トイレ「やぁ」 (21)
※お下品なので注意
※短め
※糞スレ
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トイレ「やぁ」
トイレ「僕はトイレ。洋式トイレだ。気軽にトイレとでも呼んでくれ」
トイレ「これは完全に僕のひとり言だ。暇だからついしゃべってしまうんだ」
トイレ「まぁつまらない話になるかと思うが水洗を流すように聞いてくれ」
トイレ「つまる、なんてことはないからさ」
トイレ「…しかしトイレに名前などあるものか?僕たちトイレは形式が異なるだけで共通してトイレと呼ばれている」
トイレ「これはトイレから出た後、手を洗うくらい何の変哲もない当たり前のことだ」
トイレ「だがもし自分の家のトイレに名前がつけられるのなら君たちは何と名付ける?」
トイレ「一番嫌いな奴の名前をつけるか?それともジョンやトムといった名前にするか?」
トイレ「エミリーなどかわいらしい名前にする?いやいや、ここはひとつポルナレフというのはどうだろう?」
トイレ「気が向いたなら名付けてみるといい。君の家のトイレが喜ぶかもしれない」
トイレ「無機質な僕たちに感情なんてないけどね。だがもしかしたらトイレに入ることが楽しくなるかも」
トイレ「へいジャック!ウォシュレットの調子はどうだい?」
トイレ「君の便座、快適だったよ。ありがとう。それと便座カバー」
トイレ「なんてね」
トイレ「ちまたの小さな子どもたちはうんこうんちうんこうんち。それだけでみんな笑いこけてる」
トイレ「いや嫉妬しているわけではないけどね。僕はあいつら糞野郎みたいにねちっこくない」
トイレ「だがもし…そう…君たちは日常でうんこしたくなったとき…公の場では…例えば」
トイレ「学校での授業中に我慢できそうもない猛烈な便意に襲われた。トイレに行かなければ」
トイレ「トイレに行くため教室を抜け出すには教師にこっそり言うよね、お腹が痛いって」
トイレ「でもそのあとに続けてうんこしてきます。なんて直球で言う人は見たことない。だって恥ずかしいから」
トイレ「体調が悪いので保健室に行きますか、お腹が痛いので『トイレ』に行ってきます」
トイレ「この2択が多いだろう。どっちのテンプレートを言おうが出て行った後、最終的に行き着く先はトイレだがね」
トイレ「誰もうんこしますなんて言わないんだよ。下品だから」
トイレ「だからうんこうんちよりトイレのほうが上品であって上の位に位置しているんだ」
トイレ「すなわち子どもたちはうんこうんちで笑いをとるのでなく、トイレおトイレで笑いをとるべきなんだ」
トイレ「50歩100歩だけど、腹痛に襲われた時トイレへの距離が50歩先か100歩先かはだいぶ違うよね」
トイレ「だから僕のほうが言い方としても価値としても上品なんだ。優れたもののほうが使われるべきだ」
トイレ「何度でも言うけどつまり、トイレのほうがうんちうんこより笑いとしても品位としても上ということ」
トイレ「あートイレ最高!」
今気が付いた、sageだくそったれ
トイレ「便所飯というのがあるらしいね」
トイレ「トイレでうんちではなくトイレでランチとは。そしてトイレの備蓄されたうんちくにトイレの愚痴…」
トイレ「ウーン…いまいチ」
トイレ「昨晩こんな話を耳にしたよ」
トイレ「個室トイレが喋っている」
トイレ「…まさか!トイレが喋るなんて!作り話でも聞いたことがない!」
トイレ「だがもし、トイレが延々とひとり言をしゃべるだけの話を作る奴がいるとしたら、それは馬鹿な人間だ」
トイレ「いったい何が楽しくてこんな話を作るんだ?」
トイレ「そしてこれを読んでいる人間も大概だ。作り手の汚い話につき合わされた犠牲者ともいうかな」
トイレ「だがもし、僕のたわけた語りが聞かれているのなら言いたいことがある」
トイレ「僕もいろいろたまっているんだよ」
トイレ「トイレは清潔に気遣った人間でも排尿排便によって汚れてしまう場所だ」
トイレ「生きるためとしてはどうしても仕方のない行為だ」
トイレ「だが僕たちはそんな汚れている場所にずっといるんだ。1日トイレを使用しないことなんてないだろう」
トイレ「おかげで僕のプライドはずたずたさ。僕の隙間に埃はあるけどね」
トイレ「だからこまめに掃除をしてほしい。できるだけ綺麗に使ってほしい」
トイレ「便座を上げ下げするときは優しく動かしてほしい」
トイレ「僕たちのいる部屋は世界一清潔な家でも最も汚れている場所」
トイレ「だからこそ世界一清潔な場所にするような気持ちで掃除して清潔にしてほしいのだ」
トイレ「僕からの頭代わりに便座を下げたお願いだ」ウィーン
トイレ「……ま、誰も聞いてないんだけどね。まったく僕は何言ってるんだか」
トイレ「でも世の中トイレの中、愚痴いってないとやってらんないよ」
トイレ「だがもし聞いていたものがいるのなら」
トイレ「だがもしという僕のくだらない単調な口癖とさっきの話は、さっと水に流してくれ」
トイレ「トイレだけにね」
トイレ「最後に、僕はどこの建物のトイレだかわかるかい?」
トイレ「実はいうと、君の家のトイレなんだ」
トイレ「……もちろん嘘だ」
トイレ「だがもしトイレの個室から誰も入っていないのに声が聞こえてきたのなら」
トイレ「それは、僕かもしれないね」
トイレ「その時は温かくしてほしいね」
トイレ「僕も、便座を暖かくして待ってるからさ」
終わり
この話に感動したら自宅のトイレに名前をつけてかかさず毎日名前を呼ぶこと
あとなぜ俺はこの話を書いたのだろう…
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