更楽しい。

「た、龍田さぁん…」

天龍に比べればボリューム不足は否めないが、それでも反応が新鮮なだけに楽しいなぁ、
などと考えながら揉みしだき続けていると、捨てられた子犬のような情けない声で秋月が助けを求めてきた。

入浴前にあまりいじめすぎてもかわいそうかな、と考え、笑いながら謝罪しておく。
突然の龍田の行動に驚いた秋月だが、それでも緊張が解れたのか、あるいは今のでどうでもよくなってしまったのか
これ以上気負うことなく、あっさりとショーツを脱ぎ落とすことが出来た。

「そ、そういえば、まだ入浴剤を入れていませんでした」

気を取り直して秋月が入浴剤の袋を取り出す。
まだ始まったばかりなのに、声に少し疲れが見える。

「前途多難ね~」

悪びれもせず、秋月に見えないようにこっそり可愛らしく舌を出しながら龍田が相槌を打つ。
その言葉に反応し、一瞬手を止めてた秋月だったが、何も言い返してはこなかった。

「えっと、あまり入れ過ぎない方がいいと思いますので、少しだけ入れます」

一包でドック一つ相当という話はすでに説明済だった。
龍田も特に異論なく、袋の1/5ほどを浴槽に入れることが決定した。

「それじゃあ、いきます」

緊張気味の秋月が、後ろに立つ龍田に確認を取る。

「ワクワクするね~。私、このお風呂のお湯が入浴剤で変わる瞬間好きだな~」

「同感です」

朗らかな龍田の声に少しだけ肩の力を弛めて、入浴剤の包装を切る秋月。
粉をきっちり1/5、さらさらと浴槽に振りまく。
するとふわりと新鮮なレモンの香りがバスルームに漂った。

「うわぁ…!」

柑橘系の爽やかな香りに、思わず感嘆の声をあげる秋月。
龍田も目を細めて嬉しそうに笑った。

「やっぱり明石さんが推すだけありますね。いい香り…」

うっとりと香りを楽しむ秋月に、龍田が声を挟む。

「そろそろお風呂入ろうか~。私は身体洗うから、秋月ちゃん先に入っていいよ~」

「あっ、でもそうしたら…」

龍田の声に我に返り、秋月は龍田の身体と浴槽を見直した。
この部屋の狭い浴槽では、二人がまとめて浴槽に入ればギュウギュウ詰めになってしまうだろう。
だが、明石の話だと二人で同時に浴槽に入る必要があるのではないか?
それに先輩に身体を洗わせて自分だけ湯に浸かっているなど論外だ。
なので秋月は勇気を振り絞って提案することにした。

「あ、あの…!」

「えへへ~。じゃーん。見てみて、水鉄砲持ってきたんだー。それにアヒルちゃんも…なぁに?」

どこからともなく(おそらく後ろ手に隠し持っていた)嬉しそうに玩具を取り出す龍田に若干肩をこけさせながら、
めげずに提案した。

「その、良かったら、一緒に浸かりませんか?」

「そう?私はいいけど、狭いよ?秋月ちゃん大丈夫~?」

「問題ありません!」

気負いすぎな気もしたが、龍田は平然と受け入れてくれた。
龍田は龍田でこれだけ狭い浴槽ならまた悪戯できると内心喜んでいたのだが、それは表には出さなかった。

「なら一緒に浸かろうか~。折角だし、せーので入ろう?」

あくまで「そういうならそうしようか?」というスタンスで振る舞う。
心の中では秋月をどうからかってやろうかとずっと考えながら、大した役者である。差し当たっては…

「はい!いきましょう!せーの…」

秋月が浴槽に飛び込むんじゃないかという勢いで掛け声をあげた隙に。

「よいっしょ」

「ああっ!?」

滑り込むように一人だけ浴槽に入り、出し抜かれてショックだと悲鳴をあげる秋月の顔をじっくりと堪能する。

(あれ~?なにこの感触~。なんか変?)

風呂に浸かり、初めて気付く。
入浴剤の入った湯は相当重く、とろみというか、粘性を帯びていた。

(それに、この色…。よく見たら白っぽい透明で、ところどころドロドロのダマがあるよね?まるで…)

「酷いですよ龍田さん!」

まるで男性の精液のようだ。そんな下品な思考に至りかけたが、その思考は秋月の抗議の声に中断させられた。

「龍田さんがせーのでって言ったのに!」

「あ、ああ。ごめんねぇ~。ついつい意地悪したく、なっちゃった~」

「うう~…」

よほどショックだったのだろうか。
目に涙を溜めて唇を尖らせる秋月に、龍田はキュンキュンと心が締め付けられる。

(こんなかわいい顔されたら、もっと意地悪したくなっちゃうな~)

本人的には、引き際は弁えているつもりだった。
相手の反応を見て、嫌われる数本手前で止め、フォローする。
龍田には相手が誰だろうとそれができる自信があったし、事実今までそれでやり過ぎたことはない。
だから今回もそうするつもりだった。
そうしようと考えていた。

だから、気付かなかった。
自分の思考が、入浴剤の効果によって鈍り、やり過ぎてしまうという可能性に。
それが龍田の不幸だった。

拗ねたように龍田を睨む秋月に、龍田は苦笑して謝罪した。

「ごめんね~。秋月ちゃんのかわいい顔見たくって~」

「かわいいって…」

困惑したように呟く秋月をまあまあと宥めながら、早く浴槽に入ってくるように促す。

「それより、秋月ちゃんも負いでよ~。思ったのと違ってドロってしてるけど、すっごく暖まって気持ちいいよ~」

「はあ…あの…」

だが秋月は浴槽と龍田の顔を見比べて戸惑うばかりだ。

「どうしたの?風邪ひいちゃうよ?」

「いえ、その、だって」

モゴモゴと口籠りながら、浴槽にのんびりと寝そべるように身体を伸ばす龍田に

「でも、今お風呂に入ったら龍田さんを下敷きにしちゃいますよね?」

「大丈夫だよ~。秋月ちゃん痩せてるし、乗っかられても平気~」

「そういう問題じゃないと思うんですけど」

「ほらほら。早くおいでよ~。お姉さんが抱っこしながらお風呂入ってあげる~」

「あっ!わかった!またからかう気ですね!?」

飛び退くように龍田から距離をおいた秋月のリアクションに、また心が温まる。
だが、ここで拒絶されては秋月弄りが進まない。龍田が強引に押し切って、秋月を渋々浴槽に入れさせることに成功した。

待たせて申し訳ない…
パソコンから音が出なくなってボイス聞けなくなったせいで秋月のキャラが掴めず全然書けない
修理が必要なのかもわかんないんだけどとりあえず問題解決するまで待って欲しい

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2015年01月29日 (木) 22:34:29   ID: -VqzjbyY

なぜか全部読んでしまった
恐ろしい

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