スクールアイドルの日常3 (36)
「スクールアイドルと父」
~夜の公園~
穂乃果「………投げるよー」
穂乃果父「…来い」
穂乃果「えい!」ビュン
ほの父「…フンッ!!」
バシュッッッッッッッッ!!
穂乃果「ひゃっ!!……もうお父さんたら!!フルスイングしないでよ!!」
ほの父「フッ、お前もまだまだだな」
穂乃果「まだまだって…大体さ」
穂乃果「なんで麺棒でホームランできるの!?」
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ほの父「お前の修行が足りないだけだ」
穂乃果「そんな修行やりたくないよ!………ねえ、キャッチボールしようよお父さん、穂乃果野球とかわかんないし」
ほの父「……ほのまん、アイドルは楽しいか?」
穂乃果「唐突だね…うん、楽しいよ。あとほのまんって呼び方やめて」
ほの父「そうか……俺はお前が羨ましいよ。俺がお前くらいの時は部活にも入れず毎日まんじゅうばかり作らされてた」
穂乃果「……」
ほの父「でもお前は今、青春というものを楽しんでいる。一生に一度だけだ、大事にしろよ」
穂乃果「……うん」
ほの父「こう見えても俺はお前くらいの時、パイロットになりたかったんだ」
穂乃果「素敵な夢だね。おまんじゅうとも野球にも関係ないけど」
ほの父「……キャッチボールってのはな、男同士でやるものだ」
穂乃果「別にいいじゃん…やろ?」
結局、キャッチボールをすることになりました。
ほの父「ほのまん、お前将来やりたいことあんの……かっ!」ブン
穂乃果「何急に?あとほのまんって呼ぶのやめ……てっ!」ブン
ほの父「いや、お前に将来のビジョンとかあるのか疑問に思って……なっ!」
ブン
穂乃果「そうだね…お店を継いで、うちのおまんじゅうの味を日本中の…ううん、世界中の人に知ってもらいたいって思ってる……よっ!」ブン!!
ほの父「おお、ナイスボールだ……世界中に穂むらの味を知らしめるねえ……」
ほの父「できんのォ〜〜?お前にィ〜〜?」ニヤニヤ
穂乃果「そういうこと言わないでよぉ!」
雪穂「あ!二人ともこんな所にいたんだ」
穂乃果「あ、雪穂」
ほの父「ゆ……ゆ……」
ほの父「……ゆきりんさん」
雪穂「その呼び方マジでキモいからやめてくんない?」
穂乃果「どしたの?」
雪穂「お姉ちゃんかお父さん鍵貸して。玄関も裏口も閉まってて入れない」
ほの父「……お前も鍵無くしたのか」
雪穂「お前『も』?」
穂乃果「……雪穂、鍵持ってたらこんな所でキャッチボールなんかしてないよ…」
ほの父「母さんは町内会の慰安旅行だ……あと三日は帰ってこない……」
穂乃果「………」
雪穂「………」
ほの父「………」
三日後、そこには裏口のドアを破壊して家に入り正座させられながら怒鳴られている高坂父娘の姿があった。
「スクールアイドルと放課後」
〜海未の家、海未の部屋〜
海未「穂乃果、ことり。聞きたいことがあるのですが」
穂乃果「何?」
ことり「どうしたの海未ちゃん?」
海未「彼氏ってどうすればできるのでしょうか?」
ことり「……まず、放課後の教室でプリントを整理してる男の子がいるでしょ?ほら、あそこに」
穂乃果「オッス!オラ穂乃助!16歳、好きな食べ物は力うどんだぜ!曲がったことは大嫌いだぜ!よろしくゥ!」
海未「シミュレーションするんですか!?」
ことり「そうだよ!」
ことり「海未ちゃんは教室の鍵を閉めに来ました。そしたら穂乃助くんが一人残ってプリントを整理していました。廊下には誰もおらず海未ちゃんと穂乃助くん二人きり!」
ことり「さあ、どうする?」
海未「えーと…………」
〜Take 1〜
海未「……あの、もう教室を閉めたいのですが」
穂乃助「ああん?……うえっ!?わ、わりい園田……」
海未「それ、今日中にやらないとダメなんですか?」
穂乃助「あ、ああ!そうなんだよ、先生に頼まれちゃってさ…」
海未「はあ……わかりました、貸してください」
穂乃助「へ?」
海未「手伝いますから半分貸してください」ニコッ
穂乃助「あ、ありがと……園田……///」
ガラガラ
ドS眼鏡数学教室こと次郎
「おい、お前達。いつまで残ってるんだ、早く帰れ」
海未「誰ですか!?」
こと次郎「フッ、なるほどな……そんなに俺の『個人授業』が楽しみなのか園田。いい機会だ、高坂にもお前の恥ずかしい姿を見せてやろう。嬉しいだろう?新しい首輪を買ってきたんだ、つけてやるぞ」
海未「淫行教師です!こんなの破廉恥です!」
ことり「わがまま言わないでよ!!海未ちゃんのためにやってあげてるんだよ!?我慢してよ!!」
海未「知りません!!」
穂乃助「俺帰るわ、じゃあな」
海未「ちょ、待ってください!!」
海未「………」ズーン
穂乃果「もう!ゲームオーバーじゃん!」
ことり「もうやめる?」
海未「………いいえ、ここでやめたら園田家の恥。リトライです!!」
〜Take 2〜
海未「あ、あの…手伝います」
俺様系御曹司委員長、穂乃太郎
「余計なことはするな」
海未「す、すみません…」
穂乃太郎「俺に助けなどいらん。それに園田、貴様は部活をやっているだろう?この俺が気を遣ってやっているのだ、感謝しろ」
海未(………弓道部の先輩がやっていた
『乙女ゲーム』というものでは確か、こういう男性に対しては……)
海未「………部活など、高坂さんの手伝いに比べればミジンコ同然です」
穂乃太郎「………俺の気遣いを無駄にするとはいい度胸だ。もし失敗したら貴様との許嫁の関係を破棄してやる」
ことり「穂乃果ちゃん!!勝手に設定加えないでよお!!!」
穂乃果「こないだ読んだ漫画はこうだったんだもん!!!」
海未「いちいち細かいんですよ!!!ていうか私達は今何をやっているんですか!!!」
ことり「あーもう!!グダグダだよお!!!もう一回!!!」
〜Take 3〜
海未「手伝います」
アルビノクーデレ穂乃隆
「………はい」
海未(はあ………)
海未(別に本気で彼氏の作り方を知りたいわけでは……そもそも私達はスクールアイドルですし)
海未(何となく聞いただけなのになんでこんな目に……今はクーデレは置いといて別の方を攻略すべきなのでしょうか…)
ガラガラ
とつかわいい系テニス後輩、こと尋
「あ、あの!園田先輩!い、今時間空いてますか?よかったら……僕と一緒に………」
海未「さっきと違うじゃないですか!!!!」
海未「………」ズーン
ことり「ダメダメだね、海未ちゃん」
穂乃果「もう諦めようよ海未ちゃん。穂乃果もうやってらんない!」
海未「………私は大事なことを忘れていました」
海未「………穂乃助くん!」
穂乃果「ええ〜〜まだやるのお?」
ガシッ
穂乃果「へ?」
海未「来てください!穂乃助くん!」
ダッダッダッ
穂乃果「えええええ!?」
ことり「そう!それだよ!走れ海未ちゃん!!!」
海未「うおおおおおおお!!」
穂乃果「ちょ、海未ちゃん!?」
ことり「走れ海未ちゃん!ヤンデレお義兄ちゃんなんて突きおろして!」
ことり「近所の掴めない系オジ様なんてぶっちぎって!!!」
ことり「謎の甘々美少年なんて見えなくなるまで駆け抜けちゃえ!!!」
ことり「その手を離さず、どこまでも!どこまでも!どこまでも走り抜けてえええええええええ!!!」
海未「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!」
ほのうみ『はあはあはあ………』
海未「はあはあ……見てください、穂乃助くん。この綺麗な夕陽を」
海未「ここは私の秘密の場所。でも、見せてあげます。貴方は特別な方ですから」
穂乃果「海未ちゃん、まだ昼
海未「穂乃助くん……私、園田海未は貴方を世界で一番愛しています。私とお付き合いしていただけませんか?」
穂乃果「え!?えっと……」
穂乃助「うん……僕こそ……よろ、しく///」
ことり「エンダアアアアアアアア!!」
ことり「すごいよ海未ちゃん!これで大抵の男の子は落とせるよ!」
海未「ことり…………」
海未「うち女子校じゃないですか…………………!!」
ことり「あ」
番外編「A-RISEは異常」
「彼氏」
あんじゅ「ねえ、彼氏ってどうしたらできると思う?」
ツバサ「は?」
英玲奈「ん?」
あんじゅ「ねえ、彼氏ってさあ……」
英玲奈「なんでお前とそういう話をしなければならないんだ………!!」
ボゴオオオオオオオオ
あんじゅ「ゲボォ!!」
〜番外編 完〜
「スクールアイドルと怪談」
〜穂むら、穂乃果の部屋〜
海未「この間、定食屋さんで食事したのですが…」
ことり「ん?」
穂乃果「どうしたの急に」
海未「…どこの学校かは知りませんが、とても美人な女子生徒がいたのです。確か、焼き魚定食を食べていましたか」
ことり「……」
海未「しばらくしてその方は席を立ちました……しかし、米粒一つないほど綺麗に食べられたお椀には………」
海未「なぜか、箸が三本もあったのです」
ほのこと『いやあああああああああああああ!!!』
穂乃果「怖い話はやめてよお!!」
ことり「お願いやめてえ!!」
海未「怖いですか?この話……」
ことり「ことりが体験した怖い話は〜」
海未「いや、なんで怪談大会になってるんですか?」
穂乃果「なになに?」
ことり「……ご存知の通り、ことりの悩みはこのなかなか直らない寝癖です」
海未「初めて聞きましたよ」
穂乃果「ていうかそのトサカ寝癖だったんだね」
ことり「毎朝ブラシをかけても直らない……そんなある時、ことりは衣装作りに使う裁ちばさみを見て思いつきました」
ことり「そうだ、これで丸ごと切ってしまおうと」
ことり「そしてお風呂場でことりはこの寝癖をばっさりと切りました……」
ことり「そしたら一晩で元の大きさに再生していたんです!!!!!」
ことり「お〜〜〜しまいっ!どう?怖い?」
海未「怖すぎです!!!生き物ですか!!!」
穂乃果「穂乃果の怖い話はねー…」
海未「だからもういいですって!!!」
穂乃果「……中学の夏休みに数人で恵海ちゃんちにお泊りに行ったんだ。そしたら急に恵海ちゃんの具合が悪くなっちゃって……」
うみこと『………』ゴクリ
穂乃果「それでトイレまで連れてって介抱してあげたの……そしたら恵海ちゃんのゲロの中でね…………」
穂乃果「黒いものが動いてたの」
うみこと『………!!!』ゾワゾワッ
穂乃果「……それがね、ムカデだったんだ。人を怖がらないって言うし寝てる間に入ってきたんだろうね」
穂乃果「はい、穂乃果の話はおしまい!次、一周して海未ちゃんね」
海未「…………いえ、もう怖い話はなしです」
穂乃果「えー!つまんなーい!」
ことり「……ことり達、ちょっとトイレ行ってくるね………」
穂乃果「?行ってらっしゃい」
海未「……ことり」
ことり「……もし、穂乃果ちゃんの話が本当なら」
うみこと『今、私達の体内には…………………!!!!!』
海未「ことり、いざトイレへ…!」
ガチャ
雪穂「オエエエエエエエエエエエエエエ!!!」
海未「ゆ、雪穂!?」
ことり「話聞いてたんだ!」
ことり「海未ちゃん」
海未「………」コクリ
うみことゆき『オエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエ!!!!!』
ことり「うぇぷっ……いた!?」
海未「いえ、いません!!」
ことり「………もしかして、これ!?」
雪穂「ちが、それ私のひじきオエエエエエエエエエエエエエエ!!」
海未「雪穂そんな唐突にオエエエエエエエエエエエエエエ!!!」
ことり「海未ちゃん!!これじゃことりまでオエエエエエエエエエエエエエエ!!!」
穂乃果(………どうしよう、今更作り話なんて言えない…………)
〜完〜
Part3はここまでです。
来年もよろしくお願いしまオエエエエエエエエエエエエエエ
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